JP2013217723A - 光学特性計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

光学特性計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回折格子を用いて得られる干渉縞に基づいて、被検光学系の波面情報に関する光学特性を効率的に計測する。
【解決手段】投影光学系の光学特性を求める計測方法であって、計測用レチクルから射出された光を投影光学系及び回折格子を通過させて干渉縞を形成するステップ104と、干渉縞の光強度分布を空間的にフーリエ変換し、得られたフーリエ変換成分から0次光成分を中心とする所定半径の円の内部の空間周波数成分を抽出するステップ106〜110と、その円の内部の空間周波数成分を逆フーリエ変換して投影光学系の瞳面における光量分布を求めるステップ112,114と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、被検光学系の波面情報に関する光学特性を計測する光学特性計測技術、この光学特性計測技術を用いる露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造方法に関する。
半導体デバイス等を製造するためのリソグラフィー工程で使用される露光装置においては、解像度を高めるために露光光の短波長化が進み、最近では、露光光としてArF又はKrFエキシマレーザのような遠紫外域から真空紫外域にかけての波長のレーザ光を用いる露光装置が使用されている。さらに、波長が100nm程度以下の軟X線を含む極端紫外光(Extreme Ultraviolet Light:以下、EUV光という)を露光光として用いる露光装置(EUV露光装置)も開発されている。これらの露光装置においては、投影光学系の波面収差を高精度に計測する必要がある。
従来の波面収差の計測装置として、投影光学系の物体面に一つ若しくは複数のピンホール等を配置し、このピンホール等から発生する球面波等を投影光学系及び直交する方向に周期性を持つ2次元の回折格子に通し、この回折格子から発生する複数の回折光による横ずれした波面の干渉縞を撮像素子で受光するシアリング干渉方式の計測装置が知られている。このような計測装置における従来の干渉縞の解析方法として、干渉縞から発生する特定次数の回折光を用いて波面情報を抜き出すフーリエ変換法が知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
また、従来の別の干渉縞の解析方法として、2次元の回折格子とピンホール等とを所定の経路に沿って2次元的に相対移動しながら干渉縞の複数の画像を検出し、得られた複数の画像から2つの方向のシアリング波面を求め、この2つのシアリング波面から元の波面を復元する位相シフト法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
M. Takeda, H. Ina and S. Kobayashi, "Fourier-transform method of fringe-pattern analysis for computer-based topography and interferometry": J. Opt. Soc. Am. /Vol.72, No. 1/ pp. 156-160 (1982) K. A. Goldberg and J. Bokor, "Fourier-transform method of phase-shift determination": APPLIED OPTICS /Vol.40, No. 17/ pp.2886-2894 (2001)
特開2011−108696号公報
従来のシアリング干渉方式の計測装置において、フーリエ変換法又は位相シフト法で元の波面を復元する際には、予め例えば投影光学系の像面に配置されて、投影光学系の瞳面(射出瞳と共役な面)と共役な面における光量分布を計測可能な別の計測装置を用いて、その瞳面又はその近傍にある開口絞りの開口の像の形状(有効計測エリア)を求めておくことが好ましい。
しかしながら、このように別の計測装置を用いて有効計測エリアを求める場合には、計測装置の交換時間等が必要になるため、投影光学系の波面収差の計測時間が長くなる恐れがあった。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、回折格子を用いて得られる干渉縞に基づいて、被検光学系の光学特性を効率的に計測することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、被検光学系の光学特性を求める計測方法が提供される。この光学特性計測方法は、光射出部から射出された光を被検光学系及び該被検光学系の上流側又は下流側に配置された回折格子を通過させて干渉縞を形成し、その干渉縞の光量分布を空間的にフーリエ変換し、得られたフーリエ変換情報からその回折格子の0次光成分を含む所定の空間周波数成分を抽出し、その所定の空間周波数成分を逆フーリエ変換してその被検光学系の射出瞳と共役な面又はこの近傍の面よりなる第1面の光量分布の情報を求めるものである。
また、第2の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、その投影光学系の光学特性を計測するために、第1の態様の光学特性計測方法を用いる露光方法が提供される。
また、第3の態様によれば、被検光学系の光学特性を求める計測装置が提供される。この光学特性計測装置は、その被検光学系の上流側又は下流側に配置された回折格子と、その被検光学系及びその回折格子を通過する光を射出する光射出部と、その被検光学系及びその回折格子を通過した光によって形成される干渉縞の光量分布を検出する検出器と、その検出器で検出された光量分布を空間的にフーリエ変換し、得られたフーリエ変換情報からその回折格子の0次光成分を含む所定の空間周波数成分を抽出する第1演算と、その第1演算により抽出されたその所定の空間周波数成分を逆フーリエ変換してその被検光学系の射出瞳と共役な面又はこの近傍の面よりなる第1面の光量分布の情報を求める第2演算とを行う演算装置と、を備えるものである。
また、第4の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、その投影光学系の光学特性を計測するために、第3の態様の光学特性計測装置を備える露光装置が提供される。
また、第5の態様によれば、第2の態様の露光方法又は第4の態様の露光装置を用いて感光性基板を露光することと、その露光された感光性基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、その所定の空間周波数成分を逆フーリエ変換して光量分布を求めているため、回折格子を用いて得られる干渉縞に基づいて、被検光学系の波面情報に関する光学特性を効率的に計測できる。
(A)は第1の実施形態に係る特性計測装置を備えた露光装置を示す図、(B)は図1(A)中の演算装置を示すブロック図である。 (A)は図1中の投影光学系及び計測本体部を示す図、(B)は図2(A)のピンホールアレーの一部を示す拡大図、(C)は計測用レチクルの別のパターンの例の一部を示す拡大図、(D)は図2(A)の回折格子の一部を示す拡大図、(E)は図2(A)の干渉縞の一例を示す図である。 投影光学系の光学特性の計測動作の一例を示すフローチャートである。 (A)は複数の回折光により形成される干渉縞の一例を示す図、(B)は図4(A)の干渉縞の光強度分布に対応する空間周波数成分を示す図、(C)は0次光を含む空間周波数成分を逆フーリエ変換して得られる光強度分布を示す図である。 計測本体部の第1変形例を示す図である。 (A)は第2変形例に係る投影光学系及び計測本体部を示す図、(B)は図6(A)のピンホールアレーの一部を示す拡大図、(C)は計測用レチクルの別のパターンの例の一部を示す拡大図、(D)は図6(A)の回折格子の一部を示す拡大図、(E)は図6(A)中の干渉縞の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る特性計測装置の計測本体部を示す図である。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態につき図1〜図4を参照して説明する。
図1(A)は、本実施形態に係る露光装置EXの全体構成を概略的に示す。露光装置EXは、一例としてスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の投影露光装置である。図1(A)において、露光装置EXは投影光学系PO(投影ユニットPU)を備えており、以下においては、投影光学系POの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面(ほぼ水平面に平行な面)内でレチクルとウエハとが相対走査される方向(走査方向)に沿ってY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向(非走査方向)に沿ってX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸の回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx 、θy 、及びθz 方向として説明を行う。
露光装置EXは、照明系ILS、照明系ILSからの露光用の照明光(露光光)ELにより照明されるレチクルR(マスク)を保持するレチクルステージRST、レチクルRから射出された照明光ELをウエハW(基板)に投射する投影光学系POを含む投影ユニットPU、ウエハWを保持するウエハステージWST、装置全体の動作を制御するコンピュータよりなる主制御系16、及び投影光学系POの開口絞りASの像(開口像)の形状情報及び/又は波面収差情報を計測する特性計測装置80を備えている。
照明系ILSは、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、照明光学系とを含み、照明光学系は、回折光学素子又は空間光変調器等を含み通常照明、複数極照明、又は輪帯照明等のための光量分布を形成する光量分布形成光学系、オプティカルインテグレータを含む照度均一化光学系、視野絞り(固定及び可動のレチクルブラインド)、並びにコンデンサ光学系(いずれも不図示)等を有する。照明系ILSは、視野絞りで規定されたレチクルRのパターン面(下面)のX方向に細長いスリット状の照明領域IARを照明光ELによりほぼ均一な照度で照明する。
照明光ELとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。なお、照明光としては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、YAGレーザ若しくは固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波、又は水銀ランプの輝線(i線等)なども使用できる。
レチクルRはレチクルステージRSTの上面に真空吸着等により保持され、レチクルRのパターン面には、回路パターン及びアライメントマークが形成されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むステージ駆動系(不図示)によって、XY平面内で微少駆動可能であると共に、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz 方向の回転角を含む)は、レーザ干渉計よりなるレチクル干渉計72によって、移動鏡74(又は鏡面加工されたステージ端面)を介して例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計72の計測値は、主制御系16に送られる。主制御系16は、その計測値に基づいて上記のステージ駆動系を制御することで、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
図1(A)において、レチクルステージRSTの下方に配置された投影ユニットPUは、鏡筒60と、鏡筒60内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を有する投影光学系POとを含む。投影光学系POは、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有する。投影光学系POは、屈折系又は反射屈折系である。投影光学系POの瞳面PPO(射出面と共役な面)には開口数NAを規定する開口絞りASが設置されている(図2(A)参照)。なお、開口絞りASは瞳面PPOの近傍の面に配置されていてもよい。
照明系ILSからの照明光ELによってレチクルRの照明領域IARが照明されると、レチクルRを通過した照明光ELにより、投影ユニットPU(投影光学系PO)を介して照明領域IAR内のレチクルRのパターンの像が、ウエハWの一つのショット領域の露光領域IA(照明領域IARと共役な領域)に形成される。ウエハWは、例えばシリコン等からなる直径が200mmから450mm程度の円板状の基材の表面に、フォトレジスト(感光剤)を所定の厚さ(例えば数10〜200nm程度)で塗布した基板を含む。
また、本実施形態では、投影光学系POの結像特性を補正するために、例えば米国特許出願公開第2006/244940号明細書に開示されているように、投影光学系PO中の所定の複数の光学素子の光軸方向の位置、及び光軸に垂直な平面内の直交する2つの軸の回りの傾斜角を制御する結像特性補正装置2が設けられている。結像特性の補正量に応じて結像特性補正装置2を駆動することで、投影光学系POの結像特性が所望の状態に維持される。
また、露光装置EXは、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系POを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ66を保持する鏡筒60の下端部の周囲を取り囲むように、局所液浸装置の一部を構成するノズルユニット62が設けられている。ノズルユニット62は、露光用の液体Lq(例えば純水)を供給可能な供給口と、液体Lqを回収可能な多孔部材(メッシュ)が配置された回収口とを有する。ノズルユニット62の供給口は、供給流路及び供給管64Aを介して、液体Lqを送出可能な液体供給装置(不図示)に接続されている。
液浸法によるウエハWの露光時に、その液体供給装置から送出された液体Lqは、図1(A)の供給管64A及びノズルユニット62の供給流路を流れた後、その供給口より照明光ELの光路空間を含むウエハW上の液浸領域(液浸空間)に供給される。また、液浸領域からノズルユニット62の回収口を介して回収された液体Lqは、回収流路及び回収管64Bを介して液体回収装置(不図示)に回収される。なお、液浸タイプの露光装置としない場合には、上記の局所液浸装置は設けなくともよい。
また、ウエハステージWSTは、不図示の複数のエアパッドを介して、ベース盤WBのXY面に平行な上面に非接触で支持されている。また、ウエハステージWSTは、例えば平面モータ、又は直交する2組のリニアモータを含むステージ駆動系17によってX方向及びY方向に駆動可能である。露光装置EXは、ウエハステージWSTの位置情報を計測するためにレーザ干渉計よりなるウエハ干渉計76及び/又はエンコーダシステム(不図示)を含む位置計測システムを備えている。
ウエハステージWSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz 方向の回転角を含む)は、その位置計測システムによって例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出され、その計測値は主制御系16に送られる。主制御系16は、その計測値に基づいてステージ駆動系17を制御することで、ウエハステージWSTの位置及び速度を制御する。
ウエハステージWSTは、X方向、Y方向に駆動されるステージ本体70と、ステージ本体70上に搭載されたウエハテーブルWTBと、ステージ本体70内に設けられて、ステージ本体70に対するウエハテーブルWTB(ウエハW)のZ方向の位置、及びθx 方向、θy 方向のチルト角を相対的に微小駆動するZ・レベリング機構とを備えている。ウエハテーブルWTBの中央の上部には、ウエハWを真空吸着等によってほぼXY平面に平行な吸着面上に保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。
ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハホルダ上に載置されるウエハの表面とほぼ同一面となる、液体Lqに対して撥液化処理された表面(又は保護部材)を有し、かつ外形(輪郭)が矩形でその中央部にウエハホルダ(ウエハの載置領域)よりも一回り大きい円形の開口が形成された高平面度の平板状のプレート体68が設けられている。
また、ウエハステージWSTの上部に、上面がプレート対68の表面とほぼ同じ高さになるように、投影光学系POの光学特性を計測するための計測本体部8(詳細後述)が装着されている。そして、投影光学系POの光学特性計測時には、一例としてレチクルステージRSTにレチクルRの代わりに、計測用レチクル4がロードされる。特性計測装置80は、照明系ILS、計測用レチクル4、計測本体部8、計測本体部8の撮像素子14(図2(A)参照)から出力される撮像信号DSを処理して投影光学系POの光学特性情報を求める演算装置12、及び計測本体部8の動作を制御する主制御系16を有する。演算装置12は求めた光学特性情報を主制御系16に供給する。主制御系16は、必要に応じてその計測された光学特性の中の波面収差を補正するように、結像特性補正装置2を介して投影光学系POの結像特性を補正する。
さらに、露光装置EXは、レチクルR及びウエハWのアライメントを行うためのアライメント系、及びウエハWの表面のZ位置(フォーカス位置)の分布を計測するオートフォーカスセンサを有する。オートフォーカスセンサの計測値に基づいて、ウエハステージWSTのZ・レベリング機構を駆動することで、露光中にウエハWの表面を投影光学系POの像面に合焦される。
ウエハWの露光時に、基本的な動作として、ウエハWのアライメントが行われた後、ウエハステージWSTのX方向、Y方向への移動(ステップ移動)によって、ウエハWの露光対象のショット領域が投影光学系POの露光領域の手前に移動する。そして、主制御系12の制御のもとで、レチクルRのパターンの一部の投影光学系POによる像でウエハWの当該ショット領域を露光しつつ、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期して駆動し、投影光学系POに対してレチクルR及びウエハWを例えば投影倍率を速度比としてY方向に走査することによって、当該ショット領域の全面にレチクルRの転写用パターンの像が走査露光される。このようにステップ移動と走査露光とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの複数のショット領域に対して順次レチクルRのパターンの像が露光される。
このような露光に際しては、投影光学系POの光学特性が所定の許容範囲内に収まっている必要がある。そのためには、まず特性計測装置80を用いてその光学特性を高精度に計測する必要がある。本実施形態では、投影光学系POの光学特性として、一例として、投影光学系POの瞳面PPOの開口絞りASの開口の像(開口像又はこの光量分布)の形状を計測する。そして、この計測結果を用いて、投影光学系POの波面収差を計測する。
以下、本実施形態の露光装置EXが備える特性計測装置80の構成、及び投影光学系POの光学特性の計測方法につき説明する。投影光学系POの光学特性計測時には、レチクルステージRSTに計測用レチクル4がロードされる。計測用レチクル4のパターン面には、一例として複数の規則的に配列されたピンホールアレー6が形成されている。そして、投影光学系PLの露光領域に計測本体部8の上部が移動し、照明系ILSから射出された照明光ELがピンホールアレー6及び投影光学系POを介して計測本体部8に入射する。また、露光装置EXが液浸型であるときには、投影光学系POの波面収差計測時にも投影光学系POと計測本体部8との間に液体Lqを供給してもよい。ただし、液体Lqを供給することなく、投影光学系POの波面収差を計測してもよい。
図2(A)は、投影光学系POの光学特性の計測時の計測用レチクル4、投影光学系PO、及び計測本体部8の配列の一例を示す。図2(A)において、計測本体部8は、XY平面にほぼ平行に配置されて、2次元の格子パターンが形成された回折格子10と、回折格子10からの複数の回折光によるシアリング干渉の干渉縞を検出するCCD型又はCMOS型等の2次元の撮像素子14と、回折格子10及び撮像素子14を保持する保持部材(不図示)と、この保持部材に対して回折格子10をX方向及びY方向に微小量(回折格子10の1周期〜2周期程度の距離)駆動するピエゾ素子等の2軸の駆動素子9と、を備えている。駆動素子9の駆動量は図1(A)の主制御系16により制御され、撮像素子14の撮像信号DSは演算装置12に供給される。なお、後述のようにシアリング波面をフーリエ変換法で求める場合には駆動素子9を備える必要はない。一方、シアリング波面を位相シフト法で求める場合には回折格子10と計測用レチクル4とを相対移動するために駆動素子9があると有利である。しかしながら、位相シフト法を用いる場合でも、駆動素子9を備えることなく、ウエハステージWSTによって回折格子10を計測用レチクル4に対して移動するか、又はレチクルステージRSTで計測用レチクル4を移動してもよい。
図2(A)の光学系は、シアリング干渉を行うタルボ(Talbot)干渉計である。図2(A)において、投影光学系POの物体面に計測用レチクル4のピンホールアレー6が設置され、ピンホールアレー6が照明光ELで照明される。ピンホールアレー6は、計測用レチクル4の平板状のガラス基板のパターン面(下面)の金属膜よりなる遮光膜6b中に周期的に形成された複数のピンホール6Sよりなる。
図2(B)に示すように、ピンホールアレー6は、複数のピンホール6SをX方向、Y方向に周期(ピッチ)Ps/βで配列したものである。ここで、βは投影光学系POの投影倍率であり、ピンホールアレー6の投影光学系POによる像(複数のピンホールの像6SP)のX方向、Y方向の周期はPsである。なお、ピンホールアレー6のX方向、Y方向の周期は異なっていてもよい。個々のピンホール6Sの直径は、一例として以下のように回折限界以下程度である。照明光ELの波長λ、投影光学系POの物体側の開口数NAinを用いると、回折限界はλ/(2NAin)である。
ピンホール6Sの直径≦λ/(2NAin) …(A1)
ここで、波長λを193nm、開口数NAinをほぼ0.25とすると、回折限界はほぼ400nmとなるため、ピンホール6Sの直径は例えば400nm程度又はこれより小さい。実際には、一つのピンホール6Sを用いるのみでも投影光学系POの波面収差を計測できるため、一つのピンホール6Sのみを使用してもよい。ただし、このような多数のピンホール6Sが周期的に形成されたピンホールアレー6を使用することで、撮像素子14上での干渉縞の光量が大きくなるため、高いSN比でシアリング干渉方式の波面計測を行うことができる。
また、ピンホールアレー6の周期Ps/βは、例えば照明光ELの空間的コヒーレンス長以上である。照明光学系の射出側の開口数NAIL及び波長λを用いて、その空間的コヒーレンス長は、一例として高々、λ/NAILである。従って、周期Ps/βは次の条件を満たせばよい。
Ps/β≧λ/NAIL≒λ/NAin …(A2)
この場合、波長λを193nm、開口数NAinを0.25とすると、空間的コヒーレンス長はほぼ800nmとなるため、周期Ps/βは例えば800nm程度より大きければよい。ただし、後述のようにピンホールアレー6の像の周期Psは、さらに所定の条件を満たす必要があるとともに、周期Psは例えば1μm程度以上となる。この場合、投影倍率βを1/4とすると、ピンホールアレー6の周期Ps/βはほぼ4μm程度以上となり、式(A2)の条件は十分に満たされる。
なお、ピンホールアレー6の代わりに、図2(C)に示すように、例えば遮光膜中にX方向、Y方向に周期Ps/βで形成されて、X軸に対して45°傾斜した複数の正方形の開口パターン6aよりなる斜め市松格子状のパターン6Hを使用することも可能である。本実施形態では、以下で説明するように回折格子10が市松格子状であるため、パターン6Hが使用可能である。なお、開口パターン6aの幅を例えば1/2程度に小さくしてもよい。
また、図2(A)において、ピンホールアレー6の投影光学系POによる像が像面18上に形成され、この像面18から−Z方向に距離Lgの位置に回折格子10の格子面が配置され、この下方で像面18から距離Lcの位置に撮像素子14の受光面が配置される。回折格子10は、平板状のガラス基板の一面の金属膜等の遮光膜10b中にX方向、Y方向に周期的に開口パターン10aを形成したものである。
図2(D)に示すように、回折格子10の遮光膜10b中に、一例として照明光ELを通す多数のX軸に対して45°で傾斜したほぼ正方形の開口パターン10aがX方向、Y方向に周期Pgで斜め市松格子状に形成されている。ピンホールアレー6を通過した照明光ELが投影光学系POを介して回折格子10に入射し、回折格子10から発生する0次光(0次回折光)20、+1次回折光20A、及び−1次回折光20B等によって撮像素子14の受光面に、図2(E)に示すようなシアリング干渉の干渉縞(フーリエ像)22が形成される。回折格子10に関しても、X方向、Y方向の周期が異なっていてもよい。なお、回折格子10の開口パターンは斜め市松格子状の他に、通常の市松格子状に形成されていてもよい。
回折格子10の周期Pgは、回折光の所望の横ずれ量(シア量)に応じて設定されるが、例えば数100nm〜数μm程度で、例えば1μm〜数μm程度に設定される。
この場合、撮像素子14の受光面に干渉縞22が形成されるためには、回折格子10の開口パターン10aの形成面の像面18からの距離Lg、及び撮像素子14の受光面の像面18からの距離Lcは、露光波長λ、回折格子10の周期Pg、及びタルボ次数nを用いて、次の条件(タルボ条件)を満たす必要がある。なお、タルボ条件(Talbot条件)の詳細は、「応用光学1(鶴田)」(p.178-181,培風館,1990年)に記載されている。
(1/Lg)+{1/(Lc−Lg)}=λ/(2nPg2) …(A3)
なお、n=0,0.5,1,1.5,2,…である。即ち、タルボ次数nは整数又は半整数である。
本実施形態では、Lc≫Lgが成立するため、式(A3)の代わりに次の近似式を使用することができる。
Lg=2n×Pg2/λ …(A4)
さらに、撮像素子14上に干渉縞が高いコントラストで形成されるためには、ピンホールアレー6の像の周期Psは、周期Pg、距離Lg、距離Lc、及び所定の整数m(例えば2又は4)を用いて次の条件を満たす必要がある。この条件については、例えば特開2011−108696号公報に開示されている。
Ps={Pg/(1−Lg/Lc)}m …(A5)
この条件は、図2(A)において、撮像素子14上の干渉縞22上の或る点22aに、ピンホールアレー6の一つのピンホールの像6SPからの光束E1が到達する場合に、他のピンホールの像6SPからの光束E2も達する条件である。言い換えると、この条件によって、高いコントラストの干渉縞22が形成される。
なお、Lg/Lcは1よりもかなり小さい値であるため、式(A5)の代わりに次の近似式を使用してもよい。
Ps=Pg×m …(A6)
この式において周期Pgを1μm、mを2とすると、ピンホールアレー6の像の周期Psは2μmとなる。この場合、投影倍率βを1/4として、ピンホールアレー6の周期は8μmとなる。
式(A4)及び式(A6)の条件のもとで、撮像素子14の受光面に形成される干渉縞22の強度分布の情報(撮像信号SD)を図1(A)の演算装置12に取り込み、その強度分布に後述の演算を施すことで、投影光学系POの開口像、投影光学系POの波面とこれをX方向にずらした波面とのシアリング波面(以下、X方向のシア波面という)ΔWx、及び投影光学系POの波面とこれをY方向にずらした波面とのシアリング波面(Y方向のシア波面)ΔWyを求めることができる。さらに、演算装置12は、これらのシア波面ΔWx,ΔWyから投影光学系POの波面、ひいてはその波面収差を求め、この波面収差の情報及び投影光学系POの開口像の情報を主制御系16に供給する。なお、X方向及びY方向のシア波面を求める代わりに、X方向に対して45°で交差する方向及びこの方向に直交する方向のシア波面を求め、これらの直交する2つの方向のシア波面から投影光学系POの波面を求めることもできる。この場合、X方向及びY方向に45°で交差する2つの方向のシア波面からX方向及びY方向のシア波面を求めてもよい。
また、図1(B)に示すように、一例として、演算装置12は、撮像素子14から供給される撮像素子DS(検出信号)を取り込み、例えば図4(A)に示す干渉縞22の光強度分布(光量分布)を空間的にフーリエ変換してX方向及びY方向の空間周波数(fx,fy)のスペクトルSPI(図4(B)参照)を求める第1演算部12a、及びそのスペクトルSPI(フーリエ変換成分)から0次光L0を中心として所定の半径fr1の円の内部の成分である逆変換対象部LC(図4(B)参照)を抽出する第2演算部12bを有する。なお、図4(B)の空間周波数(fx,fy)の原点は、実際には例えば0次光L0の位置にあってもよい。また、演算装置12は、逆変換対象部LCを逆フーリエ変換して投影光学系POの瞳面PPOの開口絞りASの開口の像(開口像)API(図4(C)参照)の光量分布を求める第3演算部12c、並びにその光量分布の中心CP(例えば光量重心)のX方向及びY方向の座標(cx,cy)と、開口像APIの輪郭APIb(光強度がある閾値レベルよりも小さくなる位置)の中心CPからの平均的な半径rzとを求める第4演算部12dを有する。なお、開口像APIは投影光学系POの瞳像ともみなすことができる。そして、開口像APIを既知の倍率で伸縮することによって、実質的に投影光学系POの瞳面PPOにおける光量分布が得られるため、開口像APIの光量分布を求めることは、瞳面PPOにおける光量分布を求めることと等価である。
図4(B)のスペクトルSPIにおいて、0次光L0の中心から第1方向(fx軸に時計回りに45°で交差する方向)に沿った±1次回折光LA1,LA(−1)の中心までの互いに等しい距離をFA1、0次光L0の中心から第1方向に直交する第2方向に沿った±1次回折光LB1,LB(−1)の中心までの互いに等しい距離をFB1とすると、本実施形態ではFA1=FB1である。一例として次式のように、その逆変換対象部LCを規定する半径fr1をその0次光の中心と1次回折光の中心までの距離FA1(=FB1)の中央(1/2)に設定する。
fr1=FA1/2 …(A7)
これによって、逆変換対象部LCにはほぼ0次光成分のみが含まれるため、投影光学系POの開口像APIの光量分布を高精度に求めることができる。なお、得られる開口像APIの光量分布(例えばX軸(相対位置)に沿った光強度INT(相対強度))が十分に大きい場合には、逆変換対象部LCの半径rは、式(A7)のfr1より小さくしてもよい。また、±1次回折光の光量が小さい場合には、逆変換対象部LCの半径rを、式(A7)のfr1より大きくしてもよい。
図1(B)において、演算装置12は、さらに撮像信号DSからシア波面ΔWx,ΔWyを求める第5演算部12e、シア波面ΔWx,ΔWyから投影光学系POの瞳面PPOにおける光束の波面を求める第6演算部12f、及びその波面から投影光学系POの波面収差を求めて主制御系16に供給する第7演算部12gを有する。第4演算部12dで求められた開口像APIの中心CPの座標(cx,cy)及び平均的な半径rzは、有効計測エリアの形状の情報として第7演算部12gに供給されるとともに、主制御系16にも供給される。主制御系16では、開口像APIの情報から開口絞りASの開口の状態を検査できる。
また、第7演算部12gは、一例として、波面収差を表す際に使用されるツェルニケ(Zernike) 多項式の原点をその中心CPの座標(cx,cy)として、ツェルニケ多項式の半径方向の範囲を規定する円(規格化円)の半径を開口像APIの半径rzとする。そして、第7演算部12gは、そのように規定したi次(iは例えば1〜37までの整数)ツェルニケ多項式の係数(i次のツェルニケ係数Zi)によって、第6演算部12fから供給される投影光学系POの波面を表して、投影光学系POの波面収差を求める。この際に、本実施形態では、特性計測装置80の計測本体部8からの情報のみによって開口像APIの情報(中心CP及び半径)を高精度に求めることができるため、投影光学系POの波面収差をツェルニケ係数Ziを用いて効率的に、かつ高精度に求めることができる。
なお、図5の計測本体部の変形例で示すように、回折格子10は、投影光学系POの像面18の上方に距離Lgの位置に配置することも可能である。この場合には、距離Lgを負の値として扱えばよい。
以下、本実施形態の露光装置EXにおいて、特性計測装置80を用いて投影光学系POの光学特性を計測する動作の一例につき図3のフローチャートを参照して説明する。この計測動作は主制御系16によって制御される。
先ず、ステップ102において、図1(A)のレチクルステージRSTに計測用レチクル4をロードし、計測用レチクル4のピンホールアレー6を照明系ILSの照明領域に移動する。次のステップ104おいて、ウエハステージWSTを駆動し、図2(A)に示すように、計測本体部8の回折格子10の中心をピンホールアレー6の像の中心に移動する。そして、照明系ILSから計測用レチクル4に照明光ELを照射し、計測用レチクル4のピンホールアレー6から射出される照明光ELで投影光学系POを介して回折格子10を照明し、回折格子10からの複数の回折光によって計測本体部8の撮像素子14の受光面に干渉縞22を形成する。
そして、演算装置12の第1演算部12aは、撮像素子14の撮像信号SDから干渉縞22の光量分布(光強度分布)を撮像素子14の画素単位で求め(ステップ106)、さらにその光量分布を空間的にフーリエ変換して例えば図4(B)に示す空間周波数(fx,fy)のスペクトルSPIを求める(ステップ108)。さらに、第2演算部12bはそのスペクトルSPIのうちから0次光L0を中心として半径fr1の逆変換対象部LCを切り出し(ステップ110)、第3演算部12cは、逆変換対象部LCを逆フーリエ変換して例えば図4(C)に示す開口像APIの光量分布(逆フーリエ変換成分)を求め(ステップ112)、第4演算部12dは、開口像APIの中心CPの座標(cx,cy)及び平均的な半径czを求めて第7演算部12g及び主制御系16に供給する(ステップ114)。
そして、ステップ116において、演算装置12の第5演算部12eは、一例として撮像素子14の撮像素子SDから求められる干渉縞22の光量分布を空間的にフーリエ変換して得られる空間周波数(fx,fy)のスペクトルSPIから2方向の±1次回折光LA1,LA(−1),LB1,LB(−1)の成分を取り出し、これらの成分から投影光学系POのX方向、Y方向のシア波面ΔWx,ΔWyを求める。さらに、ステップ118において、第6演算部12fは、そのシア波面ΔWx,ΔWyから投影光学系POの波面を求める。これに応じて、第7演算部12gは、開口像APIの中心(cx,cy)及び半径czによって規格化した所定範囲の次数iのツェルニケ多項式を用いて、その投影光学系POの波面を表すツェルニケ係数Ziを求める。
また、第7演算部12gは、そのようにして求めたツェルニケ係数Ziを例えば予め設定されている目標値Zi0と比較することによって、投影光学系POの波面収差を求め、求めた波面収差の情報を主制御系16に供給する(ステップ120)。次のステップ122において、主制御系16は、必要に応じて、結像特性補正装置2を用いて投影光学系POの波面収差を補正する。この後、ステップ124においてレチクルステージRSTに実際の露光用のレチクルRをロードし、ステップ126においてウエハステージWSTに順次載置されるウエハWの複数のショット領域にレチクルRのパターン像を走査露光する。
この際に、特性計測装置80によって投影光学系POの波面収差を高精度に計測できるため、常に投影光学系POの結像特性を所望の状態に維持して高精度に露光を行うことができる。さらに、投影光学系POの露光領域IA内の複数の位置に計測本体部8を移動してそれぞれ開口像APIの中心の座標(cx,cy)を計測することによって、露光領域IA内での投影光学系POのテレセントリック性の精度を求めることも可能である。
本実施形態の効果等は以下の通りである。
本実施形態の特性計測装置80は、投影光学系PO(被検光学系)の光学特性を求める装置である。特性計測装置80は、投影光学系POの下流側に配置された回折格子10と、投影光学系PO及び回折格子10を通過する光を射出する計測用レチクル4(光射出部)と、投影光学系PO及び回折格子10を通過した光によって形成される干渉縞の光量分布(光強度分布)を検出する撮像素子14(検出器)と、撮像素子14により検出された光量分布を空間的にフーリエ変換し、得られたフーリエ変換情報から回折格子10からの0次光成分を中心として半径fr1の円の内部の逆変換対象部LCを抽出する演算と、その逆変換対象部LC(空間周波数成分)を逆フーリエ変換して、投影光学系POの瞳面PPO(第1面)における光量分布と等価な開口像APIの光量分布の情報(中心位置(cx,cy)及び半径cz)を求める演算とを行う演算装置12と、を備えている。
また、特性計測装置80を用いて投影光学系POの光学特性を求める計測方法は、計測用レチクル4から射出された光を投影光学系PO及び回折格子10を通過させて干渉縞22を形成するステップ104と、干渉縞22の光量分布(光強度分布)を計測し、この計測結果を空間的にフーリエ変換し、得られたフーリエ変換情報から逆変換対象部LCを抽出するステップ106〜110と、その逆変換対象部LCを逆フーリエ変換して投影光学系POの瞳面PPOにおける光量分布と等価な開口像APIの光量分布を求めるステップ112,114と、を有する。
本実施形態によれば、逆変換対象部LCの空間周波数成分を逆フーリエ変換して開口像APIの光量分布を求めているため、別途、投影光学系POの開口数情報を計測する装置等を用いることなく、回折格子10を用いて得られる干渉縞に基づいて、投影光学系POの波面情報に関する光学特性を効率的に計測できる。
さらに、本実施形態では、開口像APIの情報を用いて投影光学系POの波面収差を求めているため(ステップ116〜120における第5演算部12e〜第7演算部12gの動作)、特性計測装置80のみを用いて高精度に投影光学系POの波面収差を求めることができる。
また、本実施形態の露光方法は、照明光EL(露光光)でレチクルRのパターンを照明し、照明光ELでそのパターン及び投影光学系POを介してウエハW(基板)を露光する露光方法において、投影光学系POの光学特性を計測するために、本実施形態の光学特性計測方法を用いている。また、本実施形態の露光装置EXは、投影光学系POの光学特性を計測するために特性計測装置80を備えている。
従って、投影光学系POの瞳面PPOの光量分布(開口絞りASの開口の形状)の情報を効率的に高精度に計測でき、オンボディの計測本体部8を用いて投影光学系POの波面収差を露光波長で高精度に評価できる。従って、計測された波面収差を補正することによって、高精度に露光を行うことができる。
また、その波面収差の計測結果を投影光学系POの各光学部材のアラインメントに使用することで、高性能の投影光学系を製造できる。さらに、オンボディで投影光学系POのフルフィールドでの干渉計データを取得し、投影光学系POの光学部材の波面収差を計測することで、露光装置の重要なパラメータをモニタするための最適化ソリューションを提供することができる。
なお、本実施形態では、投影光学系POの開口像APIの光量分布(瞳面PPOの光量分布)の他に投影光学系POの波面収差を計測しているが、必ずしも投影光学系POの波面収差を計測する必要はない。また、開口像APIの光量分布の情報として、その中心位置(cx,cy)及び半径rzを計測しているが、例えばその中心位置(cx,cy)のみを計測するだけでもよい。この場合でも、例えば露光領域IA内の複数の位置で開口像APIの中心位置を計測することで、上述のように投影光学系POのテレセントリック性の精度を求めることができる。さらに、開口像APIの半径rzを計測するのみでもよい。これによって、投影光学系POの実際の開口数を求めることができる。また、開口像APIの半径ではなく、輪郭の形状を正確に求めてもよい。
また、本実施形態では、フーリエ変換法で投影光学系POのシア波面(波面)を求めているが、例えば特開2011−108696号公報に開示されているように、位相シフト法によって、計測用レチクル4に対して回折格子10をX方向、Y方向に所定量ずつ移動しながら干渉縞22の画像を撮像し、撮像された複数の画像からシア波面を求めてもよい。
また、本実施形態では、ピンホールアレー6が形成された計測用レチクル4からの光で投影光学系PO及び回折格子10を照明しているが、計測用レチクル4の代わりに発光ダイオード等の光源を配置し、この光源からの光で投影光学系PO及び回折格子10を照明することも可能である。
また、上記の実施形態では、計測用レチクル4にピンホールアレー6(光源)が形成されている場合の干渉計における波面解析を説明したが、上記の実施形態は、周期的面光源を用いたインコヒーレント照明計測系にも適用できる。また、上記の実施形態は、単一ピンホールを用いたコヒーレント照明計測系にも適用できる。
次に、上記の実施形態では、回折格子10には市松格子が形成されているが、図6(A)〜(E)の第2変形例で示すように、いわゆるクロス格子が形成された回折格子10Aを使用してもよい。以下、図6(A)〜(E)において、図2(A)〜(E)に対応する部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略又は簡略化する。
図6(A)は、本変形例の光学特性計測装置の計測本体部8A、計測用レチクル4、及び投影光学系POを示す図である。この例では、計測用レチクル4には、図6(B)に示すように、遮光膜6Ab中にピンホール6SをX方向、Y方向に周期(ピッチ)Ps/βでクロス格子状に配列したピンホールアレー6Aが形成されている。この場合にも、ピンホールアレー6Aの代わりに、図6(C)のクロス格子状に遮光パターン6aを配列したパターン6AH、又は単一のピンホールを使用可能である。
また、計測本体部8Aの回折格子10Aには、図6(D)に示すように、遮光膜10Ab中に複数のほぼ幅がPg/2の正方形状の開口パターン10aがX方向、Y方向に周期Pgで形成されている。従って、計測本体部8Aの撮像素子14の受光面には、0次光20A、+1次回折光20A、及び−1次回折光20A等による干渉縞22A(図6(E)参照)が形成される。回折格子10Aからの複数の回折光のスペクトルは、0次光、X軸上の2つの回折光、及びY軸上の2つの回折光等を含んでいる。
この変形例においても、上記の実施形態の図3の計測動作と同様の動作によって、投影光学系POの開口像API(瞳面PPO)の光量分布、及びX方向、Y方向のシア波面(波面収差)を求めることができる。
また、第1の実施形態及びこの変形例を例えば液浸法で露光を行う露光装置のように高いNA(開口数)を持つ露光装置に適用する場合、例えば図2(A)の計測本体部8の像面18と回折格子10との間、又は図6(A)の計測本体部8Aの像面18と回折格子10Aとの間に、光束を平行光束に変換するレンズを配置して、その平行光束の光路中に回折格子10又は10Aを配置してもよい。
また、第1の実施形態及びこの変形例において、計測用レチクル4のピンホールアレー6,6Aの代わりに単一のピンホールを使用してもよい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態につき図7を参照して説明する。本実施形態は、PDI(Point Diffraction Interferometer)方式の干渉計を備えた計測本体部を持つ特性計測装置に本発明を適用したものである。PDI方式の干渉計については、例えば米国特許(USP)第6,573,997号明細書に記載されている。
図7は、本実施形態の投影光学系PO及び計測本体部8Cを示す。図7において、不図示の照明系からの照明光ELによって計測用レチクル4Cのピンホール4Caが照明され、ピンホール4Caから射出される照明光ELが、投影光学系POの上流側に配置された回折格子10Cに形成されたY方向に所定周期の1次元の格子パターン10Caに入射する。格子パターン10Caからの0次光L0及び−1次回折光LY(−1)は投影光学系PO(被検光学系)を介して、それぞれ投影光学系POの像面に配置された検出用のガラス板30に形成されたピンホール30a及び30bを照射する。そして、ピンホール30a及び30bから射出される0次光L0及び−1次回折光LY(−1)は、2次元の撮像素子14の受光面にY方向に変化する光量分布を持つ干渉縞31を形成する。
撮像素子14から出力される撮像信号を図1(B)の演算装置12と同様の演算装置で処理する。すなわち、その撮像信号から得られる光量分布の空間的なフーリエ変換成分のうち、0次光を中心とする又は0次光を含む所定範囲の逆変換対象部を逆フーリエ変換することによって、投影光学系POの開口像の光量分布(瞳面又はこの近傍に配置された開口絞りASの開口の形状)を求めることができる。そして、そのフーリエ変換成分のうちの1次回折光等の成分から投影光学系POのシア波面を求めることができる。このように、PDI方式の干渉計を使用する場合にも、逆変換対象部を用いることによって、上記の実施形態と同様の効果が得られる。なお、回折格子10Cは、2次元の回折格子であってもよい。
また、上記の実施形態の計測装置及び方法は、タルボ干渉計及びPDI方式の干渉計以外の任意の干渉計を用いて干渉縞を検出して被検光学系の光学特性を計測する場合に適用可能である。
また、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、この電子デバイスは、図8に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置EX又は露光方法によりマスクのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い替えると、上記のデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて、マスクのパターンを介して基板(ウエハW)を露光する工程と、その露光された基板を処理する工程(即ち、基板のレジストを現像し、そのマスクのパターンに対応するマスク層をその基板の表面に形成する現像工程、及びそのマスク層を介してその基板の表面を加工(加熱及びエッチング等)する加工工程)と、を含んでいる。
このデバイス製造方法によれば、投影光学系POの光学特性の計測時間を短縮して、露光精度を高く維持でき、レチクルのパターンを高精度に基板に露光できるため、電子デバイスを効率的に高精度に製造できる。
なお、上記の実施形態の計測方法及び装置は、ステッパー型の露光装置の投影光学系の光学特性を計測する場合にも適用できる。
また、上記の実施形態では、露光用の照明光EL(露光光)としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)等を用いて屈折系又は反射屈折系等からなる投影光学系を使用する露光装置において、投影光学系の光学特性を計測している。しかしながら、上記の実施形態の計測方法及び装置は、露光光として、波長が100nm程度以下で例えば11〜15nm程度の範囲内(例えば13.5nm)のEUV光(Extreme Ultraviolet Light)を用いて、反射系からなる投影光学系を使用する露光装置(EUV露光装置)において、投影光学系の光学特性を計測する場合にも適用できる。EUV露光装置に適用する場合には、計測本体部の計測用レチクルも反射型である。
さらに、本発明は、露光装置の投影光学系以外の光学系、例えば顕微鏡の対物レンズ、又はカメラの対物レンズ等の光学特性を計測する場合にも適用可能である。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、ILS…照明装置、R…レチクル、RST…レクチルステージ、PO…投影光学系、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、WB…ウエハベース、4…計測用レチクル、6,6A…ピンホールアレー、8,8A…計測本体部、9…駆動素子、10,10A…回折格子、12…演算装置、14…撮像素子、16…主制御系、17…ウエハステージ制御系、80…特性計測装置

Claims (16)

  1. 被検光学系の光学特性を求める計測方法であって、
    光射出部から射出された光を前記被検光学系及び該被検光学系の上流側又は下流側に配置された回折格子を通過させて干渉縞を形成し、
    前記干渉縞の光量分布を空間的にフーリエ変換し、得られたフーリエ変換情報から前記回折格子の0次光成分を含む所定の空間周波数成分を抽出し、
    前記所定の空間周波数成分を逆フーリエ変換して前記被検光学系の射出瞳と共役な面又はこの近傍の面よりなる第1面の光量分布の情報を求める、
    ことを特徴とする光学特性計測方法。
  2. 前記第1面の光量分布の情報は、前記光量分布の中心位置及び前記光量分布の平均的な半径の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学特性計測方法。
  3. 前記被検光学系の前記第1面に開口絞りが設置され、
    前記第1面の光量分布の情報は、前記開口絞りの開口の形状の情報を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学特性計測方法。
  4. 前記干渉縞の光量分布から前記被検光学系の波面情報を求め、
    求められた前記波面情報を前記第1面の光量分布の情報を用いて求めることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  5. 前記干渉縞を形成するときに、前記光射出部から射出された光を前記被検光学系を介して前記被検光学系の下流側に配置された前記回折格子に照射し、前記回折格子から発生する複数の光束を干渉させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  6. 前記干渉縞を形成するときに、前記光射出部から射出され光を前記被検光学系の上流側に配置された前記回折格子を介して前記被検光学系に照射し、前記被検光学系から発生する複数の光束を干渉させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学特性計測方法。
  7. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
    前記投影光学系の光学特性を計測するために、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学特性計測方法を用いることを特徴とする露光方法。
  8. 被検光学系の光学特性を求める計測装置であって、
    前記被検光学系の上流側又は下流側に配置された回折格子と、
    前記被検光学系及び前記回折格子を通過する光を射出する光射出部と、
    前記被検光学系及び前記回折格子を通過した光によって形成される干渉縞の光量分布を検出する検出器と、
    前記検出器で検出された光量分布を空間的にフーリエ変換し、得られたフーリエ変換情報から前記回折格子の0次光成分を含む所定の空間周波数成分を抽出する第1演算と、前記第1演算により抽出された前記所定の空間周波数成分を逆フーリエ変換して前記被検光学系の射出瞳と共役な面又はこの近傍の面よりなる第1面の光量分布の情報を求める第2演算と、を行う演算装置と、
    を備えることを特徴とする光学特性計測装置。
  9. 前記第1面の光量分布の情報は、前記光量分布の中心位置及び前記光量分布の平均的な半径の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項8に記載の光学特性計測装置。
  10. 前記被検光学系は、前記第1面に設置された開口絞りを有し、
    前記第1面の光量分布の情報は、前記開口絞りの開口の形状の情報を含むことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の光学特性計測装置。
  11. 前記演算装置は、前記干渉縞の光量分布から前記被検光学系の波面情報を求める第3演算を行うとともに、前記第3演算で求められる前記波面情報を前記第2演算で求められる前記第1面の光量分布の情報を用いて求めることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  12. 前記回折格子は、前記被検光学系の下流側に配置され、
    前記検出器は、前記光射出部から射出され前記被検光学系を介して前記回折格子から発生する複数の光束の干渉縞の光量分布を検出することを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  13. 前記回折格子は、前記被検光学系の上流側に配置され、
    前記検出器は、前記光射出部から射出され前記回折格子を介して前記被検光学系から発生する複数の光束の干渉縞の光量分布を検出することを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
  14. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    前記投影光学系の光学特性を計測するために、請求項8から請求項13のいずれか一項に記載の光学特性計測装置を備えることを特徴とする露光装置。
  15. 請求項7に記載の露光方法を用いて感光性基板を露光することと、
    前記露光された感光性基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
  16. 請求項14に記載の露光装置を用いて感光性基板を露光することと、
    前記露光された感光性基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
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