JP2013221457A - ランキンサイクル - Google Patents

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Abstract

【課題】作動流体の高圧を超臨界状態とするランキンサイクルにおける潤滑性能の悪化を防止する。
【解決手段】温度センサーが通常以上に上昇した作動流体の超臨界温度(C1点参照)を検出すると、制御装置は検出信号を超臨界温度の閾値と比較し、閾値以上になると、膨張機に連結する発電機の回転数制御を行い、膨張機を増速する。膨張機は吸入する作動流体の体積流量を増加するため、膨張機入口側の作動流体の圧力を超臨界圧力P2から亜臨界圧力P3に低下する。ランキンサイクル2は亜臨界圧力P3の状態で、A−B1−C2−D1−Aの状態で運転を行う。作動流体が亜臨界圧力P3に低下すると、超臨界状態での温度上昇により潤滑油に溶け込んでいた作動流体が潤滑油から分離されるため、潤滑油の粘度が高まり、本来の潤滑性能を備えることができる。従って、潤滑油は膨張機の摺動部の潤滑を適性に行うことができ、膨張機の信頼性を維持することができる。
【選択図】図2

Description

本願発明は、熱エネルギーを機械エネルギーに変換するランキンサイクルに関する。
例えば、特許文献1には、ランキンサイクルでは、膨張機の入口と出口との冷媒の温度差及び圧力差が大きいほど熱回収効率を向上することができるため、冷媒の高圧側を超臨界状態として運転するランキンサイクルが開示されている。しかし、特許文献1の課題では、冷媒の温度差を大きくするために、膨張機の入口の冷媒温度を際限なく上昇させると、冷媒や冷媒に添加される潤滑油が熱分解し、ランキンサイクルの作動に支障を来す恐れがあると記載されている。また、冷媒の圧力差を大きくするために、膨張機の入口の冷媒圧力を際限なく上昇させると、配管の破損、膨張機内のエロージョン、条件によっては、冷媒の膨張途中で気液二相流域に入ることによる膨張機駆動力の減少等の恐れがあると記載されている。
特許文献1は、上記課題を解決するために、高圧側の冷媒が超臨界状態となるランキンサイクルにおいて、膨張機の入口の圧力を、冷媒の凝縮圧力に対応して推定された冷媒の飽和蒸気のエントロピに対応する圧力に設定するとともに、膨張機入口の温度を冷媒が分解しない最高温度に設定し、設定圧力になるように膨張機の負荷を制御するとともに設定温度になるようにポンプから圧送される冷媒の流量を制御する構成を開示している。特許文献1は、上記構成により、膨張機入口の冷媒特性を制御し、内燃機関の廃熱利用装置の熱回収効率を向上している。
特開2010−48129号公報
特許文献1のように、超臨界状態にある冷媒では、冷媒や冷媒に添加されている潤滑油が分解されない温度状態であっても、潤滑油の性能が悪化する可能性の高い状態にある。例えば、車両のエンジンの排ガスを熱源とする廃熱利用装置のランキンサイクルを考えた場合、車両の通常運転中では、超臨界状態にある冷媒が循環し、所定の熱回収を行い、冷媒に添加された潤滑油により膨張機の潤滑が適性に行なわれている。
しかし、車両の発進時や登坂時等では、エンジンに大きな負荷が掛かり、エンジンから排気される排ガスが通常運転時以上の高温になる。このため、熱交換器において、冷媒は通常以上に加熱され、高温になる。冷媒の温度が特許文献1に記載されたような冷媒及び潤滑油の分解温度に達しなくても、冷媒は潤滑油に溶け込み易くなり、潤滑油の粘度が大きく低下し、潤滑性能が悪化する。従って、潤滑性能の低下した潤滑油では、膨張機の潤滑が十分に行なわれなくなる。特に、冷媒の高圧が掛かる膨張機の冷媒吸入位置の摺動部は、潤滑不良により摩耗し易くなり、最悪の場合、膨張機の破損や、膨張機の運転不能等の大きな問題が生じる。
本願発明は、作動流体の高圧を超臨界状態とするランキンサイクルにおける潤滑性能の悪化を防止することを目的とする。
請求項1は、作動流体を送り出すポンプ、熱交換器、膨張機、凝縮器を有するランキンサイクル及び前記ランキンサイクルの制御装置を備え、前記熱交換器から超臨界状態にある作動流体を前記膨張機に供給するランキンサイクルにおいて、前記膨張機の入口側における前記作動流体の温度状態又は前記温度状態に代替可能な疑似温度状態を検出し、前記制御装置に送信する検出手段を設け、前記温度状態又は疑似温度状態に関する閾値を前記制御装置に予め設定し、前記作動流体の高圧を超臨界圧力から亜臨界圧力に低下する圧力低下手段を前記ランキンサイクルに設け、前記ランキンサイクルの運転中、前記検出手段の検出信号が前記閾値以上となった時、前記制御装置からの指令信号により前記圧力低下手段を作動することを特徴とする。
請求項1によれば、作動流体の予め設定された閾値以上の高温時に、作動流体の圧力が亜臨界圧力に低下され、潤滑油に溶け込んでいた作動流体が潤滑油から分離されるため、潤滑油は本来の粘度を有する状態に戻り、膨張機の潤滑が十分に行なわれる。このため、作動流体を超臨界状態とすることによる高い熱交換効率を維持できるとともに高温時における膨張機の潤滑性能の悪化を防止し、膨張機の信頼性を確保することができる。
請求項2は、前記ポンプから前記膨張機を繋ぐ前記作動流体の循環路に前記作動流体の圧力を検出する圧力センサーを設け、前記亜臨界圧力の目標値を前記制御装置に予め設定し、前記圧力センサーの検出信号が前記目標値以下に達した時、前記制御装置からの指令信号により前記圧力低下手段の作動を停止することを特徴とする。請求項2によれば、作動流体の圧力を最も効果的な状態に確実に低下させることができ、ランキンサイクルを最も効率の良い状態で運転することができる。
請求項3は、前記ランキンサイクルは車両のエンジンの排気ガスを熱源とする廃熱利用装置として構成されていることを特徴とする。請求項3によれば、ランキンサイクルを車両の廃熱利用装置に使用した場合に、膨張機の信頼性を長期に亘り維持することができる。なお、本願発明はエンジンから排出される排気ガスだけでなく、エンジン吸入側に還流されるEGRガスを熱源とする廃熱利用装置にも適用することができる。
請求項4は、前記温度状態を検出する検出手段は、前記熱交換器と前記膨張機とを繋ぐ前記作動流体の循環路に設けた温度センサーであることを特徴とする。請求項4によれば、作動流体の循環路に温度センサーを設けるとういう簡単な構成で作動流体の温度状態を検出することができる。
請求項5は、前記疑似温度状態を検出する検出手段は、前記車両に設置された前記エンジンのトルクセンサーであることを特徴とする。請求項5によれば、車両のエンジンの負荷状態を検出できるトルクセンサーを設けることにより負荷状態から温度状態を推定でき、温度センサーの代替とすることができる。
請求項6は、前記疑似温度状態を検出する検出手段は、前記車両に設置されたアクセルの開度センサーであることを特徴とする。請求項6によれば、車両のアクセルの踏み込み状態を検出できる開度センサーを設けることにより車両のエンジンの負荷状態を検出し、負荷状態から温度状態を推定することができるので、温度センサーの代替とすることができる。
請求項7は、前記圧力低下手段は、前記膨張機に吸入される前記作動流体の体積流量を体積流量制御により増加する手段であることを特徴とする。請求項7によれば、膨張機側の体積流量を制御することにより膨張機入口側の作動流体の圧力を低下することができる。また、膨張機の入口側における作動流体の温度低下を生じるため、作動流体の温度を検出して体積流量制御の停止時期を決めることもできる。
請求項8は、前記圧力低下手段は、前記熱交換器への前記作動流体の供給量を減少する手段であることを特徴とする。請求項8によれば、熱交換器への作動流体の供給量を制御することにより作動流体の圧力を低下することができる。
本願発明は、作動流体の高圧を超臨界状態とするランキンサイクルにおける潤滑性能の悪化を防止することができる。
第1の実施形態を示すランキンサイクルの模式図である。 概略で示したモリエル線図にランキンサイクルにおける作動流体の循環過程を表した説明図である。 第2の実施形態を示すランキンサイクルの模式図である。 第3の実施形態を示すランキンサイクルの模式図である。
(第1の実施形態)
図1及び図2に示した第1の実施形態は、車両に搭載されたエンジン1の廃熱利用装置として使用されたランキンサイクル2である。図1において、エンジン1は、エンジン1から排出される排気ガスの経路である排気管3を備え、エンジン1を冷却するための冷却水循環回路4が設けられている。また、エンジン1には、エンジン1の排気ガスを熱源とする廃熱利用装置としてランキンサイクル2が付設されている。なお、ランキンサイクル2では、作動流体として例えばR134a、R152a、R1234yf(HFO1234yf)等の冷媒が使用される。
冷却水循環回路4は、エンジン1を介して循環される冷却水の流通管5と、流通管5に介在された冷却水ポンプ6、ラジエータ7とを備えている。冷却水ポンプ6は冷却水をエンジン1に供給し、エンジン1の冷却を行う。エンジン1で加熱された冷却水は、ラジエータ7において冷却される。ラジエータ7において冷却された冷却水が、冷却水ポンプ6によりエンジン1に再度供給されることにより、冷却水の循環が行われる。
ランキンサイクル2は、ポンプ8、熱交換器9、膨張機10、凝縮器11及びレシーバ12とを備えている。ポンプ8及び熱交換器9は循環路13により接続され、熱交換器9及び膨張機10は循環路14により接続され、膨張機10、凝縮器11、レシーバ12及びポンプ8は循環路15により接続されている。
ポンプ8は電動モータ16の回転により作動され、凝縮器11により液化された作動流体はポンプ8により圧送され、循環路13を介して熱交換器9に供給される。なお、作動流体には潤滑油が添加されており、ランキンサイクル2を循環する間に機械的な摺動部の潤滑を行うことができる。熱交換器9は排気管3の一部に設置され、内部に作動流体の流通する管路17が形成されている。作動流体は熱交換器9内の管路17を流通する間に、排気管3内を通過する高温の排気ガスにより加熱され、超臨界状態とされる。
熱交換器9において超臨界状態とされた高温、高圧の作動流体は、循環路14により膨張機10に供給され、膨張機10は作動流体の膨張により回転され、機械的な駆動力を取り出すことができる。膨張機10において得られた駆動力は、膨張機10に連結された発電機18を回転し、電力を得ることができる。発電機18はインバータ19を介してバッテリー20と接続されており、発電された電力をバッテリー20に蓄積することができる。
膨張機10を経由した作動流体は、凝縮器11において放熱され、凝縮液化される。また、凝縮された作動流体は、レシーバ12において気液二層に分離され、液化された作動流体のみがポンプ8に導入される。従って、ポンプ8から熱交換器9を介して膨張機10に至る領域の循環路13、管路17及び循環路14内の作動流体は高圧の状態にあり、膨張機10から凝縮器11及びレシーバ12を介してポンプ8に至る循環路15内の作動流体は低圧の状態にある。
ランキンサイクル2には、制御装置21が設けられている。制御装置21はポンプ8を作動する電動モータ16及び発電機18を制御するインバータ19に電気的に接続されている。制御装置21は電動モータ16に対して起動及び停止指令を発信し、ポンプ8の作動を制御する。また、インバータ19はバッテリー20へ電力を蓄電する機能の他、制御装置21の指令に基づき、発電機18の回転数、即ち発電機18の負荷を制御する機能を有する。
循環路14には、膨張機10の入口側、即ち熱交換器9と膨張機10との間における作動流体の温度状態を検出する温度センサー22及び作動流体の圧力状態を検出する圧力センサー23が設置されている。温度センサー22及び圧力センサー23は、共に制御装置21に電気的に接続され、膨張機10の入口側における作動流体の温度状態及び圧力状態を検出して検出信号を制御装置21に送信している。
図2にA−B−C−D−Aの各点を結ぶ実線により作動流体の循環過程を示したランキンサイクル2を参照して作動流体の状態を説明する。なお、A−B−C−D−Aで示すランキンサイクル2は、車両が通常に運転されている場合を示し、超臨界状態にある作動流体の一般的な循環状態である。循環過程のA−B間は、液化した圧力P1の作動流体がポンプ8により圧送され、作動流体の圧力が高まる状態を示し、作動流体は熱交換器9内となるB点では、臨界圧力PCを超え、超臨界圧力P2の状態にある。
循環過程のB−C間は、熱交換器9において作動流体が排気ガスにより加熱されている状態を示し、熱交換器9の出口付近となるC点での作動流体は超臨界温度に達している。循環過程のC−D間は、超臨界状態にある作動流体が膨張機10において膨張している状態を示し、膨張機10の出口付近となるD点での作動流体は圧力P1に降下している。循環過程のD−A間は、作動流体が圧力P1の下で凝縮され、A点でポンプ8に導入される。
車両は比較的頻繁に発進動作を繰り返し、また、登坂運転も比較的多く生じる。車両の発進時や登坂時では、大きな負荷が掛かり、エンジン1は負荷に見合う回転を行うため、排気ガスの温度が通常運転時以上に上昇し、熱交換器9内の作動流体をさらに加熱する。作動流体は通常時におけるC点の温度がさらに上昇し、図2の点線で示したC1点の超臨界温度に達する。作動流体は、予め定められているC点の超臨界温度を大きく越えたC1点のような超臨界温度に達すると、温度上昇に伴い作動流体と潤滑油の混合流体の粘度が下がる状態になる。このため、ランキンサイクル2における潤滑性能が悪化する状態を生じる。
第1の実施形態では、制御装置21に膨張機10の入口側における作動流体の温度状態に関する閾値を予め設定している。閾値は、図2に示したC点の超臨界温度より高く、C1点の超臨界温度より低い温度に設定する。なお、閾値には許容範囲を設けても良い。また、制御装置21には、設定した閾値以上の温度状態の検出信号を受信した場合、インバータ19に発電機18の負荷を軽減する回転数制御に関する指令信号を発信するプログラムが登録されている。インバータ19による発電機18の負荷の軽減は、膨張機10の回転を増速して膨張機10に吸入される作動流体の体積流量を増加する。このため、膨張機10の増速は、ポンプ8から熱交換器9への作動流体の供給量を一定にした時、膨張機10の入口側における作動流体の圧力状態を低下させることができる。従って、膨張機10を増速するためのインバータ19による発電機18の回転数制御は、本願発明の圧力低下手段を構成する。
一方、制御装置21には、膨張機10の入口側における作動流体の圧力状態に関する目標値を予め設定している。作動流体の圧力状態に関する目標値は、膨張機10の増速による作動流体の圧力低下の下限を設定するもので、図2に示した亜臨界圧力P3よりも許容できる範囲で低くした亜臨界圧力に設定する。また、制御装置21には、設定した目標値以下の圧力状態の検出信号を受信した場合、インバータ19に発電機18の回転数制御の停止に関する指令信号を発信するプログラムが登録されている。
ランキンサイクル2の運転中、車両の発進時や登坂時には、排気ガスの温度が上昇し、熱交換器9内の作動流体は通常の超臨界温度(図2のC点参照)以上に加熱され、より高温な超臨界温度(図2のC1点参照)になる。温度センサー22は、循環路14の作動流体の温度状態を検出して制御装置21に送信し、制御装置21は受信した温度状態に関する検出信号を設定されている超臨界温度の閾値と比較する。制御装置21は、受信した温度状態に関する検出信号が設定した超臨界温度の閾値以上となると、インバータ19に発電機18の回転数制御に関する指令信号を発信する。
インバータ19が制御装置21の指令に基づき発電機18の負荷を軽減するため、膨張機10は増速され、吸入する作動流体の体積流量を増加する。このため、膨張機10の入口側となる循環路14内の作動流体の圧力状態が低下し、図2に示した亜臨界圧力P3の状態に低下する。ランキンサイクル2は亜臨界圧力P3の状態において、A−B1−C2−D1−Aに示す作動流体の循環過程で運転される。作動流体が亜臨界圧力P3に低下することにより、超臨界状態での温度上昇により潤滑油に溶け込んでいた作動流体が潤滑油から分離されるため、潤滑油の粘度が高まり、本来の潤滑性能を備えることができる。従って、潤滑油は膨張機10の摺動部の潤滑を適性に行うことができ、膨張機の信頼性を維持することができる。なお、膨張機10の体積流量制御により作動流体の圧力を低下する制御では、作動流体の温度も共に低下する(図2のC2点参照)。
膨張機10の増速により圧力が低下する作動流体は、圧力センサー23により圧力状態の変化を検出され、制御装置21に圧力状態に関する検出信号が送信されている。制御装置21は、受信した圧力状態に関する検出信号を設定されている目標値と比較する。制御装置21は、受信した圧力状態に関する検出信号が設定した目標値以下にまで低下すると、インバータ19に発電機18の回転数制御の停止に関する指令信号を発信する。インバータ19が発電機18の負荷軽減のための回転数制御を停止するため、膨張機10は通常の運転状態に復帰する。このように、作動流体の圧力の低下に関して目標値を設定することにより、必要以上の圧力低下による極端な熱回収効率の低下を防止することができる。
(第2の実施形態)
図3に示した第2の実施形態は、第1の実施形態における作動流体の温度状態の検出手段及び圧力低下手段を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第2の実施形態は、作動流体の疑似温度状態を検出するトルクセンサー24をエンジン1に設け、作動流体の圧力低下手段として吸入容積可変機構25を膨張機10に設けた構成である。
超臨界状態にある作動流体の超臨界温度の上昇は、エンジン1の負荷の増大が要因となり、高温となった排気ガスの加熱により生じるため、エンジン1の負荷の状態は作動流体の疑似温度状態として代替することができる。従って、エンジン1にトルクセンサー24を設け、エンジン1のトルクを検出することにより作動流体の疑似温度状態を把握することができる。第2の実施形態では、制御装置21に一定のトルクが閾値として予め設定されている。
圧力低下手段として膨張機10に設けた吸入容積可変機構25は、ポンプ8が熱交換器9に供給する作動流体の供給量を一定にした時、膨張機10に吸入される作動流体の体積流量を制御することができる。具体的には、膨張機10の吸入部に設けられた作動流体のメイン吸入口とは別にサブ吸入口を設け、サブ吸入口は電磁弁により開閉可能に構成されている。作動流体は、サブ吸入口が閉口状態の時、メイン吸入口からのみ膨張室に吸入されるが、サブ吸入口が開口すると、サブ吸入口から隣接する膨張室へも吸入され、膨張機10は吸入する作動流体の体積流量を増大することができる。サブ吸入口の電磁弁は、制御装置21に電気的に接続され、制御装置21からの指令信号により開閉動作を行う。
車両の発信時あるいは登坂時に、エンジン1に掛かる負荷が増大すると、トルクセンサー24により検出されたトルクが制御装置21に送信され、制御装置21に設定されている閾値と比較される。検出されたトルクが閾値以上となると、制御装置21は吸入容積可変機構25に電磁弁を開放する指令信号を発信する。吸入容積可変機構25の電磁弁が開放されると、作動流体がメイン吸入口及びサブ吸入口から同時に膨張機10の膨張室に吸入され、膨張機10は吸入する作動流体の体積流量を増大する。
このため、膨張機10の入口側における作動流体の圧力が超臨界圧力P2から亜臨界圧力P3に低下した状態でランキンサイクル2の運転が行なわれる(図2参照)。作動流体が亜臨界圧力P3に低下することにより、潤滑油に溶け込んだ作動流体が潤滑油から分離して潤滑油の粘度を高め、膨張機10の潤滑が適正に行なわれる。
膨張機10の入口側における作動流体の圧力状態は、圧力センサー23により検出され、制御装置21に送信されている。制御装置21では、検出された圧力状態が予め設定されている目標値と比較されている。検出された作動流体の圧力状態が目標値以下となると、制御装置21は吸入容積可変機構25に電磁弁を閉鎖する指令信号を発信する。従って、膨張機10により吸入される作動流体の体積流量が減少し、膨張機10は通常の運転状態に復帰する。
以上のように、第2の実施形態はトルクセンサー24により作動流体の疑似温度状態を検出し、吸入容積可変機構25により膨張機10の体積流量を増大して作動流体の超臨界圧力を低下することがきるので、第1の実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図4に示した第3の実施形態は、第1の実施形態における作動流体の温度状態の検出手段及び圧力低下手段を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第3の実施形態は、作動流体の疑似温度状態を検出するアクセルペダル26にアクセルペダル26の踏み込み量を検出する開度センサー27を設け、作動流体の圧力低下手段としてポンプ8を駆動する電動モータ16を制御する構成を設けたものである。
アクセルペダル26の踏み込み量が大きくなればエンジン1の負荷を増大することになり、エンジン1の負荷の増大は排気ガスの温度を上昇し、作動流体の超臨界温度を上昇する。従って、アクセルペダル26の踏み込み量は作動流体の超臨界温度の上昇に代替することができ、開度センサー27によるアクセルペダル26の踏み込み量の検出は、作動流体の疑似温度状態を検出することと同等である。このため、第3の実施形態では、開度センサー27が制御装置21に電気的に接続され、アクセルペダル26の踏み込み量、即ちアクセルペダル26の開度(図4の実線位置から仮想線位置への回動角度)を検出して制御装置21に検出信号を送信している。また、制御装置21には、アクセルペダル26の一定の開度が閾値として予め設定されている。
電動モータ16はポンプ8の回転数を制御し、熱交換器9に供給する作動流体の供給量を増減することができる。膨張機10が吸入する作動流体の体積流量を一定にした時、ポンプ8の回転数が増加すると、作動流体の供給量が増加し、膨張機10の入口側における作動流体の圧力が上昇する。一方、ポンプ8の回転数が減少すると、作動流体の供給量が減少し、膨張機10の入口側における作動流体の圧力が低下する。従って、電動モータ16を制御装置21に電気的に接続し、制御装置21の指令信号により電動モータの回転数を低下し、ポンプ8の回転数を下げるポンプ8の制御機構は、作動流体の圧力低下手段を構成する。
車両の発進時あるいは登坂時に、アクセルペダル26が強く押し込まれると、開度センサー27がアクセルペダル26の開度を検出し、検出信号を制御装置21に送信する。制御装置21は受信した開度の検出信号を予め設定されている閾値と比較する。検出された開度が閾値以上となると、制御装置21は電動モータ16に回転数を減少する指令信号を発信する。
電動モータ16の回転数減少によりポンプ8から熱交換器9に圧送される作動流体の供給量が減少し、作動流体の圧力が超臨界圧力P2から亜臨界圧力P3に低下する(図2参照)。このため、膨張機10の入口側における作動流体の圧力が亜臨界圧力P3に低下した状態でランキンサイクル2の運転が行なわれる(図2参照)。作動流体が亜臨界圧力P3に低下することにより、潤滑油に溶け込んだ作動流体が潤滑油から分離して潤滑油の粘度を高め、膨張機10の潤滑を適正に行うことができる。
膨張機10の入口側における作動流体の圧力状態は、圧力センサー23により検出され、制御装置21に送信されている。制御装置21では、検出された圧力状態が予め設定されている目標値と比較されており、作動流体の圧力状態が目標値以下に達すると、制御装置21は通常の回転数に復帰する指令信号を電動モータ16に発信する。従って、熱交換器9への作動流体の供給量が増加し、ランキンサイクル2は通常の運転状態に復帰する。
以上のように、第3の実施形態はアクセルペダル26の開度センサー27により作動流体の疑似温度状態を検出し、電動モータ16の制御により熱交換器9への作動流体の供給量を減少して作動流体の超臨界圧力を低下することがきるので、第1の実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
本願発明は、前記した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本願発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
(1)第1〜第3の実施形態において、圧力センサー23は必ずしも設ける必要が無く、例えば、タイマー等により圧力低下手段を一定時間作動するように構成しても良い。また、圧力センサー23をポンプ8から熱交換器9までの循環路13に設けてもよい。
(2)第1の実施形態において、温度センサー22に代えて、第2の実施形態に示したトルクセンサー24又は第3の実施形態に示した開度センサー27を用いて実施しても良い。
(3)第2の実施形態において、トルクセンサー24に代えて、第1の実施形態に示した温度センサー22又は第3の実施形態に示した開度センサー27を用いて実施しても良い。
(4)第3の実施形態において、開度センサー27に代えて、第1の実施形態に示した温度センサー22又は第2の実施形態に示したトルクセンサー24を用いて実施しても良い。
(5)第3の実施形態における圧力低下手段を構成するポンプ8は、可変容量ポンプで構成しても良い。
(6)第1〜第3の実施形態に示した圧力低下手段に変えて、高圧側の循環路13と低圧側の循環路15とを繋ぐバイパス回路を設け、前記バイパス回路に開閉弁を設けた構成を用いても良い。この例では、前記開閉弁を開弁することによりポンプ8から圧送される作動流体の一部が循環路13循環路15に流れ、熱交換器9への作動流体の供給量を減少する。このため、膨張機10の入口側における作動流体の超臨界圧力P2を亜臨界圧力P3へ低下することができる。なお、この例は第1〜第3の実施形態に示した圧力低下手段と組み合わせて実施しても良い。
(7)第1〜第3の実施形態に示した圧力低下手段に変えて、高圧側の循環路14と低圧側の循環路15とを繋ぐバイパス回路を設け、前記バイパス回路に開閉弁を設けた構成を用いても良い。この例では、前記開閉弁を開弁することにより熱交換器9から供給される作動流体の一部が循環路14から循環路15に流れ、膨張機10が吸入する作動流体の体積流量の増加と同等の効果を有する。このため、膨張機10の入口側における作動流体の超臨界圧力P2を亜臨界圧力P3へ低下することができる。なお、この例は第1〜第3の実施形態に示した圧力低下手段と組み合わせて実施しても良い。
(8)第1〜第3の実施形態は、作動流体の亜臨界圧力P3が予め設定した目標値に一致した時、圧力低下手段の作動を停止するように構成しているが、本願発明では、次のように構成しても良い。即ち、制御装置21に適正な超臨界温度を予め設定しておき、圧力低下手段の作動後、作動流体の超臨界温度を温度センサー22により監視する。作動流体の超臨界温度が設定した超臨界温度以下となった時、圧力低下手段の作動を停止するように構成する。
(9)第1〜第3の実施形態は、ランキンサイクル2を車両におけるエンジン1の廃熱利用装置として説明したが、本願発明はランキンサイクル2を他の装置に使用した場合も含むものである。
1 エンジン
2 ランキンサイクル
3 排気管
4 冷却水循環回路
8 ポンプ
9 熱交換器
10 膨張機
11 凝縮器
13、14、15 循環路
16 電動モータ
17 管路
18 発電機
19 インバータ
20 バッテリー
21 制御装置
22 温度センサー
23 圧力センサー
24 トルクセンサー
25 吸入容積可変機構
26 アクセルペダル
27 開度センサー

Claims (8)

  1. 作動流体を送り出すポンプ、熱交換器、膨張機、凝縮器を有するランキンサイクル及び前記ランキンサイクルの制御装置を備え、前記熱交換器から超臨界状態にある作動流体を前記膨張機に供給するランキンサイクルにおいて、
    前記膨張機の入口側における前記作動流体の温度状態又は前記温度状態に代替可能な疑似温度状態を検出し、前記制御装置に送信する検出手段を設け、前記温度状態又は疑似温度状態に関する閾値を前記制御装置に予め設定し、前記作動流体の高圧を超臨界圧力から亜臨界圧力に低下する圧力低下手段を前記ランキンサイクルに設け、前記ランキンサイクルの運転中、前記検出手段の検出信号が前記閾値以上となった時、前記制御装置からの指令信号により前記圧力低下手段を作動することを特徴とするランキンサイクル。
  2. 前記ポンプから前記膨張機を繋ぐ前記作動流体の循環路に前記作動流体の圧力を検出する圧力センサーを設け、前記亜臨界圧力の目標値を前記制御装置に予め設定し、前記圧力センサーの検出信号が前記目標値以下に達した時、前記制御装置からの指令信号により前記圧力低下手段の作動を停止することを特徴とする請求項1に記載のランキンサイクル。
  3. 前記ランキンサイクルは車両のエンジンの排気ガスを熱源とする廃熱利用装置として構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のランキンサイクル。
  4. 前記温度状態を検出する検出手段は、前記熱交換器と前記膨張機とを繋ぐ前記作動流体の循環路に設けた温度センサーであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のランキンサイクル。
  5. 前記疑似温度状態を検出する検出手段は、前記車両に設置された前記エンジンのトルクセンサーであることを特徴とする請求項3に記載のランキンサイクル。
  6. 前記疑似温度状態を検出する検出手段は、前記車両に設置されたアクセルの開度センサーであることを特徴する請求項3に記載のランキンサイクル。
  7. 前記圧力低下手段は、前記膨張機に吸入される前記作動流体の体積流量を体積流量制御により増加する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のランキンサイクル。
  8. 前記圧力低下手段は、前記熱交換器への前記作動流体の供給量を減少する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のランキンサイクル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104712403A (zh) * 2015-03-16 2015-06-17 吉林大学 超临界蓄热式有机朗肯循环尾气余热综合利用装置
JP2017504743A (ja) * 2013-12-19 2017-02-09 ターボデン・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータTURBODEN Srl 有機ランキンサイクルの制御方法

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