JP2013214544A - フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空ラミネート工程を用いずに、太陽電池素子を連続的に封止し、しわやカールが発生せず、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを高い効率で製造できる、フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】フッ素系樹脂シート4上に、酢酸ビニル含有量が20〜35重量%であるエチレン−酢酸ビニル樹脂100重量部と、1時間半減期温度が110℃以上である有機化過酸化物0.1〜1重量部とを含有する樹脂組成物からなる粘着剤層3を有する太陽電池封止シートを、窒素濃度が99体積%以上の窒素気流中で、フレキシブル基材上に光電変換層が配置された太陽電池素子の少なくとも受光面上に、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する工程と、熱圧着後の積層体を加熱処理することにより前記エチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させる。
【選択図】図3
【解決手段】フッ素系樹脂シート4上に、酢酸ビニル含有量が20〜35重量%であるエチレン−酢酸ビニル樹脂100重量部と、1時間半減期温度が110℃以上である有機化過酸化物0.1〜1重量部とを含有する樹脂組成物からなる粘着剤層3を有する太陽電池封止シートを、窒素濃度が99体積%以上の窒素気流中で、フレキシブル基材上に光電変換層が配置された太陽電池素子の少なくとも受光面上に、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する工程と、熱圧着後の積層体を加熱処理することにより前記エチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、真空ラミネート工程を用いずに、太陽電池素子を連続的に封止し、しわやカールが発生せず、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを高い効率で製造できる、フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法に関する。
太陽電池として、ガラスを基材とするリジットな太陽電池モジュールと、ポリイミドやポリエステル系の耐熱高分子材料やステンレス薄膜を基材とするフレキシブルな太陽電池モジュールとが知られている。近年、薄型化や軽量化による運搬、施工の容易さや、衝撃に強い点から、フレキシブルな太陽電池モジュールが注目されるようになってきている。
このようなフレキシブルな太陽電池モジュールは、フレキシブル基材上に、光が照射されると電流を生じる機能を有するシリコン半導体や化合物半導体等からなる光電変換層等を薄膜状に積層したフレキシブル太陽電池素子の上下面を、太陽電池封止シートを積層して封止したものである。
上記太陽電池封止シートは、外部からの衝撃を防止したり、太陽電池素子の腐食を防止したりするためのものである。上記太陽電池封止シートは、透明シート上に粘着剤層が形成されたものであり、上記太陽電池素子を封止するための粘着剤層としては、従来からエチレン−酢酸ビニル樹脂に、架橋剤として有機過酸化物を配合したものが使用されていた(例えば、特許文献1を参照のこと。)。
また、架橋剤を必要としない上記粘着剤層として、シラン変性オレフィン樹脂等の非EVA系樹脂の使用も検討されている(例えば、特許文献2を参照のこと。)。
また、架橋剤を必要としない上記粘着剤層として、シラン変性オレフィン樹脂等の非EVA系樹脂の使用も検討されている(例えば、特許文献2を参照のこと。)。
上記フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法としては、フレキシブル太陽電池素子と太陽電池封止シートとを予め所望の形状に切断した上で積層し、これらを静止状態にて真空ラミネートによって積層一体化する方法が従来から行われている。このような真空ラミネート法では、接着工程に時間がかかり、太陽電池モジュールの製造効率が低いといった問題があった。
上記フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法として、量産化に優れる点で、ロールツーロール法が検討されている(例えば、特許文献3を参照のこと。)。
ロールツーロール法は、フィルム状の太陽電池封止シートを巻回させたロールを使用し、該ロールから巻き出した太陽電池封止シートを、一対のロールを用いて狭窄することにより、太陽電池素子に熱圧着して封止を行い、連続的にフレキシブル太陽電池モジュールを製造する方法である。
このようなロールツーロール法によれば、極めて高い効率で連続的にフレキシブル太陽電池モジュールを製造することが期待できる。
ロールツーロール法は、フィルム状の太陽電池封止シートを巻回させたロールを使用し、該ロールから巻き出した太陽電池封止シートを、一対のロールを用いて狭窄することにより、太陽電池素子に熱圧着して封止を行い、連続的にフレキシブル太陽電池モジュールを製造する方法である。
このようなロールツーロール法によれば、極めて高い効率で連続的にフレキシブル太陽電池モジュールを製造することが期待できる。
しかしながら、従来の太陽電池封止シートを用いて、ロールツーロール法によりフレキシブル太陽電池素子を封止してフレキシブル太陽電池モジュールを製造する場合、上記フレキシブル太陽電池素子と太陽電池封止シートとをロールで熱圧着したときに、しわやカールが発生して極端に歩留まりが低下したり、フレキシブル太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性が不充分となったりする等の問題があった。
そこで、ロールツーロール法の高い量産性を充分発揮しつつ、しわやカールの発生がなく、フレキシブル太陽電池素子を連続して好適に封止できる方法が求められていた。
そこで、ロールツーロール法の高い量産性を充分発揮しつつ、しわやカールの発生がなく、フレキシブル太陽電池素子を連続して好適に封止できる方法が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みて、真空ラミネート工程を用いずに、太陽電池素子を連続的に封止し、しわやカールが発生せず、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを高い効率で製造できる、フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、フッ素系樹脂シート上に、酢酸ビニル含有量が20〜35重量%であるエチレン−酢酸ビニル樹脂100重量部と、1時間半減期温度が110℃以上である有機化過酸化物0.1〜1重量部とを含有する樹脂組成物からなる粘着剤層を有する太陽電池封止シートを、窒素濃度が99体積%以上の窒素気流中で、フレキシブル基材上に光電変換層が配置された太陽電池素子の少なくとも受光面上に、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する工程と、熱圧着後の積層体を加熱処理することにより前記エチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させる工程とを有するフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法である。
以下に、本発明を詳述する。
以下に、本発明を詳述する。
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法は、特定の成分からなる粘着剤層とフッ素系樹脂シートとを有する太陽電池封止シートを用いて、特定の条件下で太陽電池素子を封止することにより、太陽電池封止シートと太陽電池素子との接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを、しわやカールの発生がないようにロールツーロール法で連続して製造することができるものである。
本発明者らは、フッ素系樹脂シート上に、酢酸ビニル含有量が20〜35重量%であるエチレン−酢酸ビニル樹脂100重量部と、1時間半減期温度が110℃以上である有機過酸化物0.1〜1重量部とを含有する樹脂組成物からなる粘着剤層を有する太陽電池封止シートを、窒素濃度が99体積%以上の窒素気流中で、フレキシブル基材上に光電変換層が配置された太陽電池素子の少なくとも受光面上に、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着した後、熱圧着後の積層体を加熱処理してエチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させることにより、真空ラミネート工程を必要とせず、かつ、短時間に熱圧着でき、ロールツーロール法で太陽電池素子を連続して封止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明者らは、フッ素系樹脂シート上に、酢酸ビニル含有量が20〜35重量%であるエチレン−酢酸ビニル樹脂100重量部と、1時間半減期温度が110℃以上である有機過酸化物0.1〜1重量部とを含有する樹脂組成物からなる粘着剤層を有する太陽電池封止シートを、窒素濃度が99体積%以上の窒素気流中で、フレキシブル基材上に光電変換層が配置された太陽電池素子の少なくとも受光面上に、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着した後、熱圧着後の積層体を加熱処理してエチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させることにより、真空ラミネート工程を必要とせず、かつ、短時間に熱圧着でき、ロールツーロール法で太陽電池素子を連続して封止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法では、フッ素系樹脂シート上に、エチレン−酢酸ビニル樹脂と有機過酸化物とを含有する樹脂組成物からなる粘着剤層を有する太陽電池封止シートを用いる。このような特定の樹脂組成物からなる粘着剤層を有する太陽電池封止シートを用いることにより、ロールツーロール法でフレキシブル太陽電池モジュールを好適に製造することができる。
上記エチレン−酢酸ビニル樹脂の酢酸ビニル含有量の下限は20重量%、上限は35重量%である。上記酢酸ビニル含有量がこの範囲内であると、示差走査熱量分析により測定したエチレン−酢酸ビニル樹脂の吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)が60〜80℃の範囲となる。上記酢酸ビニル含有量が20重量%未満であると、太陽電池封止シートを熱圧着するときにエチレン−酢酸ビニル樹脂の流動性が低下し、太陽電池封止シートに歪が残りやすく、そのため、ロールツーロール法でフレキシブル太陽電池モジュールを製造する際に、カールが発生する。また、酢酸ビニル樹脂の流動性が低いため、充分な接着強度が得られず、太陽電池封止シートと太陽電池素子の間で剥離が発生する。また、上記最大ピーク温度(Tm)が80℃を超える。上記酢酸ビニル含有量が35重量%を超えると、エチレン−酢酸ビニル樹脂の耐熱性が低く、太陽電池封止シートを熱圧着するときに太陽電池封止シートが熱変形し、フレキシブル太陽電池モジュールにシワやカールが発生する。また、上記最大ピーク温度(Tm)が60℃未満となる。上記酢酸ビニル含有量の好ましい下限は27重量%、好ましい上限は33重量%である。
なお、上記エチレン−酢酸ビニル樹脂の酢酸ビニル含有量は、JIS K 7192に規定されている測定方法に準拠する方法により測定することができる。また、上記示差走査熱量分析による吸熱曲線は、JIS K 7121に規定されている測定方法に準拠する方法により測定することができる。
なお、上記エチレン−酢酸ビニル樹脂の酢酸ビニル含有量は、JIS K 7192に規定されている測定方法に準拠する方法により測定することができる。また、上記示差走査熱量分析による吸熱曲線は、JIS K 7121に規定されている測定方法に準拠する方法により測定することができる。
上記エチレン−酢酸ビニル樹脂は、メルトフローレイト(MFR)が0.5g/10分〜29g/10分であることが好ましい。上記メルトフローレイトが0.5g/10分未満であると、太陽電池封止シートの製造時に該封止シートに歪が残り、フレキシブル太陽電池モジュール製造後に該モジュールがカールするおそれがある。29g/10分を超えると、上記太陽電池封止シート製造時にドローダウンしやすくなり均一な厚味のシートを製造することが難しく、フレキシブル太陽電池モジュール製造後に該モジュールがカールしたり、太陽電池封止シートにピンホール等を生じやすくなり、フレキシブル太陽電池モジュール全体の絶縁性を損なうおそれがある。
上記メルトフローレイトは、2g/10分〜10g/10分以下であることがより好ましい。
なお、上記エチレン−酢酸ビニル樹脂のメルトフローレイトは、ポリエチレン系樹脂のメルトフローレイトの測定方法であるASTM D1238に準拠して荷重2.16kg荷重にて測定された値をいう。
上記メルトフローレイトは、2g/10分〜10g/10分以下であることがより好ましい。
なお、上記エチレン−酢酸ビニル樹脂のメルトフローレイトは、ポリエチレン系樹脂のメルトフローレイトの測定方法であるASTM D1238に準拠して荷重2.16kg荷重にて測定された値をいう。
上記エチレン−酢酸ビニル樹脂は、30℃での粘弾性貯蔵弾性率が2×108Pa以下であることが好ましい。上記30℃での粘弾性貯蔵弾性率が2×108Paを超えると、太陽電池封止シートの柔軟性が低下して取扱性が低下したり、太陽電池素子を上記太陽電池封止シートによって封止してフレキシブル太陽電池モジュールを製造する際に、上記太陽電池封止シートを急激に加熱する必要が生じたりするおそれがある。上記30℃での粘弾性貯蔵弾性率は、低すぎると、上記太陽電池封止シートが室温にて粘着性を発現して上記太陽電池封止シートの取扱性が低下することがあるため、下限は1×107Paであることが好ましい。また、上限は1.5×108Paがより好ましい。
上記有機過酸化物は、1時間半減期温度が110℃以上である。1時間半減期温度が110℃未満であると、太陽電池素子と太陽電池封止シートとを熱圧着するときに、熱圧着と同時にエチレン−酢酸ビニル樹脂の架橋が進行し、粘着剤層の流動性が低下し、太陽電池封止シートに歪が残りやすく、そのため、ロールツーロール法でフレキシブル太陽電池モジュールを製造する際に、カールが発生する。また、酢酸ビニル樹脂の流動性が低いため、充分な接着強度が得られず、太陽電池封止シートと太陽電池素子の間で剥離が発生しやすい。
上記1時間半減期温度が110℃以上である有機過酸化物としては、例えば、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(111℃)、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン(114℃)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(115℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(118℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(118℃)、t−ブチルパーオキシマレイン酸(119℃)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(119℃)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート(119℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(119℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(119℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(121℃)、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン(122℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(125℃)、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート(127℃)、ジクミルパーオキサイド(136℃)、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド(136℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(137℃)、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(138℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(138℃)等が挙げられる。これらの有機過酸化物は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。なお、括弧内の温度は、有機過酸化物の1時間半減期温度を示す。
上記樹脂組成物において、上記酢エチレン−酢酸ビニル樹脂100重量部に対する有機過酸化物の配合量の下限は0.1重量部、上限は1重量部である。上記有機過酸化物の配合量が0.1重量部未満であると、エチレン−酢酸ビニル樹脂の架橋が不充分となり、太陽電池封止シートと太陽電池素子の間の接着強度が弱く、太陽電池封止シートと太陽電池素子の間で剥離が発生しやすい。1重量部を超えると、エチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させる工程において、有機過酸化物の分解ガスが多量に発生し、太陽電池モジュール内に気泡が発生したり、太陽電池封止シートと太陽電池素子の間で剥離が発生したりする。上記有機過酸化物の配合量の好ましい下限は0.2重量部、好ましい上限は0.6重量部である。
上記樹脂組成物は、その物性を損なわない範囲内において、架橋助剤、シランカップリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の添加剤を更に含有していてもよい。
上記粘着剤層は、厚みが80〜700μmであることが好ましい。上記厚みが80μm未満であると、フレキシブル太陽電池モジュールの絶縁性を保持できないおそれがある。上記厚みが700μmを超えると、フレキシブル太陽電池モジュールの難燃性に悪影響を及ぼしたり、フレキシブル太陽電池モジュールの重量が重くなったりするおそれがあるし、経済的にも不利である。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は150μm、より好ましい上限は400μmである。
上記フッ素系樹脂シートは、透明性、耐熱性及び難燃性に優れるものであれば、特に限定されないが、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、テトラフロオロエチレン−パーフロオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、ポリビニルフルオライド樹脂(PVF)及びテトラフロオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)からなる群より選択される少なくとも一種のフッ素系樹脂からなることが好ましい。
なかでも、上記フッ素系樹脂としては、耐熱性及び透明性により優れる点で、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニルフルオライド樹脂(PVF)がより好ましい。
なかでも、上記フッ素系樹脂としては、耐熱性及び透明性により優れる点で、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニルフルオライド樹脂(PVF)がより好ましい。
上記フッ素系樹脂シートは、厚みが10〜100μmであることが好ましい。上記厚みが10μm未満であると、絶縁性が確保できなかったり、難燃性が損なわれたりするおそれがある。上記厚みが100μmを超えると、フレキシブル太陽電池モジュールの重量が重くなるおそれがあり、経済的にも不利である。上記フッ素系樹脂シートの厚みのより好ましい下限は15μm、より好ましい上限は80μmである。
上記太陽電池封止シートは、上記フッ素系樹脂シートと上記粘着剤層とを積層一体化することにより製造することができる。上記積層一体化する方法としては、例えば、上記粘着剤層の一面に上記フッ素系樹脂シートを押出ラミネートして形成する方法や、上記粘着剤層と上記フッ素系樹脂シートとを共押出して形成する方法等が挙げられる。なかでも、共押出工程により同時に製膜加工され積層して一体型積層体を得る方法が好適である。
上記共押出工程における、押出設定温度は、上記フッ素系樹脂及び上記エチレン−酢酸ビニル樹脂の融点より30℃以上、かつ、分解温度より30℃未満であることが好ましい。
上記共押出工程における、押出設定温度は、上記フッ素系樹脂及び上記エチレン−酢酸ビニル樹脂の融点より30℃以上、かつ、分解温度より30℃未満であることが好ましい。
上記太陽電池素子は、一般に、受光することで電子が発生する光電変換層、発生した電子を取り出す電極層、及び、フレキシブル基材から構成される。
上記光電変換層は、例えば、単結晶シリコン、単結晶ゲルマニウム、多結晶シリコン、微結晶シリコン等の結晶系半導体、アモルファスシリコン等のアモルファス系半導体、GaAs、InP、AlGaAs、Cds、CdTe、Cu2S、CuInSe2、CuInS2等の化合物半導体、フタロシアニン、ポリアセチレン等の有機半導体等から形成されたものを挙げることができる。
上記光電変換層は、単層又は複層であってもよい。
上記光電変換層の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましい。
上記光電変換層は、単層又は複層であってもよい。
上記光電変換層の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましい。
上記フレキシブル基材は、可撓性があり、フレキシブル太陽電池に使用することができるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン等の耐熱性樹脂からなる基材を挙げることができる。
上記フレキシブル基材の厚みは、10〜80μmであることが好ましい。
上記フレキシブル基材の厚みは、10〜80μmであることが好ましい。
上記電極層は、電極材料からなる層である。
上記電極層は、必要に応じて、上記光電変換層上にあってもよいし、上記光電変換層とフレキシブル基材との間にあってもよいし、上記フレキシブル基材面上にあってもよい。
上記太陽電池素子は、上記電極層を複数有していてもよい。
受光面側の電極層は、光を透過する必要があるため透明電極であることが好ましい。上記電極材料は、金属酸化物等の一般的な透明電極材料であれば特に限定されないが、ITO又はZnO等が好適に使用される。
透明電極を使用しない場合は、バス電極やそれに付属するフィンガー電極を銀などの金属でパターニングされたものでもよい。
背面側の電極層は、透明である必要はないため、一般的な電極材料によって構成されても構わないが、上記電極材料は、銀が好適に用いられる。
上記電極層は、必要に応じて、上記光電変換層上にあってもよいし、上記光電変換層とフレキシブル基材との間にあってもよいし、上記フレキシブル基材面上にあってもよい。
上記太陽電池素子は、上記電極層を複数有していてもよい。
受光面側の電極層は、光を透過する必要があるため透明電極であることが好ましい。上記電極材料は、金属酸化物等の一般的な透明電極材料であれば特に限定されないが、ITO又はZnO等が好適に使用される。
透明電極を使用しない場合は、バス電極やそれに付属するフィンガー電極を銀などの金属でパターニングされたものでもよい。
背面側の電極層は、透明である必要はないため、一般的な電極材料によって構成されても構わないが、上記電極材料は、銀が好適に用いられる。
上記太陽電池素子を製造する方法は、公知の方法であれば、特に限定されず、例えば、上記フレキシブル基材上に上記光電変換層や電極層を配置する公知の方法により形成するとよい。
上記太陽電池素子は、ロール状に巻回された長尺状であってもよいし、矩形状のシート状であってもよい。
上記太陽電池素子は、ロール状に巻回された長尺状であってもよいし、矩形状のシート状であってもよい。
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法は、上記太陽電池封止シートを上記太陽電池素子の少なくとも受光面上に、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する工程を有する。
ここで太陽電池素子の受光面とは、光を受けることができる面であって、上記太陽電池の太陽電池素子が配置された面を意味する。
ここで太陽電池素子の受光面とは、光を受けることができる面であって、上記太陽電池の太陽電池素子が配置された面を意味する。
このように一対の熱ロールを用いて狭窄して太陽電池封止シートと太陽電池素子を熱圧着する工程では、太陽電池封止シートと太陽電池素子の間に、少量の窒素や酸素が気泡の状態で残ることがある。太陽電池封止シートと太陽電池素子の間に酸素が残留すると、エチレン−酢酸ビニル樹脂の架橋が阻害されることがある。即ち、太陽電池封止シートを加熱して架橋させるときに、有機過酸化物の分解により発生したラジカルと残留した酸素とが反応し、エチレン−酢酸ビニル樹脂の架橋反応が停止してしまうことがある。
これに対して本願発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法では、太陽電池封止シートと太陽電池素子との熱圧着を、窒素濃度が99体積%以上の窒素気流中で行う。これにより、太陽電池封止シートと太陽電池素子との間に残存する気泡中の酸素を、実質的にエチレン−酢酸ビニル樹脂の架橋反応に影響しない量まで低下させることができる。
これに対して本願発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法では、太陽電池封止シートと太陽電池素子との熱圧着を、窒素濃度が99体積%以上の窒素気流中で行う。これにより、太陽電池封止シートと太陽電池素子との間に残存する気泡中の酸素を、実質的にエチレン−酢酸ビニル樹脂の架橋反応に影響しない量まで低下させることができる。
上記一対の熱ロールを用いて狭窄する際の、上記熱ロールの温度は、80〜160℃であることが好ましい。80℃未満であると、接着不良を起こすおそれがある。160℃を超えると、熱圧着時にしわを発生しやすくなる。上記熱ロールの温度は90〜120℃であることがより好ましい。
上記熱ロールの回転速度は、0.1〜10m/分であることが好ましい。0.1m/分未満であると、熱圧着後しわが発生しやすくなるおそれがある。10m/分を超えると、接着不良が起こるおそれがある。上記熱ロールの回転速度は、0.3〜5m/分であることがより好ましい。
本発明フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池封止シートと太陽電池素子とを熱圧着した後、熱圧着後の積層体を加熱処理することにより上記エチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させる工程を有する。加熱処理により有機過酸化物が分解され、発生したラジカルがエチレン−酢酸ビニル樹脂と反応し、エチレン−酢酸ビニル樹脂が架橋される。
上記加熱処理の条件は、有機過酸化物の1時間半減期温度より10℃以上高温で加熱することが好ましい。また、加熱処理は、有機過酸化物の半減期の4倍以上の時間をかけて行うことが好ましい。
上記加熱処理の条件は、有機過酸化物の1時間半減期温度より10℃以上高温で加熱することが好ましい。また、加熱処理は、有機過酸化物の半減期の4倍以上の時間をかけて行うことが好ましい。
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法は、このように、特定の成分からなる粘着剤層とフッ素系樹脂シートとを有する太陽電池封止シートを用いて、特定の条件下で太陽電池素子を封止することにより、真空ラミネート工程を用いずに、短時間で熱圧着を行うことができる。このため、しわやカールの発生がなく、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの充分な接着が可能となる。このため、ロールツーロール法を適用して、フレキシブル太陽電池モジュールを効率良く製造することができる。
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法について、図1を用いて、具体的に説明する。
図1に示すように、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBは、それぞれ長尺状のものであり、ロール状に巻回されている。まず、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBのロールを巻き出し、窒素濃度99体積%以上の窒素を流した槽H内に導入し、上記太陽電池素子Aの受光面と、上記太陽電池封止シートBの粘着剤層面とを対向させた状態に配置し、両者を積層させて積層シートCとする。
次いで、上記積層シートCを、所定の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給し、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱して熱圧着し、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBを接着一体化する。少なくとも、この工程までは窒素濃度99体積%以上の窒素気流中で行う。その後、所定の温度で所定の時間加熱し、エチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させる。これにより、上記太陽電池素子が上記太陽電池封止シートによって封止され、フレキシブル太陽電池モジュールEを得ることができる。
図1に示すように、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBは、それぞれ長尺状のものであり、ロール状に巻回されている。まず、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBのロールを巻き出し、窒素濃度99体積%以上の窒素を流した槽H内に導入し、上記太陽電池素子Aの受光面と、上記太陽電池封止シートBの粘着剤層面とを対向させた状態に配置し、両者を積層させて積層シートCとする。
次いで、上記積層シートCを、所定の温度に加熱された一対のロールD、D間に供給し、積層シートCをその厚み方向に押圧しながら加熱して熱圧着し、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBを接着一体化する。少なくとも、この工程までは窒素濃度99体積%以上の窒素気流中で行う。その後、所定の温度で所定の時間加熱し、エチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させる。これにより、上記太陽電池素子が上記太陽電池封止シートによって封止され、フレキシブル太陽電池モジュールEを得ることができる。
窒素濃度が99体積%以上の窒素気流中で、上記太陽電池封止シートBと太陽電池素子Aを熱圧着するために、槽H内に窒素濃度99%以上の窒素ガスを供給する。窒素濃度99%以上の窒素ガスの流量V(cc/min)は、槽Hの開口面積の合計をS(cm2)とすると、V>Sであることが好ましい。
上述のように接着一体化された太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBは、所定の温度で所定の時間加熱処理される。加熱方法は、加熱ロール、熱風オーブンの何れでも良く、空気中または、窒素雰囲気中の何れでも良い。また、一旦ロール状に巻き取った後で熱風オーブンに入れてもよい。
図2に、本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法において使用する太陽電池素子Aの一例の縦断面模式図を示し、図3に、太陽電池封止シートBの一例の縦断面模式図を示す。図に示すように、太陽電池素子Aは、フレキシブル基材1上に光電変換層2が配置されたものである。太陽電池封止シートBは、フッ素系樹脂シート4上に粘着剤層3を有する。
更に、本発明の製造方法により得られるフレキシブル太陽電池モジュールEの一例の縦断面模式図を図4に示す。
図4に示すように、太陽電池素子Aの光電変換層2が存在する側の面が、粘着剤層3によって封止されることにより、太陽電池素子Aと太陽電池封止シートBが積層一体化され、フレキシブル太陽電池モジュールEが得られる。
更に、本発明の製造方法により得られるフレキシブル太陽電池モジュールEの一例の縦断面模式図を図4に示す。
図4に示すように、太陽電池素子Aの光電変換層2が存在する側の面が、粘着剤層3によって封止されることにより、太陽電池素子Aと太陽電池封止シートBが積層一体化され、フレキシブル太陽電池モジュールEが得られる。
本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法ではまた、上述と同様にして、上記太陽電池素子のフレキシブル基材面(裏面)に、上記太陽電池封止シートを、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する工程を有していてもよい。
また、上記太陽電池素子のフレキシブル基材面を封止する場合は、光透過性は必要ではないため、上記粘着剤層と不透明なステンレス層等とからなる太陽電池封止シートであってもよい。
上記太陽電池素子のフレキシブル基材面上に、上記太陽電池封止シートを熱圧着する工程は、上述した太陽電池素子の受光面上に、上記太陽電池封止シートを熱圧着する工程の前に行ってもよいし、後に行ってもよく、又は、同時に行ってもよいが、生産性の面から、同時に行うのが好ましい。
上記太陽電池素子のフレキシブル基材面上に熱圧着した太陽電池封止シートを架橋する工程は、太陽電池素子の受光面側に熱圧着した太陽電池封止シートを架橋する工程の前に行ってもよいし、後に行ってもよく、又は、同時に行ってもよいが、生産性の面から、同時に行うのが好ましい。
上記太陽電池素子のフレキシブル基材も、同様に上記太陽電池封止シートで封止することによって、上記太陽電池素子がより良好に封止され、長期間に亘って安定的に発電し得るフレキシブル太陽電池モジュールとすることができる。
また、上記太陽電池素子のフレキシブル基材面を封止する場合は、光透過性は必要ではないため、上記粘着剤層と不透明なステンレス層等とからなる太陽電池封止シートであってもよい。
上記太陽電池素子のフレキシブル基材面上に、上記太陽電池封止シートを熱圧着する工程は、上述した太陽電池素子の受光面上に、上記太陽電池封止シートを熱圧着する工程の前に行ってもよいし、後に行ってもよく、又は、同時に行ってもよいが、生産性の面から、同時に行うのが好ましい。
上記太陽電池素子のフレキシブル基材面上に熱圧着した太陽電池封止シートを架橋する工程は、太陽電池素子の受光面側に熱圧着した太陽電池封止シートを架橋する工程の前に行ってもよいし、後に行ってもよく、又は、同時に行ってもよいが、生産性の面から、同時に行うのが好ましい。
上記太陽電池素子のフレキシブル基材も、同様に上記太陽電池封止シートで封止することによって、上記太陽電池素子がより良好に封止され、長期間に亘って安定的に発電し得るフレキシブル太陽電池モジュールとすることができる。
このように、本発明のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法は、特定の構成からなる太陽電池封止シートを用いて、特定の条件下で太陽電池素子を封止することを特徴とするものである。このため、真空ラミネート工程を用いずに、短時間で熱圧着を行うことができ、しわやカールが発生せず、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールをロールツーロール法で好適に製造することができる。
本発明によれば、真空ラミネート工程を用いずに、太陽電池素子を連続的に封止し、しわやカールが発生せず、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを高い効率で製造できる、フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜6)
(1)太陽電池封止シートの調製
ポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製 商品名「カイナー720」)を押出機に供給して、230℃にて溶融混練し、Tダイからシート状に押出して、厚み30μmのポリフッ化ビニリデンシートを得た。このポリフッ化ビニリデンシートの片面にコロナ処理を行った。コロナ処理面の水接触角は、55°であった。
(1)太陽電池封止シートの調製
ポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製 商品名「カイナー720」)を押出機に供給して、230℃にて溶融混練し、Tダイからシート状に押出して、厚み30μmのポリフッ化ビニリデンシートを得た。このポリフッ化ビニリデンシートの片面にコロナ処理を行った。コロナ処理面の水接触角は、55°であった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート0.5重量部、脂環エポキシ基含有化合物として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート0.5重量部、有機化酸化物としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート0.5重量部、トリアリルイソシアヌレート(架橋助剤)0.3重量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(酸化防止剤)0.1重量部、2−ヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノン(紫外線吸収剤)0.3重量部、及び、表1に示した有機過酸化物を混合した樹脂組成物を、Tダイ法にて樹脂温度100℃で厚さ400μmのシート状に押出成形し、更に、上記ポリフッ化ビニリデンシートをTダイ直下の冷却ロールに供給し、上記コロナ処理面と上記樹脂組成物が接するように、押出しラミネーションにより積層した。
このようにして、厚さ30μmのポリフッ化ビニリデンシート上に、エチレン−酢酸ビニル樹脂組成物からなる厚さ400μmの粘着剤層を有する太陽電池封止シートを得た。
このようにして、厚さ30μmのポリフッ化ビニリデンシート上に、エチレン−酢酸ビニル樹脂組成物からなる厚さ400μmの粘着剤層を有する太陽電池封止シートを得た。
なお、エチレン−酢酸ビニル樹脂の酢酸ビニル含有量、メルトフローレイト、示差走査熱量分析により測定した吸熱曲線の最大ピーク温度(Tm)を表1に示した。
(2)フレキシブル太陽電池モジュールの製造
得られた太陽電池封止シートを用いて、以下の要領でフレキシブル太陽電池モジュールを製造した。
まず、図1に示したように、可撓性を有するポリイミドフィルムからなるフレキシブル基材上に、薄膜状のアモルファスシリコンからなる太陽電池素子が形成されてなり、かつ、ロール状に巻回されてなる太陽電池素子Aと、上記で得られた太陽電池封止シートがロール状に巻回された太陽電池封止シートBを用意した。
得られた太陽電池封止シートを用いて、以下の要領でフレキシブル太陽電池モジュールを製造した。
まず、図1に示したように、可撓性を有するポリイミドフィルムからなるフレキシブル基材上に、薄膜状のアモルファスシリコンからなる太陽電池素子が形成されてなり、かつ、ロール状に巻回されてなる太陽電池素子Aと、上記で得られた太陽電池封止シートがロール状に巻回された太陽電池封止シートBを用意した。
次に、図1に示したように、太陽電池素子A及び太陽電池封止シートBを巻き出し、槽H内に供給した。槽H内には窒素ガスを供給した。槽H内に供給する窒素ガス濃度、窒素ガス流量、槽Hの総開口面積を表1に示した。
槽H内で、太陽電池素子Aの太陽電池素子上に太陽電池封止シートBを、その粘着剤層が上記太陽電池素子に対向した状態となるように積層させて、積層シートCとし、表1に記載のロール温度に加熱された一対のロールD、D間に、表1に記載の速度で供給して、その厚み方向に押圧しながら加熱し、太陽電池封止シートBを太陽電池素子Aに接着一体化させることにより太陽電池素子を封止した。
槽H内で、太陽電池素子Aの太陽電池素子上に太陽電池封止シートBを、その粘着剤層が上記太陽電池素子に対向した状態となるように積層させて、積層シートCとし、表1に記載のロール温度に加熱された一対のロールD、D間に、表1に記載の速度で供給して、その厚み方向に押圧しながら加熱し、太陽電池封止シートBを太陽電池素子Aに接着一体化させることにより太陽電池素子を封止した。
続いて、図1に示す熱処理用熱風炉I内で表1に示す温度と時間をかけて熱処理し、エチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させてフレキシブル太陽電池モジュールEを連続的に製造し、図示しない巻取り軸に巻き取った。
(比較例1〜4)
実施例に準じた方法により、表1に示した樹脂組成物を用いて太陽電池封止シートを調製し、表1に示した条件でフレキシブル太陽電池モジュールを製造した。
実施例に準じた方法により、表1に示した樹脂組成物を用いて太陽電池封止シートを調製し、表1に示した条件でフレキシブル太陽電池モジュールを製造した。
(評価)
上記で得られたフレキシブル太陽電池モジュールについて、しわの発生状況、カールの発生状況、剥離強度及び、高温高湿耐久性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
上記で得られたフレキシブル太陽電池モジュールについて、しわの発生状況、カールの発生状況、剥離強度及び、高温高湿耐久性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(1)しわの発生
上記で得られたフレキシブル太陽電池モジュールのしわの発生状況を目視で判断し、以下の評点で点数付けした。4点以上が合格である。
5点:しわ発生が全く見られない。
4点:0.5mm以内のしわが1個/m発見される。
3点:0.5mm以内のしわが3個/m以内発見される。
2点:0.5mm以内のしわが5個/m以上発見される。
1点:0.5mm以上の大きなしわが発見される。
上記で得られたフレキシブル太陽電池モジュールのしわの発生状況を目視で判断し、以下の評点で点数付けした。4点以上が合格である。
5点:しわ発生が全く見られない。
4点:0.5mm以内のしわが1個/m発見される。
3点:0.5mm以内のしわが3個/m以内発見される。
2点:0.5mm以内のしわが5個/m以上発見される。
1点:0.5mm以上の大きなしわが発見される。
(2)カールの発生
500mm×500mmサイズの上記フレキシブル太陽電池モジュールを、平坦な平面上におき、端部の水平面からの浮き上がり高さを測定した。
◎:20mm以下
○:20〜25mm
△:26〜35mm
×:35mm以上
500mm×500mmサイズの上記フレキシブル太陽電池モジュールを、平坦な平面上におき、端部の水平面からの浮き上がり高さを測定した。
◎:20mm以下
○:20〜25mm
△:26〜35mm
×:35mm以上
(3)剥離強度
得られたフレキシブル太陽電池モジュールにおいて、該太陽電池のフレキシブル基材から太陽電池封止シートを剥離した際の剥離強度をJIS K 6854に準拠して測定した。
得られたフレキシブル太陽電池モジュールにおいて、該太陽電池のフレキシブル基材から太陽電池封止シートを剥離した際の剥離強度をJIS K 6854に準拠して測定した。
(4)高温高湿耐久性
得られたフレキシブル太陽電池モジュールを85℃、相対湿度85%の環境下にて放置し、該太陽電池モジュールの放置を開始してから、該太陽電池のフレキシブル基材から太陽電池封止シートが剥離し始めるまでの時間を測定した。
得られたフレキシブル太陽電池モジュールを85℃、相対湿度85%の環境下にて放置し、該太陽電池モジュールの放置を開始してから、該太陽電池のフレキシブル基材から太陽電池封止シートが剥離し始めるまでの時間を測定した。
本発明によれば、真空ラミネート工程を用いずに、太陽電池素子を連続的に封止し、しわやカールが発生せず、太陽電池素子と太陽電池封止シートとの接着性に優れたフレキシブル太陽電池モジュールを高い効率で製造できる、フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
A 太陽電池素子
B 太陽電池封止シート
C 積層シート
D ロール
E フレキシブル太陽電池モジュール
H 熱圧着を行う、窒素ガスを供給した槽
I 熱処理用熱風炉(空気中)
1 フレキシブル基材
2 光電変換層
3 粘着剤層
4 フッ素系樹脂シート
B 太陽電池封止シート
C 積層シート
D ロール
E フレキシブル太陽電池モジュール
H 熱圧着を行う、窒素ガスを供給した槽
I 熱処理用熱風炉(空気中)
1 フレキシブル基材
2 光電変換層
3 粘着剤層
4 フッ素系樹脂シート
Claims (3)
- フッ素系樹脂シート上に、酢酸ビニル含有量が20〜35重量%であるエチレン−酢酸ビニル樹脂100重量部と、1時間半減期温度が110℃以上である有機化過酸化物0.1〜1重量部とを含有する樹脂組成物からなる粘着剤層を有する太陽電池封止シートを、窒素濃度が99体積%以上の窒素気流中で、フレキシブル基材上に光電変換層が配置された太陽電池素子の少なくとも受光面上に、一対の熱ロールを用いて狭窄することにより熱圧着する工程と、熱圧着後の積層体を加熱処理することにより前記エチレン−酢酸ビニル樹脂を架橋させる工程とを有することを特徴とするフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法。
- フッ素系樹脂シートは、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、エチレンクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、テトラフロオロエチレン−パーフロオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド樹脂、及び、テトラフロオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選択される少なくとも一種のフッ素系樹脂からなる請求項1記載のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法。
- 太陽電池封止シートは、フッ素系樹脂シートと粘着剤層とが、押出しラミ工程により、粘着材層製膜時に積層された一体型積層体である請求項1又は2記載のフレキシブル太陽電池モジュールの製造方法。
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JP2012082659A JP2013214544A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019021557A1 (ja) * | 2017-07-28 | 2019-01-31 | 株式会社ダイセル | 積層体、及び前記積層体を備えたフレキシブルデバイス |
-
2012
- 2012-03-30 JP JP2012082659A patent/JP2013214544A/ja active Pending
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