JP2013217789A - 熱電トランスデューサーおよび熱電トランスデューサーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】変換効率を高めた熱電トランスデューサーを提供する。
【解決手段】流量センサー(熱電トランスデューサー)1は、減圧された空洞部100bが形成されているシリコン基板100と、前記空洞部100bを閉塞している上層部(酸化シリコン膜)100dと、前記酸化シリコン膜の表面に設けられた熱線(熱電変換部)11と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】流量センサー(熱電トランスデューサー)1は、減圧された空洞部100bが形成されているシリコン基板100と、前記空洞部100bを閉塞している上層部(酸化シリコン膜)100dと、前記酸化シリコン膜の表面に設けられた熱線(熱電変換部)11と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は熱エネルギーと電気エネルギーの変換を行う熱電トランスデューサーおよび熱電トランスデューサーの製造方法に関する。
従来、SON(Silicon On Nothing)構造を有する半導体センサーが知られている。特許文献1には、シリコン基板に空洞を形成し、空洞の蓋に相当する部分に発熱抵抗体を設けることで、断熱効果を高めたエアフローセンサーが記載されている。
しかし、特許文献1に記載されたエアフローセンサーでは、発熱抵抗体が設けられる基板の蓋に相当する部分は、シリコンと酸化シリコンの二層構造になっている。このため、酸化シリコンと発熱抵抗体の下にあるシリコン層が寄生容量を形成し、感度を低下させるという問題がある。
本発明は熱電トランスデューサーの変換効率を高めることを目的の1つとする。
(1)上記目的を達成するための熱電トランスデューサーは、減圧された空洞部が形成されているシリコン基板と、前記空洞部を閉塞している酸化シリコン膜と、前記酸化シリコン膜の表面に設けられた熱電変換部と、を備える。本発明によると、熱電変換部と空洞部の間には酸化シリコン膜のみが存在するため、熱電変換部と空洞部の間に寄生容量が生じない。また、標準大気圧に対して減圧された空洞部と酸化シリコン膜とによって熱電変換部が断熱される。したがって、変換効率が高い熱電トランスデューサーを実現することができる。
(2)上記目的を達成するための熱電トランスデューサーにおいて、前記熱電変換部は導電膜でもよい。この構成を採用することにより製造コストを低減することができる。
(3)上記目的を達成するための熱電トランスデューサーの製造方法は、減圧された空洞部をシリコン基板に形成し、前記空洞部を閉塞しているシリコン膜の全体を熱酸化することにより酸化シリコン膜を形成し、前記酸化シリコン膜の表面に熱電変換部を形成する、ことを含む。本発明によると、熱電変換部と空洞部の間に寄生容量が生じない熱電トランスデューサーを製造できる。また、標準大気圧に対して減圧された空洞部と酸化シリコン膜とによって熱電変換部を断熱できる。したがって、変換効率が高い熱電トランスデューサーを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら以下の順に説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施例
図1は本発明の第一実施例としての流量センサー1を示している。流量センサー1は、基板100の表面に形成された熱線11に電流を流して発熱させ、流体への放熱に伴う熱線11の電気抵抗の変化を電圧として取り出す熱線式流量センサーである。
図1は本発明の第一実施例としての流量センサー1を示している。流量センサー1は、基板100の表面に形成された熱線11に電流を流して発熱させ、流体への放熱に伴う熱線11の電気抵抗の変化を電圧として取り出す熱線式流量センサーである。
基板100には減圧された空洞部100bが形成されている。空洞部100bの気圧は真空が好ましい。真空にすることによって空洞部100bの熱伝導率が低くなるため、流量センサー1の感度が高まる。
空洞部100bは膜部100cによって閉塞されている。膜部100cを含む基板100の上層部100dは酸化シリコンからなり、基板100のその他の部分はシリコンからなる。膜部100cは5μm以下の薄膜であって、薄いほどよく、例えば0.5μmとする。薄くするほど膜部100cの熱容量が小さくなるため、流量センサー1の感度が高まる。酸化シリコンからなる上層部100dの厚さは、膜部100c以上に厚ければよい。空洞部100bの高さは1μm以上が望ましく、高くするほど断熱効果が高まるとともに、熱線11と基板100の下層部によって形成される寄生容量を低減できる。基板100全体の厚さは剛性等を考慮して適宜定めればよい。
熱線11は白金等の導電膜からなる。熱線11の平面視パターンは蛇行させることが好ましい。熱線11の厚さは適宜設定すれば良く、例えば0.1μmとする。
熱線11には定電流電源回路13と出力回路12が接続される。定電流電源回路13によって熱線11に電流が流れると電気抵抗によって熱線11が発熱する。熱線11の周囲の流体に熱を奪われることによって熱線11の電気抵抗が変化する。熱線11の電気抵抗の変化は出力回路12に電圧の変化として入力され、出力回路12によって流量を示す信号に変換される。
次に図2および図3に基づいて流量センサー1の製造方法を説明する。
はじめに図2Aに示すように、シリコンからなる基板100の表面に所定パターンの保護膜101を形成する。
はじめに図2Aに示すように、シリコンからなる基板100の表面に所定パターンの保護膜101を形成する。
次に図2Bに示すように、保護膜101の開口部から露出している基板100の領域にRIE(Reactive Ion Etching)によって複数の溝又は孔100aを形成する。溝又は孔の幅(直径)と間隔は例えばそれぞれ2μm、深さは10μmとする。ここで形成される溝又は孔の形状が空洞部100bの形状を規定する。
次に、保護膜101を除去した後に、酸素が存在しない減圧した雰囲気において基板100を加熱する。その結果、シリコン原子が基板100の表面積を最小化するように図2C、図2Dに示すように流動し、空洞部100bおよび膜部100cが形成される。温度条件は例えば1100℃とする。雰囲気は真空または水素ガスとする。このときの雰囲気が空洞部100bの圧力と組成を規定する。温度が常温に戻ると空洞部の圧力は通常上記雰囲気の圧力よりも下がることになる。すなわち、空洞部100bは減圧され、基板100の表面と平行に形成された膜部100cによって閉塞されることになる。膜部100cは複数の溝又は孔100aが配置されていなかった領域で基板100と一体に連結されている。
次に図3Aに示すように基板100の上層部100dを熱酸化する。このとき、膜部100c全体が酸化されるように加熱時間を設定する。その結果、膜部100cが酸化シリコン膜となる。なお、加熱時間は膜部100cの厚さ以上に深い領域まで基板100が酸化されるように設定すれば良く、膜部100cの厚さと酸化される領域の深さとを一致させる必要はない。
次に図3Bに示すように膜部100cの表面にスパッタ法、蒸着法等によって所定パターンの熱線11を形成する。
その後に基板100をダイシングし、図1に示すように定電流電源回路13および出力回路12を熱線11に接続すると流量センサー1が完成する。なお、定電流回路13および出力回路12は基板100とともにパッケージしても良いし、基板100とは別にパッケージしても良い。
以上説明した本発明の第一実施例によると、膜部100cの全体が酸化シリコンからなり、シリコンからなる基板100の下層部と熱線11との間には空洞部100bが形成されているため、基板100の下層部と熱線11との間の寄生容量が実質的に形成されない。このため、シリコンと絶縁層からなる二層構造の膜部の表面に熱線を設ける場合に比べて流量センサー1の感度が高まる。また、空洞部100bの熱伝導率と熱容量はシリコンおよび酸化シリコンよりも遥かに低いため、空洞部が無い場合に比べて流量センサー1の熱が基板側へ逃げることを防ぐことができ、流量センサー1の感度を高めることができる。また、酸化シリコンの熱伝導率はシリコンの熱伝導率よりも遙かに小さいため、膜部100cがシリコンの単層構造またはシリコンと酸化シリコンの二層構造である場合に比べて流量センサー1の感度が高まる。
2.第二実施例
図4は、本発明の第二実施例としての熱音響素子2である。熱音響素子2は、基板100の表面に形成された導電膜15に交流電源回路14を接続して熱の振動を発生させ、熱音響現象による音波を発生させる。導電膜15はタングステン等からなる。
図4は、本発明の第二実施例としての熱音響素子2である。熱音響素子2は、基板100の表面に形成された導電膜15に交流電源回路14を接続して熱の振動を発生させ、熱音響現象による音波を発生させる。導電膜15はタングステン等からなる。
熱音響素子2は、膜部100cの全体が酸化シリコンからなり、シリコンからなる基板100の下層部と導電膜15との間には空洞部100bが形成されているため、基板100の下層部と導電膜15との間の寄生容量が実質的に形成されない。このため、シリコンと絶縁層からなる膜部の表面に導電膜を設ける場合に比べて、熱音響素子2の変換効率が高まる。また、空洞部100bの熱伝導率が低いため、空洞部が無い場合に比べて熱音響素子2の熱が基板側へ逃げることを防ぐことができ、熱音響素子2を高い精度で制御することができる。また、酸化シリコンの熱伝導率はシリコンの熱伝導率よりも遙かに小さいため、膜部100cがシリコンの単層構造またはシリコンと酸化シリコンの二層構造である場合に比べて熱音響素子2を高い精度で制御することができる。
3.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態で示した材質や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態で示した材質や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。
例えば、熱電変換部は、単層の導電膜に限らず、熱エネルギーと電気エネルギーの変換を行うものであればどのような構造であってもよい。PZT等の圧電膜を用いた焦電型赤外センサーを上記膜部の上に形成してもよい。
また、熱電トランスデューサーの製造方法は、上述した方法に限らない。例えばシリコン基板に空洞部になる凹部をエッチングによって形成した後に、酸化シリコンの基板で凹部を閉塞し、その後に酸化シリコンの基板を薄く加工しても良い。また例えば、シリコン基板に空洞部になる凹部をエッチングによって形成した後に、犠牲層によって凹部を埋めて平坦化し、犠牲層の表面に酸化シリコン膜を積層し、その後に犠牲層を除去しても良い。
また、熱電トランスデューサーの製造方法は、上述した方法に限らない。例えばシリコン基板に空洞部になる凹部をエッチングによって形成した後に、酸化シリコンの基板で凹部を閉塞し、その後に酸化シリコンの基板を薄く加工しても良い。また例えば、シリコン基板に空洞部になる凹部をエッチングによって形成した後に、犠牲層によって凹部を埋めて平坦化し、犠牲層の表面に酸化シリコン膜を積層し、その後に犠牲層を除去しても良い。
1…流量センサー、2…熱音響素子、11…熱線、12…出力回路、13…定電流電源回路、14…交流電源回路、15…導電膜、100…基板、100b…空洞部、100c…膜部、100d…上層部、101…保護膜
Claims (3)
- 減圧された空洞部が形成されているシリコン基板と、
前記空洞部を閉塞している酸化シリコン膜と、
前記酸化シリコン膜の表面に設けられた熱電変換部と、
を備える熱電トランスデューサー。 - 前記熱電変換部は導電膜である、
請求項1に記載の熱電トランスデューサー。 - 減圧された空洞部をシリコン基板に形成し、
前記空洞部を閉塞しているシリコン膜の全体を熱酸化することにより酸化シリコン膜を形成し、
前記酸化シリコン膜の表面に熱電変換部を形成する、
ことを含む熱電トランスデューサーの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2012089121A JP2013217789A (ja) | 2012-04-10 | 2012-04-10 | 熱電トランスデューサーおよび熱電トランスデューサーの製造方法 |
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JP2012089121A Pending JP2013217789A (ja) | 2012-04-10 | 2012-04-10 | 熱電トランスデューサーおよび熱電トランスデューサーの製造方法 |
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- 2012-04-10 JP JP2012089121A patent/JP2013217789A/ja active Pending
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