JP2013117201A - 廃熱利用装置 - Google Patents

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文彦 石黒
Hiroyuki Takei
裕之 武井
Tomonori Sasaki
智則 佐々木
Kojiro Tamaru
耕二郎 田丸
Kazuo Katayama
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Abstract

【課題】ランキンサイクルの故障時においても、内燃機関の異常高温状態や、内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物の増加を抑制可能な廃熱利用装置を提供する。
【解決手段】実施例1の廃熱利用装置は、駆動系1に用いられるランキンサイクル3、可変ノズル7f、圧力センサ25及びコントローラ27を備えている。可変ノズル7fはターボチャージャ7内に配置され、排気を整流しつつタービン7eに導く。この廃熱利用装置では、圧力センサ25が検出した作動流体の圧力を基にコントローラ27がランキンサイクル3の故障を検知することで、このコントローラ27は、可変ノズル7fのノズル本体73を最大位置まで揺動させる。これにより、ターボチャージャ7から吐出される加圧空気の圧力が低下する。このため、この廃熱利用装置では、ランキンサイクル3の故障時であってもエンジン5に供給される加圧空気の温度が異常に高温となることを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は廃熱利用装置に関する。
特許文献1に従来の廃熱利用装置が開示されている。この廃熱利用装置は、内燃機関としてのエンジンを有する駆動系に用いられており、ランキンサイクルを備えている。駆動系は、過給器としてのターボチャージャを有している。このターボチャージャは、車外の空気である外気を吸入し、エンジンに対して加圧空気を供給する。一方、ランキンサイクルは、ポンプ、ボイラ、膨張機及び凝縮器を有しており、ポンプによって作動流体を循環させることが可能となっている。また、ボイラでは加圧空気と作動流体とが熱交換可能となっている。
この廃熱利用装置では、ボイラ内において加圧空気によって作動流体が加熱される。そして、作動流体が膨張機で膨張及び減圧される際の圧力エネルギーを回収することが可能となっている。
また、この廃熱利用装置では、ボイラにおける熱交換によって加圧空気の冷却が可能であることから、加圧空気の密度を大きくさせて、より多くの加圧空気をエンジンに供給することが可能となっている。このため、この廃熱利用装置では、エンジンの出力を向上させることも可能となっている。
特開2008−8224号公報
しかし、上記従来の廃熱利用装置では、例えばポンプの故障等、ランキンサイクルが故障すれば、ランキンサイクルにおいて作動流体が循環しなくなったり、その循環が適切でなくなったりし、ボイラでの熱交換が不可能又は不十分になる。このため、この廃熱利用装置では、加圧空気の冷却が不可能又は不十分になり、エンジンに対して加圧空気を好適に供給することできなくなる。このため、この廃熱利用装置では、エンジンが異常高温状態となったり、エンジンから排出される排気中の窒素酸化物が増加したりする等の問題が生じることとなる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ランキンサイクルの故障時においても、内燃機関の異常高温状態や、内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物の増加を抑制可能な廃熱利用装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の廃熱利用装置は、内燃機関を有する駆動系に用いられ、ポンプ、ボイラ、膨張機及び凝縮器を有して作動流体を循環させるランキンサイクルを備えた廃熱利用装置であって、
前記駆動系は、外気を吸入し、前記内燃機関に対して加圧空気を供給する過給器を有し、
前記ボイラは該加圧空気と前記作動流体との間で熱交換を行い、
該内燃機関に供給される該加圧空気の温度を調整可能な加圧空気温調手段と、
前記ランキンサイクルが故障したことを検知する故障検知手段と、
該故障検知手段が該ランキンサイクルの故障を検知すれば、該加圧空気の温度が低下するように該加圧空気温調手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする(請求項1)。
本発明の廃熱利用装置は、加圧空気温調手段と、故障検知手段と、制御手段とを備えている。故障検知手段はランキンサイクルが故障したことを検知する。ここで、ランキンサイクルの故障とは、例えば、ポンプや膨張機や蒸発器が故障した状態の他、配管から作動流体が漏出した状態等が挙げられる。
そして、この廃熱利用装置では、故障検知手段がランキンサイクルの故障を検知すれば、制御手段は加圧空気の温度が低下するように加圧空気温調手段の制御を行う。これにより、加圧空気温調手段は、加圧空気の温度を低下させる。このため、この廃熱利用装置では、例えば、ランキンサイクルにおいて作動流体が循環せず、ボイラでの熱交換ができない場合であっても、内燃機関に供給される加圧空気の温度が異常に高温となることを防止できる。
したがって、本発明の廃熱利用装置によれば、ランキンサイクルの故障時であっても、内燃機関の異常高温状態や、内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物の増加を抑制可能である。
内燃機関としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の他、種々の形式のエンジンを採用することができる。また、これらのエンジンはモータを組み合わせたハイブリッドエンジンでも良い。さらに、これらのエンジンは空冷式でも水冷式でも良い。一方、過給器としては、ターボチャージャやスーパーチャージャ等を採用することができる。なお、内燃機関や過給機は複数であっても良い。
また、加圧空気温調手段は、ボイラに流入する前に加圧空気の温度を低下させても良く、ボイラから流出した後で加圧空気の温度を低下させても良い。
本発明の廃熱利用装置は、ランキンサイクルにおける作動流体の循環状態を検出する循環状態検出手段を有し得る。また、故障検知手段は、循環状態検出手段が検出した循環状態に基づき、ランキンサイクルが故障したことを検知可能であり得る。そして、循環状態検出手段は、ポンプと膨張機との間に設けられ、作動流体の圧力を検出する圧力センサであることが好ましい(請求項2)。
ランキンサイクルを循環する作動流体は一定の範囲で圧力を変化させつつランキンサイクルを循環する。そして、この循環する作動流体は、ポンプと膨張機との間で高圧の状態となる。このため、圧力センサによってポンプと膨張機との間の作動流体の圧力を検出することで、ランキンサイクルの状態をより正確に検知することが可能となる。また、この圧力センサが検出した作動流体の圧力に基づくことで、故障検知手段は、ランキンサイクルの故障を正確に検知することが可能となる。
本発明の廃熱利用装置において、過給器には、外気を吸入する外気吸入口と、加圧空気を吐出する吐出口とが設けられ得る。また、駆動系は、吐出口から吐出された加圧空気をボイラに導く加圧空気路と、加圧空気路から分岐し、加圧空気の一部を外気吸入口に還流させる加圧空気還流路とを有し得る。さらに、加圧空気温調手段は、加圧空気路を流通する加圧空気の流量と、加圧空気還流路を流通する加圧空気の流量とを調整する空気流量調整弁であり得る。そして、制御手段は、故障検知手段がランキンサイクルの故障を検知すれば、加圧空気還流路を流通する加圧空気の流量が多くなるように空気流量調整弁を制御し得る(請求項3)。
この場合、例えば、ポンプの故障等によりランキンサイクルが故障した際に制御手段が空気流量調整弁を制御することで、空気還流路を流通する加圧空気の流量が増加して、加圧空気路を流通する作動流体の流量が減少することとなる。これにより、この廃熱利用装置では、加圧空気路を流通する作動流体の圧力が低下する。加圧空気の温度は加圧空気の圧力に依存する関係にあることから、このように加圧空気の圧力が低下することで、加圧空気の温度も低下することとなる。このため、加圧空気は温度が低下した状態でボイラ、ひいては内燃機関に供給されることとなる。こうして、この廃熱利用装置では、ランキンサイクルが故障してボイラでの熱交換が行えない場合であっても、内燃機関に供給される加圧空気の温度が異常に高温となることを防止できる。
また、本発明の廃熱利用装置において、過給器は、内燃機関の排気により外気を吸入して外気の圧縮を行うターボチャージャであり得る。また、加圧空気温調手段は、ターボチャージャのタービンに供給される排気の圧力を調整可能な排気圧力調整装置であり得る。そして、制御手段は、故障検知手段がランキンサイクルの故障を検知すれば、タービンに供給される排気の圧力が低下するように排気圧力調整装置を制御し得る(請求項4)。
この場合、ランキンサイクルが故障した際に制御手段が排気圧力調整装置を制御することで、タービンに供給される排気の圧力が低下することとなる。これにより、ターボチャージャのコンプレッサにおける外気の圧縮量が減少する。このように外気の圧縮量が減少することで、加圧空気の圧力が低下するため、加圧空気の温度を低下させることが可能となる。こうして、この廃熱利用装置では、ランキンサイクルが故障した場合であっても、内燃機関に供給される加圧空気の温度が異常に高温となることを防止できる。
排気圧力調整装置としては、可変ノズルやフラッパ等を採用することができる。また、ターボチャージャとして、上記の可変ノズルが一体に設けられた可変ノズル付きターボチャージャ(VNターボチャージャ)を採用することもできる。
また、本発明の廃熱利用装置において、過給器は、内燃機関の排気により外気を吸入して外気の圧縮を行うターボチャージャであり得る。また、加圧空気温調手段は、排気にターボチャージャのタービンを迂回させるバイパス路と、タービンに供給される排気の流量とバイパス路を流通する排気の流量とを調整可能な排気流量調整弁とを有し得る。そして、制御手段は、故障検知手段がランキンサイクルの故障を検知すれば、バイパス路を流通する排気の流量が多くなるように排気流量調整弁を制御し得る(請求項5)。
この場合、ランキンサイクルが故障した際に制御手段が排気流量調整弁を制御することで、バイパス路を流通する排気の流量が増加して、タービンに供給される排気の流量が減少する。これにより、この廃熱利用装置では、上記のようにターボチャージャのコンプレッサおける外気の圧縮量が減少し、加圧空気の温度を低下させることが可能となる。こうして、この廃熱利用装置でも、内燃機関に対して低温の状態で加圧空気を供給可能となり、ランキンサイクルが故障した際に、内燃機関に供給される加圧空気の温度が異常に高温となることを防止できる。なお、バイパス路は専用の配管等である他、ターボチャージャに設けられるウェイストゲートをバイパス路として用いることもできる。
また、本発明の廃熱利用装置において、過給器は、内燃機関によって駆動され、外気を吸入して外気の圧縮を行うスーパーチャージャであり得る。また、加圧空気温調手段は、内燃機関からスーパーチャージャに動力を伝達するとともに、スーパーチャージャに伝達される内燃機関の動力の調整を行う動力伝達調整装置であり得る。そして、制御手段は、故障検知手段がランキンサイクルの故障を検知すれば、スーパーチャージャに伝達される内燃機関の動力が小さくなるように動力伝達調整装置を制御し得る(請求項6)。
この場合、ランキンサイクルが故障した際に制御装置が動力伝達調整装置を制御することで、内燃機関からスーパーチャージャに伝達される動力が小さくなる。これにより、スーパーチャージャでは、外気の吸入量が減少するとともに吸入された外気の圧縮量が減少し、加圧空気の圧力が低下する。このため、この廃熱利用装置でも加圧空気の温度を低下させることが可能となる。
動力伝達調整装置としては、例えば、スーパーチャージャに対する内燃機関の動力伝達を断接可能なクラッチを採用することができる。また、動力伝達調整装置として、例えば、スーパーチャージャに伝達される内燃機関の動力(回転数)を増減可能なギヤ機構等を採用することもできる。
本発明の廃熱利用装置によれば、ランキンサイクルの故障時においても、内燃機関の異常高温状態や、内燃機関から排出される排気中の窒素酸化物の増加を抑制可能である。
実施例1の廃熱利用装置を示す模式構造図である。 実施例1に係り、可変ノズルを示す部分拡大断面図である。(A)は可変ノズルのノズル本体が初期位置にある状態を示しており、(B)は可変ノズルのノズル本体が最大位置にある状態を示している。 実施例1に係り、排気通路の面積の相違による排気流量と圧力比との関係を示すグラフである。 実施例1に係り、ランキンサイクルの正常時における作動状態を示す模式構造図である。 実施例1に係り、ランキンサイクルの故障時における作動状態を示す模式構造図である。 実施例2に係り、ランキンサイクルの正常時における作動状態を示す模式構造図である。 実施例2に係り、ランキンサイクルの故障時における作動状態を示す模式構造図である。 実施例3に係り、ランキンサイクルの正常時における作動状態を示す模式構造図である。 実施例3に係り、ランキンサイクルの故障時における作動状態を示す模式構造図である。 実施例4に係り、ランキンサイクルの正常時における作動状態を示す模式構造図である。 実施例4に係り、ランキンサイクルの故障時における作動状態を示す模式構造図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
実施例1の廃熱利用装置は、車両に搭載され、図1に示すように、車両の駆動系1に用いられている。この廃熱利用装置は、ランキンサイクル3と、可変ノズル7eと、圧力センサ25と、コントローラ27とを備えている。この可変ノズル7fが加圧空気温調手段かつ排気圧力調整装置に相当している。また、コントローラ27が故障検知手段及び制御手段に相当している。
駆動系1は、内燃機関としてのエンジン5と、過給器としてのターボチャージャ7と、図示しないラジエータとを有している。エンジン5は、公知の水冷式ガソリンエンジンである。エンジン5の内部には冷却水が流通可能なウォータジャケット(図示略)が形成されている。エンジン5には、このウォータジャケットとそれぞれ連通する流出口と流入口と(いずれも図示を省略する。)が形成されている。また、エンジン5には、排気を排出する排気口5aと、後述する加圧空気を吸入する吸気口5bとが形成されている。
ターボチャージャ7は、エンジン5から生じた排気によって作動され、エンジン5に対し、車外の空気を加圧した加圧空気を供給する。このターボチャージャ7には、その内部に排気を吸入する排気吸入口7aと、吸入された排気を排出する排出口7bとが形成されている。また、ターボチャージャ7には、その内部に外気を吸入する外気吸入口7cと、加圧空気を吐出する吐出口7dとが形成されている。この外気吸入口7cが吸気口に相当する。
さらに、このターボチャージャ7の内部には、タービン7e及び図示しないコンプレッサが設けられている。タービン7eは、排気吸入口7aから吸入された排気によって回転し、外気吸入口7cから外気を吸入させる。また、コンプレッサは、タービン7eによって吸入された外気の圧縮を行う。このタービン7eの周囲には、上記の可変ノズル7fが複数設けられている。すなわち、このターボチャージャ7は、VNターボチャージャである。
エンジン5とターボチャージャ7とは配管9〜11によって接続されている。また、配管10と配管11とには後述するボイラ15が接続されている。配管9は内部を排気が流通可能となっており、エンジン5の排気口5aとターボチャージャ7の排気吸入口7aとに接続されている。一方、配管10及び配管11は内部を加圧空気が流通可能となっている。配管10はターボチャージャ7の吐出口7dと、ボイラ15の第1流入口15aとに接続されている。この配管10が加圧空気路に相当する。配管11はボイラ15の第1流出口15bと、エンジン5の吸気口5bとに接続されている。
さらに、ターボチャージャ7の排出口7bには、配管12の一端側が接続されている。この配管12の他端側は、図示しないマフラと接続されている。また、ターボチャージャ7の外気吸入口7cには、配管13の一端側が接続されている。この配管13の他端側は図示しない車両のエアインテークに開口している。配管12は、ターボチャージャ7を介して配管9と連通している。同様に、配管13は、ターボチャージャ7を介して配管10と連通している。
図2に示すように、このターボチャージャ7において、各可変ノズル7fは、タービン7eの外周に沿って一定間隔で配置されている。これらの可変ノズル7fは、排気吸入口7aから吸入された排気を整流しつつタービン7eに導く。各可変ノズル7fは、揺動軸71と、揺動軸71に揺動可能に取り付けられたノズル本体73とで構成されている。また、各可変ノズル7fの間には、排気をタービン7eに供給される排気が流通可能な排気通路75がそれぞれ形成されている。これらの可変ノズル7fは、図1に示すコントローラ27と電気的に接続されている。
図2に示す各ノズル本体73は、回動軸71を中心にして同図の(A)に示す初期位置から同図の(B)に示す最大位置まで揺動可能である。また、各排気通路75の面積は、各ノズル本体73が揺動することによって変化する。つまり、各ノズル本体73が同図の(A)に示す初期位置にあるとき、各排気通路75の面積は最小となり、各ノズル本体73が同図の(B)に示す最大位置まで揺動することで、各排気通路75の面積は最大となる。
ターボチャージャ7では、タービン7eに供給される排気の流量が多くなるに連れて、タービン7eに吸入された外気と、上記のコンプレッサで圧縮された加圧空気との圧力比、すなわち、加圧空気の圧力が大きくなる。そして、このターボチャージャ7では、各排気通路75の面積が最小であるとき、図3のグラフに示すように、加圧空気の圧力比の最大値は3となる(同図の実線グラフ参照。)。一方、このターボチャージャ7では、各排気通路75の面積が最大であるとき、加圧空気の圧力比の最大値は、約1.7となる(同図の破線グラフ参照。)。
図1に示すように、ランキンサイクル3は、電動ポンプP1と、ボイラ15と、膨張機17と、凝縮器19と、配管21〜24とを有している。また、配管21〜24には、作動流体としてのHFC134aが流通可能となっている。
電動ポンプP1には公用品が採用されている。電動ポンプP1には、吐出口101と吸入口102とが形成されている。この電動ポンプP1はコントローラ27に電気的に接続されている。
ボイラ15には、第1流入口15a及び第1流出口15bと、第2流入口15c及び第2流出口15dとが形成されている。また、ボイラ15内には、両端側でそれぞれ第1流入口15a及び第1流出口15bと連通する第1通路15eと、両端側でそれぞれ第2流入口15c及び第2流出口15dと連通する第2通路15fとが設けられている。このボイラ15では、第1通路15e内の加圧空気と、第2通路15f内の作動流体との熱交換により、加圧空気の冷却と作動流体の加熱とを行う。
膨張機17には、その内部に作動流体を流入させる流入口17aと、作動流体を流出させる流出口17bとが形成されている。膨張機17では、ボイラ15を経て加熱された作動流体を膨張させることにより回転駆動力を発生させる。この膨張機17には図示しない公知の発電機が接続されている。発電機は膨張機17の回転駆動力によって発電を行い、図示しないバッテリに電力を充電する。
凝縮器19には、その内部に作動流体を流入させる流入口19aと、作動流体を流出させる流出口19bとが形成されている。凝縮器19は、その内部を流通する作動流体と車外の空気との間で熱交換を行い、膨張機17での膨張によって減圧された作動流体を冷却して液化させる。凝縮器19の近傍には電動ファン19cが設けられている。この電動ファン19cはコントローラ27に電気的に接続されている。
これらの電動ポンプP1、ボイラ15、膨張機17及び凝縮器19は、配管21〜24によって接続されている。具体的には、電動ポンプP1の吐出口101と、ボイラ15の第2流入口15cとが配管21によって接続されている。ボイラ15の第2流出口15dと、膨張機17の流入口17aとが配管22によって接続されている。また、膨張機17の流出口17bと凝縮器19の流入口19aとが配管23によって接続されている。そして、凝縮器19の流出口19bと電動ポンプP1の吸入口102とが配管24によって接続されている。
このランキンサイクル3では、電動ポンプP1を作動させることにより、図4に示すように、作動流体が配管21〜24内を循環する。つまり、作動流体は、電動ポンプP1の吐出口101からボイラ15及び膨張機17を経て、凝縮器19から電動ポンプP1の吸入口102に至ることとなる。
図1に示すように、圧力センサ25は配管22に設けられている。この圧力センサ25は公用品が採用されている。この圧力センサ25は、配管22を流通する作動流体の圧力を検出することで、ランキンサイクル3における作動流体の循環状態を検出する。圧力センサ25はコントローラ27と電気的に接続されており、作動流体の圧力の検出値をコントローラ27に向けて発信する。
コントローラ27は、ランキンサイクル3が故障しているか否かを判断する判断ルーチンを記憶している。このコントローラ27では、圧力センサ25から発信された上記の検出値を基にした判断ルーチンに従い、検出値が所定範囲内であれば、ランキンサイクル3が正常に作動していると判断する。一方、例えば、電動ポンプP1の故障や配管21〜24からの作動流体の漏出等が発生した場合には、上記の検出値が所定範囲を下回ることとなる。また、例えば、膨張機17や凝縮器19(電動ファン19c)等の故障が発生した場合には、検出値が所定範囲を上回ることとなる。これらのように、圧力センサ25が検出した検出値が所定範囲外となれば、コントローラ27は、ランキンサイクル3が故障したことを検知する。また、このコントローラ27は可変ノズル7fの作動制御を行う。
さらに、このコントローラ27は電動ポンプP1の作動制御を行う。また、このコントローラ27は電動ファン19cの作動制御を行うことで、作動流体が外気に放熱する熱量の調整を行う。
このように構成された廃熱利用装置では、車両を駆動させることにより以下のように作動する。
図4に示すように、車両が駆動されることにより、駆動系1ではエンジン5が作動する。これにより、排気口5aから排出された排気が配管9、ターボチャージャ7及び配管12を経てマフラから車外に排出される(同図の一点鎖線矢印参照)。これにより、排気吸入口7a流入した排気によってターボチャージャ7のタービン7eが作動する。そして、車外の空気は、配管13及び外気吸入口7dを経て、タービン7fに吸引され、コンプレッサで圧縮されることで加圧空気とされる。
この際、コントローラ27は各可変ノズル7fの制御を行い、各可変ノズル7fにおけるノズル本体73について、図2の(A)に示す初期位置とさせる。これにより、各排気通路75の面積は最小となる。このため、このターボチャージャ7では、タービン7eに供給される排気の流量が多くなるに従い、同図の白色矢印で示すように各排気通路75を流通する排気の流速が加速され、タービン7eを高速で回転されることとなる。これにより、ターボチャージャ7(コンプレッサ)における外気の圧縮量が増加し、ターボチャージャ7では、図3の実線グラフで示すように、高圧の状態で加圧空気を吐出口7dから吐出する。
この加圧空気は、図4に示すように、配管10、ボイラ15の第1通路15e及び配管11を経てエンジン5の吸気口5bよりエンジン5内へ吸入される(同図の二点鎖線矢印参照)。なお、図示を省略しているものの、エンジン5(流出口及び流入口)とラジエータとの間で冷却水が循環し、エンジン5の冷却も行われる。
また、コントローラ27は、電動ポンプP1及び電動ファン19cをそれぞれ作動させる。これにより、ランキンサイクル3では、同図の実線矢印に示すように、電動ポンプP1の吐出口101から吐出された作動流体が配管21を経て、ボイラ15の第2流入口15cから第2通路15fに至る。そして、作動流体はボイラ15において加圧空気と熱交換される。この際、第1通路15eを流通する加圧空気は上記のように高圧であることから約150°C程度の熱を有している。このため、第2通路15fを流通する作動流体は、好適に加熱される。一方、第1通路15eを流通する加圧空気は、第2通路15fを流通する作動流体に対して放熱を行うため、加圧空気は冷却された状態で吸気口5bからエンジン5内に至ることとなる。
こうして、ボイラ15によって加熱された作動流体は、高温高圧の状態で第2流出口15dから流出し、配管22へ流入する。この際、圧力センサ25は配管22を流通する作動流体の圧力を検出し、その検出値をコントローラ27に向けて発信する。ここで、圧力センサ25から発信された検出値が所定範囲内であれば、コントローラ27はランキンサイクル3が正常に作動していると判断し、各可変ノズル7fを最大位置へは作動させない。このため、ターボチャージャ7(コンプレッサ)における外気の圧縮量は維持される。
配管22を流通する作動流体は膨張機17の流入口17aから膨張機17内へ至る。そして、高温高圧の作動流体は膨張機17内で膨張し、減圧される。この際の圧力エネルギーによって膨張機17に接続された発電機は発電を行う。これにより、この廃熱利用装置におけるランキンサイクル3では、上記の圧力エネルギーを電力として回収する。
膨張機17内で減圧された作動流体は流出口17bから流出し、配管23を経て凝縮器19の流入口19aから凝縮器19内へ至る。凝縮器19内の作動流体は、凝縮器19の周りの空気に放熱を行い、冷却される。この際、コントローラ27は電動ファン19cの作動量を適宜変更して、作動流体を好適に放熱させて液化させる。冷却された作動流体は流出口19bから流出し、配管24を経て電動ポンプP1の吸入口102に吸入され、再び、電動ポンプP1の吐出口101から吐出されることとなる。
このように、この廃熱利用装置では、ボイラ15における加圧空気と作動流体との熱交換で作動流体を十分に加熱することが可能となる。このため、この廃熱利用装置では、膨張機17で作動流体を膨張及び減圧させた際の圧力エネルギーを大きくすることができる。このため、この廃熱利用装置では、ランキンサイクル3において回収可能なエネルギーの量、すなわち、電力量を大きくすることが可能となっている。
また、この廃熱利用装置では、ボイラ15における熱交換によって、加圧空気を冷却させることが可能となっている。このため、加圧空気は十分に冷却され、その密度が大きくなった状態でエンジン5に吸入されることとなる。これにより、この廃熱利用装置では、エンジン5の出力を向上させることが可能となっている。
一方、図5に示すように、何らかの原因により電動ポンプP1が故障すれば、ランキンサイクル3では、配管21〜24を循環する作動流体の循環速度及び圧力が次第に低下し、最終的には作動流体が配管21〜24を循環しない状態となる。またこの場合、圧力センサ25から発信された検出値も所定範囲を下回ることとなる。このため、コントローラ27はランキンサイクル3が故障したことを検知し、各可変ノズル7fを最大位置へ作動させる。これにより、図2の(B)に示すように、各可変ノズル7fにおけるノズル本体73が最大位置まで揺動し、各排気通路75の面積が最大となる。
この場合、同図の白色矢印で示すように、各排気通路75を流通する排気は、ほぼ加速されることなくタービン7eに供給されることとなる。このため、タービン7eは、同図の(A)の状態と比較して、低速で回転されることとなる。これにより、コンプレッサにおける外気の圧縮量が減少し、ターボチャージャ7では、図3の破線グラフで示すように、比較的低圧の状態で加圧空気を吐出口7dから吐出する。
加圧空気の温度は加圧空気の圧力に依存する関係にあることから、このように加圧空気の圧力が低下することで、加圧空気の温度も低下することとなる。このため、図4に示すように、温度の低い加圧空気が配管10を流通し、ボイラ15に流入した後、配管11を経て吸気口5bからエンジン5内に至ることとなる。
このように、この廃熱利用装置では、例え、ランキンサイクル3が故障(電動ポンプP1の故障により、ランキンサイクル3において作動流体が循環しない等。)し、ボイラ15での熱交換ができない場合であっても、ターボチャージャ7から吐出される加圧空気の圧力を低下させることで、加圧空気の温度を低下させる。なお、上記の説明では電動ポンプP1の故障に由来するランキンサイクル3の故障を例に説明しているが、この廃熱利用装置では、膨張機17や凝縮器19等の故障により、ボイラ15での熱交換が適切に行えない場合であっても、同様にして、加圧空気の冷却を行うことが可能となっている。
このため、この廃熱利用装置では、ランキンサイクル3の故障によりボイラ15での熱交換ができない場合であっても、エンジン5に供給される加圧空気の温度が異常に高温となることを防止できる。
したがって、実施例1の廃熱利用装置によれば、ランキンサイクル3の故障時であっても、エンジン5の異常高温状態や、エンジン5から排出される排気中の窒素酸化物の増加を抑制可能である。
特に、この廃熱利用装置では、圧力センサ25によって検出された配管22を流れる作動流体の圧力、すなわち、電動ポンプP1と膨張機17との間の作動流体の圧力に基づき、コントローラ27はランキンサイクル3の故障を検知することが可能となっている。このため、この廃熱利用装置では、コントローラ27がランキンサイクル3の故障を正確に検知することが可能となっている。
(実施例2)
実施例2の廃熱利用装置は、実施例1の廃熱利用装置の構成に加えて、図6に示すように、空気流量調整弁33を備えている。また、この廃熱利用装置の駆動系1には、ターボチャージャ70と、加圧空気還流路としての加圧空気還流路31とが設けられている。
ターボチャージャ70には、図1に示す実施例1の廃熱利用装置におけるターボチャージャ7と異なり、可変ノズル7fが設けられていない。このターボチャージャ70における他の構成は、ターボチャージャ7と同様である。また、図6に示すように、排気吸入口7a、排出口7b、外気吸入口7c及び吐出口7dに対する配管9、10、12、13の接続もターボチャージャ7と同様である。
加圧空気還流路31の一端側は配管10に接続されている。また、加圧空気還流路31の他端側は配管13に接続されている。この加圧空気還流路31では、加圧空気を流通させることで、ターボチャージャ70の吐出口7dから吐出された加圧空気の一部を外気吸入口7dに還流させることが可能となっている。
空気流量調整弁33は加圧空気還流路31に設けられている。空気流量調整弁33は開度を調整することにより、配管10を流通してボイラ15に流入する加圧空気の流量と、加圧空気還流路31を流通して外気吸入口7dに還流される加圧空気の流量とを調整可能となっている。この空気流量調整弁33はコントローラ27に電気的に接続されている。
コントローラ27は、ランキンサイクル3の故障を検知しない限り、空気流量調整弁33を閉制御し、加圧空気還流路31に加圧空気を流通させない状態とする。この廃熱利用装置における他の構成は実施例1の廃熱利用装置と同様であり、同一の構成に関しては同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
この廃熱利用装置でも、実施例1の廃熱利用装置と同様、ボイラ15における熱交換により、作動流体が加熱されるとともに、加圧空気が冷却される。この廃熱利用装置では、圧力センサ25から発信された検出値が所定範囲内であり、ランキンサイクル3が正常に作動しているとコントローラ27が判断している間は、上記のように、空気流量調整弁33が閉制御されて、加圧空気還流路31を加圧空気が流通しない。つまり、この場合には、ターボチャージャ70から吐出された加圧空気が全てボイラ15に流入し、ひいてはエンジン5に供給されることとなる。このため、この廃熱利用装置においても、ランキンサイクル3において回収可能な電力量を大きくすることができるともに、加圧空気を好適にエンジン5に供給することで、エンジン5の出力を向上させることも可能となっている。
一方、この廃熱利用装置において、圧力センサ25から発信され検出値に基づき、コントローラ27がランキンサイクル3の故障を検知した場合、図7に示すように、コントローラ27は空気流量調整弁33を開制御する。なお、この廃熱利用装置においても、なお、以下では実施例1の廃熱利用装置と同様、電動ポンプP1の故障に由来するランキンサイクル3の故障時を例に説明する。後述する実施例3及び実施例4においても同様とする。
配管13を流通する外気は、配管10を流通する加圧空気よりも低圧であるため、空気流量調整弁33が開制御されることにより、配管10を流通する加圧空気の一部は加圧空気還流路31に流入することとなる。これにより、配管10を流通する加圧空気の流量が減少して、配管10を流通する加圧空気の圧力が低下することとなる。一方、加圧空気還流路31を流通する加圧空気は配管13の外気によって減圧された後、再びターボチャージャ70のコンプレッサ(図示略)によって圧縮されることとなる。
このように、この廃熱利用装置では、ランキンサイクル3が故障した際、配管10を流通する加圧空気の圧力を低下させることで、配管10を流通する加圧空気の温度を低下させることが可能となっている。これにより、この廃熱利用装置でも、ランキンサイクル3の故障によりボイラ15での熱交換ができない場合であっても、エンジン5に対して供給される加圧空気の温度が異常に高温となることを防止できる。この廃熱利用装置における他の作用効果は、実施例1の廃熱利用装置と同様である。
(実施例3)
実施例3の廃熱利用装置は、実施例2の廃熱利用装置を一部変更して構成している。この廃熱利用装置では、実施例2の廃熱利用装置における加圧空気還流路31及び空気流量調整弁33に替えて、図8に示すように、バイパス路35と、排気流量調整弁37とを備えている。この廃熱利用装置では、これらのバイパス路35及び排気流量調整弁37によって、加圧空気温調手段が構成されている。
バイパス路35の一端側は配管9に接続されている。また、バイパス路35の他端側は配管12に接続されている。このバイパス路35は、排気を流通させることで、配管9を流通する排気について、ターボチャージャ70のタービン7eを迂回させて配管12に導くことが可能となっている。
排気流量調整弁37はバイパス路35に設けられている。排気流量調整弁37は開度を調整することにより、配管9を流通して排気流入口7aからタービン7eに供給される排気の流量と、バイパス路35を流通する排気の流量とを調整可能となっている。この排気流量調整弁37はコントローラ27に電気的に接続されている。
コントローラ27は、ランキンサイクル3の故障を検知しない限り、排気流量調整弁37を閉制御し、バイパス路35に排気を流通させない状態とする。この廃熱利用装置における他の構成は実施例1、2の廃熱利用装置と同様である。
この廃熱利用装置でも、実施例1の廃熱利用装置と同様、ボイラ15における熱交換により、作動流体が加熱されるとともに、加圧空気が冷却される。この廃熱利用装置では、圧力センサ25から発信された検出値が所定範囲内であり、ランキンサイクル3が正常に作動しているとコントローラ27が判断している間は、上記のように、排気流量調整弁37が閉制御されて、バイパス路35を排気が流通しない。
これにより、エンジン5から排出され、配管9を流通する排気は全てタービン7eに供給されることとなる。このため、タービン7eに供給される排気の流量が多くなり、その圧力も大きくなる。このため、タービン7eが高速で回転され、ターボチャージャ70(コンプレッサ)における外気の圧縮量が増加する。このため、高圧の状態で加圧空気が吐出口7dから吐出し、配管10を流通する加圧空気の圧力が高くなる。こうして、この廃熱利用装置においても、ランキンサイクル3において回収可能な電力量を大きくすることができるともに、エンジン5の出力を向上させることも可能となっている。
一方、この廃熱利用装置において、圧力センサ25から発信された検出値に基づき、コントローラ27がランキンサイクル3の故障を検知した場合、図9に示すように、コントローラ27は、排気流量調整弁37を開制御する。これにより、配管9を流通する排気の一部はバイパス路35に流入することとなる。
上記のように、バイパス路35に排気の一部が流入することで、タービン7aに供給される排気の流量が減少し、その圧力も小さくなる。このため、タービン7eの回転速度が低下し、外気の圧縮量が小さくなる。これにより、配管10を流通する加圧空気の圧力が低下することとなる。一方、バイパス路35を流通する排気はターボチャージャ70(タービン7e)を迂回して、配管12及びマフラを介して車外に排出されることとなる。
このように、この廃熱利用装置では、ランキンサイクル3が故障した際、タービン7eに供給される排気の圧力を低下させることで、ターボチャージャ70から吐出される加圧空気の温度を低下させることが可能となっている。これにより、この廃熱利用装置でもランキンサイクル3の故障によりボイラ15での熱交換ができない場合であっても、エンジン5に対して供給される加圧空気の温度が異常に高温となることを防止できる。この廃熱利用装置における他の作用効果は、実施例1の廃熱利用装置と同様である。
(実施例4)
実施例4の廃熱利用装置は、実施例1の廃熱利用装置を一部変更して構成している。この廃熱利用装置では、図10に示すように、駆動系1がスーパーチャージャ39を有している。また、エンジン5には第1駆動軸41が動力伝達可能に設けられている。さらに、エンジン5の排気口5aには、上記の配管12が接続されている。
スーパーチャージャ39は、図示しない圧縮機構が設けられた圧縮ユニット39aと、動力ユニット39bとを有している。この動力ユニット39bには、第2駆動軸43が動力伝達可能に設けられている。なお、この動力ユニット39b内には圧縮機構を作動させるギヤ機構等が設けられている。
第2駆動軸43は動力伝達調整装置としての電磁クラッチ45を介して第1駆動軸41と動力伝達可能となっている。これにより、エンジン5と動力ユニット39bとは、第1、2駆動軸41、43及び電磁クラッチ45を介して動力伝達が可能であり、エンジン5はスーパーチャージャ39を駆動可能となっている。
電磁クラッチ45には公用品が採用されている。この電磁クラッチ45はコントローラ27と電気的に接続されている。この電磁クラッチ45により、第1駆動軸41と第2駆動軸43との間で動力の伝達を行う場合と、動力の伝達を行わない場合とを切り替えることが可能となり、スーパーチャージャ39に伝達されるエンジン5の動力の調整を行うことが可能となる。この電磁クラッチ45が動力伝達調整装置に相当する。
また、圧縮ユニット39aには、その内部に外気を吸入する外気吸入口391と、加圧空気を吐出する吐出口392とが形成されている。外気吸入口391には、配管47の一端側が接続されている。この配管47の他端側は、図示しないエアインテークと接続されている。また、吐出口392には配管49の一端側が接続されている。この配管49の他端側は、ボイラ15の第1流入口15aに接続されている。
コントローラ27は、ランキンサイクル3の故障を検知しない限り、電磁クラッチ45を接続状態とし、第1駆動軸41と第2駆動軸43との間で動力の伝達を可能な状態とする。この廃熱利用装置における他の構成は実施例1の廃熱利用装置と同様である。
この廃熱利用装置では、エンジン5が駆動することにより、その動力が第1駆動軸41、電磁クラッチ45及び第2駆動軸43を介してスーパーチャージャ39に伝達される。そして、スーパーチャージャ39は、外気吸入口391から配管47を流通する外気を吸入し、その外気を圧縮機構で圧縮して加圧空気とする。この加圧空気は吐出口392から吐出され、配管49を経てボイラ15に流入することとなる。なお、エンジン5で生じた排気は、排気口5aから配管12及びマフラを介して車外に排出される。
この廃熱利用装置では、圧力センサ25から発信された検出値が所定範囲内であり、ランキンサイクル3が正常に作動しているとコントローラ27が判断している間は、上記のように、電磁クラッチ45が接続状態とされ、スーパーチャージャ39は吸入された外気の圧縮を行う。
このため、この廃熱利用装置も、実施例1の廃熱利用装置と同様、ボイラ15における熱交換により、作動流体が加熱されるとともに、加圧空気が冷却される。こうして、この廃熱利用装置においても、ランキンサイクル3において回収可能な電力量を大きくすることができるともに、エンジン5の出力を向上させることも可能となっている。
一方、この廃熱利用装置において、圧力センサ25から発信された検出値に基づき、コントローラ27がランキンサイクル3の故障を検知した場合、図11に示すように、コントローラ27は、電磁クラッチ45を切断状態に切り替える。これにより、第1駆動軸41と第2駆動軸43との間における動力の伝達が行われなくなり、スーパーチャージャ39の作動が停止する。スーパーチャージャ39の作動が停止することにより、配管49を流通する作動流体の流量が次第に低下し、その圧力も小さくなる。なお、この場合、最終的にはスーパーチャージャ39からエンジン5に供給される加圧空気がゼロ、すなわち、スーパーチャージャ39からエンジン5に加圧空気が供給されなくなる。
このように、この廃熱利用装置では、ランキンサイクル3が故障した際、エンジン5とスーパーチャージャ39との動力伝達を断つことで、スーパーチャージャ39から吐出される加圧空気の圧力を低下させて、加圧空気の温度を低下させることが可能となっている。これにより、この廃熱利用装置でも、ランキンサイクル3の故障によりボイラ15での熱交換ができない場合であっても、エンジン5に対して供給される加圧空気の温度が異常に高温となることを防止できる。この廃熱利用装置における他の作用効果は、実施例1の廃熱利用装置と同様である。
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1〜4の廃熱利用装置におけるエンジン5について、ディーゼルエンジンを採用することもできる。この場合、ランキンサイクル3が故障した場合に、エンジン5から配管12及びマフラを介して最終的に車外に排出される排気中の窒素酸化物の増加を抑制可能となる。
また、実施例1〜4の廃熱利用装置では、圧力センサ25が検出した配管22を流通する作動流体の圧力に基づいてコントローラ27がランキンサイクル3の故障を検知している。この圧力センサ25に替えて、例えば、電動ポンプP1や膨張機17にロックセンサ等を設け、コントローラ27は、このロックセンサ等に基づいてランキンサイクル3の故障を検知してもよい。
さらに、実施例4の廃熱利用装置において、電磁クラッチ45を設けずに、コントローラ27が動力ユニット39bを制御する構成とすることもできる。この場合、コントローラは27が動力ユニット39bを制御することで、第1、2駆動軸41、43を介してスーパーチャージャ39に伝達されるエンジン5の動力を増減可能となる。このため、ランキンサイクル3の故障時にスーパーチャージャ39に伝達されるエンジン5の動力を減少させることで、スーパーチャージャ39における外気の圧縮量が低下し、吐出される加圧空気の圧力が小さくなることで、加圧空気の温度を低下させることが可能となる。さらに、この構成では、電磁クラッチ45を採用した場合と異なり、ランキンサイクル3の故障時にもスーパーチャージャ39からエンジン5へ供給される加圧空気の減少を抑制できるため、エンジン5の出力低下をより抑制可能である。
本発明は車両等の廃熱利用装置に利用可能である。
1…駆動系
3…ランキンサイクル
5…エンジン
7…ターボチャージャ(過給器)
7c…外気吸入口
7d…吐出口
7e…タービン
7f…可変ノズル(加圧空気温調手段、排気圧力調整装置)
10…配管(加圧空気路)
15…ボイラ
17…膨張機
21〜24…配管
25…圧力センサ(循環状態検出手段)
27…コントローラ(故障検知手段、制御手段)
31…加圧空気還流路
33…空気流量調整弁(加圧空気温調手段)
35…バイパス路(加圧空気温調手段)
37…排気流量調整弁(加圧空気温調手段)
39…スーパーチャージャ(過給器)
45…電磁クラッチ(動力伝達調整装置)
70…ターボチャージャ(過給器)
P1…電動ポンプ(ポンプ)

Claims (6)

  1. 内燃機関を有する駆動系に用いられ、ポンプ、ボイラ、膨張機及び凝縮器を有して作動流体を循環させるランキンサイクルを備えた廃熱利用装置であって、
    前記駆動系は、外気を吸入し、前記内燃機関に対して加圧空気を供給する過給器を有し、
    前記ボイラは該加圧空気と前記作動流体との間で熱交換を行い、
    該内燃機関に供給される該加圧空気の温度を調整可能な加圧空気温調手段と、
    前記ランキンサイクルが故障したことを検知する故障検知手段と、
    該故障検知手段が該ランキンサイクルの故障を検知すれば、該加圧空気の温度が低下するように該加圧空気温調手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする廃熱利用装置。
  2. 前記ランキンサイクルにおける前記作動流体の循環状態を検出する循環状態検出手段を有し、
    前記故障検知手段は、該循環状態検出手段が検出した該循環状態に基づき、該ランキンサイクルが故障したことを検知可能であり、
    前記循環状態検出手段は、前記ポンプと前記膨張機との間に設けられ、前記作動流体の圧力を検出する圧力センサである請求項1記載の廃熱利用装置。
  3. 前記過給器には、外気を吸入する外気吸入口と、前記加圧空気を吐出する吐出口とが設けられ、
    前記駆動系は、該吐出口から吐出された該加圧空気を前記ボイラに導く加圧空気路と、該加圧空気路から分岐し、該加圧空気の一部を該外気吸入口に還流させる加圧空気還流路とを有しており、
    前記加圧空気温調手段は、該加圧空気路を流通する該加圧空気の流量と、該加圧空気還流路を流通する該加圧空気の流量とを調整する空気流量調整弁であり、
    前記制御手段は、前記故障検知手段が前記ランキンサイクルの故障を検知すれば、該加圧空気還流路を流通する該加圧空気の流量が多くなるように該空気流量調整弁を制御する請求項1又は2記載の廃熱利用装置。
  4. 前記過給器は、前記内燃機関の排気により外気を吸入して該外気の圧縮を行うターボチャージャであり、
    前記加圧空気温調手段は、該ターボチャージャのタービンに供給される該排気の圧力を調整可能な排気圧力調整装置であり、
    前記制御手段は、前記故障検知手段が前記ランキンサイクルの故障を検知すれば、該タービンに供給される排気の圧力が低下するように該排気圧力調整装置を制御する請求項1又は2記載の廃熱利用装置。
  5. 前記過給器は、前記内燃機関の排気により外気を吸入して該外気の圧縮を行うターボチャージャであり、
    前記加圧空気温調手段は、該排気に該ターボチャージャのタービンを迂回させるバイパス路と、該タービンに供給される該排気の流量と該バイパス路を流通する該排気の流量とを調整可能な排気流量調整弁とを有し、
    前記制御手段は、前記故障検知手段が前記ランキンサイクルの故障を検知すれば、該バイパス路を流通する該排気の流量が多くなるように該排気流量調整弁を制御する請求項1又は2記載の廃熱利用装置。
  6. 前記過給器は、前記内燃機関によって駆動され、外気を吸入して該外気の圧縮を行うスーパーチャージャであり、
    前記加圧空気温調手段は、該内燃機関から該スーパーチャージャに動力を伝達するとともに、該スーパーチャージャに伝達される該内燃機関の動力の調整を行う動力伝達調整装置であり、
    前記制御手段は、前記故障検知手段が前記ランキンサイクルの故障を検知すれば、該スーパーチャージャに伝達される該内燃機関の動力が小さくなるように該動力伝達調整装置を制御する請求項1又は2記載の廃熱利用装置
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