JP2013221432A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒劣化診断の高い実施頻度を確保しつつ、信頼性の高い診断を行うことが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】触媒コンバータM2の上流に配設された空燃比センサM3の出力信号を触媒コンバータM2の下流に配設された酸素濃度センサM4の出力信号相当値に変換する際に、酸素濃度センサM4の出力が理論空燃比相当値になるように内燃機関への目標空燃比を初期値から補正した量を用いて空燃比センサM3の出力を補正して、触媒コンバータM2が完全に劣化した状態における酸素濃度センサM4の出力信号を推定し、その推定した信号と、実際の酸素濃度センサM4の出力の波形の近似度から触媒コンバータM2の劣化を判定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、運転者に触媒劣化を警告する機能を備えた内燃機関の制御装置に関するものである。
従来の内燃機関の制御装置に於ける触媒劣化検出装置として、触媒コンバータの上流側に空燃比センサを配設すると共に、触媒コンバータの下流側に酸素濃度センサを配設し、空燃比センサの出力を酸素濃度センサの空燃比対出力電圧の関係に基づいて出力変換して、触媒コンバータが完全に劣化した場合の酸素濃度センサ出力の推定を行い、この酸素濃度センサ出力の推定値と実際の酸素濃度センサ出力値との近似度を触媒コンバータの劣化判定パラメータとして生成し、この生成した劣化判定パラメータに基づいて劣化判定手段により触媒コンバータの劣化を判定するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された従来の触媒劣化検出装置によれば、上流側に広域空燃比センサを用いることにより、触媒劣化の診断時に触媒コンバータへ供給する酸素の量、あるいは触媒コンバータで消費する酸素の量を正確に把握して調整できるため、故障と判定すべき触媒コンバータの酸素吸蔵能力(以下、OSCと称する)を超過し、かつ正常と判定すべき触媒コンバータのOSCを超過させることなく、酸素量を変動させることが出来る。その結果、故障と判定すべき触媒コンバータの下流には酸素が溢れる、あるいは酸素が完全に欠乏する現象が生じるので、触媒コンバータの下流の酸素濃度は大きく変化する。一方で、正常と判定すべき触媒コンバータの下流には酸素濃度をほぼ一定と保つことが出来る。
従って、触媒コンバータの劣化度合い(故障あるいは正常)に応じて、触媒コンバータの下流での酸素濃度の変動に大きく変化を与えることが出来るため、触媒コンバータが完全に劣化した場合の酸素濃度センサの出力の推定値と実際の酸素濃度センサの出力の近似度を触媒コンバータの劣化判定パラメータとして用いることにより、非常に信頼性の高い診断結果を得ることが出来る。
また、別の従来の触媒劣化診断装置として、下流側空燃比センサの出力に基づいてサブ空燃比フィードバック制御に用いる定数を算出する定数演算手段と、この算出した定数と上流側空燃比センサ出力とに基づいて機関の空燃比をフィードバック制御するサブ空燃比フィードバック制御手段を有し、サブ空燃比フィードバック制御手段による制御の実行中の所定期間内での下流側空燃比センサの出力波形と所定値とで囲まれる部分の面積と、下流側空燃比センサの出力波形の軌跡長との、少なくとも一方に基づいて三元触媒の劣化を判別する触媒劣化判定手段と、前述の定数演算手段により算出されたサブ空燃比フィードバック制御に用いる定数の値が所定のガード値に達したときに触媒劣化判定手段による触媒劣化判定を禁止する禁止手段とを備えた技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に開示された従来の触媒劣化診断装置によれば、前述したような、実際の空燃比に対して上流側酸素濃度センサあるいは、上流側空燃比センサの出力にリッチ側へのズレが生じる場合においては、そのズレが大きいときに触媒劣化の診断を禁止するので、正常な触媒コンバータを誤って故障品と判定することを防止することが出来る。
特許第4578544号公報 特許第2082276号公報
特許文献1に開示された従来の触媒劣化診断装置では、触媒コンバータの上流に配設された空燃比センサと触媒コンバータの下流に配設された酸素濃度センサを利用して、酸素濃度センサの出力が予め設定した目標値となるように内燃機関の空燃比を制御する、いわゆるサブ空燃比フィードバック制御で得られた「中心A/F(すなわち、理論空燃比)」を基準として診断時の空燃比制御を実施する場合、触媒コンバータの劣化判定パラメータの精度が低下し、ひいては触媒コンバータの診断結果の信頼性が低下する、という課題があった。
以下、この点について具体的に説明する。サブ空燃比フィードバック制御開始直後は、触媒コンバータ上流側に配設された空燃比センサの出力が予め設定された目標空燃比初期値となるように、内燃機関の空燃比が制御される。なお、この目標空燃比初期値は、内燃機関の空燃比が理論空燃比近傍、すなわち触媒コンバータへの酸素の供給あるいは触媒コンバータでの酸素の消費のいずれもが行われない空燃比となるように設定されている。また、触媒コンバータの下流に配設された酸素濃度センサの目標値も前述の目標空燃比初期値同様に、内燃機関の空燃比が理論空燃比近傍となるように予め設定されている。従って、空燃比センサの出力にズレ(誤差)が生じない場合には、空燃比センサの出力が目標空燃比初期値となるように内燃機関の空燃比制御を行うことにより、触媒コンバータ下流に配設された酸素濃度センサの出力は自ずと目標値に一致する。
一方、空燃比センサの出力にズレが生じる場合、サブ空燃比フィードバック制御を開始した直後は、触媒コンバータの下流に配設された酸素濃度センサの出力は予め設定した目標値とはならずに、サブ空燃比フィードバック制御を実施する過程で内燃機関の空燃比が初期値から徐々に修正され、酸素濃度センサの出力が目標値と収束していく。
ここで、実際の空燃比に対して空燃比センサの出力にリッチ側へのズレが生じる場合について説明する。図15は、サブ空燃比フィードバック制御による、空燃比センサ出力と実際の空燃比と酸素濃度センサの出力の挙動を示したタイミングチャートである。図15に於いて、サブ空燃比フィードバック制御開始直後(時刻ta)には、空燃比センサの出力は目標空燃比初期値に設定されるが、空燃比センサの出力のリッチ側へのズレにより、実際の空燃比は理論空燃比よりもリーンとなる。この結果、触媒コンバータの下流に配設された酸素濃度センサの出力は、理論空燃比を示す目標値よりも低い値となる。
この後、サブ空燃比フィードバック制御を継続することにより、酸素濃度センサの出力を上昇させて目標値に近づくように、すなわち、サブ空燃比フィードバック制御開始直後と比べてリッチとなるように内燃機関の空燃比が調整される。この結果、空燃比センサの出力はサブ空燃比フィードバック制御開始直後に比べてリッチ側に収束することになる(時刻tb)。
また、同じ原理により、実際の空燃比に対して空燃比センサの出力にリーン側へのズレが生じる場合は、空燃比センサの出力はサブ空燃比フィードバック制御開始直後と比べてリーンとなるように内燃機関の空燃比が調整されるため、空燃比センサの出力はサブ空燃比フィードバック制御開始直後と比べてリーン側に収束することになる。
これらの現象をまとめると、空燃比センサの出力が実際の空燃比に対してズレを生じる
場合、サブ空燃比フィードバック制御を実施することにより、実際の内燃機関の空燃比は理論空燃比近傍に収束する一方で、空燃比センサの出力は、目標空燃比初期値よりも空燃比センサのズレと同じ方向にズレた値で収束することが判る。
前述の特許文献1に開示された従来の装置では、特許文献1の図4に示す空燃比センサの出力を酸素濃度センサの空燃比対出力電圧の関係を基に出力変換して、触媒コンバータが完全に劣化した場合の酸素濃度センサの出力の推定を行なうようにしている。触媒劣化診断は、サブ空燃比フィードバック制御により、空燃比センサの出力が収束した値を中心A/Fとして空燃比をリッチ、リーンの交互に空燃比を操作することにより実施されるため、空燃比センサの出力にズレが生じない場合は、空燃比センサ出力が目標空燃比初期値、すなわち理論空燃比近傍に収束した状態で診断が実施される。
図16Aは、空燃比センサの出力と触媒劣化時酸素濃度センサ出力の関係を示す説明図、図16Bは、酸素濃度センサの出力の推定値の挙動を示すタイミングチャート、図16Cは、実際の酸素濃度センサの出力の挙動を示すタイミングチャートである。前述の触媒コンバータが完全に劣化した状態での酸素濃度センサ出力の推定は、図16Aに示すように理論空燃比を中心とした空燃比制御範囲を基に算出されるので、時間に対する酸素濃度センサ出力推定値の推移は図16Bに示すように目標値(すなわち、理論空燃比相当値)を中心としてリッチ、リーンの両方に大きく変動する挙動となる。
なお、診断の対象となる触媒コンバータが正常な場合はOSCが大きいため、触媒コンバータの上流側の空燃比の操作に対して触媒コンバータ下流側の空燃比の変化は小さくなり、実際の酸素濃度センサの出力は図16Cに示すように目標値を中心としてリッチ、リーンの両方に小さく変動する挙動となる。従って、触媒コンバータが完全に劣化した場合の酸素濃度センサ出力の推定値の波形と実際の酸素濃度センサの出力波形の近似度は、特に振幅の大きさにおいて低く、この近似度を基に触媒コンバータの劣化度合いを示す値として算出された「劣化判定パラメータ」は小さい値となる。すなわち、正常な触媒コンバータに対して、確実に正常判定することが出来る。
図17Aは、空燃比センサの出力と触媒劣化時酸素濃度センサ出力の関係を示す説明図、図17Bは、酸素濃度センサ出力の推定値の挙動を示すタイミングチャート、図17Cは、酸素濃度センサ出力の挙動を示すタイミングチャートである。実際の空燃比に対して空燃比センサの出力にリッチ側へのズレが生じる場合では、サブ空燃比フィードバック制御により、空燃比センサ出力が目標空燃比初期値からリッチ側へズレて収束した状態で診断が実施される。この結果、触媒コンバータが完全に劣化した状態の酸素濃度センサ出力の推定は、図17Aに示すように、理論空燃比からリッチ側へズレた点(診断時の中心A/F)を中心とした空燃比制御範囲を基に算出されるので、時間に対する酸素濃度センサ出力推定値の推移は図17Bに示すように目標値からリッチ側へズレた点(すなわち、高電圧側にシフトした点)を中心として、リッチ側に偏った領域で小さく変動する挙動となる。
なお、診断の対象となる触媒コンバータへの空燃比は、サブ空燃比フィードバックによって空燃比センサの出力のズレを補償しているため、前述の空燃比センサの出力にズレが生じない場合と同様に、理論空燃比を中心としてリッチ、リーンの交互に操作される。このため、触媒コンバータが正常な場合は、前述の空燃比センサの出力にズレが生じない場合と同様に、実際の酸素濃度センサの出力は図17Cに示すように目標値を中心として小さく変動する挙動となる。従って、触媒コンバータが完全に劣化した場合の酸素濃度センサ出力の推定値の波形と、実際の酸素濃度センサの出力波形の近似度は特に振幅の大きさにおいて高くなり、「劣化判定パラメータ」は大きい値となる。このため、正常な触媒コンバータであるにもかかわらず劣化度合いが高いと判定することになり、誤って故障品と
して判定してしまう可能性が高くなる、すなわち、触媒コンバータの診断結果の信頼性が低下してしまうという課題があった。
一方、特許文献2に開示された従来の装置では、例えば実際の空燃比に対して上流側酸素濃度センサあるいは上流側空燃比センサの出力にリッチ側へのズレが生じる場合において、そのズレが大きいときには診断を禁止するので、診断結果の誤りを回避することはできるが、診断の実施頻度が低下してしまうという課題があった。
この発明は、従来の内燃機案制御装置に於ける前述の様な課題を解決するためになされたものであり、触媒劣化診断の高い実施頻度を確保しつつ、信頼性の高い診断を行うことが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的としたものである。
この発明による内燃機関の制御装置は、
内燃機関の排気通路に配設され、前記内燃機関から排出される排気ガスの浄化を行う触媒コンバータと、
前記触媒コンバータの上流に配設され、前記内燃機関から排出される排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
前記触媒コンバータの下流に配設され、前記触媒コンバータより下流の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、
前記空燃比センサの出力と前記酸素濃度センサの出力とに基づいて、前記触媒コンバータの劣化を診断する触媒劣化診断手段と、
を備え、
前記触媒劣化診断手段は、
前記空燃比センサの出力と前記内燃機関の運転状態とに基づいて、前記触媒コンバータへ供給する酸素量若しくは前記触媒コンバータで消費する酸素量を算出する相対酸素ストレージ量算出手段と、
前記相対酸素ストレージ量算出手段の算出結果に基づいて、前記内燃機関の空燃比をリッチ側とリーン側との交互に操作する空燃比制御手段と、
前記空燃比センサの出力に基づいて、前記触媒コンバータが劣化した場合の酸素濃度センサ出力の推定値を出力する触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段と、
前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の出力と前記酸素濃度センサの出力の近似度に基づいて、劣化判定パラメータを算出する劣化判定パラメータ算出手段と、
前記劣化判定パラメータ算出手段から算出された前記劣化判定パラメータの値が所定の値を超過した場合に、前記触媒コンバータの状態を劣化として判定する劣化判定手段と、
前記酸素濃度センサの出力が目標値となるように、前記内燃機関の目標空燃比の初期値を補正する補正値を算出する中心A/F補正手段と、
前記中心A/F補正手段により算出された前記補正値に応じて、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の前記推定値を補正する空燃比センサ出力補正手段と、
を有する、
ことを特徴とすることを特徴とするものである。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、触媒劣化診断手段は、空燃比センサの出力と内燃機関の運転状態とに基づいて、触媒コンバータへ供給する酸素量若しくは前記触媒コンバータで消費する酸素量を算出する相対酸素ストレージ量算出手段と、前記相対酸素ストレージ量算出手段の算出結果に基づいて、前記内燃機関の空燃比をリッチ側とリーン側との交互に操作する空燃比制御手段と、前記空燃比センサの出力に基づいて、前記触媒コンバータが劣化した場合の酸素濃度センサ出力の推定値を出力する触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段と、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の出力と前記酸素
濃度センサの出力の近似度から触媒の劣化度を劣化判定パラメータとして算出する劣化判定パラメータ算出手段と、前記劣化判定パラメータ算出手段から算出された劣化判定パラメータの値が所定の値を超過した場合に、前記触媒コンバータの状態を劣化として判定する劣化判定手段と、前記酸素濃度センサの出力が目標値となるように、前記内燃機関の目標空燃比の初期値を補正する中心A/F補正手段と、前記中心A/F補正手段の補正値に応じて、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の前記推定値を補正する空燃比センサ出力補正手段とを有しているので、空燃比センサの出力ズレが生じる場合でも、触媒劣化診断の高い実施頻度を確保しつつ、触媒コンバータの劣化度合いとの相関性が高い劣化判定パラメータを用いて信頼性の高い診断結果を得ることができる。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関および内燃機関の制御装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、触媒劣化酸素濃度センサ出力推定手段の構成を示す構成図である。 酸素濃度センサの、空燃比と出力電圧の関係を示す説明図である。 酸素濃度センサの、空燃比と出力の関係を2次元テーブル化した説明図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 空燃比センサの出力と触媒劣化時酸素濃度センサの出力の関係を示す説明図である。 空燃比センサの出力と触媒劣化時酸素濃度センサの出力の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図8における処理の一部分の詳細を示すフローチャートである。 図8における処理の別の一部分の詳細を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図10における処理の一部分の詳細を示すフローチャートである。 図10における処理の別の一部分の詳細を示すフローチャートである。 図10における処理の、さらに別の一部分の詳細を示すフローチャートである。 図10における処理の、さらにまた別の一部分の詳細を示すフローチャートである。 酸素濃度センサの出力の振幅を積算する過程を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図12の処理の一部分の詳細を示すフローチャートである。 図12の処理の別の一部分の詳細を示すフローチャートである。 酸素濃度センサの出力とその出力をフィルタ処理した出力で囲まれる面積を示す説明図である。 空燃比制御と触媒酸素吸蔵量の相対変化量と酸素濃度センサの出力の関係を示したタイミングチャートである。 サブ空燃比フィードバック制御による、空燃比センサの出力と実際の空燃比と酸素濃度センサの出力の挙動を示したタイミングチャートである。 空燃比センサの出力と触媒劣化時酸素濃度センサの出力の関係を示す説明図である。 酸素濃度センサ出力の推定値の挙動を示すタイミングチャートである。 実際の酸素濃度センサ出力の挙動を示すタイミングチャートである。 空燃比センサの出力と触媒劣化時酸素濃度センサの出力の関係を示す説明図である。 酸素濃度センサの出力の推定値の挙動を示すタイミングチャートである。 実際の酸素濃度センサの出力の挙動を示すタイミングチャートである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図、図2は、この発明の実施の形態1による内燃機関および内燃機関の制御装置の構成を示す構成図である。図1および図2において、内燃機関M1の排気系に設けられた触媒コンバーM1は、内燃機関M1の排気ガスを浄化する。空燃比センサM3は、触媒コンバータM2の上流に設けられ、内燃機関M1から排出される排気ガスの空燃比を検出する。触媒コンバータM2の下流に設けられた酸素濃度センサM4は、内燃機関の排気ガスの酸素濃度を検出する。
また、クランク角センサ1は、内燃機関M1のクランクシャフトの角度位置を検出する。エアーフローセンサ2は、内燃機関M1の吸気系に設けられ、内燃機関M1が吸入する空気量の量を計測する。インジェクタ3は、内燃機関M1のシリンダ内へ燃料を供給する。点火プラグ4は、内燃機関M1のシリンダ内部に供給された燃料を火花により点火する。内燃機関の制御装置(以下、ECUと称する)5は、クランク角センサ1やエアーフローセンサ2等の出力に基づいて、内燃機関M1の運転状態を検出して供給燃料量や点火時期を制御しつつ、触媒コンバータM2の劣化状態を検出する。
ECU5は、図1に示すように、内部に触媒劣化診断手段51を備えている。触媒劣化診断手段51は、空燃比センサM3の出力と酸素濃度センサM4の出力とに基づいて、触媒コンバータM2の劣化を診断するものである。
触媒劣化診断手段51は、触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M5と、劣化判定パラメータ算出手段M6と、劣化判定手段M7と、相対酸素ストレージ量算出手段M8と、空燃比制御手段M9と、中心A/F補正手段M12とを備えている。なお、図1において、M10は、ECU5内に設けられた運転状態検出手段、M11は、同じくECU5内に設けられた燃料噴射量調整手段である。
中心A/F補正手段M12は、後述する触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M15の出力を補正するための中心A/Fの補正量を算出する。この中心A/F補正手段M12の動作の詳細は後述する。触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M5は、触媒コンバータM2の上流に配設された空燃比センサM3の出力を基に、触媒コンバータM2が完全に劣化した状態における酸素濃度センサM4の出力信号を推定する。
劣化判定パラメータ算出手段M6は、触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M5により算出された推定出力と、実際の酸素濃度センサM4の出力信号すなわち実出力とを比較して、推定出力の実出力に対する近似度を劣化判定パラメータとして算出する。劣化判定手段M7は、劣化判定パラメータ算出手段M6により算出された劣化判定パラメータの値と予め実験的に設定された所定の劣化判定基準値とを比較し、劣化判定パラメータが当該
劣化判定基準値を上回っている場合に、触媒コンバータM2が「劣化」していると判定する。この点について詳細に説明すると次の様になる。
一般に、触媒コンバータM2の排ガス浄化能力は、触媒コンバータM2が有する最大酸素吸蔵量と相関性が高く、最大酸素吸蔵量が低下すると排ガスの浄化能力は低下する。一方、最大酸素吸蔵量が低下してくると、内燃機関M1に対して空燃比をリッチ/リーンの交互に反転操作した際に得られる酸素濃度センサM4の出力信号は、高電圧側(例えば約1[V])および低電圧側(例えば約0[V])の交互に変動するようになる。触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M5により算出される推定出力は、触媒の最大酸素吸蔵量がほとんど無くなった状態における酸素濃度センサM4の挙動が算出されるため、内燃機関M1に対して空燃比をリッチ/リーンの交互に反転操作すると、高電圧側(例えば約1[V])および低電圧側(例えば約0[V])の交互に極めて大きく変動する。
従って、内燃機関M1に対して空燃比をリッチ/リーンの双方向に反転操作した際に得られる実際の酸素濃度センサM4の出力と、触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M5で算出される出力とから求まる劣化判定パラメータの値が大きい程(すなわち、両出力の近似度が高い程)、触媒コンバータM2の浄化能力が低い、すなわち、触媒コンバータM2が「劣化」したと判断できる。劣化判定手段M7で触媒コンバータM2を「劣化」と判定した場合には、故障ランプ等を点灯し、運転者に触媒コンバータM2の故障を知らしめる。
次に、運転状態検出手段M10は、内燃機関M1に配される各種センサ、例えば、クランク角センサ1の出力であるクランク角、エアーフローセンサ2の出力である吸入空気量から、例えば回転速度や充填効率等の内燃機関の運転状態を検出する。中心A/F補正手段M12は、酸素濃度センサM4の出力が予め設定された目標値となるように、内燃機関M1の目標空燃比初期値からの補正量を算出する。相対酸素ストレージ量算出手段M8は、空燃比センサM3と運転状態検出手段M10の検出値と中心A/F補正手段M12の出力に基づいて、触媒コンバータM2への酸素の供給量および触媒コンバータM2で消費する酸素の消費量を算出する。
空燃比制御手段M9は、相対酸素ストレージ量算出手段M8の算出結果を参照して、内燃機関M1の目標A/Fを、中心A/F補正手段M12によって補正されたA/Fを基準として、リッチあるいはリーンに設定するものである。燃料噴射量調整手段M11は、通常、運転状態検出手段M10が検出した運転状態を基に中心A/F補正手段M12によって補正されたA/Fを基準として、内燃機関M1へインジェクタ3を介して噴射する燃料の量を調整するものであるが、触媒劣化診断の実施時には、空燃比制御手段M9からの指令とあわせて燃料の量を調整する。
中心A/F補正手段M12の処理には、例えばサブ空燃比フィードバック制御が利用される。サブ空燃比フィードバック制御とは、酸素濃度センサM4の出力と予め決められた酸素濃度センサ出力目標値(例えば理論空燃比相当の電圧)との偏差量に応じて、内燃機関M1の目標空燃比を目標空燃比初期値から修正する量を調整することにより、酸素濃度センサM4の出力を予め決められた目標値に収束させるフィードバック制御のことである。このサブ空燃比フィードバック制御を利用することで、内燃機関M1の目標空燃比に初期値を設定した状態で、酸素濃度センサM4の出力が予め設定された目標値から偏差が発生しても、この偏差を内燃機関M1の目標空燃比の設定にフィードバックすることにより、徐々に偏差が解消される。このサブ空燃比フィードバック制御により偏差が解消された時点で得られる内燃機関M1の目標空燃比の初期値からの修正量が、中心A/F補正手段M12によって算出される補正量である。
次に空燃比センサM3の出力にズレが生じる際の、中心A/F補正手段M12によって算出される補正量について説明する。空燃比センサM3の出力が真の空燃比に対してリッチ側にズレる場合、内燃機関M1の目標空燃比を、予め理論空燃比となるように設定した初期値に設定すると、空燃比センサM3の出力が目標空燃比初期値となるように、燃料噴射量調整手段M11が燃料量を調整するが、実際の内燃機関M1の空燃比は、空燃比センサM3がリッチ側へズレている分だけリーン側にズレることになる。この結果、酸素濃度センサM4の出力はリーン側の出力、すなわち目標値より小さい値となり、目標値との偏差が生じる。なお、酸素濃度センサM4の目標値は、理論空燃比となるように予め設定されている値である。
ここで、前述のサブ空燃比フィードバック制御を利用すると、酸素濃度センサM4の出力と目標値の偏差を内燃機関M1への目標空燃比設定にフィードバックし、この目標空燃比を初期値から徐々に修正していくことにより酸素濃度センサM4の出力と目標値との偏差は解消される。この結果、内燃機関M1の目標空燃比における初期値からの修正量は、空燃比センサM3の出力のズレ量と一致する。すなわち、空燃比センサM3の出力のズレ量がリッチ側にβの場合は、内燃機関M1の目標空燃比の修正量(すなわち中心A/F補正手段の補正量)は、リッチ側へβとなる。
なお、中心A/F補正M12の処理には、前述のサブ空燃比フィードバック制御以外の方法も用いることが出来る。酸素濃度センサM4の出力が目標値となるように内燃機関M1の目標空燃比を補正する簡易的な方法として、例えば燃料カット復帰時の酸素濃度センサM4の応答時間を利用する方法がある。この方法では、燃料カット復帰時に酸素濃度センサM4が低電圧から所定電圧まで上昇するのに要する時間が、予め決められた基準時間に対して長い場合は、空燃比センサM3の出力がリッチ側にズレが生じて内燃機関M1のA/Fがリーン気味になっていると判断し、内燃機関M1の目標空燃比の初期値をリッチ側に補正する。一方で、基準時間に対して短い場合は、反対の事象が発生いると判断し、内燃機関M1の目標空燃比の初期値をリーン側に補正する。この方法を使うと、前述のサブ空燃比フィードバック補正を用いる方法より、比較的早い時間で補正量を算出することが出来る。
次に、触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M5の構成の詳細について説明する。図3は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、触媒劣化酸素濃度センサ出力推定手段の構成を示す構成図である。図3において、空燃比センサ出力補正手段M51は、空燃比センサM3の出力から中心A/F補正手段M12で算出された補正量を減算する。M52は、後述するA/F→λO2出力変換手段である。空燃比センサ出力補正手段M51の具体的な処理内容は、空燃比センサM3の出力A/Finに対して、中心A/F補正手段M12で算出された補正量Cafを減算し、A/F→λO2出力変換手段M52への入力A/Fin_cを算出することである。すなわち、空燃比センサ出力補正手段M51は、[A/Fin_c=A/Fin−Caf]の処理を行う。
A/F→λO2出力変換手段M52は、酸素濃度センサM4のA/Fと出力電圧の特性を用いて、空燃比センサM3からの出力を電圧に変換するものである。図4は、酸素濃度センサの、空燃比と出力電圧の関係を示す説明図である。図5は、酸素濃度センサの、空燃比と出力の関係を2次元テーブル化した説明図で、図4の特性を2次元テーブル(CNV_AF_LMD)に置き換えたものである。A/F→λO2出力変換手段M52では、図4に示す特性および図5に示す2次元テーブル(CNV_AF_LMD)を利用して、入力A/Fin_cからRO2e[V]を算出する。
ここで、空燃比センサM3の出力にズレが生じる際の、触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M5の処理について説明する。図7A、図7Bは、空燃比センサの出力と触媒劣
化時酸素濃度センサの出力の関係を示す説明図である。図7Aにおいて、前述のとおり、中心A/F補正手段M12にサブ空燃比フィードバック制御を利用した場合、空燃比センサM3の出力のズレ量がリッチ側にβの場合は、内燃機関M1の目標空燃比の修正量(すなわち、中心A/F補正手段M12の補正量)は、リッチ側へβ(すなわち、−β)となる。従って、サブ空燃比フィードバック制御により、酸素濃度センサM4の出力が目標値に収束した状態における空燃比センサM3の出力A/Finは、理論空燃比をA/F_thとすると、[A/Fin=A/F_th−β]となる。
もし、空燃比センサM3の出力を、前述したA/F→λO2出力変換手段M52の変換テーブルCNV_AF_LMDにそのまま適用すると、触媒劣化診断中の変換テーブルCNV_AF_LMDへの入力は[A/Fin±α]となる。ここで、αは触媒劣化診断中の中心A/Fからのリッチ、リーンの空燃比制御幅である。この結果、触媒劣化時酸素濃度センサ出力手段M5の出力は、図7A中のAで示した範囲で変動することとなり、図7B中のA1で示した理論空燃比を中心として得た触媒劣化時酸素濃度センサ出力手段M5の出力変動範囲よりも小さくなってしまうことがわかる。
一方、この発明における触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M5では、空燃比センサM3の出力A/Finを空燃比センサ出力補正手段M51によって、中心A/F補正手段の補正量を減算してからA/F→λO2出力変換手段M52の変換テーブルCNV_AF_LMDに適用するため、触媒劣化診断中の変換テーブルCNV_AF_LMDへの入力は、

A/F_c±α={A/Fin−(−β)}±α
={(A/F_th−β)−(−β)}±α
=A/F_th±α

となり、空燃比センサM3の出力ズレが無い状態、すなわち理論空燃比を中心に変換テーブルCNV_AF_LMDを適用した結果と等価となる。
同様に、空燃比センサM3の出力のズレ量がリーン側にβの場合は、内燃機関M1の目標空燃比の修正量は、リーン側へβ(すなわち、+β)となる。前述と同様に、空燃比センサM3の出力A/Finを中心A/F補正手段の補正量を減算してからA/F→λO2出力変換手段M52の変換テーブルCNV_AF_LMDに適用すると、触媒劣化診断中の変換テーブルCNV_AF_LMDへの入力は、

A/F_c±α={A/Fin−(+β)}±α
={(A/F_th+β)−(+β)}±α
=A/F_th±α

となり、やはり空燃比センサM3の出力ズレが無い状態、すなわち理論空燃比を中心に変換テーブルCNV_AF_LMDを適用した結果と等価となる。
従って、空燃比センサ出力補正手段M51を用いることにより、触媒コンバータM2の劣化判定パラメータ算出の基準となる触媒劣化時酸素濃度センサ出力手段M5の出力は、空燃比センサM3の出力のズレの有無にかかわらず、常に理論空燃比を中心A/Fとして空燃比制御した結果と等価な値とすることができる。
次に、前述のこの処理の流れを説明する。図6は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。図6において、まず、ステップS601にて、空燃比センサM3からA/Finを読み出す。読み出したA/Finは、ステップS602において、中心A/F補正手段M12で算出された補正量Cafを用いて、[A/Fin_c=A/Fin−Caf]の式で補正される。ステップS603では、触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段M5の出力RO2eを、補正された空燃比センサM3の出力A/Fin_cとA/F⇒λO2出力変換手段M52の変換テーブルCNV_AF_LMDを用いて、[RO2e=CNV_AF_LMD(A/Fin_c)]として算出する。
ここで、一連の触媒劣化診断の処理の内容について説明する。図8は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャート、図8Aは、図8における処理の一部分の詳細を示すフローチャート、図8Bは、図8における処理の別の一部分の詳細を示すフローチャートである。なお、触媒劣化診断は大別して、下記(a)と(b)の2つの操作を同時並行的に実施する。
(a)触媒コンバータM2に対して酸素を供給し若しくは消費する操作。
(b)空燃比センサM3の出力を基に、触媒劣化時の酸素濃度センサM4の出力を推定し、その推定値と実際の酸素濃度センサM4の出力との近似度を、劣化診断パラメータとして算出、すなわち、触媒劣化判定の処理、を行なう操作。
まず、図8を用いて、触媒コンバータM2に対して酸素を消費し若しくは供給する、という操作の内容を説明する。ただし、内燃機関M1が、空燃比センサM3と酸素濃度センサM4を利用して、サブ空燃比フィードバック制御を実施していることを前提としている。この運転状態が所定の時間継続した場合に、触媒劣化診断が実施される。まず、ステップS801で、診断の継続時間を示す診断実施時間を初期化する。ステップS802では、触媒コンバータM2に吸蔵されている酸素量を示す触媒酸素吸蔵量(以下、O2S量と称する)の相対変化量(以下、相対O2S量と称する)を「0」にリセットする。このO2S量の値は、触媒コンバータM2に対して酸素を供給する、すなわち、理論空燃比よりもリーン側で運転すると増加し、反対に消費する、すなわち、理論空燃比よりもリッチ側で運転すると減少する値である。
一定の期間、内燃機関M1を理論空燃比で運転させると、触媒コンバータM2中のO2S量は、触媒コンバータM2が有する最大酸素吸蔵量の約半分で安定することが知られている。従って、ステップS802の処理が実施される状況においては、触媒コンバータM2中のO2S量は、その触媒コンバータが有する最大酸素吸蔵量の約半分となっている。
ステップS803では、触媒劣化診断の実施条件が継続しているかどうかを判断し、YESの場合はステップS804に進む。一方、NOの場合は処理を終了する。ステップS804、S805では、それぞれ、内燃機関M1のA/Fをリッチ化、リーン化する制御を実施する。これらの制御の目的は、診断対象となる触媒コンバータM2に対して、酸素を消費、あるいは、供給することで、触媒コンバータM2の酸素吸蔵能力(OSC)量を調整することである。触媒コンバータM2の最大酸素吸蔵量の範囲内で、OSC量が増減しても、触媒コンバータ下流の酸素濃度は、ほぼ一定となるため、酸素濃度センサM4の出力はほとんど変化しない。すなわち、触媒コンバータM2の劣化度合いが小さい場合は、ステップS804、S805によるOSC量の増減操作によっても、酸素濃度センサM4の出力に変化は得られない。
一方、触媒コンバータM2の劣化度合いが大きい場合は、触媒コンバータM2の最大酸素吸蔵量が少なくなっているため、前述のOSC量の増減操作によって、触媒コンバータM2の下流の酸素濃度が大きく変化する。この結果、酸素濃度センサM4の出力は大きく変動することになる。
ステップS806では、触媒劣化診断の期間が所定の時間を経過したかどうかを判断し、YESの場合は、一連の触媒コンバータM2に対する酸素の消費、供給の操作を完了する。一方、NOの場合は、触媒劣化診断を継続すべくステップS803に戻る。
次に、ステップS804の処理の詳細について説明する。図8Aは、図8におけるステップS804での処理の詳細を示している。この処理は、触媒コンバータM2の酸素を消費する、すなわちOSC量を減少させることを目的としている。ステップS8A01で、サブ空燃比フィードバック制御で得られた中心A/Fすなわち理論空燃比から所定量αだけリッチ側に目標A/Fを設定する。この操作により、ECU5は空燃比センサM2の出力が目標A/Fに一致するように、インジェクタ3の燃料噴射量を調整する。この結果、内燃機関M1の空燃比は理論空燃比よりリッチとなる。
ステップS8A02では、相対O2S量を算出する。相対O2S量は、触媒劣化診断が開始された時点からのO2S量の増減を示すものであり、ステップS8A01で内燃機関M1の空燃比がリッチ側に操作されていることから、次第に減少していく。なお、相対O2S量を求める式は、次式のとおりである。

相対O2S量(t)
=相対O2S量(t−1)
+{実A/F(t)−中心A/F}÷中心A/F×Qa(t)×ΔT×0.23

ここで、「実A/F」は内燃機関M1の実際の空燃比、「中心A/F」は、サブ空燃比フィードバック制御で得られた理論空燃比、「Qa」は、内燃機関M1の単位時間当たりの吸入空気量、「ΔT」は、相対O2S量を算出する時間間隔(例えば、10[msec])、「0.23」は、「Qa」中の酸素の質量比率(すなわち、大気中の酸素の質量比率)、各項の「t」は時刻を表すパラメータである。
ステップS8A03では、ステップS8A02で求めた相対O2S量が目標O2S量(−側)以下となったかどうか判断する。ここで、目標O2S量(−側)は、劣化触媒の最大酸素吸蔵量の1/2より大きく、かつ、正常な触媒の最大酸素吸蔵量の1/2より小さくなるように予め設定されている。これは、触媒コンバータM2の下流の酸素濃度が、劣化触媒の場合に低く(すなわち、酸素濃度センサM4の出力は高電圧)、正常な触媒の場合に理論空燃比相当(すなわち、酸素濃度センサの出力は中間電圧)となることを狙って設定されている。
なお、触媒の最大酸素吸蔵量は正の数であり、目標O2S量(−側)は便宜上、負の数となるため、符号を付した状態の大小関係は次の様になる。

(−1)×OSC_N÷2<目標O2S量(−側)<(−1)×OSC_D÷2

ここで、OSC_Nは、正常触媒の最大酸素吸蔵量、OSC_Dは、劣化触媒の最大酸素吸蔵量である。
ステップS8A03の判断がYESの場合は、A/Fリッチ化制御を完了して処理を終了する。一方、NOの場合は、A/Fリッチ化制御を継続すべく、ステップS8A01に戻る。
次に、図8におけるステップS805の処理の詳細について説明する。図8Bは、図8におけるステップS805での処理の詳細を示している。この処理は、触媒コンバータM2に酸素を供給する、すなわち、OSC量を増加させることを目的としている。ステップ
S8B01で、サブ空燃比フィードバック制御で得られた中心A/F(すなわち、理論空燃比)から所定量αだけリーン側に目標A/Fを設定する。この操作により、ステップS8A01のECU5によるインジェクタ3の制御の結果と同様に、内燃機関M1の空燃比は理論空燃比よりリーンとなる。ステップS8B02での処理内容は、ステップS8A02と同じであるため説明は割愛する。
ステップS8B03では、ステップS8B02で求めた相対O2S量が目標O2S量(+側)以上となったかどうか判断する。ここで、目標O2S量(+側)は、劣化触媒の最大酸素吸蔵量の1/2より大きく、かつ、正常な触媒の最大酸素吸蔵量の1/2より小さくなるように予め設定されている。これは、触媒コンバータM2の下流の酸素濃度が、劣化触媒の場合に高く(すなわち、酸素濃度センサM4の出力は低電圧)、正常な触媒の場合に理論空燃比相当(すなわち、酸素濃度センサの出力は中間電圧)となることを狙って設定されている。
ステップS8B03の判断がYESの場合はA/Fリッチ化制御を完了して処理を終了する。一方、NOの場合はA/Fリッチ化制御を継続すべく、ステップS8B01に戻る。
次に、前述の図8のステップS804およびS805のA/F操作による、相対O2量の挙動と酸素濃度センサM4の出力の挙動について説明する。図14は、空燃比制御と触媒酸素吸蔵量の相対変化量と酸素濃度センサの出力の関係を示したタイミングチャートである。図14において、時刻t0で、触媒劣化診断が開始される。時刻t0以前はサブ空燃比フィードバック制御が所定時間以上継続しているため、触媒コンバータM2のOSC量は触媒の持つ最大酸素吸蔵量の約半分となっている。
時刻t0からステップS804のA/Fリッチ化制御を実施することにより、相対O2S量は低下する。ここで、触媒コンバータM2が劣化している場合は、相対O2S量の低下量が劣化触媒の最大酸素吸蔵量の1/2(図中では一点鎖線で記載)を下回ると、診断開始時に触媒コンバータM2内に蓄えられていた酸素は全て消費され、触媒コンバータM2の下流にリッチガスが放出される。この際、酸素濃度センサM4は高電圧側の出力となる。
触媒コンバータM2が正常である場合は、この時点で触媒コンバータM2内に充分な酸素が残されているため、触媒コンバータ内の酸化還元反応は可能であり、理論空燃比相当のガスが放出される。従って、触媒コンバータM2が正常の場合は酸素濃度センサM4の出力は変動しない。
更に、A/Fリッチ化制御を継続すると、相対O2S量が目標O2S(−側)に達するタイミング(すなわち時刻t1)で、ステップS8A01〜S8A03で示されたステップS804の処理は完了し、次のステップS805に進む。
時刻t1からステップS805のリーン化制御を実施すると、相対O2S量は徐々に減少から増加方向に変化する。図14では、最も相対O2S量が小さくなるタイミングにおいても、相対O2S量の診断開始時(すなわち0)からの減少量は、正常触媒の最大酸素吸蔵量の1/2より少ないため、触媒コンバータ下流M5にリッチガスが放出されることは無い。すなわち、酸素濃度センサM4の出力は変動しない。
一方で、触媒コンバータM2が劣化している場合は、実際のA/Fが理論空燃比よりリーン側になったタイミングから酸素濃度センサの出力が中間電圧に戻る。これは、前述のリッチ化制御で触媒コンバータM2内で完全に欠乏していた酸素がリーン化制御によって供給されて酸化還元反応が可能となり、触媒コンバータM2下流に理論空燃比相当のガスが排出されるようになったからである。このままリーン化制御を継続すると、触媒コンバータM2の下流からリーンガスが放出され、酸素濃度センサM4の出力は低電圧側に変化する。
これは、リーン化制御の継続により、最大酸素吸蔵量を超える酸素が供給され、触媒内での酸化還元反応が出来なくなったことに起因する。つまり、A/Fリーン化制御により、触媒コンバータM2に酸素が供給され始めてから、劣化触媒の最大触媒吸蔵量に達するまでの間は、酸素濃度センサM4の出力は理論空燃比相当の中間電圧で維持され、さらにA/Fリーン化制御を継続すると酸素濃度センサM4の出力は低電圧となる。
A/Fリーン化制御により、相対O2S量が目標O2S(+側)に達するタイミング(すなわち時刻t2)でステップS8B01〜S8B03で示されたステップS805の処理は完了し、次のステップS806に進む。なお、触媒コンバータM2が正常である場合は、この時点においても触媒内の酸素は飽和しきっていないため、触媒コンバータ2内の酸化還元反応は可能であり、理論空燃比相当のガスが放出し続ける。従って、正常触媒の場合はリーン化制御においても酸素濃度センサM4の出力は変動しない。
前述のように、触媒劣化診断が実施される期間中に、ステップS804、S805による相対O2S量を制御対象としてA/Fリッチ化制御、リーン化制御を実施することにより、劣化触媒に対してのみ、酸素濃度センサM4の出力を変動させることができる。
次に、前述の触媒劣化検出用A/F制御(ステップS801からS806まで)と同時並行的に実施される触媒劣化判定の処理を説明する。触媒劣化判定では、触媒コンバータの劣化度合いを示す劣化判定パラメータSIAMPが、予め、劣化した触媒を基に設定した劣化判定基準値以上となる事で、触媒の劣化状態を判定する。劣化判定パラメータSIAMPは、触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定M5で得られる出力RO2eと、酸素濃度センサM4で得られる出力RO2の波形近似度を基に求められる。この波形近似度を算出するために、さらに振幅比AMPRと面積比SIRといった2種類の指標値を算出する。
まず、振幅比AMPRの算出方法について説明する。AMPRは、[AMPR=ΣAMPRO2÷ΣAMPRO2e]の式で求められる。ここで、ΣAMPRO2はRO2の波形の振幅を積算して求めたもの、ΣAMPRO2eは触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定M5で得られる出力RO2eの波形の振幅を積算して求めたもの、である。
ΣAMPRO2の算出方法について説明する。図11は、酸素濃度センサの出力の振幅を積算する過程を示す説明図である。酸素濃度センサM4の出力が予め定められた電圧値を横切る(以下、反転する、と称する)毎に、直前で求められた酸素濃度センサM4の出力RO2の最大値と最小値から振幅AMPRO2を算出し、ΣAMPRO2に積算していく。図11では、この反転タイミングを、t1、t2…で表しており、このタイミングでのΣAMPRO2の算出結果を示している。この操作を触媒劣化診断条件が継続する間繰り返す。ΣAMPRO2eの算出の仕方は、前述のΣAMPRO2に準じており、対象波形をRO2の代わりにRO2eとして読み替える。反転タイミングは、また、酸素濃度センサM4の出力ではなく、空燃比センサM3の出力が予め定められたA/F値を横切る(反転する)タイミングが適用される。
次に、面積比SIRの算出方法について説明する。面積比SIRは、[SIR=ΣS_RO2÷ΣS_RO2e]の式で求められる。ここで、ΣS_RO2はRO2の波形と、RO2にフィルタを通して得られた波形RO2Fとで囲まれた面積、ΣS_RO2eはRO2eの波形と、RO2eにフィルタを通して得られた波形RO2eFとで囲まれた面積
、である。
ΣS_RO2の算出方法について説明する。RO2FはRO2より次の式で求められる。

RO2F(t)=K2×RO2F(t−1)+{1−K2}×RO2(t)

ここで、K2はフィルタ定数である。
次に所定時間毎(例えば、10[ms]毎)に、

ΣS_RO2(t)=ΣS_RO2(t−1)+|RO2(t)−RO2F(t)|

として、触媒劣化診断実施条件が終了するまでΣS_RO2(t)の算出を継続する。
図13は、酸素濃度センサの出力とその出力をフィルタ処理した出力で囲まれる面積を示す説明図である。前述の算出の結果、図13に示すように、RO2とRO2Fで囲まれた面積として、ΣS_RO2が求まる。ΣS_RO2e(t)の算出の仕方も、前述のΣS_RO2に準じており、対象波形をRO2の代わりにRO2eとして読み替える。
振幅比AMPR、面積比SIRは共に、RO2とRO2eの波形の近似度が高いほど、「1.0」に近づく。触媒の劣化状態を判定する劣化判定パラメータSIAMPは、[SIAMP=AMPR×SIR]で求められるため、AMPR、SIRと同様に、RO2とRO2eの波形の近似度が高いほど「1.0」に近づく。一方で、RO2とRO2eの波形の近似度が低い場合は、SIAMPの値は「0」に近づく。例えば、触媒コンバータM2が正常である場合、前述した触媒劣化検出用A/F制御を適用しても、酸素濃度センサM4の変動量は極めて少なく、振幅の変動量を「0」と仮定すると、前述したΣAMPRO2は「0」となり、AMPRも「0」となる。この結果、SIAMPも「0」になる。従って、診断と対象となる触媒コンバータM2の劣化度に応じて、劣化判定パラメータSIAMPは「0」〜「1」の値をとることが分かる。
ここで、内燃機関M1の排ガスが、法令の定めた値を超過する程度まで劣化した触媒を、前述した装置を用いて計測した場合に、[SIAMP=0.5]が得られたならば、劣化判定基準値を「0.4」とすることで、法令の定めた値を超過する前に、対象となる触媒コンバータM2を劣化として判定出来る。
次に、前述した一連の触媒劣化判定の処理の詳細について説明する。図9は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。図9において、まず、触媒劣化診断の実施条件が成立した場合に、ステップS901で振幅比AMPR、面積比SIRを「0」に初期化しておく。また、AMPR、SIRの算出過程で使用する各種パラメータ(後述する)も同様に「0」に初期化しておく。次に、ステップS902で触媒劣化診断の実施条件が継続して成立しているかどうかを判断する。YESの場合は、既にステップS601〜603で説明した、触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eの推定を行なう。NOの場合は処理を終了する。ステップS601〜S603で触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eを算出した後、ステップS903で振幅比AMPRの算出を行なう。ここで、ステップS903での処理の詳細を、以下に説明する。
図10は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。図10Aは、図10における処理の一部分の詳細を示すフローチャートである。図10Bは、図10における処理の別の一部分の詳細を示すフローチャートである。図10Cは、図10における処理の、さらに別の一部分の詳細を示すフローチャートである。図10Dは、図10における処理の、さらにまた別の一部分の詳細を示すフローチャートである。
図10において、ステップS1001では、触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eの最大値、最小値の更新を行なう。この処理は、図10Aにその詳細を示しており、図10Aにおいて、ステップS10a01で、触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eが、この時点までの触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eの最大値RO2eMX以上かどうか判断する。YESの場合は、ステップS10a02に進み、RO2eMXにRO2eを代入して処理を終了する。NOの場合はステップS10a03に進み、この時点までの触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eの最小値RO2eMN以下かどうか判断する。YESの場合は、ステップS10a04に進み、RO2eMNにRO2eを代入して処理を終了する。NOの場合は、そのまま処理を終了する。
図10において、ステップS1002では、酸素濃度センサ出力RO2の最大値、最小値の更新を行なう。この処理は図10Bにその詳細を示しており、図10Bにおいて、対象が触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eと酸素濃度センサ出力RO2で異なる以外は、本質的に図10Aの処理内容と同じであるため、説明を割愛する。
図10において、ステップS1003では、空燃比センサM3の出力が反転した際の触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eの振幅の積算処理を行なう。この処理は図10Cにその詳細を示しており、図10Cにおいて、ステップS10c01では、空燃比センサM3の出力が反転したかどうかを判断する。YESの場合はステップS10c02へ進む。NOの場合はそのまま処理を終了する。ステップS10c02では、触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eの反転方向に関して、リッチからリーン方向へ反転したかどうかを判断する。YESの場合は、ステップS10c03では、この時点での触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eの最大値RO2eMXと最小値RO2eMNの差より、振幅AMPRO2eを求める。この後、ステップS10c04で、最小値RO2eMNに最大値RO2eMXを代入することによりRO2eMNをリセットする。
ステップS10c05は、ステップS10c03と同じ処理である。ステップS10c05の後、ステップS10c06に進み、最大値RO2eMXに最小値RO2eMNを代入することによりRO2eMXをリセットする。ステップS10c07では、ステップS10c03あるいはS10c05で求めた振幅をΣA_RO2eとして積算し、処理を終了する。
図10において、ステップS1004では、酸素濃度センサM4の出力が反転した際のRO2の振幅の積算処理を行なう。この処理は図10Dでその詳細を示しており、図10Dにおいて、反転判断の対象が空燃比センサと酸素濃度センサで異なること、また、処理する波形の対象が触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eと酸素濃度センサ出力RO2で異なる以外は、本質的に図10Cの処理内容と同じであるため、説明を割愛する。
図10において、ステップS1005では、ステップS1003、S1004で求めた振幅積算値ΣA_RO2e、ΣA_RO2から、振幅比AMPRを[AMPR=ΣA_RO2÷ΣA_RO2e]で求め、処理を終了する。
ここで、再び図9に戻って触媒劣化判定の処理を説明する。図9において、ステップS904で面積比SIRの算出を行なう。図12は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の処理の流れを示すフローチャートであり、ステップS904での処理の詳
細を示している。図12Aは、図12の処理の一部分の詳細を示すフローチャート、図12Bは、図12の処理の別の一部分の詳細を示すフローチャートである。図12において、ステップS1201では、触媒劣化時酸素濃度センサ出力の推定値RO2eによって囲まれた面積ΣS_RO2eを求める。この処理は図12Aでその詳細を示している。
図12Aにおいて、ステップS12a01で触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eにフィルタを適用した出力RO2eFを求める。これは、下記の式により求める。

RO2eF(t)=K2×RO2eF(t−1)+{1−K2}×RO2e(t)
次にステップS12a02において、式を演算し、

|RO2e(t)−RO2eF(t)|

ΣS_RO2e(t)に積算する。この処理は、所定時間毎(例えば10[ms]毎)に行なわれるので、ΣS_RO2eは、RO2e(t)とRO2Fe(t)で囲まれた面積となる。
図12において、ステップS1202では、酸素濃度センサ出力RO2によって囲まれた面積ΣS_RO2を求める。この処理は図12Bにその詳細を示しており、図12Bにおいて、対象が触媒劣化時酸素濃度センサ出力RO2eと酸素濃度センサ出力RO2で異なる以外は、本質的に図12Aの処理内容と同じであるため、説明を割愛する。
図12において、ステップS1203では、ステップS1201とS1202で求めた面積ΣS_RO2e、ΣS_RO2から、面積比SIRを[SIR=ΣS_RO2÷ΣS_RO2e]で求め、処理を終了する。
ここで、再度、図9に戻って触媒劣化判定の処理を説明する。ステップS905では、触媒劣化診断の実施条件成立時間が所定時間継続しているかどうか判断する。YESの場合は、ステップS906に進み、劣化判定パラメータSIAMPを下記の式にて算出する。

SIAMP=SIR×AMPR
ステップS905での判定がNOの場合は、ステップS902に戻って診断を継続する。ステップS907で劣化判定パラメータSIAMPが劣化判定基準値(例えば、「0.4」)より大きいかどうかを判断し、YESの場合はステップS908で劣化と判定して処理を終了する。NOの場合はステップS909で正常と判定して処理を終了する。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、中心A/F補正手段で得た内燃機関の目標空燃比の補正量の大きさに応じて触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定値を補正するので、空燃比センサの出力に大きくズレが生じた場合でも診断を禁止することなく、触媒劣化時の酸素濃度センサの出力を正確に推定することができる。従って、高い診断頻度を確保しつつ、触媒コンバータの劣化度合いとの相関性が高い劣化判定パラメータを用いて信頼性の高い診断結果を得ることができる。
なお、この発明は、その発明の範囲内に於いて、実施の形態1を適宜、変形、省略する
ことが可能である。
1 クランク角センサ
2 エアーフローセンサ
3 インジェクタ
4 点火プラグ
5 ECU
M1 内燃機関
M2 触媒コンバータ
M3 空燃比センサ
M4 酸素濃度センサ
M5 触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段
M6 劣化判定パラメータ算出手段
M7 劣化判定手段
M8 相対O2ストレージ量算出手段
M9 空燃比制御手段
M10 運転状態検出手段
M11 燃料噴射量調整手段
M12 中心A/F補正手段
M51 空燃比センサ出力補正手段
M52 A/F→λO2出力変換手段
この発明による内燃機関の制御装置は、
内燃機関の排気通路に配設され、前記内燃機関から排出される排気ガスの浄化を行う触媒コンバータと、
前記触媒コンバータの上流に配設され、前記内燃機関から排出される排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
前記触媒コンバータの下流に配設され、前記触媒コンバータより下流の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、
前記空燃比センサの出力と前記酸素濃度センサの出力とに基づいて、前記触媒コンバータの劣化を診断する触媒劣化診断手段と、
を備え、前記酸素濃度センサの出力が予め設定した目標値となるように前記内燃機関の空燃比を制御するようにした内燃機関の制御装置であって、
前記触媒劣化診断手段は、
前記空燃比センサの出力と前記内燃機関の運転状態とに基づいて、前記触媒コンバータへ供給する酸素量若しくは前記触媒コンバータで消費する酸素量を算出する相対酸素ストレージ量算出手段と、
前記相対酸素ストレージ量算出手段の算出結果に基づいて、前記内燃機関の空燃比をリッチ側とリーン側との交互に操作する空燃比制御手段と、
前記空燃比センサの出力に基づいて、前記触媒コンバータが劣化した場合の酸素濃度センサ出力の推定値を出力する触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段と、
前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の出力と前記酸素濃度センサの出力の近似度に基づいて、劣化判定パラメータを算出する劣化判定パラメータ算出手段と、
前記劣化判定パラメータ算出手段から算出された前記劣化判定パラメータの値が所定の値を超過した場合に、前記触媒コンバータの状態を劣化として判定する劣化判定手段と、
前記酸素濃度センサの出力が前記目標値となるように、前記内燃機関の前記空燃比を制御するための目標空燃比の初期値を補正する補正値を算出する中心A/F補正手段と、
前記中心A/F補正手段により算出された前記補正値に応じて、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の前記推定値を補正する空燃比センサ出力補正手段と、
を有し、
前記空燃比センサ出力補正手段は、
前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段における前記空燃比センサの出力を触媒劣化時の前記酸素濃度センサの出力に変換する処理に対して、その処理の入力となる前記空燃比センサの出力から、前記中心A/F補正手段にて算出された補正値を減算することにより、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の推定値を補正する、
ことを特徴とするものである。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、触媒劣化診断手段は、空燃比センサの出力と内燃機関の運転状態とに基づいて、触媒コンバータへ供給する酸素量若しくは前記触媒コンバータで消費する酸素量を算出する相対酸素ストレージ量算出手段と、前記相対酸素ストレージ量算出手段の算出結果に基づいて、前記内燃機関の空燃比をリッチ側とリーン側との交互に操作する空燃比制御手段と、前記空燃比センサの出力に基づいて、前記触媒コンバータが劣化した場合の酸素濃度センサ出力の推定値を出力する触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段と、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の出力と前記酸素濃度センサの出力の近似度から触媒の劣化度を劣化判定パラメータとして算出する劣化判定パラメータ算出手段と、前記劣化判定パラメータ算出手段から算出された劣化判定パラメータの値が所定の値を超過した場合に、前記触媒コンバータの状態を劣化として判定する劣化判定手段と、前記酸素濃度センサの出力が前記目標値となるように、前記内燃機関の前記空燃比を制御するための目標空燃比の初期値を補正する補正値を算出する中心A/F補正手段と、前記中心A/F補正手段の補正値に応じて、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の前記推定値を補正する空燃比センサ出力補正手段とを有し、前記空燃比センサ出力補正手段は、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段における前記空燃比センサの出力を触媒劣化時の前記酸素濃度センサの出力に変換する処理に対して、その処理の入力となる前記空燃比センサの出力から、前記中心A/F補正手段にて算出された補正値を減算することにより、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の推定値を補正するようにしているので、空燃比センサの出力ズレが生じる場合でも、触媒劣化診断の高い実施頻度を確保しつつ、触媒コンバータの劣化度合いとの相関性が高い劣化判定パラメータを用いて信頼性の高い診断結果を得ることができる。

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に配設され、前記内燃機関から排出される排気ガスの浄化を行う触媒コンバータと、
    前記触媒コンバータの上流に配設され、前記内燃機関から排出される排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記触媒コンバータの下流に配設され、前記触媒コンバータより下流の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、
    前記空燃比センサの出力と前記酸素濃度センサの出力とに基づいて、前記触媒コンバータの劣化を診断する触媒劣化診断手段と、
    を備え、
    前記触媒劣化診断手段は、
    前記空燃比センサの出力と前記内燃機関の運転状態とに基づいて、前記触媒コンバータへ供給する酸素量若しくは前記触媒コンバータで消費する酸素量を算出する相対酸素ストレージ量算出手段と、
    前記相対酸素ストレージ量算出手段の算出結果に基づいて、前記内燃機関の空燃比をリッチ側とリーン側との交互に操作する空燃比制御手段と、
    前記空燃比センサの出力に基づいて、前記触媒コンバータが劣化した場合の酸素濃度センサ出力の推定値を出力する触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段と、
    前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の出力と前記酸素濃度センサの出力の近似度に基づいて、劣化判定パラメータを算出する劣化判定パラメータ算出手段と、
    前記劣化判定パラメータ算出手段から算出された前記劣化判定パラメータの値が所定の値を超過した場合に、前記触媒コンバータの状態を劣化として判定する劣化判定手段と、
    前記酸素濃度センサの出力が目標値となるように、前記内燃機関の目標空燃比の初期値を補正する補正値を算出する中心A/F補正手段と、
    前記中心A/F補正手段により算出された前記補正値に応じて、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の前記推定値を補正する空燃比センサ出力補正手段と、
    を有する、
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記空燃比センサ出力補正手段は、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段における前記空燃比センサの出力を触媒劣化時の前記酸素濃度センサの出力に変換する処理に対して、その処理の入力となる前記空燃比センサの出力から、前記中心A/F補正手段にて算出された補正値を減算することにより、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の推定値を補正する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記空燃比センサ出力補正手段は、前記触媒劣化時酸素濃度センサ出力推定手段の一部分を構成している、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
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