JP2013216149A - ランフラットタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トレッド踏面5に、トレッド周方向に連続して延びる複数本の周方向溝12,13を設けてなるランフラットタイヤであって、トレッド踏面5を、タイヤ赤道面Cを中心としてトレッド幅方向の両側にわたる、タイヤ接地幅W0の45%の幅W1を有する中央域Acと、該中央域Acのトレッド幅方向外側の側方域Asとに区分けし、前記中央域Acに配置した周方向溝12の溝幅を、15mm以上かつ30mm以下としてなる。
【選択図】図2
Description
また、このようにクラウン域の外表面形状を設定した場合は、タイヤの縦ばねが増加して、乗り心地性能の悪化を招くおそれがあるという他の問題もあった。
また、「タイヤ接地幅」は、タイヤを適用リムに組み付けるとともに規定内圧を充填した状態で、路面に垂直姿勢で静止配置して、該タイヤに、ロードインデックスの80%に相当する負荷を加えたときに、路面に接触するタイヤの外周面の幅方向長さをいう。
そして、その規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであり、例えば、アメリカ合衆国では、“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“The European Tyre and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
また、この発明のランフラットタイヤでは、トレッド踏面に設ける前記複数本の周方向溝の本数を、二本〜五本とすることが好ましい。
なおここで、この発明のランフラットタイヤでは、トレッド幅方向の最も外側に存在する周方向溝の、溝幅の中心位置を該周方向溝の延在方向に沿って結んだ中心線を、適用リムに組み付けるとともに規定内圧を充填した無負荷状態で、タイヤ赤道面からトレッド幅方向外側に、タイヤ接地幅の10%〜30%の範囲内で離隔させて位置させることが好ましい。
従って、このランフラットタイヤは、乗り心地性能に影響を及ぼすクラウン域の外表面形状を変えることなしに、ショルダー陸部での偏摩耗の発生を、長期間にわたって有効に防止することができる。
これはすなわち、中央域の周方向溝の溝幅を15mm未満とした場合は、接地面内で、その周方向溝に隣接する陸部の大きな変形をもたらす、該周方向溝の溝底部分の、路面側への膨出変形が、所期したほど大きくならずに、中央域側の陸部表面の摩耗を十分に促進させることができないので、ショルダー陸部で偏摩耗が生じることになり、この一方で、中央域の周方向溝の溝幅を、30mmを超えるものとした場合は、該周方向溝の溝底部分の前記膨出変形により、その溝底が接地面内で路面に接触することがあり、それによって、中央域の周方向溝による排水性能の低下を招くからである。
これを言い換えれば、一本だけの周方向溝では、所要の排水性能を確保することが困難であり、また、周方向溝の本数を六本以上とした場合は、多数本の周方向溝の配設により、トレッド幅方向の陸部剛性の低下を招いて、操縦安定性能が悪化する懸念がある。
なお、前記中間陸部のトレッド幅方向の両側に隣接するそれぞれの周方向溝の溝深さが、相互に異なる場合は、前記溝深さDは、中間陸部の両側の周方向溝のうち、溝深さの深い周方向溝の溝深さをいうものとする。
すなわち、最外側の周方向溝の中心線の、タイヤ赤道面からのトレッド幅方向の離隔距離を10%未満とした場合は、ショルダー陸部での偏摩耗の発生を防止するべく、摩耗を促進させるセンター側陸部の陸部幅を十分に広くすることができないので、センター側陸部での摩耗を、所期したほど促進させることができず、この一方で、前記離隔距離を、30%を超えるものとした場合は、ショルダー陸部の陸部幅が狭くなって、センター側陸部の摩耗が進行してなお、ショルダー陸部に偏摩耗が生じ得る懸念があるからである。
図1に示すランフラットタイヤ1は、一対のビード部2のそれぞれに埋設配置したビードコア3と、たとえば、それらのビードコア3の周りで折り返すとともに、ビード部2からサイドウォール部4を経てトレッド部5に至るトロイド状の一枚以上のカーカスプライからなるカーカス6と、該カーカス6のクラウン域のタイヤ半径方向外側に配置した一層以上のベルト層からなるベルト7と、該ベルト7のタイヤ半径方向外側に配置されて、トレッド踏面8を形成するトレッドゴム9と,カーカス6の内面を覆って配設されて、空気不透過性のゴム材料もしくは樹脂材料等からなるインナーライナ10とを具えてなる。
またここでは、側方域Asの周方向溝13に比して広幅とした、中央域Acの周方向溝12の溝幅を、適用リムに組み付けるとともに規定内圧を充填した無負荷状態の下、それの溝開口位置でトレッド幅方向に沿う向きに測って15mm以上かつ30mm以下とする。
それにより、トレッド踏面5がある程度摩耗した、走行の中期以降も、中央域Ac側の陸部表面と、側方域As側の陸部表面とのタイヤ外径の差がそれほど大きくならず、そのようなタイヤ外径の差の増大による、ショルダー陸部16の引き摺り摩耗を抑制することができる。これがため、ショルダー陸部16の偏摩耗を有効に防止することができ、このランフラットタイヤ1は、トレッド踏面5に設けた周方向溝12,13が、トレッドゴム9の摩滅によって消失するまで使用することができる。
これにより、最も狭幅の中間陸部55の陸部幅をある程度の広さとして、トレッド幅方向の所要の陸部剛性を確保することで、大きなコーナーリングパワーを発揮させて、操縦安定性能の悪化を有効に防止することができる。
また、このパターンでは、中間陸部15に、トレッド周方向の一方側に凸の湾曲姿勢で、両側の周方向溝12,13のそれぞれに開口する湾曲横溝19を設けて、該中間陸部15をブロック状に形成するとともに、トレッド周方向に隣接する湾曲横溝19の相互間に、トレッド幅方向に対して傾斜して延びて、トレッド幅方向外側の周方向溝13だけに開口する傾斜溝20を設けている。
なお、先に述べた図3,4に示すいずれのパターンも、溝幅および陸部幅の相違を除いて、図2に示すパターンと同様の構成を有するものである。
一方、比較例タイヤは、図5に示すトレッドパターンを有し、中央域に配置した周方向溝の溝幅を12mm、側方域に配置した周方向溝の溝幅を13mmとしたことを除いて、実施例タイヤ1と同様の構成とした。
(偏摩耗評価試験)
テストコースを20000km走行後のトレッド部の摩耗量を測定した。このときの、タイヤ赤道面位置での摩耗量Aと、ショルダー部の摩耗量Bとの比B/Aを摩耗量比を表1に示す。この摩耗量比は、数値が1.0に近いほどトレッド踏面の摩耗が均一であることから、ショルダー陸部での偏摩耗が抑制されていることを表す。
(操縦安定性能評価試験)
ロードインデックスの80%荷重でのコーナーリングパワーを測定した。その結果を、比較例タイヤを100とする指数値で表1に示す。この指数値は、数値が大きいほど操縦安定性能が良好であることを表す。
テストコースで水深6mmの直線路を走行させ、ハイドロプレーニング現象が発生したときの速度を測定した。表1に示す指数値は、比較例タイヤを100としたものであり、数値が大きいほど排水性能が良好であることを表す。
(乗り心地性能評価試験)
ロードインデックスの80%荷重でのタイヤ縦ばねを測定した。その測定値の逆数を、比較例タイヤを100とする指数値で表1に示す。この指数値は、数値が大きいほど乗り心地性能が良好であることを表す。
従って、この発明のランフラットタイヤによれば、タイヤの乗り心地性能に影響を及ぼすことなしに、ショルダー陸部での偏摩耗の発生を有効に防止できることが明らかである。
2 ビード部
3 ビードコア
4 サイドウォール部
5 トレッド部
6 カーカス
7 ベルト
8 トレッド踏面
9 トレッドゴム
10 インナーライナ
11 サイド補強ゴム
12,13,32,33,52,53 周方向溝
14,34,54 センター側陸部
15,35,55 中間陸部
16,36,56 ショルダー陸部
17,36,56 周方向サイプ
18 短傾斜溝
19 湾曲横溝
20 傾斜溝
21 幅方向溝
22 横溝
C タイヤ赤道面
E トレッド踏面端
Ac 中央域
As 側方域
W0 タイヤ接地幅
W1 中央域の幅
L 最も幅方向外側の周方向溝の中心線
R 最も幅方向外側の周方向溝の、タイヤ赤道面からの離隔距離
Wmin 最も狭幅とした中間陸部の陸部幅
D 溝深さ
Claims (6)
- トレッド踏面に、トレッド周方向に連続して延びる複数本の周方向溝を設けてなるランフラットタイヤであって、
トレッド踏面を、タイヤ赤道面を中心としてトレッド幅方向の両側にわたる、タイヤ接地幅の45%の幅を有する中央域と、該中央域のトレッド幅方向外側の側方域とに区分けし、前記中央域に配置した周方向溝の溝幅を、15mm以上かつ30mm以下としてなるランフラットタイヤ。 - 前記中央域および前記側方域のうちの中央域だけに、前記複数本の周方向溝を配置し、または、前記中央域に周方向溝を配置するとともに、前記側方域に、前記中央域の最も溝幅の狭い周方向溝より溝幅の狭い周方向溝を配置し、
トレッド踏面に設けた前記複数本の周方向溝によりトレッド踏面に区画される複数の陸部のうち、タイヤ赤道面に最も近接するセンター側陸部の陸部幅を、該センター側陸部のトレッド幅方向外側に隣接する陸部の陸部幅より広くしてなる、請求項1に記載のランフラットタイヤ。 - トレッド踏面に設ける前記複数本の周方向溝の本数を、二本〜五本としてなる、請求項1もしくは2に記載のランフラットタイヤ。
- トレッド踏面に設ける前記複数本の周方向溝の本数を四本以上とし、
前記四本以上の周方向溝によりトレッド踏面に区画される陸部のうち、タイヤ赤道面に最も近接するセンター側陸部と、トレッド幅方向の最も外側に位置するショルダー陸部との間に存在する中間陸部を、他の陸部に比して最も狭幅とし、前記中間陸部の陸部幅Wminと、該中間陸部のトレッド幅方向の両側に隣接する周方向溝の溝深さDとが、
Wmin/D≧1.5
の関係を満たすものとしてなる、請求項1〜3のいずれかに記載のランフラットタイヤ。 - トレッド踏面に設ける前記複数本の周方向溝によりトレッド踏面に区画される陸部のうち、タイヤ赤道面に最も近接するセンター側陸部を、タイヤ赤道面上に配置してなる、請求項1〜4のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
- トレッド幅方向の最も外側に存在する周方向溝の中心線を、タイヤ赤道面からトレッド幅方向外側に、タイヤ接地幅の10%〜30%の範囲内で離隔させて位置させてなる、請求項1〜5のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
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