JP2013216715A - 金属調ベース塗料及び金属調のプラスチック製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な耐水性を有し、金属調の意匠性を有する塗膜を形成することができる金属調ベース塗料及び金属調の優れた意匠性を有するプラスチック製品を提供する。
【解決手段】ノンリーフィング蒸着アルミ顔料及び樹脂を含有する金属調ベース塗料であって、樹脂は、酸モノマーを0.5〜5重量%含有し、平均重合度330以上である塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を一部又は全部とすることを特徴とする金属調ベース塗料。
【選択図】図1
【解決手段】ノンリーフィング蒸着アルミ顔料及び樹脂を含有する金属調ベース塗料であって、樹脂は、酸モノマーを0.5〜5重量%含有し、平均重合度330以上である塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を一部又は全部とすることを特徴とする金属調ベース塗料。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属調ベース塗料及び金属調の意匠性を有するプラスチック製品に関するものである。
プラスチック上に金属調の光沢を付与する方法として、蒸着やメッキによって金属層を形成する方法が知られている。しかし、これらの方法では適用できる被塗装物品の形状が限定されたり、プラスチックに対する密着性、耐薬品性が不充分になったりしてしまうという問題がある。
アルミニウムフレーク等の金属フレーク顔料を含有する塗膜層を形成して、良好な意匠性を有する塗装物品を提供する方法としては種々の方法が知られている。しかし、通常の金属フレーク顔料は、粒子感があり、蒸着やメッキによって得られた金属調とは異なった意匠である。特に、近年では、遊戯具、家電製品、PC機器、携帯電子機器、電子カメラ等の多くの分野において、形状や加飾が多様化しており、このような従来の金属フレーク顔料を使用した塗膜とは異なる新たな金属調の意匠が求められている。
特許文献1,2には、透明プラスチック基材上に蒸着アルミニウムを含有する塗料を塗装することが記載されている。しかし、これらの文献に記載された塗装方法においては、使用する樹脂の組成等についての充分な検討がなされていないため、形成した塗膜において充分な耐水性を得ることができない。
特許文献3には、ミラー調メタリックインキ組成物が記載されている。しかし、この文献には筆記具に使用する組成物が記載されているのみであり、当該組成物を充分な耐水性を有する塗膜を形成することができない。
特許文献4には、プラスチック基材にノンリーフィング蒸着アルミニウムを含有する塗料による塗装を行った後、クリヤー塗膜を形成する複層塗膜形成方法が記載されている。しかし、このような方法では、クリヤー塗料を塗装する際にアルミニウムの配向に乱れを生じて、メッキ調の金属光沢を得ることができない。
特許文献5には、塗料用樹脂として使用することができる塩化ビニル系共重合樹脂が記載されている。しかし、このような樹脂をノンリーフィング蒸着アルミニウムを含有するベース塗料組成物において使用することは記載されていない。
本発明は上記に鑑み、充分な耐水性を有し、金属調の意匠性を有する塗膜を形成することができる金属調ベース塗料及び金属調の優れた意匠性を有するプラスチック製品を提供するものである。
本発明は、ノンリーフィング蒸着アルミ顔料及び樹脂を含有する金属調ベース塗料であって、樹脂は、酸モノマーを0.5〜5重量%含有し、平均重合度330以上である塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を一部又は全部とすることを特徴とする金属調ベース塗料である。
上記金属調ベース塗料組成物は、ノンリーフィング蒸着アルミ顔料がPWC換算で40〜85重量%の割合で含まれるものであることが好ましい。
上記金属調ベース塗料組成物は、ノンリーフィング蒸着アルミ顔料がPWC換算で40〜85重量%の割合で含まれるものであることが好ましい。
本発明は、透明性プラスチック基材上にベース塗料を塗装することによって得られた金属調のプラスチック製品であって、ベース塗料は上述した金属調ベース塗料であり、
透明性プラスチック基材側を意匠面とするものであることを特徴とする金属調のプラスチック製品でもある。
透明性プラスチック基材側を意匠面とするものであることを特徴とする金属調のプラスチック製品でもある。
上記透明性プラスチック基材は、ポリカーボネート、アクリル及びポリスチレン、透明ABSからなる群から選択される少なくとも1の樹脂からなるものであることが好ましい。
1 透明性プラスチック基材
2 ベース塗膜
2 ベース塗膜
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のベース塗料は、優れた意匠性を有する金属調のプラスチック製品の製造に使用することができるものである。
本発明のベース塗料は、優れた意匠性を有する金属調のプラスチック製品の製造に使用することができるものである。
本発明のベース塗料組成物は、ノンリーフィング蒸着アルミ顔料を含有するものである。リーフィング処理とは、アルミニウムの表面に疎水性及び/又は疎油性剤によって行う処理である。本発明で使用するノンリーフィング蒸着アルミ顔料は、このようなリーフィング処理を施していないノンリーフィング蒸着アルミ顔料である。リーフィング蒸着アルミニウムを使用した場合、ベース塗膜とクリヤー塗膜の密着力が低下し密着性に不具合が生じるため、本発明においては、ノンリーフィング蒸着アルミニウムを使用することが必要となる。
上記ノンリーフィング蒸着アルミ顔料は、粒子径が3〜20μm、厚みが0.01〜0.1μmであることが好ましい。薄すぎると金属調の隠蔽性が劣り、厚すぎると粒子感が発現し、メッキ調の意匠が得られない。上記粒子系を有するものであることによって、粒子感の少ない金属調の新たな意匠を得ることができる。上記粒子径は5〜15μmであることがより好ましい。なお、本明細書における粒子径とは、レーザー回折粉度分布計 LA−910(株式会社 堀場製作所製)にて測定した値である。本発明に使用することができる市販のノンリーフィング蒸着アルミとしては、メタシーン11−0010、41−0010、71−0010,91−0010、MS−750, MS−650(チバスペシャリティー社製)及びシルバーラインP1000、P4100, Metalure L, Metalure A21010BG(エカルト社製)等を挙げることができる。
上記ノンリーフィング蒸着アルミ顔料は、上記ベース塗料の固形分全量に対して40〜85重量%以上であることが好ましい。40重量%未満では、緻密金属光沢感を満たす光輝性塗膜が得られず、85重量%を超えると塗膜の物性が低下する。上記ノンリーフィング蒸着アルミ顔料の含有量は、より好ましくは、50〜80重量%である。また、本発明においては、71重量%という高濃度でノンリーフィング蒸着アルミ顔料を配合しても、問題を生じることなく物性良好な塗膜形成を行うことができる点でも好ましいものである。
上記ベース塗料は、酸モノマーを含有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を含有するものである。すなわち、このような樹脂を使用することによって、優れた耐水性を得ることができる。特に、耐水試験後の密着性を好適なものとすることができる。また、蒸着アルミニウムの凝集破壊を防ぐことができ、外観を良好なものとすることができる。このような塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の製造方法としては、例えば、特開2001−114839号公報に記載されたような方法で得ることができる。
上記酸モノマーを含有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、溶剤溶解性が良好で樹脂Tgが約70℃と高く強い凝集力の為ラッカー塗料用の樹脂としてよく利用される。
本発明で使用する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、酸モノマーを含有するものであることによって、ノンリーフィング蒸着アルミ顔料と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体がイオン的に作用し、強い密着性を示すことから凝集破壊を防ぐことができ、より優れた耐水性を発現するものである。本発明のベース塗料は、樹脂が極性基を含むものであることから、ノンリーフィング蒸着アルミ顔料との親和性が良好なものとなる。また、樹脂自体の凝集力が高いものともなる。これによって上述したような耐水性、高外観等の効果を得ることができる。
酸モノマーとしては、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和基含有カルボン酸等を挙げることができる。
酸モノマーの含有量は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の重量に対して0.5〜5重量%であることが好ましい。より具体的には、1〜3重量%以上であることが好ましい。酸モノマーの含有量が少なければアルミ顔料の高い状態で凝集力が低下し、耐水密着性が低下する。また多ければ共重合体の親水性が増加し、耐水密着性が低下する。上記範囲内とすることで、アルミ顔料と樹脂中の酸基が相互作用し、強固な塗膜を形成することで本発明の効果を良好に得ることができる。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、ポリマー中の組成比として塩化ビニルに基づく構造単位を重合体全量に対して、70〜95重量%の割合で含有する物であることが好ましい。上記範囲内のものとすることで、樹脂の凝集力が上がるおよび樹脂の溶剤溶解性が上がるという点で好ましい。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、ポリマー中の組成比として酢酸ビニルに基づく構造単位を重合体全量に対して、3〜25重量%の割合で含有する物であることが好ましい。上記範囲内のものとすることで、樹脂の溶剤溶解性が上がるという点で好ましい。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、樹脂の性能を損なわない範囲において、その他の単量体を共重合したものであってもよい。その他の単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、塩化ビニリデン等を挙げることができる。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、平均重合度が330以上である。重合度が低いと塗膜の強度が低下し、密着性が低下してしまう。上記重合度は2000以下であることが好ましい。重合度が2000を超えると溶剤溶解性が低下し塗料の製造が困難となる場合がある。本発明においては、このような平均重合度が高い塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を使用することによって、充分な強度が得られるため、単層でも充分実用に耐える金属調のプラスチック製品を得ることができる点で優れたものである。なお、本明細書において、平均重合度はJIS K−6721によって測定した値である。
塩化ビニルと脂肪酸ビニルの共重合は懸濁重合によって行うことができる。即ち、重合器内に水と分散剤と重合開始剤を仕込み、脱気した後、塩化ビニルと脂肪酸ビニルを圧入し懸濁重合を行うか、塩化ビニルの一部と酢酸ビニルを圧入して反応をスタートさせ、残りの塩化ビニルを反応中に圧入しながら懸濁重合を行うことができる。
上記分散剤としては、ポリエチレンオキサイド又はオキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマーとスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩を併用することができる。ポリエチレンオキサイド又はオキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマーは重量平均分子量が10〜500万のものが望ましい。また、スルホコハク酸塩としては、ビストリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、イソデシルスルホコハク酸ジナトリウム、スルホコハク酸ジナトリウムエトキシ化アルコール半エステル、スルホコハク酸ジナトリウムエトキシ化ノニルフェノール半エステルなどのスルホコハク酸モノエステルジナトリウム、N−オクタデシルスルホコハク酸モノアミドジナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
分散剤の使用量は、単量体の合計量100重量部に対してポリエチレンオキサイド又はオキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマーが0.02〜0.5重量部、スルホコハク酸塩が0.05〜0.5重量部であることが好ましい。
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、ブチルパーオキシネオデカネート等の有機過酸化物系やアゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。重合開始剤の使用量は、単量体の合計量100重量部に対して0.01〜0.1重量部が好ましい。重合媒体としてのイオン交換水は、単量体の合計量100重量部に対して50〜200重量部が好ましい。重合媒体としては、イオン交換水が望ましいが50重量%を超えない範囲でメタノールやイソプロピルアルコールなどの水溶性のアルコールを併用することができる。
また、重合に際して連鎖移動剤や抗酸化剤を使用してもよく、連鎖移動剤としては、ジクロロエタン、トリクロルエチレン、四塩化炭素などの塩素化合物、2−メルカプトエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプト化合物、プロピレン、ジイソブチレンなどのα−オレフィンが挙げられ、抗酸化剤としては、ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネートなどの含硫化合物、ブチルヒドロキシアニソール、ジ−ブチルヒドロキシトルエン、ビスフェノールAなどのフェノール系化合物等が挙げられる。これらは各々単独又は2種以上を組み合わせて用いられ、使用量は各々単量体の合計量100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
本発明において使用できる酸モノマーを含有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、市販のものを使用することもできる。使用できる市販のものとしては、日信化学工業製ソルバインM5、MFK、Wacker製Vinnol等を挙げることができる。
上記ベース塗料は、上記ノンリーフィング蒸着アルミ顔料及び上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体以外に、各種塗料添加剤を含有するものであってもよい。但し、基本的には硬化剤を含有しないラッカータイプの塗料であることが好ましい。
上記ベース塗料では、上記ノンリーフィング蒸着アルミ顔料以外に、その他の光輝性顔料及び/又は着色顔料を含有するものであってもよい。
その他の光輝性顔料としては、例えば、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、グラファイト顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属チタンフレーク顔料、ステンレスフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、金属めっきガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、ホログラム顔料及びコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料からなる群より選ばれた少なくとも1種の顔料が挙げられ、より好ましくは金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、グラファイト顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料又は金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料からなる群より選ばれた少なくとも1種の顔料が挙げられる。
上記着色顔料として、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、例えば、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、導電カーボン、グラファイト、アセチレンブラックが挙げられる。
上記ベース塗料は、上記成分の他に、ポリエチレンワックス、沈降防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加して含有することができる。上記ベース塗料は、溶剤系塗料の形態とすることが好ましい。
本発明は、透明プラスチック基材上に上述したベース塗料組成物を塗装することによって得られた金属調のプラスチック製品でもある。
上記透明性プラスチック基材は特に限定されず、例えば、ポリカーボネート、アクリル(例えば、ポリメタクリル酸メチル等)、ポリスチレン、透明ABS等の透明樹脂からなるものを挙げることができる。これらの透明性プラスチック基材に上記ベース塗料を塗布することによって、本発明の金属調のプラスチック製品とすることができる。また、必要に応じて、上記ベース塗料の塗装前に公知の前処理を行うものであってもよい。成型が不十分で凸凹のある透明性プラスチックの場合はクリヤー塗料を塗布後、供することができる。上記クリヤー塗料としては、ウレタン2液硬化系又はUV硬化系塗料を使用できる。
上記透明性プラスチック基材は、透明なものであることが必要である。意匠面が透明性プラスチック基材面であることから、不透明であると充分な金属調の意匠が得られないためである。透明であるとは特に限定されるものではないが、例えば、可視光(380nm〜780nm)の透過率が80%以上のものを挙げることができる。また、無色透明であっても有色透明であっても良い。
上記ベース塗料の塗装方法は特に限定されず、例えば、エアースプレー塗装方法、ベル塗装方法等を挙げることができる。工業的には、例えば、通称「リアクトガン」と呼ばれるエアースプレー塗装機や、通称「マイクロマイクロベル」、「マイクロベル」、「メタリックベル」等と呼ばれる回転霧化式塗装機を用いる方法を挙げることができる。
上記ベース塗料の塗装においては、ベース塗膜層の乾燥膜厚を0.3〜2μmとなるように塗装を行うことが好ましい。上記乾燥膜厚は、0.5〜1μmであることがより好ましい。膜厚が0.3μm未満であると、隠蔽性が不十分でメッキ調の意匠が得られないという問題を生じる場合がある。2μmを超えると生産性が悪く、高コストとなる問題を生じる場合がある。
本発明の金属調のプラスチック製品においては、上記ベース塗料の塗装を行った後、必要に応じてその他の塗料による塗装を行っても良いし、ベース塗料による単層塗膜を形成するものとしてもよい。
本発明の金属調のプラスチック製品は、透明性プラスチック基材側を意匠面とするものである。すなわち、図1に示したように、透明性プラスチック基材1にベース塗料による塗膜2を形成し、意匠面は透明性プラスチック基材側(すなわち、塗装面の反対側)となる。このようにすることで、良好な金属調の外観を得ることができる。
本発明の金属調のプラスチック製品は、遊戯具、家電製品、PC機器、携帯電子機器、電子カメラ等において使用することができる。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「重量部」、「重量%」を意味する。
以下の実施例における重量平均分子量は、GPCによってスチレン換算にて測定した値である。平均重合度はJIS K−6721によって測定した値である。
(塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の製造方法:製造例1)
撹拌装置を備えたオートクレーブに、窒素置換後、脱イオン水960部、メタノール640部、塩化ビニル600部、酢酸ビニル192部、アジピン酸モノビニル128部、B80(ジオクチルスルホコハク酸Na、日本油脂製商品名)0.8部、E−240[ポリエチレンオキサイド(分子量400〜500万)、明星化学製商品名]1.5部及びナイパーBW(ベンゾイルパーオキサイド、日本油脂製商品名)5.6部を仕込み、窒素ガス雰囲気下に撹拌しながら70℃に昇温して反応を開始し、更に塩化ビニル680部を3時間を要して連続圧入し、共重合反応させた。オートクレーブ内圧が6時間後に1.0MPa(ゲージ圧)になったので残圧を抜き、冷却して樹脂スラリーを取り出し、濾過後、1000部のメタノールで3回、1000部の脱イオン水で2回洗浄し、濾過、乾燥して塩化ビニル系共重合樹脂を得た。この樹脂は、塩化ビニル単位80%、酢酸ビニル単位12%アジピン酸モノビニル単位8%、平均重合度430であった。
その他、実施例においては、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体として、市販品であるソルバインM5、ソルバインMFK、ソルバインC(以上日信化学工業社製)、VMCA(Daw UCAR社製)を使用した。これらの樹脂のモノマー組成を表1に示した。
撹拌装置を備えたオートクレーブに、窒素置換後、脱イオン水960部、メタノール640部、塩化ビニル600部、酢酸ビニル192部、アジピン酸モノビニル128部、B80(ジオクチルスルホコハク酸Na、日本油脂製商品名)0.8部、E−240[ポリエチレンオキサイド(分子量400〜500万)、明星化学製商品名]1.5部及びナイパーBW(ベンゾイルパーオキサイド、日本油脂製商品名)5.6部を仕込み、窒素ガス雰囲気下に撹拌しながら70℃に昇温して反応を開始し、更に塩化ビニル680部を3時間を要して連続圧入し、共重合反応させた。オートクレーブ内圧が6時間後に1.0MPa(ゲージ圧)になったので残圧を抜き、冷却して樹脂スラリーを取り出し、濾過後、1000部のメタノールで3回、1000部の脱イオン水で2回洗浄し、濾過、乾燥して塩化ビニル系共重合樹脂を得た。この樹脂は、塩化ビニル単位80%、酢酸ビニル単位12%アジピン酸モノビニル単位8%、平均重合度430であった。
その他、実施例においては、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体として、市販品であるソルバインM5、ソルバインMFK、ソルバインC(以上日信化学工業社製)、VMCA(Daw UCAR社製)を使用した。これらの樹脂のモノマー組成を表1に示した。
<アクリル樹脂の製造方法:製造例2>
攪拌羽根、温度計、滴下装置、温度制御装置、窒素ガス導入口および冷却管を備えた反応装置に酢酸ブチルを57部仕込み、窒素ガスを導入しつつ攪拌下125℃まで昇温した。次にスチレン20部、メタクリル酸1部、メチルメタクリル酸68部、2−エチルヘキシルアクリル酸11部からなる混合物とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート1.7部を酢酸ブチル10部に溶解した溶液とを反応装置中に3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間熟成させてさらにt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート0.2部を酢酸ブチル10部に溶解した溶液を1時間かけて反応装置中に滴下して125℃に保ったまま2時間熟成し反応を完了した。得られた水酸基含有樹脂の不揮発分は60%で、重量平均分子量は27000であった。
攪拌羽根、温度計、滴下装置、温度制御装置、窒素ガス導入口および冷却管を備えた反応装置に酢酸ブチルを57部仕込み、窒素ガスを導入しつつ攪拌下125℃まで昇温した。次にスチレン20部、メタクリル酸1部、メチルメタクリル酸68部、2−エチルヘキシルアクリル酸11部からなる混合物とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート1.7部を酢酸ブチル10部に溶解した溶液とを反応装置中に3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間熟成させてさらにt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート0.2部を酢酸ブチル10部に溶解した溶液を1時間かけて反応装置中に滴下して125℃に保ったまま2時間熟成し反応を完了した。得られた水酸基含有樹脂の不揮発分は60%で、重量平均分子量は27000であった。
(ベース塗料A−1の製造方法)
攪拌機のついた容器にメチルイソブチルケトンで20%に希釈したソルバインM5 (日信化学工業製塩化ビニル樹脂)を4部酢酸n−ブチル22部とメチルエチルケトン14部とn−ブタノール17部を順に加えメタシーン41−0010(チバ・スペシャリティー社製蒸着アルミニウムペースト)8部を加え、その後、BYK320(ビックケミー社製表面調整剤)0.01部を加え、10分攪拌した。酢酸n−ブチル40部とジi−ブチルケトン60部に調整した希釈シンナーと製造した塗料を等量で混合し、ベース塗料A−1として用いた。
攪拌機のついた容器にメチルイソブチルケトンで20%に希釈したソルバインM5 (日信化学工業製塩化ビニル樹脂)を4部酢酸n−ブチル22部とメチルエチルケトン14部とn−ブタノール17部を順に加えメタシーン41−0010(チバ・スペシャリティー社製蒸着アルミニウムペースト)8部を加え、その後、BYK320(ビックケミー社製表面調整剤)0.01部を加え、10分攪拌した。酢酸n−ブチル40部とジi−ブチルケトン60部に調整した希釈シンナーと製造した塗料を等量で混合し、ベース塗料A−1として用いた。
(ベース塗料A−2〜A‐7の製造方法)
表2に示す配合に基づき実施例および比較例で使用されるベース塗料A−2からA−7を上記ベース塗料A−1と同様の方法で製造した。
表2に示す配合に基づき実施例および比較例で使用されるベース塗料A−2からA−7を上記ベース塗料A−1と同様の方法で製造した。
(実施例1の評価塗膜の作成方法)
市販の透明ポリカ-ボネートシートにベース塗料A−1を吐出量80g/ccで6往復スプレー塗装し、室温で5分放置後80℃電気オーブンで30分乾燥し、密着性及び外観評価用のテストパネルを作成し、以下に示す方法で評価に供した。
市販の透明ポリカ-ボネートシートにベース塗料A−1を吐出量80g/ccで6往復スプレー塗装し、室温で5分放置後80℃電気オーブンで30分乾燥し、密着性及び外観評価用のテストパネルを作成し、以下に示す方法で評価に供した。
(実施例2〜3及び比較例1〜4の評価塗膜の作成)
実施例1と同様に実施例2〜3及び比較例1〜4の評価用テストパネルを作成し評価に供した。
実施例1と同様に実施例2〜3及び比較例1〜4の評価用テストパネルを作成し評価に供した。
実施例及び比較例の塗膜について、以下の基準に基づいて評価を行った。結果を表3に示す。
<評価方法>
(密着性評価)
JIS K5600による基盤目テープ剥離試験を行い、以下の基準によって判定を行った。評価は塗装後、3日室温放置後に行った。
○:全く剥離なし
×:わずかでも剥離が認められる
(密着性評価)
JIS K5600による基盤目テープ剥離試験を行い、以下の基準によって判定を行った。評価は塗装後、3日室温放置後に行った。
○:全く剥離なし
×:わずかでも剥離が認められる
(耐湿密着性評価)
塗膜を50℃、95%相対湿度に調整したエスペック社製の恒温耐湿試験機SH−261に240時間保管し、その後取り出し、湿気を拭き取り、3時間以内にJISK5600による条件で処理した後、JISK5600による基盤目テープ剥離試験を行い、以下の基準によって判定を行った。
○:全く剥離なし
×:わずかでも剥離が認められる
塗膜を50℃、95%相対湿度に調整したエスペック社製の恒温耐湿試験機SH−261に240時間保管し、その後取り出し、湿気を拭き取り、3時間以内にJISK5600による条件で処理した後、JISK5600による基盤目テープ剥離試験を行い、以下の基準によって判定を行った。
○:全く剥離なし
×:わずかでも剥離が認められる
(耐水密着性評価)
塗膜を40℃に調整したイオン交換水を用いた温水に240時間浸漬し、その後取り出し、水滴を拭き取り、3時間以内にJISK5600による条件で処理した後、JISK5600による基盤目テープ剥離試験を行い、以下の基準によって判定を行った。
○:全く剥離なし
×:わずかでも剥離が認められる
塗膜を40℃に調整したイオン交換水を用いた温水に240時間浸漬し、その後取り出し、水滴を拭き取り、3時間以内にJISK5600による条件で処理した後、JISK5600による基盤目テープ剥離試験を行い、以下の基準によって判定を行った。
○:全く剥離なし
×:わずかでも剥離が認められる
(正反射及び拡散反射率)
リフレクター100AD(東京電色社製)にて測定した。
リフレクター100AD(東京電色社製)にて測定した。
(外観金属意匠評価)
上記正反射及び拡散反射率の値に基づいて、以下の基準によって判定した。
合:正反射率/拡散反射率=15以上
否:正反射率/拡散反射率=15未満
上記正反射及び拡散反射率の値に基づいて、以下の基準によって判定した。
合:正反射率/拡散反射率=15以上
否:正反射率/拡散反射率=15未満
(目視)
塗膜の外観を目視によって観察し、以下の基準に基づいて判定を行った。
○:極めてメッキに近い金属光沢調、
△:メッキから僅かに金属光沢調が劣るまたはムラ感がある。
塗膜の外観を目視によって観察し、以下の基準に基づいて判定を行った。
○:極めてメッキに近い金属光沢調、
△:メッキから僅かに金属光沢調が劣るまたはムラ感がある。
表3に示した結果から、本発明の金属調のプラスチック製品は、外観、密着性、耐湿密着性、耐水密着性等において優れた効果を有するものであることが明らかである。
本発明の金属調ベース塗料は、遊戯具、家電製品、PC機器、携帯電子機器、電子カメラに使用されるプラスチック製品の金属調塗装等に使用することができる。
Claims (4)
- ノンリーフィング蒸着アルミ顔料及び樹脂を含有する金属調ベース塗料であって、
樹脂は、酸モノマーを0.5〜5重量%含有し、平均重合度330以上である塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を一部又は全部とすることを特徴とする金属調ベース塗料。 - 上記金属調ベース塗料組成物は、ノンリーフィング蒸着アルミ顔料がPWC換算で40〜85重量%の割合で含まれるものである請求項1記載の金属調ベース塗料。
- 透明性プラスチック基材上にベース塗料を塗装することによって得られた金属調のプラスチック製品であって、
ベース塗料は、請求項1又は2記載の金属調ベース塗料であり、
透明性プラスチック基材側を意匠面とするものであることを特徴とする金属調のプラスチック製品。 - 透明性プラスチック基材は、ポリカーボネート、アクリル及びポリスチレン、透明ABSからなる群から選択される少なくとも1の樹脂からなるものである請求項3記載の金属調のプラスチック製品。
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JP2012085544A JP2013216715A (ja) | 2012-04-04 | 2012-04-04 | 金属調ベース塗料及び金属調のプラスチック製品 |
CN 201310110508 CN103360873A (zh) | 2012-04-04 | 2013-04-01 | 金属色调基础涂料和金属色调的塑料制品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018053002A (ja) * | 2016-09-26 | 2018-04-05 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | アルミニウム基材用グラビアインキおよび印刷物 |
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-
2012
- 2012-04-04 JP JP2012085544A patent/JP2013216715A/ja active Pending
-
2013
- 2013-04-01 CN CN 201310110508 patent/CN103360873A/zh active Pending
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