JP2013219704A - 圧電発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2つの周波数を出力する圧電発振器において、片方の周波数の出力と停止を行っても、負荷変動による発振周波数の変動が発生しない圧電発振器を提供する。
【解決手段】 圧電発振機は、圧電振動片搭載パッドの一方と第1のIC搭載パッドとを接続する配線、及び圧電振動片搭載パッドの他方と第2のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第1の配線パターン(NA)と、第1出力端子と第3のIC搭載パッドとを接続する配線、及び第2出力端子と第4のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第2の配線パターン(OA)と、を備える。一対の圧電振動片搭載パッド(XT1、XT2)、第1の配線パターン(N1、N2)は、第1出力端子(G3)、第2出力端子(G5)及び第2の配線パターン(H3、H6)と実装面の法線方向から見て重ならないように形成されている。
【選択図】 図5
【解決手段】 圧電発振機は、圧電振動片搭載パッドの一方と第1のIC搭載パッドとを接続する配線、及び圧電振動片搭載パッドの他方と第2のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第1の配線パターン(NA)と、第1出力端子と第3のIC搭載パッドとを接続する配線、及び第2出力端子と第4のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第2の配線パターン(OA)と、を備える。一対の圧電振動片搭載パッド(XT1、XT2)、第1の配線パターン(N1、N2)は、第1出力端子(G3)、第2出力端子(G5)及び第2の配線パターン(H3、H6)と実装面の法線方向から見て重ならないように形成されている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、電子機器等に用いられる圧電発振器に関し、特に2つの出力機能を有する圧電発振器に関する。
近年、周波数を同期させるという目的で圧電発振器が使用されている。圧電発振器は、圧電振動片と該圧電振動片の温度周波数特性を補償する発振回路(IC)とを備えている。このため、圧電発振器は、圧電振動片と発振回路とを電気的に接続する配線、実装端子に電気的に接続する配線などを有している。これらの配線は、セラミック等からなるパッケージに積層して配線されている。セラミック間にこれら配線が積層されると、キャパシタの役目を担うことになり、圧電発振器は、一般に寄生容量又は浮遊容量と呼ばれる不要なキャパシタを有することになる。
特許文献1は、寄生容量を低減又は無くすため、圧電振動片と可変容量素子を接続する配線が他の配線と上から見て上下に重ならない圧電発振器を提案している(特許文献1の図4及び図5)。ここで発振回路と各配線とは、ワイヤーボンディングを用いて接続されている。また、特許文献1の圧電発振器は、出力端子が1つしかない圧電発振器を開示する。
また、小型化の要求から、特許文献2に開示されるように、アナログ基準信号及び基準クロックのいずれも出力する2出力型の圧電発振器が供給されている。近年、このような2出力型の圧電発振器の中には、2つの出力機能のうちの一方を、周波数を出力する状態から出力しない状態へ切り替えるスイッチング機能を有しているものもある。
特許文献1の圧電発振器は、第1層のグランドパターンと第2層の配線パターンとは、上下に重なっていないが、第1層のグランドパターンの反対側の実装端子と第2層の配線パターンとは、上下に重なっている領域がある。このため特許文献1の圧電発振器は、浮遊容量を発生してしまう。特に実装端子の一つである出力端子と圧電振動片への配線パターンとが上下に重なっている。
またスイッチング機能を有する圧電発振器は、2出力のうちの一方を出力状態から非出力状態に又はその逆に切り替えると、負荷変動によって発振周波数が変動してしまうことがある。
第1の観点の圧電発振器は、第1周波数を出力する第1出力端子及び第1周波数と同一又は異なる第2周波数を出力する第2出力端子を実装面に有する圧電発振器である。その圧電発振機は、ベース板とベース板の周囲に配置された枠部とによってベース板の一方の主面に第1空間が設けられるパッケージと、第1空間内に露出して形成された一対の圧電振動片搭載パッドに搭載される圧電振動片と、第1空間内に露出して形成された第1〜第4のIC搭載パッドに搭載される発振ICとを備える。さらに、圧電発振機は、一対の圧電振動片搭載パッドの一方と第1のIC搭載パッドとを接続する配線、及び一対の圧電振動片搭載パッドの他方と第2のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第1の配線パターンと、第1出力端子と第3のIC搭載パッドとを接続する配線、及び第2出力端子と第4のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第2の配線パターンと、を備える。一対の圧電振動片搭載パッド、及び第1の配線パターンは、第1出力端子、第2出力端子及び第2の配線パターンと実装面の法線方向から見て重ならないように形成されている。
第2の観点の圧電発振器は、第1周波数を出力する第1出力端子及び第1周波数と同一又は異なる第2周波数を出力する第2出力端子を実装面に有する圧電発振器である。圧電発振器は、ベース板とベース板の周囲に配置された第1枠部によってベース板の一方の主面に形成された第1空間と、ベース板とベース板の周囲に配置された第2枠部によってベース板の他方の主面に形成された第2空間とが設けられるパッケージと、第1空間内に露出し一方の主面に形成された2個の圧電振動片搭載パッドに搭載される圧電振動片と、第2空間内に露出し他方の主面に形成された第1〜第4のIC搭載パッドに搭載される発振ICと、を備える。さらに圧電発振器は、一対の圧電振動片搭載パッドの一方と第1のIC搭載パッドとを接続する配線、及び一対の圧電振動片搭載パッドの他方と第2のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第1の配線パターンと、第1出力端子と第3のIC搭載パッドとを接続する配線、及び第2出力端子と第4のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第2の配線パターンと、を備える。一対の圧電振動片搭載パッド、及び第1の配線パターンは、第1出力端子、第2出力端子及び第2の配線パターンと実装面の法線方向から見て重ならないように形成されている。
第3の観点の圧電発振器は、第1の観点又は第2の観点に記載の圧電発振器において、発振ICが、第1出力端子又は第2出力端子への出力を可能(enable)/不可能(disable)に設定する端子を少なくとも1つ有する。
第4の観点の圧電発振器は、第1の観点から第3の観点のいずれか一項に記載の圧電発振器において、パッケージが、実装面の法線方向から見て長方形であり、第1出力端子及び第2出力端子の一方は、パッケージの角部に形成され、第1出力端子及び第2出力端子の一方は、パッケージの長辺の中央に形成される。
第5の観点の圧電発振器は、第1の観点から第4の観点のいずれか一項に記載の圧電発振器において、発振ICが、IC搭載パッドにフリップチップボンディングで搭載されている。
2つの周波数を出力する圧電発振器において、片方の周波数の出力と停止を行っても、負荷変動による発振周波数の変動が発生しない圧電発振器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本施形態に係る第1圧電発振器100の構造を示す斜視図、図2は、第1圧電発振器100のブロック図である。図3は、図1のA−A断面における概略断面図である。図4は、図3の第1配線パターン面PA1ないし第4配線パターン面PA4における配線パターンの平面図である。図5は、第1配線パターン面PA1ないし第4配線パターン面PA4を重ねて表示した図である。なお、図3は、説明し易いように集積回路素子40の周囲に形成される保護樹脂(アンダーフィル)を図示していない。
図1は、本施形態に係る第1圧電発振器100の構造を示す斜視図、図2は、第1圧電発振器100のブロック図である。図3は、図1のA−A断面における概略断面図である。図4は、図3の第1配線パターン面PA1ないし第4配線パターン面PA4における配線パターンの平面図である。図5は、第1配線パターン面PA1ないし第4配線パターン面PA4を重ねて表示した図である。なお、図3は、説明し易いように集積回路素子40の周囲に形成される保護樹脂(アンダーフィル)を図示していない。
図1で示されるように、第1圧電発振器100は、周波数温度特性が良好なATカットの圧電振動片(以下は、ATカット振動片と称する。)30と、集積回路素子40と、ATカット振動片30及び集積回路素子40を収容するH型パッケージPKHと、該H型パッケージPKHの一方の開口部を封止する蓋体20と、を備えている。
第1圧電発振器100は、同時に2つの周波数を出力する機能を有し、それぞれの周波数の出力に対して出力の停止又は開始が制御可能な機能を有する。また、第1圧電発振器100は、温度補償が可能な機能を有している。
ATカット振動片30は、水晶材を母材として形成されている。ATカット振動片30は、主面(YZ面)が水晶材の結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。このため、ATカット振動片30の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。同様に、水晶振動子の長手方向をX軸方向、水晶振動子の高さ方向をY’軸方向、X及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
ATカット振動片30は、外形形状が矩形で形成され、両主面に一対の励振電極32a、32bが対向して配置されている。この一対の励振電極32a、32bのX軸方向から引き出された引出電極33a、33bがX軸方向に底面まで形成されている。つまり、引出電極33aは、ATカット振動片30の側面を介して底面(−Y’側)まで折り返して伸びている。引出電極33bは、ATカット振動片30の側面を介して上面(+Y’側)まで折り返して伸びている。
ATカット振動片30の底面の引出電極33a、33bは、第1キャビティ14の底面に形成した第1水晶端子XT1と第2水晶端子XT2とに導電性接着剤16(図3を参照)を介して接着固定される。
ATカット振動片30は、接着固定された後に、蓋体20にて気密封止される。なお、封止用の蓋体20で気密封止する際は、第1層L1の上面に接合材18(図3を参照)を用いて第1キャビティ14内部を真空した状態又は内部に不活性ガスを封入した状態である。
集積回路素子40は、図1に示されたように、8個の集積端子T1〜T8が形成されている。本実施形態では、集積端子T1に電源端子DC、集積端子T2に第1有効無効機能ED1、集積端子T3に第1出力端子OUT1、集積端子T4に第2水晶端子XT2、集積端子T5に第2有効無効機能ED2、集積端子T6に第2出力端子OUT2、集積端子T7にアース端子GND、集積端子T8に第1水晶端子XT1が形成されている。
集積回路素子40の集積端子T1〜TI8は、対応する第3配線パターン面PA3の接続端子t1〜t8に金バンプ13(図3を参照)等を介して接続される。集積回路素子40の接続には、フリップチップボンディング装置等を用いてフリップチップボンディングされる。
集積回路素子40は、図2で示されるように、発振回路OSC(electronic oscillator)、温度補償回路Tcomp(temperature compensation)、記憶素子PROM(programmable ROM)、温度センサTS(temperature sensor)、有効無効機能EDf(Enable/Disable function)、バッファアンプBuf(buffer amplifier)で構成されている。なお、有効無効機能EDf及びバッファアンプBufは、2つずつ形成されている。このため、第1圧電発振器100は、同一又は互いに異なる第1周波数及び第2周波数を一度に出力したり、第1周波数又は第2周波数のいずれか一方のみを出力したりできる。
発振回路OSCは、ATカット振動片30を所望の周波数で発振させるための回路であり、抵抗及びコンデンサで構成されている。温度補償回路Tcompは、発振回路OSCから発生する発振周波数が温度により周波数変動するのを補償する回路である。記憶素子PROMは、プログラム可能な記憶素子であり、温度補償回路を制御している。
温度センサTSは、半導体温度センサにより温度検知し、アナログ電圧に変換して出力するセンサである。有効無効機能EDfは、外部電圧の入力により発振回路OSCから発生する発振周波数の出力停止又は出力開始のオンオフ制御をおこなうことができる。有効無効機能EDfは、不必要な周波数出力を停止できるため、省電力制御が可能である。
バッファアンプBufは、緩衝増幅器であり発振回路OSCから発生する発振周波数の増幅と逆流や負荷変動の影響の吸収とをしている。
次にH型パッケージPKHについて説明する。図1及び図3で示されるように、H型パッケージPKHは、複数枚のセラミックシートが積層されて形成されている。H型パッケージPKHは、3つの層から形成され、断面形状がH形状である。なおH型パッケージPKHは、上面側から第1層L1、第2層L2、第3層L3として説明する。
H型パッケージPKHは、第2層L2がベース板の役割を有し、第2層L2の周囲に枠状の第1層L1(枠部)が配置され、その裏面に枠状の第3層L3(枠部)が配置される。H型パッケージPKHは、第1層L1及び第2層L2により上側の主面に凹部を形成し、第1キャビティ14を形成する。また、H型パッケージPKHは、第2層L2及び第3層L3により下側の主面に凹部を形成し、第2キャビティ15を形成する。
図3に示されるように、第1配線パターン面PA1は、第1キャビティ14の底面である第2層L2の上面に形成されている。第1配線パターン面PA1は、図4(a)に図示される、ATカット振動片30を接続する第1水晶端子XT1と第2水晶端子XT2とを形成している。第1水晶端子XT1には、スルーホールS1が形成され、第2配線パターン面PA2まで導通している。同様に、第2水晶端子XT2には、スルーホールS2が形成され、第2配線パターン面PA2まで導通している。
第2配線パターン面PA2は、第2キャビティ15の底面である第2層L2の下面(図3を参照)に形成されている。第2配線パターン面PA2は、図4(b)に図示される、集積回路素子40の集積端子T1から集積端子T8に対応する接続端子t1から接続端子t8が形成されている。また、接続端子t1〜t8は、引出配線H1〜H8が形成され、所望の位置まで引き伸ばされている。また、第2配線パターン面PA2には、スルーホールS3及びスルーホールS4が形成されている。
詳細に説明すると、第2配線パターン面PA2は、接続端子t1から第2層L2のキャスタレーションまで引き出される引出配線H1、接続端子t2からスルーホールS3まで引き出される引出配線H2、接続端子t3から第2層L2のキャスタレーションまで引き出される引出配線H3を含む。また第2配線パターン面PA2は、接続端子t4、接続端子t5から第2層L2のキャスタレーションまで引き出される引出配線H5を含む。さらに第2配線パターン面PA2は、接続端子t6からスルーホールS4まで引き出される引出配線H6、接続端子t7から第2層L2のキャスタレーションまで引き出される引出配線H7、接続端子t8を含む。
第3配線パターン面PA3は、第3層L3の下面(図3を参照)に形成されている。第3配線パターン面PA3は、図4(c)に図示される、6個の外部電極G1〜G6が形成されている。第3配線パターン面PA3は、不図示のプリント基板に実装される実装面である。
外部電極G1は、集積回路素子40の電源端子DC用の集積端子T1、外部電極G2は、集積回路素子40の第1有効無効機能ED1用の集積端子T2、外部電極G3は、集積回路素子40の第1出力端子OUT1用の集積端子T3、外部電極G4は、集積回路素子40の第2有効無効機能ED2用の集積端子T5、外部電極G5は、集積回路素子40の第2出力端子OUT2用の集積端子T6、外部電極G6は、集積回路素子40のアース端子GND用の集積端子T7に接続されている。
外部電極G3は、第3配線パターン面PA3の第1出力端子OUT1である接続端子t3から引き伸ばされた引出配線H3及び図示しない側面電極と接続されている。また、外部電極G5は、第2配線パターン面PA2の第2出力端子OUT2である接続端子t6から引き伸ばされた引出配線H6及びスルーホールS4と接続されている。なお、図4(c)では、接続端子t1〜t8、引出配線H1〜H8、スルーホールS3及びスルーホールS4を点線で描き、第2配線パターン面PA2と第3配線パターン面PA3との位置関係を図示している。
プリント基板上に第1圧電発振器100を実装する際には、外部電極G(G1〜G6)を不図示のプリント基板に形成したランドに半田を介して接続する。
図5(a)は、第1配線パターン面PA1から第3配線パターン面PA3を重ねて表示した図である。なお、図5(a)では、スルーホールS及び引出配線Hを表示していない。図5(a)に示されるように、第1水晶端子XT1及び第2水晶端子XT2の関係する入力配線NA(斜線で表示した領域)は、第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2が関係する出力配線OA(網掛けで表示した領域)と重ならない。入力配線NAは、図示されるように、第1水晶端子XT1、接続端子t4、第2水晶端子XT2及び接続端子t8である。また、出力配線OAは、図示されるように、接続端子t3、引出配線H3、外部電極G3、接続端子t6、引出配線H6及び外部電極G5である。
図5(b)は、上述した各端子の接続経路を示した一覧表である。図4及び図5(a)で図示されたように、ATカット振動片30の励振電極32aは、順に第1配線パターン面PA1の第2水晶端子XT2、第2配線パターン面PA2の接続端子t4を通過して集積回路素子40の第2水晶端子XT2用の集積端子T4に接続されている。また、励振電極32bは、順に第1配線パターン面PA1の第1水晶端子XT1、第2配線パターン面PA2の接続端子t8を通過して集積回路素子40の第1水晶端子XT1用の集積端子T8に接続されている。
以上に示されたように、実装面(第3配線パターン面PA3)の法線方向から見て、第1水晶端子XT1及び第2水晶端子XT2の関係する入力配線NAは、第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2が関係する出力配線OAと重ならない。このため、第1圧電発振器100は、浮遊容量が発生しない。また、第1圧電発振器100は、第1有効無効機能ED1又は第2有効無効機能ED2をオンオフすることにより負荷変動が発生しないため、発振周波数が変動しない。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1キャビティ14及び第2キャビティ15を有する第2圧電発振器110を説明する。図6は、第2圧電発振器110の断面図である。第2キャビティ15は空間であり保護樹脂(アンダーフィル)が使用されない。第2実施形態のパッケージは、図6で示されるように、二部屋の形状のため、以下、二部屋型パッケージPK2として説明する。
第2実施形態は、第1キャビティ14及び第2キャビティ15を有する第2圧電発振器110を説明する。図6は、第2圧電発振器110の断面図である。第2キャビティ15は空間であり保護樹脂(アンダーフィル)が使用されない。第2実施形態のパッケージは、図6で示されるように、二部屋の形状のため、以下、二部屋型パッケージPK2として説明する。
図6で示されるように、二部屋型パッケージPK2は、複数枚のセラミックシートが積層されて形成されている。二部屋型パッケージPK2もまた4つの層から形成され、上面側から第1層L1、第2層L2、第3層L3、及び第4層L4で構成される。
二部屋型パッケージPK2は、第1層L1(枠部)及び第2層L2(ベース板)により第2層L2の上側の主面側に第1キャビティ14が形成されている。また、第2層L2(ベース板)、第3層L3(枠部)及び第4層L4により、第2層L2の下側の主面側に第2キャビティ15が形成されている。
第1配線パターン面PA1は、第1キャビティ14の底面である第2層L2の上面(図6を参照)に形成されている。第1配線パターン面PA1は、図7(a)に図示される配線パターンが形成され、ATカット振動片30を接続する第1水晶端子XT1と第2水晶端子XT2とを形成している。第1水晶端子XT1には、スルーホールS1が形成され、第2配線パターン面PA2まで導通している。同様に、第2水晶端子XT2には、スルーホールS2が形成され、第2配線パターン面PA2まで導通している。
第2配線パターン面PA2は、第2層L2の下面(図6を参照)に形成されている。第2配線パターン面PA2は、図7(b)に図示される配線パターンが形成され、第1内部配線N1と第2内部配線N2とを形成している。第1内部配線N1は、第1配線パターン面PA1の第1水晶端子XT1とスルーホールS1で接続され、第2内部配線N2は、第1配線パターン面PA1の第2水晶端子XT2とスルーホールS2で接続されている。また、第1内部配線N1には、スルーホールS3が形成され、第2内部配線N2には、スルーホールS4が形成される。スルーホールS3及びスルーホールS4は、第3層L3の側面又は内部を通り、第3配線パターン面PA3まで伸びている。なお、図7(b)では、第1水晶端子XT1と第2水晶端子XT2とを点線で描き、第1配線パターン面PA1と第2配線パターン面PA2との位置関係を図示している。
第3配線パターン面PA3は、第2キャビティ15の底面である第4層L4の上面(図6を参照)に形成されている。第3配線パターン面PA3は、図7(c)に図示される配線パターンが形成され、集積回路素子40の集積端子T1ないし集積端子T8に対応する接続端子t1から接続端子t8が形成されている。また、接続端子t1〜t8は、引出配線H1〜H8が形成され、所望の位置まで引き伸ばされている。また、第3配線パターン面PA3には、引出配線H2にスルーホールS6及び引出配線H7にスルーホールS7が形成されている。
第4配線パターン面PA4は、第4層L4の下面(図6を参照)に形成されている。第4配線パターン面PA4は、図7(d)に図示される配線パターンが形成され、6個の外部電極G1〜G6が形成されている。外部電極G3は、第3配線パターン面PA3の第1出力端子OUT1である接続端子t4から引き伸ばされた引出配線H4及び図示しない側面電極と接続されている。また、外部電極G5は、第3配線パターン面PA3の第2出力端子OUT2の接続端子t7から引き伸ばされた引出配線H7及びスルーホールS7と接続されている。なお、図7(d)では、接続端子t1〜t8、引出配線H1〜H8、スルーホールS6及びスルーホールS7を点線で描き位置関係を図示している。
図8(a)は、第1配線パターン面PA1から第4配線パターン面PA4を重ねて表示した図である。図示されるように、第1配線パターン面PA1ないし第4配線パターン面PA4を重ね合わせると、第1水晶端子XT1及び第2水晶端子XT2の関係する入力配線NA(斜線で表示した領域)は、第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2が関係する出力配線OA(網掛けで表示した領域)と重ならない。入力配線NAは、図示されるように、第1水晶端子XT1、第1内部配線N1、接続端子t3、引出配線H3、第2水晶端子XT2、第2内部配線N2、接続端子t6、及び引出配線H6である。また、出力配線OAは、図示されるように、接続端子t4、引出配線H4、外部電極G3、接続端子t7、引出配線H7、及び外部電極G5である。
図8(b)は、上述した各端子の接続経路を示した一覧表である。図7及び図8(a)で図示されたように、第1実施形態と接続する配線経路が異なる。ATカット振動片30の励振電極32aは、順に第1配線パターン面PA1の第2水晶端子XT2、第2配線パターン面PA2の第2内部配線N2、第3配線パターン面PA3の接続端子t6を通過して集積回路素子40の第2水晶端子XT2用の集積端子T6に接続されている。また、励振電極32bは、順に第1配線パターン面PA1の第1水晶端子XT1、第2配線パターン面PA2の第1内部配線N1、第3配線パターン面PA3の接続端子t3を通過して集積回路素子40の第1水晶端子XT1用の集積端子T3に接続されている。
また、配線経路の違いにより集積回路素子40の各機能の端子の配置が異なる。外部電極G1は、集積回路素子40の電源端子DC用の集積端子T1、外部電極G2は、集積回路素子40の第1有効無効機能ED1用の集積端子T2、外部電極G3は、集積回路素子40の第1出力端子OUT1用の集積端子T4、外部電極G4は、集積回路素子40の第2有効無効機能ED2用の集積端子T5、外部電極G5は、集積回路素子40の第2出力端子OUT2用の集積端子T7、外部電極G6は、集積回路素子40のアース端子GND用の集積端子T8に接続されている。なお、図8では、スルーホールS及び引出配線Hを表示していない。
以上に示されたように、第2圧電発振器110は、第1実施形態と同様に、浮遊容量が発生しない。また、第2圧電発振器110は、第1有効無効機能ED1又は第2有効無効機能ED2をオンオフすることにより負荷変動が発生しないため、発振周波数が変動しない。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で示された第1キャビティ14にATカット振動片30及び集積回路素子40を設置した第3圧電発振器120を示す。図9は、第3圧電発振器120の断面図である。本実施形態のパッケージは、図9で示されるように、一部屋の形状のため以下は、一部屋型パッケージPK1として説明する。
本実施形態では、第1実施形態で示された第1キャビティ14にATカット振動片30及び集積回路素子40を設置した第3圧電発振器120を示す。図9は、第3圧電発振器120の断面図である。本実施形態のパッケージは、図9で示されるように、一部屋の形状のため以下は、一部屋型パッケージPK1として説明する。
図9で示されるように、一部屋型パッケージPK1は、複数枚のセラミックシートが積層されて形成されている。一部屋型パッケージPK1は3つの層から形成され、上面側から第1層L1、第2層L2、及び第3層L3で構成される。
一部屋型パッケージPK1は、第1層L1、第2層L2及び第3層L3により上側の主面に凹部を形成し、第1キャビティ14が形成されている。第2層L2は、第1層L1より低い高さで第1キャビティ14内に形成されている。
第1配線パターン面PA1は、第1キャビティ14内に形成された第2層L2の上面(図9を参照)に形成されている。第1配線パターン面PA1は、図10(a)に図示される配線パターンが形成され、ATカット振動片30を接続する第1水晶端子XT1及び第2水晶端子XT2が形成されている。第1水晶端子XT1には、スルーホールS1が形成され、後述する第2配線パターン面PA2まで導通する。また、第2水晶端子XT2には、スルーホールS2が形成され、第2配線パターン面PA2まで導通している。
第2配線パターン面PA2は、第3層L3の上面(図9を参照)に形成されている。第2配線パターン面PA2は、図10(b)に図示される配線パターンが形成され、集積回路素子40の集積端子T1ないし集積端子T8に対応する接続端子t1ないし接続端子t8が形成されている。また、接続端子t1〜t8は、引出配線H1〜H8が形成され、所望の位置まで引き伸ばされている。また、第2配線パターン面PA2には、引出配線H3にスルーホールS3及び引出配線H7にスルーホールS4が形成されている。
図10(b)では、第1水晶端子XT1、第2水晶端子XT2、及び集積回路素子40の設置領域を点線で描き位置関係を図示している。
第3配線パターン面PA3は、第3層L3の下面(図9を参照)に形成されている。第3配線パターン面PA3は、図10(c)に図示される配線パターンが形成され、6個の外部電極G1〜G6が形成されている。外部電極G3は、第2配線パターン面PA2の第1出力端子OUT1である接続端子t4から引き伸ばされた引出配線H4及び図示しない側面電極と接続されている。また、外部電極G5は、第2配線パターン面PA2の第2出力端子OUT2の接続端子t7から引き伸ばされた引出配線H7及びスルーホールS4で接続されている。
図11(a)で示されるように、第1配線パターン面PA1から第3配線パターン面PA3を重ね合わせると、第1水晶端子XT1及び第2水晶端子XT2の関係する入力配線NA(斜線で表示した領域)は、第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2が関係する出力配線OA(網掛けで表示した領域)と重ならない。入力配線NAは、図示されるように、第1水晶端子XT1、接続端子t1、引出配線H1、第2水晶端子XT2、接続端子t5、引出配線H5a、及び引出配線H5bである。また、出力配線OAは、図示されるように、接続端子t4、引出配線H4、外部電極G3、接続端子t7、引出配線H7、第2内部配線N2、及び外部電極G5である。
図11(b)は、上述した各端子の接続経路を示した一覧表である。図10及び図11(a)で図示されたように、第1実施形態及び第2実施形態と接続する配線経路が異なる。ATカット振動片30の励振電極32aは、順に第1配線パターン面PA1の第2水晶端子XT2、第2配線パターン面PA2の接続端子t5を通過して集積回路素子40の第2水晶端子XT2用の集積端子T5に接続されている。また、励振電極32bは、順に第1配線パターン面PA1の第1水晶端子XT1、第2配線パターン面PA2の接続端子t1を通過して集積回路素子40の第1水晶端子XT1用の集積端子T3に接続されている。
また、配線経路の違いにより集積回路素子40の各機能の端子の配置が異なる。外部電極G1は、集積回路素子40の電源端子DC用の集積端子T2、外部電極G2は、集積回路素子40の第1有効無効機能ED1用の集積端子T3、外部電極G3は、集積回路素子40の第1出力端子OUT1用の集積端子T4、外部電極G4は、集積回路素子40の第2有効無効機能ED2用の集積端子T6、外部電極G5は、集積回路素子40の第2出力端子OUT2用の集積端子T7、外部電極G6は、集積回路素子40のアース端子GND用の集積端子T8に接続されている。なお、図8では、スルーホールS及び引出配線Hを表示していない。
以上に示されたように、第3圧電発振器120は、第1実施形態と同様に、浮遊容量が発生しない。また、第3圧電発振器120は、第1有効無効機能ED1又は第2有効無効機能ED2をオンオフすることにより負荷変動が発生しないため、発振周波数が変動しない。
13 … 金バンプ
14 … 第1キャビティ、 15 … 第2キャビティ
16 … 導電性接着剤
18 … 接合材
20 … 蓋体
30 … ATカット振動片
32 … 励振電極、 33 … 引出電極
40 … 集積回路素子
100 … 第1圧電発振器
110 … 第2圧電発振器
120 … 第3圧電発振器
Buf … バッファアンプ
DC … 電源端子
ED1 … 第1有効無効機能、 ED2 … 第2有効無効機能
G … 外部電極
GND … アース端子
H … 引出配線
L1 … 第1層、 L2 … 第2層
L3 … 第3層、
NA … 入力配線
OA … 出力配線
OSC … 発振回路
OUT1 … 第1出力端子、 OUT2 … 第2出力端子
PA1 … 配線パターン面、 PA2 … 配線パターン面
PA3 … 配線パターン面、
PK1 … 一部屋型パッケージ
PK2 … 二部屋型パッケージ
PKH … H型パッケージ
PROM … 記憶素子
S … スルーホール
tc … 接続端子
TI … 集積端子
Tcomp … 温度補償回路
TS … 温度センサ
XT1 … 第1水晶端子
XT2 … 第2水晶端子
14 … 第1キャビティ、 15 … 第2キャビティ
16 … 導電性接着剤
18 … 接合材
20 … 蓋体
30 … ATカット振動片
32 … 励振電極、 33 … 引出電極
40 … 集積回路素子
100 … 第1圧電発振器
110 … 第2圧電発振器
120 … 第3圧電発振器
Buf … バッファアンプ
DC … 電源端子
ED1 … 第1有効無効機能、 ED2 … 第2有効無効機能
G … 外部電極
GND … アース端子
H … 引出配線
L1 … 第1層、 L2 … 第2層
L3 … 第3層、
NA … 入力配線
OA … 出力配線
OSC … 発振回路
OUT1 … 第1出力端子、 OUT2 … 第2出力端子
PA1 … 配線パターン面、 PA2 … 配線パターン面
PA3 … 配線パターン面、
PK1 … 一部屋型パッケージ
PK2 … 二部屋型パッケージ
PKH … H型パッケージ
PROM … 記憶素子
S … スルーホール
tc … 接続端子
TI … 集積端子
Tcomp … 温度補償回路
TS … 温度センサ
XT1 … 第1水晶端子
XT2 … 第2水晶端子
Claims (5)
- 第1周波数を出力する第1出力端子及び前記第1周波数と同一又は異なる第2周波数を出力する第2出力端子を実装面に有する圧電発振器であって、
ベース板と前記ベース板の周囲に配置された枠部とによって前記ベース板の一方の主面に第1空間が設けられるパッケージと、
前記第1空間内に露出して形成された一対の圧電振動片搭載パッドに搭載される圧電振動片と、
前記第1空間内に露出して形成された第1、第2、第3及び第4のIC搭載パッドに搭載される発振ICと、
前記一対の圧電振動片搭載パッドの一方と前記第1のIC搭載パッドとを接続する配線、及び前記一対の圧電振動片搭載パッドの他方と前記第2のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第1の配線パターンと、
前記第1出力端子と前記第3のIC搭載パッドとを接続する配線、及び前記第2出力端子と前記第4のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第2の配線パターンと、を備え、
前記一対の圧電振動片搭載パッド、及び前記第1の配線パターンは、前記第1出力端子、前記第2出力端子及び前記第2の配線パターンと前記実装面の法線方向から見て重ならないように形成されている圧電発振器。 - 第1周波数を出力する第1出力端子及び前記第1周波数と異なる第2周波数を出力する第2出力端子を実装面に有する圧電発振器であって、
ベース板と前記ベース板の周囲に配置された第1枠部によって前記ベース板の一方の主面に形成された第1空間と、前記ベース板と前記ベース板の周囲に配置された第2枠部によって前記ベース板の他方の主面に形成された第2空間とが設けられるパッケージと、
前記第1空間内に露出し前記一方の主面に形成された2個の圧電振動片搭載パッドに搭載される圧電振動片と、
前記第2空間内に露出し前記他方の主面に形成された第1、第2、第3及び第4のIC搭載パッドに搭載される発振ICと、
前記一対の圧電振動片搭載パッドの一方と前記第1のIC搭載パッドとを接続する配線、及び前記一対の圧電振動片搭載パッドの他方と前記第2のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第1の配線パターンと、
前記第1出力端子と前記第3のIC搭載パッドとを接続する配線、及び前記第2出力端子と前記第4のIC搭載パッドとを接続する配線を含む第2の配線パターンと、を備え、
前記一対の圧電振動片搭載パッド、及び前記第1の配線パターンは、前記第1出力端子、前記第2出力端子及び前記第2の配線パターンと前記実装面の法線方向から見て重ならないように形成されている圧電発振器。 - 前記発振ICは、前記第1出力端子又は前記第2出力端子への出力を可能(enable)/不可能(disable)に設定する端子を少なくとも1つ有する請求項1又は請求項2に記載の圧電発振器。
- 前記パッケージは、前記実装面の法線方向から見て長方形であり、
前記第1出力端子及び第2出力端子の一方は、前記パッケージの角部に形成され、
前記第1出力端子及び第2出力端子の一方は、前記パッケージの長辺の中央に形成される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧電発振器。 - 前記発振ICは、前記IC搭載パッドにフリップチップボンディングで搭載されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧電発振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012090721A JP2013219704A (ja) | 2012-04-12 | 2012-04-12 | 圧電発振器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2012090721A Pending JP2013219704A (ja) | 2012-04-12 | 2012-04-12 | 圧電発振器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013219704A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9209780B2 (en) * | 2013-11-28 | 2015-12-08 | Nihon Dempa Kogyo Co., Ltd. | Piezoelectric oscillator |
JP2016189512A (ja) * | 2015-03-30 | 2016-11-04 | 株式会社大真空 | 圧電発振器 |
CN113328720A (zh) * | 2020-02-28 | 2021-08-31 | 精工爱普生株式会社 | 振动器件 |
-
2012
- 2012-04-12 JP JP2012090721A patent/JP2013219704A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11863157B2 (en) | 2020-02-28 | 2024-01-02 | Seiko Epson Corporation | Vibrator device |
CN113328720B (zh) * | 2020-02-28 | 2024-06-18 | 精工爱普生株式会社 | 振动器件 |
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