JP2013222150A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーに対する帯電付与性の向上を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】静電潜像が形成された像担持体に現像剤を押圧して静電潜像を現像し、記録材に現像剤像を転写して画像を形成する画像形成装置であって、画像形成装置内の湿度を検知する湿度検知手段を備え、検知した湿度が所定値より小さい場合、電圧印加手段により帯電電圧を印加された帯電手段により像担持体を帯電させて潜像形成手段により像担持体に静電潜像を形成し、該像担持体に現像剤担持体が現像剤を押圧することで現像された現像剤像を記録材に転写する画像形成工程を実行する第1の画像形成モードを実行し、検知した湿度が所定値以上の場合、像担持体と帯電手段との間に放電を発生させる電位差を形成して像担持体の表面に画像形成工程よりも放電生成物の生成を促進する前工程を実行してから、画像形成工程を実行する第2の画像形成モードを実行することを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真プロセスを用いたレーザプリンタ等の画像形成装置において、従来の一成分トナーを用いた現像方式としては、弾性層を有する現像ローラを用いた接触現像方式が提案されている。図1は、弾性層を有する現像ローラを用いた接触現像方式を採用した画像形成装置の構成を示す模式図である。誘電体層をもつ弾性ローラである現像ローラ3で非磁性現像剤を担持し、該現像ローラ3を感光ドラム1表面に接触させることで現像を行う。現像ローラ3への現像剤の供給は、現像ローラ3に接触する供給ローラ5により行う。供給ローラ5は、現像容器T内から現像剤を搬送し、現像ローラ3に付着させるとともに、現像ローラ3に残った現像剤を一旦除去する機能も担う。現像ローラ3上に付着した現像剤の層規制及び摩擦帯電による電荷付与は、トナー規制部材4cを現像ローラ3に当接することにより行う。トナー規制部材4としては、金属薄板を片持ちで支持し、その対向部の腹面を現像ローラ3に当接するブレード形状のものを用いることが提案されている。トナー規制部材4により現像ローラ3上にコートされた現像剤は、現像ローラ3上に印加されたバイアスの電位により、感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像する。ここで、現像ローラ3上に形成する現像剤のコート層の帯電量及び層厚の安定化のために現像ローラ3とトナー規制部材4との間に電圧を印加することが知られている(特許文献1)。
特開2006−163118号公報
高湿環境下において、トナーに対する帯電付与性が低下することが知られている。特に、トナー規制部材との摩擦帯電によりトナーへの電荷付与を行う一成分接触現像方式においては、トナーが電荷を得る機会が非常に少ないため、トナーの電荷付与性の低下の影響度が大きい。結果、トナーに対する帯電付与性の低下に起因する課題、たとえば、カブリ量の増加が発生する。カブリとは、本来印字しない白部(非印字部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。
本発明の目的は、トナーに対する帯電付与性の向上を図ることができる技術を提供することである。
上記目的を達成するために本発明に係る画像形成装置は、
記録材に現像剤像を転写して画像を形成する画像形成装置であって、
回転可能な像担持体と、
前記像担持体に当接しながら前記像担持体を帯電させる帯電手段と、
前記帯電手段に帯電電圧を印加する電圧印加手段と、
帯電された前記像担持体の表面電位を変化させ、前記像担持体の表面において現像剤を付着させるべき印字部と非印字部とをそれぞれ所定の電位とする静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像すべく、前記像担持体の前記静電潜像が形成された表面に一成分トナーである現像剤を押圧する現像剤担持体と、
画像形成装置内の湿度を検知する湿度検知手段と、
を備え、
前記湿度検知手段が検知した値が所定値より小さい場合、前記電圧印加手段により帯電電圧を印加された前記帯電手段により前記像担持体を帯電させて前記潜像形成手段により前記像担持体に静電潜像を形成し、該像担持体に前記現像剤担持体が現像剤を押圧することで現像された現像剤像を記録材に転写する画像形成工程を実行する第1の画像形成モードを実行し、
前記湿度検知手段が検知した値が所定値以上の場合、前記像担持体と前記帯電手段との間に放電を発生させる電位差を形成して前記像担持体の表面に前記画像形成工程よりも放電生成物の生成を促進する前工程を実行してから、前記画像形成工程を実行する第2の画像形成モードを実行することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために本発明に係る画像形成装置は、
記録材に現像剤像を転写して画像を形成する画像形成装置であって、
回転可能な像担持体と、
前記像担持体に当接しながら前記像担持体を帯電させる帯電手段と、
前記帯電手段に帯電電圧を印加する電圧印加手段と、
帯電された前記像担持体の表面電位を変化させ、前記像担持体の表面において現像剤を付着させるべき印字部と非印字部とをそれぞれ所定の電位とする静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像すべく、前記像担持体の前記静電潜像が形成された表面に一成分トナーである現像剤を押圧する現像剤担持体と、
を備え、
前記像担持体を所定の速度で回転させる通常速のプロセススピードで画像形成を行う場合、前記電圧印加手段により帯電電圧を印加された前記帯電手段により前記像担持体を帯電させて前記潜像形成手段により前記像担持体に静電潜像を形成し、該像担持体に前記現像剤担持体が現像剤を押圧することで現像された現像剤像を記録材に転写する画像形成工程を実行する第1の画像形成モードを実行し、
前記像担持体を前記所定の速度よりも遅い速度で回転させる低速のプロセススピードで画像形成を行う場合、前記像担持体と前記帯電手段との間に放電を発生させる電位差を形成して前記像担持体の表面に前記画像形成工程よりも放電生成物の生成を促進する前工程を実行してから、前記画像形成工程を実行する第2の画像形成モードを実行することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために本発明に係る画像形成装置は、
記録材に現像剤像を転写して画像を形成する画像形成装置であって、
回転可能な像担持体と、
前記像担持体に当接しながら前記像担持体を帯電させる帯電手段と、
前記帯電手段に帯電電圧を印加する電圧印加手段と、
帯電された前記像担持体の表面電位を変化させ、前記像担持体の表面において現像剤を付着させるべき印字部と非印字部とをそれぞれ所定の電位とする静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像すべく、前記像担持体の前記静電潜像が形成された表面に一成分トナーである現像剤を押圧する現像剤担持体と、
画像形成装置内の湿度を検知する湿度検知手段と、
を備え、
前記像担持体を前記所定の速度よりも遅い速度で回転させる低速のプロセススピードで画像形成を行い、かつ前記湿度検知手段が検知した値が所定値以上である画像形成条件でない場合、前記電圧印加手段により帯電電圧を印加された前記帯電手段により前記像担持体を帯電させて前記潜像形成手段により前記像担持体に静電潜像を形成し、該像担持体に前記現像剤担持体が現像剤を押圧することで現像された現像剤像を記録材に転写する画像形成工程を実行する第1の画像形成モードを実行し、
前記画像形成条件の場合、前記像担持体と前記帯電手段との間に放電を発生させる電位差を形成して前記像担持体の表面に前記画像形成工程よりも放電生成物の生成を促進する前工程を実行してから、前記画像形成工程を実行する第2の画像形成モードを実行することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によればトナーに対する帯電付与性の向上を図ることができる。
本発明の実施形態1に係るプロセスカートリッジ及び現像装置の概略図 本発明の実施形態1に係る画像形成装置本体の概略図 本発明の実施例3に係るプロセスカートリッジ及び現像装置の概略図 感光ドラム‐現像ローラ当接ニップ通過前後のトナー電荷量変化を示す図 トナーに対する電荷付与を説明する概略図 本発明の実施例1における制御を説明するフローチャート 本発明の実施例1の第2の画像形成モードを説明するタイミングチャート 本発明の実施例2の第2の画像形成モードを説明するタイミングチャート 本発明の実施例3の第2の画像形成モードを説明するタイミングチャート 本発明の実施例4の第2の画像形成モードを説明するタイミングチャート 本発明の実施例5における制御を説明するフローチャート 本発明の実施例6における制御を説明するフローチャート 本発明の実施形態2に係るプロセスカートリッジ及び現像装置の概略図 本発明の実施形態2に係る画像形成装置本体の概略図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
<<実施形態1>>
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態1に係る画像形成装置について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るプロセスカートリッジ及び現像装置の概略図である。図2は、本発明の実施形態1に係る画像形成装置の概略構成図である。図2に示す画像形成装置Aは、電子写真プロセスを用いたフルカラーレーザープリンタである。
(画像形成装置Aの概略構成)
図2に示すように、本実施形態1に係る画像形成装置Aは、図1に示すプロセスカートリッジBを、イエロー(y)、マゼンダ(m)、シアン(c)、黒色(k)の各色に対応させて4連に並べている。以下、各構成の符号における添え字y、m、c、kは、それらの構成が各色に対応した構成であることを示し、特に区別を要しない場合には、添え字を省略する場合がある。プロセスカートリッジBは、帯電装置E、現像装置F、クリーニング装置C、及び、感光ドラム1を一体としたものである。各プロセスカートリッジBで形成されたトナー像(現像剤像)を、転写装置の被転写材としての中間転写ベルト20上に転写することでフルカラー画像を形成する。プロセスカートリッジBにおける画像の形成工程については後述する。
回転可能な被現像体(像担持体)である感光ドラム1上に形成されたトナー像は、中間
転写ベルト20を挟んで各色の感光ドラム1の対向位置に設けられた1次転写ローラ22y、22m、22c、22kにより、中間転写ベルト20上に転写される。転写されたトナー像は、中間転写ベルト20の移動方向下流側に設けられた2次転写ローラ23により、一括して記録紙(記録材)上に転写される。中間転写ベルト20上に残留する未転写トナー(転写残現像剤)は、中間転写ベルトクリーナー21によって回収される。
記録紙Pは画像形成装置A下部のカセット24内に積載されており、印字動作の要求とともに給紙ローラ25により搬送され、2次転写ローラ23位置において、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像を転写される。その後、定着ユニット26により記録紙上のトナー像が記録紙に加熱定着され、記録紙は排紙部27を経て画像形成装置A外部に排出される。本画像形成装置Aにおいては、各4色の着脱可能なプロセスカートリッジB等を収納する上部のユニットと、転写ユニット、記録紙等を収納する下部ユニットは分離可能になっている。これら上下のユニットを開閉することにより、紙詰まり等におけるジャム処理や、プロセスカートリッジBの交換などの作業を行う。
(画像形成プロセス)
図1を参照して、プロセスカートリッジBにおける定常時の画像形成プロセスについて説明する。ここで、本発明における定常時とは、後述する所定の制御を実施しないときのことを意味し、定常時の画像形成モードを第1の画像形成モードとする。図1は、並列に置かれた4つのプロセスカートリッジBの1つに注目し、その近傍の断面を示したものである。
画像形成プロセスの中心となる感光ドラム1は、本実施形態では、アルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光ドラム1を用いている。画像形成プロセスにおいて、感光ドラム1は240mm/secの速度で画像形成装置Aにより図中矢印a方向へ回転駆動される。また、本画像形成装置Aにおいては、厚い記録紙(厚紙)通紙時に定着のための熱量を確保するため、60mm/secのプロセススピードの低速モード(60mm/sec)を有している。また、本実施形態おいては、2種類のプロセスモードのみの動作であるが、記録紙に応じて、複数のプロセスモードを有してもよく、各プロセスモードに対応した制御を実行可能に構成されていてもよい。
帯電装置である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光ドラム1に加圧接触して矢印b方向に従動回転する。ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、感光ドラム1に対して−1100Vの直流電圧が帯電電圧として電源S1(電圧印加手段)により印加される。これにより誘起された電荷によって、感光ドラム1の表面電位は、−550Vとなる一様な暗部電位(Vd)が形成される。
この一様な表面電荷分布面に対して、潜像形成手段としてのスキャナーユニット10(10k、10c、10m、10y)により、画像データに対応したレーザ光が発光され、図1中の矢印Lで示すように感光ドラム1の表面を露光する。感光ドラム1において露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は明部電位Vl=−100V、未露光部位は暗部電位Vd=−550Vの静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。
静電潜像は、所定のコート量及び電荷量のトナーコート層が形成された現像ローラ3を備える現像装置Fによって現像される。現像ローラ3は、感光ドラム1に接触しながら、感光ドラム1との接触部が感光ドラム1と順方向に移動するように、感光ドラム1とは逆の回転方向(矢印c)に回転する。現像ローラ3は、電源S2(第2の電圧印加手段)から現像バイアスが印加される。本実施形態においては、現像ローラ3に印加されたDCバ
イアス=−300Vに対して、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナーが、感光ドラム1に接触する現像部において、その電位差から、明部電位部にのみ飛翔して静電潜像を実像化する。
各プロセスカートリッジBの感光ドラム1に接触する中間転写ベルト20は、感光ドラム1に対向した1次転写ローラ22y、22m、22c、22kにより感光ドラム1に加圧される。また、1次転写ローラ22y、22m、22c、22kには直流電圧が印加されており、感光ドラム1との間で電界が形成されている。これにより、感光ドラム1上で実像化されたトナー像は、前述の加圧接触する転写領域において、電界の力を受けて感光ドラム1上から中間転写ベルト20上に転写される。また、中間転写ベルト20を感光ドラム1に加圧当接するために、導電性のローラである1次転写ローラ22は中間転写ベルト20背面に設けられている。1次転写ローラ22の芯金には、電源S3(第3の電圧印加手段)から+1.0kVの直流電圧が印加される。一方、感光ドラム1上で中間転写ベルト20に転写されずに残った未転写トナーは、クリーニング装置Cに設置されたウレタンゴム製のクリーニングブレード6により、ドラム表面から掻き落とされ、クリーニング装置C内に収納される。
(現像装置)
図1に示すように、現像装置Fは、現像容器Tと、現像ローラ3と、供給ローラ5と、トナー規制部材4を備える。現像容器Tは、非磁性一成分トナーを収容する。現像ローラ3は、感光ドラム1に対して接触しながら順方向cに回転する現像剤担持体である。供給ローラ5は、現像ローラ3に対して接触しながら逆方向dに回転する。トナー規制部材4は、供給ローラ5の下流側で現像ローラ3に当接する現像剤規制手段である。
本実施形態において、現像剤である一成分非磁性トナーは、結着樹脂、電荷制御剤を含むように調整され、流動化剤などを外添剤として添加することでネガ極性を有するように作製した。
また、現像ローラ3は、本実施形態においては、外径φ6mmの芯金に導電性の弾性層3mmを形成したφ12mmの弾性ローラを用いており、弾性層には体積抵抗値10Ωmのシリコーンゴムを用いた。なお、弾性ローラ表層には現像剤への電荷付与機能を持つコート層等を設けるようにしてもよい。本実施形態では、感光ドラム1に安定して弾性接触させるために、弾性層の硬度をJIS−Aで45°、現像ローラ3の表面粗さとしては、使用するトナーの粒径にもよるが、算術平均粗さRaは0.05〜3.0μmとした。本発明における表面粗さRaの測定は、JIS B0601に基づいて小坂研究所(株)製の表面粗さ試験機SE−30を使用した。高画質化のためには、算術平均粗さ0.3〜1.0μmであることが好ましい。
さらに、供給ローラ5は、本実施形態においては、外径φ5mmの芯金上に発泡骨格構造で比較的低硬度のポリウレタンフォームを5.5mm形成した外径φ16mmの弾性スポンジローラを用いた。供給ローラ5は、連泡性の発泡体で構成することにより、過大な圧を加えることなく現像ローラ3と当接し、発泡体表面の適度な凸凹で現像ローラ3上へのトナー供給および現像時に消費されずに残像したトナーの剥ぎ取りを行っている。このセル構造の掻き取り性はウレタンフォームに限定されるものでなく、シリコーンゴムやエチレンプロピレンジエンゴム(EPDMゴム)等を発泡させたゴム等が使用可能である。
トナー規制部材4は、現像ローラ回転方向cに対して、供給ローラ5とローラ3との接触面の下流側に設けられている。現像剤規制手段であるトナー規制部材4は、現像ローラ3上のトナーを感光ドラム1上における現像に適した所定のコート量、及び、所定の電荷量に制御することを目的として設けられる。トナー規制部材4は、現像容器に固定された
支持板金41に、リン青銅板やステンレス板などの薄板状弾性部材42を片持ちで支持し、その対向部の腹面を現像ローラ3に対して当接している。本実施形態においては、厚さ1.2mmの鉄板を支持板金として使用し、厚み90μmのSUS板を薄板状弾性部材として支持板金に固定支持している。薄板状弾性部材42の片持ち支持部から現像ローラ3との当接部までの距離、いわゆる自由長さは14mmであり、現像ローラ3の薄板状弾性部材42に対する押し込み量は1.2mmである。
また、本実施形態における現像装置は、トナー容量を含む寿命は、A4用紙印字率5%換算で1万5千枚相当に設定されているものを使用している。
<<実施例及び比較例>>
まず、実施形態1における本発明の有利な効果を明らかにするため、以下では、実施形態に適用させた本発明の各種実施例および比較例について述べる。
(実施例1)
本発明の実施例1に係る画像形成装置は、図1に示す構成を備えている。本実施例に係る画像形成装置は、画像形成装置内部の湿度を検知するための湿度検知手段としての相対湿度センサー7を有する。湿度センサー7を配置する位置は、可能な限り現像ローラ3近傍であることが好ましい。本実施例においては、現像部下流かつ、転写部上流に配置した。また、本実施例に用いる湿度検知手段としては、湿度に対応する電圧や電流を検知することにより、湿度相当値で代替する仕組みのものであってもよい。さらに、感光ドラムと現像ローラとを当接状態又は非当接状態(離間状態)とすることができる当接離間手段を有する。
本実施例おいては、湿度センサー7が検知した値が相対湿度70%RH以上の場合に、定常の画像形成モードである第1の画像形成モードとは異なる第2の画像形成モードが作動するように制御を行う。
(第2の画像形成モード)
図6を参照して、実施例1における第2の画像形成モードについて説明する。図6は、実施例1における制御のフローチャートである。図6に示すように、まず、プリント信号が画像形成装置に送られた後、制御をスタートする。ステップsa1にて、機内の相対湿度を検知し、ステップsa2にて、予めROM内に記憶された所定の湿度(本例では、70%RH)と対比する。湿度が所定値未満のとき、ステップsa3の第1の画像形成モードを作動し、ステップsa4の画像形成を実行し、制御を終了する。一方、湿度が所定値以上のとき、ステップsa5の第2の画像形成モードを作動し、ステップsa6の放電生成物促進工程(前工程)を実行し、その後、ステップsa7の画像形成を実行し、制御を終了する。
本発明においては、第2の画像形成モードは、画像形成前に、後述する感光ドラム上に放電生成物の生成を促進するための前工程を実行する。前工程は、まず、前工程作動時、上述の当接離間手段により、感光ドラムと現像ローラを離間する。次に、帯電ローラの芯金に電源S1により帯電電圧として直流電圧−1400V(V_pre)を印加する。さらに、スキャナーユニット10により、発光されるレーザ光により全面露光し、−100Vに調整した。この状態で、感光ドラムを4回回転させて、前工程を終え、第2の画像形成モードによる画像形成を行う。ここで、本実施例では、感光ドラムの回転回数を4回としたが、後述する本発明の効果を奏するためには、少なくとも感光ドラムの回転回数を1回転以上とする必要がある。
つぎに、第2の画像形成モードの画像形成時の制御の詳細について述べる。ここで、画
像形成時において帯電ローラ2の芯金には、−1100V(V_form)の直流電圧が電源S1により印加され、感光ドラムの表面電位は、−550Vとなる一様な暗部電位(Vd)が形成される。そのときのタイミングチャートを図7に示す。図7は、本発明の実施例1における第2の画像形成モードを説明するタイミングチャートである。
また、第2の画像形成モード前工程時に帯電ローラ芯金に印加される電圧V_preと第2の画像形成モード画像形成時の帯電ローラ芯金に印加される電圧V_formの関係は、|V_form|<|V_pre|を満たすように設定する。結果、感光ドラム上に放電生成物の生成が促進される。
具体的には、予め本発明のプロセスカートリッジを準備し、湿度80%RH、30℃時に、カブリ量を測定し、十分カブリ量を抑制する電圧V_preを求め、本実施例に適用した。また、湿度の検知は画像形成前に実行し、相対湿度が所定値以上のときに、第1の画像形成モードから第2の画像形成モードへの切替を行うように設定した。また、連続通紙時は、50枚おきに実施した。本実施例において相対湿度の所定値を70%とした理由は、本現像装置での最適値であり、現像装置により相対湿度の所定値を選択することが可能である。また、相対湿度が大きいほど、効果的に本発明の効果を得ることができる。
つぎに、本実施例に用いた現像装置の詳細について述べる。現像ローラ表面移動速度は、感光ドラム表面移動速度の1.5倍に調整されている。本実施例の現像装置で用いた一成分非磁性トナーは、結着樹脂、電荷制御剤等を含む重合法により調整した。
本構成および後述する実施例・比較例において、カブリ量を評価した。カブリとは、本来印字しない白部(非印字部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。カブリ量の評価方法は後述するが、カブリ量が増加する要因は概ね以下のように考えられる。高湿環境下において、トナーに対する電荷付与性が低下する。トナーの電荷付与性が低下すると、帯電量の低いトナーが増加し、現像部の電位差により制御できず、感光ドラムと接触した帯電量の低いトナーが感光ドラム上に転移する。
本出願の発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下の条件時にカブリ量が著しく抑制されることを見出した。帯電ローラの芯金に印加するバイアスの絶対値を通常の画像形成前に、画像形成時より大きくすると、同時に、レーザ光により電位(明電位)を落とした状態で、前工程を行い、その後、画像形成を行うとカブリ量が抑制された。
カブリ量が抑制される理由を調べるために、現像ローラ上のトナーの電荷分布を測定した。具体的には、感光ドラムと現像ローラが当接する位置の上流側(当接ニップ前)と下流側(当接ニップ後)の現像ローラ上トナーについて測定を実施し、比較した。ここで、トナーの電荷量分布の測定は、ホソカワミクロン製E−spartアナライザ(EST3)を用いた。
測定結果を図4に示す。図4は、感光ドラム‐現像ローラ当接ニップ通過前後のトナー電荷量変化を示す図であり、電荷量分布から各粒径[um]に対する平均Q/S[fC/um]を求め、プロットしたものである。ここで、Qはトナーの電荷量(マイナスを正とした)、Sはトナーの表面積である。上記当接ニップ前と上記当接ニップ後を比較すると、当接ニップ後に電荷量が増加していることが分かった。特に、粒径の大きい粒子に電荷量の増加が認められた。つまり、現像ローラと感光ドラムが当接する当接部を通過する際に、トナーへの電荷の付与が行われ、特に、大きい粒径の粒子は感光ドラムと接触しやすいため、電荷量が増加したと考えられる。つまり、当接ニップ通過時に、感光ドラムと当接するトナーが優先的に電荷量を増加した結果、電界による制御が可能となり、カブリ量が減少したと考えられる。
次に、現像ローラと感光ドラムが当接する部分において、なぜ、トナーへの電荷付与が行われるかについて考察を行った。第2の画像形成モードの前処理工程時、すなわち、高湿度環境下時、帯電ローラ芯金へ印加する直流電圧の絶対値|V_pre|が画像形成時の値|V_form|より大きい値のとき、効果を有することが分かった。また、低湿度の環境下では、上述のような直流電圧を印加しても電荷付与の効果が小さいことも分かった。
このことから、概ね以下のような現象によりトナーへの電荷付与が行われていると考えられる。概略図を図5に示す。図5は、トナーに対する電荷付与を説明する概略図であり、(a)は放電の発生及び放電生成物の形成の様子を示す模式図、(b)は(a)において破線で囲んだ部分の拡大図、(c)は感光ドラムの非印字部における電位関係を示す模式図である。
帯電に印加する電圧が高い場合、図5(a)に示すように、放電Hが促進され、感光ドラム上に放電生成物hが形成される。窒素酸化物のような放電生成物hは、高湿環境下で、低抵抗物質であることが知られている。つまり、高湿環境下で、放電が促進された場合、感光ドラム表面に低抵抗な膜が形成される。第2の画像形成モードでは、前工程において、感光ドラム表面が放電生成物により改質され、その後、画像形成を行う。
図5(b)は、感光ドラムと現像ローラが当接する当接ニップの概略の拡大図を示している。放電性生物の膜hが形成された状態で、現像ローラと当接する位置における非印字部の電位の関係(図5(c))から非印字部では、感光ドラム側からトナーへ電荷が付与(注入)していると推察される。ここで、感光ドラム表面の低抵抗化により潜像が乱れることが予測されたが、細線や文字の印字画像に変化は認められなかった。したがって、感光ドラムの低抵抗化は、潜像が変化するほど大きな変化ではないことが分かった。
上述の理由により、感光ドラムと現像ローラが当接する位置において、トナーへ電荷付与を行えるため、効果的にカブリ量を抑制することができる。特に高湿環境下では、トナーの電荷付与性が低下し、カブリ量が増加しやすいが、本制御を行うことで、効果的にカブリを著しく抑制することができる。また、感光ドラムと直接当接したトナーは、カブリの画像不良に寄与しやすいが、本制御においては、感光ドラムと直接当接するトナーに作用して電荷付与が行われやすいため、より効果的にカブリ量を抑制できる。
また、|V_pre|の大きさは、十分な効果を有するためには、1.2kV以上、2.2kV以下であることが好ましい。2.2kV以上では、リーク等が発生しやすい。また、|V_pre|の値は、相対湿度の値が大きいほど、大きくすると、効果的にカブリ量を抑制することができる。
さらに、本実施例では、レーザ光により全面露光し、帯電ローラが放電する領域直前において、非画像部の電位の絶対値を小さくすることで帯電ローラ表面と感光ドラム表面の電位差が十分大きくなるように設定した例である。放電前の帯電ローラ表面と感光ドラム表面の電位差を大きくすることで、放電が確実に行われ、放電生成物を形成することができる。
以上述べたように、高湿環境下において効果的にカブリ量を抑制するためには、第2の画像形成モードにおいて画像形成時よりも前工程時に、帯電ローラ芯金に印加する直流電圧の絶対値が大きくなることが好ましい。これにより、放電生成物が感光ドラム表面上に生成される量を向上することができる。
また、放電生成物の形成による悪影響を極力避けるためにも、トナーへの帯電付与およびカブリ抑制効果を効果的に得られる高湿環境下において、第2の画像形成モードを作動することが好ましい。また、感光ドラム表面近傍で均一な放電を発生し、均一な放電生成物を感光ドラム表面に形成させるためには、接触式の帯電ローラを用いることが好ましい。さらに、接触式の帯電ローラを用いることで、感光ドラム上で形成した放電生成物を均す効果も有すると考えられる。また、感光ドラムと現像ローラの当接部で、トナーへの電荷付与を行うためには、安定当接する必要があり、感光ドラムに現像ローラを押圧することが好ましい。
次に、感光ドラムに対する現像ローラの周速差について述べる。感光ドラムと現像ローラ当接部においてトナーへの効率的な電荷付与を行うためには、トナーが感光体と当接する回数を増加させることがより好ましい。そのためには、感光ドラム表面の移動速度と現像ローラ表面の移動速度に差を有していることが好ましい。また、現像性を考慮すると、感光ドラム表面の移動速度に対する現像ローラ表面の移動速度の周速比は、110〜160%であることが好ましい。また、第1の画像形成モードから第2の画像形成モードへの切替時に、感光ドラム表面の移動速度に対する現像ローラ表面の移動速度の周速比を大きくすることで、より効果的にカブリ量を抑制することができる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、基本的には実施例1に準ずるが以下の点が異なる。なお、ここで説明しない事項については実施例1と同様であり説明を省略する。実施例1では、第2の画像形成モードの前工程時に、感光ドラムと現像ローラの離間を行ったが、本実施例では、前工程時も感光ドラムと現像ローラとを押圧当接させ、現像ローラ芯金に直流電圧−300Vを印加することが異なる。また、実施例1では、前工程においてレーザ光により全面露光したのに対し、本実施例では、露光を行わないことが異なる。また、本実施例においては、前工程時に転写ローラ芯金に+1.4kV印加したことが異なる。
このときのタイミングチャートを図8に示す。図8は、本発明の実施例2における第2の画像形成モードを説明するタイミングチャートである。実施例1ではレーザ光により全面露光を行ったが、本実施例では、転写ローラに電圧を印加することで、感光ドラム表面の電位を下げることができ、放電生成物の生成を促進することができる。本発明者らは、鋭意、検討を重ねた結果、第2の画像形成モード前工程時に、感光ドラムと現像ローラが押圧当接することで、カブリ量抑制効果が持続することを見出した。その理由は、十分に明らかではないが、概ね以下のように考えられる。前工程作動時、感光ドラム上に放電生成物が生成されると同時に押圧当接した現像ローラ上のトナー層により放電生成物の一部掻き取られる。放電生成物を保持したトナーは、現像器に一度回収される。現像器に戻ったトナーは、現像器内のトナーと一部入れ替わりながら、再び、現像ローラ上にコートされる。その際に、放電生成物を保持したトナーが感光ドラム表面に接触、あるいは、感光ドラムが放電生成物で改質することで、カブリ量の抑制効果を持続すると考えられる。したがって、本発明においては、第2の画像形成モードの前工程・放電生成物促進工程において、感光ドラムと現像ローラが押圧当接することが好ましい。
(実施例3)
本発明の実施例3は、基本的には実施例1に準ずるが以下の点が異なる。なお、ここで説明しない事項については実施例1と同様であり説明を省略する。実施例1では、第2の画像形成モードの前工程時に、感光ドラムと現像ローラの離間を行ったが、本実施例では、前工程時も感光ドラムと現像ローラを押圧当接させ、現像ローラ芯金に印加する直流電圧を0Vにすることが異なる。
そのときのタイミングチャートを図9に示す。図9は、本発明の実施例3における第2
の画像形成モードを説明するタイミングチャートである。本実施例においては、全面露光を行い、現像部で電位が下がるが、現像バイアス値を調整することで、押圧当接を維持し、現像することなく、放電生成物促進のための前工程を実施することができる。このとき、全面露光時の感光ドラム上の現像部での電位Viは、−120Vであり、現像ローラに印加する電圧Vdevは、0Vである。そのため、ネガ極性のトナーは、現像されることなく、現像ローラと感光ドラムの当接状態を維持することができる。すなわち、本実施例おいては、現像ローラと感光ドラムが当接し、かつ、Vi<Vdevとした。上記関係を満たせば、ネガ極性のトナーは現像されないため、ViやVdevを適宜、調節することができ、例えば、Vdevをプラスの電位にすることで、確実に現像することを防止できる。また、本発明においては、ネガ極性のトナーを用いているため、上述の関係を満たすが、ポジトナーを用いた場合、Vi>Vdevを満たすことになる。
(実施例4)
本発明の実施例4は、基本的には実施例3に準ずるが以下の点が異なる(図3)。なお、ここで説明しない事項については実施例3と同様であり説明を省略する。図3は、本発明の実施例に係るプロセスカートリッジ及び現像装置の概略図である。本実施例で用いる画像形成装置においては、感光ドラム上を露光するための露光手段8を有する。具体的には、現像されたトナーを中間転写体へ転写する転写位置の下流で、帯電位置よりも上流において感光ドラムを露光可能に位置するように配置している。本実施例では、クリーニング手段の上流に配置した。前工程時、露光手段は、LEDを用い、感光ドラム長手方向全域に点灯する。さらに、前工程時、転写ローラ芯金に印加するバイアスを−1.4kV印加し、感光ドラムと転写手段としての1次転写ローラとの間に放電を発生させることが異なる。なお、本実施例では、制御を簡易に行うため、転写ローラに印加する電圧を帯電電圧と同極性かつ同じ大きさの電圧としたが、放電を発生させることができるのであれば電圧の大きさは特に限定されるものではない。
本実施例におけるタイミングチャートを図10に示す。図10は、本発明の実施例4における第2の画像形成モードを説明するタイミングチャートである。本実施例は、帯電時の放電、全面露光、転写時のネガ放電、LED全面露光を繰り返すことで、放電生成物の生成を促進している。
(比較例1)
本比較例は、基本的構成は実施例1に準ずるが、湿度検出手段を有しないこと、及び、第2の画像形成モードを有しないことが実施例1と異なり、他の構成は実施例1と同様である。
(実施例5)
本発明の実施例5に係る画像形成装置は、図1に示す構成を備えている。本実施例では、厚紙等通紙時のプロセススピードの低速モードに切替える場合に、定常時のモードである第1の画像形成モードとは異なる第2の画像形成モードが作動するように制御を行う(図11)。図11は、実施例5における制御を説明するフローチャートである。実施例5における第2の画像形成モードは、プリント信号が画像形成装置に送られた後、制御をスタートする。ステップsb1にて、プロセススピードの切替を検知し、ステップsb2にて、プロセススピードが通常速モードの場合、ステップsb3の第1の画像形成モードを作動し、ステップsb4の画像形成を実行し、制御を終了する。一方、プロセススピードが低速モードの場合、ステップsb5の第2の画像形成モードを作動し、ステップsb6の放電生成物促進工程(前工程)を実行し、その後、ステップsb7の画像形成を実行し、制御を終了する。
本実施例の第2の画像形成モードの制御においては、画像形成前に、後述する前工程を
実行する。まず、帯電ローラの芯金に電源S1により直流電圧−1400V(V_pre)を印加する。次に、前工程時も感光ドラムと現像ローラを押圧当接させ、現像ローラ芯金に印加する直流電圧を0Vにする。さらに、スキャナーユニット10により、発光されるレーザ光により感光ドラムを全面露光し、−100Vに調整した。この状態で、感光ドラムを4回回転させて、前工程を終え、第2の画像形成モードによる画像形成を行う。ここで、本実施例では、感光ドラムの回転回数を4回としたが、後述する本発明の効果を有するためには、少なくとも感光ドラムの回転回数を1回以上とする必要がある。
つぎに、第2の画像形成モードの画像形成時の制御の詳細について述べる。ここで、画像形成時において帯電ローラ2の芯金には、−1100V(V_form)の直流電圧が電源S1により印加され、感光ドラムの表面電位は、−550Vとなる一様な暗部電位(Vd)が形成される。画像データに対応して発光されるレーザ光のスポットパターンは、図1中の矢印Lで示すように感光ドラムを露光し、露光部位は明部電位Vl=−100Vを形成する。
また、第2の画像形成モード前工程時に帯電ローラ芯金に印加される電圧V_preと第2の画像形成モード画像形成時の帯電ローラ芯金に印加される電圧V_formの関係は、|V_form|<|V_pre|を満たすように設定している。
つぎに、本実施例に用いた現像装置の詳細について述べる。現像ローラ表面移動速度は、感光ドラム表面移動速度の1.5倍に調整されている。本実施例の現像装置で用いた一成分非磁性トナーは、結着樹脂、電荷制御剤等を含む重合法により調整した。
なお、ここで説明しない事項については実施例1と同様であり説明を省略する。
(実施例6)
本発明の実施例6に係る画像形成装置は、図1に示す構成を備えており、画像形成装置内部の湿度を検知するための湿度検知手段としての相対湿度センサーを有する。本実施例では、第2の画像形成モードを実行する場合の画像形成条件が上記実施例と異なっている。すなわち、前述の湿度検知手段により相対湿度70%RH以上、かつ、厚紙等通紙時のプロセススピードの低速モードに切替える場合に、定常時のモードである第1の画像形成モードとは異なる第2の画像形成モードが作動するように制御を行う(図12)。図12は、実施例6における制御を説明するフローチャートである。実施例6における第2の画像形成モードは、プリント信号が画像形成装置に送られた後、制御をスタートする。ステップsc1にて、プロセススピードの切替を検知し、ステップsc2にて、プロセススピードが通常速モードの場合、ステップsc3の第1の画像形成モードを作動し、ステップsc4の画像形成を実行し、制御を終了する。一方、プロセススピードが低速モードの場合、ステップsc5にて、機内の相対湿度を検知し、ステップsc6にて、予めROM内に記憶された所定の湿度(本例では、70%RH)と対比する。湿度が所定値未満のとき、ステップsc3の第1の画像形成モードを作動し、ステップsc4の画像形成を実行し、制御を終了する。一方、湿度が所定値以上のとき、ステップsc7の第2の画像形成モードを作動し、ステップsc8の放電生成物促進工程(前工程)を実行し、その後、ステップsc9の画像形成を実行し、制御を終了する。
本実施例の第2の画像形成モードの制御においては、画像形成前に、後述する前工程を有する。まず、帯電ローラの芯金に電源S1により直流電圧−1400V(V_pre)を印加する。次に、前工程時も感光ドラムと現像ローラを押圧当接させ、現像ローラ芯金に印加する直流電圧を0Vにする。さらに、スキャナーユニット10により発光されるレーザ光により感光ドラムを全面露光し、−100Vに調整した。この状態で、感光ドラムを4回回転させて、前工程を終え、第2の画像形成モードによる画像形成を行う。ここで、本実施例では、感光ドラムの回転回数を4回としたが、後述する本発明の効果を有する
ためには、少なくとも感光ドラムの回転回数を1回以上とする必要がある。
つぎに、第2の画像形成モードの画像形成時の制御の詳細について述べる。ここで、画像形成時において帯電ローラ2の芯金には、−1100V(V_form)の直流電圧が電源S1により印加され、感光ドラムの表面電位は、−550Vとなる一様な暗部電位(Vd)が形成される。画像データに対応して発光されるレーザ光のスポットパターンは、図1中の矢印Lで示すように感光ドラムを露光し、露光部位は明部電位Vl=−100Vを形成する。
また、第2の画像形成モード前工程時に帯電ローラ芯金に印加される電圧V_preと第2の画像形成モード画像形成時の帯電ローラ芯金に印加される電圧V_formの関係は、|V_form|<|V_pre|を満たすように設定している。
つぎに、本実施例に用いた現像装置の詳細について述べる。現像ローラ表面移動速度は、感光ドラム表面移動速度の1.5倍に調整されている。本実施例の現像装置で用いた一成分非磁性トナーは、結着樹脂、電荷制御剤等を含む重合法により調整した。また、湿度の検知は、プロセススピードの低速モード切替時に行った。また、連続通紙時は、100枚おきに湿度検知を実施した。
なお、ここで説明しない事項については実施例1と同様であり説明を省略する。
(実施例7)
本発明の実施例7に係る画像形成装置は、図1に示す構成を備えており、画像形成装置内部の湿度を検知するための湿度検知手段としての相対湿度センサーを有する。また、帯電ローラの芯金に印加するための電圧印加手段は、直流電圧に交流電圧を重畳可能な電圧電源を有する。本実施例の制御方法としては、前述の湿度検知手段により相対湿度70%RH以上のとき、定常時のモードである第1の画像形成モードとは異なる第2の画像形成モードが作動するように制御を行う(図6)。
本実施例の第2の画像形成モードの制御においては、画像形成前に、後述する前工程を実行する。本実施例の前工程では、帯電ローラの芯金に電源S1により直流電圧−550Vにピーク・ツウ・ピーク値1.5kVの交流電圧を重畳した電圧(矩形)を印加する。また、交流電圧の周波数は2.2kHzとし、プロセススピードの低速モード切替時は、600Hzとした。次に、前工程時も感光ドラムと現像ローラを押圧当接させ、現像ローラ芯金に印加する直流電圧を−300Vにする。この状態で、感光ドラムを2回回転させて、前工程を終え、第2の画像形成モードによる画像形成を行う。交流電圧の場合、放電生成物の生成量が多いため、本実施例では、2回回転させることで、前工程を終了した。
つぎに、第2の画像形成モードの画像形成時の制御の詳細について述べる。ここで、画像形成時において帯電ローラ2の芯金には、−1100V(V_form)の直流電圧が電源S1により印加され、感光ドラムの表面電位は、−550Vとなる一様な暗部電位(Vd)が形成される。画像データに対応して発光されるレーザ光のスポットパターンは、図1中の矢印Lで示すように感光ドラムを露光し、露光部位は明部電位Vl=−100Vを形成する。
つぎに、本実施例に用いた現像装置の詳細について述べる。現像ローラ表面移動速度は、感光ドラム表面移動速度の1.5倍に調整されている。本実施例の現像装置で用いた一成分非磁性トナーは、結着樹脂、電荷制御剤等を含む重合法により調整した。また、湿度の検知は画像形成前に実行し、相対湿度が所定値以上のときに、第1の画像形成モードから第2の画像形成モードへの切替を行うように設定した。また、連続通紙時は、第2の画像形成モードの前工程を100枚おきに実行した。
なお、ここで説明しない事項については実施例1と同様であり説明を省略する。
(実施例8)
本発明の実施例8に係る画像形成装置は、図1に示す構成を備えている。本実施例では、厚紙等通紙時のプロセススピードの低速モードに切替える場合に、定常時のモードである第1の画像形成モードとは異なる第2の画像形成モードが作動するように制御を行う(図11)。
本実施例の第2の画像形成モードの制御においては、画像形成前に、後述する前工程を実行する。本実施例の前工程では、帯電ローラの芯金に電源S1により直流電圧−550Vにピーク・ツウ・ピーク値1.5kVの交流電圧を重畳した電圧(矩形)を印加する。また、交流電圧の周波数は、600Hzとした。次に、前工程時も感光ドラムと現像ローラを押圧当接させ、現像ローラ芯金に印加する直流電圧を−300Vにする。この状態で、感光ドラムを2回回転させて、前工程を終え、第2の画像形成モードによる画像形成を行う。
つぎに、第2の画像形成モードの画像形成時の制御の詳細について述べる。ここで、画像形成時において帯電ローラ2の芯金には、−1100V(V_form)の直流電圧が電源S1により印加され、感光ドラムの表面電位は、−550Vとなる一様な暗部電位(Vd)が形成される。画像データに対応して発光されるレーザ光のスポットパターンは、図1中の矢印Lで示すように感光ドラムを露光し、露光部位は明部電位Vl=−100Vを形成する。
つぎに、本実施例に用いた現像装置の詳細について述べる。現像ローラ表面移動速度は、感光ドラム表面移動速度の1.5倍に調整されている。本実施例の現像装置で用いた一成分非磁性トナーは、結着樹脂、電荷制御剤等を含む重合法により調整した。また、連続通紙時は、第2の画像形成モードの前工程を100枚おきに実行した。
なお、ここで説明しない事項については実施例1と同様であり説明を省略する。
(実施例9)
本発明の実施例9に係る画像形成装置は、図1に示す構成を備えており、画像形成装置内部の湿度を検知するための湿度検知手段としての相対湿度センサーを有する。本実施例では、前述の湿度検知手段により相対湿度70%RH以上、かつ、厚紙等通紙時のプロセススピードの低速モードに切替える場合に、定常時のモードである第1の画像形成モードとは異なる第2の画像形成モードが作動するように制御を行う(図12)。
本実施例の第2の画像形成モードの制御においては、画像形成前に、後述する前工程を実行する。本実施例の前工程では、帯電ローラの芯金に電源S1により直流電圧−550Vにピーク・ツウ・ピーク値1.5kVの交流電圧を重畳した電圧(矩形)を印加する。また、交流電圧の周波数は、600Hzとした。次に、前工程時も感光ドラムと現像ローラを押圧当接させ、現像ローラ芯金に印加する直流電圧を−300Vにする。この状態で、感光ドラムを2回回転させて、前工程を終え、第2の画像形成モードによる画像形成を行う。
つぎに、第2の画像形成モードの画像形成時の制御の詳細について述べる。ここで、画像形成時において帯電ローラ2の芯金には、−1100V(V_form)の直流電圧が電源S1により印加され、感光ドラムの表面電位は、−550Vとなる一様な暗部電位(Vd)が形成される。画像データに対応して発光されるレーザ光のスポットパターンは、図1中の矢印Lで示すように感光ドラムを露光し、露光部位は明部電位Vl=−100Vを形成する。
つぎに、本実施例に用いた現像装置の詳細について述べる。現像ローラ表面移動速度は、感光ドラム表面移動速度の1.5倍に調整されている。本実施例の現像装置で用いた一成分非磁性トナーは、結着樹脂、電荷制御剤等を含む重合法により調整した。また、湿度の検知は画像形成前に実行し、相対湿度が所定値以上のときに、第1の画像形成モードから第2の画像形成モードへの切替を行うように設定した。また、連続通紙時は、第2の画像形成モードの前工程を100枚おきに実行した。
なお、ここで説明しない事項については実施例1と同様であり説明を省略する。
(各実施例及び比較例の評価方法)
本発明と比較例の差異を調べるための評価について述べる。
(カブリ評価)
カブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。カブリ量の評価方法は以下のように行った。
ベタ白画像、印字中に、画像形成装置を停止する。現像後、かつ、転写前の感光ドラム上のトナーを一旦透明性のテープに転写し、トナーが付着したテープを記録紙などに貼り付ける。また同一の記録紙上に、トナー付着していないテープも同時に貼り付ける。その記録紙に貼り付けられたテープの上から、光学反射率測定機(東京電飾製TC−6DS)によりグリーンフィルタによる光学反射率を測定し、トナー付着していないテープの反射率から差し引いてカブリ分の反射率量を求めカブリ量として評価した。カブリ量はテープ上を3点以上測定しその平均値を求めた。
×:カブリ量が2.0以上である。
△:カブリ量が0.5〜2.0%未満である。
○:カブリ量が0.2〜0.5%未満である。
◎:カブリ量が0.2%未満である。
カブリ評価は、試験環境30℃、80%RH、5千枚印字後の直後および24時間放置後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。ここで、画像比率5%の横線とは、具体的に、1ドットライン印字後、19ドットライン非印字を繰り返す画像を用いた。また、カブリ評価は、通常のプロセススピードと厚紙等を通紙する低速のプロセススピードにおいて実施した。さらに、24時間放置においては、低速のプロセススピードにおいては、100枚ベタ白通紙後のカブリ量も評価し、感光ドラム表面の改質の持続性を評価した。以下に実施例1〜9、および比較例1の評価結果を表1に示す。
Figure 2013222150
(従来技術に対する優位性)
はじめに、従来技術である比較例1と実施例1と比較することにより本発明の優位性について述べる。
比較例1は、第2の画像形成モードを有していない例、すなわち、制御を実行しない例である。カブリ量の評価としては、連続通紙直後のカブリ量は、通常速及び低速のプロセススピードにおいて、共に良好である。しかしながら、連続通紙後、24時間放置後の、カブリ量評価は、悪化する。特に、低速のプロセススピードにおいて、顕著に悪化する。この理由について述べる。まず、連続通紙直後のカブリ量が良好な理由について述べる。連続通紙中は、画像形成装置機内の温度が上昇する。結果、相対湿度が低下するため、トナーの帯電付与性は良好であり、カブリ量は少ない。一方、24時間放置後、カブリ量が増加する理由は、以下のように考えられる。放置中に機内の温度が低下し、相対湿度が高くなる。結果、トナーの帯電付与性が低下し、カブリ量が増加する。また、低速のプロセススピード時、より悪化する理由は、十分な理由は明らかではないが、概ね以下のように考えられる。規制ブレード通過後、トナーは電荷を付与されるが、現像ローラと感光ドラムが当接する位置まで到達するまでの時間が長くなるため、電荷量の減衰が生じる。すなわち、低速時においては、カブリ量が少ない通常速の現像器設定からわずかにバランスが崩れ、トナーの電荷付与性が低下し、カブリ量が増加すると考えられる。
一方、本発明の実施例1においては、連続通紙直後や24時間放置後においても、カブリ量評価結果は、良好である。連続通紙直後は、相対湿度70%RH未満であるため、第2の画像形成モードの作動はしないため、比較例1と同等のカブリ量評価結果である。24時間放置後は、機内温度の低下とともに相対湿度70%RH以上に到達するため、第2の画像形成モードが作動する。作動した結果、前述したように、前工程において、感光ドラム表面上は、放電生成物の生成が促進される。第2の画像形成モードの画像形成時、放電生成物によって、改質された感光ドラムと現像ローラが当接する位置において、トナーへ電荷付与性が向上し、カブリ量を著しく抑制すると考えられる。特に、低速時に増加するカブリ量を著しく抑制している。その理由は、低速時において感光ドラムと現像ローラが当接する当接ニップを通過する時間が長くなるため、より確実にトナーへの電荷付与を行うことができるためと考えられる。以上、述べたように、本実施例においては、高湿度環境下におけるトナーの電荷付与性の低下に伴うカブリ量の低下を所定の相対湿度値以上で、第2の画像形成モードを作動させ、前工程において、感光ドラム表面上に放電生成物の生成を促進することができる。これにより、効果的にトナーへの電荷付与を行うことができるため、著しくカブリ量を抑制することができる。
(実施例の比較)
次に、実施例1〜9を比較することによって、本発明の優位性について述べる。
実施例2、3は、実施例1に対して、カブリ量抑制効果の持続性が高い。その理由は、前工程において、感光ドラムと現像ローラが当接するため、放電生成物の一部が現像器内に蓄積する。一度蓄積された放電生成物は前工程終了後も、徐々感光ドラム表面に供給されるため、カブリ量抑制効果が持続されると考えられる。
さらに、実施例4は、実施例3に対して著しくカブリ量抑制効果が大きい。実施例3、4は、前工程において、帯電時に高い電圧により放電した直後、潜像を形成するためのレーザ光により全面露光して電位を低下させるところまでは共通する。実施例4では、その後、転写部において帯電と同極性の高い電圧により放電し、再度、LEDによる全面露光により電位を落とす。この制御により、実施例4では、実施例3と比べて、放電生成物の生成が促進され、結果、カブリ量が著しく抑制されると考えられる。
実施例5は、低速のプロセススピード切替時に、第2の画像形成モードを作動し、実施例6は、低速のプロセススピード切換時、かつ、高湿度時に、第2の画像形成モードを作動する例である。どちらも、高湿度環境下、かつ、低プロセススピードにトナーの電荷付与性が低下し、カブリ量の増加を著しく抑制する。特に、実施例5においては、カブリ量が著しく増加したときのみに作動するため、放電生成物の過剰な生成等が少ないため、放電生成物起因の問題が生じにくく、感光ドラムの長寿命化に繋がる。
実施例7〜9は、第2の画像形成モード作動時に、帯電ローラ芯金に直流電圧に交流電圧を重畳した例である。第2の画像形成モード作動時、カブリ量の抑制効果が著しく大きい。その理由は、交流電圧を印加時、直流電圧印加時に比べ、放電量が多く、また、放電生成物の生成が多いことが知られている。そのため、第2の画像形成モード作動時は、トナーへの電荷付与性が高くなり、著しくカブリ量を抑制していると考えられる。
また、実施例8、9は、低速のプロセススピードのときのみ第2の画像形成モードを作動するため、実施例7ほど、大きな周波数の交流電源を必要としないため、低コストな構成で、効果的にカブリ量を著しく抑制することができる。
また、実施例9においては、低速のプロセススピードの切替時、かつ、高湿度環境下時のトナーの電荷量が低下し、カブリ量が著しく増加するときのみ、第2の画像形成モードを作動するため、効果的にカブリを抑制する。また、交流電圧印加時は、特に、放電生成物が過剰に生成されやすく、放電生成物起因の問題が生じやすい。実施例9においては、カブリ量が著しく増加するときのみに、必要最低限の放電生成物量を促進するため、放電生成物起因の問題を抑制することができる。
以上述べたように、本発明においては、簡易な構成のみで、高湿環境下におけるトナーの帯電付与性の低下起因のカブリ量増加を、効果的に、著しく抑制することができる。また、カブリ量が増加すると予測される環境において、適宜、適切な放電生成物の形成を行うため、過剰な放電生成物の形成による問題を生じることなく、長期間良好な画像形成を行うことができる。
<<実施形態2>>
図14は、本発明の実施形態2の画像記録装置を示す概略構成図である。本実施形態の画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンタである。前述の実施形態1の画像記録装置と同様の点については再度の説明を省略し、異なる点について述べる。
本実施形態において最も異なる点は、ドラムクリーナー6を廃し、転写残トナーをリサイクルするところにある。転写残トナーが帯電などのほかのプロセスに悪影響を及ぼさないように循環させ、トナーを現像器に回収する。具体的には、実施形態1に対し以下の構成を変更した。図13に、実施形態2におけるプロセスカートリッジ及び現像装置に関わる画像形成装置の概略図を示す。
帯電について、帯電ローラ2は実施形態1と同様のものを用いているが、本実施形態では帯電ローラ2には、帯電ローラのトナー汚れを防止する目的から帯電ローラ当接部材20を備える。帯電ローラ2がその帯電極性と逆極性(プラス極性)のトナーで汚れた場合であっても、トナーの電荷をプラスからマイナスへと帯電し、帯電ローラから速やかに吐き出し現像器にて現像同時クリーニングにより回収することが可能となる。当接部材20は、100μmのポリイミドのフィルムを使用し、線圧10(N/m)以下で帯電ローラ2に当接した。ポリイミドはトナーに対し負電荷を与える摩擦帯電特性を有していることから使用した。
(実施例10)
本発明の実施例10に係る画像形成装置は、図13に示す構成を備えており、画像形成装置内部の湿度を検知するための湿度検知手段としての相対湿度センサー7を有する。本実施例おいては、前述の相対湿度センサー7により相対湿度70%RH以上で、定常である第1の画像形成モードとは異なる第2の画像形成モードが作動するように制御を行う。該制御のフローチャートは図6に示すフローチャートと同じである。
次に、第2の画像形成モードの制御の詳細について述べる。本実施例における第2の画像形成モードでは、画像形成前に、後述する感光ドラム上に放電生成物の生成を促進するための前工程を実行する。本実施例における前工程では、まず、前工程時においても感光ドラムと現像ローラを押圧当接させ、現像ローラ芯金に印加する直流電圧を0Vにする。そのときのタイミングチャートは図9と同じである。次に、帯電ローラの芯金に電源S1により直流電圧−1400V(V_pre)を印加する。さらに、スキャナーユニット10により、発光されるレーザ光により全面露光し、−120Vに調整した。本実施例においては、全面露光を行い、現像部で電位が下がるが、現像バイアス値を調整することで、押圧当接を維持し、現像することなく、放電生成物促進のための前工程を実施することができる。このとき、全面露光時の感光ドラム上の現像部での電位Viは、−120Vであり、現像ローラに印加する電圧Vdevは、0Vである。そのため、ネガ極性のトナーは、現像されることなく、現像ローラと感光ドラムの当接状態を維持することができる。すなわち、本実施例おいては、現像ローラと感光ドラムが当接し、かつ、Vi<Vdevとした。この状態で、感光ドラムを4回回転させて、前工程を終え、第2の画像形成モードによる画像形成を行う。
つぎに、第2の画像形成モードの画像形成時の制御の詳細について述べる。ここで、画像形成時において帯電ローラ2の芯金には、−1100V(V_form)の直流電圧が電源S1により印加され、感光ドラムの表面電位は、−550Vとなる一様な暗部電位(Vd)が形成される。そのときのタイミングチャートは図7と同じである。
また、第2の画像形成モード前工程時に帯電ローラ芯金に印加される電圧V_preと第2の画像形成モード画像形成時の帯電ローラ芯金に印加される電圧V_formの関係は、|V_form|<|V_pre|を満たすように設定する。結果、感光ドラム上に放電生成物の生成が促進される。
また、湿度の検知は画像形成前に実行し、相対湿度が所定値以上のときに、第1の画像形成モードから第2の画像形成モードへの切替を行うように設定した。また、連続通紙時は、100枚おきに実施した。
次に、本実施例に用いた現像装置の詳細について述べる。現像ローラ表面移動速度は、感光ドラム表面移動速度の1.5倍に調整されている。
本実施例のカブリ量評価を行った。結果は、著しく良好であった。前述の実施形態1はクリーニングブレードを有しているため、感光ドラム上に形成された放電生成物が、徐々に、除去されると推測される。一方、本実施形態2は、クリーニングブレードを有していないため、より効率的な放電生成物の形成を容易に行うことが出来る。結果、著しいカブリ量の抑制を行うことが出来たと考えられる。
なお、上記各実施例の構成は、可能な限り互いに組み合わせることができる。例えば、実施例1の前工程において感光ドラムと現像ローラとを当接離間させる構成(請求項4)は、プロセススピードのモードをトリガーとして前工程を実行する実施例5や、プロセススピードのモードと湿度をトリガーとする実施例6に適用してもよい。また、実施例2の
前工程において現像ローラ、転写ローラに電圧印加する構成(請求項5)や、実施例4の前工程において帯電時放電、全面露光、転写時放電、LED全面露光を実行する構成(請求項7)も、トリガー条件が異なる実施例5、6等に適用してよい。また、実施例7〜9に記載したように、第2の画像形成モード作動に、帯電ローラ芯金に直流電圧に交流電圧を重畳する構成を、その他の実施例に適用することも可能である。このように交流電圧を印加することで放電生成物の生成を促進することができる。
1…感光ドラム、2…帯電ローラ、3…現像ローラ、7…湿度センサー、A…画像形成装置本体、B…プロセスカートリッジ、F…現像装置、S1…電圧印加手段

Claims (10)

  1. 記録材に現像剤像を転写して画像を形成する画像形成装置であって、
    回転可能な像担持体と、
    前記像担持体に当接しながら前記像担持体を帯電させる帯電手段と、
    前記帯電手段に帯電電圧を印加する電圧印加手段と、
    帯電された前記像担持体の表面電位を変化させ、前記像担持体の表面において現像剤を付着させるべき印字部と非印字部とをそれぞれ所定の電位とする静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記静電潜像を現像すべく、前記像担持体の前記静電潜像が形成された表面に一成分トナーである現像剤を押圧する現像剤担持体と、
    画像形成装置内の湿度を検知する湿度検知手段と、
    を備え、
    前記湿度検知手段が検知した値が所定値より小さい場合、前記電圧印加手段により帯電電圧を印加された前記帯電手段により前記像担持体を帯電させて前記潜像形成手段により前記像担持体に静電潜像を形成し、該像担持体に前記現像剤担持体が現像剤を押圧することで現像された現像剤像を記録材に転写する画像形成工程を実行する第1の画像形成モードを実行し、
    前記湿度検知手段が検知した値が所定値以上の場合、前記像担持体と前記帯電手段との間に放電を発生させる電位差を形成して前記像担持体の表面に前記画像形成工程よりも放電生成物の生成を促進する前工程を実行してから、前記画像形成工程を実行する第2の画像形成モードを実行することを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録材に現像剤像を転写して画像を形成する画像形成装置であって、
    回転可能な像担持体と、
    前記像担持体に当接しながら前記像担持体を帯電させる帯電手段と、
    前記帯電手段に帯電電圧を印加する電圧印加手段と、
    帯電された前記像担持体の表面電位を変化させ、前記像担持体の表面において現像剤を付着させるべき印字部と非印字部とをそれぞれ所定の電位とする静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記静電潜像を現像すべく、前記像担持体の前記静電潜像が形成された表面に一成分トナーである現像剤を押圧する現像剤担持体と、
    を備え、
    前記像担持体を所定の速度で回転させる通常速のプロセススピードで画像形成を行う場合、前記電圧印加手段により帯電電圧を印加された前記帯電手段により前記像担持体を帯電させて前記潜像形成手段により前記像担持体に静電潜像を形成し、該像担持体に前記現像剤担持体が現像剤を押圧することで現像された現像剤像を記録材に転写する画像形成工程を実行する第1の画像形成モードを実行し、
    前記像担持体を前記所定の速度よりも遅い速度で回転させる低速のプロセススピードで画像形成を行う場合、前記像担持体と前記帯電手段との間に放電を発生させる電位差を形成して前記像担持体の表面に前記画像形成工程よりも放電生成物の生成を促進する前工程を実行してから、前記画像形成工程を実行する第2の画像形成モードを実行することを特徴とする画像形成装置。
  3. 記録材に現像剤像を転写して画像を形成する画像形成装置であって、
    回転可能な像担持体と、
    前記像担持体に当接しながら前記像担持体を帯電させる帯電手段と、
    前記帯電手段に帯電電圧を印加する電圧印加手段と、
    帯電された前記像担持体の表面電位を変化させ、前記像担持体の表面において現像剤を付着させるべき印字部と非印字部とをそれぞれ所定の電位とする静電潜像を形成する潜像
    形成手段と、
    前記静電潜像を現像すべく、前記像担持体の前記静電潜像が形成された表面に一成分トナーである現像剤を押圧する現像剤担持体と、
    画像形成装置内の湿度を検知する湿度検知手段と、
    を備え、
    前記像担持体を前記所定の速度よりも遅い速度で回転させる低速のプロセススピードで画像形成を行い、かつ前記湿度検知手段が検知した値が所定値以上である画像形成条件でない場合、前記電圧印加手段により帯電電圧を印加された前記帯電手段により前記像担持体を帯電させて前記潜像形成手段により前記像担持体に静電潜像を形成し、該像担持体に前記現像剤担持体が現像剤を押圧することで現像された現像剤像を記録材に転写する画像形成工程を実行する第1の画像形成モードを実行し、
    前記画像形成条件の場合、前記像担持体と前記帯電手段との間に放電を発生させる電位差を形成して前記像担持体の表面に前記画像形成工程よりも放電生成物の生成を促進する前工程を実行してから、前記画像形成工程を実行する第2の画像形成モードを実行することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記像担持体と前記現像剤担持体とを当接又は離間状態とすることができる当接離間手段を備え、
    前記前工程において、
    前記当接離間手段が前記像担持体と前記現像剤担持体とを離間状態とし、
    前記電圧印加手段が、前記画像形成工程において印加する帯電電圧よりも絶対値の大きい帯電電圧を前記帯電手段に印加し、
    前記潜像形成手段が、前記像担持体の表面電位を、前記像担持体の回転方向において前記帯電手段との間で放電が発生する領域よりも上流側においてその絶対値が小さくなるように変化させ、
    前記像担持体が、少なくとも1回転する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記現像剤担持体に担持された現像剤を前記印字部に付着させるべく前記現像剤担持体に電圧を印加する第2の電圧印加手段と、
    前記像担持体に形成された現像剤像を記録材又は被転写材に転写する転写手段と、
    前記像担持体と前記転写手段との間に現像剤像を転写するための電界を形成すべく、前記転写手段に電圧を印加する第3の電圧印加手段と、
    を備え、
    前記前工程において、
    前記電圧印加手段が、前記画像形成工程において印加する帯電電圧よりも絶対値の大きい帯電電圧を前記帯電手段に印加し、
    前記第3の電圧印加手段が、前記像担持体の回転方向において前記帯電手段との間で放電が発生する領域よりも上流側において前記像担持体の表面電位の絶対値が小さくなるように前記転写手段に電圧を印加し、
    前記第2の電圧印加手段が、前記画像形成時に印加する電圧と同じ大きさの電圧を前記現像剤担持体に印加し、
    前記像担持体が、少なくとも1回転する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記現像剤担持体に担持された現像剤を前記印字部に付着させるべく前記現像剤担持体に電圧を印加する第2の電圧印加手段と、
    を備え、
    前記前工程において、
    前記電圧印加手段が、前記画像形成工程において印加する帯電電圧よりも絶対値の大き
    い帯電電圧を前記帯電手段に印加し、
    前記潜像形成手段が、前記像担持体の表面電位を、前記像担持体の回転方向において前記帯電手段との間で放電が発生する領域よりも上流側においてその絶対値が小さくなるように変化させ、
    前記第2の電圧印加手段が、現像剤が前記像担持体に付着しない大きさの電圧を前記現像剤担持体に印加し、
    前記像担持体が、少なくとも1回転する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記現像剤担持体に担持された現像剤を前記印字部に付着させるべく前記現像剤担持体に電圧を印加する第2の電圧印加手段と、
    前記像担持体に形成された現像剤像を記録材又は被転写材に転写する転写手段と、
    前記像担持体と前記転写手段との間に現像剤像を転写するための電界を形成すべく、前記転写手段に電圧を印加する第3の電圧印加手段と、
    前記像担持体の回転方向において、前記転写手段による転写が行われる領域よりも下流側かつ前記帯電手段との間で放電が発生する領域よりも上流側において、前記像担持体の表面電位を変化させるべく前記像担持体を露光可能な露光手段と、
    を備え、
    前記前工程において、
    前記電圧印加手段が、前記画像形成工程において印加する帯電電圧よりも絶対値の大きい帯電電圧を前記帯電手段に印加し、
    前記潜像形成手段が、前記像担持体の表面電位をその絶対値が小さくなるように変化させ、
    前記第3の電圧印加手段が、前記前工程において前記帯電手段に印加される帯電電圧と同じ極性、かつ前記像担持体と前記転写手段との間に放電を発生させる電位差を形成できる大きさの電圧を前記転写手段に印加し、
    前記露光手段が、前記像担持体の表面電位の絶対値が小さくなるように前記像担持体を露光し、
    前記第2の電圧印加手段が、現像剤が前記像担持体に付着しない大きさの電圧を前記現像剤担持体に印加し、
    前記像担持体が、少なくとも1回転する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記前工程において、
    前記電圧印加手段が、前記帯電電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を前記帯電手段に印加し、
    前記像担持体が、少なくとも1回転する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記湿度検知手段が検知する値は、相対湿度に対応する値であることを特徴とする請求項1又は3に記載の画像形成装置。
  10. 前記像担持体に形成された現像剤像を記録材又は被転写材に転写した後に、前記像担持体の表面に残留した転写残現像剤を前記現像剤担持体により回収することが可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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