JP2013223911A - 固定部材および切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ホルダの着脱が容易で、かつホルダに装着されたインサートの切刃の位置決め精度がよい固定部材を提供する。
【解決手段】 工作機械1の刃物台3に取り付けられるスリーブ4と、先端にインサート8が着脱可能に取り付けられるインサート収容部9と、インサート収容部9に続く後端側に設けられる横断面が略円形のシャンク部10と、シャンク部10に続いて後端側に設けられる当接部11とを有するホルダ6と、を具備するとともに、スリーブ4はホルダ6の当接部11が挿入される貫通孔14と、貫通孔14内に設けられる位置決め部材5とを具備し、ホルダ6の当接部11とスリーブ4の位置決め部材5とが線当たりで当接している固定部材である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械に装着して用いられる固定部材および切削工具に関する。
従来、内径のボーリング加工や溝入れ加工等に用いられる切削工具として、インサートをホルダの孔内に挿入しボルトで締め込み固定し、このホルダを図5(a)に示すような工作機械の刃物台に装着して加工する方法が知られている。
図5(b)に刃物台50の一例を示すが、このように刃物台50に複数のホルダ51を装着するに際して、刃物台50に対してそれぞれにインサート(図示せず)を装着した複数種類のホルダ51を装着して自動で複数種類のホルダを取換えながら被削材を加工する方法が好適に用いられている。かかる刃物台50においては、各ホルダ51間の隙間が狭いために、機上でインサートの着脱を行うことが難しいという課題があった。そのために、ホルダ51を刃物台から外してインサートを着脱する方法が考えられるが、ホルダ51を一旦外すと、再び取り付けた際にホルダ51の位置がずれてしまい、それにつれてインサートの切刃部もずれてしまうという課題があった。
また、例えば、特許文献1には、断面が円形のシャンク部に続くフランジ部を有するホルダにおいて、フランジの工作機械への当接面に、この当接面から突出したピンを2つ設けて、この2つのピンを工作機械に設けたピン受容孔に挿入した状態で装着することによって、ホルダの回転を防止できることが開示されている。
特開2003−025175号公報
しかしながら、特許文献1のような当接面から突出したピンを工作機械に設けたピン受容孔に挿入する方法では、ピンとピン受容孔とのクリアランスによって、ホルダの位置が正確に決まらず、また、切削加工時の負荷によってピンが折れてしまうおそれがあった。
本発明の目的は、ホルダの着脱が容易で、かつホルダに装着されたインサートの切刃の位置決め精度がよい固定部材および切削工具を提供することにある。
本発明の固定部材は、工作機械の刃物台に取り付けられるスリーブと、
先端にインサートが着脱可能に取り付けられるインサート収容部と、該インサート収容部に続く後端側に設けられる横断面が略円形のシャンク部と、該シャンク部に続いて後端側に設けられる当接部とを有するホルダと、
を具備するとともに、前記スリーブは前記ホルダの当接部が挿入される貫通孔と、該貫通孔内に設けられる位置決め部材とを具備し、前記ホルダの前記当接部と前記スリーブの前記位置決め部材とが線当たりで当接しているものである。
また、本発明の切削工具は、固定部材にインサートを装着してなるものである。
本発明の固定部材によれば、ホルダの当接部をスリーブの位置決め部材に線当たりで当接させるようにホルダを刃物台に装着されたスリーブに差し込むだけで、ホルダを工作機械に位置決めすることができるので、ホルダの着脱が容易である。また、ホルダの当接部と位置決め部材との最も突出した部位同士が毎回同じ位置で線当たりして当接されることになるので、位置決め精度が高い。また、切削工具として使用する際の回転防止効果も高い。
本発明の固定部材のホルダ、スリーブおよび工作機械の刃物台の配置を説明するための(a)斜視図、(b)断面図である。 図1におけるホルダをスリーブに装着した状態についての(a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図である。 図1に用いられるホルダについての(a)斜視図、(b)側面図、(c)他の一例についての側面図である。 (a)図1のホルダの装着方法によって装着されるホルダの他の配置を説明するための断面図、(b)(a)のホルダに装着されるインサートの側面図である。 (a)工作機械の一例を示す模式図であり、(b)工作機械の刃物台の一例を示す模式図である。
本発明の固定部材の一実施態様である図1、2において、被削材を切削加工するための工作機械1は、固定部材2を装着する刃物台3を具備している。なお、図1(b)、図4(a)は断面図であるが、斜線は省略して記載している。そして、図1において、刃物台3には円筒状のスリーブ挿入孔7が設けられスリーブ挿入孔7にはスリーブ4が差し込まれて、ネジ部材20によって所定の位置で固定されている。スリーブ4には位置決め部材5が設けられている。図1によれば、位置決め部材5は円柱形状であり、位置決め部材5の長手方向が、ホルダ6の長手方向に対して垂直な方向となるように配置されている。
ここで、図3に示されるように、ホルダ6は、先端にインサート8が着脱可能に取り付けられるインサート収容部9と、インサート収容部9に続く後端側に存在して横断面が略円形のシャンク部10と、シャンク部10に続いて後端側に設けられる当接部11とを有している。当接部11の刃物台3に向かう側は傾斜面12となっている。
そして、ホルダ6を当接部11側からスリーブ4の挿入孔14に挿入して、ホルダ6の当接部11とスリーブ4の位置決め部材5とが線当たりで当接する位置で、ホルダ6が工作機械1に装着されている。
この構成によって、刃物台3に嵌め込まれて側面側から固定できるスリーブ4の位置決め部材5に対して、ホルダ6の当接部11を線当たりで当接させるようにホルダ6をスリーブ4に差し込むだけで、ホルダ6を工作機械1に位置決めすることができるので、ホルダ6の着脱が容易であり、インサート8の着脱も容易である。また、ホルダ6の当接部11と位置決め部材5とが毎回同じ位置で線当たりして当接されることになるので、インサート8の切刃部21の位置決め精度が高くかつ回転防止効果も高い。そのために、上記固定部材2にインサート8を装着して被削材を加工する切削工具は加工精度の高いものである。
ここで、図3によれば、インサート8は主面が多角形または円形の概略板状からなり、インサート収容部9の凹部に収容されている。また、図1によれば、スリーブ4には内部に挿入孔14が設けられ、挿入孔14を横切るように位置決め部材5が配置されている。そして、挿入孔14内にホルダ6が挿入されて、位置決め部材5にホルダ6の傾斜面12
が当接する位置で位置決めされる。また、スリーブ4には、位置決め部材5の装着可能な貫通孔13が設けられており、貫通孔13内に位置決め部材5を挿入して、スリーブ4に設けられたネジ孔18にネジ部材15を挿入して、ネジ部材15の先端面が位置決め部材5の側面に当接されることによって、位置決め部材5がスリーブ4に固定されている。また、貫通孔13は複数箇所設けられており、位置決め部材5が挿入される貫通孔13の位置を変えることによって、ホルダ6の長手方向の位置を調節することができる。
また、位置決め部材5は必ずしもホルダ6の長手方向に対して垂直な方向である必要はなく、垂直な方向から長手方向に傾いた構成であってもよいが、ホルダ6の長手方向に対して垂直な方向であることが、ホルダ6の加工が容易な点で望ましい。また、位置決め部材5は、例えば、ピンやねじ材といったホルダ6の当接部11と当接するものであればよい。例えば、棒状をなしており、円柱、三角柱等の多角柱等のいずれの形状であってもよく特に制限されない。ピンであれば貫通孔13を容易かつ高精度に加工できるので、ピンのがたつきが抑制できてホルダ8の突き出し量を容易に変更することが可能である。本実施態様においては、位置決め部材5としてピンが用いられている。
ここで、図1、2によれば、ホルダ6の脱落やがたつきを抑制するために、位置決め部材5以外に、位置決め部材5よりもスリーブ4の先端(第1端)側で、スリーブ4の外周面から挿入孔14に貫通するネジ孔16を設けて、ネジ孔16にネジ部材17を螺合して、ネジ部材17の先端でホルダ6のシャンク部10の外周面を押圧固定している。このとき、ネジ部材17に当接されるシャンク部10の外周面が平面である場合には、スリーブ4に螺合されるネジ部材17のクリアランスが10〜30′であれば、ネジ部材17の先端平面がシャンク部の外周平面に面当たりするように当接されて固定される。この面当たりする固定状態のほうが、ネジ部材17の拘束力が高い。なお、ネジ部材17に当接されるシャンク部10の外周面は曲面であってもよい。
また、図3(a)(b)に示すように、ホルダ6の傾斜面12は1面であってもよいが、図3(c)に示すように、ホルダ6’のホルダ当接部11はホルダ6’の横断面の中心に対して点対称な2つの傾斜面12a、12bからなっているものであってもよい。すなわち、ホルダ当接部11の線当たりする部分が切刃に対して平行である場合には、横断面の中心に対して点対称でかつホルダ当接部11の線当たりする直線に対して線対称に配置され、ホルダ当接部11の線当たりする部分が切刃に対して斜めになっている場合でも、横断面の中心に対しては点対称な形状で設けられる。この構成によって、ホルダ6’の取付方向が逆になった逆バイトについても同じホルダ6’を用いて工作機械1に装着することができる。
なお、図1〜3のインサート8は、概略板状であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、図4のインサート30のように、横断面が略円形の棒状をなして、インサートシャンク部31と、インサートシャンク部31に続く端部に設けられるとともに切刃稜線の一方端側が前記棒状の外周側に向かって突出した切刃部32とを有する形状からなるものであってもよい。また、インサート30の切刃部32とは反対側の端部には傾斜面33を有する。
一方、インサート30を装着するホルダ34には、図4に示されるように、長尺状のホルダ34の先端からインサート30を差し込む長尺の挿入孔36が設けられ、挿入孔36内には、インサート30の傾斜面33に当接される位置決め部材37が設けられている。そして、ホルダ34の挿入孔36内に、インサート30を切刃部32が形成された端部の反対端側から挿入して、ホルダ34に固定されている。すなわち、インサート30がホルダ34に位置決め部材37で位置決めされ、かつホルダ34がスリーブ4に位置決め部材5で位置決めされた2重に位置決めされた構成からなる。
この構成によれば、インサート30のホルダ34に対する切刃の長手方向および回転方向の位置精度が高く、かつインサート30のホルダ34に対する回転ずれが発生しにくい。しかも、ホルダ34のスリーブ4に対する長手方向および回転方向の位置精度が高く、かつホルダ34のスリーブ4に対する回転ずれが発生しにくい。また、スリーブ4は刃物台3に固定されているので、結果的にインサート30は刃物台3に対しても切刃の長手方向および回転方向の位置精度が高く、かつ回転ずれが発生しにくくなる。
なお、ホルダ34に設けられた位置決め部材37の形状、インサート33の傾斜面33との配置は、上述したスリーブ4の位置決め部材5の形状、ホルダ6の傾斜面12との配置を参考にして必要な部分を調整した構成とすればよい。また、ホルダ34に設けられたネジ孔41、ネジ部材42、ネジ孔43、ネジ部材44の配置も、上述したスリーブ4のネジ孔18、ネジ部材15、ネジ孔16、ネジ部材17の配置を参考にして必要な部分を調整した構成とすればよい。
1 工作機械
2 固定部材
3 刃物台
4 スリーブ
5、37 位置決め部材
6、6’、34 ホルダ
7 スリーブ挿入孔
8、30 インサート
9 インサート収容部
10 シャンク部
11 当接部
12、33 傾斜面
13、40 貫通孔
14、36 挿入孔
15、17、20、42、44 ネジ部材
16、18、43 ネジ孔
21、32 切刃部
31 インサートシャンク部

Claims (6)

  1. 工作機械の刃物台に取り付けられるスリーブと、
    先端にインサートが着脱可能に取り付けられるインサート収容部と、該インサート収容部に続く後端側に設けられる横断面が略円形のシャンク部と、該シャンク部に続いて後端側に設けられる当接部とを有するホルダと、
    を具備するとともに、前記スリーブは前記ホルダの当接部が挿入される貫通孔と、該貫通孔内に設けられる位置決め部材とを具備し、前記ホルダの前記当接部と前記スリーブの前記位置決め部材とが線当たりで当接している固定部材。
  2. 前記スリーブには前記位置決め部材の装着可能位置が複数箇所設けられており、前記位置決め部材は前記スリーブに対して着脱可能である請求項1に記載の固定部材。
  3. 前記当接部が傾斜面であり、前記位置決め部材が円柱形状である請求項1または2に記載の固定部材。
  4. 前記当接部が前記ホルダの中心に対して点対称な2つの傾斜面からなる請求項3に記載の固定部材。
  5. 前記インサートは、横断面が略円形の棒状をなして、シャンク部と、該シャンク部に続く端部に形成されて切刃稜線の一方端側が前記棒状の外周側に向かって突出した切刃部とを有する形状からなる請求項1乃至4のいずれかに記載の固定部材。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の固定部材にインサートを装着してなる切削工具。
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