JP2013224877A - 水蒸気透過性評価用セルおよび水蒸気透過性評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】試験片1に、水と化学反応して腐食物を生じる金属からなる腐食性金属層2と、吸湿構造3とを備えていることを特徴とする水蒸気透過性評価用セル10。吸湿構造3は、水分を透過する有機物により固定されている水蒸気透過性評価用セル10。水蒸気透過性評価用セル10を用いて、評価用セル10を加湿処理し、水と化学反応して腐食物を生じる腐食性金属層2の腐食状態を評価することにより、試験片1の水蒸気透過性を評価する、水蒸気透過性評価方法。
【選択図】図1
Description
(1)試験片に、水と化学反応して腐食物を生じる金属からなる腐食性金属層と、吸湿構造とを備えていることを特徴とする水蒸気透過性評価用セル。
(2)前記吸湿構造は、水分を透過する有機物により固定されている(1)に記載の水蒸気透過性評価用セル。
(3)前記腐食性金属層と吸湿構造の間に、水蒸気を透過しない金属からなる金属層を有する水蒸気不透過層を備えた(1)又は(2)に記載の水蒸気透過性評価用セル。
(4)前記水蒸気不透過層は、水蒸気を透過しない金属からなる金属層と、アルカリ土類金属からなる割れ防止緩衝層を有する積層構造を備えたものである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の水蒸気透過性評価用セル。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の水蒸気透過性評価用セルを用いて、前記評価用セルを加湿処理し、水と化学反応して腐食物を生じる腐食性金属層の腐食状態を評価することにより、試験片の水蒸気透過性を評価する、水蒸気透過性評価方法。
(6)前記腐食状態の評価は、試験片と接する、水と化学反応して腐食物を生じる腐食性金属層の表面を直接観察することにより、試験片の欠陥部を評価するものである、(5)に記載の水蒸気透過性評価方法。
(7)前記腐食状態の評価は、さらに、水と反応して腐食物を生じる腐食性金属層における腐食物の面積と腐食物の厚みから算出される金属腐食物の体積から、試験片を透過した水分量を定量するものである、(6)に記載の水蒸気透過性評価方法。
図1は、本発明に用いる水蒸気透過性を評価する試験片1と、水と化学反応して腐食物を生じる金属からなる腐食性金属層(以下、腐食性金属層)2と、吸湿構造3を備えた評価用セル10の一例を示す模式図である。
まず、水蒸気透過性を評価する試験片1を用意し、該試験片の評価する面、通常は水蒸気を接触させる面の反対側の面の所定の位置に、水と化学反応して腐食物を生じる金属を用いて、蒸着法などの方法により、腐食性金属層2を形成することができる。次いで、吸湿構造を構成する材料で作製された吸湿構造3を、評価セル筐体4に配置し、評価セル筐体4に対し、上記で準備した試験片1を、腐食性金属層2を、吸湿構造3側にして、外気に触れないようにして、密封、固定するなどして、評価用セル10を得ることができる。
また、割れ防止緩衝層の厚みとしては、10nm〜800nmが好ましい。
本発明の水蒸気透過性評価用セルを用いて、試験片の水蒸気透過性を評価する方法の例としては、まず、上記評価用セルを用意し、これを水蒸気接触面に水蒸気が触れるように、恒温恒湿槽内に配置して、所定の条件下にて加湿処理を行う。
M + aH2O → M(OH)a + (a/2)H2 化学式(1)
水蒸気透過度=X*18*a*(10000/A)*(24/T) 数式(1)
X=(δ*t*d)/Mw 数式(2)
上記数式(2)中、Mwは腐食性金属層に生成した金属腐食物(金属水酸化物)の分子量(式量)を表し、δ、t及びdは数式(1)中のそれらと同じものを表す。
(1)水蒸気透過性評価用セルの作製
試験片として、ポリエーテルサルホンフィルム(厚み200μm)とSiO2層(無機層、厚み50nm)からなる二層構造を有する水蒸気不透過性フィルムを用意した。試験片の一方の面の中央部に、腐食金属として金属カルシウム(2価)を用いて、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)により、面積が2.0mm×2.0mmで、厚み200nmの腐食性金属層を形成した。次いで、前記腐食性金属層の露出面のすべてを覆うように、金属アルミニウムを用いて、上記と同様の真空蒸着により、厚み4μmの水蒸気不透過金属層を形成した。次いで、蜜蝋にシリカゲル(3g)を混ぜ込んでシート状にした吸湿構造を作製し、アルミ製のセル筺体中に封入した。セル筺体とサンプルは溶融した蜜蝋を冷却固化することで接着封止を行い、水蒸気透過性評価用セルを作製した。なお、試験片のフィルムは、その無機層をスパッタリングにて形成したものを用いた。
(1)水蒸気透過性評価用セルの作製
試験片として、ポリエーテルサルホンフィルム(厚み200μm)とSiO2層(無機層、厚み50nm)からなる二層構造を有する水蒸気不透過性フィルムを用意した。水蒸気不透過性フィルム上に、直径10〜20μm程度の異物粒子を付着させた。試験片の一方の面の中央部に、腐食金属として金属カルシウム(2価)を用いて、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)により、面積が2.0mm×2.0mmで、厚み200nmの腐食性金属層を形成した。次いで、前記腐食性金属層の露出面のすべてを覆うように、金属アルミニウムを用いて、上記と同様の真空蒸着により、厚み4μmの水蒸気不透過金属層を形成した。次いで、前記第一の水蒸気不透過金属層の露出面のすべてを覆うように、金属バリウム(2価)を用いて、真空蒸着法により、厚み50nmの割れ防止緩衝金属層を形成した。次いで、割れ防止緩衝金属層の露出面のすべてを覆うように、銀を用いて、真空蒸着法により、厚み1μmの第二の水蒸気不透過金属層を形成した。次いで、蜜蝋にシリカゲル(3g)を混ぜ込んでシート状にした吸湿構造を作製し、
アルミ製のセル筺体中に封入した。セル筺体とサンプルは溶融した蜜蝋を冷却固化することで接着封止を行い、水蒸気透過性評価用セルを作製した。なお、試験片のフィルムは、その無機層をスパッタリングにて形成したものを用いた。
(1)水蒸気透過性評価用セルの作製
試験片として、ポリエーテルサルホンフィルム(厚み200μm)とSiO2層(無機層、厚み50nm)からなる二層構造を有する水蒸気不透過性フィルムを用意した。水蒸気不透過性フィルム上に、直径10〜20μm程度の異物粒子を付着させた。試験片の一方の面の中央部に、腐食金属として金属カルシウム(2価)を用いて、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)により、面積が2.0mm×2.0mmで、厚み200nmの腐食性金属層を形成した。次いで、前記腐食性金属層の露出面のすべてを覆うように、金属アルミニウムを用いて、上記と同様の真空蒸着により、厚み4μmの水蒸気不透過金属層を形成した。次いで、前記第一の水蒸気不透過金属層の露出面のすべてを覆うように、金属バリウム(2価)を用いて、真空蒸着法により、厚み50nmの割れ防止緩衝金属層を形成した。次いで、割れ防止緩衝金属層の露出面のすべてを覆うように、銀を用いて、真空蒸着法により、厚み1μmの第二の水蒸気不透過金属層を形成した。次に水蒸気透過面以外の部位を完全に蜜蝋のみで覆ったセルを作製した。
上記で得た水蒸気透過性評価用セルを用い、実施例1と同様の操作により水蒸気透過性の評価を行った。
加湿処理後の腐食性金属層における腐食物の生成について確認したところ、変色あるいは白色部となった腐食物である水酸化カルシウムが観察された。恒温恒湿度500時間処理後の2.0mm×2.0mmサイズのカルシウム薄膜中に100〜720μm径の腐食が確認でき、腐食総面積は12.6×10−3cm2であった。これより算出される水酸化カルシウムのmol質量は7.52×10−9g/molであった。これらより、水蒸気透過度を求めたところ、3.2×10−3(g/m2/day)であった。なお、腐食部付近を観察したところ、水蒸気不透過金属層に割れが確認され、試験片からの水蒸気の透過が確認できない腐食部が確認できたことから、水蒸気透過性評価用セルが正常に機能していないことがわかった。
2 腐食性金属層
3 吸湿構造
4 セル筐体
5 水蒸気不透過層
6 水蒸気(水分)を透過する有機物
10 評価用セル
Claims (7)
- 試験片に、水と化学反応して腐食物を生じる金属からなる腐食性金属層と、吸湿構造とを備えていることを特徴とする水蒸気透過性評価用セル。
- 前記吸湿構造は、水分を透過する有機物により固定されている請求項1に記載の水蒸気透過性評価用セル。
- 前記腐食性金属層と吸湿構造の間に、水蒸気を透過しない金属からなる金属層を有する水蒸気不透過層を備えた請求項1又は2に記載の水蒸気透過性評価用セル。
- 前記水蒸気不透過層は、水蒸気を透過しない金属からなる金属層と、アルカリ土類金属からなる割れ防止緩衝層を有する積層構造を備えたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の水蒸気透過性評価用セル。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水蒸気透過性評価用セルを用いて、前記評価用セルを加湿処理し、水と化学反応して腐食物を生じる腐食性金属層の腐食状態を評価することにより、試験片の水蒸気透過性を評価する、水蒸気透過性評価方法。
- 前記腐食状態の評価は、試験片と接する、水と化学反応して腐食物を生じる腐食性金属層の表面を直接観察することにより、試験片の欠陥部を評価するものである、請求項5に記載の水蒸気透過性評価方法。
- 前記腐食状態の評価は、さらに、水と反応して腐食物を生じる腐食性金属層における腐食物の面積と腐食物の厚みから算出される金属腐食物の体積から、試験片を透過した水分量を定量するものである、請求項6に記載の水蒸気透過性評価方法。
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