JP2013219249A - 電極接合構造体 - Google Patents
電極接合構造体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013219249A JP2013219249A JP2012089588A JP2012089588A JP2013219249A JP 2013219249 A JP2013219249 A JP 2013219249A JP 2012089588 A JP2012089588 A JP 2012089588A JP 2012089588 A JP2012089588 A JP 2012089588A JP 2013219249 A JP2013219249 A JP 2013219249A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- electrode
- electrodes
- resin
- electrode group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
- Combinations Of Printed Boards (AREA)
- Wire Bonding (AREA)
Abstract
【課題】複数の基板の電極同士を接合し、接合部を樹脂補強部で補強する際、接合部の接合強度を均一化する。
【解決手段】第一電極群が設けられた第一接続領域を有するフレキシブルな第一基板と、第一電極群に対応する第二電極群が設けられた第二接続領域を有する第二基板と、第一接続領域と第二接続領域とを電気的に接続するはんだ接合部と、を具備し、前記はんだ接合部が、樹脂部分と、樹脂部分に分散する金属部分とを含み、金属部分は、互いに直交する長径aと短径bを有する偏平形状を有し、かつ前記長径の方向が、一方向に配向している、電極接合構造体。
【選択図】図10
【解決手段】第一電極群が設けられた第一接続領域を有するフレキシブルな第一基板と、第一電極群に対応する第二電極群が設けられた第二接続領域を有する第二基板と、第一接続領域と第二接続領域とを電気的に接続するはんだ接合部と、を具備し、前記はんだ接合部が、樹脂部分と、樹脂部分に分散する金属部分とを含み、金属部分は、互いに直交する長径aと短径bを有する偏平形状を有し、かつ前記長径の方向が、一方向に配向している、電極接合構造体。
【選択図】図10
Description
本発明は、電子部品モジュール付基板のようにフレキシブルな基板と、他の基板とを接続した、電極接合構造体の改良に関する。
近年、携帯型電子機器の小型化および薄型化に対する要望が高まっている。電子機器を小型化または薄型化するためには、電子機器に使用する基板に、部品配置の自由度を高めるように、フレキシブルな基板を使用することが有効である。
例えば、電子部品モジュールにフレキシブル基板を使用すると、高い配置自由度を実現しながら、モジュール基板に設けられた電極(接続端子)を、電子機器のメイン基板等に設けられた電極(接続端子)に直接的に接合することができる(特許文献1参照)。これにより、接続用の導線を使用することなく、電子部品モジュールとメイン基板とを接続することができ、スペース効率が向上する。また、断線等が起こりにくくなって、部品間の接続の信頼性が向上する。
また、上記のように、モジュール基板の電極とメイン基板の電極とを直接的に接合するような場合には、電極間の接合部の周囲に熱硬化性樹脂を含む補強部を形成することが一般に行われている。このような場合には、モジュール基板とメイン基板との間に供給された未硬化の樹脂を、モジュール基板またはメイン基板を介して加熱して硬化させることで、硬化樹脂による樹脂補強部を形成する。
ここで、従来、電子部品モジュール等の複数の電極をメイン基板等の複数の電極と接合する際には、それらの電極を含む接続領域と面積が等しいか、それよりも大きな面積の押圧面を有する加熱ツールを使用して、各電極を接合している。
しかしながら、比較的広い面積を一つの加熱ツールで同時に加圧および加熱するために、加圧力または加熱の程度が接続領域内で不均一となることがあり得る。したがって、一部の電極で接合が不十分となったり、未硬化樹脂が十分に硬化せずに、十分な強度の樹脂補強部が形成されない部分が生じたりすることがあり得る。これにより、基板間の接続信頼性が低下する。
特に、未硬化樹脂に電極間の接合に使用するはんだ(粒子)を含ませて、電極間のはんだ接合と、樹脂補強部の形成とを同時に行うような形態(特許文献1参照)では、各電極間で良好なはんだ接合部を形成するために、加圧力および加熱温度の微妙な調整が要求される。したがって、そのような場合は特に、接続領域内での加圧および加熱が不均一であることの弊害は大きくなる。
そこで、本発明は、第一基板の第一電極群と第二基板の第二電極群とを導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材で接合する際に、各接合部の接合強度を均一化して、基板間の接続信頼性を向上させることができる、電極接合構造体を提供することを目的としている。
本発明の一局面は、第1電極群が設けられた第1接合領域を有するフレキシブルな第1基板と、前記第1電極群に対応する第2電極群が設けられた第2接合領域を有する第2基板と、前記第1接合領域と前記第2接合領域とを電気的に接続するはんだ接合部と、を具備し、前記はんだ接合部が、樹脂部分と、前記樹脂部分に分散する金属部分とを含み、前記金属部分は、互いに直交する長径aと短径bを有する偏平形状を有し、かつ前記長径の方向が、一方向に配向している、電極接合構造体に関する。
上記のような電極接合構造体は、(i)複数の第一電極を含む第一電極群が設けられた第一接続領域を有する第一面および前記第一面の反対側の第二面を有するフレキシブルな第一基板を供給する工程、
(ii)前記複数の第一電極に対応する複数の第二電極を含む第二電極群が設けられた第二接続領域を有する第二基板を供給する工程、
(iii)前記第一電極群および前記第二電極群の少なくとも一方に、導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材を供給する工程、
(iv)前記第一電極群と前記第二電極群との位置を合わせて、前記接合材を介して、前記第一電極群と前記第二電極群とを対向させる工程、
(v)前記第二面の前記第一接続領域に対応する押圧領域に当接させる加熱ツールを用いて、前記複数の第一電極から選択された一つ以上の第一電極を、対応する一つ以上の前記第二電極に向かって加圧するとともに前記熱硬化性樹脂が硬化する温度に加熱する接合処理を、前記選択された一つ以上の第一電極の処理位置から前記接合処理が未実行の他の一つ以上の第一電極の処理位置まで、前記ツールを移動させながら順次実行する工程、を有する、電極接合構造体の製造方法により得ることができる。
(ii)前記複数の第一電極に対応する複数の第二電極を含む第二電極群が設けられた第二接続領域を有する第二基板を供給する工程、
(iii)前記第一電極群および前記第二電極群の少なくとも一方に、導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材を供給する工程、
(iv)前記第一電極群と前記第二電極群との位置を合わせて、前記接合材を介して、前記第一電極群と前記第二電極群とを対向させる工程、
(v)前記第二面の前記第一接続領域に対応する押圧領域に当接させる加熱ツールを用いて、前記複数の第一電極から選択された一つ以上の第一電極を、対応する一つ以上の前記第二電極に向かって加圧するとともに前記熱硬化性樹脂が硬化する温度に加熱する接合処理を、前記選択された一つ以上の第一電極の処理位置から前記接合処理が未実行の他の一つ以上の第一電極の処理位置まで、前記ツールを移動させながら順次実行する工程、を有する、電極接合構造体の製造方法により得ることができる。
また、上記のような電極接合構造体は、フレキシブルな第一基板を、第二基板に実装して、電極接合構造体を製造するシステムであって、
前記第一基板が、複数の第一電極を含む第一電極群が設けられた第一接続領域を有する第一面および前記第一面の反対側の第二面を有しており、
前記第二基板が、前記複数の第一電極に対応する複数の第二電極を含む第二電極群が設けられた第二接続領域を有しており、
前記第二基板を支持するステージと、
前記第一電極群および前記第二電極群の少なくとも一方に、導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材を供給する接合材供給ユニットと、
前記第一電極群と前記第二電極群との位置を合わせて、前記接合材を介して、前記第一電極群と前記第二電極群とを対向させるように、前記ステージに支持された第二基板に対して前記第一基板を配置する配置ユニットと、
前記第二面の前記第一接続領域に対応する押圧領域に当接させる加熱ツールを含み、当該加熱ツールにより、前記複数の第一電極から選択された一つ以上の第一電極を対応する一つ以上の前記第二電極に向かって加圧するとともに前記熱硬化性樹脂が硬化する温度に加熱する接合処理を、前記選択された一つ以上の第一電極の処理位置から前記接合処理が未実行の他の一つ以上の第一電極の処理位置まで、前記ツールを移動させながら順次実行する接合処理ユニットと、を有する、電極接合構造体の製造システムにより製造することができる。
前記第一基板が、複数の第一電極を含む第一電極群が設けられた第一接続領域を有する第一面および前記第一面の反対側の第二面を有しており、
前記第二基板が、前記複数の第一電極に対応する複数の第二電極を含む第二電極群が設けられた第二接続領域を有しており、
前記第二基板を支持するステージと、
前記第一電極群および前記第二電極群の少なくとも一方に、導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材を供給する接合材供給ユニットと、
前記第一電極群と前記第二電極群との位置を合わせて、前記接合材を介して、前記第一電極群と前記第二電極群とを対向させるように、前記ステージに支持された第二基板に対して前記第一基板を配置する配置ユニットと、
前記第二面の前記第一接続領域に対応する押圧領域に当接させる加熱ツールを含み、当該加熱ツールにより、前記複数の第一電極から選択された一つ以上の第一電極を対応する一つ以上の前記第二電極に向かって加圧するとともに前記熱硬化性樹脂が硬化する温度に加熱する接合処理を、前記選択された一つ以上の第一電極の処理位置から前記接合処理が未実行の他の一つ以上の第一電極の処理位置まで、前記ツールを移動させながら順次実行する接合処理ユニットと、を有する、電極接合構造体の製造システムにより製造することができる。
上記製造方法および製造システムによれば、第一基板の第一電極群と第二基板の第二電極群とを導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材で接合する際に、荷重のばらつきが発生しにくく、対向する第一電極と第二電極との各組にほぼ同じ圧力を印加することができる。また、熱硬化性樹脂の硬化により形成される樹脂補強部にボイドが生じるのを防止することができる。よって、基板間の接続信頼性を向上させることができる。また、本発明の電極接合構造体は、長径aと短径bを有する細長い形状の金属部分を有することから、電極間に帯状の接合部を形成できるため、電極間の接合強度を高めるのに有利である。
本発明に係る電極接合方法は、(i)複数の第一電極を含む第一電極群が設けられた第一接続領域を有する第一面および第一面の反対側の第二面を有するフレキシブルな第一基板を供給する工程、(ii)複数の第一電極に対応する複数の第二電極を含む第二電極群が設けられた第二接続領域を有する第二基板を供給する工程、(iii)第一電極群および第二電極群の少なくとも一方に、導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材を供給する工程、(iv)第一電極群と第二電極群との位置を合わせて、接合材を介して、第一電極群と第二電極群とを対向させる工程、を含む。
そして、本発明に係る電極接合方法においては、(v)第二面の第一接続領域に対応する押圧領域に当接させる加熱ツールを用いて、一つ以上の第一電極を、対応する一つ以上の第二電極に向かって加圧するとともに熱硬化性樹脂が硬化する温度に加熱する接合処理が実行される。接合処理は、上記の一つ以上の第一電極の処理位置から、接合処理が未実行の他の一つ以上の第一電極の処理位置まで、上記ツールを移動させながら順次実行される。
導電性粒子は、特に限定されず、はんだ粒子、ニッケル粒子、金メッキ樹脂粒子などを用いることができるが、熱硬化性樹脂の硬化が不十分な場合でも、電極間の電気的接続を確保しやすい点で、はんだ粒子を用いることが好ましい。はんだ粒子を用いる場合、接合処理において、第一電極を第二電極に向かって加圧するとともに、はんだ粒子が溶融する温度に加熱することで、電極間に溶融はんだが濡れ広がり、はんだ接合部が形成される。よって、ニッケル粒子、金メッキ粒子などを用いる場合に比べて、電極間の電気的接続の信頼性が高くなる。
以下、フレキシブルな基板(第一基板の一例、モジュール基板)を含む電子部品モジュールを、各種電子機器のメイン基板(第二基板の一例、マザーボード)に実装する場合を例として、本発明を説明する。上記の例では、複数のモジュール電極がモジュール基板の一方の面(第一面)の一つの領域(第一接続領域)にまとめて配置される。一方、メイン基板においても、モジュール電極と対応する複数の電極(以下、基板電極という)が、一つの領域(第二接続領域)にまとめて配置される。
そして、モジュール基板の接続領域と、メイン基板(マザーボード)の接続領域とを対向させ、両者の間に、電極間の接合のためのはんだ粒子(導電性粒子の一例)と、未硬化の熱硬化性樹脂(以下、未硬化樹脂ともいう)とを含む接合材を供給する。
そして、モジュール基板の接続領域と、メイン基板(マザーボード)の接続領域とを対向させ、両者の間に、電極間の接合のためのはんだ粒子(導電性粒子の一例)と、未硬化の熱硬化性樹脂(以下、未硬化樹脂ともいう)とを含む接合材を供給する。
従来は、図16に示すように、各接続領域ARCよりも大きい面積の押圧面を有する加熱ツール102を使用している。これにより、モジュール基板104の上から接続領域ARCの全体を同時に加圧および加熱している。その結果、接続領域ARCにある全てのモジュール電極106とメイン基板108の全ての基板電極110とを、同時に、はんだ粒子112の溶融物により接合する。また、このとき、接続領域ARCの全域で未硬化樹脂114を同時に加熱して、硬化させることで、樹脂補強部を形成する。以下、このような処理を熱圧着処理ともいう。ここで、例えばモジュール基板の厚みが不均一であったり、モジュール電極の高さが不均一であったり、さらに、図17に示すように、大荷重により加熱ツール102の押圧面が傾いたりすると、様々な弊害が生じる。
例えば、図17に示すように、一部の電極(106A、110A)では、加圧力が大きくなりすぎて、未硬化樹脂114が接続領域ARCから大きくはみ出したり、溶融はんだ116が大きく拡がる過剰流動が生じたりする。溶融はんだ116の過剰流動は、電極間の電気的接続の不良を生じる要因となり得る。さらに、他の一部の電極(106B、110B)の間では、はんだの加圧および加熱が不十分となり、電極間の電気的接続が不十分になったり、十分な強度のはんだ接合部が形成されなかったりすることがある。以上により、基板間の接続信頼性が低下する。
さらに、基板が例えば有機基板であれば、揮発成分を含んでいることがあるとともに、それ以外の基板であっても、保管中や運搬中に基板が吸湿することがある。そのような場合に、比較的大面積の押圧面を有する加熱ツールにより接続領域の全体を加熱すると、より多くのガスもしくは蒸気が発生する。そして、比較的大きな面積に拡がる未硬化樹脂が同時的に硬化する。このため、大量に発生したガスが外部に放出されることなく、ボイドとして硬化樹脂の中に残存しやすくなる。
これに対して、本発明によれば、比較的小さな面積の押圧面を有する加熱ツールを使用して、代表的には、一つずつの電極と、その周囲の部分だけを加圧するので、荷重のばらつきが発生しにくくなる。従って、対向するモジュール電極106と基板電極110との組ごとに、ほぼ同じ圧力を印加することができ、一部の電極間で、はんだの加圧が過剰になり、または不十分になることを防止できる。さらに、比較的短時間だけ接合領域が加熱されるので、基板が吸湿または揮発成分を含んでいても発生するガス量を抑えることができ、ボイドの発生を抑えることができる。さらに比較的小さな面積にある未硬化樹脂が一時に硬化するだけであるので、発生したガスが外部に放出されやすく、ボイドの生成をさらに抑えることができる。よって、樹脂補強部の強度を向上させることができ、基板間の接続の信頼性を向上させることができる。
さらに、従来、機器の小型化の要請により、図16および17に示すように、モジュール基板の接続領域ARCの外縁は、モジュール基板自体の外縁とほとんど重なっていることが多い。つまり、モジュール基板の側端部近くまで、電極が設けられることが多くなっている。その様な場合には、加熱ツールの押圧面に、例えばモジュール基板の脇から外側にはみ出した樹脂が付着してしまうことがある。これを防止するためには、例えばテフロン(登録商標)シート118をモジュール基板の上に被せ、その上から加熱ツール102の押圧面を押し当てる必要がある。その結果、製造の工数が増大するとともに、加圧および加熱によりテフロンシートの劣化も速いことから、交換の手間および費用が増大していた。
これに対して、本発明によれば、比較的小さな押圧面の加熱ツールを使用して、典型的には一つずつの電極を小さな加圧力で加熱するために、未硬化樹脂がモジュール基板の脇等から外側にはみ出し難く、かつ加熱ツールの押圧面もモジュール基板の上から外側にはみ出しにくい。その結果、上記のようなシートをモジュール基板の上から被せる必要性がなく、工数と費用とを低減することができる。
そして、加熱ツールの押圧面の面積が小さいことから、加熱ツールによりモジュール基板に加えられる荷重を小さくすることができる。例えば、メイン基板の接続領域に対応する部分の基板内部、あるいはその裏側に電子部品が配置されている場合に、それらの電子部品に掛かる荷重を小さくすることができる。よって、熱圧着処理により電子部品、特にメイン基板に設けられた電子部品が損傷されるのを防止することができる。本発明によれば、加熱ツールの押圧面の面積を、特許文献1の場合の例えば1/8〜1/10にすることも容易であるので、加熱ツールによりモジュール基板およびメイン基板に掛けられる荷重を1/8〜1/10にすることも容易である。これにより、接続領域と対応する領域に設けられた電子部品に掛かる荷重も例えば1/8〜1/10にすることができる。さらに、従来は熱圧着の際に大きな加重が掛かるために電子部品を設けることができなかった基板上の領域にも、電子部品を設けることが可能となる。これにより、設計の自由度が大きくなり、基板上のスペースを有効利用することも可能となる。よって、電子機器の小型化がさらに容易となる。
また、加熱ツールをフレキシブルなモジュール基板の押圧面に押し当てて熱圧着処理を行うことで、加熱により、フレキシブルなモジュール基板をより柔軟にすることも可能である。このため、加熱ツールの移動に倣って、モジュール基板が容易に変形するので、各電極を正対させるために対向面の面積を大きくする必要がない。
本発明に係る電極接合方法においては、上記の工程(v)を実行している間は、加熱ツールによる押圧領域に対する加圧力は一定であるのが好ましい。一定の加圧力により加圧しながら一つ以上の第一電極と、対応する一つ以上の第二電極とを順次接合することで、それぞれの接合部の強度を均一にすることができる。これにより、接合信頼性が向上する。また、それぞれの接合部の周囲に形成される硬化樹脂の硬化の程度も均一化されるので、接合補強部の強度を均一化することもできる。これによりさらに接合信頼性を向上させることができる。なお、加熱ツールの押圧面の面積を小さくするという観点からは、第一電極と第二電極との組を一組ずつ接合するのが好ましく、多くとも20組、望ましくは10組程度の第一電極と第二電極との組を同時に接合するにとどめるのが好ましい。機器にもよるが、従来、20組を超える電極を一つの加熱ツールにより同時に接合することも普通である。そのような場合と比較すると、例え20組の第一電極と第二電極との組を同時に接合するとしても、加熱ツールにより掛けられる荷重は数分の一に低減することができる。
さらに、ツールを一定の速度で移動することで、強度のより均一な接合部を形成することができるとともに、接続領域内の各部で形成される樹脂補強部における未硬化樹脂の硬化の程度をさらに均一にすることができる。これにより、さらに接合信頼性を向上させることができる。なお、ツールは、代表的には、直線状に移動される。しかしながら、各接続領域内に電極をジグザグに設けたような場合には、それに応じて、ツールをジグザグに移動させることも可能である。同様に、電極の配置によっては、ツールを、円弧を描くように移動させたり、他の様々な形状の軌跡で移動させたりすることができる。
ここで、接合材は、フィルム状に成形した状態で、各電極の間に供給するのが好ましい。これにより、単純な作業で接合材を供給することが可能となる。その結果、より構造の簡単な機械を使用して接合材を供給することが可能となり、コストダウンが図れる。また、製造のタクトタイムを容易に短縮できる。さらに、例えば塗布により接合材を供給する場合と比較すると、接続領域内の各部で接合材の厚みを容易に均一化することができる。これにより、接続領域内の各部の樹脂補強部の強度を均一化することができ、基板間の接続の信頼性を向上させることができる。更に、フィルム状に成形した接合材は、塗布により供給されるペースト状の接合材よりも一般に粘度が高いため、第1基板と第2基板の接続領域が接合材により固定され、加熱ツールを移動させる際の第1基板と第2基板との位置ずれが起りにくい。
一方、本発明に係る電極接合構造体の製造方法は、(i)複数の第一電極を含む第一電極群が設けられた第一接続領域を有する第一面および第一面の反対側の第二面を有するフレキシブルな第一基板を供給する工程、(ii)複数の第一電極に対応する複数の第二電極を含む第二電極群が設けられた第二接続領域を有する第二基板を供給する工程、(iii)第一電極群および第二電極群の少なくとも一方に、はんだ粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材を供給する工程、(iv)第一電極群と第二電極群との位置を合わせて、接合材を介して、第一電極群と第二電極群とを対向させる工程を含む。
そして、上記製造方法は、(v)第二面の第一接続領域に対応する押圧領域に当接させる加熱ツールを使用する。加熱ツールにより、一つ以上の第一電極を、対応する一つ以上の第二電極に向かって加圧するとともにはんだ粒子が溶融する温度に加熱する接合処理を実行する。そして、一つ以上の第一電極の処理位置から接合処理が未実行の他の一つ以上の第一電極の処理位置まで、ツールを移動させながら順次接合処理を実行する。
本発明に係る電極接合構造体の製造システムは、フレキシブルな第一基板を、第二基板に実装して、電極接合構造体を製造するシステムに関する。このとき、同様に、第一基板は、複数の第一電極を含む第一電極群が設けられた第一接続領域を有する第一面および第一面の反対側の第二面を有しており、第二基板は、複数の第一電極に対応する複数の第二電極を含む第二電極群が設けられた第二接続領域を有している。本システムは、第二基板を支持するステージと、第一電極群および第二電極群の少なくとも一方に、はんだ粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材を供給する接合材供給ユニットと、第一電極群と第二電極群との位置を合わせて、接合材を介して、第一電極群と第二電極群とを対向させるように、ステージに支持された第二基板に対して第一基板を配置する配置ユニットとを備えている。
上記システムは、さらに、第二面の第一接続領域に対応する押圧領域に当接させる加熱ツールと、接合処理ユニットと、を有する。そして、加熱ツールにより、一つ以上の第一電極を、対応する一つ以上の第二電極に向かって加圧するとともに、はんだ粒子が溶融する温度に加熱する接合処理を実行する。そして、その一つ以上の第一電極の処理位置から接合処理が未実行の他の一つ以上の第一電極の処理位置まで、ツールを移動させながら順次実行する。
ここで、ツールの押圧領域との当接部は、面取りされているのが好ましい。これにより、第一基板を損傷することなく、ツールを押圧領域に一定の加圧力で当接させながら、スムーズに移動させることができる。よって、ツールの等速移動および一定の加圧力での加圧が容易になし得る。したがって、基板間の接続の信頼性を容易に向上させることができる。また、ツールと押圧領域との間の摩擦力が低減されるので、フレキシブルな第一基板が摩擦力により引き延ばされて第一電極と第二電極との間で位置ずれが生じるのを効果的に防止することができる。
さらに、スムーズなツールの移動という観点からは、ツールの押圧領域との当接部に回転体を設けるのも好ましい。
さらに、スムーズなツールの移動という観点からは、ツールの押圧領域との当接部に回転体を設けるのも好ましい。
さらにまた、本発明に係る電極接合構造体の製造システムにおいては、ツールの押圧領域との当接部に、第一温度を有する高温部と、その高温部と断熱材を間に挟んで隣り合う、第一温度よりも低い第二温度を有する低温部とを含ませてもよい(図13参照)。このとき、低温部を、高温部よりも、ツールの移動方向における前側に配置する。これにより、あらかじめ低温部により押圧領域を加圧した後で、高温部により加圧しながら加熱することができる。その結果、低温部では、対向する電極間により効果的にはんだ粒子を補足でき、高温部では、十分な加圧力を加えながらはんだ粒子を加熱して、十分な強度の接合部を形成することが可能となる。また、未硬化樹脂として、硬化が非常に速いアクリル系の樹脂を使用したような場合にも、未硬化樹脂中のはんだ粒子に十分な加圧力を加えることが可能となる。そして、そのような硬化が速い樹脂を使用することで、樹脂補強部の形成をより迅速に完了することが可能となり、生産性を大きく向上させることができる。
また、上記製造システムの他の形態としては、ツールが、押圧領域との当接部が一端部にある軸体を含み、その軸体の他端部が、当接部よりも、ツールの移動方向における前側に位置するように、軸体が、押圧領域の法線方向に対して傾斜しているのも好ましい(図14参照)。これにより、加圧するよりも先に、軸体の他端部により、予め未硬化樹脂を加熱することが可能となる。その結果、硬化は遅いが、硬化樹脂の物性がより良好な樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等を未硬化樹脂として使用したような場合にも、より速やかに樹脂補強部を形成することが可能となる。これにより、良好な基板間の接続の信頼性と、良好な生産性とを両立させることも可能となる。
ここで、接合処理ユニットは、ツールの押圧領域に対する加圧力を一定にするための加圧力一定化機構を含むのが好ましい。そのような加圧力一定化機構は、加圧力を発生するアクチュエータと、加圧力を検出するセンサと、センサの検出値に基づいてアクチュエータを制御するフィードバック制御部とから構成することができる。
上記製造方法は、第一基板が電子部品モジュールの基板であり、第二基板が各種電子機器のメイン基板もしくはマザーボードである場合に好適に適用できる。
上記製造方法または製造システムによれば、第一電極群が設けられた第一接合領域を有するフレキシブルな第一基板と、第一電極群に対応する第二電極群が設けられた第二接合領域を有する第二基板と、第一接合領域と第二接合領域とを電気的に接続する、導電性粒子による接合部(例えばはんだ接合部)とを具備する接続信頼性の高い電極接合構造体を効率よく得ることができる。例えば、第1基板が、電子部品モジュールに含まれ、第2基板がマザーボードに含まれる場合、接続信頼性の高い電子部品モジュール付マザーボードが得られる。そして、得られた電極接合構造体のはんだ接合部は、樹脂部分(樹脂補強部)と、樹脂部分に分散する金属部分とを含む。金属部分は、互いに直交する長径aと短径bを有する偏平形状を有し、かつ長径の方向が、一方向に配向している。
上記のような形状の金属部分が得られるのは、第一電極をこれに対応する第二電極に向かって加圧するとともに加熱する接合処理を、最初の第一電極の処理位置から、接合処理が未実行の他の第一電極の処理位置まで加熱ツールを移動させながら順次実行するためである。接合処理中、溶融はんだは、熱硬化性樹脂中で、加熱ツールにより、加熱ツールの移動方向と平行な方向に引き伸ばされる。その後、凝固した固化はんだ(すなわち金属部分)の基板表面に平行な形状は、第一基板および第二基板の面方向に引き伸ばされた偏平形状であり、かつ長径aと短径bを有する細長い形状(例えば長円形)となる。
図16に示すように、各接続領域ARCよりも大きい面積の押圧面を有する加熱ツール102を使用して、接続領域ARCの全体を同時に加圧する場合、はんだ接合部の金属部分の形状は、加圧面から見ると円形になっている。円形の金属部分は、電極間にドット状の接合部を形成しやすく、電極間の接合強度を高めるには限界がある。一方、長径aと短径bを有する細長い形状の金属部分は、電極間に帯状の接合部を形成できるため、電極間の接合強度を高めるのに有利である。さらに、長径aと平行な方向に印加される引っ張り応力または収縮応力に対して、極めて強い構造が得られる。
ここで、金属部分の長径aと短径bとの比:a/bは、1.2〜10であることが好ましく、1.5〜7であることがより好ましく、1.5〜5であることが更に好ましい。a/b比を1.2以上とすることで、電極間の接合強度を高める効果が顕著となる。また、長径aと平行な方向に印加される引っ張り応力または収縮応力に対する抵抗力も十分に高められる。ただし、a/b比を大きくするためには、接合処理中の加熱ツールの移動速度を大きくする必要があり、加熱ツールの移動速度が大き過ぎると、接合材が接続領域ARCからはみ出し易くなる。従って、a/b比は10以下とすることが好ましい。
電極接合構造体の好ましい形態においては、第一電極群を構成する複数の第一電極は、それぞれ直線形状(例えばストライプ状)であり、かつ互いに平行に第一接続領域に配列されており、第二電極群を構成する複数の第二電極も、それぞれ直線形状であり、かつ互いに平行に第二接続領域に配列されている。第一電極と第二電極の長手方向も互いに平行である。そして、はんだ接合部の金属部分の長径aの配向方向と、第一電極の長手方向および第二電極の長手方向とが成す角度の絶対値は、60〜90°である。このような構造であれば、第一電極と第二電極の長手方向が、金属部分の長径aと大きな角度で交わることから、各電極と金属部分との接触面積が大きくなり、剥離強度がより高くなる。
はんだ接合部において、樹脂部分と金属部分との合計に占める、樹脂部分の割合は80〜99.8体積%であることが好ましく、90〜99.5体積%であることが更に好ましい。金属部分の体積割合を上記範囲に制御することで、隣接する第一電極間または第二電極間で短絡が生じることを防止しつつ、信頼性の高いはんだ接合部を形成することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1に、本発明の一実施形態に係る電極接合構造体の製造システムの一例である製造ラインの構成をブロック図により示す。
図1に、本発明の一実施形態に係る電極接合構造体の製造システムの一例である製造ラインの構成をブロック図により示す。
図示例のライン10は、携帯電子機器のメイン基板に液晶表示モジュール等の電子部品モジュールを実装するためのラインであり、メイン基板をラインに供給する基板供給ユニット1、およびメイン基板に接合材を供給する接合材供給ユニット2を備える。基板供給ユニット1により供給されるメイン基板は、コンベア12により搬送されるステージ14の上に載置される。
ライン10は、さらに、第二基板を含む電子部品モジュールをラインに供給するモジュール供給ユニット3を備える。モジュール供給ユニット2により供給される電子部品モジュールは、接合材が供給されたメイン基板に対して、所定の位置関係でステージ14の上に載置される。すなわち、第一基板であるメイン基板の第一電極群(基板電極)と、電子部品モジュールの第二電極群(モジュール電極)との位置合わせが行われ、接合材を介して、第一電極群と第二電極群とが対向するように、電子部品モジュールが供給される。らに、ライン10は、接合材によりメイン基板とモジュール基板とを接続する熱圧着ユニット4、並びに、その接続により形成された電極接合構造体(電子部品モジュール付基板)を回収する回収ユニット5とを備える。
図2および図3に、第一基板および第二基板の一例をそれぞれ示す。
図2に示すように、第一基板の一例であるメイン基板16には、CPU16aやコンデンサ16b等の各種電子部品が実装されている。そして、メイン基板16の一端部寄りの部分は、複数個の基板電極20(第一電極群)が設けられた接続領域ARC1を形成している。そして、接続領域ARC1に設けられた複数の基板電極20には、それぞれ配線16cが繋げられている。なお、図2においては、メイン基板16の表面に設けられた配線は図示を省略している。
図2に示すように、第一基板の一例であるメイン基板16には、CPU16aやコンデンサ16b等の各種電子部品が実装されている。そして、メイン基板16の一端部寄りの部分は、複数個の基板電極20(第一電極群)が設けられた接続領域ARC1を形成している。そして、接続領域ARC1に設けられた複数の基板電極20には、それぞれ配線16cが繋げられている。なお、図2においては、メイン基板16の表面に設けられた配線は図示を省略している。
一方、図3に示すように、例えば液晶表示モジュールとして構成された電子部品モジュール18は、第二基板の一例としてのモジュール基板22と、モジュール基板22に実装された液晶駆動部18aと、液晶パネル18bとを含んでいる。そして、モジュール基板22の一端部寄りの部分は、複数個のモジュール電極24(第二電極群)が設けられた接続領域ARC2を形成している。
次に、図4を参照して、接合材供給ユニット3により、第一基板の接続領域に接合材を供給する工程について説明する。
図4に、メイン基板のうち、接続領域の近傍の部分だけを上面図により拡大して示す。図示例では、フィルム状に成形され、所定形状(例えば、長方形)に裁断された接合材32が、接続領域ARC1と重なるように、メイン基板16の上に載置されている。フィルム状に成形された接合材32は、例えば、メイン基板16の上方を縦横に移動可能であり、昇降可能な吸引ノズルを利用して行うことができる。
図4に、メイン基板のうち、接続領域の近傍の部分だけを上面図により拡大して示す。図示例では、フィルム状に成形され、所定形状(例えば、長方形)に裁断された接合材32が、接続領域ARC1と重なるように、メイン基板16の上に載置されている。フィルム状に成形された接合材32は、例えば、メイン基板16の上方を縦横に移動可能であり、昇降可能な吸引ノズルを利用して行うことができる。
フィルム状の接合材32は、導電性粒子であるはんだ粒子32aと、未硬化の熱硬化性樹脂32bとを、混練して調製した混合物を、フィルム状に形成することにより得られる。このような接合材32は、異方性導電性接着剤として機能する。すなわち、圧力の印加方向に沿った導電性を対向する電極間に付与する一方、圧力の印加方向に対して垂直な方向に導電性を付与することがない。なお、接合材32の供給形態は、フィルム状の接合材32を用いる形態に限られず、ペースト状の接合材32を、例えばディスペンサにより、接続領域ARC1に塗布することで、接合材32を基板電極20のそれぞれに供給することもできる。
熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などを用いることができる。熱硬化性樹脂は、硬化剤、硬化促進剤などを含んでもよい。硬化剤としては、酸無水物、脂肪族または芳香族アミン、イミダゾールまたはその誘導体などが好ましく用いられ、硬化促進剤としては、ジシアンジアミドなどを例示できる。熱硬化性樹脂には、更に、反応性希釈剤、カーボンブラック、無機セラミックス粒子などの充填剤を含ませてもよい。熱硬化性樹脂の粘度は、例えば、反応性希釈剤や無機セラミックス粒子の含有量を変化させることにより制御してもよい。熱硬化性樹脂には、フラックスに含ませる活性剤などの成分を含ませてもよい。これにより、熱硬化性樹脂が基板の電極間に侵入しているような場合でも、溶融はんだと電極との濡れ性がより確実に確保される。
はんだの具体例としては、Sn−Bi合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Bi−Ag合金、Sn−Cu合金、Sn−Sb合金、Sn−Ag合金、Sn−Ag−Cu−Bi合金、Sn−Ag−Bi−In合金、Sn−Ag−Cu−Sb合金、Sn−Zn合金、Sn−Zn−Bi合金などが挙げられるが、特に限定されるものではない。上記のSnをベース材料とするはんだ以外では、例えば金はんだを用いてもよい。
図5および図6に、熱圧着ユニットの内部構造を示す。
図5では、メイン基板16および電子部品モジュール18が、ステージ14に載置され、コンベア12により、熱圧着ユニット4の内部にまで搬送された状態を上面図により示している。図6は、その状態の正面図である。
図5では、メイン基板16および電子部品モジュール18が、ステージ14に載置され、コンベア12により、熱圧着ユニット4の内部にまで搬送された状態を上面図により示している。図6は、その状態の正面図である。
図5および図6に示すように、熱圧着ユニット4の内部には、加熱ツール26が設けられている。加熱ツール26の下端部には、ツールヘッド28が取り付けられている。加熱ツール26には、アクチュエータ72により加圧力が付与される。アクチュエータ72には、エアシリンダ、油圧シリンダ、電動機等を使用することができる。例えば、アクチュエータに、エアシリンダまたは油圧シリンダを使用することで、加熱ツール26による加圧力を容易に一定にすることができる。また、アクチュエータとして電動機を使用する場合には、ツールヘッド28が取り付けられる加熱ツール26の先端部(下端部)に、加圧力センサ74を設け、その検出値をフィードバック制御部76に入力し、フィードバック制御することで、容易に加圧力を一定とすることができる。
フィードバック制御部76は、フィードバック制御の補償器の設計ツール(例えば、The MathWorks社製のプログラム)を使用することで、パソコン等により容易に実現し得る。
図7に、ツールヘッドを拡大して示す。ツールヘッド28は、台座28aと、当接部30とを含んでいる。当接部30の角部には、面取り部30aが形成されている。これにより、モジュール基板22を損傷することなく、第二基板であるモジュール基板22の押圧領域に、当接部30を一定の加圧力で当接させながら、加熱ツールをスムーズに移動させることができる。よって、加熱ツールの等速移動および一定の加圧力での加圧が容易になし得る。したがって、基板間の接続の信頼性を容易に向上させることができる。
次に、図8〜図10を参照して、加熱ツールを使用して、電極間に、樹脂部分(樹脂補強部)および樹脂部分に分散する金属部分を有するはんだ接合部を形成する工程について説明する。なお、これらの図では、熱圧着ユニットのツールヘッドだけを図示し、加熱ツールの本体については、図示を省略している。
図8では、接続領域ARC1にある各基板電極20と、接続領域ARC2にある各モジュール電極24とが対向するように配置されている。このとき、ツールヘッド28は、第一電極群である複数の基板電極20から選択された1つ以上の第一電極の上方に位置している。この位置が接合処理の最初の処理位置となる。接合処理の開示時において、ツールヘッド28の当接部30は、一定温度(例えば150〜250℃)まで加熱されていることが望ましい。これにより、最初の処理位置においても、熱硬化性樹脂を十分に硬化させることができ、はんだ粒子32aの迅速な溶融を達成することができる。
次に、図9に示すように、上記最初の処理位置で、モジュール基板22の接続領域ARC2の反対側の面(すなわち第二面)における押圧領域ARPの一端部に、一定の加圧力(例えば0.5〜1.5Paの加圧力)で、当接部30が押し当てられる。
その結果、図10に示すように、最初の処理位置に対応する押圧領域ARP(図では第二基板22の一端部)の下側に存在する接合材32が加圧されるとともに加熱される。これにより、加熱されたはんだ粒子32aが溶融し、溶融はんだ36が形成される。そして、溶融はんだ36の周囲の部分に存在する未硬化樹脂32bの硬化反応が進行して、硬化物による樹脂補強部34が形成される。
図10の状態から、ツールヘッド28を図の矢印の方向に、一定の速度VT(例えば1mm/秒≦VT≦10mm/秒)で移動させる。すなわち、ツールヘッド28を、最初の第一電極の処理位置から接合処理が未実行の他の第一電極の処理位置まで移動させる。これにより、図11に示すように、接続領域ARC2にある全てのモジュール電極24と、対応する基板電極20とが、固化はんだ38により接合される。また、接合材32中の全ての未硬化樹脂32bが硬化されて、はんだ接合部の樹脂部分である樹脂補強部34が形成される。以上のようにして、メイン基板16と、電子部品モジュール18のモジュール基板22とが接続される。
図12に、上記のような熱圧着処理により形成されるはんだ接合部の金属部分(すなわち固化はんだ)の形状を模式的に示す。図12に示すように、固化はんだ38は、加熱ツール26の移動方向(図中に矢印で示す方向)に沿って引き伸ばされた形状を有している。すなわち、固化はんだ38は、第一電極である基板電極20および第二電極であるモジュール電極24の面方向に引き伸ばされた偏平形状である。そして、固化はんだ38は、第一電極20の長手方向に対してほぼ90°で交わる長径aと、長径aに垂直な短径bと、を有する長円形となる。なお、第一電極20の長手方向と、固化はんだの長径aとが成す角度は、ほぼ直角であることが好ましいが、例えば60°以上の鋭角であればよい。
(実施形態2)
図13に、本発明の他の一実施形態に係る製造システムに使用される加熱ツールのツールヘッドを正面図により示す。
図示例のツールヘッド40は、実施形態1のツールヘッド28と同様に、台座40aと、当接部42とを備えている。ツールヘッド40の当接部42は、断熱材42aにより、高温部42bと、低温部42cとに区分されている。断熱材42aの材料は、特に限定されないが、例えば、耐熱性の高いグラスウール、ロックウール、セルロースファイバ、および炭化コルク等の繊維系断熱材や、フェノールフォーム等の発泡系断熱材を使用することができる。断熱材42aの厚みは特に限定されないが、例えば1〜5mmとすることができる。
図13に、本発明の他の一実施形態に係る製造システムに使用される加熱ツールのツールヘッドを正面図により示す。
図示例のツールヘッド40は、実施形態1のツールヘッド28と同様に、台座40aと、当接部42とを備えている。ツールヘッド40の当接部42は、断熱材42aにより、高温部42bと、低温部42cとに区分されている。断熱材42aの材料は、特に限定されないが、例えば、耐熱性の高いグラスウール、ロックウール、セルロースファイバ、および炭化コルク等の繊維系断熱材や、フェノールフォーム等の発泡系断熱材を使用することができる。断熱材42aの厚みは特に限定されないが、例えば1〜5mmとすることができる。
高温部42bは、例えば、実施形態1の当接部30と同程度の温度に加熱するのが好ましい。低温部42cは、高温部42bよりも低い温度であればよいが、高温部42bとの温度差が、例えば50℃以上である所定温度まで加熱される。なお、当接部42にも、実施形態1と同様に、面取り部を形成することができる。また、高温部42bだけを部分的に加熱する方法の一例としては、フィラメント等の熱源を高温部42bのみに埋め込むことが挙げられる。または、加熱ツール26等に熱源を設置し、その熱源により加熱される熱媒体の循環流路を、高温部42b側だけに形成してもよい。
そして、低温部42cは、加熱ツール26の移動方向で、高温部42bよりも前側(図13で右側)に配される。低温部42cを加熱ツール26の移動方向(図に矢印により示す方向)の前側に配置することで、先に低温部42cによりモジュール基板22を加圧し、その後で、高温部42bによりモジュール基板22を加熱することができる。その結果、未硬化樹脂として、硬化が非常に速いアクリル系の樹脂を使用したような場合にも、未硬化樹脂に含ませたはんだ粒子に、十分な加圧力を加えながら加熱して、十分な強度の接合部を形成することが可能となる。そして、そのような硬化が速い樹脂を使用することで、樹脂補強部の形成を迅速に完了することが可能となり、生産性を大きく向上させることができる。
(実施形態3)
図14に、本発明のさらに他の一実施形態に係る製造システムに使用される加熱ツールのツールヘッドを正面図により示す。
図示例のツールヘッド44は、実施形態1のツールヘッド28と同様に、台座44aと、当接部46とを備えている。ツールヘッド44の当接部46は、台座44aの下面に、傾斜するように設けられた軸体48の先端部(下端部)に形成されている。軸体48は、軸体48の根本の部分(上端部)が、当接部46よりも、加熱ツール26の移動方向(図に矢印により示す方向)における前側に位置するように、押圧領域の法線方向に対して傾斜している。
図14に、本発明のさらに他の一実施形態に係る製造システムに使用される加熱ツールのツールヘッドを正面図により示す。
図示例のツールヘッド44は、実施形態1のツールヘッド28と同様に、台座44aと、当接部46とを備えている。ツールヘッド44の当接部46は、台座44aの下面に、傾斜するように設けられた軸体48の先端部(下端部)に形成されている。軸体48は、軸体48の根本の部分(上端部)が、当接部46よりも、加熱ツール26の移動方向(図に矢印により示す方向)における前側に位置するように、押圧領域の法線方向に対して傾斜している。
図示例のツールヘッド44によれば、当接部46により押圧領域を加圧するよりも先に、軸体48の上端部により予め未硬化樹脂が加熱される。したがって、硬化は遅いが、硬化物の物性がより良好な樹脂(例えばエポキシ樹脂等)を熱硬化性樹脂として使用したような場合にも、加圧の前に樹脂の加熱を開始することができる。よって、より速やかに樹脂補強部を形成することが可能となる。これにより、より高い基板間の接続の信頼性と、より高い生産性とを両立させることも可能となる。
(実施形態4)
図15に、本発明のさらに他の一実施形態に係る製造システムに使用される加熱ツールのツールヘッドを側面図により示す。
図示例のツールヘッド50は、実施形態1のツールヘッド28と同様に、台座50aと、当接部52とを備えている。ツールヘッド52の当接部52は、台座50aにより軸支される1以上の回転体54を含んでいる。回転体54の周面の移動方向は、第二基板の押圧領域に沿って移動する加熱ツールの移動方向と平行である。
図15に、本発明のさらに他の一実施形態に係る製造システムに使用される加熱ツールのツールヘッドを側面図により示す。
図示例のツールヘッド50は、実施形態1のツールヘッド28と同様に、台座50aと、当接部52とを備えている。ツールヘッド52の当接部52は、台座50aにより軸支される1以上の回転体54を含んでいる。回転体54の周面の移動方向は、第二基板の押圧領域に沿って移動する加熱ツールの移動方向と平行である。
図示例のツールヘッド54によれば、当接部52とツールヘッドとの摩擦力を効果的に低減することができるため、スムーズに加熱ツール26を移動させることができる。
本発明によれば、第一基板の第一電極群と第二基板の第二電極群とを導電性粒子および熱硬化性樹脂を含む接合材で接合する際に、荷重のばらつきが発生しにくく、また、熱硬化性樹脂の硬化により形成される樹脂補強部にボイドが生じるのを防止することができる。よって、例えば、フレキシブル基板を含む電子部品モジュールと、各種電子機器のメイン基板との接続を、高い信頼性で実現できる。本発明は、特に携帯型電子機器や、精密性が要求される電子機器の製造に有用である。
1:基板供給ユニット、2:接合材供給ユニット、3:モジュール供給ユニット、4:熱圧着ユニット、10:ライン、16:メイン基板、18:電子部品モジュール、20:基板電極、22:モジュール基板、24:モジュール電極、26:加熱ツール、28,40,44,50:ツールヘッド、30,42,46,52:当接部、32:接合材、32a:はんだ粒子、32b:未硬化樹脂、34:樹脂補強部、38:はんだ接合部、48:軸体、54:回転体、72:アクチュエータ、74:加圧力センサ、76:フィードバック制御部、ARC1,ARC2:接続領域、ARP:押圧領域
Claims (7)
- 第一電極群が設けられた第一接続領域を有するフレキシブルな第一基板と、
前記第一電極群に対応する第二電極群が設けられた第二接続領域を有する第二基板と、
前記第一接続領域と前記第二接続領域とを電気的に接続するはんだ接合部と、を具備し、
前記はんだ接合部が、樹脂部分と、前記樹脂部分に分散する金属部分とを含み、
前記金属部分は、互いに直交する長径aと短径bを有する偏平形状を有し、かつ前記長径の方向が、一方向に配向している、電極接合構造体。 - 前記金属部分の前記長径aと前記短径bとの比:a/bが、1.2〜10である、請求項1記載の電極接合構造体。
- 前記金属部分の前記長径aと前記短径bとの比:a/bが、1.5〜5である、請求項1記載の電極接合構造体。
- 前記第一電極群を構成する複数の第一電極が、それぞれ直線形状であり、かつ互いに平行に前記第一接合領域に配列されており、
前記第二電極群を構成する複数の第二電極が、それぞれ直線形状であり、かつ互いに平行に前記第二接合領域に配列されており、
前記長径aの配向方向と、前記複数の第一電極の長手方向および前記複数の第二電極の長手方向とが成す角度の絶対値が、60〜90°である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極接合構造体。 - 前記樹脂部分と前記金属部分との合計に占める、前記樹脂部分の割合が80〜99.8体積%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極接合構造体。
- 前記樹脂部分と前記金属部分との合計に占める、前記樹脂部分の割合が90〜99.5体積%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極接合構造体。
- 前記第一基板が電子部品モジュールに含まれ、前記第二基板がマザーボードに含まれている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極接合構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012089588A JP2013219249A (ja) | 2012-04-10 | 2012-04-10 | 電極接合構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012089588A JP2013219249A (ja) | 2012-04-10 | 2012-04-10 | 電極接合構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013219249A true JP2013219249A (ja) | 2013-10-24 |
Family
ID=49591011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012089588A Pending JP2013219249A (ja) | 2012-04-10 | 2012-04-10 | 電極接合構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013219249A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220076002A (ko) * | 2020-11-30 | 2022-06-08 | 한국생산기술연구원 | 열가압 접합장치 |
-
2012
- 2012-04-10 JP JP2012089588A patent/JP2013219249A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220076002A (ko) * | 2020-11-30 | 2022-06-08 | 한국생산기술연구원 | 열가압 접합장치 |
KR102513154B1 (ko) * | 2020-11-30 | 2023-03-24 | 한국생산기술연구원 | 열가압 접합장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10373927B2 (en) | Connection body and method of manufacturing connection body | |
US9999123B2 (en) | Connection structure of circuit member, connection method, and connection material | |
JP2007149815A (ja) | 電子部品接続構造および電子部品接続方法 | |
KR20110089088A (ko) | 배선 기판 접속 방법, 회로 기판, 및 배선 기판 접속 장치 | |
JP7369756B2 (ja) | 接続体及び接続体の製造方法 | |
KR20160114054A (ko) | 접속체 및 접속체의 제조 방법 | |
KR101969248B1 (ko) | 접속체의 제조 방법, 전자 부품의 접속 방법, 접속체 | |
WO2010016170A1 (ja) | 圧着装置、圧着方法、実装体および押圧板 | |
JP5857233B2 (ja) | 電極接合方法、電極接合構造体の製造方法、および電極接合構造体の製造システム | |
KR20010030334A (ko) | 이방성 도전접속체 및 제조방법 | |
JP2013219249A (ja) | 電極接合構造体 | |
CN108391374A (zh) | 一种采用转接板进行表贴元器件焊接的工艺 | |
WO2013121858A1 (ja) | 接続体の製造方法、及び接続方法 | |
US20160255716A1 (en) | Manufacturing method of electronic component, electronic component, and manufacturing apparatus of electronic component | |
TWI581972B (zh) | A method of manufacturing a connecting body, and a method of connecting an electronic component | |
JP5113390B2 (ja) | 配線間接続方法 | |
JP6257303B2 (ja) | 接続体の製造方法、接続方法、及び接続体 | |
JP7122084B2 (ja) | フレキシブル回路基板、接続体、接続体の製造方法、フレキシブル回路基板の設計方法 | |
JP2008147474A (ja) | 電極接合方法及び電極接合構造体 | |
JP6783537B2 (ja) | 接続体の製造方法 | |
KR100791265B1 (ko) | 언더필 공정을 이용한 카메라모듈의 연성인쇄회로기판접합방법 | |
JP6094871B2 (ja) | 電子部品実装方法 | |
JP6536968B2 (ja) | 接続材料 | |
JP6393039B2 (ja) | 接続体の製造方法、接続方法及び接続体 | |
JP6106366B2 (ja) | 異方性導電材料を用いた接続方法 |