JP2013216541A - ガラス溶着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工効率の低下の抑制及び信頼性の高いガラス溶着体の製造が可能なガラス溶着方法を提供する。
【解決手段】ライン10a,10bに延在部Ra,Rbが沿うように溶着予定領域Rをガラス部材4に設定し、ガラス層3を領域Rに沿ってガラス部材4に配置する工程と、その後に、領域Rに沿ってガラス部材4にガラス層3を定着させる工程と、その後に、ガラス部材4にガラス層3を介してガラス部材5を重ね合わせ、照射領域がライン10a,10bに沿って相対的に移動するようにガラス層3にレーザ光を照射することで、領域Rに沿ってガラス部材4とガラス部材5とを溶着する工程と、を備える。溶着の際には、ライン10a,10bのそれぞれに沿ったレーザ光の照射領域の相対的な移動によって、レーザ光の照射領域が領域Rのコーナ部Rcの全領域を通過するようにするガラス溶着方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、板状の第1のガラス部材と板状の第2のガラス部材とを溶着してガラス溶着体を製造するためのガラス溶着方法に関する。
上記技術分野における従来のガラス溶着方法として、次のような方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、有機物(有機溶剤やバインダ)、レーザ光吸収材及びガラス粉を含むペースト層をガラス部材に形成し、その後、ペースト層にレーザ光を照射することにより、ペースト層から有機物を除去してガラス部材にガラス層を形成する。続いて、ガラス層が形成されたガラス部材に、ガラス層を介して別のガラス部材を重ね合わせ、その後、ガラス層にレーザ光を照射することにより、ガラス層を溶融させてガラス部材同士を溶着する。
特開2011−051811号公報
しかしながら、上述したようなガラス溶着方法にあっては、加工効率を向上させるべくレーザ光の走査速度を高くすると、ガラス層に不良が生じ易くなり、製造されたガラス溶着体の信頼性が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、加工効率が低下するのを抑制しつつ、信頼性の高いガラス溶着体を製造することができるガラス溶着方法を提供することを目的とする。
本発明のガラス溶着方法は、板状の第1のガラス部材と板状の第2のガラス部材とを溶着してガラス溶着体を製造するためのガラス溶着方法であって、互いに交差する関係を有する第1の延在部及び第2の延在部、並びに第1の延在部及び第2の延在部のそれぞれと連続的に接続された曲線状のコーナ部を含み、且つ閉じた環状に延在する溶着予定領域を、第1のラインに第1の延在部が沿うように且つ第1のラインと交差する第2のラインに第2の延在部が沿うように、第1のガラス部材に設定し、レーザ光吸収材及びガラス粉を含むガラス層を、溶着予定領域に沿って第1のガラス部材に配置する第1の工程と、第1の工程の後に、溶着予定領域に沿ってガラス層を溶融させて第1のガラス部材にガラス層を定着させる第2の工程と、第2の工程の後に、第1のガラス部材にガラス層を介して第2のガラス部材を重ね合わせ、第2のレーザ光の照射領域が第1のライン及び第2のラインのそれぞれに沿って相対的に移動するようにガラス層に第2のレーザ光を照射することにより、溶着予定領域に沿ってガラス層を溶融させて第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着する第3の工程と、を備え、第1のラインに沿って相対的に移動する場合に第2のレーザ光の照射領域が有する第1のラインに垂直な方向における幅、及び第2のラインに沿って相対的に移動する場合に第2のレーザ光の照射領域が有する第2のラインに垂直な方向における幅は、第1のライン及び第2のラインのそれぞれに沿った第2のレーザ光の照射領域の相対的な移動によって、第2のレーザ光の照射領域がコーナ部の全領域を通過するように、設定される。
このガラス溶着方法では、第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着する際に、第2のレーザ光の照射領域が第1のライン及び第2のラインのそれぞれに沿って相対的に移動するようにガラス層に第2のレーザ光を照射する。これにより、第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着する際の加工速度を向上させることができる。更に、第1のライン及び第2のラインのそれぞれに沿った第2のレーザ光の照射領域の相対的な移動によって、第2のレーザ光の照射領域がコーナ部の全領域を通過する。これにより、コーナ部に溶融領域と未溶融領域とが生じることに起因する残留応力の発生を抑制して、ガラス溶着体がガラス層のコーナ部から破損するのを防止することができる。しかも、ガラス層のコーナ部が曲線状であるため、ガラス溶着体においてガラス層のコーナ部に応力が集中するのを抑制することができる。よって、このガラス溶着方法によれば、加工効率が低下するのを抑制しつつ、信頼性の高いガラス溶着体を製造することが可能となる。
ここで、第3の工程では、第2のレーザ光の照射領域を、相対的に移動する方向に垂直な方向における幅よりも相対的に移動する方向における幅が大きい形状としてもよい。これによれば、第1のガラス基板に定着させられたガラス層を溶融させるのに要する入熱量(レーザ光がその照射領域で有するエネルギ密度)を維持しつつ、第2のレーザ光の走査速度(照射対象に対するレーザ光の照射領域の相対的な移動速度)を高くすることができる。
また、第2の工程では、第1のレーザ光の照射領域が溶着予定領域に沿って相対的に移動するようにガラス層に第1のレーザ光を照射することにより、溶着予定領域に沿ってガラス層を溶融させて第1のガラス部材にガラス層を定着させてもよい。これによれば、一つの溶着予定領域に沿ったガラス層において第1のレーザ光が二度照射され得る箇所(このような箇所では、ガラス層の分断等、ガラス層に不良が生じ易い)を、第1のレーザ光の照射の始終箇所の一箇所に減少させることができる。しかも、第1の延在部及び第2の延在部が曲線状のコーナ部と連続的に接続されているので、溶着予定領域に沿った第1のレーザ光の照射領域の相対的な移動を円滑に実施することができる。
このとき、第2の工程では、第1のレーザ光の照射領域を点対称の形状としてもよい。これによれば、溶着予定領域に沿った第1のレーザ光の照射領域の相対的な移動を容易に且つ効率良く実施することができる。
本発明によれば、加工効率が低下するのを抑制しつつ、信頼性の高いガラス溶着体を製造することができるガラス溶着方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態のガラス溶着方法によって製造されたガラス溶着体の斜視図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法に使用されるガラス層定着装置の平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法にて実施されるガラス層定着工程における溶着予定領域とレーザ光の照射領域との関係を示す平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法に使用されるガラス溶着装置の平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法に使用されるガラス溶着装置の平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法にて実施されるガラス溶着工程における溶着予定領域とレーザ光の照射領域との関係を示す平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法の効果を説明するための断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態のガラス溶着方法によって製造されたガラス溶着体の斜視図である。図1に示されるように、ガラス溶着体1は、溶着予定領域Rに沿って配置されたガラス層3を介して、板状のガラス部材(第1のガラス部材)4と板状のガラス部材(第2のガラス部材)5とが溶着されたものである。ガラス溶着体1は、例えば有機ELディスプレイであり、溶着予定領域Rの内側に形成された発光素子領域がガラス部材4,5及びガラス層3によって外部雰囲気から封止されている。
ガラス部材4,5は、例えば無アルカリガラスからなる厚さ0.7mmの矩形板状の部材である。溶着予定領域Rは、ガラス部材4,5の外縁に沿うように所定の幅で矩形環状に設定されている。溶着予定領域Rは、互いに交差する関係を有する延在部(第1の延在部)Ra及び延在部(第2の延在部)Rb、並びに延在部Ra,Rbのそれぞれと連続的に接続された曲線状のコーナ部Rcを含み、閉じた環状に延在している。ここでは、延在部Raは、一対の長辺のそれぞれに対応しており、延在部Rbは、一対の短辺のそれぞれに対応している。ガラス層3は、例えば低融点ガラス(バナジウムリン酸系ガラス、鉛ホウ酸ガラス等)からなる層である。
次に、ガラス部材4とガラス部材5とを溶着してガラス溶着体1を製造するためのガラス溶着方法について説明する。まず、図2に示されるように、マトリックス状に配置された複数のガラス部材4を含むガラス基板(第1のガラス基板)40を準備する。そして、溶着予定領域Rをガラス基板40に対してガラス部材4ごとに設定する。より詳細には、溶着予定領域Rは、互いに平行な複数のライン(第1のライン)10aのそれぞれに複数の延在部Raが沿うように、且つライン10aと交差する互いに平行な複数のライン(第2のライン)10bのそれぞれに複数の延在部Rbが沿うように、複数設定される。
続いて、ディスペンサやスクリーン印刷等によってフリットペーストを塗布することにより、ペースト層6を溶着予定領域Rに沿ってガラス基板40の表面40aに配置する。フリットペーストは、例えば、低融点ガラス(バナジウムリン酸系ガラス、鉛ホウ酸ガラス等)からなる粉末状のガラスフリット(ガラス粉)2、酸化鉄等の無機顔料であるレーザ光吸収性顔料(レーザ光吸収材)、酢酸アミル等である有機溶剤及びガラスの軟化点温度以下で熱分解する樹脂成分(アクリル等)であるバインダを混練したものである。続いて、ペースト層6を乾燥させてガラス層3から有機溶剤を除去する。このようにして、少なくともレーザ光吸収性顔料及びガラスフリット2を含むガラス層3を、溶着予定領域Rに沿ってガラス基板40の表面40aに配置する(第1の工程)。なお、このとき、ガラス層3を加熱してガラス層3からバインダを除去してもよい。
続いて、図3に示されるように、レーザ光(第1のレーザ光)L1の照射領域が各溶着予定領域Rに沿って相対的に移動するようにガラス層3にレーザ光L1を照射することにより、バインダをガス化してガラス層3からバインダを除去すると共に、溶着予定領域Rに沿ってガラス層3を溶融させてガラス基板40の表面40aにガラス層3を定着させる(第2の工程)。ガラス層3は、溶着予定領域Rに沿ってガラスフリット2が溶融・再固化することにより、ガラス基板40の表面40aに定着させられる。
図4は、ガラス層定着工程(第2の工程)に使用されるガラス層定着装置11の平面図である。図4に示されるように、ガラス層定着装置11は、支持ステージ12及び複数のレーザヘッド13を有している。支持ステージ12は、ガラス層3が配置された表面40aをレーザヘッド13に対向させた状態でガラス基板40を支持する。レーザヘッド13は、支持ステージ12に対してX軸方向及びY軸方向に移動可能となっている。ここでは、四台のレーザヘッド13のそれぞれは、四分割された領域ごとにガラス層3にレーザ光L1を順次照射する。
図5は、ガラス層定着工程における溶着予定領域Rとレーザ光L1の照射領域IR1との関係を示す平面図である。図5に示されるように、ガラス層定着工程では、ガラス層3の一部3pの一端を始点P1とし、ガラス層3の一部3pの他端を終点P2として、レーザ光L1の照射領域IR1を溶着予定領域Rに沿って相対的に移動させる。つまり、ガラス層定着工程では、ガラス層3のうち一部3pにおいて開いた環状に延在する主部3mにレーザ光L1を照射することにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス層3の主部3mを溶融させてガラス基板40の表面40aにガラス層3の主部3mを定着させる。このとき、ガラス層3の一部3pを延在部Ra又は延在部Rbに位置させる。また、レーザ光L1の照射領域IR1を円形状(ここでは、ガラス層3の幅よりも大きい直径を有する円形状)とする。一例として、レーザ光L1の照射パワーは150Wであり、照射領域IR1の直径は7mmであり、レーザ光L1の走査速度は20mm/sである。なお、ガラス層3の一部3pにも、バインダをガス化してガラス層3からバインダを除去する程度にレーザ光を照射することが好ましいが、ガラス層3の一部3pについては、レーザ光吸収性顔料及びガラスフリット2を含む層のままとする。
続いて、図6に示されるように、マトリックス状に配置された複数のガラス部材5を含むガラス基板(第2のガラス基板)50を準備する。そして、ガラス部材4のそれぞれとガラス部材5のそれぞれとがガラス層3を介して対向するようにガラス基板40とガラス基板50とを重ね合わせる。つまり、ガラス基板40にガラス層3を介してガラス基板50を重ね合わせる(第3の工程)。ここで、ガラス基板50においてガラス基板40の表面40aに対向する表面50aには、ガラス部材5ごとに発光素子領域が形成されている。なお、ガラス基板50にUVシール材を塗布しておき、真空環境下(10Pa以下)において、ガラス基板40にガラス層3を介してガラス基板50を重ね合わせ、UV照射によってガラス基板40とガラス基板50とを貼り合わせてもよい。その場合には、以降の工程を大気圧下で実施することが可能となる。
続いて、図7及び図8に示されるように、レーザ光(第2のレーザ光)L2の照射領域がライン10a,10bのそれぞれに沿って相対的に移動するようにガラス層3にレーザ光L2を照射することにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス層3を溶融させてガラス基板40とガラス基板50とを溶着する(第3の工程)。ガラス基板40とガラス基板50とは、溶着予定領域Rに沿ってガラス層3及びその周辺部分(ガラス基板40,50の表面40a,50a部分)が溶融・再固化することにより、溶着される。なお、溶着においては、ガラス層3が溶融し、ガラス基板40,50の少なくとも一方が溶融しない場合もある。
図9及び図10は、ガラス溶着工程(第3の工程)に使用されるガラス溶着装置21の平面図である。図9及び図10に示されるように、ガラス溶着装置21は、支持ステージ22及び複数のレーザヘッド23を有している。支持ステージ22は、X軸及びY軸に垂直なZ軸回りに回転可能となっており、ガラス基板50をレーザヘッド23に対向させた状態で、ガラス層3を介して重ね合わされたガラス基板40,50を支持する。レーザヘッド23は、支持ステージ22に対してX軸方向及びY軸方向に移動可能となっている。ここでは、二台のレーザヘッド23のそれぞれは、図9に示されるように、ライン10bに沿ってガラス層3にレーザ光L2を順次照射し、そして、支持ステージ22が90度回転した後に、図10に示されるように、ライン10aに沿ってガラス層3にレーザ光L2を順次照射する。
図11は、ガラス溶着工程における溶着予定領域Rとレーザ光L2の照射領域IR2との関係を示す平面図である。図11に示されるように、ガラス溶着工程では、レーザ光L2の照射領域IR2がライン10a,10bのそれぞれに沿って相対的に移動させられるから、ガラス層3の一部3pが存在している延在部Ra又は延在部Rbについても、その全体に渡ってレーザ光L2が照射されることになる。つまり、ガラス溶着工程では、ガラス層3の一部3p及び主部3mにレーザ光L2を照射することにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス層3の一部3p及び主部3mを溶融させてガラス基板40とガラス基板50とを溶着する。
このとき、レーザ光L2の照射領域IR2を、相対的に移動する方向に垂直な方向における幅W1よりも相対的に移動する方向における幅W2が大きい楕円形状とする。ここで、ライン10aに沿って相対的に移動する場合にレーザ光L2の照射領域IR2が有するライン10aに垂直な方向における幅W1、及びライン10bに沿って相対的に移動する場合にレーザ光L2の照射領域IR2が有するライン10bに垂直な方向における幅W1は、ライン10a,10bのそれぞれに沿ったレーザ光L2の照射領域IR2の相対的な移動によって、レーザ光L2の照射領域IR2がコーナ部Rcの全領域を通過するように、設定される。より具体的には、ガラス層3の幅をwとし、コーナ部Rcの外縁の半径をrとすると、コーナ部Rcの内縁の中点P3と延在部Rbの外縁(又は延在部Raの外縁)との距離dは、r−[(r−w)/21/2]となるから、相対的に移動する方向に垂直な方向における幅W1は、r−[(r−w)/21/2]以上に設定される。一例として、レーザ光L2の照射パワーは210Wであり、照射領域IR2の外形W1×W2は2mm×7mmであり、レーザ光L2の走査速度は100mm/Sである。
続いて、図12に示されるように、ガラス基板40,50から、溶着されたガラス部材4,5を切り出し(つまり、ガラス基板40,50を溶着予定領域Rごとに切断し)、複数のガラス溶着体1を得る。
以上説明したガラス溶着方法によれば、以下の理由により、加工効率が低下するのを抑制しつつ、信頼性の高いガラス溶着体1を製造することが可能となる。
すなわち、溶着予定領域Rに沿ってガラス基板40とガラス基板50とを溶着する際に(つまり、溶着予定領域Rごとにガラス部材4とガラス部材5とを溶着する際に)、レーザ光L2の照射領域IR2がライン10a,10bのそれぞれに沿って相対的に移動するようにガラス層3にレーザ光L2を照射する。これにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス基板40とガラス基板50とを溶着する際の加工速度を向上させることができる。更に、ライン10a,10bのそれぞれに沿ったレーザ光L2の照射領域IR2の相対的な移動によって、レーザ光L2の照射領域IR2が溶着予定領域Rのコーナ部Rcの全領域を通過する。これにより、コーナ部Rcに溶融領域と未溶融領域とが生じることに起因する残留応力の発生を抑制して、ガラス溶着体1がガラス層3のコーナ部から破損するのを防止することができる。しかも、ガラス層3のコーナ部が曲線状であるため、ガラス溶着体1においてガラス層3のコーナ部に応力が集中するのを抑制することができる。
また、ガラス溶着工程では、ガラス層3の一部3p及び主部3mにレーザ光L2を照射することにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス層3の一部3p及び主部3mを溶融させてガラス基板40とガラス基板50とを溶着する。ガラス層3の一部3pには未溶融のガラス層3が存在しているため、レーザ光L2の照射によって、溶着予定領域Rに沿ってガラス基板40とガラス基板50とを溶着することができる。しかも、ガラス層3の一部3pが延在部Ra又は延在部Rbに位置しているので、未溶融のガラス層3が存在するガラス層3の一部3pに、レーザ光L2が安定した状態で照射されることになり、溶着予定領域Rに沿ったガラス基板40とガラス基板50との溶着が確実化される。
また、ガラス溶着工程では、レーザ光L2の照射領域IR2を、相対的に移動する方向に垂直な方向における幅W1よりも相対的に移動する方向における幅W2が大きい楕円形状とする。これにより、ガラス基板40に定着させられたガラス層3を溶融させるのに要する入熱量(レーザ光がその照射領域で有するエネルギ密度)を維持しつつ、レーザ光L2の走査速度(照射対象に対するレーザ光の照射領域の相対的な移動速度)を高くすることができる。しかも、相対的に移動する方向における幅W2よりも相対的に移動する方向に垂直な方向における幅W1を小さくすることで、ガラス層3以外の領域にレーザ光L2が照射されるのを抑制することができる。
また、ガラス層定着工程では、レーザ光L1の照射領域IR1が溶着予定領域Rに沿って相対的に移動するようにガラス層3にレーザ光L1を照射する。このとき、ガラス層3のうち一部3pにおいて開いた環状に延在する主部3mにレーザ光L1を照射することにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス層3の主部3mを溶融させてガラス基板40(すなわち、ガラス部材4)にガラス層3の主部3mを定着させる。一つの溶着予定領域Rに沿ったガラス層3においてレーザ光L1が二度照射される箇所では、ガラス層3が分断され易くなるが、ガラス層3のうち一部3pにおいて開いた環状に延在する主部3mにレーザ光L1を照射することで、ガラス層3においてレーザ光L1が二度照射される箇所をなくすことができる。しかも、延在部Ra,Rbのそれぞれが曲線状のコーナ部Rcと連続的に接続されているので、溶着予定領域Rに沿ったレーザ光L1の照射領域IR1の相対的な移動を円滑に実施することができ、その結果、コーナ部Rcでのガラス層3の過剰加熱を防止することができる。
また、ガラス層定着工程では、レーザ光L1の照射領域IR1を円形状とする。これにより、溶着予定領域Rに沿ったレーザ光L1の照射領域IR1の相対的な移動を容易に且つ効率良く実施することができる。つまり、ガラス層定着装置11において、支持ステージ12やレーザヘッド13を、X軸及びY軸に垂直なZ軸回りに回転させる必要がなくなる。
なお、図13に示されるように、ディスペンサによってフリットペーストを塗布することにより、ペースト層6を溶着予定領域Rに沿ってガラス基板40の表面40aに配置した場合には、フリットペーストの塗布が重なった部分でペースト層6が盛り上がってしまう(図13の(a))。その場合には、次のようにしてガラス溶着方法を実施してもよい。
すなわち、フリットペーストの塗布が重なった部分をガラス層3の一部3pとしてガラス層定着工程を実施する。つまり、当該一部3pにおいて開いた環状に延在する主部3mにレーザ光L1を照射することにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス層3の主部3mを溶融させてガラス基板40の表面40aにガラス層3の主部3mを定着させる(図13の(b))。続いて、ガラス基板40にガラス層3を介してガラス基板50を重ね合わせる。このとき、フリットペーストの塗布が重なった部分は、ガラスフリット2を含む未溶融のガラス層3であるため、平坦に沈み込むことになる(図13の(c))。続いて、ガラス層3の一部3p及び主部3mにレーザ光L2を照射することにより、溶着予定領域Rに沿ってガラス層3の一部3p及び主部3mを溶融させてガラス基板40とガラス基板50とを溶着する(図13の(d))。以上のようにしてガラス溶着方法を実施すれば、フリットペーストの塗布が重なった部分でペースト層6が盛り上がったとしても、ガラス基板40とガラス基板50とを効率良く且つ確実に溶着することができる。
また、ガラス層定着工程において、レーザ光L1の照射領域IR1を溶着予定領域Rに沿って相対的に移動させる際に、始点P1及び終点P2を一致させたとしても、一つの溶着予定領域Rに沿ったガラス層3においてレーザ光L1が二度照射され得る箇所(すなわち、ガラス層3の分断等、ガラス層3に不良が生じ易い箇所)を、レーザ光L1の照射の始終箇所の一箇所に減少させることができる。その場合、当該箇所でガラス層3が分断されたとしても、次のようにしてガラス層3を修復することが可能である。
すなわち、当該箇所に、レーザ光吸収性顔料及びガラスフリット2を含むガラス層を別途盛り、レーザ光の照射により当該ガラス層のガラスフリット2を溶融・再固させてガラス層3と一体化させた後、研磨等により当該箇所のガラス層3の表面を平坦化すればよい。このとき、当該箇所を延在部Ra又は延在部Rbに位置させれば、応力が集中し易いコーナ部Rcに位置させた場合に比べ、修復によるガラス層3の強度低下を抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、レーザ光吸収性顔料(レーザ光吸収材)は、ガラスフリット(ガラス粉)2自体に含まれていてもよい。また、ガラスフリット(ガラス粉)2は、ガラス基板40,50(すなわち、ガラス部材4,5)の融点よりも低い融点を有するものに限定されず、ガラス基板40,50(すなわち、ガラス部材4,5)の融点以上の融点を有するものであってもよい。また、溶着予定領域Rは、矩形環状に限定されず、閉じた環状であれば、他の形状であってもよい。このように、上述したガラス溶着方法に適用される各構成の形状や材料としては、上述したもの限定されず、様々な形状や材料を適用することができる。
また、ライン10aとライン10bとは、直交する場合に限定されず、90°以外の角度で交差する場合を含む。更に、ライン10a,10bは、直線である場合に限定されず、曲線である場合を含む。また、レーザ光L1の照射領域IR1の形状は、円形状に限定されず、正多角形状等、光軸に関して点対称の形状であればよい。また、レーザ光L2の照射領域IR2の形状は、楕円形状に限定されず、長円形状等、相対的に移動する方向に垂直な方向における幅よりも相対的に移動する方向における幅が大きい形状であればよい。また、互いに溶着されたガラス基板40,50を溶着予定領域Rごとに切断する場合に限定されず、初めから板状のガラス部材4,5を準備して、ガラス部材4とガラス部材5とを溶着するようにしてもよい。また、本発明の「曲線状のコーナ部」は、内縁(コーナ内側の縁)及び外縁(コーナ外側の縁)の両方が曲線状であるものに限定されず、少なくとも内縁が曲線状であるものも含む。つまり、外縁が直線状であっても、内縁が曲線状であれば、そのようなコーナ部は本発明の「曲線状のコーナ部」に含まれる。
1…ガラス溶着体、2…ガラスフリット(ガラス粉)、3…ガラス層、4…ガラス部材(第1のガラス部材)、5…ガラス部材(第2のガラス部材)、10a…ライン(第1のライン)、10b…ライン(第2のライン)、R…溶着予定領域、Ra…延在部(第1の延在部)、Rb…延在部(第2の延在部)、Rc…コーナ部、L1…レーザ光(第1のレーザ光)、IR1…照射領域、L2…レーザ光(第2のレーザ光)、IR2…照射領域。

Claims (4)

  1. 板状の第1のガラス部材と板状の第2のガラス部材とを溶着してガラス溶着体を製造するためのガラス溶着方法であって、
    互いに交差する関係を有する第1の延在部及び第2の延在部、並びに第1の延在部及び第2の延在部のそれぞれと連続的に接続された曲線状のコーナ部を含み、且つ閉じた環状に延在する溶着予定領域を、第1のラインに第1の延在部が沿うように且つ第1のラインと交差する第2のラインに第2の延在部が沿うように、第1のガラス部材に設定し、レーザ光吸収材及びガラス粉を含むガラス層を、溶着予定領域に沿って第1のガラス部材に配置する第1の工程と、
    第1の工程の後に、溶着予定領域に沿ってガラス層を溶融させて第1のガラス部材にガラス層を定着させる第2の工程と、
    第2の工程の後に、第1のガラス部材にガラス層を介して第2のガラス部材を重ね合わせ、第2のレーザ光の照射領域が第1のライン及び第2のラインのそれぞれに沿って相対的に移動するようにガラス層に第2のレーザ光を照射することにより、溶着予定領域に沿ってガラス層を溶融させて第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着する第3の工程と、を備え、
    第1のラインに沿って相対的に移動する場合に第2のレーザ光の照射領域が有する第1のラインに垂直な方向における幅、及び第2のラインに沿って相対的に移動する場合に第2のレーザ光の照射領域が有する第2のラインに垂直な方向における幅は、第1のライン及び第2のラインのそれぞれに沿った第2のレーザ光の照射領域の相対的な移動によって、第2のレーザ光の照射領域がコーナ部の全領域を通過するように、設定される、ガラス溶着方法。
  2. 第3の工程では、第2のレーザ光の照射領域を、相対的に移動する方向に垂直な方向における幅よりも相対的に移動する方向における幅が大きい形状とする、請求項1記載のガラス溶着方法。
  3. 第2の工程では、第1のレーザ光の照射領域が溶着予定領域に沿って相対的に移動するようにガラス層に第1のレーザ光を照射することにより、溶着予定領域に沿ってガラス層を溶融させて第1のガラス部材にガラス層を定着させる、請求項1又は2記載のガラス溶着方法。
  4. 第2の工程では、第1のレーザ光の照射領域を点対称の形状とする、請求項3記載のガラス溶着方法。
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