JP2013216122A - 車両のブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サーボ圧の有無に関わらず、良好なブレーキ操作フィーリングが得られるブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】 マスタシリンダユニット20は、液圧ブースタ21、マスタシリンダ22、リザーバ23及びサーボ圧配管24を備える。液圧ブースタ21は、ブレーキペダル10に連結されており、増圧機構80からサーボ圧配管24を介してサーボ圧が供給される。マスタシリンダ22は、加圧ピストン22aを備えており、ペダル10に連結された第1ピストンロッド22bと加圧ピストン22aに連結された第2ピストンロッド22cとを備えている。そして、マスタシリンダ22は、ピストンロッド22b,22cとの間に配置されてこれらピストンロッド22b,22cを連結するとともに、ペダル10の踏み込み操作に伴うストロークを調整する弾性体としてのストローク調整スプリング22dを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、作動液の液圧を受けて車輪に制動力を与えるホイールシリンダと、ドライバによるブレーキペダルの操作により液圧を発生させるマスタシリンダと、加圧ポンプの駆動により液圧を発生させる動力式液圧源と、動力式液圧源からホイールシリンダに伝達される液圧を調整するリニア制御弁と、マスタシリンダから出力される液圧を検出する液圧検出手段と、液圧検出手段によって検出された液圧に基づいてリニア制御弁を駆動制御する制御手段とを備えた車両のブレーキ装置に関する。
近年、加圧ポンプ、増圧リニア制御弁及び減圧リニア制御弁を備え、ドライバによるブレーキペダルの踏み込み操作に伴ってマスタシリンダにて発生する液圧に対応するホイールシリンダの目標液圧を設定し、増圧リニア制御弁及び減圧リニア制御弁を駆動させることにより、加圧ポンプによって加圧された液圧を設定されたホイールシリンダの目標液圧に追従させて供給するブレーキ装置が提案されている。そして、この種のブレーキ装置として、従来から、例えば、下記特許文献1及び下記特許文献2に示されたブレーキシステムは知られている。これら従来のブレーキシステムでは、電気系に異常が発生した場合においては、加圧ポンプ、増圧リニア制御弁及び減圧リニア制御弁の作動が停止されるため、マスタシリンダの液圧によって増圧機構を作動させ、サーボ圧を左右前輪のブレーキシリンダや、前後の対角位置のブレーキシリンダに供給し、液漏れの可能性がある場合においては、加圧ポンプ、増圧リニア制御弁及び減圧リニア制御弁の作動を停止させるとともに増圧機構の作動をも停止させ、左右前輪の連通が遮断されるとともに前後輪の連通が遮断されるようになっている。
特開2011−156998号公報 特開2011−156999号公報
一般に、マスタシリンダには、ドライバによるブレーキペダルの踏み込み操作をアシストするための倍力機構が設けられており、これら倍力機構として、例えば、サーボ圧を油圧としたハイドロブースタ(液圧ブースタ)を挙げることができる。このハイドロブースタ(液圧ブースタ)においては、サーボ圧が供給されている状況では、ドライバによってブレーキペダルを介して入力される踏力を適切に倍力(増幅)してマスタシリンダから所定の液圧を発生させるようになる。従って、上述したような従来のブレーキシステム等では、ドライバが、例えば、ハイドロブースタ(液圧ブースタ)によるアシストを享受して容易にマスタシリンダから発生させた所定の液圧に対応して、適切な液圧を加圧ポンプからホイールシリンダに供給することが可能となる。
ところで、例えば、上記従来のブレーキシステムにおける増圧機構を利用してサーボ圧をハイドロブースタ(液圧ブースタ)に導入する場合を想定すると、上述したように、状況によってサーボ圧がハイドロブースタ(液圧ブースタ)に導入される場合と導入されない場合が生じる可能性がある。或いは、増圧機構からサーボ圧が供給されているにもかかわらず、何らかの事情(配管の液漏れや詰まり等)によってサーボ圧がハイドロブースタ(液圧ブースタ)に導入されない可能性もある。このようなサーボ系の失陥(異常)が発生した場合、マスタシリンダにおいては、一般に、サーボ圧の有無に応じて、ドライバによる踏力とブレーキペダル(マスタシリンダ)のストロークの関係は変化するものの、ブレーキペダルの踏み込み操作に伴って発生する液圧とストロークの関係は変化しない。このため、ドライバは、ハイドロブースタ(液圧ブースタ)にサーボ圧が導入されない場合には、サーボ圧が導入される場合に比して、より大きな踏力によってマスタシリンダをストロークさせて所定の液圧を発生させる必要があるために違和感を覚え、良好なブレーキ操作フィーリングを得ることができない。
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的の一つは、サーボ圧の有無に関わらず、良好なブレーキ操作フィーリングが得られるブレーキ装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による車両のブレーキ装置は、ホイールシリンダと、マスタシリンダと、動力式液圧源と、リニア制御弁と、液圧検出手段と、制御手段とを備えている。
前記ホイールシリンダは、作動液の液圧を受けて車輪に制動力を与える。前記マスタシリンダは、ドライバによるブレーキペダルの操作により液圧を発生させる。動力式液圧源は、加圧ポンプの駆動により液圧を発生させる。リニア制御弁は、前記動力式液圧源から前記ホイールシリンダに伝達される液圧を調整する。前記液圧検出手段は、前記マスタシリンダから出力される液圧を検出する。前記制御手段は、前記液圧検出手段によって検出された液圧に基づいて前記リニア制御弁を駆動制御する。
本発明による車両のブレーキ装置の特徴は、前記マスタシリンダにおいて、収容された作動液を加圧する加圧ピストンと前記ブレーキペダルとを連結するピストンロッドが分割されており、前記ブレーキペダルに対して一端部が接続された第1ピストンロッドと、前記加圧ピストンに対して一端部が接続された第2ピストンロッドと、前記第1ピストンロッドの他端部と前記第2ピストンロッドの他端部とを連結し、ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴うストロークを調整する弾性体とを備え、少なくとも前記加圧ピストンと前記第1ピストンロッドの他端部とに対して、ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴って発生するサーボ圧が導入されることにある。
この場合、前記サーボ圧は、例えば、ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴って前記マスタシリンダから出力される液圧により機械的に作動し、前記マスタシリンダから出力された液圧に対して所定の比となる液圧を発生させる増圧機構から供給されるとよい。
これらによれば、第1ピストンロッドの他端部と第2ピストンロッドの他端部との間に弾性体を設けることができる。これにより、例えば、増圧機構から供給されるサーボ圧が導入されているときには、ドライバがブレーキペダルを操作すると、第1ピストンロッドのストロークに合わせて導入されたサーボ圧によって加圧ピストンがストロークして弾性体の撓みが小さくなる。すなわち、サーボ圧が適切に導入されている状況では、弾性体を介して互いに連結された第1ピストンロッドと第2ピストンロッドとが一体的にストロークするため、ドライバは良好なブレーキ操作フィーリングを得ることができる。
一方、例えば、増圧機構から供給されるサーボ圧が導入されていないときには、サーボ圧による加圧ピストンのストロークが小さくなるため、ドライバがブレーキペダルを操作すると、第1ピストンロッドのストロークに比して加圧ピストンのストローク小さくなって弾性体の撓みが大きくなる。すなわち、サーボ圧が導入されていない状況では、弾性体が大きく撓むことによって、第1ピストンロッドと第2ピストンロッドとが相対的にストロークするようになる。これにより、ドライバは、サーボ圧が導入されているときとほぼ同等の踏力によってブレーキペダルを操作することができるため、継続して良好なブレーキ操作フィーリングを得ることができる。
又、本発明によるブレーキ装置の他の特徴は、ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴って前記マスタシリンダに入力されるブレーキ操作量を検出するブレーキ操作量検出手段を備え、前記制御手段が、前記液圧検出手段によって検出される前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさと、前記ブレーキ操作量検出手段によって検出されるブレーキ操作量の大きさとに基づいて、前記サーボ圧が前記マスタシリンダに導入されないサーボ系の異常が発生したか否かを判定し、前記サーボ系の異常の発生を判定したとき、前記サーボ系の異常が発生していない正常時に成立する前記マスタシリンダから出力される液圧と前記ブレーキ操作量との関係に基づいて、前記液圧検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさを補正し、前記補正した前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさを用いて前記リニア制御弁の駆動制御を継続することにもある。尚、この場合、前記制御手段が、前記液圧検出手段によって検出される前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさと、前記ブレーキ操作量検出手段によって検出されるブレーキ操作量の大きさとに基づいて、前記サーボ圧が前記マスタシリンダに導入されないサーボ系の異常が発生したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によってサーボ系の異常の発生が判定されたとき、前記サーボ系の異常が発生していない正常時に成立する前記マスタシリンダから出力される液圧と前記ブレーキ操作量との関係に基づいて、前記液圧検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさを補正する補正手段とを備えることも可能である。
この場合、前記ブレーキ操作量検出手段が検出するブレーキ操作量は、例えば、前記ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴って前記マスタシリンダに対して入力されるストロークの大きさとすることができる。そして、この場合には、前記制御手段は、前記ブレーキ操作量検出手段によって検出された前記ストロークの大きさにおける、前記正常時に前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさと前記液圧検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさとの差分値が所定値よりも大きければ、サーボ系の異常が発生したと判定することができる。
更に、これらの場合には、前記制御手段は、前記サーボ系の異常が発生したと判定すると、前記液圧検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさを、前記正常時に前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさと一致するまで増加させて補正し、この増加させて補正した前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさを用いて前記リニア制御弁の駆動制御を継続することができる。
これらによれば、サーボ圧がマスタシリンダに導入されないサーボ系の異常が発生した場合であっても、制御手段は、リニア制御弁の駆動制御を継続して動力式液圧源からホイールシリンダに伝達される液圧を調整することができる。すなわち、第1ピストンロッドの他端部と第2ピストンロッドの他端部との間に弾性体を設けたマスタシリンダにおいては、上述したように、弾性体が撓むことによって、サーボ圧が導入されるか否かに関わらず、ドライバはほぼ同等の踏力によってブレーキペダルを操作することができる。
一方で、マスタシリンダの加圧ピストンは、サーボ圧が導入される状況と導入されない状況とで、そのストロークは異なり、その結果、マスタシリンダから出力されて液圧検出手段によって検出される液圧が異なる。すなわち、第1ピストンロッドの他端部と第2ピストンロッドの他端部との間に弾性体を設けたマスタシリンダにおいては、ドライバがブレーキペダルの操作に伴ってマスタシリンダに入力するブレーキ操作量であるストロークが同じであっても、サーボ圧が導入される状況と導入されない状況とで、加圧ピストンのストロークが異なるため、マスタシリンダから出力されて液圧検出手段によって検出される液圧が異なる。
このため、制御手段は、液圧検出手段によって検出されるマスタシリンダから出力される液圧の大きさと、ブレーキ操作量検出手段によって検出されるブレーキ操作量すなわちストロークの大きさとに基づいて、例えば、ブレーキ操作量検出手段によって検出されたストロークの大きさにおける、正常時にマスタシリンダから出力される液圧の大きさと液圧検出手段によって検出されたマスタシリンダから出力される液圧の大きさとの差分値が所定値よりも大きければ、サーボ系の異常が発生したと判定することができる。そして、制御手段は、サーボ系の異常が発生すると、正常時に成立するマスタシリンダから出力される液圧とブレーキ操作量すなわちストロークとの関係に基づいて、例えば、液圧検出手段によって検出されたマスタシリンダから出力される液圧の大きさを、正常時にマスタシリンダから出力される液圧の大きさと一致するまで増加させて補正することができる。
これにより、制御手段は、この補正したマスタシリンダから出力される液圧の大きさを用いてリニア制御弁の駆動制御を継続することができる。従って、ドライバは、サーボ系の異常が発生した場合であっても、違和感を覚えることなく、良好なブレーキ操作フィーリングを継続して得ることができる。尚、このように、違和感を覚えることなく、良好なブレーキ操作フィーリングを継続して得ることができる場合であっても、サーボ系に何らかの異常が発生しているため、制御手段は、例えば、インジケータ等を利用してドライバに発生したサーボ系の異常を報知することが好ましい。
本発明の実施形態における車両のブレーキ装置の概略システム図である。 図1の増圧機構の構成を示す概略的な断面図である。 本発明の実施形態における車両のブレーキ装置によるリニア制御モード状態を説明するための図である。 一般のマスタシリンダにおけるサーボ圧有無における力の釣り合いを説明するための図である。 一般のマスタシリンダにおいて、サーボ圧有無による液圧(マスタシリンダ圧)とマスタシリンダのストロークとの関係を説明するためのグラフである。 一般のマスタシリンダにおいて、サーボ圧有無による踏力とマスタシリンダのストロークとの関係を説明するためのグラフである。 図1のマスタシリンダにおけるサーボ圧有無における力の釣り合いを説明するための図である。 図1のマスタシリンダにおいて、サーボ圧有無による踏力と液圧(マスタシリンダ圧)との関係を説明するためのグラフである。 図1のストロークシミュレータにおいて、サーボ圧有無による液圧(マスタシリンダ圧)とピストンのストロークとの関係を説明するためのグラフである。 図1のストロークシミュレータとマスタシリンダとにおいて、サーボ圧有無によるピストンのストロークと加圧ピストンのストロークとの関係を説明するためのグラフである。 図1のマスタシリンダにおいて、サーボ圧有無による踏力とマスタシリンダの加圧ピストンのストロークとの関係を説明するためのグラフである。 図1のマスタシリンダにおいて、サーボ圧有無による踏力とストローク調整スプリングのばね撓みとの関係を説明するためのグラフである。 図1のマスタシリンダにおいて、サーボ圧有無による踏力とマスタシリンダのストロークとの関係を説明するためのグラフである。 図1のマスタシリンダにおいて、サーボ圧有無による液圧(マスタシリンダ圧)とマスタシリンダの加圧ピストンのストロークとの関係を説明するためのグラフである。 図1のマスタシリンダにおいて、サーボ圧有無による液圧(マスタシリンダ圧)とストローク調整スプリングのばね撓みとの関係を説明するためのグラフである。 図1のマスタシリンダにおいて、サーボ圧有無による液圧(マスタシリンダ圧)とマスタシリンダのストロークとの関係を説明するためのグラフである。 異常判定プログラムを表すフローチャートである。 リニア制御継続プログラムを表すフローチャートである。 サーボ系の異常発生時における液圧(マスタシリンダ圧)の補正を説明するためのグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る車両のブレーキ装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両のブレーキ装置の概略システム構成図である。
本実施形態のブレーキ装置は、ブレーキペダル10と、マスタシリンダユニット20と、動力液圧発生装置30と、液圧制御弁装置50と、増圧機構80と、ブレーキ制御を司るブレーキECU100とを含んで構成される。各車輪にそれぞれ設けられるブレーキユニット40FR,40FL,40RR,40RLは、ブレーキロータ41FR,41FL,41RR,41RLとブレーキキャリパに内蔵されたホイールシリンダ42FR,42FL,42RR,42RLとを備える。ここで、ブレーキユニット40は、4輪ともにディスクブレーキ式に限るものではなく、例えば、4輪ともドラムブレーキ式であってもよいし、前輪がディスクブレーキ式、後輪がドラムブレーキ式等任意に組み合わせたものでもよい。尚、以下の説明においては、車輪毎に設けられる構成についてその符号の末尾に、右前輪についてはFR、左前輪についてはFL、右後輪についてはRR、左後輪についてはRLを付すものとするが、特に車輪位置を特定する必要が無い場合には、末尾の符号を省略する。
ホイールシリンダ42FR,42FL,42RR,42RLは、液圧制御弁装置50に接続されて同装置50から供給される作動液(ブレーキフルード)の液圧が伝達されるようになっている。そして、液圧制御弁装置50から供給される液圧により、車輪と共に回転するブレーキロータ41FR,41FL,41RR,41RLにブレーキパッドを押し付けて車輪に制動力を付与する。
マスタシリンダユニット20は、液圧ブースタ21、マスタシリンダ22、リザーバ23及びサーボ圧配管24を備える。液圧ブースタ21は、ブレーキペダル10に連結されており、ドライバによってブレーキペダル10に加えられたペダル踏力F(以下、単に、「踏力F」と称呼する。)を増幅する。すなわち、液圧ブースタ21は、後述するように機械的な動作によって作動液を増圧する増圧機構80からサーボ圧配管24を介して作動液(より具体的には、サーボ圧Ps)が供給されることにより、踏力Fを増幅する。
マスタシリンダ22は、加圧ピストン22aを備えており、ブレーキペダル10に連結された第1ピストンロッド22bと加圧ピストン22aに連結された第2ピストンロッド22cとを備えている。そして、マスタシリンダ22は、第1ピストンロッド22bと第2ピストンロッド22cとの間に配置されてこれらロッド22b,22cを連結するとともに、ブレーキペダル10の踏み込み操作に伴うストロークを調整する弾性体としてのストローク調整スプリング22dを備えている。又、マスタシリンダ22は、加圧ピストン22aに加えて、更に、加圧ピストン22eを備えたタンデム式であり、ブレーキペダル10の踏み込み操作に伴って第1ピストンロッド22b、ストローク調整スプリング22d及び第2ピストンロッド22cを介して入力される踏力Fに起因して加圧ピストン22a,22eがストロークすることにより、それぞれ、所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧Pmcを発生する。
マスタシリンダ22の上部には、作動液を貯留するリザーバ23が設けられている。マスタシリンダ22においては、ブレーキペダル10の踏み込み操作が解除されて加圧ピストン22a,22eが後退しているときに、加圧ピストン22a,22eによって形成される加圧室22a1,22e1がリザーバ23と連通する。
動力液圧発生装置30は、動力式液圧源であって、加圧ポンプ31とアキュムレータ32とを備える。加圧ポンプ31は、その吸入口がリザーバ23に接続され、吐出口がアキュムレータ32に接続され、モータ33を駆動することにより作動液を加圧する。アキュムレータ32は、加圧ポンプ31により加圧された作動液の圧力エネルギーを窒素等の封入ガスの圧力エネルギーに変換して蓄える。又、アキュムレータ32は、マスタシリンダユニット20に設けられたリリーフバルブ25に接続されている。リリーフバルブ25は、作動液の圧力が所定の圧力以上に高まった場合に開弁し、作動液をリザーバ23に戻す。
このように、ブレーキ装置は、ホイールシリンダ42に作動液の液圧を付与する液圧源として、ドライバによるブレーキペダル10を介して入力される踏力Fを利用したマスタシリンダ22と、このマスタシリンダ22とは独立して液圧を付与する動力液圧発生装置30とを備える。そして、ブレーキ装置においては、マスタシリンダ22及び動力液圧発生装置30が、それぞれ、マスタ圧配管11,12及びアキュムレータ圧配管13を介して液圧制御弁装置50に接続される。又、リザーバ23は、リザーバ配管14を介して液圧制御弁装置50に接続される。
液圧制御弁装置50は、各ホイールシリンダ42FR,42FL,42RR,42RLに接続される4つの個別流路51FR,51FL,51RR,51RLと、個別流路51FR,51FL,51RR,51RLを連通する主流路52と、個別流路51FR,51FLとマスタ圧配管11,12とを接続するマスタ圧流路53,54と、主流路52とアキュムレータ圧配管13とを接続するアキュムレータ圧流路55とを備える。マスタ圧流路53,54、及び、アキュムレータ圧流路55は、それぞれ、主流路52に対して並列に接続される。
各個別流路51FR,51FL,51RR,51RLには、それぞれ、保持弁61FR,61FL,61RR,61RLが設けられる。本実施形態においては、右前輪側のブレーキユニット40FR及び左前輪側のブレーキユニット40FLに設けられた保持弁61FR,61FLがソレノイドの非通電時にスプリングの付勢力により閉弁状態を維持し、ソレノイドの通電時においてのみ開弁状態となる常閉の電磁開閉弁であり、右後輪側のブレーキユニット40RR及び左後輪側のブレーキユニット40RLに設けられた保持弁61RR,61RLがソレノイドの非通電時にスプリングの付勢力により開弁状態を維持し、ソレノイドの通電時においてのみ閉弁状態となる常開の電磁開閉弁である。
これにより、前輪側の左右ブレーキユニット40FR,40FLに設けられた保持弁61FR,61FL、後輪側の左右ブレーキユニット40RR,40RLに設けられた保持弁61RR,61RLにおいて、前輪側が常閉の電磁開閉弁とされ、後輪側が常開の電磁開閉弁とされる。これにより、前輪側の左右ブレーキユニット40FR,40FLにおいては、常閉の電磁開閉弁である保持弁61FR,61FLがソレノイドへの通電により開弁状態にあるときに主流路52とホイールシリンダ42FR,42FLとが連通されることになる。又、後輪側の左右ブレーキユニット40RR,40RLにおいては、常開の電磁開閉弁である保持弁61RR,61RLがソレノイドへの通電により閉弁状態にあるときに主流路52とホイールシリンダ42RR,42RLとが遮断されることになる。
又、各個別流路51FR,51FL,51RR,51RLには、それぞれ、減圧用個別流路56FR,56FL,56RR,56RLが接続される。各減圧用個別流路56は、リザーバ流路57に接続される。リザーバ流路57は、リザーバ配管14を介してリザーバ23に接続される。各減圧用個別流路56FR,56FL,56RR,56RLには、その途中部分に、それぞれ、減圧弁62FR,62FL,62RR,62RLが設けられている。各減圧弁62は、ソレノイドの非通電時にスプリングの付勢力により閉弁状態を維持し、ソレノイドの通電時においてのみ開弁状態となる常閉の電磁開閉弁である。各減圧弁62は、開弁状態において作動液をホイールシリンダ42から減圧用個別流路56を介してリザーバ流路57に流すことによってホイールシリンダ圧(後述する制御圧Pxに相当)を低下させる。
マスタ圧流路53,54には、それぞれ、その途中部分にマスタカット弁63,64が設けられる。マスタカット弁63,64は、ソレノイドの非通電時にスプリングの付勢力により開弁状態を維持し、ソレノイドの通電時においてのみ閉弁状態となる常開の電磁開閉弁である。このようにマスタカット弁63,64を設けることにより、マスタカット弁63,64が閉弁状態にあるときには、マスタシリンダ22と個別流路51FL,51FRとの間の作動液の流通が遮断され、マスタカット弁63,64が開弁状態にあるときには、マスタシリンダ22と個別流路51FL,51FRとの間の作動液の流通が許容される。
又、本実施形態においては、マスタ圧流路53に対して、マスタカット弁63が設けられるよりも上流側(マスタシリンダ22側)においてシミュレータ流路71が分岐して設けられる。尚、この場合、マスタ圧流路54に対して、マスタカット弁64が設けられるよりも上流側においてシミュレータ流路71を設けるように実施可能であることは言うまでもない。シミュレータ流路71には、シミュレータカット弁72を介してストロークシミュレータ70が接続される。シミュレータカット弁72は、ソレノイドの非通電時にスプリングの付勢力により閉弁状態を維持し、ソレノイドの通電時においてのみ開弁状態となる常閉の電磁開閉弁である。これにより、シミュレータカット弁72が閉弁状態にあるときには、マスタ圧流路53(又は、マスタ圧流路54)とストロークシミュレータ70との間の作動液の流通が遮断され、シミュレータカット弁72が開弁状態にあるときには、マスタ圧流路53(又は、マスタ圧流路54)とストロークシミュレータ70との間の作動液の流通が許容される。
ストロークシミュレータ70は、ピストン70a及びスプリング70bを備えており、シミュレータカット弁72が開弁状態にあるときに、ドライバによるブレーキペダル10のブレーキ操作量(後述するストロークSmに相当)に応じた量の作動液を内部に導入する。そして、ストロークシミュレータ70は、作動液(すなわち、マスタシリンダ圧Pmc)を内部に導入することに合わせてピストン70aをスプリング70bの付勢力に抗して変位させることにより、ドライバによるブレーキペダル10のストローク操作を可能とするとともに、ブレーキ操作量に応じた反力を発生させて、ドライバのブレーキ操作フィーリングを良好にするものである。
アキュムレータ圧流路55には、その途中部分に増圧リニア制御弁65Aが設けられる。又、アキュムレータ圧流路55が接続される主流路52とリザーバ流路57との間には、減圧リニア制御弁65Bが設けられる。増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bは、ソレノイドの非通電時にスプリングの付勢力により閉弁状態を維持し、ソレノイドへの通電量(電流値)の増加に従って弁開度を増加させる常閉の電磁リニア制御弁である。増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bは、その詳細な説明を省略するが、内蔵されたスプリングが弁体を閉弁方向に付勢するばね力と、相対的に高圧の作動液が流通する一次側(入口側)及び相対的に低圧の作動液が流通する二次側(出口側)の差圧によって弁体が開弁方向に付勢される差圧力との差分として表される閉弁力により閉弁状態を維持する。
一方、増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bは、ソレノイドへの通電により発生する弁体を開弁させる方向に作用する電磁吸引力が上記閉弁力を上回った場合、すなわち、電磁吸引力>閉弁力(=ばね力−差圧力)を満たす場合には、弁体に作用する力のバランスに応じた開度で開弁する。従って、増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bは、ソレノイドへの通電量(電流値)を制御することにより、差圧力すなわち一次側(入口側)と二次側(出口側)との差圧に応じた開度を調整することができる。ここで、増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bは、本発明におけるリニア制御弁に相当する。尚、以下の説明において、増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bの両者について区別する必要がない場合には、単に、リニア制御弁65とも称呼する。
又、アキュムレータ圧流路55には、各ホイールシリンダ42に供給する作動液の容量(流量)を確保するために、増圧リニア制御弁65Aが設けられる位置よりもアキュムレータ32側に分岐流路58が設けられる。分岐流路58は、調整流量カット弁66を介して、主流路52に接続される。調整流量カット弁66は、ソレノイドの非通電時にスプリングの付勢力により閉弁状態を維持し、ソレノイドの通電時においてのみ開弁状態となる常閉の電磁開閉弁である。これにより、調整流量カット弁66が閉弁状態にあるときには、分岐流路58を介した作動液の流通が遮断され、増圧リニア制御弁65Aを介してのみアキュムレータ32から主流路52に作動液(すなわち、調圧された後述するアキュムレータ圧Pacc)が供給される。又、調整流量カット弁66が開弁状態にあるときには、増圧リニア制御弁65Aを介してアキュムレータ32から主流路52に供給される作動液(すなわち、調圧されたアキュムレータ圧Pacc)に加えて分岐流路58を介してアキュムレータ32からの作動液(すなわち、アキュムレータ圧Pacc)が主流路52に供給される。
又、ブレーキ装置には、ドライバによるブレーキペダル10の踏み込み操作に伴う負担を軽減するために、マスタシリンダユニット20の液圧ブースタ21に対してサーボ圧Psを供給する増圧機構80が設けられている。ここで、本実施形態における増圧機構80を説明しておく。尚、増圧機構80については、後述するような機械的な動作によって常にサーボ圧Psを液圧ブースタ21に供給できる構造であれば、いかなるものであっても採用可能である。
増圧機構80は、図2に示すように、ハウジング81と、ハウジング81に液密かつ摺動可能に嵌合された段付きピストン82とを含み、段付きピストン82の大径側に大径側室83が設けられ、小径側に小径側室84が設けられる。小径側室84は、動力液圧発生装置30のアキュムレータ32に接続された高圧室85と、高圧供給弁86及び弁座87を介して、連通可能とされている。高圧供給弁86は、図2に示すように、高圧室85内にて、スプリングの付勢力によって弁座87に押し付けられており、常閉弁である。
又、小径側室84には、高圧供給弁86に対向して開弁部材88が設けられ、開弁部材88と段付きピストン82との間にスプリングが配置される。このスプリングの付勢力は、開弁部材88を段付きピストン82から離間させる向きに作用する。又、図2に示すように、段付きピストン82の段部とハウジング81との間には、リターンスプリングが設けられ、段付きピストン82を後退方向に付勢する。尚、段付きピストン82とハウジング81との間には図示しないストッパが設けられて、段付きピストン82の前進端位置を規制するようになっている。
更に、段付きピストン82には、大径側室83と小径側室84とを連通させる連通路89が形成される。連通路89は、少なくとも段付きピストン82の後退端位置において、開弁部材88から離間した状態で大径側室83と小径側室84とを連通させ、段付きピストン82が前進して開弁部材88に当接すると遮断される。このように構成されることにより、増圧機構80は、メカ式増圧器(メカサーボ)として作動する。
尚、図1及び図2に示すように、高圧室85と動力液圧発生装置30とは高圧供給通路15によって接続され、高圧供給通路15には、動力液圧発生装置30(より詳しくは、アキュムレータ32)から高圧室85への作動液の流通を許容し、逆向きの流通を阻止する逆止弁が設けられる。このように逆止弁を設けることにより、動力液圧発生装置30(より詳しくは、アキュムレータ32)の液圧(すなわち、アキュムレータ圧Pacc)が高圧室85の液圧よりも高い場合には動力液圧発生装置30から高圧室85への作動液の流通を許容するが、動力液圧発生装置30の液圧(すなわち、アキュムレータ圧Pacc)が高圧室85の液圧以下の場合には閉状態にあり、双方向の流れを阻止する。従って、仮に、動力液圧発生装置30に液漏れが生じても、高圧室85から動力液圧発生装置30への作動液の逆流が阻止され、小径側室84の液圧の低下が防止される。更に、本実施形態においては、マスタ圧配管11及びマスタ圧配管12と増圧機構80の入力側(すなわち、大径側室83)との間には、マスタ圧配管11からの作動液を供給する第1マスタ圧供給通路16及びマスタ圧配管12からの作動液を供給する第2マスタ圧供給通路17が設けられており、マスタシリンダ圧Pmcが供給される。尚、段付きピストン82の段部とハウジング81との間によって形成される空間は、リザーバ通路18を介して、リザーバ23に接続される。
具体的に増圧機構80の動作を簡単に説明しておくと、増圧機構80において、大径側室83にマスタシリンダ22からマスタ圧配管11,12及び第1マスタ圧供給通路16、第2マスタ圧供給通路17を介して作動液(マスタシリンダ圧Pmc)が供給されると、作動液は、連通路89を経て小径側室84に供給される。そして、作動液(マスタシリンダ圧Pmc)の供給に伴って段付きピストン82に作用する前進方向の力(大径側室83に作用するマスタシリンダ圧Pmcによる)がリターンスプリングの付勢力よりも大きくなると、段付きピストン82は前進する。そして、段付きピストン82が開弁部材88に当接し、連通路89が遮断されると、小径側室84の液圧が増加し、増圧された作動液(すなわち、サーボ圧Ps)がサーボ圧配管24を介して液圧ブースタ21に出力される。
又、開弁部材88の前進により高圧供給弁86が開状態に切り換えられると、高圧室85から高圧の作動液が小径側室84に供給され、小径側室84の液圧が高くなる。一方、動力液圧発生装置30のアキュムレータ32に蓄えられた作動液の液圧が高圧室85内の液圧よりも高い場合には、アキュムレータ32の液圧が高圧供給通路15の逆止弁を経て高圧室85に供給され、小径側室84に供給される。そして、段付きピストン82においては、大径側室83の液圧が、大径側に作用する力(マスタシリンダ圧Pmc×受圧面積)と小径側に作用する力(サーボ圧Ps×受圧面積)とが釣り合う大きさに調整されて、出力される。従って、増圧機構80はメカ式の倍力機構であるとも言える。
一方、アキュムレータ32の液圧が高圧室85の液圧以下である場合には、高圧供給通路15に設けた逆止弁により、アキュムレータ32と高圧室85との間の作動液の流れが阻止されるため、段付きピストン82がそれ以上前進できなくなる。又、段付きピストン82はストッパに当接することによっても前進できなくなることもある。
動力液圧発生装置30及び液圧制御弁装置50は、制御手段としてのブレーキECU100により駆動制御される。ブレーキECU100は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものであり、ポンプ駆動回路、電磁弁駆動回路、各種のセンサ信号を入力するインターフェース、通信インターフェース等を備えている。液圧制御弁装置50に設けられた各電磁開閉弁61〜64,66,72及びリニア制御弁65は、全てブレーキECU100に接続され、ブレーキECU100から出力されるソレノイド駆動信号により開閉状態及び開度(リニア制御弁65の場合)が制御される。又、動力液圧発生装置30に設けられたモータ33についても、ブレーキECU100に接続され、ブレーキECU100から出力されるモータ駆動信号により駆動制御される。
液圧制御弁装置50には、液圧検出手段として、アキュムレータ圧センサ101、マスタシリンダ圧センサ102、制御圧センサ103が設けられる。アキュムレータ圧センサ101は、増圧リニア制御弁65Aよりも動力液圧発生装置30側(上流側)のアキュムレータ圧流路55における作動液の液圧であるアキュムレータ圧Paccを検出する。アキュムレータ圧センサ101は、検出したアキュムレータ圧Paccを表す信号をブレーキECU100に出力する。ブレーキECU100は、アキュムレータ圧Paccを所定の周期で読み込み、アキュムレータ圧Paccが予め設定された最低設定圧を下回る場合にはモータ33を駆動して加圧ポンプ31により作動液を加圧し、常にアキュムレータ圧Paccが設定圧力範囲内に維持されるように制御する。
本実施形態において液圧検出手段であるマスタシリンダ圧センサ102は、マスタカット弁63よりもマスタシリンダ22側(上流側)のマスタ圧流路53における作動液の液圧であるマスタシリンダ圧Pmcを検出する。尚、この場合、マスタ圧流路54に対して、マスタカット弁64が設けられるよりも上流側においてマスタシリンダ圧センサ102を設けるように実施可能であることは言うまでもない。マスタシリンダ圧センサ102は、検出したマスタシリンダ圧Pmcを表す信号をブレーキECU100に出力する。制御圧センサ103は、主流路52における作動液の液圧である制御圧Px(各ホイールシリンダ42におけるホイールシリンダ圧に相当)を表す信号をブレーキECU100に出力する。
又、ブレーキECU100には、ブレーキペダル10に設けられたブレーキ操作量検出手段としてのストロークセンサ104が接続される。尚、ブレーキ操作量検出手段としては、ドライバによってブレーキペダル10に入力される踏力Fを検出する踏力センサを含めることができる。ストロークセンサ104は、ドライバによるブレーキペダル10の踏み込み量(操作量)であるペダルストローク、言い換えれば、ブレーキペダル10に連結されたマスタシリンダ22を構成する可動部(加圧ピストン22aのストロークやストローク調整スプリング22dの撓み、ストロークシミュレータ70におけるピストン70aのストローク等)のトータルのストロークSmを表す信号をブレーキECU100に出力する。又、ブレーキECU100には、車輪速センサ105が接続される。車輪速センサ105は、左右前後輪の回転速度である車輪速Vxを検出し、検出した車輪速Vxを表す信号をブレーキECU100に出力する。更に、ブレーキECU100には、ドライバに対してブレーキ装置に発生した異常を報知するインジケータ106が接続される。インジケータ106は、ブレーキECU100による制御に従い、後述するようにブレーキ装置に発生した異常を報知する。
次に、ブレーキECU100が実行するブレーキ制御について説明する。ブレーキECU100は、動力液圧発生装置30から出力される液圧(より詳しくは、アキュムレータ圧Pacc)をリニア制御弁65にて調圧して各ホイールシリンダ42に伝達するリニア制御モード(4Sモード)と、ドライバの踏力Fによりマスタシリンダ22にて発生した液圧(より詳しくは、マスタシリンダ圧Pmc)を左右後輪から独立させて左右前輪のホイールシリンダ42FR,42FLに伝達するバックアップモード(2Sモード)との少なくとも2つの制御モードによりブレーキ制御を選択的に実行する。尚、バックアップモードについては、本発明と直接関係しないため、その説明を省略する。
リニア制御モードにおいては、図3に示すように、ブレーキECU100は、常開のマスタカット弁63,64を、それぞれ、ソレノイドへの通電により閉弁状態に維持し、シミュレータカット弁72をソレノイドへの通電により開弁状態に維持する。又、ブレーキECU100は、増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bのソレノイドへの通電量(電流値)を制御し、通電量に応じた開度に制御し、必要に応じて、調整流量カット弁66をソレノイドへの通電により開弁状態に維持する。
更に、ブレーキECU100は、常閉の保持弁61FR,61FLをソレノイドへの通電により開弁状態に維持するとともに常開の保持弁61RR,61RLを開弁状態に維持し、常閉の減圧弁62FR,62FL,62RR,62RLを閉弁状態に維持する。尚、詳細な説明を省略するが、ブレーキECU100は、例えば、車輪速センサ105によって検出された車輪速Vxに基づいて周知のアンチロックブレーキ制御等の実行が必要であるときには、同アンチロックブレーキ制御等に従って保持弁61及び減圧弁62のそれぞれのソレノイドへの通電を制御し、保持弁61及び減圧弁62を開弁状態又は閉弁状態とする。
このように液圧制御弁装置50を構成する各弁の開弁状態又は閉弁状態が制御されることにより、リニア制御モードにおいては、マスタカット弁63,64が共に閉弁状態に維持されるため、マスタシリンダユニット20から出力される液圧(すなわち、マスタシリンダ圧Pmc)は、ホイールシリンダ42に伝達されない。一方、増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bがソレノイドの通電制御状態にあるため、動力液圧発生装置30から出力される液圧(すなわち、アキュムレータ圧Pacc)が増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bによって調圧されて4輪のホイールシリンダ42に伝達される。この場合、保持弁61が開弁状態に維持されるとともに減圧弁62が閉弁状態に維持されるため、各ホイールシリンダ42は、主流路52により連通されており、ホイールシリンダ圧が4輪で全て同じ値となる。このホイールシリンダ圧は、制御圧センサ103により制御圧Pxとして検出することができる。
ところで、本実施形態のブレーキ装置が設けられる車両は、例えば、バッテリ電源により駆動される走行用モータを備えた電気自動車(EV)や、走行用モータに加えて内燃機関をも備えたハイブリッド車両(HV)、ハイブリッド車両(HV)に対して更に外部電源を用いてバッテリを充電可能なプラグイン式ハイブリッド車両(PHV)とすることができる。このような車両においては、車輪の回転エネルギーを走行用モータが電気エネルギーに変換することによって発電し、この発電電力をバッテリに回生させることによって制動力を得る回生制動を行うことが可能である。このような回生制動を行う場合には、車両を制動させるために必要な総制動力から回生による制動力分を除いた制動力をブレーキ装置で発生させることにより、回生制動と液圧制動とを併用したブレーキ回生協調制御を行うことができる。
具体的には、ブレーキECU100は、制動要求を受けてブレーキ回生協調制御を開始する。制動要求は、例えば、ドライバがブレーキペダル10を踏み込み操作(以下、単に「ブレーキ操作」とも称呼する。)した場合や、自動ブレーキを作動させる要求がある場合等、車両に制動力を付与すべきときに発生する。ここで、ドライバがブレーキペダル10を踏み込み操作すると、マスタシリンダ圧Pmcがマスタ圧配管11,12及び第1マスタ圧供給通路16、第2マスタ圧供給通路17を介して増圧機構80に供給される。これにより、増圧機構80から液圧ブースタ21に対してサーボ圧配管24を介してサーボ圧Psが供給されて、ドライバによるブレーキペダル10の踏み込み操作がアシストされる。又、自動ブレーキは、トラクション制御、ビークルスタビリティー制御、車間距離制御、衝突回避制御等において作動させる場合があり、これらの制御開始条件が満たされた場合に制動要求が発生する。
ブレーキECU100は、制動要求を受けると、ブレーキ操作量として、マスタシリンダ圧センサ102により検出されるマスタシリンダ圧Pmc及びストロークセンサ104により検出されるストロークSmのうちの少なくとも一方を取得し、マスタシリンダ圧Pmc及び/又はストロークSmの増大に伴って増大する目標制動力を演算する。尚、ブレーキ操作量については、マスタシリンダ圧Pmc及び/又はストロークSmを取得することに代えて、例えば、ブレーキペダル10に対する踏力Fを検出する踏力センサを設けて、踏力Fに基づいて目標制動力を検出するように実施することも可能である。
そして、ブレーキ回生協調制御においては、ブレーキECU100は、演算した目標制動力を表す情報をハイブリッドECU(図示省略)に送信する。ハイブリッドECUは、目標制御力のうち、電力回生により発生させた制動力を演算して、その演算結果である回生制動力を表す情報をブレーキECU100に送信する。これにより、ブレーキECU100は、目標制動力から回生制動力を減算することによりブレーキ装置で発生させるべき制動力である目標液圧制動力を演算する。ハイブリッドECUで行う電力回生により発生する回生制動力は、モータの回転速度により変化するだけではなく、バッテリの充電状態(SOC:State Of Charge)に依存する回生電力制御によっても変化する。従って、目標制動力から回生制動力を減算することにより、適切な目標液圧制動力を演算することができる。
ブレーキECU100は、演算した目標液圧制動力に基づいて、この目標液圧制動力に対応した各ホイールシリンダ42の目標液圧を演算し、ホイールシリンダ圧が目標液圧と等しくなるように、フィードバック制御により増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bの駆動電流を制御する。すなわち、ブレーキECU100は、制御圧センサ103によって検出された制御圧Px(=ホイールシリンダ圧)が目標液圧に追従するように、増圧リニア制御弁65A及び減圧リニア制御弁65Bのソレノイドへの通電量(電流値)を制御する。
これにより、作動液が動力液圧発生装置30から増圧リニア制御弁65A及び必要に応じて調整流量カット弁66を介して各ホイールシリンダ42に供給されて、車輪に制動力が発生する。又、ホイールシリンダ42から作動液が減圧リニア制御弁65Bを経てリザーバ流路57に排出されることにより、車輪に発生する制動力が適切に調整される。
そして、例えば、ドライバによるブレーキ操作が解除されると、液圧制御弁装置50を構成する全ての電磁弁のソレノイドへの通電が遮断されることにより、最終的に全ての電磁弁は図1に示した原位置に戻される。又、増圧機構80において、段付きピストン82は後退端に戻され、連通路89により大径側室83と小径側室84とが連通させられる。このように全ての電磁弁が最終的に原位置に戻されることにより、左前輪のブレーキシリンダ42FLの液圧(作動液)は開弁状態にあるマスタカット弁63を経てマスタシリンダ22及びリザーバ23に戻され、右前輪のブレーキシリンダ42FRの液圧(作動液)は開弁状態にあるマスタカット弁64を経てマスタシリンダ22及びリザーバ23に戻される。左後輪のブレーキシリンダ42RL及び右後輪のブレーキシリンダ42RRの液圧(作動液)は、一時的に開弁状態とされた減圧弁62RL,62RR及びリザーバ流路57を介してリザーバ23に戻される。
尚、本発明は、ブレーキ回生協調制御を行うことを必須とするものではないため、回生制動力を発生させない車両においても適用可能であることは言うまでもない。この場合には、ブレーキ操作量に基づいて目標液圧を直接演算すれば良い。目標液圧は、例えば、マップや計算式等を使って、ブレーキ操作量が大きくなるほど大きな値に設定される。
ところで、ドライバによるブレーキ操作においては、上述したように、通常、増圧機構80からサーボ圧配管24を介して液圧ブースタ21に供給されるサーボ圧Psを享受してマスタシリンダ圧Pmcを発生させることができる。すなわち、ドライバは、サーボ圧Psの付与に伴うアシストを受けて、小さな踏力Fでブレーキペダル10を踏み込み操作することによって適切な大きさのマスタシリンダ圧Pmcを発生させることができる。これにより、ブレーキECU100は、マスタシリンダ圧センサ102によって検出されたマスタシリンダ圧Pmcとストロークセンサ104によって検出されたストロークSmとの間の予め設定されている関係に基づいて、上述したように液圧制御弁装置50を構成する電磁弁を作動制御することにより、ドライバが意図した、言い換えれば、良好なブレーキフィーリングを確保して制動力をブレーキユニット40によって発生させることができる。
一方、増圧機構80の作動不良(具体的には、例えば、段付きピストン82の固着等)やサーボ圧配管24の流通不良や作動液の漏れ等、所謂、サーボ系に失陥(異常)が発生すると、サーボ圧Psの付与に伴うアシストが無くなり、ブレーキペダル10の踏み込み操作に対してドライバが違和感を覚えるとともに、良好なブレーキフィーリングが得られなくなる場合がある。このことを図4を用いて以下に説明する。尚、理解を容易とするために、図4においては上述したマスタシリンダユニット20と同一部分に同一の符号を付して示すようにする。
今、図4に示すようなマスタシリンダユニット20の構成を想定する。すなわち、この想定するマスタシリンダユニット20においては、加圧ピストン22aとブレーキペダル10とがピストンロッド22fのみを用いて、言い換えれば、第1ピストンロッド22b、第2ピストンロッド22c及びストローク調整スプリング22dを設けることなく直接的に接続されている。ここで、以下においては、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとの間の関係を説明するため、加圧ピストン22e及びマスタ圧配管12を省略する。
このようなマスタシリンダユニット20の構成において、図4に示すように、マスタシリンダユニット20の加圧ピストン22aについて受圧面積を「A」及びストロークを「Sp」とし、ピストンロッド22fについて受圧面積を「B」とし、ストロークシミュレータ70のピストン70aについて受圧面積を「C」及びストロークを「Ss」とするとともにスプリング70bのばね定数を「Ks」とする。この構成において、図4に示すように、サーボ系に異常が発生しておらず、増圧機構80からサーボ圧配管24を介して液圧ブースタ21にサーボ圧Ps(=G・Pmc)が供給される状況と、サーボ系に異常が発生していて、増圧機構80からサーボ圧配管24を介して液圧ブースタ21にサーボ圧Psが供給されない状況とについて、マスタシリンダ22から出力されるマスタシリンダ圧PmcとストロークSmとの関係、及び、ブレーキペダル10を介して入力される踏力Fとマスタシリンダ22のストロークSmとの関係を検討してみる。尚、サーボ圧Ps=G・PmcにおけるGはマスタシリンダ圧Pmcに対するサーボ圧の比を表し、本実施形態においては、例えば、G<1となるように設定される。
まず、マスタシリンダ圧PmcとストロークSmとの関係については、ブレーキペダル10が踏み込み操作されてピストンロッド22fに連結された加圧ピストン22aがストロークすれば、マスタシリンダ圧Pmcが発生する。この場合、加圧ピストン22aのストロークすなわちマスタシリンダ22のストロークSmに関しては、サーボ圧Psの有無は関係しないため、図4に示すように、マスタ圧配管11を介して連結されたマスタシリンダ22とストロークシミュレータ70との間に成立するパスカルの定理及び力の釣り合いを考慮すると、下記式1が成立する。
Sm=(Pmc・C2)/(A・Ks) …式1
これにより、図5に示すように、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとがピストンロッド22fによって直接連結されている場合には、サーボ圧Psの有無に関わらず、マスタシリンダ圧PmcとストロークSmとは前記式1に従う比例関係となる。
次に、踏力FとストロークSmとの関係については、ドライバがブレーキペダル10を介して踏力Fを入力して加圧ピストン22aをストロークさせる。この場合、サーボ圧Psが有るときには小さな踏力Fによって加圧ピストン22aをストロークさせることができ、サーボ圧Psが無いときには大きな踏力Fによって加圧ピストンをストロークさせる必要がある。すなわち、踏力FとストロークSmとの関係は、サーボ圧Psの有無によって変化する。ここで、図4に示すように、サーボ圧Psが有るときには力の釣り合いとして下記式2が成立し、サーボ圧Psが無いときには力の釣り合いとして下記式3が成立する。
Pmc・A=F+G・Pmc・(A−B) …式2
Pmc・A=F …式3
従って、前記式2及び前記式3をマスタシリンダ圧Pmcで整理し、それぞれを前記式1に代入すると、下記式4及び式5が成立する。
Sm=(F・C2)/{A・[A−G・(A−B)]・Ks) …式4
Sm=(F・C2)/(A2・Ks) …式5
これにより、図6に示すように、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとが第1ピストンロッド22bによって直接連結されている場合には、サーボ圧Psが有れば、前記式4に従って踏力Fの変化に対してより大きな傾きの比例関係となるストロークSmが生じ、サーボ圧Psが無ければ、前記式5に従って、サーボ圧Psが有るときに比して、踏力Fの変化に対して小さな傾きの比例関係となるストロークSmが生じる。
このように、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとが第1ピストンロッド22bによって直接連結されている場合においては、図5に示したように、マスタシリンダ圧PmcとストロークSmとの関係は、サーボ圧Psの有無に関わらずに同一の比例関係となる。このため、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとが第1ピストンロッド22bによって直接連結されている場合には、マスタシリンダ圧センサ102によって検出されたマスタシリンダ圧Pmcとストロークセンサ104によって検出されたストロークSmとに基づくのみでは、サーボ系の失陥(異常)を検知(検出)することができない。従って、別途、サーボ系の失陥(異常)を検知(検出)するためのセンサ等の検知手段を設ける必要がある。
又、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとが第1ピストンロッド22bによって直接連結されている場合においては、図6に示したように、踏力FとストロークSmとの関係は、サーボ圧Psの有無によって変化する。このため、ドライバは、サーボ系に失陥(異常)が生じた場合、失陥(異常)が生じる前と同じ踏力Fでブレーキペダル10を踏み込み操作するとストロークSmが小さくなり、同一のストロークSmを得るためにはより大きな踏力Fを入力する必要がある。従って、サーボ系に失陥(異常)が発生した場合には、ブレーキ操作フィーリングが悪化してドライバが違和感を覚える可能性がある。この場合、上述したように、マスタシリンダ圧PmcとストロークSmとに基づくのみではサーボ系の失陥(異常)を検知(検出)することができないため、ドライバにサーボ系の失陥(異常)を報知できないときには、より違和感を覚え易くなる。
そこで、本発明のブレーキ装置においては、図7に詳細に示すように、マスタシリンダ22の加圧ピストン22aが第1ピストンロッド22b、ストローク調整スプリング22d及び第2ピストンロッド22cを介してブレーキペダル10に連結されている。これにより、サーボ系の失陥(異常)が発生したときにマスタシリンダ圧PmcとストロークSmとの関係を変化させる一方で、サーボ系の失陥(異常)が発生したときには踏力FとストロークSmとの関係の変化を抑制させることができる。このことを以下に詳細に説明する。尚、以下の説明においては、図7に示すように、ストローク調整スプリング22dのばね撓みを「Sb」とし、ばね定数を「Km」とする。
まず、図7に示すように、マスタシリンダ22においては、第1ピストンロッド22bと第2ピストンロッド22cとが分離されており、サーボ圧Psが受圧面積Aの加圧ピストン22aと受圧面積Bの第1ピストンロッド22bの端部に作用するように供給される。このため、踏力Fとマスタシリンダ圧Pmcとの関係は、サーボ圧Psが有る場合には力の釣り合いに基づき下記式6により表され、サーボ圧Psが無い場合には力の釣り合いに基づき下記式7により表される。
Pmc=[F+G・Pmc・(A−B)]/A=F/[A−G・(A−B)] …式6
Pmc=F/A …式7
ただし、加圧ピストン22aの受圧面積Aの大きさは第1ピストンロッド22bの受圧面積Bの大きさよりも大きく設定され、A>G・(A−B)が成立する。これにより、図8に示すように、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとの間にストローク調整スプリング22dを設ける場合には、サーボ圧Psが有れば、前記式6に従って踏力Fの変化に対してより大きな傾きの比例関係となるマスタシリンダ圧Pmcが生じ、サーボ圧Psが無ければ、前記式7に従って、サーボ圧Psが有るときに比して、踏力Fの変化に対して小さな傾きの比例関係となるマスタシリンダ圧Pmcが生じる。
又、ストロークシミュレータ70において、マスタシリンダ圧Pmcとピストン70aのストロークSsとの関係は、サーボ圧Psの有無に関わらず、ストロークシミュレータ70における力の釣り合いから、下記式8により表される。
Ss=(Pmc・C)/Ks …式8
これにより、図9に示すように、マスタシリンダ圧PmcとストロークSsとは、サーボ圧Psの有無に関わらず、前記式8に従う比例関係となる。
又、ストロークシミュレータ70のピストン70aのストロークSsとマスタシリンダ22の加圧ピストン22aのストロークSpとの関係は、サーボ圧Psの有無に関わらず、マスタシリンダ22とストロークシミュレータ70との間に成立するパスカルの定理から、下記式9により表される。
Sp=Ss・C/A …式9
これにより、図10に示すように、ストロークシミュレータ70のピストン70aのストロークSsとマスタシリンダ22の加圧ピストン22aのストロークSpとは、サーボ圧Psの有無に関わらず、前記式9に従う比例関係となる。
更に、本発明によるブレーキ装置においても、ドライバがブレーキペダル10を介して踏力Fを入力して加圧ピストン22aをストロークさせる。この場合、踏力Fとマスタシリンダ22の加圧ピストン22aのストロークSpとの関係については、サーボ圧Psの有無によって変化する。すなわち、図7に示したように、サーボ圧Psが有るときには力の釣り合いとして下記式10が成立し、サーボ圧Psが無いときには力の釣り合いとして下記式11が成立する。
Sp=(F・C2)/{A・[A−G・(A−B)]・Ks} …式10
Sp=(F・C2)/{A2・Ks) …式11
これにより、図11に示すように、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとの間にストローク調整スプリング22dを設ける場合には、サーボ圧Psが有れば、前記式10に従って踏力Fの変化に対してより大きな傾きの比例関係となるストロークSpが生じ、サーボ圧Psが無ければ、前記式11に従って、サーボ圧Psが有るときに比して、踏力Fの変化に対して小さな傾きの比例関係となるストロークSpが生じる。
一方で、踏力Fとストローク調整スプリング22dのばね撓みSbとの関係は、サーボ圧Psが有る場合には力の釣り合いに基づき下記式12により表され、サーボ圧Psが無い場合には力の釣り合いに基づき下記式13により表される。
Sb=(F−G・Pmc・B)/Km=F・{1−G・B/[A−G・(A−B)]}/Km …式12
Sb=F/Km …式13
ただし、前記式12においては、1>G・B/[A−G・(A−B)]が成立する。これにより、図12に示すように、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとの間にストローク調整スプリング22dを設ける場合には、サーボ圧Psが有れば、前記式12に従って踏力Fの変化に対してより小さな傾きの比例関係となるばね撓みSbが生じ、サーボ圧Psが無ければ、前記式13に従って、サーボ圧Psが有るときに比して、踏力Fの変化に対して大きな傾きの比例関係となるばね撓みSbが生じる。
そして、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとの間にストローク調整スプリング22dを設ける場合においては、マスタシリンダ22のおけるトータルのストロークSmは、加圧ピストン22aのストロークSpとストローク調整スプリング22dのばね撓みSbとの和となる。従って、踏力Fとマスタシリンダ22のストロークSmとの関係については、サーボ圧Psが有る場合には、前記式10によって表されるストロークSpと前記式12によって表されるばね撓みSbとの和となり、サーボ圧Psが無い場合には、前記式11によって表されるストロークSpと前記式13によって表されるばね撓みSbとの和となる。このため、ストローク調整スプリング22dのばね定数Kmを適切に設定することによって、図13に示すように、踏力FとストロークSmとの関係を、サーボ圧Psの有無に関わらず、ほぼ同等の変化特性とすることができる。
これにより、サーボ系に失陥(異常)が発生した場合であっても、失陥(異常)が発生する前後でブレーキ操作フィーリングの悪化を生じ難くすることができ、ドライバに違和感を与えにくくすることができる。ここで、サーボ系に失陥(異常)が発生した場合には、後述するように、マスタシリンダ22から供給されるマスタシリンダ圧Pmcが小さくなる。しかし、この場合において、後述するように、マスタシリンダ圧Pmcを補正して動力液圧発生装置30によるアキュムレータ圧Paccを利用するリニア制御モードを継続させることにより、ブレーキ操作フィーリングの悪化をより知覚し難くすることができる。尚、このようにサーボ系に失陥(異常)が発生した場合には、後述するように、ブレーキECU100は、ドライバに対して報知するようになっている。
又、マスタシリンダ22において、マスタシリンダ圧Pmcと加圧ピストン22aのストロークSpとの関係は、前記式1によって表される上述したマスタシリンダ圧Pmcとマスタシリンダ22のトータルのストロークSmとの関係と同様に、サーボ圧Psの有無に関わらず、マスタシリンダ22とストロークシミュレータ70との間の力の釣り合いから、下記式14により表される。
Sp=(Pmc・C2)/(A・Ks) …式14
これにより、図14に示すように、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとの間にストローク調整スプリング22dを設ける場合にも、サーボ圧Psの有無に関わらず、マスタシリンダ圧PmcとストロークSpとは前記式14に従う比例関係となる。
又、マスタシリンダ22において、マスタシリンダ圧Pmcとストローク調整スプリング22dのばね撓みSbとの関係は、サーボ圧Psが有る場合には力の釣り合いに基づき下記式15により表され、サーボ圧Psが無い場合には力の釣り合いに基づき下記式16により表される。
Sb=(Pmc・A)・(1−G)/Km …式15
Sb=(Pmc・A)/Km …式16
ただし、前記式15においては、1>Gが成立する。
これにより、図15に示すように、ブレーキペダル10と加圧ピストン22aとの間にストローク調整スプリング22dを設ける場合には、サーボ圧Psが有れば、前記式15に従ってマスタシリンダ圧Pmcの変化に対してより小さな傾きの比例関係となるばね撓みSbが生じ、サーボ圧Psが無ければ、前記式16に従って、サーボ圧Psが有るときに比して、マスタシリンダ圧Pmcの変化に対して大きな傾きの比例関係となるばね撓みSbが生じる。
そして、上述したように、マスタシリンダ22にストローク調整スプリング22dを設ける場合においては、マスタシリンダ22におけるトータルのストロークSmは、加圧ピストン22aのストロークSpとストローク調整スプリング22dのばね撓みSbとの和になる。従って、マスタシリン圧PmcとストロークSmとの関係は、サーボ圧Psが有る場合には前記式14に対して前記式15を加算した下記式17により表され、サーボ圧Psが無い場合には前記式14に対して前記式16を加算した下記式18により表される。
Sm=Pmc[C2/(A・Ks)+A・(1−G)/Km] …式17
Sm=Pmc[C2/(A・Ks)+A/Km] …式18
これにより、マスタシリンダ22にストローク調整スプリング22dを設けた場合には、図16に示すように、サーボ圧の有無に応じて、マスタシリンダ圧PmcとストロークSmとの関係が異なる比例関係となる。このため、マスタシリンダ22にストローク調整スプリング22dを設けた場合には、マスタシリンダ圧センサ102によって検出されたマスタシリンダ圧Pmcとストロークセンサ104によって検出されたストロークSmとに基づいて、後述するようにサーボ系の失陥(異常)を検知(検出)することができる。従って、別途、サーボ系の失陥(異常)を検知(検出)するためのセンサ等の検知手段を設ける必要がない。
このように、マスタシリンダ22にストローク調整スプリング22dを設けることによって、マスタシリンダ圧PmcとストロークSmとの関係を、サーボ系の失陥(異常)の有無、言い換えれば、サーボ圧Psの有無に応じて、異ならせることができる。このことに基づき、ブレーキECU100は、図17に示す異常判定プログラムを実行することによってサーボ系の失陥(異常)の発生有無を判定する。又、ブレーキECU100は、図17に示す異常判定プログラムの実行によってサーボ系に失陥(異常)が発生したと判定したときには、図18に示すリニア制御継続プログラムを実行することによって動力液圧発生装置30によるアキュムレータ圧Paccを利用するリニア制御モードを継続させる。以下、異常判定プログラム及びリニア制御継続プログラムを詳細に説明する。
まず、異常判定プログラムから説明する。ブレーキECU100は、図示しないイグニッションスイッチ(或いは、起動スイッチ)がオン状態に操作されると、図17に示す異常判定プログラムの実行をステップS10にて開始する。続いて、ブレーキECU100は、ステップS11にて、マスタシリンダ圧センサ102からマスタシリンダ圧Pmcを表す信号を取得するとともに、ストロークセンサ104からマスタシリンダ22のトータルのストロークSmを表す信号を取得する。そして、ブレーキECU100は、マスタシリンダ圧Pmcを表す信号及びストロークSmを表す信号を取得すると、ステップS12に進む。
ステップS12においては、ブレーキECU100は、前記ステップS11にて取得した信号によって表されるストロークSmに対応して、サーボ圧Psが有る場合に発生するすなわち正常時に発生することが予め実験により既知となっているマスタシリンダ圧Pmc_dと、前記ステップS11にて取得した信号によって表される実マスタシリンダ圧Pmc_rとを比較し、マスタシリンダ圧Pmc_dから実マスタシリンダ圧Pmc_rを減じた差分値が予め設定された所定値Poよりも大きいか否かを判定する。具体的に、上述したように、マスタシリンダ22にストローク調整スプリング22dを設けた場合には、図16に示したように、同一のストロークSmにおいては、サーボ圧Psが有る場合の方がサーボ圧Psが無い場合に比して発生するマスタシリンダ圧Pmcは大きくなる。
このため、ブレーキECU100は、既知のマスタシリンダ圧Pmc_dから実マスタシリンダ圧Pmc_rを減じた差分値が検出誤差を考慮した所定値Poよりも大きいか否かを判定することにより、サーボ圧Psの有無、すなわち、サーボ系の失陥(異常)を適切に判定することができる。従って、ブレーキECU100は、既知のマスタシリンダ圧Pmc_dから実マスタシリンダ圧Pmc_rを減じた差分値が所定値Poよりも大きければ、サーボ圧Psが無くサーボ系に失陥(異常)が発生しているために「Yes」と判定してステップS13に進む。一方、ブレーキECU100は、既知のマスタシリンダ圧Pmc_dから実マスタシリンダ圧Pmc_rを減じた差分値が所定値Po以下であれば、サーボ圧Psが有ってサーボ系に失陥(異常)が発生していないために「No」と判定してステップS14に進む。
ステップS13においては、ブレーキECU100は、インジケータ106を介してサーボ系に失陥(異常)が発生していることをドライバに報知し、ステップS15にて異常判定プログラムの実行を終了する。そして、サーボ系に失陥(異常)が発生している場合には、ブレーキECU100は、速やかに図18に示すリニア制御継続プログラムの実行を開始する。
一方、ステップS14においては、ブレーキECU100は、上述したように、マスタシリンダ圧センサ102によって検出される実マスタシリンダ圧Pmc_rとストロークセンサ104によって検出されるストロークSmとを用いて目標制動力を演算する通常のリニア制御モードによってブレーキ制御を実行する。そして、ブレーキECU100は、ステップS15に進んで異常判定プログラムの実行を一旦終了し、所定の短い時間の経過後に再びステップS10にて同プログラムの実行を開始する。
ブレーキECU100は、上述した異常判定プログラムの実行により、サーボ系に失陥(異常)が発生していると判定すると、図18に示すリニア制御継続プログラムを実行し、サーボ圧Psが無い状況であっても継続してリニア制御モードによってブレーキ制御を実行する。具体的に、ブレーキECU100は、上述した異常判定プログラムにおける前記ステップS12の判定処理によってサーボ圧Psが無い(サーボ系の異常発生)と判定すると、前記ステップS13における報知処理と並行して、リニア制御継続プログラムの実行をステップS30にて開始する。
続くステップS31においては、ブレーキECU100は、改めてマスタシリンダ圧センサ102からマスタシリンダ圧Pmcを表す信号を取得するとともに、ストロークセンサ104からマスタシリンダ22のトータルのストロークSmを表す信号を取得する。そして、ブレーキECU100は、マスタシリンダ圧Pmcを表す信号及びストロークSmを表す信号を取得すると、ステップS32に進む。
ステップS32においては、ブレーキECU100は、リニア制御モードを継続するために、前記ステップS31にて取得した信号によって表されるストロークSmに対応する実マスタシリンダ圧Pmc_rを補正する。すなわち、ブレーキECU100は、図19にて実線により示すように、サーボ圧Psが有る場合におけるマスタシリンダ圧PmcとストロークSm、言い換えれば、サーボ圧Psが有る正常時に発生することが予め実験により既知となっているマスタシリンダ圧Pmc_dとストロークSmとの関係に基づいて、実マスタシリンダ圧Pmc_rを補正して補正マスタシリンダ圧Pmc_aを取得する。
具体的に説明すると、ブレーキECU100は、前記ステップS31にて取得した信号によって表されるストロークSm1に対する実マスタシリンダ圧Pmc_rを特定する。この場合、上述した異常判定プログラムの実行によってサーボ系の失陥(異常)が判定されているため、実マスタシリンダ圧Pmc_rとストロークSm1とによって特定される点は、図19にて破線により示すサーボ圧Psが無い場合の線上、言い換えれば、ストロークSm1に対応して発生するマスタシリンダ圧Pmc_rが小さくなる線上(更に、言い換えれば、実マスタシリンダ圧Pmc_rを発生させるためのストロークSm1が大きくなる線上)に存在する。
すなわち、マスタシリンダ22にストローク調整スプリング22dが設けられているため、ドライバは、サーボ圧Psの有無に関わらず同様に、ブレーキペダル10を踏み込み操作して同程度のストロークSmをマスタシリンダ22に発生させている。しかし、サーボ圧Psが無い状況では、上述したように、同程度のストロークSmであってもマスタシリンダ22にて発生するマスタシリンダ圧Pmc(実マスタシリンダ圧Pmc_r)は小さくなる。このため、ブレーキECU100は、ドライバが違和感を覚えることなく車両を制動させるために、図19に示すように、サーボ圧Psが有る場合にストロークSm1に対応して発生するPmc_dと一致するように、実マスタシリンダ圧Pmc_rを増大させて補正して補正マスタシリンダ圧Pmc_aを取得する。そして、ブレーキECU100は、補正マスタシリンダ圧Pmc_aを取得すると、ステップ33に進む。
ステップS33においては、ブレーキECU100は、前記ステップS32にて実マスタシリンダ圧Pmc_rを補正して取得した補正マスタシリンダ圧Pmc_aを用いて、上述したリニア制御モードによって継続してブレーキ制御を実行する。ここで、補正マスタシリンダ圧Pmc_aは、サーボ圧Psが有る場合のマスタシリンダ圧Pmc_dとストロークSmとの関係を用いて実マスタシリンダ圧Pmc_rを補正したものである。このため、サーボ圧Psの有無に関わらず、ドライバはブレーキペダル10の踏み込み操作(すなわち、ストロークSm)に対して発生する制動力を同様に知覚することができる。従って、ブレーキペダル10の踏み込み操作に対してドライバが違和感を覚えることなく、良好なブレーキフィーリングを得ることができる。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、マスタシリンダ22において、第1ピストンロッド22b、ストローク調整スプリング22d及び第2ピストンロッド22cを介してブレーキペダル10と加圧ピストン22aとが連結されることにより、サーボ系に失陥(異常)が発生した場合であっても、失陥(異常)が発生する前後でブレーキ操作フィーリングの悪化を生じ難くすることができ、ドライバに違和感を与えにくくすることができる。又、サーボ系に失陥(異常)が発生した場合においても、マスタシリンダ圧Pmcを補正して動力液圧発生装置30によるアキュムレータ圧Paccを利用するリニア制御モードを継続させることにより、ブレーキ操作フィーリングの悪化をより知覚し難くすることができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、液圧ブースタ21が増圧機構80から供給されるサーボ圧Ps(液圧)を利用するハイドロブースタであるとして実施した。この場合、マスタシリンダ22の第1ピストンロッド22bと第2ピストンロッド22cとを連結するストローク調整スプリング22dの近傍にサーボ圧Psを導入し、ドライバによってブレーキペダル10を介して入力される踏力Fを適切に倍力(増幅)可能であれば、いかなるものを採用してもよい。この場合においても、ストローク調整スプリング22dが設けられることによって、サーボ圧Psの有無に関わらず、ドライバは良好なブレーキ操作フィーリングを得ることができる。
又、上記実施形態においては、増圧機構80がサーボ圧Psを液圧ブースタ21に供給するように実施した。この場合、例えば、動力液圧発生装置30からサーボ圧Psを液圧ブースタ21に供給するように実施することも可能である。この場合においても、状況によって、動力液圧発生装置30からサーボ圧Psが液圧ブースタ21に導入される場合と導入されない場合とが生じる可能性があるものの、サーボ圧Psの有無に関わらず、上記実施形態と同様に、ドライバは良好なブレーキ操作フィーリングを得ることができる。
又、上記実施形態においては、タンデム式のマスタシリンダ22を採用し、マスタシリンダ22から2系統により作動液(マスタシリンダ圧Pmc)が供給されるように実施した。この場合、加圧ピストンが1つのマスタシリンダを採用したり、或いは、加圧ピストンが3つ以上のマスタシリンダを採用して実施することも可能である。
更に、上記実施形態においては、ストローク調整スプリング22dを弾性体であるばねにより形成して実施した。この場合、弾性体として、ばね以外の部材、例えば、ゴム部材等を採用して実施可能であることは言うまでもない。
10…ブレーキペダル、20…マスタシリンダユニット、21…液圧ブースタ、22…マスタシリンダ、22a…加圧ピストン、22b…第1ピストンロッド、22c…第2ピストンロッド、22d…ストローク調整スプリング、23…リザーバ、24…サーボ圧配管、30…動力液圧発生装置、40…ブレーキユニット、50…液圧制御弁装置、65A…増圧リニア制御弁、65B…減圧リニア制御弁、100…ブレーキECU、102…マスタシリンダ圧センサ

Claims (6)

  1. 作動液の液圧を受けて車輪に制動力を与えるホイールシリンダと、ドライバによるブレーキペダルの操作により液圧を発生させるマスタシリンダと、加圧ポンプの駆動により液圧を発生させる動力式液圧源と、前記動力式液圧源から前記ホイールシリンダに伝達される液圧を調整するリニア制御弁と、前記マスタシリンダから出力される液圧を検出する液圧検出手段と、前記液圧検出手段によって検出された液圧に基づいて前記リニア制御弁を駆動制御する制御手段とを備えた車両のブレーキ装置において、
    前記マスタシリンダは、
    収容された作動液を加圧する加圧ピストンと前記ブレーキペダルとを連結するピストンロッドが分割されており、
    前記ブレーキペダルに対して一端部が接続された第1ピストンロッドと、
    前記加圧ピストンに対して一端部が接続された第2ピストンロッドと、
    前記第1ピストンロッドの他端部と前記第2ピストンロッドの他端部とを連結し、ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴うストロークを調整する弾性体とを備え、
    少なくとも前記加圧ピストンと前記第1ピストンロッドの他端部とに対して、ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴って発生するサーボ圧が導入されることを特徴とする車両のブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載した車両のブレーキ装置において、
    前記サーボ圧は、
    ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴って前記マスタシリンダから出力される液圧により機械的に作動し、前記マスタシリンダから出力された液圧に対して所定の比となる液圧を発生させる増圧機構から供給されることを特徴とする車両のブレーキ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載した車両のブレーキ装置において、
    ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴って前記マスタシリンダに入力されるブレーキ操作量を検出するブレーキ操作量検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記液圧検出手段によって検出される前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさと、前記ブレーキ操作量検出手段によって検出されるブレーキ操作量の大きさとに基づいて、前記サーボ圧が前記マスタシリンダに導入されないサーボ系の異常が発生したか否かを判定し、
    前記サーボ系の異常の発生を判定したとき、前記サーボ系の異常が発生していない正常時に成立する前記マスタシリンダから出力される液圧と前記ブレーキ操作量との関係に基づいて、前記液圧検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさを補正し、
    前記補正した前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさを用いて前記リニア制御弁の駆動制御を継続することを特徴とする車両のブレーキ装置。
  4. 請求項3に記載した車両のブレーキ装置において、
    前記ブレーキ操作量検出手段が検出するブレーキ操作量は、
    前記ドライバによる前記ブレーキペダルの操作に伴って前記マスタシリンダに対して入力されるストロークの大きさであることを特徴とする車両のブレーキ装置。
  5. 請求項4に記載した車両のブレーキ装置において、
    前記制御手段は、
    前記ブレーキ操作量検出手段によって検出された前記ストロークの大きさにおける、前記正常時に前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさと前記液圧検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさとの差分値が所定値よりも大きければ、サーボ系の異常が発生したと判定することを特徴とする車両のブレーキ装置。
  6. 請求項3ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載した車両のブレーキ装置において、
    前記制御手段は、
    前記サーボ系の異常が発生したと判定すると、
    前記液圧検出手段によって検出された前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさを、前記正常時に前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさと一致するまで増加させて補正し、
    この増加させて補正した前記マスタシリンダから出力される液圧の大きさを用いて前記リニア制御弁の駆動制御を継続することを特徴とする車両のブレーキ装置。
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