JP2013215069A - モータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】短絡故障のみを高精度に検知することができるモータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置を得る。
【解決手段】バッテリ4からの電力を変換し、多相モータ2に印加する相電流および電圧を制御するモータ制御装置1であって、多相モータ2に電力を供給するインバータ11と、電圧指令に基づいて、インバータ11を駆動するインバータ駆動部13と、多相モータ2の端子電圧が所定範囲を逸脱したと判定され、かつ多相モータ2の相電流の和がほぼ零になる平衡条件が成立しない場合に、短絡故障が発生したと判定する故障検知部15とを備えたものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、モータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置に関し、特に故障の検知に関するものである。
従来から、モータの各端子電圧が、ともに第1の所定値以上、またはともに第2の所定値以下となる場合(所定範囲を逸脱した場合)に、故障が発生したと判定する故障判定手段を備えた電動パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この発明は、モータの地絡故障、およびモータと電源との短絡故障(以下、「天絡」と称する)を検知し、故障検知後は、適切なフェールセーフ処理を行うものである。
また、従来から、モータの端子電圧に基づき設定される故障検出条件が成立すると判定される状態が一定時間にわたって検出される場合には、スイッチング素子のスイッチング制御の実行を制限するとともに、スイッチング制御が制限された状態で故障検出条件が非成立であると判定される場合には、モータの端子電圧に基づき設定される制限解除条件が成立すると判定されるときにのみ、スイッチング制御の実行の制限を解除する電動パワーステアリング装置の制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2において、スイッチング制御の制限は、故障による過電流がモータ駆動回路に発生し、この回路を構成するスイッチング素子等が故障することを回避するための暫定的な処置としてなされるものである。また、スイッチング制御の実行の制限および解除を、モータの端子電圧に基づいて行うことで、スイッチング制御の制限によって検知の正確性が低下することを抑制している。
特許第3556678号公報 特開2011−37362号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
すなわち、例えば複数あるモータ線が断線(開放)した場合や、インバータのスイッチング素子の1つ等が開放故障した場合において、その開放故障箇所に接続されたモータ端子の端子電圧は、不定または異常な値になる。
したがって、上記特許文献1の電動パワーステアリング装置において、故障判定手段は、地絡故障や天絡故障等の短絡故障が発生しているのか、または断線等の開放故障が発生しているのかを区別することができない。そのため、故障内容に応じた異常時の処理を行うことができないという問題がある。
また、上記特許文献2の電動パワーステアリング装置の制御装置では、過電流防止のために行われるスイッチング制御の制限によって誤検知が発生することは、抑制することができるものの、モータの端子電圧のみに基づいて故障を判定するので、開放故障が発生した場合であっても故障を検知してしまい、短絡故障と開放故障とを区別することができないという問題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、短絡故障のみを高精度に検知することができるモータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置を得ることを目的とする。
この発明に係るモータ制御装置は、電源からの電力を変換し、多相モータに印加する相電流および電圧を制御するモータ制御装置であって、多相モータに電力を供給するインバータと、電圧指令に基づいて、インバータを駆動するインバータ駆動部と、多相モータの端子電圧が所定範囲を逸脱したと判定され、かつ多相モータの相電流の和がほぼ零になる平衡条件が成立しない場合に、短絡故障が発生したと判定する故障検知部とを備えたものである。
また、この発明に係るモータ制御方法は、電源からの電力を変換し、多相モータに印加する相電流および電圧を制御するモータ制御方法であって、多相モータの端子電圧が所定範囲を逸脱したと判定され、かつ多相モータの相電流の和がほぼ零になる平衡条件が成立しない場合に、短絡故障が発生したと判定する故障検知ステップを備えたものである。
また、この発明に係る電動パワーステアリング装置は、上記のモータ制御装置を備えたものである。
この発明に係るモータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置によれば、故障検知部(ステップ)は、多相モータの端子電圧が所定範囲を逸脱したと判定され、かつ多相モータの相電流の和がほぼ零になる平衡条件が成立しない場合に、短絡故障が発生したと判定する。
ここで、開放故障時は、相電流の平衡条件が成立するので、相電流の平衡条件を判定の条件に追加することにより、開放故障と短絡故障とを区別することができる。
そのため、短絡故障のみを高精度に検知することができる。
また、その結果、故障内容に応じた異常時の処理に素早く移行することができる。
この発明の実施の形態1に係るモータ制御装置を周辺機器とともに示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における故障検知部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置を示す構成図である。
以下、この発明に係るモータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るモータ制御装置1を周辺機器とともに示すブロック図である。図1において、モータ制御装置1は、モータ2に接続されている。ここで、モータ2は、例えば永久磁石型同期モータや誘導モータのような、複数の相を有する交流モータであり、実施の形態1においては、U相、V相、W相の3相を備えているものとする。
モータ2には、モータ2の回転角度θを検出するモータ回転角センサ3が取り付けられている。また、モータ制御装置1には、バッテリ4から電力が供給されている。モータ制御装置1は、モータ回転角センサ3で検出されるモータ回転角度θおよび外部から入力される電流指令Id*、Iq*に基づいて、バッテリ4からの電力を変換し、モータ2に印加する電流および電圧を制御する。
モータ制御装置1は、インバータ11、電流制御部12、スイッチング素子駆動回路(インバータ駆動部)13、モータ端子電圧平均値検出部14および故障検知部15を備えている。ここで、モータ制御装置1の構成要素のうち、電流制御部12および故障検知部15は、通常、マイクロコンピュータのソフトウエアとして実装されている。
マイクロコンピュータは、周知の中央処理装置(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、インタフェース(IF)等からなり、ROMに収納されたプログラムを順次抽出してCPUで所望の演算を行うとともに、演算結果をRAMに一時保存すること等により、ソフトウエアを実行して所定の制御動作が行われる。なお、モータ端子電圧平均値検出部14は、ソフトウエアで実装されてもよい。
インバータ11は、モータ2の各相(U相、V相、W相)に対応して設けられたスイッチング素子UP、UN、VP、VN、WP、WNと、各スイッチング素子に対してそれぞれ並列に接続されたダイオードDUP、DUN、DVP、DVN、DWP、DWNと、電流検出器(電流検出部)CT1、CT2、CT3とを有している。ここで、ダイオードは、スイッチング素子を保護するために、一般的に設けられるものである。また、電流検出器は、インバータ21の外部に設けられてもよい。
次に、モータ制御装置1の各部の動作について説明する。
インバータ11は、電流検出器CT1、CT2、CT3により、モータ2の各相に流れる電流Iu、Iv、Iwを検出して、電流制御部12および故障検知部15に出力する。なお、図1では、電流検出器CT1、CT2、CT3を、各相のスイッチング素子とそれぞれ直列に接続しているが、これに限定されず、インバータ11とモータ2との間の経路や、バッテリ4とインバータ11との間の経路等に接続してもよい。
電流制御部12は、モータ回転角度θ、電流指令Id*、Iq*、およびモータ2の各相の電流検出値Iu、Iv、Iwに基づいて、3相電圧指令、すなわちU、V、W相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を決定する。なお、電流指令Id*、Iq*は、モータトルクの目標値に相当するq軸電流指令Iq*および等価的な界磁磁束の目標値に相当するd軸電流指令Id*である。また、3相電圧指令は、正常な電流検出が可能な第1制限値以下になるように、その大きさが制限されている。
スイッチング素子駆動回路13は、電流制御部12からの3相電圧指令をPWM変調して、インバータ11にスイッチング操作信号を出力する。インバータ11は、スイッチング操作信号を受けて、スイッチング素子UP、UN、VP、VN、WP、WNのチョッパ制御を実施し、モータ2の各相に電圧を印加して、バッテリ4から供給される電力により、各相に電流を流す。このように、各相に流れる電流によって、モータ2にトルクを発生させる。
なお、電流制御部12からスイッチング素子駆動回路13に、3相電圧指令を直接渡すと説明したが、これに限定されず、3相電圧指令を電源電圧の値で除算した値とデューティとし、このデューティを指令としてスイッチング素子駆動回路13に渡してもよい。また、3相電圧指令の大きさが制限されていると説明したが、これに限定されず、デューティの大きさが制限されてもよく、等価な機能となる。
ここで、電流制御部12の構成および動作について詳細に説明する。これは、例えば一般的に用いられているdq制御(ベクトル制御)といわれる方法である。なお、以下に示す各手段は、何れも図示されていない構成要素である。
まず、2相変換手段は、モータ回転角度θに基づいて、各相の電流検出値Iu、Iv、Iwを、dq軸上の電流検出値であるd軸電流検出値Idおよびq軸電流検出値Iqに変換する。
続いて、減算手段は、d、q軸電流指令Id*、Iq*からd、q軸電流検出値Id、Iqをそれぞれ減算し、d、q軸電流偏差Ed、Eqを算出して、d、q軸電流制御手段にそれぞれ出力する。
d、q軸電流制御手段の中身は、一般的なPI制御等でよく、それぞれd、q軸電流偏差Ed、Eqに比例ゲインを乗算する比例項と、d、q軸電流偏差Ed、Eqを積分手段により積分したものに、積分ゲインを乗算する積分項とがあり、これらをそれぞれ加算して、d、q軸電圧指令Vd*、Vq*を生成する。
また、3相変換手段は、モータ回転角度θに基づいて、d、q軸電圧指令Vd*、Vq*を3相変換し、3相電圧指令、すなわちU、V、W相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を生成する。上述したように、これは暫定的な3相電圧指令であり、電圧指令制限手段によって、通常は第1制限値以下に制限されて、電流制御部12から出力される。
なお、後述するように、故障検知部15からの要求により、電圧指令制限手段は、一時的に3相電圧指令を第2制限値(第1制限値>第2制限値)以下に制限することがある。
以上のような動作により、d、q軸電流指令Id*、Iq*に基づいて、モータ2に流れる電流を制御し、モータ2が発生するトルクを制御することができる。
モータ端子電圧平均値検出部14は、モータ2とインバータ11とを繋ぐ配線上にある端子、すなわちモータ端子の端子電圧の平均値であるモータ端子電圧平均値VMを検出する。ここで、モータ端子は3相分あり、モータ端子電圧平均値VMは、これらの各相の電圧検出値の平均値である。
このとき、モータ端子電圧平均値検出部14は、モータ端子電圧平均値VMを、さらにローパスフィルタを用いて時間的に平均化してもよい。時間的に平均化することにより、ノイズや変動成分を除去することができる。
故障検知部15は、モータ2の各相の電流検出値Iu、Iv、Iwおよびモータ端子電圧平均値VMに基づいて、故障を検知し、故障検知信号を電流制御部12に出力する。なお、故障検知部15は、開放故障を検知せず、地絡故障や天絡故障等の短絡故障のみを検知する。
ここで、故障検知部15の動作について詳細に説明する。
故障検知部15は、各相の電流検出値Iu、Iv、Iwおよびモータ端子電圧平均値VMに基づいて、各相において短絡故障が発生したか否かを判定する。ここでいう短絡故障とは、各相において短絡状態になることを指している。
すなわち、U相の場合について説明すると、U相におけるモータ線が電源の高電位側に短絡する天絡故障、モータ線が電源の低電位側に短絡する地絡故障、またはインバータ11におけるスイッチング素子UP、UNが短絡の状態に固着するスイッチング素子短絡故障等、U相におけるインバータ11からモータ2までの経路中の何れかの部品が短絡状態になる故障である。また、U相、V相、W相の何れか2相以上の相間が短絡するような故障も短絡故障である。
また、故障検知部15による故障検知の結果を、故障検知信号として電流制御部12に出力することにより、電流制御部12は、故障内容に応じた処理に移行することができる。ここで、故障内容に応じた処理とは、制御の停止、または故障内容に応じた異常時制御等であるが、詳細は省略する。
故障検知部15は、モータ端子電圧平均値VMが所定範囲を逸脱し、かつ各相の電流検出値Iu、Iv、Iwの和Isum(Isum=Iu+Iv+Iw)がほぼ零になるという平衡条件(Isum≒0)が成立しない状態、すなわち零の近傍以外の値になる状態が所定時間以上検出された場合に、短絡故障が発生したと判定する。
ここで、3相電圧および電流検出に関する制約について説明する。3相電圧指令の大きさが第1制限値以下であれば、3相電流を検出することが可能である。しかしながら、実際は、3相電圧指令の大きさが第1制限値以下かつ第2制限値以上である場合には、2相の電流のみが直接検出可能であり、残りの1相は、直接検出した2相から、上記の平衡条件を考慮して算出することで、間接的に検出することができる。
なお、3相電圧指令の大きさが第2制限値以下であれば、3相電流をすべて直接検出することができる。このような制約は、インバータ11におけるスイッチング素子と電流検出器との配置の関係によって生じるものである。
続いて、図2のフローチャートを参照しながら、故障検知部15の動作について具体的に説明する。
まず、故障検知部15は、モータ端子電圧平均値VMが所定範囲Vrを逸脱した状態が、第1所定時間以上継続したか否かを判定する(ステップS1)。
ステップS1において、第1所定時間以上継続していない(すなわち、No)と判定された場合には、リターンに移行する。
一方、ステップS1において、第1所定時間以上継続した(すなわち、Yes)と判定された場合には、故障検知部15は、電流制御部12における3相電圧指令の大きさを、通常の制限値である第1制限値から、より小さな第2制限値に変更する(ステップS2)。
次に、故障検知部15は、モータ端子電圧平均値VMが所定範囲Vrを逸脱した状態と、相電流の平衡条件(Isum≒0)が成立しない状態とがともに成り立つ状態が、第2所定時間以上継続したか否かを判定する(ステップS3)。
ステップS3において、第2所定時間以上継続していない(すなわち、No)と判定された場合には、リターンに移行する。
一方、ステップS3において、第2所定時間以上継続した(すなわち、Yes)と判定された場合には、故障検知部15は、短絡故障が発生したことを確定し、故障検知信号を電流制御部12に出力して(ステップS4)、短絡故障に応じた処理に移行する。また、リターンに移行した後は、再びスタートに戻ってフローを繰り返す。
なお、相電流の平衡条件(Isum≒0)が成立するか否かを判定する場合、厳密に零である必要はなく、電流検出誤差等よりも大きな値Ithを用いて、Isumの大きさがIthより小さい(|Isum|<Ith)か否かを判定するようにしてもよい。
このように、このモータ制御装置1は、モータ2の端子電圧が所定範囲を逸脱したと判定され、かつ相電流の和が零になるという平衡条件を満たさない場合に、短絡故障が発生したと判定するように構成した。これにより、開放故障時は相電流の平衡条件が成立することを利用して、開放故障を誤って検知することを回避でき、短絡故障のみを高精度に検知することができる。
すなわち、開放故障時は、例えばU相の場合について説明すると、U相電流が零(Iu=0)となるが、相電流は3相結線以外の経路に流出することはなく、Iv=−Iwという関係が成立するので、平衡条件は成立したままとなる。一方、短絡故障時は、相電流が短絡経路から直接的に電源等に流出するので、平衡条件が成立しなくなる。したがって、平衡条件を追加することにより、開放故障と短絡故障とを区別することができる。
また、このモータ制御装置1は、モータ2の端子電圧が所定範囲を逸脱した状態が第1所定時間以上継続した後、3相電圧指令の大きさを制限する制限値を小さく変更する等して制御態様を変更した上で、モータ2の端子電圧が所定範囲を逸脱した状態と、相電流の平衡条件が成立しない状態とがともに成り立つ状態が、第2所定時間以上継続した場合に、短絡故障が発生したと判定するように構成した。これにより、各相の相電流を確実に検出することができるようになるので、平衡条件の判定精度が向上し、その結果、短絡故障の検知精度を向上させることができる。
以上のように、実施の形態1によれば、故障検知部は、多相モータの端子電圧が所定範囲を逸脱したと判定され、かつ多相モータの相電流の和がほぼ零になる平衡条件が成立しない場合に、短絡故障が発生したと判定する。
ここで、開放故障時は、相電流の平衡条件が成立するので、相電流の平衡条件を判定の条件に追加することにより、開放故障と短絡故障とを区別することができる。
そのため、短絡故障のみを高精度に検知することができる。
また、その結果、故障内容に応じた異常時の処理に素早く移行することができる。
なお、上記実施の形態1では、3相電圧指令の大きさを制限するために、電流制御部22に電圧指令制限手段を設け、故障検知部15のステップS2において、その制限値を変更すると説明した。しかしながら、これに限定されず、デューディまたはd、q軸電圧指令に対して、その大きさを制限するように電圧指令制限手段を構成し、故障検知部15のステップS2において、その制限値を変更してもよい。これらの信号について、3相電圧指令との間の変換処理を考慮し、制限値を変換処理に応じて修正することで、同様な制限を行うことができる。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置を示す構成図である。この電動パワーステアリング装置は、上記実施の形態1で示したモータ制御装置1を、自動車の電動パワーステアリング装置に適用した一例を示すものである。
図3において、図示しない運転者からステアリングホイール21に加えられた操舵力は、ステアリングシャフト22を通り、ラック・ピニオンギヤ23を介してラック24に伝達され、車輪25を転舵させる。
モータ2は、モータ減速ギア26を介してステアリングシャフト22を連結されている。モータ2から発生するモータトルク(以下、「補助力」とも称する)は、モータ減速ギア26を介してステアリングシャフト22に伝達され、操舵時に運転者が加える操舵力を軽減する。
トルクセンサ27は、運転者がステアリングホイール21を操舵することにより、ステアリングシャフト22に加えられた操舵力を検出する。モータ制御装置1は、トルクセンサ27で検出された操舵力およびモータ回転角センサ3で検出されたモータ回転角度に応じて、モータ2が付与する補助力の方向および大きさを決定し、この補助力を発生させるべく、バッテリ4からモータ2に印加される電流および電圧を制御する。
コントロールユニット28は、モータトルクの目標値に相当するトルク電流指令(q軸電流指令)を算出するためのマップ(図示せず)と、上記実施の形態1で示したモータ制御装置1とで構成されている。マップは、出力すべきモータトルクをあらかじめ記憶している。
コントロールユニット28は、トルクセンサ27で検出された操舵力に基づいて、マップからモータトルクの方向および大きさを決定し、トルク電流指令を算出する。モータ制御装置1は、トルク電流指令を実現すべく、モータ2の各相に流れる電流を制御する。この電流によって、モータ2による補助力が発生する。
電動パワーステアリング装置において、走行中に故障が発生した場合に、直ちに制御を停止すると、運転者の感じる違和感が大きいので、可能な限り制御を継続することで違和感を低減することができる。そこで、何らかの故障があるにも関わらず、可能な限り良好な制御を継続するには、故障内容を特定することが望ましい。さらに、故障発生後に素早く故障内容に応じた異常時の処理に移行するために、短時間で故障内容を特定することが望ましい。
そこで、この発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置によれば、インバータ11からモータ2までの経路中の何れかの部品が短絡状態になる故障を、高精度に検知することができるので、開放故障を誤って検知することなく、故障内容に応じた異常時の処理に移行することができ、運転者の感じる違和感を低減することができる。
1 モータ制御装置、2 モータ(多相モータ)、3 モータ回転角センサ、4 バッテリ(電源)、11 インバータ、12 電流制御部、13 スイッチング素子駆動回路(インバータ駆動部)、14 モータ端子電圧平均値検出部、15 故障検知部、21 ステアリングホイール、22 ステアリングシャフト、22 電流制御部、23 ラック・ピニオンギヤ、24 ラック、25 車輪、26 モータ減速ギア、27 トルクセンサ、28 コントロールユニット、UP、UN、VP、VN、WP、WN スイッチング素子、DUP、DUN、DVP、DVN、DWP、DWN ダイオード、CT1、CT2、CT3 電流検出器(電流検出部)。

Claims (5)

  1. 電源からの電力を変換し、多相モータに印加する相電流および電圧を制御するモータ制御装置であって、
    前記多相モータに電力を供給するインバータと、
    電圧指令に基づいて、前記インバータを駆動するインバータ駆動部と、
    前記多相モータの端子電圧が所定範囲を逸脱したと判定され、かつ前記多相モータの相電流の和がほぼ零になる平衡条件が成立しない場合に、短絡故障が発生したと判定する故障検知部と、
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記故障検知部は、前記多相モータの端子電圧が前記所定範囲を逸脱した状態が、第1所定時間以上継続した後、制御態様を変更した上で、前記多相モータの端子電圧が前記所定範囲を逸脱した状態と、前記相電流の前記平衡条件が成立しない状態とがともに成り立つ状態が、第2所定時間以上継続した場合に、短絡故障が発生したと判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記故障検知部は、前記多相モータの端子電圧が前記所定範囲を逸脱した状態が、第1所定時間以上継続した後、前記電圧指令の大きさを制限する制限値を小さく変更した上で、前記多相モータの端子電圧が前記所定範囲を逸脱した状態と、前記相電流の前記平衡条件が成立しない状態とがともに成り立つ状態が、第2所定時間以上継続した場合に、短絡故障が発生したと判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 電源からの電力を変換し、多相モータに印加する相電流および電圧を制御するモータ制御方法であって、
    前記多相モータの端子電圧が所定範囲を逸脱したと判定され、かつ前記多相モータの相電流の和がほぼ零になる平衡条件が成立しない場合に、短絡故障が発生したと判定する故障検知ステップ
    を備えたことを特徴とするモータ制御方法。
  5. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載のモータ制御装置を備えた
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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