JP2013220978A - 構造体及びその製造方法 - Google Patents

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勝彦 直井
Yoshiyuki Igarashi
吉幸 五十嵐
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和子 直井
Kenji Tamamitsu
賢次 玉光
Shuichi Ishimoto
修一 石本
Daisuke Yonekura
大介 米倉
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Abstract

【課題】出力特性及び高エネルギー密度を達成した構造体及びその製造方法に関する。
【解決手段】旋回する反応容器内で出発原料のマンガン化合物とカーボン粒子とを含む溶液にずり応力と遠心力を加えて反応させて、1×2のトンネル構造であるラムスデライト型マンガン酸化物及び/または2×2のトンネル構造を有するマンガン酸化物を生成する。この処理を経た複合体を真空中において100℃〜200℃の間で加熱する加熱処理をする。これにより、トンネル構造を有する構造体を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造体及びその製造方法に関する。
現在、リチウム電池の電極に利用する構造体としてリチウムを貯蔵、放出するカーボン材料等が用いられている。リチウム電池は、マイナス電位が水素の還元分解電位より小さいので電解液の分解という危険性がある。そこで、特許伝件1や特許文献2に記載のように、マイナス電位が水素の還元分解電位より大きいチタン酸リチウムを構造体として使用が検討されているが、チタン酸リチウムは出力特性が低いという問題点がある。そこで、チタン酸リチウムをナノ粒子化し、炭素に担時させた電極によって、出力特性を向上する試みがある。
特開2007−160151号公報 特開2008−270795号公報
これらの特許文献に記載の発明は、旋回する反応器内で反応物にずり応力と遠心力を加えて、化学反応を促進させる方法(一般に、メカノケミカル反応と呼ばれる)によって、カーボンに分散担持されたチタン酸リチウムを得るものである。この場合、反応物としては、例えば、チタン酸リチウムの出発原料であるチタンアルコキシドと酢酸リチウム、及びカーボンナノチューブやケッチェンブラック等のカーボン、酢酸等を使用する。
これらの特許文献に記載のチタン酸リチウムナノ粒子を担持したカーボンを使用した構造体は、優れた出力特性を発揮するものの、最近では、この種の構造体において、さらに出力特性を向上させ、電気伝導度を向上させる要求がある。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、トンネル構造の構造体のトンネル径を制御し出力特性及び高エネルギー密度を達成した電極や電気化学素子を得ることのできる構造体及びその製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するため本発明の構造体は、1×2のトンネル構造であるラムスデライト型マンガン酸化物及び/または2×2のトンネル構造であるクリプトメラン型マンガン酸化物からなることを特徴。
前記トンネル構造のマンガン酸化物が2〜8Åのサブナノサイズであることも本発明の一態様である。
前記トンネル構造は、酸化マンガンとカーボン粒子との複合体であり、このカーボン粒子は、旋回する反応器内で反応物にずり応力と遠心力を加えて、化学反応を促進させる処理を施したものであるとも本発明の一態様である。
前記構造体が、MnOOHまたはMn3O4のいずれかを含むことを特徴とすることも本発明の一態様である。
さらに、構造体の製造方法であり、旋回する反応容器内で出発原料のマンガン化合物とカーボン粒子とを含む溶液にずり応力と遠心力を加えて反応させて、1×2のトンネル構造であるラムスデライト型マンガン酸化物及び/または2×2のトンネル構造を有するマンガン化合物を生成する処理と、この処理を経た複合体を真空中において100℃〜200℃の間で加熱する加熱処理と、を有する構造体の製造方法も本発明の一態様である。
本発明の構造体では、構造体のトンネル径の大きさを制御できる。これにより、構造体の内部を通過するイオンの種類の選択やイオンの種類を限定することができるので、イオン篩として使用することができる。また、このような構造体を用いた電極では、充放電特性のためのイオンを構造体の内部に吸着することができるので、大容量の充放電特性を発現することができる。
本発明の実施形態におけるUC処理(超遠心力処理)の作業手順を示したブロック図である。 本発明の実施形態における1×2のラムスデライトの構造を示す模式図である。 本発明の実施形態における2×2のクリプトメランの構造を示す模式図である。 本発明の実施形態における3×3のクリプトメレンの構造を示す模式図である。 本発明の実施形態における1×2のラムスデライトの構造の構造を示すHR-TEMである。 本発明の実施形態における2×2のクリプトメランの構造の構造を示すHR-TEMである。 本発明の製造方法に使用する反応器の一例を示す斜視図である。 本発明の実施例1〜4及び比較例1,2の複合体の10サイクル目の放電カーブを示す図である。 本発明の実施例1〜4及び比較例1の複合体の10サイクル目の充電カーブを示す図である。 本発明の実施例1〜3の複合体に対して行ったXRDによる結晶構造解析の結果を表したグラフである。 本発明の実施例1〜3の複合体に対して行ったXRDによる結晶構造解析の結果を表したグラフである。 本発明の実施例1〜3の複合体に対して行ったXRDによる結晶構造解析の結果を表したグラフである。 本発明の実施例1〜3の複合体に対して行ったXRDによる結晶構造解析の結果を表したグラフである。
以下、本発明を実施する形態について、説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものでない。
図1は、本実施形態の作業手順を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係るマンガン化合物とカーボン粉末複合体は、出発原料であるマンガン化合物を水溶液中で、メカノケミカル反応の一つである超遠心力処理(Ultra-Centrifugal force processing method:以下、UC処理という。)し、その生成物を洗浄・ろ過し、その後、熱処理することにより得られる。
一例としては、図1に示すように、
(1) マンガンの価数が2≦x<4のマンガン化合物に対して、蒸留水を加える。その後、蒸留水を加えた2≦x<4のマンガン化合物に対して超音波処理を施す。
(2) 超音波処理を施した2≦x<4のマンガン化合物と、カーボン粉末とを、蒸留水とを加え、UC処理を行い、中間生成物である第1の複合体を生成する。
(3) マンガンの価数が4<x≦7のマンガン化合物に対して、蒸留水を加える。その後、蒸留水を加えた4<x≦7のマンガン化合物に対して超音波処理を施す。
(4) 上記処理を施した第1の複合体と、4<x≦7のマンガン化合物とに、蒸留水とを加え、UC処理を行い、最終生成物である複合体を生成する。
本実施形態の複合体は、サブナノサイズのトンネル構造を有する。このトンネル構造は、八面体のマンガン酸化物の管が複数集まったものである。トンネル部分は、マンガン化合物1〜3個に相当する空洞が設けられる。サブナノサイズのトンネル構造の具体例としては、1×2のトンネル構造であるラムスデライト、2×2のトンネル構造であるクリプトメランまたは3×3のトンネル構造であるクリプトメレンを有するマンガン化合物である。
図2〜4は、本実施形態のマンガン化合物の形状を表す図である。図2は、1×2のラムスデライトの構造を示す。ラムスデライトは、マンガン化合物により形成された管であり、管の内部に(マンガン化合物1個)×(マンガン化合物2個)のトンネル構造を有する。図3は、2×2のクリプトメランの構造を示す。クリプトメランは、マンガン化合物により形成された管であり、管の内部に(マンガン化合物2個)×(マンガン化合物2個)のトンネル構造を有する。図4は、3×3のクリプトメレンの構造を示す。クリプトメレンは、マンガン化合物により形成された管であり、管の内部に(マンガン化合物3個)×(マンガン化合物3個)のトンネル構造を有する。
本実施形態の複合体では、図5,6に示すマンガン酸化物が形成される。図5では、層間平均距離が4.12ÅのMnO2 ラムスデライトが形成されている。図6では、層間平均距離が4.91ÅのMnO2 クリプトメランが形成されている。また、図示していないが、MnO2 トドロカイトが形成されている。それぞれのマンガン酸化物のトンネル構造の一辺は、1×2のMnO2 ラムスデライトで2.732Å×4.680Åであり、2×2のMnO2 クリプトメランで、4.711Å×4.711Åである。3×3のMnO2 トドロカイトのトンネル径は、6.9〜7.5Åである。従って、本実施形態のマンガン酸化物のトンネル径として適している範囲は、2〜8Åの範囲となる。
このトンネル構造により、構造体の内部にイオンを選択的に取り込むことができる。すなわち、イオン篩として使用することができる。また、この構造体を電極として用いた場合には、充放電時の高電位においてトンネル構造への表面吸着がおこる。この際、トンネル径が2〜8Åの範囲外であると、トンネル構造への表面吸着が効率よく起こらなくなり充放電容量が低下する。
(UC処理)
実施形態で用いるUC処理は、メカノケミカル反応を利用した処理である。このメカノケミカル反応は、化学反応の過程で、旋回する反応の過程で、旋回する反応器内で反応物にずり応力と遠心力を加えて化学反応を促進させる。
この反応方法は、例えば、図7に示すような反応器を用いて行うことができる。図7に示すように、反応器は、開口部にせき板1−2を有する外筒1と、貫通孔2−1を有し旋回する内筒2からなる。この反応器の内筒内部に反応物を投入し、内筒を旋回することによってその遠心力で内筒内部の反応物が内筒の貫通孔を通って外筒の内壁1−3に移動する。この時反応物は内筒の遠心力によって外筒の内壁に衝突し、薄膜状となって内壁の上部へずり上がる。この状態では反応物には内壁との間のずり応力と内筒からの遠心力の双方が同時に加わり、薄膜状の反応物に大きな機械的エネルギーが加わることになる。この
機械的なエネルギーが反応に必要な化学エネルギー、いわゆる活性化エネルギーに転化するものと思われるが、短時間で反応が進行する。
この反応において、薄膜状であると反応物に加えられる機械的エネルギーは大きなものとなるため、薄膜の厚みは5mm以下、好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下である。なお、薄膜の厚みはせき板の幅、反応液の量によって設定することができる。
この反応方法は、反応物に加えられるずり応力と遠心力の機械的エネルギーによって実現できるものと考えられるが、このずり応力と遠心力は内筒内の反応物に加えられる遠心力によって生じる。したがって、本発明に必要な内筒内の反応物に加えられる遠心力は1500N(kgms-2)以上、好ましくは60000N(kgms-2)以上、さらに好ましくは270000N(kgms-2)以上である。
この反応方法においては、反応物にずり応力と遠心力の双方の機械的エネルギーが同時に加えられることによって、このエネルギーが化学エネルギーに転化することによるものと思われるが、従来にない速度で化学反応を促進させることができる。
(マンガン化合物)
本実施形態で使用するマンガン化合物としては、マンガンの価数が2≦x<4のマンガン化合物及び4<x≦7のマンガン化合物を使用する。それぞれのマンガン化合物は、無水物でもよいし、水和物でもよい。
マンガンの価数が2≦x<4のマンガン化合物は、出発原料として使用する。
具体的には、マンガンの価数が2≦x<4のマンガン化合物として、以下にあげる2価のマンガン化合物を使用することができる。
酢酸マンガン Manganese acetate: Mn(CH3CO2)2
酢酸マンガン4水和物 Mn(OAc)2・4H2O
ギ酸マンガン Manganese formate:
Mn(COO)2
シュウ酸マンガンManganese oxalate: MnC2O4
酒石酸マンガン Manganese tartrate: MnC4H4O6
オレイン酸マンガンManganese oleate:
Mn(C17H33COO)2
塩化マンガン Manganese chloride: MnCl2
臭化マンガン Manganese bromide: MnBr2
フッ化マンガン Manganese fluoride: MnF2
ヨウ化マンガン Manganese iodide: MnI2
水酸化マンガン Manganese hydroxide: Mn(OH)2
硫化マンガン Manganese sulfide: MnS
炭酸マンガン Manganese carbonate: MnCO3
過塩素酸マンガン Manganese perchlorate: Mn(ClO4)2
硫酸マンガン Manganese sulfate: MnSO4
硝酸マンガン Manganese nitrate: Mn(NO3)2
リン酸マンガン Manganese phosphate: Mn3(PO4)2,MnHPO4,
Mn(H2PO4)2
二リン酸マンガンManganese diphosphate: Mn2P2O7
次亜リン酸マンガン Manganese Hypophosphite: H4MnO4P2
メタリン酸マンガン Manganese metaphosphate: Mn(PO3)2
ヒ酸マンガン Manganese arsenate: Mn3(AsO4)2
ホウ酸マンガン Manganese borate: MnB4O7
また、マンガンの価数が2≦x<4のマンガン化合物として、以下にあげる3価のマンガン化合物を使用することができる。
酢酸マンガン Manganese acetate: Mn(CH3CO2)3
ギ酸マンガン Manganese formate:
Mn(COO)3
フッ化マンガン Manganese fluoride: MnF3
水酸化マンガン Manganese hydroxide: MnO(OH)
硫酸マンガン Manganese sulfate: Mn2(SO4)3
リン酸マンガン Manganese phosphate: MnPO4
二リン酸マンガンManganese diphosphate: Mn4(P2O7)3
ヒ酸マンガン Manganese arsenate: MnAsO4
マンガンアセチルアセトナート Manganese acetylacetonate: Mn(CH3COCHCOCH3)3
一方、マンガンの価数が4<x≦7のマンガン化合物は、UC処理を複数回行う場合に、複合化処理を経た中間生成物の複合物に対して、更に複合化する材料として使用する。具体的には、マンガンの価数が4<x≦7のマンガン化合物として、以下にあげる7価のマンガン化合物を使用することができる。
過マンガン酸カリウム Potassium permanganate: KMnO4
過マンガン酸ナトリウム Sodium permanganate: NaMnO4
過マンガン酸リチウム Lithium permanganate: LiMnO4
過マンガン酸マグネシウム Magnesium permanganate: Mg(MnO4)2
過マンガン酸カルシウム Calcium permanganate: Ca(MnO4)2
(カーボン粒子)
反応過程で所定のカーボン粒子を加えることによって、マンガン化合物とカーボン粒子との複合体を得ることができる。すなわち、反応器の内筒の内部にマンガン化合物を投入して、内筒を旋回してカーボン粒子を混合、分散する。さらに、内筒を旋回させながらマンガン化合物を投入して混合する。反応終了後にこれを加熱することで、サブナノサイズのトンネル構造を有するマンガン化合物とカーボンとの複合体を形成することができる。
ここで用いるカーボン粒子としては、中空シェル状の構造を持っているカーボン粒子を使用することができる。具体的には、繊維構造であるカーボンナノチューブ(以下、CNTとする)やカーボンナノファイバー(以下、CNFとする)、中空シェル状の構造を有するカーボンブラックであるケッチェンブラック(以下、KBとする)を使用することが望ましい。
(溶媒)
溶媒としては、アルコール類、水、これらの混合溶媒を用いることができる。例えば、酢酸と酢酸リチウムをイソプロパノールと水の混合物に溶解した混合溶媒を使用することができる。
(加熱)
本実施形態では、メカノケミカル反応によりサブナノサイズのトンネル構造を有するマンガン化合物とカーボン粒子との複合体を得ると共に、この複合体を真空中で加熱することによって、マンガン化合物のトンネル構造化を促進させ、この複合体を使用した電極や電気化学素子の容量、出力特性を向上させる。
すなわち、UC処理によって得られた複合体の加熱工程において、真空中において、100℃〜200℃の温度の範囲で加熱を行う。この範囲内で加熱を行うことにより、マンガン化合物の凝集を防止することができ、トンネル構造を有するマンガン酸化物が得られる。加熱処理時の温度が100℃以下であると、アモルファス(非晶質)のマンガン酸化物が形成され、トンネル構造のマンガン酸化物は生成されない。また、加熱処理時の温度が200℃を超えると、粒子の凝集が進行し、トンネル構造の径が小さくなったり、トンネル構造が崩壊し、充放電容量が低下する。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1〜4及び比較例1,2]
本特性比較では、図1に示すようにマンガンの価数が2≦x<4のマンガン化合物として、酢酸マンガン4水和物(Mn(OAc)2・4H2O)を使用し、マンガンの価数が4≦x<7のマンガン化合物として、過マンガン酸カリウム(KMnO4)とを使用した。本特性比較では、KB500mgに対するMn(OAc)2・4H2OとKMnO4との添加量を変更させて実施例1〜4及び比較例1,2の複合体を作成し、その複合体の特性を比較した。
実施例1〜4及び比較例1,2の複合体は、次のようにして合成した。
(1) Mn(OAc)2・4H2Oに対して、蒸留水20mLを加え、5分間の超音波処理を施す。
(2) 超音波処理後、KB500mgと、蒸留水15mLとを加え、5分間のUC処理を行い、中間生成物である第1の複合体を生成する。
(3) KMnO4に対して、蒸留水10mLを加え、5分間の超音波処理を施す。
(4) 上記処理を施した第1の複合体と、KMnO4とに、蒸留水10mLとを加え、3分間のUC処理を行う。
(5) さらに、洗浄・ろ過の後、100℃で1回目の真空乾燥を12時間、130℃で2回目の真空乾燥を12時間行い、最終生成物であるマンガン化合物とKBの複合体を合成した。
実施例1〜4及び比較例1,2の複合体では、マンガン化合物であるMn(OAc)2・4 H2OとKMnO4との添加量を、KBに対して変化させた。マンガン化合物とKBの添加量は、以下の表1の様に変更した。
以下では、この実施例1〜4及び比較例1,2の複合体に対して、複合体を用いた電極の特性比較、XRD(X線粉末回折法)による結晶構造の解析、TEM(透過型電子顕微鏡)による結晶系の同定および形態観察及び複合体の放電サイクル特性比較をおこなった。
[1.複合体を用いた電極の特性比較]
実施例1〜4及び比較例1,2の複合体に、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を加えて、銅集電体上に製膜し電極を作製した。この電極の対極には、Li金属を用い、電解液に1.0MLiPF6/EC DEC(1:1)を用い、2032コインセルを作製した。このコインセルに対して、電流密度200mAg-1、0.0〜2.5Vで充放電を行い、充放電特性を評価した。
図8,9は、実施例1〜4及び比較例1,2の複合体を用いた電極の充放電特性を示した図である。図8は、10サイクル目の放電カーブを示す図である。図9は、10サイクル目の充電カーブを示す図である。
図8に示していないが、マンガン化合物とKBの複合体の組成比が0:100の比較例2の放電容量は、約680mAhg−1である。また、図9に示すように、比較例2の複合体あたりの充電容量は、586mAhg−1である。これに対して、マンガン化合物とKBの組成比が90:10の比較例1では、複合体あたりの充放電容量がともに比較例2の値を下回ることがわかる。一方、組成比が29:71〜65:35の範囲の実施例1〜3の複合体あたりの充電容量は、比較例2の値を上回ることがわかる。また、マンガン化合物とKBの組成比が12:88の実施例4では、複合体あたりの充放電容量がともに比較例2の値と同等の値を示すことがわかる。
以上より、マンガン化合物とKBの組成比が、12:88〜65:35となるように、マンガン化合物とKBとの量を調整することにより、複合体あたりの充放電容量が向上することがわかる。
トンネル構造により、充放電時の高電位においてトンネル構造への表面吸着がおこる。比較例1では、比較例2より充放電時の高電位においてトンネル構造への表面吸着が起きていないことがわかる。以上より、マンガン化合物とKBの組成比が、12:88〜65:35となるように、マンガン化合物とKBとの量を調整することにより、マンガン酸化物のトンネル構造が形成することができる。
[2.XRDによる結晶構造解析]
図10〜12は、実施例1〜3の複合体に対して行ったXRD(X線粉末回折法)による結晶構造解析の結果を表した図である。
特に図10では、実施例1において、MnO2クリプトメランのピークがみられる。これは、KBに対するマンガン化合物の量を少なくすることによって、複合体の結晶構造が小さくなることによるものである。
また、図11では、実施例3においてMnO2ラムスデライトのピークがみられる。これは、KBに対するマンガン化合物の量を多くすることによって、複合体の結晶構造が大きくなることによるものである。また、実施例2では、図12に示すように、2つの結晶構造の多形になっている。このMnO2クリプトメランとMnO2ラムスデライトの結晶構造の差は、マンガン源のカリウムの差によるものである。このマンガン源のカリウムの鋳型効果により、ポーラス構造のマンガン化合物とカーボンの複合体が形成される。
以上の結果、XRDによる結晶構造解析では、実施例1〜3の結晶構造において、MnO2 ラムスデライトまたは、MnO2 クリプトメランが存在していることがわかる。
図13は、実施例1〜3に対して行ったXRD(X線粉末回折法)による結晶構造解析の結果を表した図である。
この図13によれば、実施例2,3の結晶構造において、Mn3O4が存在していることがわかる。実施例3の結晶構造においては、MnOOHが存在している。すなわち、図13の測定結果より、本実施例の結晶構造をもつ複合体においては、MnOOH及びMn3O4のいずれか1つを含むことが望ましい。
[効果]
以上のような構成を有する構造体では、MnO2 ラムスデライトまたは、MnO2 クリプトメランから形成されている。さらに、マンガン化合物とKBの組成比を12:88〜65:35の範囲で変更することにより、MnO2クリプトメランとMnO2ラムスデライトとを選択的に生成することができる。これにより、構造体のトンネル構造の径を2〜8Åの範囲で選択することができる。これにより、構造体の内部を通過するイオンの種類の選択やイオンの種類を限定することができるので、イオン篩として使用することができる。また、このような構造体を用いた電極では、充放電特性のためのイオンを構造体の内部に吸着することができるので、大容量の充放電特性を発現することができる。
(他の実施例)
本発明により得られた構造体は、バインダと混錬、成型し、電気化学素子の電極、すなわち電気エネルギー貯蔵用電極とすることができる。この電極は、リチウムイオン二次電池として使用することができる。本発明の構造体を電極活物質として集電体上に設けることにより形成することができる。この集電体としては、白金、金、ニッケル、アルミニウム、チタン、鋼、カーボンなどの導電材料を使用することができる。集電体の形状は、膜状、箔状、板状、網状、エキスパンドメタル状、円筒状などの任意の形状を採用すること
ができる。
活物質層は、本発明の電極活である構造体に、必要に応じてバインダ、導電材などを添加した混合材料を用いて形成する。
バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニル、カルボキシメチルセルロースなどの公知のバインダが使用される。バインダの含有量は、混合材料の総量に対して1〜30質量%であるのが好ましい。1質量%以下であると活物質層の強度が十分でなく、30質量%以上であると、負極の放電容量が低下する、内部抵抗が過大になるなどの不都合が生じる。導電材としては、カーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛などの炭素粉末を使用することができる。
非水系電解液の溶質としては、有機電解液に溶解したときにリチウムイオンを生成する塩を、特に限定なく使用することができる。例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiN(CF3SO2)2、LiCF3SO3、LiC(SO2CF3)3、LiN(SO2C2F5)2、LiAsF6、LiSbF6、又はこれらの混合物を好適に使用することができる。非水系電解液の溶質としてさらに、第4級アンモニウムカチオン又は第4級ホスホニウムカチオンを有する第4級アンモニウム塩又は第4級ホスホニウム塩を使用することができる。例えば、R1R2R3R4N+又はR1R2R3R4P+で表されるカチオン(ただし、R1、R2、R3、R4は炭素数1~6のアルキル基を表す)と、PF6-、BF4-、ClO4-、N(CF3SO3)2 -、CF3SO3-、C(SO2CF3)3-、N(SO2C2F5)2 -、AsF6-又はSbF6−からなるアニオンとからなる塩、又はこれらの混合物を好適に使用することができる。
正極を構成するための正極活物質として、公知の正極活物質を特に限定なく使用することができる。例えば、LiMn2O4、LiMnO2、LiV3O5、LiNiO2、LiCoO2などのリチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2、MoS2などの硫化物、NbSe3などのセレン化物、Cr3O8、V2O5、V5O13、VO2、Cr2O5、MnO2、TiO2、MoV2O8などの遷移金属の酸化物、ポリフルオレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリパラフェニレンなどの導電性高分子を使用することができる。
正極のための電極活物質層は、上記正極活物質に必要に応じて負極に関して例示したバインダ、導電材などを加えた混合材料を用いて形成することができる。この混合材料を用いた正極は、バインダを溶解した溶媒に正極活物質及び必要に応じて他の添加物を分散させ、得られた分散液をドクターブレード法などによって負極に関して例示した集電体上に塗工し、乾燥することにより作成することができる。また、得られた混合材料に必要に応じて溶媒を添加して所定形状に成形し、集電体上に圧着しても良い。
本発明の負極活物質は、リチウムイオン二次電池のほか、ハイブリッドキャパシタのための負極活物質としても好適である。ハイブリッドキャパシタにおいては、正極活物質として、活性炭、カーボンナノチューブ、メソポーラス炭素などが使用され、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水系溶媒にLiPF6、LiBF4、LiClO4などのリチウム塩を溶解した電解液が使用される。
1 … 外筒
1−2… せき板
1−3… 内壁
2 … 内筒
2−1… 貫通孔

Claims (8)

  1. 1×2のトンネル構造であるラムスデライト型マンガン酸化物及び/または2×2のトンネル構造であるクリプトメラン型マンガン酸化物からなることを特徴とする構造体。
  2. 前記トンネル構造のマンガン酸化物が2〜8Åのサブナノサイズであることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
  3. 前記トンネル構造は、酸化マンガンとカーボン粒子との複合体であり、このカーボン粒子は、旋回する反応器内で反応物にずり応力と遠心力を加えて、化学反応を促進させる処理を施したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造体。
  4. MnO、MnOOHまたはMn3O4のいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体。
  5. 旋回する反応容器内で出発原料のマンガン化合物とカーボン粒子とを含む溶液にずり応力と遠心力を加えて反応させて、1×2のトンネル構造であるラムスデライト型マンガン酸化物及び/または2×2のトンネル構造を有するマンガン酸化物を生成する処理と、この処理を経た複合体を真空中において100℃〜200℃の間で加熱する加熱処理と、を有することを特徴とする構造体の製造方法。
  6. 前記複合化処理が、旋回する反応容器内で出発原料のマンガン化合物とカーボン粒子とを含む溶液にずり応力と遠心力を加えて中間生成物である複合体を生成する第1の複合処理と、
    この中間生成物の複合体とマンガン化合物を、旋回する反応容器内でずり応力と遠心力を加えて反応させて最終生成物である複合体を生成する第2の複合処理とを有することを特徴とする請求項5に記載の構造体の製造方法。
  7. 前記第1の複合処理のマンガン化合物のマンガンの価数が2≦x<4であり、
    前記第2の複合処理のマンガン化合物のマンガンの価数が4<x≦7であることを特徴とする請求項6に記載の構造体の製造方法。
  8. マンガン化合物とカーボン粒子の質量比が65:35〜12:88であることを特徴とする請求項7に記載の構造体の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104689858A (zh) * 2013-12-10 2015-06-10 上海空间电源研究所 一种锰酸锂离子筛分离膜的制备方法
CN104692483A (zh) * 2015-03-19 2015-06-10 王林双 一种复合离子筛结构滤芯制备方法

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