JP2013223340A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】DC/DCコンバータの入力電流に脈動成分が含まれていても、その入力電力の最大値を追求するMPPT法による制御を安定確実に実現するとともに、負荷の変動に対しても高速度で応答して負荷電圧を一定に保つことができる電力変換装置を得ることを目的とする。
【解決手段】制御回路5は、交流発電機1の動作点が最大電力動作点から離れているときは、制御周期毎のデータに基づく比較的速い応答で出力電圧Voutを所定の目標値に追従させるCVモードで、動作点が最大電力動作点の近傍にあるときは、countermax回分の制御周期に相当する制御区分毎に求めた平均化データに基づく比較的遅い応答で最大電力動作点追従の制御を行うMPPTモードで制御する。
【選択図】図1

Description

交流発電機と、この交流発電機からの交流出力を整流する整流器と、この整流器からの脈動成分を含む直流出力を直流電圧変換して負荷に供給するDC/DCコンバータと、このDC/DCコンバータを制御する制御手段とを備えた電力変換装置に係り、特に、その制御方式に関するものである。
この種の交流発電機には、蓄電デバイス等を含む負荷へ供給する電力を調節するために、交流発電機の出力電圧に相当するDC/DCコンバータの入力電圧Vinを調節し、交流発電機の出力電力に相当するDC/DCコンバータの入力電力Pinを調節するDC/DCコンバータが備わっている。この交流発電機は、その出力電圧(Vin)が0から上昇していくとそれに応じてその出力電力(Pin)が増加し、ある出力電圧V2でその出力電力が最大となり、その出力電圧(Vin)がさらに上昇すると出力電力(Pin)が減少していく垂下特性を有している。
そして、DC/DCコンバータは、負荷への出力電圧を目標値に追従させる制御とともに、いわゆるMPPT(Maximum Power Point Tracking)法によって、その入力電力Pinが大きくなるように入力電圧Vinを調節するが、負荷の電圧が目標値を越えそうな場合は、その入力電力Pinが小さくなるように制御する。
特許第4115629号公報
このような電力変換装置においては、DC/DCコンバータには、交流発電機からの交流出力を整流器により整流した出力が入力されるので、その入力電流Iinは、整流器からの脈動成分を含む脈流の直流電流となる。勿論、整流器からの出力を完全に平滑化する平滑手段を設ければ完全な直流出力がDC/DCコンバータに入力されるが、その分、装置が大型化し電力損失も増大する。
よって、DC/DCコンバータの入力電力Pinは、その入力電圧Vinを一定に制御したとしても変動することになる。この変動によって、入力電圧Vinの調節による入力電力Pinの変化量が埋もれてしまい、MPPT法の制御において必要となる、今回の制御周期と前回の制御周期とにおける入力電力Pinの大小の比較が正しく行えなくなってしまう。このため、最大電力点でDC/DCコンバータのVinの変動が大きくなり、場合によっては、例えば、ハンチング状の現象が生じ、入力電圧Vinが0Vから開放電圧まで変化する可能性がある。
これを防ぐためには、DC/DCコンバータの入力電流Iinに含まれる脈動成分の周波数の影響を受けないように、制御周期を長くしたり、ローパスフィルタを挿入する方法が考えられる。しかし、DC/DCコンバータの入力電流Iinに含まれる脈動成分の周波数は、交流発電機の回転数(回転速度)に依存するため、交流発電機を低速度回転で使用する場合も考慮に入れると、負荷電力に対するDC/DCコンバータの入力電圧Vinの応答速度についてもかなり低下せざるを得ないことになる。応答速度が落ちると負荷急変時に蓄電デバイスの電圧が許容できる電圧範囲に収まらず、蓄電デバイスから電源を供給している機器が停止したり、蓄電デバイスそのものが故障したりしてしまう恐れがある。
この発明は、以上のような従来の問題点を解消するためになされたもので、DC/DCコンバータの入力電流に脈動成分が含まれていても、その入力電力の最大値を追求するMPPT法による制御を安定確実に実現するとともに、負荷の変動に対しても高速度で応答して負荷電圧を一定に保つことができる電力変換装置を得ることを目的とする。
交流発電機、この交流発電機からの交流出力を整流する整流器、この整流器からの脈動成分を含む直流出力を直流電圧変換して負荷に供給するDC/DCコンバータ、およびこのDC/DCコンバータを制御する制御手段を備えた電力変換装置において、
交流発電機は、回転速度の変動を伴う原動機により回転駆動され、一定の回転速度においては、その出力端が短絡/開放されそれぞれ出力電力が0となる短絡時動作点と開放時動作点との間に前記出力電力が最大となる最大電力動作点を有する出力電力−出力電圧特性を有するものであって、
制御手段は、交流発電機の出力電力−出力電圧特性における動作点が最大電力動作点近傍にあるときは動作点を最大電力動作点に追従させるMPPTモードにより、また、動作点が最大電力動作点から離れているときは負荷への出力電圧を所定の目標値に追従させるCVモードによりDC/DCコンバータの入出力電圧を制御し、かつ、MPPTモードにおける追従制御の応答速度を、CVモードにおける追従制御の応答速度より低く設定したものである。
以上のように、この発明に係る電力変換装置の制御手段は、交流発電機の出力電力−出力電圧特性における動作点が最大電力動作点近傍にあるときは動作点を最大電力動作点に追従させるMPPTモードにより、また、動作点が最大電力動作点から離れているときは負荷への出力電圧を所定の目標値に追従させるCVモードによりDC/DCコンバータの入出力電圧を制御し、かつ、MPPTモードにおける追従制御の応答速度を、CVモードにおける追従制御の応答速度より低く設定したので、CVモードでは、必要な速い応答速度で負荷への出力電圧を確実に目標値に追従させる制御が可能となるとともに、MPPTモードでは、入力電力の最大値を安定確実に得る制御に必要となるデータを確保することができる。
この発明の実施の形態1〜4における電力変換装置の構成を示す図である。 図1の交流発電機1の出力電力-出力電圧特性を示す図である。 回転速度が変化したときの同交流発電機1の出力電力-出力電圧特性を示す図である。 図1のDC/DCコンバータ3の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態1における電力変換装置の制御動作を示すフローチャートである。 図5のステップ群T1の詳細を示すフローチャートである。 図5のステップ群T2の詳細を示すフローチャートである。 図5のステップ群T3の詳細を示すフローチャートである。 図5のステップ群T4、T5の詳細を示すフローチャートである。 実施の形態1、2における、出力電力PoutをリセットするPresetの詳細を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2における電力変換装置の制御動作を示すフローチャートである。 図11のステップ群T2Aの詳細を示すフローチャートである。 図11のステップ群T3Aの詳細を示すフローチャートである。 図11のステップ群T4A、T5の詳細を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3における電力変換装置の制御動作を示すフローチャートである。 図15のステップ群T1Bの詳細を示すフローチャートである。 図15のステップ群T2Bの詳細を示すフローチャートである。 図15のステップ群T3Bの詳細を示すフローチャートである。 実施の形態3、4における、出力電力PoutをリセットするPresetの詳細を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4における電力変換装置の制御動作を示すフローチャートである。 図20のステップ群T2Cの詳細を示すフローチャートである。 図20のステップ群T3Cの詳細を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における電力変換装置の全体構成を示す回路構成図である。図1において、交流発電機1は、原動機6により回転駆動され、交流電力を出力する。なお、ここでは、自動車に搭載される車載機器を想定しており、原動機6は、その自動車のエンジンに相当し、従って、その回転速度(回転数)は自動車の走行停止の状況によって変動するものとなる。
交流発電機1からの交流出力は、整流器としてのダイオード整流器2により直流電力に変換される。従って、このダイオード整流器2から出力される直流電流は、整流に伴い発生する脈動成分を含む脈流の直流電流となる。
ここで、交流発電機1の特性について説明する。図2は、その出力電力−出力電圧特性で、ある一定の回転速度で回転駆動されている場合の、その出力電力と出力電圧との関係を示す。図に示すように、出力電圧V(V)が0(V)から次第に上昇していくとそれに応じて出力電力P(W)が増加し、出力電圧V2(V)で最大値Pmax(W)となり、更に出力電圧V(V)が上昇するとそれに応じて出力電力P(W)が減少していきV4(V)で0(W)となる垂下特性を有している。
ここで、出力電圧0(V)の動作点は、交流発電機1の出力端を短絡した状態に相当するので短絡時動作点と称し、出力電圧V4(V)の動作点は、交流発電機1の出力端を開放した状態に相当するので開放時動作点と称するものとする。出力電圧V2(V)の動作点は、出力電力が最大値Pmax(W)となる最大電力動作点である。
図3は、原動機6の回転速度、従って、この原動機6によって回転駆動される交流発電機1の回転速度が変化した場合の出力電力−出力電圧特性を示す。図では、高回転時、中回転時、低回転時の3段階の回転速度における特性を例示している。図に示すように、短絡時動作点は変化しないが、最大電力動作点および開放時動作点は、回転速度に応じて変化する。
ところで、先の図2から判るように、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性は、短絡時動作点と開放時動作点との間に最大電力動作点を有する上に凸の特性となるので、例えば、ある出力電力P1(W)には、V1(V)とV3(V)の2つの出力電圧が対応する。この点を考慮し、通常、交流発電機1の制御は、その出力電圧が、基本的に、最大電力動作点における電圧V2近傍より低い範囲と電圧V2近傍より高い範囲とのいずれか一方の範囲を対象として行う。
なお、いずれの範囲を選択するかは、例えば、使用対象の交流発電機1の両範囲における発生電力損失の比較や、また、出力電流が出力電圧の差に応じて両範囲で異なるので、後段で説明するDC/DCコンバータ3の発生電力損失も両範囲で異なることになり、それらの比較等を総合的に考慮して選択される。
図1に戻り、DC/DCコンバータ3は、ダイオード整流器2からの直流出力を直流電圧変換して、車両に搭載される蓄電デバイス等を含む負荷4に供給する。ここで、図に示すように、DC/DCコンバータ3への入力電流をIin、入力電圧をVin、DC/DCコンバータ3からの出力電流をIout、出力電圧をVoutとする。従って、ダイオード整流器2の電圧降下やDC/DCコンバータ3の電力損失を無視すると、交流発電機1の出力電圧Vは、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinに相当し、交流発電機1の出力電力Pは、DC/DCコンバータ3の出力電力Pout=Vout*Ioutに相当するとしてよい。
以上のことから、後段の制御動作の説明では、先の図2、図3で説明した交流発電機1の特性を、主として、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinと出力電力Poutとをパラメータとして説明するものとする。
図4は、DC/DCコンバータ3の一例を示す回路構成図で、ここでは、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、コンデンサC1、C2およびリアクトルL1とからなる、いわゆる降圧チョッパを採用している。
制御手段としての制御回路5は、スイッチング素子Q1をオンオフスイッチングすることにより、以下の式(1)で表されるオンデューティdを連続に調整してDC/DCコンバータ3の入出力電圧Vin、Voutを制御する。
Figure 2013223340
なお、DC/DCコンバータ3としては、その入出力電圧の変換比を連続的に調整できるものであれば、図4に例示した構成のものに限られるわけではない。
また、以上までに説明した内容は、後段で説明する実施の形態2以降においても同様であり、それぞれの実施の形態においての説明は重複するため省略するものとする。
次に、この発明の実施の形態1における制御回路5による制御動作について図5〜図10を参照して説明する。制御回路5によるDC/DCコンバータ3の制御動作は、その入出力電圧Vin、Voutおよび入出力電流Iin、Ioutを所定の制御周期でサンプリングしたデータに基づき制御する。
図5は、その全体の動作ステップを示すもので、その開始から終了に至るステップを、1制御周期で実行する。
なお、以下の制御ステップでは、mode等各種の変数が登場するが、これら変数については、図5の開始の前にすべて「0」を代入する初期化をしている。
図5のステップ群T1の詳細は図6に、ステップ群T2の詳細は図7に、ステップ群T3の詳細は図8に、ステップ群T4、T5の詳細は図9にそれぞれ示す。なお、図10は、各図に登場するPresetのステップの内容を示すものである。
以下、原則として、図5に示す動作の流れに沿って、適宜該当する図番を参照して制御動作の詳細を説明する。
この実施の形態1では、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的に、先の図2で説明した最大電力動作点における電圧V2近傍より低い範囲で動作するものと設定している。もっとも、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性は、先の図3で説明したように、原動機6、従って交流発電機1の回転速度に依存し、その最大電力動作点および開放時動作点は交流発電機1の回転速度により変動するため、この回転速度の変動具合によっては、制御動作の過程で上記した範囲を逸脱する可能性があり、この回転速度変動の観点からの考慮が必要となり、以下、適宜、この点からの動作を交えて説明する。
そして、基本的には、動作点が最大電力動作点の近傍にあるときは、動作点をこの最大電力動作点に追従させるMPPTモードで制御し、動作点が最大電力動作点から離れているときは、出力電圧Voutを所定の目標値Voutrefに追従させるCVモードで制御するものとしている。
先ず、図5のステップ群T1を示す図6のフローチャートについて説明する。ステップS1では、出力電圧Voutと出力電流Ioutとを乗算して出力電力Poutを算出する。ステップS2〜S5では、出力電力の最大値Poutmaxと最小値Poutminとを算出する。
この出力電力の最大値Poutmaxと最小値Poutminとは、後段図8のステップS25〜S28で説明するMPPTモードによる制御において必要となるデータである。制御周期を所定のcountermax回経ることを本願では1制御区分と称しているが、後段の説明で再度触れるように、このMPPTの制御はこの1制御区分を経る毎に行い、図6に示すステップを上記countermax回繰り返すことにより、その最終回における、PoutmaxとPoutminとが、当該制御区分における出力電力の最大値と最小値として得られることになる。
なお、実際のMPPTの制御では、後段の図10で説明するように、この最大値最小値の和であるPout1またはPout2を算出し、これらを本願請求項でいう平均化データとして採用する。
次に、図5のステップ群T2は、モード判定を行うステップで、このステップ群T2を示す図7のフローチャートについて説明する。先ず、ステップS6では、CVモードを選択するか否か、または、CVモードに切り替えるか否かを判定する。なお図中、「‖」は、「論理和(or)」を意味する記号である。
入力電圧Vinが所定の入力電圧下限値Vinlth未満のとき(ステップS6でYes)は、ステップS7に進み、動作モードを表すmodeに、CVモードを示す「0」を代入する。
ここで、入力電圧下限値Vinlthとしては、0Vに近い電圧値を設定する。この判定が成立すると、入力電圧Vinに相当する、交流発電機1の出力電圧が0Vに近く、最大電力動作点に対応する電圧V2より低いことが確実なためCVモードを選択する訳である。
同じくステップS6で、出力電圧Voutが所定の出力電圧上限値Vouththより高いとき(ステップS6でYes)は、ステップS7に進み、動作モードを表すmodeに、CVモードを示す「0」を代入する。
ここで、出力電圧上限値Vouththとしては、出力電圧目標値Voutrefより若干高い電圧値に設定する。
この判定は、それまでMPPTモードで制御しているときにCVモードに切り替える場合を想定したものである。即ち、出力電圧Voutが出力電圧上限値Vouththより高い、従って、出力電圧目標値Voutrefを越えているということは、MPPTモードによる制御で増加した結果、目標値Voutrefが維持できれば十分の負荷4への出力電力Poutが、大きくなり過ぎていることを意味しているので、それ以上の増大を防止すべくそれまでのMPPTモードを打ち切り、CVモードに切り替える訳である。
ステップS7で、mode=0とした後、ステップS8に進み、Presetを行うが、この内容は、後段のステップS10で説明するものとする。
ステップS6で、2つの判定式のいずれにも合致せずNoと判定されたときは、ステップS9に進む。なお、図中、上段の論理式「mode!=1」は、「mode≠1」を意味し、「&&」は、「論理積(and)」を意味する記号である。
ステップS9で、そのときのモードが、mode=1、即ち、MPPTモードのときは、その判定が常にNoとなるので、モードを切り替えることなく、即ち、MPPTモードのままで図7のフローを終了する。
そのときのモードが、mode≠1、従って、mode=0であるCVモードであって、かつ、下段の論理式「abs(Vinref−Vin1)≧Vinth」が成立するときは、ステップS9の判定がYesとなり、ステップS10に進む。
下段の論理式において、VinrefとVin1は、後述するように、入力電圧Vinのその時点における目標値と最後に記憶されている目標値である。また、Vinthは、入力電流Iinの脈動を考慮しても、入力電圧Vinの目標値が変化したことが有意であるか否かを判定するための閾値である。
従って、この論理式が不成立の場合は、入力電圧Vinの目標値が実質的に変化していない状態で、CVモードによる出力電圧Vout一定の制御がなされていると想定されるので、あえてモードを切り替える必要が無く、ステップS9の判定をNoとして図7の処理を終了する。
同論理式が成立する場合は、入力電圧Vinの目標値が実質的に変化している状態で、CVモードからMPPTモードへの切り替えが必要となる可能性が考えられるので、ステップS9の判定をYesとして、ステップS10、S11に進み、その必要性の確認を行う。
先ず、ステップS10のPresetの動作内容を、図10を参照して説明する。
ステップS35で、現在の制御区分の入力電圧Vinの目標値Vin1を、前回の制御区分の入力電圧Vinの目標値Vin2に記憶する。ステップS36で、現在の入力電圧Vinの目標値Vinrefを現在の制御区分の入力電圧Vinの目標値Vin1に記憶する。
ステップS37で、現在の制御区分の出力電力Pout1を前回の制御区分の出力電力Pout2に記憶する。ステップS38で、現在の制御区分の出力電力Poutの最大値Poutmaxと最小値Poutminとにより、現在の制御区分における、既述した平均化データとしての出力電力Pout1を求めている。
なお、このステップS38について、ここでは、出力電力Poutの最大値Poutmaxと最小値Poutminとを単に足し合わせて平均化データとしているだけであるが、最大値Poutmaxと最小値Poutminとを異なる比率で足し合わせて重み付けをしたり、最大値Poutmaxと最小値Poutminとの和を2で割って平均化データをしてもよい。
または、出力電力Poutを毎制御周期ごとに足し合わせていき、すべての出力電力Poutの平均値を用いるなど、要するに、MPPTモードにおける、最大電力動作点追従の制御応答速度を低下させ、交流発電機1の出力電流の脈動成分の影響をなくすことができる方法であれば何でもよい。
ステップS39で、現在の制御区分の出力電力Poutの最大値Poutmaxをリセットしている。次の制御周期でPoutmaxが確実に更新されるように0Wを代入している。ステップS40で、現在の制御区分の出力電力Poutの最小値Pminmaxをリセットしている。Poutminのリセット値Pouththは、次の制御周期でPoutminが確実に更新されるように十分大きな値を代入している。
ステップS24で、次に制御区分に進むために現在の制御区分における制御周期の回数counterをリセットしている。
図7に戻り、ステップS11で、MPPTモードに切り替えるかどうかを判定している。CVモード時は、入力電圧Vinが、先の図2の最大電力動作点の電圧V2より低い電圧で動作しているという前提であり、入力電圧Vinの目標値が前回の制御区分から大きくなり、かつ、出力電力Poutが小さくなった場合(ステップS11でYes)は、入力電圧Vinが、最大電力動作点の電圧V2より高い電圧で動作していると判定してステップS12に進む。それ以外の場合(ステップS11でNo)は、モード切り替えを行わずに図7の処理を終了する。
次に、図5のステップ群T3は、入力電圧Vinの目標値Vinrefの計算を行うステップで、このステップ群T3を示す図8のフローチャートについて説明する。
ステップS13で、出力電圧Voutとその目標値Voutrefとの偏差Vdefを求めている。ステップS14で、その偏差VdefにPI制御の比例項のゲインKpaをかけて、PI制御の比例項Paを求めている。
次に、ステップS15で、現在CVモードであるかの判定を行っている。
以下では、先ず、ステップS15でYesと判定される、mode=0、即ち、CVモードで制御している場合を、以下のステップS16〜S21を参照して説明する。これは、前段の図7の処理フローの、ステップS6(Yes)で、新たにCVモードが選択された場合、また、MPPTモードからCVモードに切り替わった場合、また、ステップS6(No)→ステップS9(Yes)→ステップS11(No)、ステップS6(No)→ステップS9(No)で、それまでのCVモードが踏襲された場合が相当する。
ステップS16に進み、このステップS16では、前回の制御周期の積分項Iaと、偏差VdefにPI制御の積分項のゲインKiaをかけたものを加えて、現在の制御周期におけるPI制御の積分項Iaを求めている。ステップS17からステップS20までは、積分項IaがDC/DCコンバータ3の入力電圧Vinの許容範囲である0VからVinmaxの間に収まるようにリミッタをかけている。ステップS21で、PI制御の比例項Paと積分項Iaとを足して入力電圧Vinの目標値Vinrefを求めている。
次に、ステップS15でNoと判定される、mode=1、即ち、MPPTモードで制御している場合を、以下のステップS22〜S28を参照して説明する。これは、前段の図7の処理フローの、ステップS6(No)→ステップS9(Yes)→ステップS11(Yes)で、CVモードからMPPTモードに切り替わった場合、または、ステップS6(No)→ステップS9(No)で、それまでのMPPTモードが踏襲された場合に相当する。
ステップS22で、現在の制御区分における制御周期の回数counterが(countermax−1)回であるかを判定する。なお、counterのカウント値は0から始まるので、この判定は、カウント値では、(countermax−1)で判定する。
counterが、(coutermax−1)と等しければ(ステップS22でYes)、現在の制御区分における制御周期の回数がcountermax回であるためにステップS23に進む。counterが、(coutermax−1)でなければ(ステップS22でNo)、現在の制御区分における制御周期の回数がcountermax回に満たないので、ステップS29に進み、counterに1を加えて図8の処理を終了する。
MPPTモードによる制御は、ステップS23から開始される。先のステップS22から分かるように、mode=1、即ち、MPPTモードでの制御周期が続いても、それがcountermax回続いて1制御区分が満了する毎にステップS23からのMPPTモードの制御を実行する訳である。
ステップS23は、Presetを行うもので、図10により説明済みで、再度の説明は省略するが、countermax回の制御周期を満了した段階の制御区分を現在の制御区分としてPresetの処理を行う。
ステップS25で、現在と前回の制御区分における入力電圧Vinの目標値Vin1とVin2、出力電力PoutのPout1とPout2との大小の比較を行っている。
入力電圧Vinの目標値が大きくなり出力電力Poutが大きくなった場合(ステップS25の上段の論理式が成立する場合)と、入力電圧Vinの目標値が小さくなり出力電力Poutが小さくなった場合(同下段の論理式が成立する場合)は、入力電圧Vinが、図2で示す最大電力動作点の電圧V2より低い電圧で動作していると判断されるため、入力電圧Vinの目標値Vinrefを高くして最大電力動作点に近づけるためにステップS26に進む。それ以外の場合は、同電圧V2より高い電圧で動作していると判断されるため、入力電圧Vinの目標値Vinrefを低くして最大電力動作点に近づけるためにステップS27に進む。
ステップS26では、入力電圧Vinの目標値Vinrefを高くするために、このVinrefに変化量deltaVinを加えている。ステップS27では、入力電圧Vinの目標値Vinrefを低くするために、このVinrefから変化量deltaVinを引いている。ステップS28では、MPPTモードからCVモードに切り替わったときに入力電圧Vinの目標値Vinrefが急変しないように、CVモード時のPI制御の積分項Iaを計算しておく。
以上の図8に示す処理により、CVモードおよびMPPTモードそれぞれの場合における、入力電圧Vinの目標値Vinrefが求まるので、以下、図5のステップ群T4、T5を示す図9のフローチャートを参照して式(1)に示すオンデューティdを演算する動作について説明する。
ステップS30、S31では、Vinrefが、DC/DCコンバータ3の入力電圧許容値Vinmaxを越えないようにリミット処理を行っている。
ステップS32、S33では、DC/DCコンバータ3として、この事例では、図4に示す降圧チョッパを採用していることを考慮して、VinrefがVoutrefを越えないようにリミット処理を行っている。
ステップS34では、VoutrefとVinrefとから、式(1)に基づき、スイッチング素子Q1のオンデューティdを求めている。
以上のように、この発明の実施の形態1における電力変換装置では、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的に、交流発電機1の最大電力動作点における電圧V2近傍より低い範囲で動作し、かつ、動作点が最大電力動作点の近傍にあるときは、動作点をこの最大電力動作点に追従させるMPPTモードで制御し、動作点が最大電力動作点から離れているときは、出力電圧Voutを所定の目標値Voutrefに追従させるCVモードで制御し、しかも、CVモードの制御は、制御周期毎のデータに基づく比較的速い応答で出力電圧Voutを所定の目標値Voutrefに追従させることができ、MPPTモードの制御は、countermax回分の制御周期に相当する制御区分毎に求めた平均化データに基づく比較的遅い応答で最大電力動作点追従の制御を行うので、入力電流Iinに含まれる脈動成分の影響を受けず安定確実な制御特性が得られる。
更に、MPPTモードの制御中に、出力電圧Voutが所定の出力電圧上限値Vouththより高くなるとCVモードに切り替え、また、CVモードの制御中に、入力電圧の目標値Vinrefが実質的に変化し、かつ、入力電圧Vinが最大電力動作点の電圧V2を越えるとMPPTモードに切り替えるようにしたので、両モードの切り替えが円滑になされるという効果がある。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2の電力変換装置は、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的に、先の図2で説明した最大電力動作点における電圧V2近傍より高い範囲で動作するものと設定している点が、先の実施の形態1の場合と異なる。
なお、交流発電機1、DC/DCコンバータ3を含む回路構成および交流発電機1の特性については、先の実施の形態1の場合と同様であるのでその説明は省略する。
以下、この発明の実施の形態2における制御回路5による制御動作について図11〜図14を参照して説明する。制御回路5によるDC/DCコンバータ3の制御動作は、その入出力電圧Vin、Voutおよび入出力電流Iin、Ioutを所定の制御周期でサンプリングしたデータに基づき制御する。
図11は、その全体の動作ステップを示すもので、その開始から終了に至るステップを、1制御周期で実行する。
なお、以下の制御ステップでは、mode等各種の変数が登場するが、これら変数については、図11の開始の前にすべて「0」を代入する初期化をしている。
図11のステップ群T1は先の実施の形態1の図5の場合と同じで説明は省略する。ステップ群T2Aの詳細は図12に、ステップ群T3Aの詳細は図13に、ステップ群T4A、T5の詳細は図14にそれぞれ示す。
以下、原則として、図11に示す動作の流れに沿い、かつ、先の実施の形態1の場合と異なる部分を中心に、適宜該当する図番を参照して制御動作の詳細を説明する。
先ず、実施の形態1の場合と異なる、図11のステップ群T2Aを示す図12について説明する。異なるのは、ステップS41で、先の図7のステップS6と比べると、その上段の論理式が異なる。
即ち、先の実施の形態1では、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的に、最大電力動作点における電圧V2近傍より低い範囲で動作するものとしていたのに対し、この実施の形態2では、最大電力動作点における電圧V2近傍より高い範囲で動作する設定であるので、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、入力電圧上限値Vinhthより高く、かつ、出力電力Poutが、出力電力下限値Poutlth未満のとき(ステップS41でYes)は、ステップS7に進み、動作モードを表すmodeに、CVモードを示す「0」を代入する。
ここで、入力電圧上限値Vinhthとしては、交流発電機1の最低回転速度における、開放時動作点の電圧(図2のV4)より若干低い電圧に設定する。また、出力電力下限値Poutlthとしては、0Wに近い値に設定する。この判定が成立すると、入力電圧Vinに相当する、交流発電機1の出力電圧が開放時動作点の電圧V4に近く、最大電力動作点の電圧V2より高いことが確実なためCVモードを選択する訳である。
ステップS41の下段の論理式は、MPPTモードからCVモードに切り替える場合の判定基準を示すが、先の図7のステップS6の場合と同様であり説明は省略する。
図12において、更に、先の実施の形態1の図7の場合と異なる点は、CVモードからMPPTモードに切り替えるかどうかを判定するステップS42である。
即ち、先の図7における同目的の判定を行うステップS11では、入力電圧Vinが、最大電力動作点における電圧V2より高い電圧で動作しているか否かを判定するものであったが、この実施の形態2においては、基本的に、最大電力動作点における電圧V2近傍より高い範囲で動作する設定であるので、ステップS11とは逆に、入力電圧Vinが、最大電力動作点における電圧V2より低い電圧で動作しているか否かを判定することになる。
具体的は、入力電圧Vinの目標値が前回の制御区分から小さくなり、かつ、出力電力Poutが小さくなった場合(ステップS42でYes)は、入力電圧Vinが、最大電力動作点の電圧V2より低い電圧で動作していると判定してステップS12に進む。それ以外の場合(ステップS42でNo)は、モード切り替えを行わない。
次に、実施の形態1の場合と異なる、図11のステップ群T3Aを示す図13について説明する。異なるのは、ステップS43で、先の図6のステップS13の場合に対し、実施の形態2と実施の形態1とでは、出力電力Poutを増やしたいときの入力電圧Vinの目標値Vinrefを変化させる向きが逆のため、偏差Vdefの正負を逆にしている。
今ひとつ、実施の形態1の場合と異なる、図11のステップ群T4Aを示す図14について説明する。異なるのは、先の図9にはなかったステップS44とステップS45とを追加している。実施の形態1では、最大電力動作点となる電圧V2より低電圧側でDC/DCコンバータ3を動作させるため、入力電圧Vinの最大値を決めておけば、出力電力Poutもその許容される最大値を越えることはないが、実施の形態2では、交流発電機1の開放時動作点の電圧V4まで使用するため、入力電圧Vinの最大値を決めるだけでは、出力電力Poutの最大値を越えないようにすることはできない。そこで、ステップS44とステップS45で、DC/DCコンバータ3の出力電流Ioutが出力電流の最大値Ioutmaxより大きい場合は、入力電圧の目標値Vinrefを高くして出力電力Poutが最大値を越えないようにしている。
以上のように、この発明の実施の形態2における電力変換装置では、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的に、交流発電機1の最大電力動作点における電圧V2近傍より高い範囲で動作し、かつ、動作点が最大電力動作点の近傍にあるときは、動作点をこの最大電力動作点に追従させるMPPTモードで制御し、動作点が最大電力動作点から離れているときは、出力電圧Voutを所定の目標値Voutrefに追従させるCVモードで制御し、しかも、CVモードの制御は、制御周期毎のデータに基づく比較的速い応答で出力電圧Voutを所定の目標値Voutrefに追従させることができ、MPPTモードの制御は、countermax回分の制御周期に相当する制御区分毎に求めた平均化データに基づく比較的遅い応答で最大電力動作点追従の制御を行うので、入力電流Iinに含まれる脈動成分の影響を受けず安定確実な制御特性が得られる。
更に、MPPTモードの制御中に、出力電圧Voutが所定の出力電圧上限値Vouththより高くなるとCVモードに切り替え、また、CVモードの制御中に、入力電圧の目標値Vinrefが実質的に変化し、かつ、入力電圧Vinが最大電力動作点の電圧V2未満となるとMPPTモードに切り替えるようにしたので、両モードの切り替えが円滑になされるという効果がある。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3の電力変換装置は、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的に、先の図2で説明した最大電力動作点における電圧V2近傍より低い範囲で動作するものと設定している点は先の実施の形態1の場合と同じである。
ところで、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性は、先の図3で説明したように、原動機6、従って、交流発電機1の回転速度によって変動し、この変動具合によっては、制御動作の過程でDC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、そのときの交流発電機1の開放時動作点の電圧V4を越える可能性がある。この場合、DC/DCコンバータ3の入力電力が0(W)になってしまうので、CVモード、MPPTモードのいずれの動作であっても最適な動作点に持って行くことができなくなる。
この実施の形態3は、以上のように、入力電圧Vinが、開放時動作点の電圧V4を越えてしまったときに、その入力電圧Vinを強制的に低下させる0Vモードを新たに設けた点が、先の実施の形態1と異なる。
なお、交流発電機1、DC/DCコンバータ3を含む回路構成および交流発電機1の特性については、先の実施の形態1の場合と同様であるのでその説明は省略する。
以下、この発明の実施の形態3における制御回路5による制御動作について図15〜図19を参照して説明する。制御回路5によるDC/DCコンバータ3の制御動作は、その入出力電圧Vin、Voutおよび入出力電流Iin、Ioutを所定の制御周期でサンプリングしたデータに基づき制御する。
図15は、その全体の動作ステップを示すもので、その開始から終了に至るステップを、1制御周期で実行する。
なお、以下の制御ステップでは、mode等各種の変数が登場するが、これら変数については、図15の開始の前にすべて「0」を代入する初期化をしている。
図15のステップ群T1Bの詳細は図16に、ステップ群T2Bの詳細は図17に、ステップ群T3Bの詳細は図18にそれぞれ示す。ステップ群T4、T5は先の実施の形態1の場合と同じで説明は省略する。
以下、原則として、図15に示す動作の流れに沿い、かつ、先の実施の形態1の場合と異なる部分を中心に、適宜該当する図番を参照して制御動作の詳細を説明する。
先ず、図15のステップT1Bを示す図16について説明する。ここでは、MPPTモードで使用する出力電力Poutの平均化データを求めているが、先の実施の形態1では、出力電力Poutの最大値と最小値との和をこの出力電力Poutの平均化データとしていたが(図10のステップS38参照)、この実施の形態3では、制御区分における出力電力Poutの平均値そのものを平均化データとするもので、図16では、そのための演算を行っている。
具体的には、図16のステップS1で、出力電力Poutを求めたあとに、ステップS46で、ステップS1で求めたPoutを現在の制御区分における出力電力Poutの和Poutsumに加える。続いてステップS47で、現在の制御区分における出力電力Poutの和Poutsumに、何回、出力電力Poutを加えたかをカウントするためにPoutcounterに1を加えている。
以上に対応して、この実施の形態3でのPrestの動作は、先の実施の形態1での図10と異なり、後段の図19に示すとおりとなる。
即ち、ステップS35からステップS37は、先の図10と同じであるが、ステップS38からステップS40の代わりにステップS55からS57を用いる。
ステップS55では、現在の制御区分における出力電力Poutの和Poutsumが、何回分の出力電力Poutを加えたものであるかを示すPoutcounterで割って、現在の制御区分の出力電力Poutの平均値Pout1を求めている。
ステップS56とステップS57では、次の制御区分に進むために、現在の制御区分における出力電力Poutの和Poutsumと何回出力電力Poutを加えたかを示すPoutcounterをリセットしている。
なお、この平均化データの算出方法における実施の形態1との差は、この実施の形態3で、0Vモードを加えた点とは特に関係はない。
従って、いずれの実施の形態においても、制御周期でサンプリングしたデータを制御区分で平均化した平均化データであれば、その算出方法に拘わらず、採用することができる。
次に、実施の形態1の場合と異なる、図15のステップ群T2Bを示す図17について説明する。
図17において、0Vモードへの切り替えを判定するステップS48およびそのYesの判定時に行うステップS49、S50を新たに追加している。
ステップS48で、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、入力電圧上限値Vinhthより高く、かつ、出力電力Poutが、出力電力下限値Poutlth未満のとき(ステップS48でYes)は、ステップS49に進み、動作モードを表すmodeに、0Vモードを示す「2」を代入する。
ここで、入力電圧上限値Vinhthとしては、交流発電機1の最低回転速度における、開放時動作点の電圧(図2のV4)より若干低い電圧に設定する。また、出力電力下限値Poutlthとしては、0Wに近い値に設定する。この判定が成立すると、入力電圧Vinに相当する、交流発電機1の出力電圧が開放時動作点の電圧V4に近く、最大電力動作点の電圧V2より高いことが確実なため、入力電圧Vinを強制的に低減させる0Vモードに切り替える訳である。
ステップS49で、mode=2とした後、ステップ50に進み、Presetを行う。
ステップS48で、Noのときは、ステップS6に進み、CVモードを選択するか否か、または、CVモードに切り替えるか否かを判定するが、先の実施の形態1の図7の場合と同様であるので説明は省略する。
図17において、今ひとつ、実施の形態1の図7と異なるのは、MPPTモードへの切り替えを確認するステップS51である。
先ず、CVモードからMPPTモードへ切り替えるか否かを判定する、ステップS51の上段に示す論理式は、先の図7のステップ11の場合と同様であり詳細な説明は省略するが、CVモードにより、入力電圧Vinが最大電力動作点における電圧V2以下の範囲で動作中に、その電圧V2を越えた場合(ステップS51の上段論理式がYes)に、MPPTモードに切り替える。
ステップS51の下段の論理式は、0Vモードで制御中にMPPTモードに切り替えるか否かを判定するものである。即ち、0Vモードでは、入力電圧Vinが、最大電力動作点における電圧V2より高い電圧で動作しており、これが0Vモードの動作で低下させていった結果、電圧V2より低くなる、即ち、入力電圧Vinの目標値が前回の制御区分から小さくなり、かつ、出力電力Poutが小さくなった場合(ステップS51の下段論理式がYes)に、MPPTモードに切り替える。
次に、実施の形態1の場合と異なる、図15のステップ群T3Bを示す図18について説明する。
図18では、先の実施の形態1の図8における、ステップS22の直前にステップS52を追加し、CVモード(mode=0)でもなく(ステップS15でNo)、MPPTモード(mode=1)でもない場合(ステップS52でNo)、従って、0Vモード(mode=2)の場合の、入力電圧Vinの目標値Vinrefの設定要領を規定するステップS53、S54を設けている。
具体的には、ステップS53で、入力電圧Vinの目標値VinrefからdeltaVinを引いて、強制的に入力電圧Vinの目標値Vinrefを低くしている。ステップS54で、その後、CVモードに切り替わった時に、入力電圧Vinの目標値Vinrefが急変しないように、目標値VinrefからCVモード時の比例項Paを引いて、積分項Iaを求めている。
以上のように、この発明の実施の形態3における電力変換装置では、先の実施の形態1で説明した効果に加えて、更に、以下の効果が得られる。
即ち、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的に、交流発電機1の最大電力動作点における電圧V2近傍より低い範囲で動作しているときに、交流発電機1の回転速度の変動等により、入力電圧Vinが、そのときの交流発電機1の開放時動作点の電圧V4を越えるような現象が生じた場合、入力電圧Vinを強制的に低減させる0Vモードに切り替えるようにしたので、本来の制御範囲での動作に復帰させることができる。
更に、0Vモードの動作で、入力電圧Vinが低減し、最大電力動作点の電圧V2より低くなったときは、MPPTモードに切り替えるようにしたので、本来の制御範囲における動作を確実に回復することができる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4の電力変換装置は、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的に、先の図2で説明した最大電力動作点における電圧V2近傍より高い範囲で動作するものと設定している点は先の実施の形態2の場合と同じである。
ところで、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性は、先の図3で説明したように、原動機6、従って、交流発電機1の回転速度によって変動し、この変動具合によっては、CVモードの制御動作の過程でDC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、そのときの交流発電機1の短絡時動作点の電圧0に近い値になる可能性がある。この場合、出力電力Poutを増やそうとして、入力電圧Vinが更に低くなろうとするので、入力電圧Vinが0Vから動くことができなくなる。
この実施の形態4は、以上のように、入力電圧Vinが、短絡時動作点の電圧0近傍となったときに、その入力電圧Vinを強制的に上昇させるSVモードを新たに設けた点が、先の実施の形態2と異なる。
なお、交流発電機1、DC/DCコンバータ3を含む回路構成および交流発電機1の特性については、先の実施の形態1の場合と同様であるのでその説明は省略する。
以下、この発明の実施の形態4における制御回路5による制御動作について図20〜図22を参照して説明する。制御回路5によるDC/DCコンバータ3の制御動作は、その入出力電圧Vin、Voutおよび入出力電流Iin、Ioutを所定の制御周期でサンプリングしたデータに基づき制御する。
図20は、その全体の動作ステップを示すもので、その開始から終了に至るステップを、1制御周期で実行する。
なお、以下の制御ステップでは、mode等各種の変数が登場するが、これら変数については、図20の開始の前にすべて「0」を代入する初期化をしている。
図20のステップ群T1Bは、先の実施の形態3の図15の場合と同じで説明は省略する。図20のステップ群T2Cの詳細は図21に、ステップ群T3Cの詳細は図22にそれぞれ示す。ステップ群T4A、T5は、先の実施の形態2の図11の場合と同じで説明は省略する。
先ず、実施の形態2の場合と異なる、図20のステップ群T2Cを示す図21について説明する。
図21において、SVモードへの切り替えを判定するステップS58を新たに追加し、そのYesの判定時に行うステップS49、S50(実施の形態3の図17と同じ)が続く。
ステップS58で、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、入力電圧下限値Vinlth未満のとき(ステップS58でYes)は、ステップS49に進み、動作モードを表すmodeに、SVモードを示す「2」を代入する。
ここで、入力電圧上限値Vinlthとしては、0Vに近い電圧に設定する。この判定が成立すると、入力電圧Vinに相当する、交流発電機1の出力電圧が0Vに近く、最大電力動作点の電圧V2より低いことが確実なため、この実施の形態4で問題とする上述した現象が生じているとしてSVモードに切り替える訳である。
ステップS49で、mode=2とした後、ステップ50に進み、Presetを行う。
ステップS58で、Noのときは、ステップS41に進み、CVモードを選択するか否か、または、CVモードに切り替えるか否かを判定するが、先の実施の形態2の図12の場合と同様であるので説明は省略する。
図21において、今ひとつ、実施の形態2の図12と異なるのは、MPPTモードへの切り替えを確認するステップS59である。
先ず、CVモードからMPPTモードへ切り替えるか否かを判定する、ステップS59の上段に示す論理式は、先の図12のステップ42の場合と同様であり詳細な説明は省略するが、CVモードにより、入力電圧Vinが最大電力動作点における電圧V2以上の範囲で動作中に、その電圧V2より低くなった場合(ステップS59の上段論理式がYes)に、MPPTモードに切り替える。
ステップS59の下段の論理式は、SVモードで制御中にMPPTモードに切り替えるか否かを判定するものである。即ち、SVモードでは、入力電圧Vinが、最大電力動作点における電圧V2より低い電圧で動作しており、これがSVモードの動作で上昇させていった結果、電圧V2より高くなる、即ち、入力電圧Vinの目標値が前回の制御区分から大きくなり、かつ、出力電力Poutが小さくなった場合(ステップS59の下段論理式がYes)に、MPPTモードに切り替える。
次に、実施の形態2の場合と異なる、図20のステップ群T3Cを示す図22について説明する。
図22では、先の実施の形態2の図13における、ステップS22の直前にステップS52を追加し、CVモード(mode=0)でもなく(ステップS15でNo)、MPPTモード(mode=1)でもない場合(ステップS52でNo)、従って、SVモード(mode=2)の場合の、入力電圧Vinの目標値Vinrefの設定要領を規定するステップS60、S54を設けている。
具体的には、ステップS60で、入力電圧Vinの目標値VinrefにdeltaVinを加えて、強制的に入力電圧Vinの目標値Vinrefを高くしている。ステップS54では、その後、CVモードに切り替わった時に、入力電圧Vinの目標値Vinrefが急変しないように、目標値VinrefからCVモード時の比例項Paを引いて、積分項Iaを求めている。
以上のように、この発明の実施の形態4における電力変換装置では、先の実施の形態2で説明した効果に加えて、更に、以下の効果が得られる。
即ち、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的に、交流発電機1の最大電力動作点における電圧V2近傍より高い範囲で動作しているときに、交流発電機1の回転速度の変動等により、入力電圧Vinが、そのときの交流発電機1の短絡時動作点の電圧0近傍となるような現象が生じた場合、入力電圧Vinを強制的に上昇させるSVモードに切り替えるようにしたので、本来の制御範囲での動作に復帰させることができる。
更に、SVモードの動作で、入力電圧Vinが上昇し、最大電力動作点の電圧V2より高くなったときは、MPPTモードに切り替えるようにしたので、本来の制御範囲における動作を確実に回復することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 交流発電機、2 ダイオード整流器、3 DC/DCコンバータ、4 負荷、
5 制御回路、6 原動機。

Claims (12)

  1. 交流発電機、この交流発電機からの交流出力を整流する整流器、この整流器からの脈動成分を含む直流出力を直流電圧変換して負荷に供給するDC/DCコンバータ、およびこのDC/DCコンバータを制御する制御手段を備えた電力変換装置において、
    前記交流発電機は、回転速度の変動を伴う原動機により回転駆動され、一定の回転速度においては、その出力端が短絡/開放されそれぞれ出力電力が0となる短絡時動作点と開放時動作点との間に前記出力電力が最大となる最大電力動作点を有する出力電力−出力電圧特性を有するものであって、
    前記制御手段は、前記交流発電機の前記出力電力−出力電圧特性における動作点が前記最大電力動作点近傍にあるときは前記動作点を前記最大電力動作点に追従させるMPPTモードにより、また、前記動作点が前記最大電力動作点から離れているときは前記負荷への出力電圧を所定の目標値に追従させるCVモードにより前記DC/DCコンバータの入出力電圧を制御し、かつ、前記MPPTモードにおける追従制御の応答速度を、前記CVモードにおける追従制御の応答速度より低く設定したことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御手段は、前記CVモードにおいては、前記DC/DCコンバータの前記入出力電圧および入出力電流を所定の制御周期でサンプリングしたデータに基づき制御し、前記MPPTモードにおいては、前記制御周期でサンプリングしたデータを所定の複数の前記制御周期である制御区分で平均化した平均化データに基づき制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記制御手段は、前記制御周期でサンプリングされた前記DC/DCコンバータの出力電圧と出力電流とから出力電力を演算し、更に、前記制御区分における前記出力電力の最大値と最小値を演算し、前記出力電力の最大値と最小値との和に基づき前記平均化データを作成するようにしたことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記制御手段は、前記制御周期でサンプリングされた前記DC/DCコンバータの出力電圧と出力電流とから出力電力を演算し、更に、前記制御区分における前記出力電力の平均値を演算し、前記出力電力の平均値に基づき前記平均化データを作成するようにしたことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  5. 前記制御手段は、前記DC/DCコンバータの入力電圧が所定の入力電圧下限値未満のときは前記CVモードにより前記DC/DCコンバータを制御し、前記DC/DCコンバータの入力電圧に関し現在の前記制御区分での値が前回の前記制御区分での値より大きく、かつ、前記DC/DCコンバータの出力電力に関し現在の前記制御区分での値が前回の前記制御区分での値より小さいときは前記MPPTモードにより前記DC/DCコンバータを制御することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御手段は、請求項5により前記MPPTモードで制御中に、前記DC/DCコンバータの出力電圧が前記目標値を越えたときは、前記CVモードの制御に切り替えるようにしたことを特徴とする電力変換装置。
  7. 前記制御手段は、前記DC/DCコンバータの入力電圧が前記交流発電機の最低回転速度における前記開放時動作点での電圧以上で、かつ、前記交流発電機の出力電力が所定の出力電力下限値未満のとき、前記DC/DCコンバータの入力電圧を強制的に低下させる0Vモードにより前記DC/DCコンバータを制御することを特徴とする請求項5または6に記載の電力変換装置。
  8. 前記制御手段は、請求項7により前記0Vモードで制御中に、前記DC/DCコンバータの入力電圧に関し現在の前記制御区分での値が前回の前記制御区分での値より小さく、かつ、前記DC/DCコンバータの出力電力に関し現在の前記制御区分での値が前回の前記制御区分での値より小さいときは前記MPPTモードの制御に切り替えるようにしたことを特徴とする電力変換装置。
  9. 前記制御手段は、前記DC/DCコンバータの入力電圧が前記交流発電機の所定の入力電圧上限値より高く、かつ、前記交流発電機の出力電力が所定の出力電力下限値未満のときは前記CVモードにより前記DC/DCコンバータを制御し、前記DC/DCコンバータの入力電圧に関し現在の前記制御区分での値が前回の前記制御区分での値より小さく、かつ、前記DC/DCコンバータの出力電力に関し現在の前記制御区分での値が前回の前記制御区分での値より小さいときは前記MPPTモードにより前記DC/DCコンバータを制御することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記制御手段は、請求項9により前記MPPTモードで制御中に、前記DC/DCコンバータの出力電圧が前記目標値を越えたときは、前記CVモードの制御に切り替えるようにしたことを特徴とする電力変換装置。
  11. 前記制御手段は、前記DC/DCコンバータの入力電圧が所定の入力電圧下限値未満となったとき、前記DC/DCコンバータの入力電圧を強制的に上昇させるSVモードにより前記DC/DCコンバータを制御することを特徴とする請求項9または10に記載の電力変換装置。
  12. 前記制御手段は、請求項11により前記SVモードで制御中に、前記DC/DCコンバータの入力電圧に関し現在の前記制御区分での値が前回の前記制御区分での値より大きく、かつ、前記DC/DCコンバータの出力電力に関し現在の前記制御区分での値が前回の前記制御区分での値より小さいときは前記MPPTモードの制御に切り替えるようにしたことを特徴とする電力変換装置。
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