JP2012121758A - ガラス溶着装置及びガラス溶着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガラス層等に損傷が生じるのを防止し、所定のラインに沿ってガラス部材同士を溶着し得るガラス溶着装置及びガラス溶着方法を提供する。
【解決手段】 ガラス溶着装置11は、ガラス部材4,5を支持する支持ステージ12と、ガラス部材4,5間のガラス層3にレーザ光Lを照射するレーザヘッド13と、制御部14と、を備える。ガラス層3は、ライン10に沿うように配置されている。レーザヘッド13は、方向D1を長手方向とする照射領域IRとなるようにレーザ光Lを整形するシリンドリカルレンズ17、及びそのレンズ17を回転させる回転ステージ18を有する。制御部14は、照射領域IRがライン10に沿って移動するように支持ステージ12を制御し、ライン10の各直線部10a,10bに平行な方向及び各曲線部10cの接線に平行な方向に方向D1が一致するように回転ステージ18を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、所定のラインに沿ってガラス部材同士を溶着するガラス溶着装置及びガラス溶着方法に関する。
レーザ光を利用した加工技術においては、レーザ光の照射領域の形状として長尺形状の形状を採用する場合がある。例えば、特許文献1には、ガラス基板間に配置されたガラス層にレーザ光を照射し、線状の照射領域をその長手方向に沿って移動させることにより、ガラス基板同士を溶着する技術が記載されている。また、特許文献2には、板状の被加工物にレーザ光を照射し、細長い楕円状の照射領域を所定のラインに沿って被加工物上に位置させることにより、そのラインに沿って被加工物を曲げる技術が記載されている。
特開2009−104841号公報 国際公開2004/050292号
ところで、所定のラインに沿ってガラス部材同士を溶着する場合、そのラインが直線部だけでなく曲線部を含んでいると、レーザ光の照射領域をラインに沿って移動させる速度が曲線部で遅くなり、曲線部で入熱過多の状態となってガラス層やガラス部材にクラック等の損傷が生じるおそれがある。
そこで、本発明は、所定のラインが曲線部を含んでいても、ガラス層やガラス部材に損傷が生じるのを防止しつつ、そのラインに沿ってガラス部材同士を溶着することができるガラス溶着装置及びガラス溶着方法を提供することを課題とする。
本発明のガラス溶着装置は、所定のラインに沿って第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着するガラス溶着装置であって、第1のガラス部材と第2のガラス部材との間に、ラインに沿うように、レーザ光吸収材を含むガラス層が配置された状態で、第1のガラス部材及び第2のガラス部材を支持するガラス部材支持部と、ガラス部材支持部上のガラス層において、第1の方向における幅が第1の方向に垂直な第2の方向における幅よりも大きい照射領域となるように、レーザ光を整形する整形光学系、及びレーザ光の光軸を中心として整形光学系を回転させる回転駆動体を有し、ガラス部材支持部上のガラス層にレーザ光を照射するレーザ光照射部と、照射領域がラインに沿って相対的に移動するように、ガラス部材支持部及びレーザ光照射部の少なくとも一方を制御すると共に、ラインの直線部では直線部に平行な方向に第1の方向が一致し、かつラインの曲線部では曲線部の接線に平行な方向に第1の方向が一致するように、回転駆動体を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
このガラス溶着装置では、整形光学系によって長尺形状の照射領域となるように整形されたレーザ光が、ガラス部材間に配置されたガラス層に照射され、そのレーザ光の照射領域が所定のラインに沿って相対的に移動させられる。このとき、ガラス層は、そのラインに沿うように配置されている。そして、回転駆動体が整形光学系を回転させるという簡易な構成によって、ラインの直線部では直線部に平行な方向に照射領域の長手方向が一致させられ、ラインの曲線部では曲線部の接線に平行な方向に照射領域の長手方向が一致させられる。これにより、ラインの直線部においては勿論、ラインの曲線部においても、レーザ光の照射領域がスポット状である場合に比べ、ガラス層の温度の上昇・下降を緩やかにしつつ、ガラス部材同士を溶着するのに十分な熱量をガラス層に与えることができる。よって、このガラス溶着装置によれば、所定のラインが曲線部を含んでいても、ガラス層やガラス部材に損傷が生じるのを防止しつつ、そのラインに沿ってガラス部材同士を溶着することが可能となる。
ここで、整形光学系は、第2の方向における照射領域の幅を1としたときに、第1の方向における照射領域の幅が1.5〜4となるように、レーザ光を整形することが好ましい。これによれば、ガラス層やガラス部材に損傷が生じるのをより確実に防止することができる。
また、制御部は、第1の方向における照射領域の幅が直線部と曲線部とで一定となり、かつ第2の方向における照射領域の幅が直線部に比べ曲線部で大きくなるように、レーザ光照射部を制御することが好ましい。これによれば、直線部に比べ曲線部において、照射領域の単位面積当たりの光強度を低くすることができる。従って、直線部に比べ曲線部において、レーザ光の照射領域をラインに沿って相対的に移動させる速度が遅くなったとしても、曲線部で入熱過多の状態となってガラス層やガラス部材に損傷が生じるのをより確実に防止することができる。
また、本発明のガラス溶着方法は、所定のラインに沿って第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着し、ガラス溶着体を製造するガラス溶着方法であって、第1のガラス部材と第2のガラス部材との間に、ラインに沿うように、レーザ光吸収材を含むガラス層を配置する第1の工程と、ガラス層にレーザ光を照射し、レーザ光の照射領域をラインに沿って相対的に移動させることにより、ラインに沿って第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着する第2の工程と、を備え、第2の工程においては、ラインの直線部では、直線部に平行な方向における照射領域の幅が直線部に垂直な方向における照射領域の幅よりも大きくなるようにレーザ光を整形し、ラインの曲線部では、曲線部の接線に平行な方向における照射領域の幅が接線に垂直な方向における照射領域の幅よりも大きくなるようにレーザ光を整形することを特徴とする。
このガラス溶着方法では、レーザ光が、ガラス部材間に配置されたガラス層に照射され、そのレーザ光の照射領域が所定のラインに沿って相対的に移動させられる。このとき、ガラス層は、そのラインに沿うように配置されている。そして、ラインの直線部では、直線部に平行な方向を長手方向とする長尺形状の照射領域となるようにレーザ光が整形され、ラインの曲線部では、曲線部の接線に平行な方向を長手方向とする長尺形状の照射領域となるようにレーザ光が整形される。従って、上述したガラス溶着装置と同様の理由から、このガラス溶着方法によれば、所定のラインが曲線部を含んでいても、ガラス層やガラス部材に損傷が生じるのを防止しつつ、そのラインに沿ってガラス部材同士を溶着することが可能となる。
本発明によれば、所定のラインが曲線部を含んでいても、ガラス層やガラス部材に損傷が生じるのを防止しつつ、そのラインに沿ってガラス部材同士を溶着することができる。
本発明の一実施形態のガラス溶着方法によって製造されたガラス溶着体の斜視図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着装置の斜視図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法におけるラインとレーザ光の照射領域との関係を示す平面図である。 本発明の一実施形態のガラス溶着方法を説明するための斜視図である。 レーザ光の照射領域がスポット状である場合及び長尺形状である場合のそれぞれにおけるガラス層の温度を示すグラフである。 本発明の他の実施形態のガラス溶着装置の斜視図である。 本発明の他の実施形態のガラス溶着装置の斜視図である。 本発明の他の実施形態のガラス溶着方法におけるラインとレーザ光の照射領域との関係を示す平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態のガラス溶着方法によって製造されたガラス溶着体の斜視図である。図1に示されるように、ガラス溶着体1は、所定のライン10に沿うように配置されたガラス層3を介して、ガラス部材4とガラス部材5とが溶着されたものである。このガラス溶着体1は、例えば有機ELディスプレイであり、ライン10の内側に形成された発光素子領域がガラス部材4,5及びガラス層3によって外部雰囲気から封止されている。
ガラス部材4,5は、例えば無アルカリガラスからなる厚さ0.7mmの矩形板状の部材である。ライン10は、ガラス部材4,5の外縁に沿うように矩形環状に設定されており、ライン10の角部は、R面取りされている。ライン10は、長辺に対応する直線部10a、短辺に対応する直線部10b、及び角部に対応する曲線部10cを含んでいる。ガラス層3は、例えば低融点ガラス(バナジウムリン酸系ガラス、鉛ホウ酸ガラス等)からなる層である。ガラス層3は、ライン10に沿ってライン10上に位置するように、ガラス部材4,5間に配置されている。なお、ガラス部材4,5の形状としては、矩形板状に限定されず、様々な形状を適用することができる。また、ライン10の形状としては、矩形環状に限定されず、様々な形状を適用することができる。
図2は、本発明の一実施形態のガラス溶着装置の斜視図である。図2に示されるように、ガラス溶着装置11は、支持ステージ(ガラス部材支持部)12と、レーザヘッド(レーザ光照射部)13と、制御部14と、を備えている。このガラス溶着装置11は、ライン10に沿ってガラス部材4とガラス部材5とを溶着するための装置である。
支持ステージ12は、ガラス部材4,5が載置される載置台であって、ガラス部材4,5間にガラス層3が配置された状態でガラス部材4,5を支持する。ガラス層3は、レーザ光吸収性顔料(レーザ光吸収材)を含んでおり、ライン10に沿うように配置されている。
レーザヘッド13は、支持ステージ12上のガラス層3にレーザ光Lを照射する。レーザヘッド13は、レーザ光出射部15、コリメートレンズ16、シリンドリカルレンズ(整形光学系)17及び回転ステージ(回転駆動体)18を有している。レーザ光出射部15、コリメートレンズ16及びシリンドリカルレンズ17は、レーザ光Lの光軸OA上に配置されている。
レーザ光出射部15は、支持ステージ12上のガラス層3に向けてレーザ光Lを出射する。コリメートレンズ16は、レーザ光出射部15から出射されたレーザ光Lをコリメートする。シリンドリカルレンズ17は、支持ステージ12上のガラス層3における照射領域IRが楕円形状となるように、コリメートレンズ16によってコリメートされたレーザ光Lを整形する。回転ステージ18は、シリンドリカルレンズ17を内側に保持する円筒状の駆動体であって、レーザ光Lの光軸OAを中心としてシリンドリカルレンズ17を回転させる。
シリンドリカルレンズ17は、より具体的には、支持ステージ12上のガラス層3において、第1の方向D1における幅が第1の方向D1に垂直な第2の方向D2における幅よりも大きい照射領域IRとなるように、レーザ光Lを整形する。ここでは、シリンドリカルレンズ17の光入射面17aは、第2の方向D2のみにレーザ光Lを収束させる凸面(例えば焦点距離100mm)となっており、シリンドリカルレンズ17の光出射面17bは、第1の方向D1のみにレーザ光Lを収束させる凸面(例えば焦点距離300mm)となっている。
制御部14は、照射領域IRがライン10に沿って相対的に移動するように、支持ステージ12を制御する。また、制御部14は、ライン10の各直線部10a,10bでは各直線部10a,10bに平行な方向に第1の方向D1が一致し、かつライン10の各曲線部10cでは各曲線部10cの接線に平行な方向に第1の方向D1が一致するように、回転ステージ18を制御する。なお、制御部14は、照射領域IRがライン10に沿って相対的に移動するように、レーザヘッド13を制御してもよいし、支持ステージ12及びレーザヘッド13の両方を制御してもよい。
次に、ガラス溶着装置11を用いてガラス溶着体1を製造するためのガラス溶着方法について説明する。まず、図3に示されるように、マトリックス状(ここでは3行5列)に配置された複数のガラス部材4を含むガラス基板40を準備する。そして、ガラス部材4ごとにライン10を設定する。
続いて、ディスペンサやスクリーン印刷等によってフリットペーストを塗布することにより、ガラス部材4ごとにライン10に沿うようにガラス基板40の表面40aにペースト層6を配置する。フリットペーストは、例えば、低融点ガラスからなる粉末状のガラスフリット(ガラス粉)2、酸化鉄等の無機顔料であるレーザ光吸収性顔料(レーザ光吸収材)、酢酸アミル等である有機溶剤、及びアクリル等の樹脂成分であるバインダが混練されたものである。続いて、ペースト層6を乾燥させて有機溶剤を除去し、ペースト層6を加熱してバインダを除去することにより、ガラス基板40の表面40aにガラス層3を固着させる。更に、ガラス層3を加熱してガラスフリット2を溶融・再固化させることにより、ガラス基板40の表面40aに、レーザ光吸収性顔料を含むガラス層3を定着させる。
続いて、図4に示されるように、マトリックス状(ここでは3行5列)に配置された複数のガラス部材5を含むガラス基板50を準備する。そして、ガラス部材4のそれぞれとガラス部材5のそれぞれとがガラス層3を介して対向するようにガラス基板40とガラス基板50とを重ね合わせ、この状態でガラス基板40,50をガラス溶着装置11の支持ステージ12上に載置する。これにより、ガラス部材4とガラス部材5との間に、ライン10に沿うように、レーザ光吸収性顔料を含むガラス層3が配置されることになる(第1の工程)。なお、ガラス基板50においてガラス基板40の表面40aに対向する表面50aには、ガラス部材5ごとに発光素子領域が形成されている。
続いて、レーザヘッド13にレーザ光Lを出力させると共に支持ステージ12を駆動させることにより、図5に示されるように、対向するガラス部材4,5ごとに、ガラス層3にレーザ光Lを照射し、レーザ光Lの照射領域IRをライン10に沿って相対的に移動させる。これにより、ガラス層3及びその周辺部分(ガラス基板40,50の表面40a,50a部分)が溶融・再固化し、ライン10に沿ってガラス部材4とガラス部材5とが溶着される(第2の工程)。なお、溶着においては、ガラス層3が溶融し、ガラス基板40,50の少なくとも一方が溶融しない場合もある。
このとき、回転ステージ18にシリンドリカルレンズ17を回転させることにより、図6に示されるように、ライン10の直線部10aでは、直線部10aに平行な方向に、照射領域IRの長手方向である第1の方向D1が一致させられ、ライン10の直線部10bでは、直線部10bに平行な方向に、照射領域IRの長手方向である第1の方向D1が一致させられる。つまり、ライン10の各直線部10a,10bでは、各直線部10a,10bに平行な方向における照射領域IRの幅が各直線部10a,10bに垂直な方向における照射領域IRの幅よりも大きくなるようにレーザ光Lが整形される。なお、ライン10の各直線部10a,10bでは、各直線部10a,10bに垂直な方向における照射領域IRの幅が各直線部10a,10bに垂直な方向におけるガラス層3の幅よりも大きくなるようにレーザ光Lが整形される。
同様に、回転ステージ18にシリンドリカルレンズ17を回転させることにより、図6に示されるように、ライン10の曲線部10cでは、曲線部10cの接線Tに平行な方向に、照射領域IRの長手方向である第1の方向D1が一致させられる。つまり、ライン10の各曲線部10cでは、各曲線部10cの接線Tに平行な方向における照射領域IRの幅が各曲線部10cの接線Tに垂直な方向における照射領域IRの幅よりも大きくなるようにレーザ光Lが整形される。なお、ライン10の各曲線部10cでは、各曲線部10cの接線Tに垂直な方向における照射領域IRの幅が各曲線部10cの接線Tに垂直な方向におけるガラス層3の幅よりも大きくなるようにレーザ光Lが整形される。
続いて、図7に示されるように、ガラス基板40,50から、溶着されたガラス部材4,5を切り出し、複数(ここでは15セット)のガラス溶着体1を得る。
以上説明したように、ガラス溶着装置11、及びそれを用いたガラス溶着方法においては、シリンドリカルレンズ17によって長尺形状の照射領域IRとなるように整形されたレーザ光Lが、ガラス部材4,5間に配置されたガラス層3に照射され、そのレーザ光Lの照射領域IRがライン10に沿って相対的に移動させられる。このとき、ガラス層3は、ライン10に沿うように配置されている。そして、回転ステージ18がシリンドリカルレンズ17を回転させるという簡易な構成によって、ライン10の各直線部10a,10bでは各直線部10a,10bに平行な方向に照射領域IRの長手方向(すなわち、第1の方向D1)が一致させられ、ライン10の各曲線部10cでは各曲線部10cの接線Tに平行な方向に照射領域IRの長手方向が一致させられる。これにより、ライン10の各直線部10a,10bにおいては勿論、ライン10の各曲線部10cにおいても、レーザ光Lの照射領域IRが円形状等のスポット状である場合に比べ、ガラス層3の温度の上昇・下降を緩やかにしつつ、ガラス部材4,5同士を溶着するのに十分な熱量をガラス層3に与えることができる。よって、ガラス溶着装置11、及びそれを用いたガラス溶着方法によれば、ライン10が曲線部10cを含んでいても、ガラス層3やガラス部材4,5にクラック等の損傷が生じるのを防止しつつ、そのライン10に沿ってガラス部材4,5同士を溶着することが可能となる。
特に、ライン10の各曲線部10cでは、ライン10の各直線部10a,10bに比べ、レーザ光Lの照射領域IRをライン10に沿って相対的に移動させる速度が遅くなり、入熱過多の状態となってガラス層3やガラス部材4,5にクラック等の損傷が生じ易い。しかしながら、ガラス溶着装置11、及びそれを用いたガラス溶着方法においては、回転ステージ18がシリンドリカルレンズ17を回転させるという簡易な構成によって、各曲線部10cの接線Tに平行な方向に照射領域IRの長手方向が精度良く一致させられ、それにより、各曲線部10cでガラス層3やガラス部材4,5にクラック等の損傷が生じることが確実に防止される。
また、第2の方向D2における照射領域IRの幅を1としたときに、第1の方向D1における照射領域IRの幅が1.5〜4となるように、シリンドリカルレンズ17がレーザ光Lを整形すれば、ガラス層3やガラス部材4,5にクラック等の損傷が生じるのをより確実に防止することができる。
図8は、レーザ光の照射領域がスポット状である場合及び長尺形状である場合のそれぞれにおけるガラス層の温度を示すグラフである。図8に示されるように、レーザ光Lの照射領域IRがスポット状(例えば直径1.6mmの真円状)であると、ガラス層3(例えば幅0.8mm)の温度の上昇・下降が急になるので、ガラス層3が急加熱・急冷却されることになる。しかも、レーザ光Lの照射時間が短くなるので、ガラス層3が到達する最高温度を高くしないと、ガラス部材4,5同士を溶着するのに十分な熱量(図8における斜線ハッチング領域に相当する)をガラス層3に与えることができない。これらにより、レーザ光Lの照射領域IRがスポット状である場合には、ガラス層3やガラス部材4,5にクラック等の損傷が生じ易くなる。
それに対し、レーザ光Lの照射領域IRが長尺形状(例えば長径6mm、短径1.6mmの楕円状)であると、ガラス層3(例えば幅0.8mm)の温度の上昇・下降が緩やかになるので、ガラス層3が急加熱・急冷却されるのを防止することができる。しかも、レーザ光Lの照射時間が長くなるので、ガラス層3が到達する最高温度を高くしなくても、ガラス部材4,5同士を溶着するのに十分な熱量(図8におけるドットハッチング領域に相当する)をガラス層3に与えることができる。これらにより、レーザ光Lの照射領域IRが長尺形状である場合には、ガラス層3やガラス部材4,5にクラック等の損傷が生じるのを防止することが可能となる。更に、レーザ光Lの照射領域IRがスポット状である場合に比べレーザ光Lの照射時間が長くなる分、照射領域IRをライン10に沿って相対的に移動させる速度を速くすることもできるので、その場合には、タクトタイムを短縮化することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図9に示されるように、レーザヘッド13は、レーザ光出射部15、コリメートレンズ16、集光レンズ21、シリンドリカルレンズ(整形光学系)22及び回転ステージ18を有するものであってもよい。ここでは、シリンドリカルレンズ22の光入射面22aは、平面となっており、シリンドリカルレンズ22の光出射面22bは、第2の方向D2のみにレーザ光Lを収束させる凹面となっている。これにより、コリメートレンズ16によってコリメートされたレーザ光Lは、集光レンズ21によって集光された後、支持ステージ12上のガラス層3における照射領域IRが楕円形状となるように、シリンドリカルレンズ22によって整形される。
また、図10に示されるように、レーザヘッド13は、レーザ光出射部15、コリメートレンズ16、集光レンズ21、アキシコンレンズ(整形光学系)23及び回転ステージ18を有するものであってもよい。ここでは、アキシコンレンズ23の光入射面23aは、平面となっており、アキシコンレンズ23の光出射面23bは、峰が第1の方向D1に延在するように山折りされた平面となっている。これにより、コリメートレンズ16によってコリメートされたレーザ光Lは、集光レンズ21によって集光された後、支持ステージ12上のガラス層3における照射領域IRが長尺形状(弧と弦とからなる形状が互いの弧と弦とが接するように重ね合わされた形状)となるように、アキシコンレンズ23によって整形される。
また、図11に示されるように、制御部14は、第1の方向D1における照射領域IRの幅が各直線部10a,10bと各曲線部10cとで一定となり、かつ第2の方向D2における照射領域IRの幅が各直線部10a,10bに比べ各曲線部10cで大きくなるように、レーザヘッド13を制御してもよい。これによれば、各直線部10a,10bに比べ各曲線部10cにおいて、照射領域IRの単位面積当たりの光強度を低くすることができる。従って、各直線部10a,10bに比べ各曲線部10cにおいて、レーザ光Lの照射領域IRをライン10に沿って相対的に移動させる速度が遅くなったとしても、各曲線部10cで入熱過多の状態となってガラス層3やガラス部材4,5にクラック等の損傷が生じるのをより確実に防止することができる。なお、このような照射領域IRの形状の調整は、例えば、図9のレーザヘッド13において集光レンズ21とシリンドリカルレンズ22との距離を変更したり、図10のレーザヘッド13において集光レンズ21とアキシコンレンズ23との距離を変更したりすることで、実現可能である。
また、上記実施形態では、ガラス層3を加熱してガラスフリット2を溶融・再固化させることにより、ガラス基板40の表面40aに、レーザ光吸収性顔料を含むガラス層3を定着させたが、ガラス基板40に対するガラス層3の配置は、これに限定されない。一例として、ガラス基板40に対するガラス層3の配置は、ペースト層6を乾燥させて有機溶剤を除去し、ペースト層6を加熱してバインダを除去することにより、ガラス基板40の表面40aにガラス層3を固着させるだけでもよい。また、レーザ光Lの照射は、ガラス基板40側から実施してもよい。
1…ガラス溶着体、3…ガラス層、4…ガラス部材(第1のガラス部材)、5…ガラス部材(第2のガラス部材)、10…ライン、10a,10b…直線部、10c…曲線部、11…ガラス溶着装置、12…支持ステージ(ガラス部材支持部)、13…レーザヘッド(レーザ光照射部)、14…制御部、17,22…シリンドリカルレンズ(整形光学系)、18…回転ステージ(回転駆動体)、23…アキシコンレンズ(整形光学系)、L…レーザ光、IR…照射領域。

Claims (4)

  1. 所定のラインに沿って第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着するガラス溶着装置であって、
    前記第1のガラス部材と前記第2のガラス部材との間に、前記ラインに沿うように、レーザ光吸収材を含むガラス層が配置された状態で、前記第1のガラス部材及び前記第2のガラス部材を支持するガラス部材支持部と、
    前記ガラス部材支持部上の前記ガラス層において、第1の方向における幅が前記第1の方向に垂直な第2の方向における幅よりも大きい照射領域となるように、レーザ光を整形する整形光学系、及び前記レーザ光の光軸を中心として前記整形光学系を回転させる回転駆動体を有し、前記ガラス部材支持部上の前記ガラス層に前記レーザ光を照射するレーザ光照射部と、
    前記照射領域が前記ラインに沿って相対的に移動するように、前記ガラス部材支持部及び前記レーザ光照射部の少なくとも一方を制御すると共に、前記ラインの直線部では前記直線部に平行な方向に前記第1の方向が一致し、かつ前記ラインの曲線部では前記曲線部の接線に平行な方向に前記第1の方向が一致するように、前記回転駆動体を制御する制御部と、を備えることを特徴とするガラス溶着装置。
  2. 前記整形光学系は、前記第2の方向における前記照射領域の幅を1としたときに、前記第1の方向における前記照射領域の幅が1.5〜4となるように、前記レーザ光を整形することを特徴とする請求項1記載のガラス溶着装置。
  3. 前記制御部は、前記第1の方向における前記照射領域の幅が前記直線部と前記曲線部とで一定となり、かつ前記第2の方向における前記照射領域の幅が前記直線部に比べ前記曲線部で大きくなるように、前記レーザ光照射部を制御することを特徴とする請求項1又は2記載のガラス溶着装置。
  4. 所定のラインに沿って第1のガラス部材と第2のガラス部材とを溶着し、ガラス溶着体を製造するガラス溶着方法であって、
    前記第1のガラス部材と前記第2のガラス部材との間に、前記ラインに沿うように、レーザ光吸収材を含むガラス層を配置する第1の工程と、
    前記ガラス層にレーザ光を照射し、前記レーザ光の照射領域を前記ラインに沿って相対的に移動させることにより、前記ラインに沿って前記第1のガラス部材と前記第2のガラス部材とを溶着する第2の工程と、を備え、
    前記第2の工程においては、前記ラインの直線部では、前記直線部に平行な方向における前記照射領域の幅が前記直線部に垂直な方向における前記照射領域の幅よりも大きくなるように前記レーザ光を整形し、前記ラインの曲線部では、前記曲線部の接線に平行な方向における前記照射領域の幅が前記接線に垂直な方向における前記照射領域の幅よりも大きくなるように前記レーザ光を整形することを特徴とするガラス溶着方法。
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JP2017212251A (ja) * 2016-05-23 2017-11-30 日本電気硝子株式会社 気密パッケージの製造方法及び気密パッケージ

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