JP2013222696A - 二次電池負極集電体用鋼箔 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄くて強度があり、軽量、経済的な鋼箔を用い、過放電時の耐金属溶出性と導電性(低電気抵抗)が両立した負極集電体用鋼箔を提供する。
【解決手段】質量%で、Cr:0.5〜6%、C:0.0001〜0.03%、Si:0.001〜0.3%、Mn:0.01〜1%、P:0.001〜0.05%、S:0.0001〜0.02%、Al:0.0005〜1.5%、N:0.0001〜0.004%、及び、残部:Fe及び不可避的不純物からなる鋼箔であって、厚みが5μm以上20μm以下であることを特徴とする二次電池負極集電体用鋼箔。
【選択図】なし
【解決手段】質量%で、Cr:0.5〜6%、C:0.0001〜0.03%、Si:0.001〜0.3%、Mn:0.01〜1%、P:0.001〜0.05%、S:0.0001〜0.02%、Al:0.0005〜1.5%、N:0.0001〜0.004%、及び、残部:Fe及び不可避的不純物からなる鋼箔であって、厚みが5μm以上20μm以下であることを特徴とする二次電池負極集電体用鋼箔。
【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水系電解液二次電池の負極集電箔に用いることができる鋼箔に関するものである。
リチウムイオン二次電池に代表される非水系電解液二次電池は高エネルギー密度を有するため、移動体通信、携帯用情報端末用電源として利用され、近年は、車載用にも実用され始め、その市場が急速に伸びている。それに伴い、小型化、軽量化を、さらに追及するため、機器の中で大きな容積を占める電池に対し、さらなる小型化、軽量化のための性能改善が求められている。
現在、その二次電池に使用されている負極活物質は、主に、黒鉛系炭素質材料であり、電池性能を左右するキーマテリアルとなっている。しかし、その材料中にリチウムを可逆的に挿入・脱離できる量は、炭素6原子に対してリチウム1原子が限界であり、電気容量にして、372mAh/gが炭素材料の充放電に対する理論的な限界容量である。現行の二次電池は、この限界容量に近いレベルで使用されているので、今後の飛躍的な性能改善は期待できない。
このような状況の下、炭素以外の材料、例えば、合金や無機化合物で372mAh/gを大きく上回る容量を有する材料の探索が行われつつある。中でも、特に、錫、ケイ素を含んだ結晶質酸化物材料又は非晶質酸化物材料において、1000mAh/gに近い放電容量を示す材料が見いだされている(例えば、特許文献1及び2、参照)。
しかし、前述の高容量活物質は、リチウムを吸蔵・放出することによる体積の変動が、従来の黒鉛系炭素質材材料に比べて大きいため、充放電の繰り返しに伴い、活物質が微粉化したり、活物質が集電体から剥離する。このため、良好な充放電サイクル特性を得ることができないという問題がある。
この問題に対して、CVD法やスパッタリング法により、銅箔などの集電体の上に、活物質として、非晶質シリコン薄膜や微結晶シリコン薄膜を堆積して形成したリチウム二次電池用電極は、活物質薄膜が集電体に密着しているため、良好な充放電サイクル特性を示すことが示されている(特許文献3、参照)。
また、シリコン系活物質を含む層中、又は、前記層と金属箔集電体との間に、バインダーとしてポリイミドを含む導電性中間層を配し、金属箔集電体上に導電性中間層を配置した状態で非酸化雰囲気下にて焼結することで、導電性中間層が、充放電反応に伴う負極活物質の膨張収縮により、合剤層が集電体から剥離するのを抑制し、この中間層が、合剤層と集電体との間の密着性を高めることが示されている(特許文献4、参照)。
しかし、このようなリチウム二次電池用電極においては、活物質層が集電体と密着しているため、充放電反応に伴う活物質薄膜の体積変動により、集電体に大きな応力が働き、集電体に変形が生じ、しわなどが発生、さらには、集電体と活物質の密着性が低下してしまい、電池寿命が低下してしまうという問題がある。
その対策として、活物質の体積膨張によりかかる応力に耐え得る、より高強度な集電体が要求されている。強度を高める手段の一つとして、集電体を厚くすることが考えられる。しかし、単に集電体を厚くするだけでは、強度の大きな向上は期待できず、そればかりでなく、電池の重量及び体積増加により、電池のエネルギー密度を低下させてしまうというデメリットが生じる。
現在、負極集電体の金属箔としては、主に、銅箔が使用されている。銅箔については、圧延により製造されるものと、電解法により製造されるものが代表的である。銅箔を用いた集電体の高強度化については、電解銅箔では限界があるので、圧延法による高強度銅箔の検討がなされており、圧延銅合金箔を負極集電体として用いることが提案されている(特許文献5、参照)。
しかし、圧延銅箔は、その厚みを薄くすればするほど、製造コストが上昇し、高価になる。したがって、薄く、かつ、高強度の集電体を得ることは可能であるが、経済性に劣るという問題がある。
そもそも、負極集電体に銅箔を用いることは、電池特性の観点からみても、最適な選択とはいえない。即ち、リチウムイオン電池が正常に作動している際の負極の電位は、多くの場合、2V(対Li)未満と非常に低いが、電池に短絡や過放電等が生じた場合には、負極の電位は、3V(対Li)超となる場合がある。このような高電位では、銅が急速に溶解し、電池特性の低下を引き起こしてしまうという問題がある。
また、さらに、銅は比重の大きな金属(8.9)であり、電池に占める負極集電箔の重量割合が比較的高く、重量当たりのエネルギー密度向上の妨げとなっている。また、コスト的にも、例えば、正極に使用されるAl箔と比較して銅箔は高価である。
以上の背景から、薄くて強度があり、軽量で、かつ、経済的で、過放電時の耐金属溶出性に優れた負極集電箔が切望されており、鉄系の箔に対して期待が寄せられている。
鉄は、銅に比較すると電気抵抗が大きく、集電体としての特性に疑問を持たれがちであったが、近年の電池構造の工夫とともに、電池の用途、要求特性の多様化から、電気抵抗が必ずしも問題とはならなくなってきた。
負極集電体に鉄箔を用いるものとしては、以下の技術を挙げることができる。特許文献6では、厚さ35ミクロン以下の電解鉄箔を負極の集電体に用いることが提案されている。また、防錆性の観点から、Niめっきされた電解鉄箔を用いることも提案されている。
しかし、電解鉄箔は電解時効率を上げるのが難しく、必ずしも経済的ではない。また、電解箔にNiめっきを施すことも、コストを引き上げる要因となる。さらには、Niめっきを厚く(1μm以上)形成しない限りは、過放電時のFe溶出が避けられない。
特許文献7では、鉄箔又はニッケルメッキを施した鉄箔の表面に三二酸化鉄を形成してなる金属箔を、負極集電体に用いることが提案されている。しかし、過放電時のFe溶出が避けられないとともに、負極電位での副反応が起き易く、結果として、電池の効率や寿命を阻害し易い。
特許文献8では、アルミニウム又はアルミニウム基合金で被覆した鋼箔を負極集電体として用いることが提案されており、溶融アルミニウムめっき鋼板を箔圧延する方法が推奨されている。
しかし、負極の作動電位が0.5V(対Li)以上に限定されるので、現状の炭素系負極活物質が使用できず、また、Siや、Snの高容量負極活物質も使用することができないという問題がある。また、溶融アルミニウムめっき鋼板を箔圧延して30μm程度以下の箔にしようとすると、めっきの割れや剥落を防ぐのが難しく、防錆性や過放電時の耐金属溶出性が劣ることになる。
特許文献9では、アルカリ電池用途ではあるが、薄い鋼板に硬質Ni層を形成した後、箔圧延して、クラックを硬質層に生ぜしめ、クラックによって活物質層の密着性を向上させることが提案されている。
この方法は、アルカリ電池用途では効果的かもしれないが、リチウムイオン電池用途では、クラック部から下地鉄の腐食や過放電時の溶出が起こるので良好な特性は得られない。また、30μm程度以下の薄い箔にしようとすると、硬質Ni層の割れや剥落が起因して、良好な表面状態の箔を得ることはできない。
特許文献10では、フェライト系ステンレス鋼箔の集電体が提案されているが、銅箔と比較しても経済的でない上に、活物質との密着性も必ずしも十分でない。
本発明は、薄くて強度があり、軽量で経済的な鋼箔を用い、防錆性、過放電時の耐金属溶出性、負極電位での安定性に優れた負極集電体用高強度鋼箔の提供を目的とする。
上記目的を達成する本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)質量%で、
Cr:0.5〜6%、
C:0.0001〜0.03%、
Si:0.001〜0.3%、
Mn:0.01〜1%、
P:0.001〜0.05%、
S:0.0001〜0.02%、
Al:0.0005〜1.5%、
N:0.0001〜0.004%、及び、
残部:Fe及び不可避的不純物からなる鋼箔であって、厚みが5μm以上20μm以下であることを特徴とする二次電池負極集電体用鋼箔。
Cr:0.5〜6%、
C:0.0001〜0.03%、
Si:0.001〜0.3%、
Mn:0.01〜1%、
P:0.001〜0.05%、
S:0.0001〜0.02%、
Al:0.0005〜1.5%、
N:0.0001〜0.004%、及び、
残部:Fe及び不可避的不純物からなる鋼箔であって、厚みが5μm以上20μm以下であることを特徴とする二次電池負極集電体用鋼箔。
(2)前記鋼箔が、さらに、質量%で、Ti及びNbの1種又は2種を0.1%以下含有することを特徴とする前記(1)に記載の二次電池負極集電体用鋼箔。
(3)前記鋼箔の表層に、Niめっき層又はCrめっき層を有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の二次電池負極集電体用鋼箔。
(4)前記Crめっき層の付着量が0.01〜0.5g/m2であり、前記鋼箔のCrが、質量%で0.5〜1%であることを特徴とする前記(3)に記載の二次電池負極集電体用鋼箔。
本発明によれば、薄くて強度があり、軽量で経済的な負極集電体を提供することができる。
本発明の二次電池負極集電体要鋼箔(以下「本発明鋼箔」ということがある。)は、下記の成分組成からなり(%は質量%)、厚みが5μm以上20μm以下であることを特徴とする。
Cr:0.5〜6%、
C:0.0001〜0.03%、
Si:0.001〜0.5%、
Mn:0.01〜1%、
P:0.001〜0.05%、
S:0.0001〜0.02%、
Al:0.0005〜1.5%、
N:0.0001〜0.004%、及び、
残部:Fe及び不可避的不純物。
C:0.0001〜0.03%、
Si:0.001〜0.5%、
Mn:0.01〜1%、
P:0.001〜0.05%、
S:0.0001〜0.02%、
Al:0.0005〜1.5%、
N:0.0001〜0.004%、及び、
残部:Fe及び不可避的不純物。
まず、成分組成の限定理由を説明する。以下、%は質量%を意味する。
Crは、過放電時の耐金属溶出性を確保するために必要な元素である。0.5%未満では、添加効果が発現しないので、下限を0.5%とする。6%を超えると、電気抵抗が増大するとともに、酸洗性や圧延性などが顕著に低下し、製造コストの増大を引き起こすので、上限を6%とする。好ましくは1.5〜3%である。
Cは、鋼の強度を高める元素である。0.03%を超えて過剰に含有すると、強度が上昇しすぎて、圧延性が低下し、製造コストの増大を招き、また、電気抵抗も悪化するので、上限を0.03%とする。電気抵抗の点で、Cの上限は0.01%が好ましい。一方、0.0001%未満に低減すると、精練コストが多大となるので、下限は0.0001%とする。
Siは、鋼の強度を高める元素である。0.5%を超えて過剰に含有すると、強度が上昇しすぎて、圧延性が低下し、製造コストの増大を招き、また、電気抵抗も悪化するので、上限を0.5%とする。電気抵抗の点で、Siの上限は0.01%が好ましい。一方、0.001%未満に低減すると、精練コストが多大となるので、下限は0.001%とする。
Mnは、鋼の強度を高める元素である。1%を超えて過剰に含有すると、強度が上昇しすぎて、圧延性が低下し、製造コストの増大を招き、また、電気抵抗も悪化するので、上限を1%とする。一方、0.01%未満に低減すると、精練コストが多大となるとともに、軟質すぎて圧延性が低下し、製造コストの増大を招くので、下限は0.01%とする。圧延性と電気抵抗の点で、Mnは0.01〜0.3%が好ましい。
Pは、鋼の強度を高める元素である。0.05%を超えて過剰に含有すると、強度が上昇しすぎて、圧延性が低下し、製造コストの増大を招き、また、電気抵抗が悪化するので上限は0.05%とする。一方、0.001%未満に低減すると、精練コストが多大となるので、下限は0.001%とする。より高い圧延性の確保のため、Pは0.001〜0.02%が好ましい。
Sは、鋼の熱間加工性や耐食性を低下させる元素であるから少ないほど好ましく、上限は0.02%とする。一方、0.0001%未満に低減すると、精練コストが多大となるので、下限は0.0001%とする。より高い圧延性を確保する点、また、コストの点で、Sは0.001〜0.01%が好ましい。
Alは、鋼の脱酸元素として0.0005%以上を含有させることが必要である。またAlは、Crとの複合添加で、過放電時の耐金属溶出性を改善する。ただし、過剰に含有すると、強度が上昇しすぎて、圧延性が低下し、製造コストの増大を招くので、上限は1.5%とする。
Nは、鋼の熱間加工性や加工性を低下させる元素であるから少ないほど好ましく、上限は0.004%とする。一方、0.0001%未満に低減すると、精錬コストが多大となるので、下限は0.0001%とする。
本発明鋼箔は、前記成分に加えて、Ti及びNbの1種又は2種を0.1%以下含有することもできる。Ti及び/又はNbは、鋼中のC及びNを、炭化物や窒化物として固定して、加工性を向上させることができる。ただし、過剰に添加すると、製造コストの増大や電気抵抗の悪化を招く。好ましい添加範囲は、Tiは0.01〜0.8%、Nbは0.005〜0.05%である。
本発明鋼箔は、さらに、付加成分として、B、Cu、Ni、Snなどを、本発明鋼箔の特性を損なわない範囲で含有し得る。
本発明鋼箔は、厚みが、5μm以上20μm以下である。二次電池負極集電体に用いる素材は、薄いほうが電池の軽量化、高容量化、低コスト化に資する。本発明鋼箔は、20μm以下の薄膜であっても、電気抵抗が小さいので、極薄の箔でも、二次電池負極集電体に適用可能である。本発明鋼箔の成分組成を前述したようによう規定しないと、20μm以下に箔圧延する場合の圧延性や、電気抵抗が顕著に悪化する。
本発明鋼箔は、通常の薄板製法に従って薄板とし、その後、大圧下の圧延で箔とする。具体的には、製鋼、熱延、酸洗、冷延、焼鈍の工程で製造した薄板を、さらに、大圧下の箔圧延によって20μm以下の鋼箔とする。1回又は複数のパスで箔圧延を行なう。箔圧延の途中で焼鈍を行なって、圧延性を確保することも可能である。
ただし、本発明鋼箔の成分組成では圧延性が良好であるので、中間での焼鈍は必須でなく、製造コストの点で、中間焼鈍は施さないことが望ましい。箔圧延した後に焼鈍することも可能である。
本発明鋼箔の表層に、Niめっき、又は、Crめっきを施すことも可能である。このめっきによって、過放電時の金属溶出性をステンレス鋼以上に改善することができる。また、表層にめっき層を形成した鋼板を、前述の条件で箔圧延することも可能である。
Niめっきの好ましい付着量は1g/m2以上である。めっき付着量が多いほど、金属溶出性を改善できるが、コストは増加する。
Crめっきの好ましい付着量は0.01g/m2以上である。0.5g/m2を超えると、めっき層のクラックが増加し、金属溶出性の改善効果がなくなるとともに、クラックが起因して、箔強度が低下するので好ましくない。Crのほうが、より少ない付着量で効果がある。
表層にめっきがある場合には、鋼中のCrを0.5〜1%に抑えることが、製造コストの点で好ましい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1〜25及び比較例1〜9)
通常の薄板製法により、表1に示す成分組成の板厚0.2mmの冷延鋼板(焼鈍材)を製造し、次いで、圧延率90%で箔圧延を行い、厚み20μmの鋼箔を製造した。
通常の薄板製法により、表1に示す成分組成の板厚0.2mmの冷延鋼板(焼鈍材)を製造し、次いで、圧延率90%で箔圧延を行い、厚み20μmの鋼箔を製造した。
(比較例10)
板厚0.2mmのステンレス冷延鋼板(焼鈍材)を用い、圧延率90%で箔圧延を行い、厚み20μmのステンレス箔を製造した。
板厚0.2mmのステンレス冷延鋼板(焼鈍材)を用い、圧延率90%で箔圧延を行い、厚み20μmのステンレス箔を製造した。
(評価方法)
過放電溶解性:アルゴン雰囲気(露点−60℃)のグローブボックス内にて、三極式ビーカーセルを組み立てた。各供試材のエッジと裏面をテープシールして作用極とした。対極及び参照極は金属リチウムを用いた。
過放電溶解性:アルゴン雰囲気(露点−60℃)のグローブボックス内にて、三極式ビーカーセルを組み立てた。各供試材のエッジと裏面をテープシールして作用極とした。対極及び参照極は金属リチウムを用いた。
電解液は、1MのLiPF6を体積で1:1のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒に溶解したものを用いた。前記のセルを25℃に保持し、浸漬電位から5mV/secで貴方向に走査し、0.01mA/cm2の電流が流れる電位を計測して溶解電位とした。溶解電位は、Li基準の電位(V)で表記した。
電気抵抗:四端子法による体積抵抗率を、20℃で測定した。
表1に、評価結果を併せて示す。
表1に示すように、過放電溶解性と電気抵抗はトレードオフの関係となるが、本発明の実施例では、良好な過放電溶解性と電気抵抗が両立している。なお、過放電溶解性は、一般的な銅箔を同じ手法で評価すると、3.4Vとなり、本発明の実施例では、銅箔のレベルを大きく凌駕していた。
電気抵抗は、比較例10に示すSUS箔と比較すると、実施例及び比較例1〜9ともに良好であるが、抵抗が低いほど電池の寿命向上に資するので、15μΩcm以下を◎、20μΩcm以下を○と評価した。
(実施例27〜30及び比較例11)
実施例1で製造した箔を用い、各種のめっきを電気めっき法で施した。Niめっき条件は、次の通りである。
実施例1で製造した箔を用い、各種のめっきを電気めっき法で施した。Niめっき条件は、次の通りである。
硫酸Ni:320g/l、塩化Ni:70g/l、ほう酸:40g/lからなる浴を用い、浴温度:65℃、電流密度:20A/dm2で、種々の付着量のNiをめっきした。
Crめっき条件は、次の通りである。無水クロム酸:150g/l、硫酸:1.5g/lからなる浴を用い、浴温度:50℃、電流密度:50A/dm2で、種々の付着量のCrをめっきした。
Znめっき条件は、次の通りである。硫酸Zn:250g/l、硫酸:15g/l、硫酸ナトリウム:50g/lからなる浴を用い、浴温度:60℃、電流密度:50A/dm2で、Znをめっきした。
(実施例31〜34及び比較例12)
実施例2で製造した箔を用い、先の例と同様の手法で各種のめっきを行った。
実施例2で製造した箔を用い、先の例と同様の手法で各種のめっきを行った。
(実施例35〜38及び比較例13)
実施例11で製造した箔を用い、先の例と同様の手法で各種のめっきを行った。
実施例11で製造した箔を用い、先の例と同様の手法で各種のめっきを行った。
評価方法は先の例と同一である。
評価結果を表2に示す。
表2に示すように、Ni又はCrをめっきすることによって、過放電溶解性をステンレス鋼のレベル(比較例10:4.4V)より改善することができた。比較例に示すように、Znをめっきすると、過放電溶解性が銅箔(3.4V)よりも悪化した。なお、めっきによって、電気抵抗は変化しなかった。
前述したように、本発明によれば、薄くて強度があり、軽量で経済的な負極集電体を提供することができる。したがって、リチウムイオン電池等の二次電池の性能、安全性、経済性を改善することが可能であり、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。
Claims (4)
- 質量%で、
Cr:0.5〜6%、
C:0.0001〜0.03%、
Si:0.001〜0.3%、
Mn:0.01〜1%、
P:0.001〜0.05%、
S:0.0001〜0.02%、
Al:0.0005〜1.5%、
N:0.0001〜0.004%、及び、
残部:Fe及び不可避的不純物からなる鋼箔であって、厚みが5μm以上20μm以下であることを特徴とする二次電池負極集電体用鋼箔。 - 前記鋼箔が、さらに、質量%で、Ti及びNbの1種又は2種を0.1%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の二次電池負極集電体用鋼箔。
- 前記鋼箔の表層に、Niめっき層又はCrめっき層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池負極集電体用鋼箔。
- 前記Crめっき層の付着量が0.01〜0.5g/m2であり、前記鋼箔のCrが、質量%で0.5〜1%であることを特徴とする請求項3に記載の二次電池負極集電体用鋼箔。
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