JP2013218160A - 投射光学系および画像投射装置並びに光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化と光学性能の維持とを両立させた投射光学系及びそれを有する投射光学系および画像投射装置並びに光学機器を提供する。
【解決手段】樹脂からなる光学素子としてのプリズムを介した光が入射する、複数のレンズを有する投射光学系であって、投射光学系の光軸方向において、複数のレンズのうち最も拡大共役側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、プリズムの厚さをtとするとき、t/L>0.1を満たし、プリズムの温度変化に伴うピント移動を、複数のレンズの温度変化に伴うピント移動で補償する。
【選択図】図1

Description

本発明は投射光学系および画像投射装置並びに光学機器に関し、例えば液晶パネル(画像変調素子)に基づく投射像原画をスクリーン面上に拡大投影する液晶プロジェクタに好適なものである。
樹脂材料は、射出成形による大量生産が可能なことや、非球面形状化によるレンズ性能向上が可能なことなどから、高性能化・低コスト化を実現するレンズ素子材料として大きく発展してきた。しかし、樹脂材料は一般のガラス材料に比べると、温度に伴う屈折率変化が激しい。したがって、温度条件の変化に伴って、特にピントの移動が問題になる場合が多く、これまで樹脂材料をレンズに用いた場合の温度補償を行う技術が開発されてきた。
特許文献1は、プラスチックレンズを用いた場合の温度補償の考え方を提示したもので、構成レンズの焦点距離と材料温度係数を所定の条件に入れる「温度消し」の条件を示している。特許文献2は正屈折力の樹脂レンズと負屈折力の樹脂レンズを同時に用いることで、温度変化をキャンセルする条件を示したものである。
特公昭61−34644号公報 特開2005−181993号公報
最近パソコン・ビデオなどの画像を大画面に投影して見ることができる装置として、プレゼンテーションや家庭での映画鑑賞などにプロジェクタが広く利用されてきている。これに伴い、手軽に持ち運びができるよう、小型軽量化の要求が大きい。特に、近年LEDやレーザーなどの小型光源の進歩が著しく、これと相まって一層の小型軽量化が進められている。
しかしながら、反射型の画像変調素子(DMDやLCOSなど)を用いたプロジェクタでは、その素子の前に光路変更のためのプリズムを配置する必要がある。また透過型の画像変調素子であっても、色合成を行う場合などは素子の後にプリズムを配置する必要がある。画像投射装置であるプロジェクタにおいては、画像変調素子近傍のプリズムが不可欠であって、このために小型軽量化が阻害され、特にガラスプリズムでは重量が非常に重く、軽量化を妨げる大きな要因となっていた。
この問題を解決するために樹脂プリズムを用いることが考えられるが、厚い樹脂プリズムでは、屈折力がない(焦点距離が∞)ものの、温度変化に伴う屈折率変化により、ピント移動が無視できなくなることを、本願発明者は認識するに至った。
本発明の目的は、軽量化と光学性能の維持とを両立させた投射光学系および画像投射装置並びに光学機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係わる投射光学系の代表的な構成は、樹脂からなる光学素子としてのプリズムを介した光が入射する、複数のレンズを有する投射光学系であって、前記投射光学系の光軸方向において、前記複数のレンズのうち最も拡大共役側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、前記プリズムの厚さをtとするとき、t/L>0.1を満たし、前記プリズムの温度変化に伴うピント移動を、前記複数のレンズの温度変化に伴うピント移動で補償したことを特徴とする。
また、本発明に係わる投射光学系の他の代表的な構成は、入射面と出射面の少なくとも一方にレンズ面を備え、かつ、前記入射面と前記出射面の間にプリズム成分を備える樹脂からなる光学素子、を介した光が入射する、複数のレンズを有する投射光学系であって、前記投射光学系の光軸方向において、前記複数のレンズのうち最も拡大共役側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、前記光学素子のプリズム成分の厚さをtとするとき、t/L>0.1を満たし、前記プリズム成分の温度変化に伴うピント移動を、前記複数のレンズおよび前記光学素子のレンズ面の温度変化に伴うピント移動で補償したことを特徴とする。
また画像投射装置も本発明の他の一側面を構成する。
更に、本発明に係わる光学機器の代表的な構成は、樹脂からなる光学素子としてのプリズムと、前記プリズムの光出射側もしくは光入射側に複数のレンズを備える光学系と、を有する光学機器であって、前記光学系の光軸方向において、前記複数のレンズのうち最も拡大共役側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、前記プリズムの厚さをtとするとき、t/L>0.1を満たし、前記プリズムの温度変化に伴うピント移動を、前記複数のレンズの温度変化に伴うピント移動で補償したことを特徴とする。
更に、本発明に係わる光学機器の他の代表的な構成は、入射面と出射面の少なくとも一方にレンズ面を備え、かつ、前記入射面と前記出射面の間にプリズム成分を備える樹脂からなる光学素子と、前記光学素子の光出射側もしくは光入射側に複数のレンズを備える光学系と、を有する光学機器であって、前記光学系の光軸方向において、前記複数のレンズのうち最も拡大共役側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、前記プリズムの厚さをtとするとき、t/L>0.1を満たし、前記プリズム成分の温度変化に伴うピント移動を、前記複数のレンズおよび前記レンズ面の温度変化に伴うピント移動で補償したことを特徴とする。
本発明によれば、軽量化と光学性能の維持とを両立させた投射光学系および画像投射装置並びに光学機器を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る投射光学系の光学構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る投射光学系を構成するレンズ系の収差図である。 本発明の第2の実施形態に係る投射光学系の光学構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る投射光学系を構成するレンズ系の収差図である。 本発明の第3の実施形態に係る投射光学系の光学構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る投射光学系を構成するレンズ系の収差図である。 本発明の実施形態に係るプリズムで発生するピント移動の説明図である。 本発明の実施形態に係る投射光学系を有する画像投射装置の説明図である。
以下に、本発明の実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
《第1の実施形態》
(画像投射装置)
図8に、本発明の実施形態に係る投射光学系を有する画像投射装置であって、反射型の画像変調素子を用い、色合成系として各色の光路に、夫々2個のプリズムとしての偏光ビームスプリッター(PBS)が設けられた画像投射装置を示す。図8において、1は光源であり、本実施形態では高圧水銀ランプを用いている。2は放物面リフレクタ、3は第1レンズアレイ、4は第2レンズアレイ、5は偏光変換素子、6はコンデンサレンズである。これらは、照明手段を構成する。ここで、レンズアレイとは、複数の微小なレンズが配列された光学素子のことである。
7は色分離素子としてのダイクロイックミラー、8は不要な偏光光をカットする偏光板、9は偏光分離面でP偏光光を透過し、S偏光光を反射する偏光ビームスプリッター(PBS)であり、偏光分離面には偏光分離膜が積層されて形成されている。10は位相板、11はG光を光変調するG用の画像変調素子である。光源1からの光で照明される画像変調素子として、具体的には反射型液晶表示素子LCOS、DMD素子(DLP)などが挙げられる。13は偏光板、14はB光のみに作用し、その偏光方向を90°回転させる波長選択性位相板である。
15は偏光分離面でP偏光光を透過し、S偏光光を反射する偏光ビームスプリッター(PBS)、16は位相板、17はB光を光変調するB用の画像変調素子(第1の反射型画像変調素子)である。18は位相板、19はR光を光変調するR用の画像変調素子(第2の反射型画像変調素子)である。20はR光のみに作用し、その偏光方向を90°回転させる波長選択性位相板、12は偏光分離面でP偏光光を透過し、S偏光光を反射する偏光ビームスプリッター(PBS)、21は投射光学系である。3色の画像変調素子11、17、19からの光は合成されて、投射光学系21を介して、画像が投射面(スクリーン面)に投射される。
(投射光学系)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る投射光学系の光学構成を示す。図1で、拡大共役側は被投射面側であり、縮小共役面は画像変調素子(パネル)側である。図1に示すように、本実施形態では拡大共役側(図面左)より順に9枚のレンズG1乃至G9と、プリズムPRで構成される。即ち、プリズムPRの光出射側に複数のレンズが設けられる。9枚のレンズは全てガラス製であり、プリズムは樹脂材料でできている。
本図面では、3色の画像変調素子からの光を合成するための光路を形成するプリズムは、ただのブロックとして図示されているが、例えば反射型液晶(LCOS)の場合には、上述したように色毎に設けられる2個のPBS(偏光ビームスプリッタ)が相当する。また、DMD素子の場合は1個の全反射プリズム、3板式の透過型液晶パネルの場合には1個のクロスダイクロプリズムがこれに相当する。
ここで、表1に、本実施形態の数値実施例を記載する。表中、面番号は拡大共役側より順に各レンズの面に付した番号で、rは曲率半径、dは面間隔(次の面との物理的間隔)、n、νはガラス材料のd線の屈折率およびアッベ数を示している。
(レンズの温度変化に伴うピント移動)
ここで、温度変化に伴うピント移動について説明を行う。光学材料の屈折率は温度によって変化するが、あるレンズの温度が基準温度(20℃乃至25℃)から単位温度だけ変化したとする。すると、変化前の屈折率をn、焦点距離をfとし、温度変化後に屈折率がn´となった場合、その焦点距離f´は以下の式で表される。
即ち、単位温度あたりの屈折力変化量Δφは、以下の式で表される。
このとき、温度変化が単位温度であるから、以下の式が成立する。
ここで、以下のように定義する。
すると、単位温度あたりの屈折力変化量Δφは、以下の簡単な式で表されることになる。
これは色収差と同様の考え方であって、係数τは、温度のアッベ数とでも呼ぶべきものになる。即ち、τが大きい値ほど単位温度あたりの屈折力変化が少なく、小さい値ほど単位温度あたりの屈折力変化が大きいことを表す。また、Δφが正の値の場合(τとfが同符号)は、ピントが元の像点よりも手前(アンダー側)にずれ、負値の場合(τとfが逆符号)は奥(オーバー側)にずれる。
今、拡大共役側から第k番目のレンズの焦点距離を全系の焦点距離fで規格化した規格化焦点距離をf、温度係数をτとする。このとき、無限遠方からレンズ第1面で光線高=1で入射した瞳近軸光線が、k番目のレンズを通過する光線高の縮小共役側と拡大共役側の平均値をhとする。すると、レンズ全系における単位温度あたりのピント変動量ΔPlensは下式で得られる。ここで、fは全系の焦点距離である。
このΔPlensが正の値の場合は、ピントが元の像点よりも手前(アンダー側)にずれ、負値の場合は奥(オーバー側)にずれる。そしてΔPlens=0が所謂「温度消し」の条件、すなわちピント移動ゼロの条件となる。但し、上式はレンズ系の全てのレンズを厚さゼロの薄レンズとして扱ったものであって、プリズムのような屈折力の無い光学エレメントは考慮されていない。
これは、構成エレメントが無機ガラス材料だけの場合や、レンズ全長に対して厚さが十分薄いとみなせる樹脂プリズムを用いている場合には、ほぼ問題がない。実際に従来のガラスプリズムを用いていた場合には、そのピント変動に与える影響は、他のレンズに比べるとほぼ無視できる量であった。
(厚い樹脂プリズムの温度変化に伴うピント移動)
しかしながら、レンズ系で最も拡大共役側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、樹脂プリズムの厚さをtとするとき、t/L>0.1を満たす厚さtを有した樹脂プリズムを含む場合には、上記のレンズのみによる温度消しでは不十分であることが分かった。これは、樹脂プリズムによって生じるピント移動が、無視できない量であることに起因する。以下、プリズムによって生じるピント移動について、図7を用いて説明する。図中、左より光軸に対する角度θで入射してきた光線は、プリズムによって屈折される。プリズム入射後の光線は、温度変化前後で異なり、温度変化前が実線、変化後が点線で図示されている。
温度変化前の光線は、入射後θ´の角度でプリズム内を進む一方、温度変化後の光線はプリズム内を角度θ´で進む。プリズム出射後、2つの光線は再び角度θとなって空気中を進み、光軸(図中一点鎖線)に到達するが、プリズム内での角度差から到達点が異なる。この量ΔPprismが、全てのプリズムにおける単位温度あたりのピント変動量である。図より、プリズム出射時の光線高の変化Δhは、以下の式で表される。
一方、屈折則から以下の式が成立する。
これより、ΔPprismは、以下のように表される。
温度変化が単位温度である場合は、前出の定義より、n´=n+dn/dtとなる。一般的に樹脂材料のdn/dtは負の値であることから、n´<nとなる。すなわち温度上昇すると屈折角が小さくなるためΔPprismは正の値、即ち図7に示されているように常に手前(アンダー側)にピントが移動する。樹脂プリズムが複数ある場合には、単純に加算される。即ち、第m番目の樹脂光学エレメントにmの添字を付して、以下の式で表される。
即ち、レンズ全系に対して無視できない厚さtの樹脂プリズムが存在する場合の「温度消し」の条件は、上記ΔPprismも考慮して、以下の式が成立することである。
但し、この条件を厳密に満たすことが必ずしも必要十分条件ではなく、許容深度などを考慮し、以下の式を満たすように設計を行うことで、樹脂プリズムのピント移動をレンズ系のピント移動で十分補償することができる。
ここで、レンズ全系における単位温度あたりのピント変動量ΔPlensに対し、所定の温度変化に対するレンズ全系におけるピント変動量をΔPaとする。また、全てのプリズムにおける単位温度あたりのピント変動量ΔPprismに対し、所定の温度変化に対する全てのプリズムにおけるピント変動量をΔPbとすると、以下の式となる。
−1.3 < △Pb/△Pa < −0.7
より高精細で深度が狭いようなプロジェクタでは、更に好ましくは、以下の式を満たすように設計を行うべきである。
所定の温度変化に対しては、以下の式となる。
−1.1 < △Pb/△Pa < −0.9
前述した通り、ΔPprismは正の値になるので、ΔPlensは負の値、即ちオーバー側に「温度出し」されるように設計を行わなければならない。表2は、本実施形態のdn/dt、τ、f、h、h /τを、各エレメント毎に示したものである。dn/dtは単位温度あたりの温度屈折率変化係数(×10−6)で、τは前記の定義による温度アッベ数、fは全系の焦点距離fで規格化された各エレメントの焦点距離である。また、hは、無限大(∞)遠方からレンズ第1面に光線高h=1で入射した瞳近軸追跡光線の、各レンズの縮小共役側面と拡大共役側面における光線高の平均値を示す。
表2に示す通り、屈折力が無いにもかかわらず、樹脂プリズムによるピントずれ量ΔPprismは非常に大きい。本実施形態では、プリズム以外が全て無機ガラス材料で構成されているため、ほぼ全てのレンズをオーバー側に温度出しするようガラス材料を選定する必要がある。これにより、レンズ系全体でプリズムのアンダー方向のピント移動を補償して、投射光学系としてのピント移動を打ち消している。具体的には、単位温度上昇時のピント移動量を0.036μmと非常に小さい値として実現している。
因みに、無機ガラス材料で温度出しを行う場合には、G5/6のような接合レンズを積極的に用いると効果的である。即ち、接合レンズの各レンズが同じ方向に温度出しを行うようガラスを選定することで、合成のパワーを抑えつつ、強い温度出しを行うことが可能だからである。オーバー方向に温度出しを行う場合には、負レンズとしてランタンクラウン系やランタンフリント系のガラス材料を、正レンズにリン酸クラウン、またはフッケイ酸クラウン系のガラスを用いると特に強い温度出しを行うことができる。
これをアッベ数で表現すれば正屈折力をもつもののアッベ数をν、負屈折力をもつもののアッベ数をνとしたとき、以下の範囲であることが好ましい。
30 < ν < 60
60 < ν
更に好ましくは、以下の範囲とすることで、オーバー方向に強い温度出しを行うことが可能になる。
35 < ν < 55
75 < ν
前述したガラス材料を正負逆に適用すれば、逆にアンダー方向に温度出しを行うこととなる。また、当然のことであるが、このような「温度出し」接合レンズは、色収差にも大きく影響を与えるものであるから、その点も考慮して位置やパワーを決める必要がある。
ΔPlens=−6.240 [μm]
ΔPprism=6.276 [μm]
ΔPlens/ΔPprism = −0.994
ΔPlens+ΔPprism = 0.036 [μm]
t/L = 0.305
図2に、本実施形態の収差図を図示する。本実施形態によれば、樹脂プリズムを用いながらも温度消しを実現しつつ、好適に収差が補正されていることが分かる。
《第2の実施形態》
本発明の第2の実施形態の数値例を表3に挙げ、断面図を図3に示す。本実施形態では、拡大共役側より順に6枚のガラスレンズG1乃至G6、樹脂プリズムPR、正屈折力の樹脂レンズG7が配列された構成となっている。第1の実施形態と大きく異なるところは、樹脂プリズムPRの後方に正屈折力の樹脂レンズG7を接合配置した点である。この樹脂レンズG7は、オーバー方向の温度出し効果があるため、樹脂プリズムPRのアンダー方向の温度ピント移動を補償する効果がある。
また、縮小共役側の面を非球面形状とすることで、第1の実施形態に対して更なる性能向上と枚数削減を達成している。表3において、面番号の右側に*が付記されている面は、以下の関数に従った非球面形状であることを示し、表にその係数を示している。yは径方向の座標、xは光軸方向の座標を示す。
x = (y /R)/[1+{1−(1+K)(y/R)}1/2
+ Ay+By+Cy+Dy10+Ey12
表4は、本実施形態の温度補償関係を示しており、レンズ系を構成する全てのレンズ(
ガラスレンズG1乃至G6と、樹脂レンズG7)の温度出し効果によって、プリズムのピント移動を相殺し、投射光学系の全系で温度補償を成り立たせている。本実施形態では、樹脂レンズG7によって、ガラスレンズ系の温度出し負担が軽減され、より収差性能に重きを置いた設計を可能にしており、これも枚数削減の要因の1つになっている。その他の構成および作用については、第1の実施形態と同じであり、詳細説明は省略する。本実施形態の性能を示す収差図を、図4に示す。
ΔPlens=−4.547 [μm]
ΔPprism=5.379 [μm]
ΔPlens/ΔPprism = −0.845
ΔPlens+ΔPprism = 0.832 [μm]
t/L = 0.225
《第3の実施形態》
本実施形態の数値例を表5に挙げ、断面図を図5に示す。本実施形態は、第2の実施形態の変形例であり、第2の実施形態の樹脂プリズムPRと樹脂レンズG7とを一体化した光学素子の構成にしている。一体化することにより、部品点数を削減することができ、低コスト化、鏡筒構成の簡便化などの効果がある。温度補償関係に関しては、表6に示している。本実施形態では、レンズ系を構成するレンズ(G1乃至G6)、および光学素子G7’の図中右側のレンズ面)と、樹脂プリズム成分(G7’の図中右側曲面に対する基台部)と、を備える。
本実施形態においては、単体としての樹脂プリズムが無くなり、樹脂プリズム成分とレンズ面(レンズ成分を形成)が一体化した光学素子G7’(樹脂プリズム成分が正屈折力の光学素子の一部を構成)が両方の作用を兼用することになる。即ち、光学素子G7’については、ΔPlensの項ではレンズ成分として計算され、ΔPprismの項ではプリズム成分として計算される。本実施形態の収差図を図6に示す。
ΔPlens=−7.681 [μm]
ΔPprism=6.4552 [μm]
ΔPlens/ΔPprism = −1.190
ΔPlens+ΔPprism = −1.226 [μm]
t/L = 0.269
(変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(変形例1)
例えば、樹脂は、温度変化による膨張あるいは収縮によってもピント位置が移動する。よって、樹脂プリズムまたはプリズム成分の屈折率変化によるピント移動のみでなく、樹脂プリズムまたはプリズム成分の膨張や収縮等によるピント移動も含めた樹脂プリズムまたはプリズム成分のピント移動を、レンズのピント移動で補償するのがより好ましい。
(変形例2)
上記第3の実施形態では、光学素子G7’について入射面である縮小共役側の面のみレンズ面としたが、出射面である拡大共役側(反対側)の面のみレンズ面としても良く、あるいは縮小共役側の面および拡大共役側(反対側)の面をレンズ面としても良い。
(変形例3)
上述した実施形態では、光学機器として光学素子(プリズム、プリズム成分)の光出射側に複数のレンズを備えた画像を拡大する画像投射装置について述べたが、本発明はこれに限らない。即ち、物体側、像側を逆にして、光学素子(プリズム、プリズム成分)の光入射側に複数のレンズを備え、光学機器として被写体を縮小結像する撮像光学系を備える撮像装置にも適用できる。この場合、上述した実施形態における拡大共役側は、被写体側(物体側)、縮小共役側が撮像素子側となる。
1・・光源、9・・プリズムとしての偏光ビームスプリッター(PBS)、11・・G用の画像変調素子、12、15・・プリズムとしての偏光ビームスプリッター(PBS)、17・・B用の画像変調素子、19・・R用の画像変調素子、21・・投射光学系、G1〜G7・・レンズ、PR・・樹脂プリズム

Claims (12)

  1. 樹脂からなる光学素子としてのプリズムを介した光が入射する、複数のレンズを有する投射光学系であって、
    前記投射光学系の光軸方向において、前記複数のレンズのうち最も拡大共役 側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、前記プリズムの厚さをtとするとき、
    t/L>0.1を満たし、
    前記プリズムの温度変化に伴うピント移動を、前記複数のレンズの温度変化に伴うピント移動で補償したことを特徴とする投射光学系。
  2. 入射面と出射面の少なくとも一方にレンズ面を備え、かつ、前記入射面と前記出射面の間にプリズム成分を備える樹脂からなる光学素子、を介した光が入射する、複数のレンズを有する投射光学系であって、
    前記投射光学系の光軸方向において、前記複数のレンズのうち最も拡大共役側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、前記光学素子のプリズム成分の厚さをtとするとき、
    t/L>0.1を満たし、
    前記プリズム成分の温度変化に伴うピント移動を、前記複数のレンズおよび前記光学素子のレンズ面の温度変化に伴うピント移動で補償したことを特徴とする投射光学系。
  3. 前記光学素子は、3色の画像変調素子からの光を合成するための光路に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の投射光学系。
  4. 前記複数のレンズは、全てガラス製であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投射光学系。
  5. 前記プリズムは正屈折力の樹脂レンズと接合して一体化されることを特徴とする請求項1に記載の投射光学系。
  6. 前記プリズムの温度変化に伴う屈折率変化によるピント移動量をΔPaとし、前記複数のレンズの温度変化に伴うピント移動量をΔPbとするとき、
    −1.3 < △Pb/△Pa < −0.7
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の投射光学系。
  7. 前記プリズムの温度変化に伴う屈折率変化によるピント移動量をΔPaとし、前記複数のレンズの温度変化に伴うピント移動量をΔPbとするとき、
    −1.1 < △Pb/△Pa < −0.9
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の投射光学系。
  8. 前記プリズム成分の温度変化に伴う屈折率変化によるピント移動量をΔPaとし、前記複数のレンズおよび前記レンズ面の温度変化に伴うピント移動量をΔPbとするとき、
    −1.3 < △Pb/△Pa < −0.7
    を満たすことを特徴とする請求項2に記載の投射光学系。
  9. 前記プリズム成分の温度変化に伴う屈折率変化によるピント移動量をΔPaとし、前記複数のレンズおよび前記レンズ面の温度変化に伴うピント移動量をΔPbとするとき、
    −1.1 < △Pb/△Pa < −0.9
    を満たすことを特徴とする請求項2に記載の投射光学系。
  10. 画像変調素子と、
    前記画像変調素子を照明する照明手段と、
    前記画像変調素子により変調された光を投射面に投射する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の投射光学系と、
    を有することを特徴とする画像投射装置。
  11. 樹脂からなる光学素子としてのプリズムと、
    前記プリズムの光出射側もしくは光入射側に複数のレンズを備える光学系と、
    を有する光学機器であって、
    前記光学系の光軸方向において、前記複数のレンズのうち最も拡大共役側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、前記プリズムの厚さをtとするとき、
    t/L>0.1を満たし、
    前記プリズムの温度変化に伴うピント移動を、前記複数のレンズの温度変化に伴うピント移動で補償したことを特徴とする光学機器 。
  12. 入射面と出射面の少なくとも一方にレンズ面を備え、かつ、前記入射面と前記出射面の間にプリズム成分を備える樹脂からなる光学素子と、
    前記光学素子の光出射側もしくは光入射側に複数のレンズを備える光学系と、
    を有する光学機器であって、
    前記光学系の光軸方向において、前記複数のレンズのうち最も拡大共役側のレンズ面から縮小共役面までの距離をL、前記プリズムの厚さをtとするとき、
    t/L>0.1を満たし、
    前記プリズム成分の温度変化に伴うピント移動を、前記複数のレンズおよび前記レンズ面の温度変化に伴うピント移動で補償したことを特徴とする光学機器。
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