JP2013214393A - ドライエッチング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導結合型プラズマ源により、シート状の被処理体にエッチングを施すことができるドライエッチング装置を提供する。
【解決手段】被処理層を有するシートSを巻回した回転体15と、回転体15を収容する真空槽11と、回転体15に高周波電力を供給するバイアス用高周波電源と、細長状の高周波アンテナ26と、高周波アンテナ26に高周波電力を供給するアンテナ用高周波電源33と、高周波アンテナ26と真空槽11との間に介在する細長状の誘電体窓30とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】被処理層を有するシートSを巻回した回転体15と、回転体15を収容する真空槽11と、回転体15に高周波電力を供給するバイアス用高周波電源と、細長状の高周波アンテナ26と、高周波アンテナ26に高周波電力を供給するアンテナ用高周波電源33と、高周波アンテナ26と真空槽11との間に介在する細長状の誘電体窓30とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄板状のシートを処理対象とするドライエッチング装置に関する。
薄板状のシートに積層された有機層等にエッチングを施す方法として、フォトリソグラフィと成膜装置とを使ったリフトオフ方式や、ウェットエッチングが用いられている。
シートをエッチングするドライエッチング装置として、フィルム状処理物をメインローラーで搬送しながら、反応性イオンエッチングを行う装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、いわゆる容量結合型のプラズマ源を有し、このプラズマ源は、カソード電極として機能するメインローラーと、アノード電極として機能するシャワープレートとから構成される。また、該装置は、フィルム状処理物をメインローラーの表面に送り出す、送り出し軸及びガイドローラと、メインローラーからフィルム状処理物を巻き取る巻取り軸及びガイドローラとを有する。そして、フィルム状処理物を、メインローラーの表面に連続的に送り出しながら、シャワープレートからエッチングガスを供給し、エッチングガスのプラズマを生成することによって、フィルム状処理物をエッチングする。
シートをエッチングするドライエッチング装置として、フィルム状処理物をメインローラーで搬送しながら、反応性イオンエッチングを行う装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、いわゆる容量結合型のプラズマ源を有し、このプラズマ源は、カソード電極として機能するメインローラーと、アノード電極として機能するシャワープレートとから構成される。また、該装置は、フィルム状処理物をメインローラーの表面に送り出す、送り出し軸及びガイドローラと、メインローラーからフィルム状処理物を巻き取る巻取り軸及びガイドローラとを有する。そして、フィルム状処理物を、メインローラーの表面に連続的に送り出しながら、シャワープレートからエッチングガスを供給し、エッチングガスのプラズマを生成することによって、フィルム状処理物をエッチングする。
一方、ガラス等の基板に積層された有機層等を処理対象とする一般的な反応性イオンエッチング装置には、容量結合型のプラズマ源の他に、誘導結合型プラズマ源等も広く用いられている。誘導結合型プラズマ源は、高周波電力が印加される円形状や渦巻き状の高周波アンテナを有し、真空槽内にプラズマを生成する。この誘導結合型プラズマ源は、容量結合型プラズマ源に比べ、生成可能なプラズマ密度の上限値が高く、エッチングレートの向上を図ることができるといった点で有利である。
しかし、シート状の被処理体をエッチングする装置に、従来構成の誘導結合型プラズマ源を採用する場合、以下のような問題点があった。シート状の被処理体を処理対象とする装置では、被処理体を巻回した回転体(ローラー)を真空槽に収容するために、板状の被処理体をエッチングする装置に比べ、真空槽が大型化する傾向にある。一方、誘導結合型のプラズマ源を有するドライエッチング装置は、高周波アンテナからの高周波電力を、真空槽の上部開口に備えられた誘電体窓を介して、真空槽内部に伝播させる構成である。
従来構成のエッチング装置では、上述のように真空槽が大型化すれば、真空槽の上部開口に備えられる誘電体窓も大面積化してしまう。また、誘電体窓が大面積化すれば、自身の重量のために、中央部付近で誘電体窓が撓んでしまう可能性がある。これを解決するために、誘電体窓の板厚を大きくして強度を確保すると、高周波電力の伝播効率が低下し、真空槽内に生成されるプラズマの密度が低下してしまう。このため、これまではシート状の被処理体をエッチングする装置には、誘導結合型プラズマ源を採用することが困難であるとみなされていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、誘導結合型プラズマ源により、シート状の被処理体にエッチングを施すことができるドライエッチング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、被処理層を有するシートを巻回した回転体と、前記回転体を収容する真空槽と、前記回転体に高周波電力を供給するバイアス用高周波電源と、細長状の高周波アンテナと、前記高周波アンテナに高周波電力を供給するアンテナ用高周波電源と、前記高周波アンテナと前記真空槽との間に介在する細長状の誘電体窓とを備えることを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、エッチング対象となるシートを回転体に巻回し、その回転体を真空槽に収容した。このように、真空槽を、回転体を収容可能な大きさにしても、高周波アンテナを細長状にすることで、真空槽内に高周波電力を伝播する誘電体窓を高周波アンテナの短手方向に短くすることができる。従って、誘電体窓の大面積化が抑制され、誘電体窓の強度が確保されるため、強度を確保するためにその板厚を極端に大きくする必要が無い。このため、真空槽が大型化する場合であっても、高周波電力の伝播効率を良好に保つことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のドライエッチング装置において、前記高周波アンテナの長手方向に沿った長さは、前記回転体に巻回された前記シートの幅以上の長さであることを要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、高周波アンテナの長手方向に沿った長さは、シートの幅以上であるため、プラズマが生成される領域が、シートの幅以上となる。このため、シートの幅方向における各端部も良好にエッチングできるため、1つのアンテナコイルによって、シートの幅方向におけるエッチングの均一性を向上することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のドライエッチング装置において、前記高周波アンテナは、前記回転体に巻回された前記シートの幅方向に並ぶ複数のアンテナコイルから構成されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、高周波アンテナは複数のコイルから構成されるため、幅方向の均一性を確保しつつ、プラズマ密度を制御しやすくすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のドライエッチング装置において、前記高周波アンテナの周縁部に永久磁石を備えたことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のドライエッチング装置において、前記高周波アンテナの周縁部に永久磁石を備えたことを要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、高周波アンテナの周縁部に、永久磁石が配置されている。即ち、高周波アンテナの周縁部は、プラズマ密度が低下する傾向がある空間の上方に相当する。このため、永久磁石が形成する磁場により、真空槽内であって高周波アンテナの周縁部の直下の空間におけるプラズマ密度を高めることができる。従って、真空槽内のプラズマ密度の均一性を向上することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のドライエッチング装置において、バイアス用高周波電源が、前記回転体に供給する高周波電力は、低周波数域側の周波数であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、高周波アンテナに供給される高周波電力は、供給可能な周波数域のうち、低周波数側であるため、電力損失が少なく、且つプラズマを安定して生成することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したドライエッチング装置の一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
以下、本発明を具体化したドライエッチング装置の一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、ドライエッチング装置10は、略有底筒状に形成された真空槽11を有している。真空槽11はアルミニウム等の金属製である。
真空槽11には、真空槽11内のエッチングガス等の流体を排気する排出口11bが設けられ、該排出口11bには、ターボ分子ポンプ等を有する排気系12が接続されている。また、真空槽11には、処理室11aに連通するガス供給部11cが設けられている。該ガス供給部11cには、ガスボンベやマスフローコントローラを備えたガス供給系(図示略)が接続され、エッチングが実施される際には、各種エッチングガスがこのガス供給部11cを介して所定流量で真空槽11内に供給される。
真空槽11には、真空槽11内のエッチングガス等の流体を排気する排出口11bが設けられ、該排出口11bには、ターボ分子ポンプ等を有する排気系12が接続されている。また、真空槽11には、処理室11aに連通するガス供給部11cが設けられている。該ガス供給部11cには、ガスボンベやマスフローコントローラを備えたガス供給系(図示略)が接続され、エッチングが実施される際には、各種エッチングガスがこのガス供給部11cを介して所定流量で真空槽11内に供給される。
この処理室11a内には、被処理層を有するシートを搬送するための回転体15が設けられている。回転体15は、真空槽11に対し固定された、放電防止用のアースシールド16と、真空槽11に回転可能に支持される略円柱状のドラム20とを備えている。
アースシールド16は、内側にドラム20を収容可能であって外周面が曲面からなる円筒部16aと、図2に示す軸貫挿部16bとから構成されている。この軸貫挿部16bは、円筒部16aの両端に設けられた各開口をそれぞれ閉塞する。尚、図1では、軸貫挿部16bを省略した状態の回転体15を示している。
図1に示すように、この円筒部16aの外周面のうち、上方位置には、開口部16eが形成されている。また、円筒部16aは、2つに分割された分割アースシールド16L,16Rから構成され、各分割アースシールド16L,16Rは、ヒンジ機構(図示略)を有する連結部16fによって互いに連結されている。そしてアースシールド16にドラム20を収容する際には、真空槽11の搬送口(図示略)側の分割アースシールド16Lを、連結部16fを中心に、下方に回動して開放位置に配置し、開口部16eを拡開する。
図2に示すように、軸貫挿部16bは、ドラム20の端面を覆う円盤部16cと、円盤部から外側に向かって垂直に延在する筒状部16dとから構成される。この筒状部16dは、円盤部16cから真空槽11の内側面に至る長さを有している。
ドラム20は、中空構造を有する円柱状に形成され、その外周面には、被処理層を有するシートSが1周分巻回されている。また、円盤部16cによって覆われる各端面における中心からは、回転軸20a,20bが突出している。
このドラム20は、アースシールド16の円筒部16aに回転可能に収容され、その回転軸20a,20bは、アースシールド16の筒状部16dにそれぞれ貫挿され、真空槽11によって支持される。回転軸20aは、真空槽11の外側に突出した駆動軸18と連結されている。駆動軸18は、伝達機構Gを介して、モータMに連結されている。この構成により、モータMが駆動すると、伝達機構G及び駆動軸18を介して、モータMの回転力がドラム20に伝達され、ドラム20が所定方向に回転する。
また回転軸20bは、真空槽11の外側に突出する電力供給軸21に連結されている。電力供給軸21の先端には、バイアス用の高周波電力を入力するためのブラシ21a,21bからなる入力端子が設けられている。これらのブラシ21a,21bは、電力供給軸21に摺接可能に配置されるとともに、バイアス用高周波電源22にバイアス用整合器37を介して接続されている。この構成により、ドラム20に従動し回転する電力供給軸21に対しても、バイアス用の高周波電力を供給することができる。
また、図1に示すように、真空槽11は、その上壁部11dの中央に、長方形状に切り欠いた上部開口11eを有している。この上部開口11eは、上部開口11eの形状に合わせて長方形状に形成された誘電体窓30によって封止されている。誘電体窓30は、石英、アルミナ等の誘電体から形成され、真空槽11内にプラズマ生成用の高周波電力を伝播する窓として機能する。
真空槽11によって回転可能に支持されたドラム20と誘電体窓30との間には空間が設けられ、該空間がプラズマ生成空間Pとなっている。さらに真空槽11の上壁部には、このプラズマ生成空間Pを囲むように防着板14が設けられている。
次に、プラズマ源25について説明する。本実施形態のプラズマ源25は、誘電体窓30の上方に設けられた高周波アンテナ26を有している。図3に示すように、高周波アンテナ26は、全体として細長状をなし、平面視において楕円形状をなす環状部26aと、高周波電源の入力端子23に接続される直線状の接続部26bと、出力端子24に接続された直線状の接続部26cとから構成される。
高周波アンテナ26は、環状部26aの長手方向が、ドラム20に巻回されたシートSの幅方向と平行となり、且つ真空槽内に収容されたドラム20の上方となるように配置されている。また、環状部26aは、その長手方向(図中Y方向)の長さL1が、ドラム20に巻回されたシートSの幅Wよりも大きく形成され、シートSの幅W方向の全域を覆うように配置されている。また、環状部26aの短手方向の長さL2は、アースシールド16の開口部16eの長さL3(図1参照)とほぼ同じ長さになっている。
また、高周波アンテナ26の下方に配置される誘電体窓30は、高周波アンテナ26の形状に合わせて長方形状に形成されている。この誘電体窓30は、真空槽11の細長状の上部開口11eを封止するように配置されている。また、誘電体窓30の長辺の長さは、環状部26aの長手方向の長さL1以上である。さらに、誘電体窓30は、その長手方向が、高周波アンテナ26の長手方向と平行となるように配置されている。
また、誘電体窓30は長方形状に形成されているため、1辺の長さが誘電体窓30の長手方向の長さである正方形の誘電体窓に比べ、強度を確保できる。このため、誘電体窓30は、強度確保のためにその厚さを大きくする必要はなく、平板状の基板をエッチングする一般的な装置の誘電体窓と同程度とすることができる。
また、高周波アンテナ26と誘電体窓30との間であって、環状部26aの真下からその外側にかけての周縁部には、複数の永久磁石28が支持台27によって支持されている。永久磁石28は、誘電体窓30を介して、処理室11a内に、永久磁石28のN極からS極に向かう磁場を生成し、磁力線に沿って電子を螺旋運動させることで、電子を捕捉する。その結果、永久磁石28の下方のプラズマ密度が高められる。
高周波アンテナ26の入力端子23には、図1に示すアンテナ用高周波電源33とアンテナ用整合回路32とが、入力側コンデンサ31を介して接続されている。アンテナ用高周波電源33は、処理室11aに、プラズマを生成するための高周波電力、例えば2MHz以上の高周波電力を出力する。アンテナ用整合回路32は、負荷となる上記処理室11a内のガスと、高周波アンテナ26を含むアンテナ用高周波電源33から真空槽11までの伝送路とのインピーダンスの整合を図る。入力側コンデンサ31は、容量の変更が可能ないわゆる可変コンデンサであって、例えば10pF〜100pFの範囲で任意に静電容量を変更する。
また、高周波アンテナ26の出力端子24(図3参照)は、接地電位に接続されている。
次に、ドライエッチング装置10の動作について説明する。まず、アースシールド16の分割アースシールド16Lが開放位置に配置され、真空槽11の上記搬送口から、シートSを1周分巻回したドラム20が搬入される。シートSは、PET等の基材と、基材上に積層された有機層等の被処理層と、被処理層の上に積層された開口を有するマスクとを有している。そしてそのドラム20の回転軸20a,20bが筒状部16dに嵌挿され、真空槽11に支持される。
次に、ドライエッチング装置10の動作について説明する。まず、アースシールド16の分割アースシールド16Lが開放位置に配置され、真空槽11の上記搬送口から、シートSを1周分巻回したドラム20が搬入される。シートSは、PET等の基材と、基材上に積層された有機層等の被処理層と、被処理層の上に積層された開口を有するマスクとを有している。そしてそのドラム20の回転軸20a,20bが筒状部16dに嵌挿され、真空槽11に支持される。
アースシールド16内にドラム20を収容すると、分割アースシールド16Lを回動して固定位置に配置する。これにより、ドラム20が、その上部をプラズマ生成空間Pに露出された状態で、回転軸20a,20bを中心に真空槽11に回転可能に支持される。
次いで、ガス供給部11cを介して、処理室11a内にエッチングガスが供給される。また、排気系12の駆動により、真空槽11内がエッチング処理の条件に応じた圧力とされる。このエッチングガスの供給と、排気装置による真空槽11内の排気は、エッチング処理の実施中にわたり継続されるものである。
次に、アンテナ用高周波電源33から、2MHz以上の高周波電力が、アンテナ用整合回路32を介して高周波アンテナ26に供給される。そして、高周波アンテナ26から出力される高周波電力が、誘電体窓30を介して処理室11aに伝播されて誘導電場が生成される。そして、この誘導電場の生成により、エッチングガスを原料とするプラズマが生成される。この際、上述したように、プラズマ中の電子が永久磁石28の磁力線に沿って螺旋運動することで電子が閉じ込められ、プラズマ生成空間Pの周縁部におけるプラズマ密度の低下を抑制し、プラズマ生成空間P内のプラズマ密度を均一化することができる。
また、上述したように誘電体窓30の板厚は、平板状の基板をエッチングする一般的な装置と同程度であるため、誘電体窓30における高周波電力の伝播効率の低下が抑制される。
そして、バイアス用高周波電源22から、ドラム20に対し、バイアス用の高周波電力が供給され、シートSにバイアス電圧が印加される。この際、ドラム20に対して供給されるバイアス用の高周波電力の周波数は、13.56MHz、27MHzといった高い周波数域よりも、2MHzといった低周波数側が好ましい。比較的低い周波数域を用いることで、電力損失が小さくなり、ドラム20に効率よくバイアスをかけることができるとともに、プラズマを安定して生成することができる。
このバイアス電圧によって、処理室11a内に存在するプラズマ中の活性種、特に正イオンがシートSに引き込まれてエッチャントとして機能する。こうして、ドラム20に巻回されたシートSのうち、上記被処理層が、該被処理層に積層されたマスクを介して、その垂直方向、厚さ方向に沿ってエッチングされる。
また、ドラム20は、モータMの駆動により、所定速度で回転し続ける。このとき、高周波アンテナ26の長さL1が、シートSの幅Wよりも大きいため、シートSの幅方向における両端においてプラズマ密度が低下することを抑制することができる。このため、シートSの幅方向におけるエッチングレート及びエッチング形状の均一性を向上することができる。また、シートSは、高周波アンテナ26の短手方向に回転するため、高周波アンテナ26が細長状であっても、シートSの被処理層を順次エッチングすることができる。尚、ドラム20は、シートSの長手方向の各領域を、プラズマに曝される時間が同じとなるように回転する。
シートSの全領域にエッチングを実施すると、アンテナ用高周波電源33からの高周波電力の供給、バイアス用高周波電源22からの高周波電力の供給が停止されるとともに、エッチングガスの供給及び排気動作も停止される。また、モータMを停止することにより、ドラム20の回転も停止される。ドラム20の回転を停止すると、分割アースシールド16Lを開放位置に配置して、ドラム20を上記搬送口を介して取り出す。
第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1実施形態では、エッチング対象となるシートSをドラム20に巻回し、該ドラム20を回転可能に真空槽11に収容した。このように、真空槽11を、回転体15を収容可能な大きさにしても、高周波アンテナ26を細長状にすることで、真空槽内に高周波電力を伝播する誘電体窓30を高周波アンテナ26の短手方向に短くすることができる。このため、誘電体窓30が大面積化しないため、誘電体窓30の強度が確保され、強度確保のためにその板厚を大きくする必要が無い。このため、真空槽が大型化する場合であっても、高周波電力の伝播効率を良好に保つことができる。
(1)第1実施形態では、エッチング対象となるシートSをドラム20に巻回し、該ドラム20を回転可能に真空槽11に収容した。このように、真空槽11を、回転体15を収容可能な大きさにしても、高周波アンテナ26を細長状にすることで、真空槽内に高周波電力を伝播する誘電体窓30を高周波アンテナ26の短手方向に短くすることができる。このため、誘電体窓30が大面積化しないため、誘電体窓30の強度が確保され、強度確保のためにその板厚を大きくする必要が無い。このため、真空槽が大型化する場合であっても、高周波電力の伝播効率を良好に保つことができる。
(2)第1実施形態では、高周波アンテナ26の長手方向に沿った長さL1は、シートの幅W以上であるため、プラズマが生成される領域を、シートの幅以上とすることができる。このため、シートの幅方向における各端部も良好にエッチングできるため、1つのアンテナコイルによって、シートの幅方向におけるエッチングの均一性を向上することができる。
(3)第1実施形態では、高周波アンテナ26の周縁部に、永久磁石28が配置されている。即ち、高周波アンテナ26の周縁部は、プラズマ密度が低下する傾向がある空間の上方に相当する。このため、永久磁石28が形成する磁場により、真空槽内であって高周波アンテナ26の周縁部の直下の空間におけるプラズマ密度を高めることができる。従って、真空槽内のプラズマ密度の均一性を向上することができる。
(4)第1実施形態では、バイアス用の高周波電力は、供給可能な周波数域のうち、低周波側であるため、電力損失が少なく、且つプラズマを安定して生成することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化したドライエッチング装置の第2実施形態を図4にしたがって説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態のプラズマ源を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化したドライエッチング装置の第2実施形態を図4にしたがって説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態のプラズマ源を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
本実施形態のプラズマ源は、3つの環状部51a〜51cを有する高周波アンテナ51を備えている。環状部51a〜51cは、円環状をなし、一端が入力端子23に接続され、他端が接地電位に接続されている。環状部51a〜51cは、長方形の誘電体窓30の長手方向に沿って配置されている。即ち、これらの環状部51a〜51cからなる高周波アンテナ51は、真空槽11内に高周波電力を伝播する供給源として、全体として細長状をなす。
また、各環状部51a〜51cと入力端子23との間には、直線状のコイルである接続部51d〜51fが介在している。これらの接続部51d〜51fは、接続部51d〜51fと環状部51a〜51cとの連結部から、入力端子23までの距離がそれぞれ同じ距離となるような形状に形成されている。つまり、高周波アンテナ51のうち入力端子23からの距離が近い領域の直下となる空間では、誘導電場が強まり、プラズマ密度が高くなるが、このように環状部51a〜51cとの連結部から入力端子23までの距離を同じとすることで、環状部51a〜51cの直下におけるプラズマ密度を均一化することができる。
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態に記載の(1)〜(4)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(5)第2実施形態では、高周波アンテナ51を、3つの環状部51a〜51cを誘電体窓30の長手方向に沿って並べた構成とした。そして、接続部51d〜51fと環状部51a〜51cとの連結部から、入力端子23までの距離がそれぞれ同じ距離となるようにした。このようにしても、高周波アンテナ51を全体として細長状とすることができるので、誘電体窓30の強度が確保され、強度確保のためにその板厚を大きくする必要が無い。
(5)第2実施形態では、高周波アンテナ51を、3つの環状部51a〜51cを誘電体窓30の長手方向に沿って並べた構成とした。そして、接続部51d〜51fと環状部51a〜51cとの連結部から、入力端子23までの距離がそれぞれ同じ距離となるようにした。このようにしても、高周波アンテナ51を全体として細長状とすることができるので、誘電体窓30の強度が確保され、強度確保のためにその板厚を大きくする必要が無い。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・高周波アンテナ26は、上記した直線形状及び楕円形状の組み合わせ以外の形状を有していても良い。例えば、楕円形状のみでもよく、円形状のみであってもよい。また、高周波アンテナ26の本数は、1本だけでなく複数本であってもよい。
・高周波アンテナ26は、上記した直線形状及び楕円形状の組み合わせ以外の形状を有していても良い。例えば、楕円形状のみでもよく、円形状のみであってもよい。また、高周波アンテナ26の本数は、1本だけでなく複数本であってもよい。
・上記実施形態では、ドラム20は、ドラム20の外周の1周分のシートSを巻回するようにしたが、ドラム20に対してシートSを送り出すシート供給部と、ドラム20に搬送されエッチングが実施されたシートSを回収するシート巻取部とを備える構成にしてもよい。この構成にすると、所望の長さのシートSを処理することができる。
・上記実施形態では、高周波アンテナ26の環状部26aは、シートSの幅よりも大きい長さを有するとしたが、シートSの幅以上の長さであればよい。
11…真空槽、15…回転体、16…回転体、20…回転体を構成するドラム、S…シート、22…バイアス用高周波電源、26,51…高周波アンテナ、33…アンテナ用高周波電源、28…永久磁石、30…誘電体窓、51a〜51c…アンテナコイルとしての環状部、S…シート。
Claims (5)
- 被処理層を有するシートを巻回した回転体と、
前記回転体を収容する真空槽と、
前記回転体に高周波電力を供給するバイアス用高周波電源と、
細長状の高周波アンテナと、
前記高周波アンテナに高周波電力を供給するアンテナ用高周波電源と、
前記高周波アンテナと前記真空槽との間に介在する細長状の誘電体窓とを備えることを特徴とするドライエッチング装置。 - 前記高周波アンテナの長手方向に沿った長さは、前記回転体に巻回された前記シートの幅以上の長さである請求項1に記載のドライエッチング装置。
- 前記高周波アンテナは、前記回転体に巻回された前記シートの幅方向に並ぶ複数のアンテナコイルから構成される請求項1又は2に記載のドライエッチング装置。
- 前記高周波アンテナの周縁部に永久磁石を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載のドライエッチング装置。
- 前記バイアス用高周波電源が、前記回転体に供給する高周波電力は、低周波数域側の周波数である請求項1〜4のいずれか1項に記載のドライエッチング装置。
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