JP2013220725A - 車両用フレーム構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体を構成するフレーム本体1が、閉断面を構成する第1乃至第4面部11〜14を有している場合、フレーム本体1に対して車体外部から、第1面部11に圧縮応力が作用しかつ第2面部12に引張応力が作用するようにフレーム本体1を曲げる荷重が入力したとき、第3面部13及び第4面部14の座屈後に該荷重に対してフレーム本体1に生じる反力を大きくして、車両衝突時の衝撃エネルギー吸収量を出来る限り増大させる。
【解決手段】第2面部12の上記閉断面内側の面に、フレーム本体1に対して車体外部から、第1面部11に圧縮応力が作用しかつ第2面部12に引張応力が作用するようにフレーム本体1を曲げる荷重が入力したときにおける該フレーム本体1の曲げに対する補強のための第1の補強部17を設け、第1の補強部17を、閉断面状に形成された閉断面部材20で構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体を構成するフレーム本体を有する車両用フレーム構造に関する技術分野に属する。
車両における車体の特にセンターピラーの下部に用いられるフレーム本体は、車両の側突性能を向上させるために、側突時の衝撃エネルギー吸収量を出来る限り増大させることが求められる。そのためには、側突時の入力荷重に対してフレーム本体に生じる反力を、フレーム本体が変形する所定期間の間、高いレベルに維持する必要がある。例えば特許文献1では、センターピラーを、車体外側のアウタパネルと、該アウタパネルと共に閉断面を形成する車体内側のインナパネルと、該アウタパネルとインナパネルとの間に配設された補強部材(発泡材)とで構成し、その発泡材により、衝突初期に入力される荷重に対しては側壁部の下部を変形させず、衝突後期に入力される荷重に対しては側壁部の下部を変形させるようにして、衝突後期に所定のエネルギー吸収がなされるようにしている。
特開2007−308114号公報
ところで、フレーム本体が、互いに対向して該フレーム本体の長手方向に延びる第1面部及び第2面部と、該第1面部と該第2面部との幅方向の一側端部同士及び他側端部同士をそれぞれ繋いで、上記第1面部及び上記第2面部と共に閉断面を構成する第3面部及び第4面部とを有している場合、上記フレーム本体に対して車体外部から、上記第1面部に圧縮応力が作用しかつ上記第2面部に引張応力が作用するように該フレーム本体を曲げる荷重が入力したとき、第3面部及び第4面部の第1面部側の端部ないしその近傍に、閉断面外向きに作用する力が生じて、当該部分を局所的に座屈させようとする。この座屈が生じた後は、通常、第3面部及び第4面部の変形に伴って、入力荷重に対してフレーム本体に生じる反力が低下してしまう。上記座屈後の上記反力を高くすることができれば、車両衝突時の衝撃エネルギー吸収量を大きくすることが可能になる。
上記特許文献1では、発泡材により衝突初期の上記反力を大きくすることは可能であるが、上記座屈後(発泡材が変形する衝突後期)においては、側壁部(第3面部及び第4面部に相当)の変形に伴う上記反力の変化は、基本的に、発泡材がない構造と変わりはなく、上記座屈後の反力を大きくする観点からは、改良の余地がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のようにフレーム本体が、閉断面を構成する第1乃至第4面部を有している場合、上記フレーム本体に対して車体外部から、上記第1面部に圧縮応力が作用しかつ上記第2面部に引張応力が作用するように該フレーム本体を曲げる荷重が入力したとき、第3面部及び第4面部の座屈後に該荷重に対してフレーム本体に生じる反力を大きくして、車両衝突時の衝撃エネルギー吸収量を出来る限り増大させようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、車体を構成するフレーム本体を備えた車両用フレーム構造を対象として、上記フレーム本体は、互いに対向して該フレーム本体の長手方向に延びる第1面部及び第2面部と、該第1面部と該第2面部との幅方向の一側端部同士及び他側端部同士をそれぞれ繋いで、上記第1面部及び上記第2面部と共に閉断面を構成する第3面部及び第4面部とを有し、上記第2面部の上記閉断面内側の面には、上記フレーム本体に対して車体外部から、上記第1面部に圧縮応力が作用しかつ上記第2面部に引張応力が作用するように該フレーム本体を曲げる荷重が入力したときにおける該フレーム本体の曲げに対する補強のための第1の補強部が設けられており、上記第1の補強部は、閉断面状に形成された閉断面部材で構成されている、という構成とした。
上記の構成により、フレーム本体に対して車体外部から、第1面部に圧縮応力が作用しかつ第2面部に引張応力が作用するように該フレーム本体を曲げる荷重が入力したとき、第3面部及び第4面部の第1面部側の端部ないしその近傍に、閉断面外向きに作用する力が生じて、当該部分を局所的に座屈させようとする。この座屈が生じた後は、閉断面部材で構成された第1の補強部が、閉断面を構成する第1乃至第4面部と同様に、上記入力荷重を受け止めることとなり、第1の補強部(閉断面部材)の第1面部側の部分に圧縮応力が作用し、第2面部側の部分に引張応力が作用することとなる。このように上記座屈後に第1の補強部で上記入力荷重を受け止めることで、上記入力荷重に対してフレーム本体に生じる反力を、第1の補強部が設けられていない場合よりも大きくすることが可能になり、その分だけ車両衝突時の衝撃エネルギー吸収量を増大させることができる。
上記車両用フレーム構造において、上記閉断面部材の内側には、充填材が充填されている、ことが好ましい。
このことにより、第1の補強部(閉断面部材)に上記入力荷重が作用しても、充填材によって第1の補強部が座屈し難くなり、車両衝突時の衝撃エネルギー吸収量をより一層増大させることができる。
上記車両用フレーム構造において、上記閉断面部材は、上記第1面部及び第2面部間で該両面部に対向して上記フレーム本体の長手方向に延びる第1壁面部と、該第1壁面部の幅方向の両端部と上記第2面部の幅方向中間の2箇所とをそれぞれ接続する第2壁面部及び第3壁面部と、上記第2面部とで構成されている、ことが好ましい。
このことで、閉断面部材を簡単に構成しつつ、閉断面部材の断面係数を比較的大きくすることができて、衝撃エネルギー吸収量を増大させることが容易にできる。また、第2面部を、閉断面部材を構成する部材として用いることで、第1の補強部を低コストでかつ軽量に構成することができる。
上記車両用フレーム構造において、上記第3面部及び上記第4面部における少なくとも上記第2面部側の部分に、上記入力荷重が作用したときの上記フレーム本体の曲げに対する補強のための第2の補強部が設けられている、ことが好ましい。
こうすることで、第3面部及び第4面部が座屈した後、第1の補強部に加えて、第2の補強部が設けられた、第3面部及び第4面部における第2面部側の部分も上記入力荷重を受け止めることができ、その分だけ第1の補強部が座屈し難くなり、衝撃エネルギー吸収量を更に増大させることができる。
上記車両用フレーム構造において、上記フレーム本体は、車体のセンターピラーの下部を構成するものである、ことが好ましい。
すなわち、センターピラーの下部には、車両側突時に衝撃荷重が入力され易く、その側突時の衝撃エネルギーをセンターピラーの下部で適切に吸収することができれば、センターピラーの上(部座席に着座している乗員の上半身に対応する部分)が、乗員側に進入することが殆どなくなり、乗員を保護することが可能になる。したがって、本発明の車両用フレーム構造をセンターピラーの下部に適用することで、その下部に生じる衝撃エネルギーを効果的に吸収して、乗員を適切に保護することができるようになる。
以上説明したように、本発明の車両用フレーム構造によると、フレーム本体が、互いに対向して該フレーム本体の長手方向に延びる第1面部及び第2面部と、該第1面部と該第2面部との幅方向の一側端部同士及び他側端部同士をそれぞれ繋いで、上記第1面部及び上記第2面部と共に閉断面を構成する第3面部及び第4面部とを有し、上記第2面部の上記閉断面内側の面には、上記フレーム本体に対して車体外部から、上記第1面部に圧縮応力が作用しかつ上記第2面部に引張応力が作用するように該フレーム本体を曲げる荷重が入力したときにおける該フレーム本体の曲げに対する補強のための第1の補強部が設けられ、上記第1の補強部は、閉断面状に形成された閉断面部材で構成されていることにより、第3面部及び第4面部が座屈した後、第1の補強部で上記入力荷重を受け止めることで、上記入力荷重に対してフレーム本体に生じる反力を大きくすることが可能になり、その分だけ車両衝突時の衝撃エネルギー吸収量を増大させることができる。
本発明の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用したフレーム本体を示す断面図である。 フレーム本体の他の形態を示す図1相当図である。 試験フレーム本体A〜Cの押圧ストロークと押圧荷重及びエネルギー吸収量との関係を示すグラフである。 試験フレーム本体A〜Cの、閉断面形状、押圧荷重の最大値Fmax、押圧ストロークが0から所定値となるまで押圧したときのエネルギー吸収量EA1、及び、座屈後の荷重変化率kを示す図である。 試験フレーム本体D及びEの押圧ストロークと押圧荷重及びエネルギー吸収量との関係を示すグラフである。 試験フレーム本体A及びF〜Hの押圧ストロークと押圧荷重及びエネルギー吸収量との関係を示すグラフである。 試験フレーム本体A及びF〜Hの、閉断面形状、押圧荷重の最大値Fmax、エネルギー吸収量EA1、及び、座屈後の荷重変化率kを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用したフレーム本体1の断面を示す。本実施形態では、このフレーム本体1は、車両車体のセンターピラーにおける、車両側突時に衝撃荷重が入力され易い下部を構成するものであって、図1の紙面に垂直な方向(車体に設けられた状態では上下方向に相当する)に延びている。尚、本発明の車両用フレーム構造は、センターピラーの上部に適用してもよく、センターピラーの上下方向の略全体に適用してもよい。
上記フレーム本体1は、車体外側に位置するアウタパネル2と、車体内側に位置するインナパネル3と、これらアウタパネル2及びインナパネル3間に設けられたレインフォースメント4(アウタレインフォースメントとも呼ばれる)とを有している。アウタパネル2及びインナパネル3は閉断面を構成し、インナパネル3及びレインフォースメント4も閉断面を構成する。また、アウタパネル2及びレインフォースメント4も閉断面を構成する。
アウタパネル2は、本体部2aと、該本体部2aの幅方向(図1の左右方向)の両端部にそれぞれ接続されたフランジ部2bとを有する。インナパネル3は、本体部3aと、該本体部3aの幅方向(図1の左右方向)の両端部にそれぞれ接続されたフランジ部3bとを有する。レインフォースメント4は、本体部4aと、該本体部4aの幅方向(図1の左右方向)の両端部にそれぞれ接続されたフランジ部4bとを有する。アウタパネル2、インナパネル3及びレインフォースメント4は、プレス成形によりそれぞれ形成したものであり、プレス成形後にフランジ部2b,3b,4bを互いに重ね合わせて接合することで、フレーム本体1が完成する。尚、フランジ部3bは、本体部3aよりも僅かにアウタパネル2側に位置している。
本実施形態では、インナパネル3及びレインフォースメント4に対して本発明の車両用フレーム構造を適用している。アウタパネル2は、基本的には、意匠的な観点から設けられたものであって、本体部2bがレインフォースメント4の車体外側を覆っている。レインフォースメント4は、引張強度が980MPa以上でありかつ板厚が1.0mm以上2.5mm以下である高強度鋼板が好ましく、熱間プレス成形により形成することが好ましい。
上記フレーム本体1は、互いに対向して該フレーム本体1の長手方向に延びる第1面部11及び第2面部12と、該第1面部11と該第2面部12との幅方向の一側端部同士及び他側端部同士をそれぞれ繋いで、第1面部11及び第2面部12と共に閉断面を構成する第3面部13及び第4面部14とを有している。第1面部11は車体外側に位置し、第2面部12は第1面部11の車体内側に位置する。第1面部11、第3面部13及び第4面部14は、レインフォースメント4の本体部4aで構成され、第2面部12は、インナパネル3の本体部3aで構成されている。インナパネル3のフランジ部3bとレインフォースメント4のフランジ部4bとが互いに接合されることで、第2面部12と第3面部13とが繋がるとともに、第2面部12と第4面部14とが繋がることになる。本実施形態では、フレーム本体1の断面において、第1面部11は、第2面部12(本体部3aのフランジ部3b接続部を除く)と平行に配置されている。
レインフォースメント4のプレス成形の観点から、フレーム本体1の断面において、第1面部11と第3面部13との角部及び第1面部11と第4面部14との角部が、円弧部で構成されていてもよく、また、第3面部13及び第4面部14とフランジ部4bとの角部が円弧部で構成されていてもよい。
上記第2面部12の上記閉断面(第1乃至第4面部11〜14による閉断面)の内側の面には、フレーム本体1に対して車体外部から、第1面部11に圧縮応力が作用しかつ第2面部12に引張応力が作用するように該フレーム本体1を曲げる荷重が入力したときにおける該フレーム本体1の曲げに対する補強のための第1の補強部17が設けられている。ここでは、上記入力荷重は、車両側突時に、第1面部11におけるフレーム本体1長手方向の中間部(特に下端部を除く下部)に車体外側から入力される衝撃荷重を想定している。この衝撃荷重により、フレーム本体1が、その長手方向の中間部が上下両端部に対して車体内側に突出するように湾曲し、これにより、第1面部11に圧縮応力が作用し、第2面部12に引張応力が作用することになる。
上記第1の補強部17は、閉断面状に形成された閉断面部材20で構成されている。この閉断面部材20は、第1面部11及び第2面部12間で該両面部11,12に対向してフレーム本体1の長手方向に延びる第1壁面部21と、該第1壁面部21の幅方向の両端部と上記第2面部12の幅方向中間の2箇所とをそれぞれ接続する第2壁面部22及び第3壁面部23と、上記第2面部12とで構成されている。第1壁面部21、第2壁面部22及び第3壁面部23は、1つの板材で構成されている。この板材のプレス成形の観点から、フレーム本体1の断面(閉断面部材20の断面)において、第1壁面部21と第2壁面部22との角部及び第1壁面部21と第3壁面部23との角部が、円弧部で構成されていてもよい。第2壁面部22及び第3壁面部23における、第1壁面部21とは反対側の端部は、円弧状に曲げられて第2面部12に接続固定されている。
本実施形態では、第2面部12が、閉断面部材20を構成する部材として用いられているが、第1壁面部21と対向してフレーム本体1の長手方向に延びる第4壁面部を設けて、第2壁面部22及び第3壁面部23が、第1壁面部21及び上記第4壁面部との幅方向の一側端部同士及び他側端部同士をそれぞれ繋ぐようにしてもよい。この場合、上記第4壁面部における、第1壁面部21とは反対側の面が、第2面部12の上記閉断面内側(第1面部11側)の面に固定されることになる。
上記閉断面部材20の内側の空間には、第1の充填材31が充填されている。この第1の充填材31は、本実施形態では、加熱発泡材である。この加熱発泡材は、未発泡の状態でシート状をなしていて、接着剤により閉断面部材20の内側の面に貼られる。そして、そのシート状の加熱発泡材は、車体全体が電着液に浸漬された後の乾燥工程で加熱発泡して、閉断面部材20の内側に充填されることになる。
上記第1の充填材31は、加熱発泡材に限るものではなく、上記入力荷重により、閉断面部材20における第2壁面部22及び第3壁面部23の座屈を抑制する、つまり、閉断面部材20内側の空間が潰れるのを抑制するものであれば、どのようなものであってもよい。また、第1の充填材31は、必ずしも必要ではなく、閉断面部材20の内側が空間のみであってもよい。或いは、第2面部12又は上記第4壁面部に、上記第1壁面部21側に突出する1つ又は複数の突起部を設けて、該突起部により、第2壁面部22及び第3壁面部23の座屈を抑制する(閉断面部材20内側の空間が潰れるのを抑制する)ようにしてもよい。上記突起部の先端は、第1壁面部21に当接してもよく、第2壁面部22及び第3壁面部23の座屈を抑制できる程度の隙間が形成されていてもよい。
車両の側突時に、フレーム本体1の第1面部11におけるフレーム本体1長手方向の中間部(特に下端部を除く下部)に荷重(衝撃荷重)が入力し、この入力荷重により、フレーム本体1が、その長手方向の中間部が上下両端部に対して車体内側に突出するように湾曲し、これにより、第1面部11に圧縮応力が作用し、第2面部12に引張応力が作用する。フレーム本体1が湾曲したときにおいて、第1面部11と第2面部12との曲率半径が相違することになり、これに伴って第1面部11側(圧縮側)と第2面部12側(引張側)とで周長差が生じるが、この周長差を小さくしようとする力が働き、これにより、第1面部11と第2面部12とが互いに近付こうとする。また、第1面部11において上記入力荷重が入力した部分が該入力荷重により凹むことによっても、第1面部11と第2面部12とが互いに近付こうとする。この結果、上記入力荷重が入力した部分の近傍における第3面部13及び第4面部14の第1面部11側の端部ないしその近傍に、第3面部13及び第4面部14をフランジ部4bを支点として上記閉断面(第1乃至第4面部11〜14による閉断面)の外側へ倒す力(閉断面外向きに作用する力)が生じて、当該部分を局所的に座屈させようとする(当該部分を局所的に閉断面外側に膨出させようとする)。
ここで、第2面部12の上記閉断面内側の面に第1の補強部17が設けられていないとすると、上記座屈が生じた後は、第3面部13及び第4面部14が変形して、上記入力荷重に対してフレーム本体1に生じる反力が、上記座屈が生じた時点をピークに減少していく。しかし、本実施形態では、上記座屈が生じた後は、閉断面部材20で構成された第1の補強部17が、閉断面を構成する第1乃至第4面部11〜14と同様に、上記入力荷重を受け止めることとなり、第1の補強部17(閉断面部材20)の第1壁面部21に圧縮応力が作用し、第2面部12に引張応力が作用することとなる。このように上記座屈後に第1の補強部17で上記入力荷重を受け止めることで、上記入力荷重に対してフレーム本体1に生じる反力を、第1の補強部17が設けられていない場合よりも大きくすることが可能になり、その分だけ車両側突時の衝撃エネルギー吸収量を増大させることができる。
上記入力荷重がかなり大きい場合、今度は、第1の補強部17における第2壁面部22及び第3壁面部23が座屈し、こうなると、上記反力は減少してしまう。そこで、本実施形態のように、閉断面部材20の内側に第1の充填材31を充填することで、第2壁面部22及び第3壁面部23の座屈を効果的に抑制することができる。これにより、車両側突時の衝撃エネルギー吸収量をより一層増大させることができる。
尚、第3面部13及び第4面部14における少なくとも第2面部12側の部分に、上記入力荷重が作用したときのフレーム本体1の曲げに対する補強のための第2の補強部18を設けることがより好ましい。第2の補強部18は、例えば図2に示すように、第3面部13とアウタパネル2の第3面部13に対向する部分との間の隙間(図2では、当該隙間の第1面部11側の端部を除く部分)、及び、第4面部14とアウタパネル2の第4面部14に対向する部分との間の隙間(図2では、当該隙間の第1面部11側の端部を除く部分)に充填された、上記第1の充填材31と同様の第2の充填材32(加熱発泡材)で構成される。或いは、第2の補強部18を、第3面部13及び第4面部14における少なくとも第2面部12側の部分に貼り付けた補強材で構成したり、第3面部13及び第4面部14における少なくとも第2面部12側の部分の板厚を増大することで構成したりしてもよい。第2の補強部18は、閉断面部材20の内側に第1の充填材31を充填しない場合に、特に有効なものとなる。
上記第2の補強部18により、第3面部13及び第4面部14が座屈した後、第1の補強部17に加えて、第2の補強部18が設けられた、第3面部13及び第4面部14における第2面部12側の部分も上記入力荷重を受け止めることができ、その分だけ第1の補強部17が座屈し難くなり、衝撃エネルギー吸収量を更に増大させることができる。
図3は、第2面部12の上記閉断面内側の面に第1の補強部17を設けた試験フレーム本体A及びBと第1の補強部17を設けていない試験フレーム本体Cとに対して3点曲げ試験を行った結果を示す。
試験フレーム本体Aは、図4の「閉断面形状」の欄に示すように、上記実施形態と同様のフレーム本体であり、第1の補強部17を構成する閉断面部材20の内側に、充填材31(加熱発泡材)が充填されている。試験フレーム本体Bは、試験フレーム本Aに対して、閉断面部材20の内側に充填材31が充填されていない点のみが異なる。試験フレーム本体Cは、試験フレーム本体Bに対して、第1の補強部17が設けられていない点のみが異なる。
上記各試験フレーム本体A〜Cに対して、第2面部12の両端部を支持した状態で、第1面部11における長手方向中間部に、第1面部11の幅方向に沿って延びる円柱状の圧子を押圧して、そのときの圧子の押圧ストロークと、押圧荷重(つまり、各試験フレーム本体への入力荷重に対して各試験フレーム本体に生じる反力)及びエネルギー吸収量との関係を調べた結果が、図3である。
押圧初期において押圧荷重がピークをつけたときに、試験フレーム本体A〜Cの第3面部13及び第4面部14に座屈が生じたと考えられ、押圧荷重は、通常、そこから低下していく。但し、座屈後の押圧荷重は、第1の補強部17(及び/又は第2の補強部18)の構成によっては、上昇する場合もある(図5及び図6参照)。
試験フレーム本体A〜Cにおいて、座屈時の押圧荷重(試験フレーム本体A〜Cでは、押圧荷重の最大値となる)は略同じであるが、座屈後の押圧荷重は、第1の補強部17を設けていない試験フレーム本体Cでは、最も大きく低下していく。これに対し、試験フレーム本体A及びBでは、座屈後の押圧荷重は、試験フレーム本体Cほど低下せず、特に試験フレーム本体Aでは、座屈後の押圧荷重は、高レベルに維持されるとともに、第1の補強部17が座屈しないことにより、途中で上昇していく。
図4は、上記試験フレーム本体A〜Cの、閉断面形状、押圧荷重の最大値Fmax(試験フレーム本体A〜Cでは、座屈時の押圧荷重となる)、押圧ストロークが0から所定値(センターピラーの車室への進入量として許容できるような値)となるまで押圧したときのエネルギー吸収量EA1、及び、座屈後の荷重変化率kを示す。上記押圧荷重の最大値Fmax及び上記エネルギー吸収量EA1は、試験フレーム本体Cを基準(1.00)として、その何倍かを示す値としている。
上記座屈後の荷重変化率kは、座屈時の押圧荷重をFbとし、座屈開始から押圧ストロークが上記所定値となるまでの期間で押圧荷重の最小値をFminとしたとき、
k=|(Fb−Fmin)/Fb|×100(%)
で表される。
試験フレーム本体A〜Cのように、上記押圧荷重の最小値Fminが座屈時の押圧荷重Fbよりも小さい場合においては、押圧荷重の最小値Fminが大きいほど座屈後の荷重変化率kの値が小さくなるので、座屈後の荷重変化率kの値が小さいほど好ましい。
図4から分かるように、試験フレーム本体A及びBでは、第1の補強部17を設けたことにより、試験フレーム本体Cよりも、座屈後の荷重変化率kが小さく、また、エネルギー吸収量EA1が増大しており、センターピラーに生じる衝撃エネルギーを効果的に吸収できることが分かる。
図5は、試験フレーム本体D及びEに対して3点曲げ試験を行った結果を示す。試験フレーム本体Dは、図2と同様のフレーム本体であって、試験フレーム本体Aに対して、第2の補強部18を設けた点のみが異なる。一方、試験フレーム本体Eは、試験フレーム本体Dに対して、第1の補強部17が存在しない(第1の充填材31も存在しない)点のみが異なる。すなわち、試験フレーム本体Eは、試験フレーム本体Cに対して、第1の補強部17を設けないで第2の補強部18を設けたフレーム本体であるとも言える。
図5から分かるように、第1の補強部17に加えて、第2の補強部18を設けたフレーム本体Dでは、座屈後においても押圧荷重が殆ど低下せず、寧ろ上昇するので、非常に好ましいフレーム本体であると言える。
図6は、試験フレーム本体Aに加えて、試験フレーム本体F〜Hに対して3点曲げ試験を行った結果を示し、図7は、上記試験フレーム本体A及びF〜Hの、閉断面形状、上記押圧荷重の最大値Fmax、上記エネルギー吸収量EA1、及び、上記座屈後の荷重変化率kを示す。押圧荷重の最大値Fmax及びエネルギー吸収量EA1は、図4と同様に、試験フレーム本体Cを基準(1.00)として、その何倍かを示す値としている。
試験フレーム本体A及びF〜Hは、第1の補強部17における第1壁面部21の位置(第2面部12からの距離)のみを、図7の「閉断面形状」の欄(数値の単位はmm)に示すように、互いに異ならせたものである。
図6及び図7から分かるように、第1の補強部17における第1壁面部21の位置が第2面部12から遠ざかるに連れて、押圧荷重の最大値Fmax及びエネルギー吸収量EA1が増大していく。すなわち、第1の補強部17の上記曲げに対する断面係数が大きいほど、上記入力荷重を受け止めて、エネルギー吸収量を増大させることができるようになる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明の車両用フレーム構造を、インナパネル3及びレインフォースメント4に適用したが、アウタパネル2及びインナパネル3に適用することも可能である。この場合、第1面部11、第3面部13及び第4面部14をアウタパネル2の本体部2aで構成すればよく、レインフォースメント4はあってもなくてもよい。
また、本発明の車両用フレーム構造は、センターピラーの他に、車両衝突時に入力される衝撃荷重により曲げられる種々のフレーム本体に適用することができる。例えば、車両の前面衝突により、フロントサイドフレームに対して前方から衝撃荷重が入力したとき、フロントサイドフレームを前後方向の所定位置で車幅方向に折れ曲がるように構成している場合には、そのフロントサイドフレームの上記所定位置を含む部分に本発明を適用することができる。この場合、フロントサイドフレームの閉断面を構成する4つの面部のうち車幅方向に対向する2つの面部が第1面部及び第2面部となり、折れ曲がったときの内側の面部である第1面部に圧縮応力が作用し、外側の面部である第2面部に引張応力が作用することになる。そして、その第2面部の上記閉断面内側の面に、閉断面状に形成された閉断面部材で構成された第1の補強部を設けることで、車両の前面衝突時の衝撃エネルギーの吸収量を増大させることができる。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、車体を構成するフレーム本体を有する車両用フレーム構造に有用であり、特に、フレーム本体が、車体のセンターピラーの下部を構成するものである場合に有用である。
1 フレーム本体
2 アウタパネル
3 インナパネル
4 レインフォースメント
11 第1面部
12 第2面部
13 第3面部
14 第4面部
17 第1の補強部
18 第2の補強部
20 閉断面部材
21 第1壁面部
22 第2壁面部
23 第3壁面部
31 第1の充填材

Claims (5)

  1. 車体を構成するフレーム本体を備えた車両用フレーム構造であって、
    上記フレーム本体は、互いに対向して該フレーム本体の長手方向に延びる第1面部及び第2面部と、該第1面部と該第2面部との幅方向の一側端部同士及び他側端部同士をそれぞれ繋いで、上記第1面部及び上記第2面部と共に閉断面を構成する第3面部及び第4面部とを有し、
    上記第2面部の上記閉断面内側の面には、上記フレーム本体に対して車体外部から、上記第1面部に圧縮応力が作用しかつ上記第2面部に引張応力が作用するように該フレーム本体を曲げる荷重が入力したときにおける該フレーム本体の曲げに対する補強のための第1の補強部が設けられており、
    上記第1の補強部は、閉断面状に形成された閉断面部材で構成されていることを特徴とする車両用フレーム構造。
  2. 請求項1記載の車両用フレーム構造において、
    上記閉断面部材の内側には、充填材が充填されていることを特徴とする車両用フレーム構造。
  3. 請求項1又は2記載の車両用フレーム構造において、
    上記閉断面部材は、上記第1面部及び第2面部間で該両面部に対向して上記フレーム本体の長手方向に延びる第1壁面部と、該第1壁面部の幅方向の両端部と上記第2面部の幅方向中間の2箇所とをそれぞれ接続する第2壁面部及び第3壁面部と、上記第2面部とで構成されていることを特徴とする車両用フレーム構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用フレーム構造において、
    上記第3面部及び上記第4面部における少なくとも上記第2面部側の部分に、上記荷重が作用したときの上記フレーム本体の曲げに対する補強のための第2の補強部が設けられていることを特徴とする車両用フレーム構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用フレーム構造において、
    上記フレーム本体は、車体のセンターピラーの下部を構成するものであることを特徴とする車両用フレーム構造。
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