JP2013213966A - 偏平光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの引き込み方法 - Google Patents

偏平光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの引き込み方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐候性に優れ、また、取出し時に特定の光ファイバケーブルがばらばらになることなく取り出し易く、且つ布設作業を短時間で終了可能とする光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】隣接する光ファイバケーブル4間の少なくとも1ヶ所には、空隙部10を形成し、外層外被5のうち壁面11に接して配線される壁面側外層外被5aには、空隙部10に突出して光ファイバケーブル4を位置決めする突起部12をケーブル長手方向に形成する。壁面と接しない表面側外層外被5bには、空隙部10と対応する位置に切欠である中央部ノッチ13をケーブル長手方向に形成した偏平光ファイバケーブル1。この構造では、取出し時に特定の光ファイバケーブルがばらばらになることなく取り出し易くなり布設作業も短時間で終了できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば集合住宅における構内配線に使用される偏平光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの引き込み方法に関する。
例えば、マンション等のような既設集合住宅の中には、光ファイバケーブルを布設すべき新たな配管を布設するスペースが無い場合や、既設配管においても光ファイバケーブルを布設する空きスペースが無い場合がある。
このため、各階層に設置された分線盤より光ファイバケーブルを各住戸まで廊下の天井隅などに沿わせて配線しなければならない。光ファイバケーブルには、例えばインドア型の光ファイバケーブルを連結部を介して複数個連結した構造のものや(例えば、特許文献1)、複数個のインドア型の光ファイバケーブルをテンションメンバと共に外被で被覆して集合させた構造(例えば、特許文献2)のものがある。
特開2008−70573号公報 特開2008−281843号公報
しかし、特許文献1に記載の光ファイバケーブルでは、光ファイバケーブルが剥き出しであるため、紫外線などの影響を受け易く耐候性が悪い。この一方、特許文献2に記載の光ファイバケーブルでは、外被を切り裂いて内部から光ファイバケーブルを取り出す際に、テンションメンバの周囲を取り囲むようにして複数個の光ファイバケーブルが配列されているため、特定の光ファイバケーブルを見つけにくく取出し難い。
特に、特許文献2に記載の光ファイバケーブルでは、廊下に配線された光ファイバケーブルのうち特定の光ファイバケーブルを取り出して加入者宅へ引き込む際に、既設者の回線を誤って切断しない様、光ファイバケーブルの対照作業が必要となることから布設コストが増加する。これを回避するために、光ファイバケーブルを1本づつ配線することも考えられるが、そうすると作業時間が大幅に長くなってしまう。
そこで、本発明は、耐候性に優れ、また、取出し時に特定の光ファイバケーブルがばらばらになることなく取り出し易く、且つ布設作業を短時間で終了可能とする偏平光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの引き込み方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、光ファイバ心線をシースで被覆してなる矩形状の光ファイバケーブルの複数個を一列に配列し、それら複数個の光ファイバケーブルを外層外被で一括して被覆し、その外層外被に前記複数個の光ファイバケーブルを両側から挟み込む位置に抗張力体を配置させた偏平光ファイバケーブルであって、隣接する前記光ファイバケーブル間の少なくとも1ヶ所には、空隙部が形成されており、前記外層外被のうち壁面に接して配線される壁面側の外層外被には、前記空隙部に突出して前記光ファイバケーブルを位置決めする突起部がケーブル長手方向に形成され、また、前記壁面と接しない表面側の外層外被には、前記空隙部と対応する位置にノッチを少なくとも1か所以上ケーブル長手方向に形成したことを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明であって、前記表面側の外層外被内面には、前記各光ファイバケーブル間に対応した位置に、ノッチを少なくとも1か所以上ケーブル長手方向に形成したことを特徴としている。
第3の発明は、第1または第2の発明であって、前記空隙部及び前記突起部は、隣接する前記光ファイバケーブル間のそれぞれに形成したことを特徴としている。
第4の発明は、第1から第3の何れか1項の発明であって、前記突起部の高さHを、前記光ファイバケーブルの厚みをTとしたときに、該光ファイバケーブルの角部の半径Rに対して、R<H<(1/2)Tなる関係としたことを特徴としている。
第5の発明は、第1から第4の何れか1項の発明であって、前記突起部の幅Wを、前記光ファイバケーブルの厚みTに対して(1/2)T≦Wなる関係としたことを特徴としている。
第6の発明は、第1から第5の何れか1項の発明であって、前記空隙部に、吸水部材を設けたことを特徴としている。
第7の発明は、第1の発明から第6の何れか1項に記載された偏平光ファイバケーブルを壁面に接して配線した後、前記外層外被に形成した前記ノッチのうち前記空隙部と対応する位置に切れ込みを入れ、その切れ込みを入れた部位の外層外被を外側に広げて内部から前記光ファイバケーブルを取り出して切断し、また、前記外層外被に形成した前記ノッチのうち前記空隙部と対応する位置に切れ込みを入れた部位とはケーブル長手方向で異なる位置に切れ込みを入れ、その切れ込みを入れた部位の外層外被を外側に広げて内部から前記切断した光ファイバケーブルを引き出し、その引き出した光ファイバケーブルを集合住宅の各部屋に引き込むことを特徴とした光ファイバケーブルの引き込み方法である。
本発明によれば、矩形状の光ファイバケーブルの複数個を一列に配列してそれらを外層外被で一括して被覆した構造であるので、この外層外被によって紫外線などの影響を光ファイバケーブルが受け難くなり、耐候性を高めることができる。
また、本発明によれば、光ファイバケーブルの複数個を一列に配列させた偏平光ファイバケーブルとしたので、配列順で光ファイバケーブルを特定することができる。また、本発明によれば、隣接する光ファイバケーブル間の少なくとも1ヶ所には空隙部を形成しており、その空隙部に突出して光ファイバケーブルを位置決めする突起部を壁面側の外層外被に形成しているので、外層外被を引き裂いても前記突起部が光ファイバケーブルを位置決めして該光ファイバケーブルの飛び出しを防止する。
また、本発明によれば、壁面と接しない表面側の外層外被には、空隙部と対応する位置に切欠であるノッチを形成しているので、このノッチを切り裂いてもその部位の下が空隙部であることにより、光ファイバケーブルに傷を付けるのを防止することができる。
図1は第1実施形態の偏平光ファイバケーブルの横断面図である。 図2は図1の偏平光ファイバケーブルを壁面に配線した後、特定の光ファイバケーブルを取り出して集合住宅の各部屋に引き込む方法を説明するための図である。 図3は第2実施形態の偏平光ファイバケーブルの横断面図である。 図4は第3実施形態の偏平光ファイバケーブルの横断面図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の偏平光ファイバケーブルの横断面を示している。この偏平光ファイバケーブル1は、光ファイバ心線2をシース3で被覆してなる矩形状の光ファイバケーブル4の複数個を一列に配列し、それら複数個の光ファイバケーブル4を外層外被5に前記複数個の光ファイバケーブル4を両側から挟み込む位置に抗張力体6、6を配置させた偏平形状をなすケーブルとされている。この偏平光ファイバケーブル1は、既設マンション等の集合住宅における廊下等の壁面(天井壁や軒部分の壁面など)に配線して各住戸へ特定の光ファイバケーブル4を引き込むのに適したものである。
光ファイバケーブル4は、中心に設けられる光ファイバ心線2と、この光ファイバ心線2を挟んでその両側に離間してそれぞれ配置された2本のテンションメンバ7、7を同一直線上に配置してシース3で一体的に被覆してなる矩形状の断面形状とされている。
光ファイバ心線2は、例えば中心に設けられた石英ガラスファイバと、この石英ガラスファイバの周囲に紫外線硬化型樹脂を被覆して形成された外被層とからなる。光ファイバ心線2は、規格上、石英ガラスファイバの外径を直径0.125mm、全体の外径を直径0.25mmとされる。また、光ファイバ素線2は、心線間の識別性のために、外被層が着色(無色も含む)されている。
2本のテンションメンバ7、7は、光ファイバ心線2を挟んでその両側に離間してそれぞれ配置されている。これらテンションメンバ7、7は、光ファイバケーブル4の中心位置に設けられた光ファイバ心線2と同一線上に設けられている。かかるテンションメンバ7、7は、例えば鋼線や鉄線、銅線などの金属線或いは炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を用いたエンジニアリングプラスチックなどからなり、光ファイバケーブル4自体の抗張力体として、また光ファイバケーブル4の曲げ方向をケーブル短辺方向にのみ湾曲させるケーブル曲げ方向規制部材として機能する。
前記シース3には、該シース3を引き裂いて光ファイバ心線2を取り出すためのノッチ8、9が形成されている。前記ノッチ8、9は、何れも光ファイバ心線2と対応した位置に、光ファイバ心線2に向かって先細りになる断面V字状の溝として形成されている。これらノッチ8、9は、ケーブル長手方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に沿って連続して形成されている。
図1では、光ファイバケーブル4の数を4個とし、それらのうち2つの光ファイバケーブル4同士を接触させて一列に配列させている。2個つづに分けられた光ファイバケーブル4は、それらの間に空間部10を挟んで配置されている。このような配置とする理由は、後述するものとする。
外層外被5は、壁面11に接する壁面側の外層外被(以下、これを壁面側外層外被5aという)と、前記壁面11と接しない表面側の外層外被(以下、これを表面側外層外被5bという)と、両端の光ファイバケーブル4と対応する側面側の外層外被(以下、これを側面側外層外被5c、5dという)とからなる。
外層外被5は、一列に配列した複数個の光ファイバケーブル4を一括して被覆するように押し出し成形することにより形成される。この時、外層外被5を切り裂いて内部に実装された光ファイバケーブル4を取り出すことができるように、外層外被5は光ファイバケーブル4に対して熱融着で接着されないように被覆されている。
側面側外層外被5c、5dには、ケーブル長手方向に沿って抗張力体6、6が設けられている。これら抗張力体6、6は、光ファイバケーブル4の光ファイバ心線2、テンションメンバ7、7と同一線上に配置されている。かかる抗張力体6、6は、例えば鋼線や鉄線、銅線などの金属線或いは炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を用いたエンジニアリングプラスチックなどからなり、偏平光ファイバケーブル1自体の抗張力体として、また偏平光ファイバケーブル1の曲げ方向をケーブル短辺方向にのみ湾曲させるケーブル曲げ方向規制部材として、更に鉄線や銅線などの軟らかい金属線を用いた場合には偏平光ファイバケーブル1の曲げ形状保持部材として機能する。
壁面側外層外被5aには、前記空間部10に突出して光ファイバケーブル4を位置決めする突起部12がケーブル長手方向に形成されている。突起部12の高さHは、光ファイバケーブル4の角部の半径R及び光ファイバケーブル4の厚みTに対してR<H<(1/2)Tなる関係を満たす高さであることが好ましい。
例えば、(1/2)T<Hなる関係とした場合は、突起部12の高さHが高いために光ファイバケーブル4のつかみ代が少なくなり、該光ファイバケーブル4の取り出しが困難になる。この一方、突起部12の高さHを零に近づけ過ぎると、光ファイバケーブル4が突起部12を乗り越えてしまい、該光ファイバケーブル4の位置決めができなくなる。そのため、突起部12の高さHは、最低限光ファイバケーブル4の角部の半径Rよりも長い寸法であれば、光ファイバケーブル4が突起部12を乗り越えることがなく、該光ファイバケーブル4を位置決めすることができる。
また、突起部12の幅Wは、光ファイバケーブル4の厚みTに対して(1/2)T≦Wなる関係を満たす幅であることが好ましい。突起部12の幅Wは、長ければ長い程、外層外被5で被覆した数ある光ファイバケーブル4の中から特定に光ファイバケーブル4を識別し易くなり、また光ファイバケーブル4を取り出し易くなる。しかし、突起部12の幅Wが余りに大きくなると、偏平光ファイバケーブル1自体の長径が大きくなり過ぎてしまい、美観を損なうことになる。そのため、光ファイバケーブル4の識別性及び取出し性を考慮すると、(1/2)T≦Wなる関係とすることで、これらを満足させることができる。
表面側外層外被5bには、空間部10と対応する位置に切欠であるノッチ13(以下、これを中央部ノッチ13という)がケーブル長手方向に形成されている。かかる中央部ノッチ13は、空間部10に向かって先細りになる断面V字状の溝として外層外被表面5b1に形成されている。この中央部ノッチ13に沿ってカッターなどで切り込みを入れ或いは中央部ノッチ13部分を下方へ押し込んだ後、表面側外層外被5bを左右に引き裂くことで、内部の光ファイバケーブル4を取り出せる。中央部ノッチ13の真下には、空間部10が形成されているため、誤ってカッターなどで光ファイバケーブル4を傷付けることを未然に防ぐことができる。このときの表面側外層外被5bの切裂き作業で光ファイバケーブル4には外力が作用するが、前記突起部12により左右2つの光ファイバケーブル4は位置決めをされているため、それらの位置がずれない。
また、表面側外層外被5bには、両端の光ファイバケーブル4の角部と対応する部位にも同じく切欠であるノッチ14(以下、これを端部ノッチ14という)をケーブル長手方向に形成することができる。かかる端部ノッチ14は、内面から表面に向かって先細りになる断面V字状の溝として外層外被内面5b2に斜めに形成されている。この端部ノッチ14を形成することによって、両端部の光ファイバケーブル4を取り出す際に、前記端部ノッチ14を起点に表面側外層外被5bを引き裂く事が可能になる為、光ファイバケーブル4の角部が表面側外層外被5bに挟み込まれて取り出し難くなるのを防止する事が出来る。
また、表面側外層外被5bには、空間部10を挟んでその両側に接して設けた2つの光ファイバケーブル4、4間に対応した位置に、切欠であるノッチ15(以下、これを間部ノッチ15という)をケーブル長手方向に形成する事ができる。かかる間部ノッチ15は、内面から表面に向かって先細りになる断面V字状の溝として外層外被内面5b2に形成されている。この端部ノッチ15を形成することによって、中央部ノッチ13から表面側外層外被5bを引き裂いて左右に引き剥がした場合に、この間部ノッチ15が起点となり表面側外層外被5bが折れ曲がるので、両端部の光ファイバケーブル4はこの表面側外層外被5bで被覆されたままの状態になる。つまり、両端部の光ファイバケーブル4を取り出す必要性の無いときには、前記間部ノッチ15の部位で表面側外層外被5bの引き裂きを止めて、該光ファイバケーブル4の位置ずれ防止及び保護を図ることができる。
また、空間部10には、何も無くても良いが、水分を吸収する吸水部材16を設けるようにすることが望ましい。吸水部材16を空間部10に設ければ、外層外被5で被覆された内部の水分を吸収できる。吸水部材16には、例えば水分を吸収する紐状部材や繊維部材などが使用可能である。
以上のように構成された偏平光ファイバケーブル1によれば、矩形状の光ファイバケーブル4の複数個を一列に配列してそれらを外層外被5で一括して被覆した構造であるので、この外層外被5によって紫外線などの影響を光ファイバケーブル4が受け難くなり、耐候性を高めることができる。
また、この偏平光ファイバケーブル1によれば、光ファイバケーブル4の複数個を一列に配列させた偏平光ファイバケーブルとしたので、配列順で光ファイバケーブル1を特定することができる。また、この偏平光ファイバケーブル1によれば、隣接する光ファイバケーブル4間の少なくとも1ヶ所には空隙部10を形成しており、その空隙部10に突出して光ファイバケーブル4を位置決めする突起部12を壁面側の外層外被5aに形成しているので、外層外被5を引き裂いても前記突起部12が光ファイバケーブル4を位置決めして該光ファイバケーブル4の飛び出しを防止する。
また、この偏平光ファイバケーブル1によれば、壁面11と接しない表面側の外層外被5である表面側外層外被5bには、空隙部10と対応する位置に切欠である中央部ノッチ13を形成しているので、この中央部ノッチ13を切り裂いてもその部位の下が空隙部10であることにより、光ファイバケーブル4に傷を付けるのを防止することができる。
また、この偏平光ファイバケーブル1によれば、突起部12の高さHを、光ファイバケーブル4の厚みをTとしたときに、該光ファイバケーブル4の角部の半径Rに対して、R<H<(1/2)Tなる関係としているので、突起部12を挟んで設けられた光ファイバケーブル4を位置決めすることができる。
また、この偏平光ファイバケーブル1によれば、突起部12の幅Wを、光ファイバケーブル4の厚みTに対して(1/2)T≦Wなる関係としているので、光ファイバケーブル4が突起部12を介して左右に分けられることになり、それらの光ファイバケーブル4の識別性が良くなる。また、前記関係であれば、偏平光ファイバケーブル1自体の長径も長くならず、壁面11に配線した場合に美観を損なわない。
また、この偏平光ファイバケーブル1によれば、端部ノッチ14を形成することで、両端部の光ファイバケーブル4をより取り出し易くなる。
また、この偏平光ファイバケーブル1によれば、間部ノッチ15を形成することで、両端部の光ファイバケーブル4を取り出す必要性の無いときには、前記間部ノッチ15の部位で表面側外層外被5bの引き裂きを止めることができ、該光ファイバケーブル4の位置ずれ防止及び保護を図ることができる。
また、この光ファイバケーブル1によれば、空間部10に吸水部材16を設ければ、外層外被5で被覆されたケーブル内の水分を吸収することができる。
[光ファイバケーブルの引き込み方法]
次に、第1実施形態の偏平光ファイバケーブル1を壁面11に接して配線した後、特定の光ファイバケーブル4を集合住宅の各部屋に引き込む方法について説明する。図2は、図1の偏平光ファイバケーブル1から特定の光ファイバケーブル4を取り出して各部屋に引き込む方法を説明するための図である。
偏平光ファイバケーブル1は、例えばマンション等の既設集合住宅の廊下などの壁面に、ケーブル固定手段17によって配線される。この偏平光ファイバケーブル1から特定の光ファイバケーブル4を各部屋に引き込むには、任意のケーブル部位Aの中央部ノッチ13を押し込む或いは中央部ノッチ13に沿ってカッターで切れ込みを入れる。すると、中央部ノッチ13の真下には空間部10が形成されているので、誤って光ファイバケーブル4を傷付けることは起こらない。
そして、切れ込みを入れた任意のケーブル部位Aの表面側外層外被5bを外側に広げて内部から特定の光ファイバケーブル4を取り出して切断する。また、切れ込みを入れた任意のケーブル部位Aとはケーブル長手方向で異なる位置に切れ込みを入れる。2度目の切れ込みを入れる位置であるケーブル部位Bは、光ファイバケーブル4を引き込む部屋と対応する部位であり、IDF(Intermediate Distribution Frame:中間配線盤)側である。1度目の切れ込み部位Aと2度目の切れ込み部位Bとの距離は、部屋まで引き込むのに必要な長さとする。
次に、2度目の切れ込み部位Bの表面側外層外被5bを外側に広げて内部から前記切断した光ファイバケーブル4を引き出す。このとき、4つある光ファイバケーブル4のうち内側2つの光ファイバケーブル4のどちらかである場合は、間部ノッチ15の位置を起点として表面側外層外被5bを図1中線K1で示すように開く。また、4つある光ファイバケーブル4のうち両端2つの光ファイバケーブル4のうちどちらかである場合は、端部ノッチ14の位置を起点として表面側外層外被5bを図1中線K2で示すように大きく開く。
そして、引き出した光ファイバケーブル4を所定の部屋に引き込む。この後、切れ込みを入れたケーブル部位A、Bには、何らかのカバーを掛けるか、或いはテープを貼って引き裂いた部位を覆うようにする。以上の作業を、各部屋ごとに行う。
この光ファイバケーブルの引き込み方法によれば、光ファイバケーブル4の取り出し時に突起部12によって各光ファイバケーブル4が移動してばらばらになることなく特定の光ファイバケーブル4を取り出すことができる。また、この引き込み方法を採用することで、布設作業を短時間で終了することが可能となり、布設に要するコストも大幅に低減することができる。
「第2実施形態」
図3は第2実施形態の偏平光ファイバケーブルの横断面を示している。第2実施形態の偏平光ファイバケーブル1は、隣接する光ファイバケーブル4間のそれぞれに空間部10及び突起部12を形成した例である。
図3の偏平光ファイバケーブル1では、隣り合う各光ファイバケーブル4間を、それぞれ空間部10を有して仕切るように突起部12を設けている。この偏平光ファイバケーブル1によれば、内側の光ファイバケーブル4だけでなく、両端の光ファイバケーブル4を取り出す場合でも、前記空間部10に指を入れて光ファイバケーブル4をつかむことが容易になる。また、各光ファイバケーブル4間に突起部12が形成されているので、それぞれの光ファイバケーブル4の位置決めが更に良好になる。
なお、図3では、各空間部10には、何も配置していないが、図1と同様に吸水部材10を配置してもよい。
また、第2実施形態の偏平光ファイバケーブル1では、表面側外層外被5bには、各光ファイバケーブル4間に対応した位置に、ノッチ(中央部ノッチ13と間部ノッチ15)を外層外被表面5b1と外層外被内面5b2に対して交互に形成している。このように、ノッチを外層外被表面5b1と外層外被内面5b2に対して交互に形成すれば、引き剥がす表面側外層外被5bが任意の光ファイバケーブル4の真上のみで済むため、美観を保つことができる。
「第3実施形態」
図4は第3実施形態の偏平光ファイバケーブルの横断面を示している。第3実施形態の偏平光ファイバケーブルは、第2実施形態の偏平光ファイバケーブル1とは逆のノッチ形状としている。すわなち、中央部ノッチ13を外層外被内面5b2に形成し、間部ノッチ15を外層外被表面5b1に形成している。
この偏平光ファイバケーブル1によれば、両端部の光ファイバケーブル4を取り出す作業が更に容易になる。また、両端部の光ファイバケーブル4を取り出す場合、残りの光ファイバケーブル1は何れも表面側外層外被5bで被覆された状態にあるから取り出す光ファイバケーブル2以外の光ファイバケーブル4を傷付けるようなこともない。
以上、本発明を適用した具体的な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、第1〜第3の実施形態では、何れも中心に光ファイバ心線2を設け、その両側にテンションメンバ7、7を配置し、それらをシース3で被覆したインドア型の光ファイバケーブル4としたが、本発明は、この形態の光ファイバケーブルに限定されるものではない。
本発明は、集合住宅における構内配線に使用されて各住戸に引き込むための偏平光ファイバケーブルに利用することができる。
1 偏平光ファイバケーブル
2 光ファイバ心線
3 シース
4 光ファイバケーブル
5 外層外被
6 抗張力体
7 テンションメンバ
10 空間部
11 壁面
12 突起部
13 中央部ノッチ(ノッチ)
14 端部ノッチ(ノッチ)
15 間部ノッチ(ノッチ)
16 吸水部材

Claims (7)

  1. 光ファイバ心線をシースで被覆してなる矩形状の光ファイバケーブルの複数個を一列に配列し、それら複数個の光ファイバケーブルを外層外被で一括して被覆し、その外層外被に前記複数個の光ファイバケーブルを両側から挟み込む位置に抗張力体を配置させた偏平光ファイバケーブルであって、
    隣接する前記光ファイバケーブル間の少なくとも1ヶ所には、空隙部が形成されており、
    前記外層外被のうち壁面に接して配線される壁面側の外層外被には、前記空隙部に突出して前記光ファイバケーブルを位置決めする突起部がケーブル長手方向に形成され、
    また、前記壁面と接しない表面側の外層外被には、前記空隙部と対応する位置にノッチを少なくとも1か所以上ケーブル長手方向に形成した
    ことを特徴とする偏平光ファイバケーブル。
  2. 請求項1に記載の偏平光ファイバケーブルであって、
    前記表面側の外層外被内面には、前記各光ファイバケーブル間に対応した位置に、ノッチを少なくとも1か所以上ケーブル長手方向に形成した
    ことを特徴とする偏平光ファイバケーブル。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の偏平光ファイバケーブルであって、
    前記空隙部及び前記突起部は、隣接する前記光ファイバケーブル間のそれぞれに形成した
    ことを特徴とする偏平光ファイバケーブル。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の偏平光ファイバケーブルであって、
    前記突起部の高さHを、前記光ファイバケーブルの厚みをTとしたときに、該光ファイバケーブルの角部の半径Rに対して、R<H<(1/2)Tなる関係とした
    ことを特徴とする偏平光ファイバケーブル。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の偏平光ファイバケーブルであって、
    前記突起部の幅Wを、前記光ファイバケーブルの厚みTに対して(1/2)T≦Wなる関係とした
    ことを特徴とする偏平光ファイバケーブル。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の偏平光ファイバケーブルであって、
    前記空隙部に、吸水部材を設けた
    ことを特徴とする偏平光ファイバケーブル。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載された偏平光ファイバケーブルを壁面に接して配線した後、
    前記外層外被に形成したノッチのうち前記空隙部と対応する位置に切れ込みを入れ、その切れ込みを入れた部位の外層外被を外側に広げて内部から前記光ファイバケーブルを取り出して切断し、
    また、前記外層外被に形成した前記ノッチのうち前記空隙部と対応する位置に切れ込みを入れた部位とはケーブル長手方向で異なる位置に切れ込みを入れ、その切れ込みを入れた部位の外層外被を外側に広げて内部から前記切断した光ファイバケーブルを引き出し、その引き出した光ファイバケーブルを集合住宅の各部屋に引き込む
    ことを特徴とする光ファイバケーブルの引き込み方法。
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