JP2013213540A - ガス栓 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リセット手段Rは、ガス流通路1の流路径方向の中央部から外径側に外れた偏心位置に配置された揺動軸P2周りに揺動自在な単一の揺動部材R1と、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁Gの移動に伴って揺動部材を押圧揺動させる押圧部材R2とを備え、押圧部材R2にて揺動部材を押圧揺動させてリセット操作を行うように構成され、揺動部材R1は、揺動軸P2周りで揺動する際に、その揺動端部が流路径方向の中央部を通過する状態で揺動する。
【選択図】図1
Description
過流出防止弁が作動位置に移動することでガス流通を阻止しているが、ガス器具へのガス供給を再開させるためには、過流出防止弁を作動位置から初期位置に復帰させることが必要である。そこで、使用者によってガス接続具をガス栓本体から取り外すという動作が行われることで、過流出防止弁における被操作部をガス流通路の上流側へ押圧するリセット操作を行うリセット手段を備えており、リセット手段によるリセット操作によって過流出防止弁を作動位置から初期位置に復帰させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
リセット手段は、ガス接続具のガス栓本体からの取り外しによりリセット操作を行うだけでなく、ガス接続具がガス栓本体に装着されている場合には、リセット操作を解除しておき、過流出防止弁の初期位置から作動位置への移動を許容しておくことが必要である。
また、第1レバーについては、押し用突部にて押圧できるとともに、第2レバーの揺動を規制できる位置に配置しなければならない。第2レバーについても、第1レバーにて揺動が規制されるとともに、過流出防止弁の軸部をガス流通路の上流側に押圧できる位置に配置しなければならない。したがって、第1レバーと第2レバーの配置位置を精度よく調整しなければならず、リセット手段によるリセット操作及びリセット操作の解除を行い難いものとなっていた。
また、特許文献1に記載のガス栓においては、ガス流通路の軸心近傍に、第1レバー、第2レバー、及びリセット手段が設けられているため、ガス流通路において、充分な流路面積が確保し難い虞があった。
ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられているガス栓であって、その特徴構成は、
前記リセット手段は、前記ガス流通路の流路径方向の中央部から外径側に外れた偏心位置に配置された揺動支点周りに揺動自在な単一の揺動部材と、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動に伴って前記揺動部材を押圧揺動させる押圧部材とを備え、前記押圧部材にて前記揺動部材を押圧揺動させて前記リセット操作を行うように構成され、前記揺動部材は、前記揺動支点周りで揺動する際に、その揺動端部が流路径方向の前記中央部を通過する状態で揺動する点にある。
このように、本特徴構成によれば、スライド弁の移動に伴う押圧部材による揺動部材の押圧揺動を利用することで、単一の揺動部材と押圧部材を備えるだけで、リセット操作及びリセット操作の解除を行うことができる。
以上のことから、ガス栓本体の軸方向でのスライド弁の移動を利用してリセット操作及びリセット操作の解除を適切に行うことができるリセット手段を、単一の揺動部材と押圧部材にて構成することができ、リセット手段の構成の簡素化及び部材点数の減少を図り、リセット手段によるリセット操作及びリセット操作の解除を適切に行うことができる。
前記押圧部材が前記揺動部材を押圧操作する押圧操作部位は、前記流路径方向で前記中央部より前記揺動軸側に配置されている点にある。
前記押圧部材は、前記スライド弁の上流側端部に連結する連結部を有すると共に、当該連結部から前記ガス流通路の上流側に延びる延設部を有し、当該延設部の上流側端部に前記押圧操作部位を有する点にある。
前記揺動部材は、その一端側端部を前記揺動軸に枢支されると共に、その他端側端部を前記過流出防止弁の被操作部に当接して前記リセット操作を行うリセット操作部位として構成されている点にある。
揺動部材の全体をガス流通路の外径側に位置されせることで、ガス流通路において、充分な流路面積を確保することができ、ガス流通路での揺動部材によるガス流動の阻害を防止できる。
前記揺動部材は、前記スライド弁の閉じ位置から開き位置への移動の間及び開き位置から閉じ位置への移動の間の双方で、前記他端側端部を前記過流出防止弁の被操作部に当接させて前記リセット操作を行う点にある。
前記ガス流通路は、上流側から順に、前記過流出防止弁、前記リセット手段、前記スライド弁を備えて、前記ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられている点にある。
前記スライド弁が、前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する点にある。
前記スライド弁が、操作部に対する押圧操作に伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する点にある。
<第1実施形態>
この第1実施形態のガス栓は、図1及び図2に示すように、ガス流通路1が内部に形成された円筒状のガス栓本体2を備えており、そのガス栓本体2にガス接続具100を装着することでガス流通路1でのガス流通によりガス接続具100に接続されたガス器具へのガス供給を行い、ガス栓本体2からガス接続具100を取り外すことでガス流通路1でのガス流通を停止してガス器具へのガス供給を停止する、所謂ガスコンセントとして構成されている。図1は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示しており、図2は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着している状態を示している。
尚、ガス栓本体2は、第5流路部位1eと第6流路部位1fとの間で、分離可能に構成されている。これにより、例えば、比較的流路径の狭い第6流路部位1f及び第7流路部位1gを取り外した状態として、ガス栓本体2の内部にて、過流出防止機構H及びリセット手段Rに異物が付着したときに、その異物を取り除く操作等を容易に実行できる。
第1弁体G1は、第6流路部位1fと第5流路部位1eとに亘ってガス栓本体2の軸方向に沿って移動自在に設けられている。第1弁体G1の上流側の部位の外径が第6流路部位1fの流路径と同一となっており、第1弁体G1が着座する弁座部が第6流路部位1fの内壁に設けられたシール部材G1aにて構成されている。第1弁体G1は、第6流路部位1fに移動した場合に第6流路部位1fを閉じる閉じ位置に位置し、第5流路部位1eに移動した場合にガス流通を許容する開き位置に位置する。第1弁体G1は、第1付勢部材F1によって閉じ位置に復帰するように付勢されており、ガス接続具100がガス栓本体2から取り外されている場合には、閉じ位置に位置して第6流路部位1fを閉弁している。
このようにして、スライド弁Gを構成する第1弁体G1と第2弁体G2の両者は、ガス栓本体2の軸方向に沿って閉じ位置と開き位置との間で移動自在で、ガス流通路1を閉じる閉じ位置に復帰するように付勢されている。
ガス接続具100は、第1コイルバネ101により前方側(図1及び図2で矢印Xの先端側)に付勢される突出部材102と、ロック用ボール103と、ロック用ボール103の位置を径方向の内側から規制するとともに、ガス栓本体2の先端部に当接して押圧されて引退する内径部材104と、ガス栓本体2に装着される際にスライド弁Gを押圧する棒状の押圧部105とを備えている。
一方、一定以上のガス流量の流動圧によって過流出防止弁H2が作動位置に移動すると、作動位置に移動した過流出防止弁H2と突出位置に位置する被操作部材H3とが当接するようになっている。突出位置に位置する被操作部材H3がガス流通路1の上流側へ押圧されるリセット操作を受けた場合には、被操作部材H3と過流出防止弁H2との当接により被操作部材H3と過流出防止弁H2が一体的にガス流通路1の上流側へ移動することになり、過流出防止弁H2の弁座部H6への着座が解除されて、上流側からのガス圧が解除され、第3付勢部材F3の付勢力によって過流出防止弁H2が初期位置に復帰される。このようにして、過流出防止機構Hは、突出位置に位置する被操作部材H3がガス流通路1の上流側へ押圧されるリセット操作を受けた場合に、過流出防止弁H2を初期位置に復帰させている。
揺動部材R1は、図1及び図2に示すように、中央部側の操作解除位置(図3(a)に示す位置)と外径側の操作解除位置(図3(b)に示す位置)との間の操作位置(図3(d)に示す位置)にて、被操作部材H3を当接するリセット操作を実行可能に構成されている。揺動部材R1は、ガス栓本体2の軸心P1に沿う断面視で揺動自在に構成されており、その一端側端部R1aを外径側に外れた偏心位置にある揺動軸P2に枢支されると共に、その他端側端部を過流出防止弁H2の被操作部材H3に当接してリセット操作を行うリセット操作部位R1bとして構成され、一端側端部R1aからリセット操作部位R1bまでを、ガス栓本体2の軸心P1に沿う断面視で、直線形状としている。これにより、揺動部材R1が外径側の操作解除位置(図3(b)に示す位置)へ位置している場合、ガス流通路1の流路面積を大きく確保している。
更に、揺動部材R1は、外径側の操作解除位置(図3(b)に示す位置)と中央部側の操作解除位置(図3(a)に示す位置)との間で揺動する際に、揺動端部であるリセット操作部位R1bが、流路径方向(図1及び図2で直線P1に直交する方向)の中央部(図1及び図2で直線P1上)を通過する状態で揺動する。これにより、例えば、過流出防止弁H2の被操作部材H3を中央部に設けることで、外径側の操作解除位置(図3(b)に示す位置)から中央部側の操作解除位置(図3(a)に示す位置)への揺動、中央部側の操作解除位置(図3(a)に示す位置)から外径側の操作解除位置(図3(b)に示す位置)への揺動の双方にて、リセット操作部位R1bを操作位置(図3(d)に示す位置)を通過させ、リセット操作部位R1bを被操作部材H3に当接させて、リセット操作を行うことができる。
押圧部材R2は、図1及び図2に示すように、スライド弁Gである第1弁体G1の上流側端部からガス流通路1の上流側に延びる延設部R2bを有する。
当該延設部R2bは、中空円筒形状を有しており、その中空円筒形状を有する部位はガス流通路1の第4流路部位1dの内壁に沿って摺動自在に構成されていると共に、その上流側端部が、ガス流通路1の流路径方向(図1及び図2で直線P1に直交する方向)で中央部(図1及び図2で直線P1上)より揺動軸P2側に、押圧操作部位R2cを有する。このように延設部R2bを構成することにより、押圧操作部位R2cにて良好に揺動部材R1を押圧できながらも、その中空円筒形状を有する部位をガス流通可能にして、十分なガス流通面積を確保できる。
図3(a)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示している。図3(b)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着した状態を示している。図3(c)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着しているときに、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置に移動した状態を示している。図3(d)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外す途中又は取り付ける途中でリセット操作を行う状態を示している。
尚、当該第1実施形態にあっては、形式上は、ガス接続具100をガス栓本体2に取り付ける操作(図3(b)から図3(a)への操作)によっても、揺動部材R1のリセット操作部位R1bが、被操作部材H3の頭部H3bをガス流通路1の上流側へ押圧するリセット操作が行われる。
これまで説明してきた実施の形態では、本発明に係るガス栓を、ガス栓本体2に対するガス接続具100の装着及び取り外しに伴ってスライド弁Gを閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う所謂ガスコンセントとして構成したが、以下に、本発明に係るガス栓を、操作部に対する手動操作に伴ってスライド弁を閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う所謂つまみ付きガス栓として構成した実施形態について、図5〜図11に基づいて説明する。尚、これまで説明してきた実施形態と同様の構成については、説明を割愛する場合がある。
以下、ガス栓本体2、弁機構部A、及び操作機構部Bの詳細構成について、順次説明する。
ガス流入路1A及びガス流出路1Bの夫々は、互いの軸線X、Yを直角に交差する状態でガス栓本体2の内部に配置された円形断面を有する流路である。具体的には、ガス流入路1Aの軸線Xを上下方向に配置すると共に、ガス流出路1Bの軸線Yを横向きに配置することで、本実施形態のガス栓は所謂L型のガス栓として構成されている。このように構成されたL型のガス栓は、下から上に向けてガス栓本体2に流入したガスgを横向きに吐出して、側方に配置されたガス機器(図示せず)等に供給する。尚、本実施形態においてガス栓を上記L型のガス栓として構成するのではなく、例えば、ガス流出路1Bを斜め下向きに設けるなど、ガス流入路1Aとガス流出路1Bとの交差角度は適宜改変可能である。
また、弁収容部5は、ガス流入路1Aの上方延長上にガス栓本体2の内部に形成された円形断面を有する空間であり、弁収容部5の下方にはガス流入路1Aが開口し、弁収容部5の側方にはガス流出路1Bが開口することになる。
ガス流入路1A及びガス流出路1Bの何れか一方の特定ガス流通路をガス流入路1Aとし、同特定ガス流通路の軸線である特定軸線をガス流入路1Aの軸線Xとすると、弁機構部Aは、当該特定ガス流通路であるガス流入路1Aの弁収容部5に対する開口部1Aaに形成された弁座部6と、同特定軸線である軸線Xに沿ってスライドして弁座部6に対して着座して当該開口部1Aaを閉塞する閉じ位置と、軸線Xに沿ってスライドして弁座部6に対して離間して当該開口部1Aaを開放する開き位置との間で変位するスライド弁G’とを有して構成されている。
即ち、スライド弁G’は、上下方向に配置されたガス流入路1Aの軸線Xに沿って、上下方向にスライドする。そして、そのスライド範囲の下端位置が、スライド弁G’が弁座部6に着座して開口部1Aaを閉塞する閉じ位置であり、同範囲の上端位置が、スライド弁G’が弁座部6に対して離間して当該開口部1Aaを開放する開き位置となる。よって、本実施形態において、閉じ位置側とは下方側を示し、開き位置側とは上方側を示すことになる。
尚、図8及び図9にはスライド弁G’が閉じ位置にある状態が示されており、図5及び図7にはスライド弁G’が開き位置にある状態が示されている。
操作機構部Bは、操作者による操作部11に対する下向きの押圧操作をスライド弁G’に伝達させて当該スライド弁G’と共にスライド可能なスライド部Cと、スライド部Cを軸線Xに沿って閉じ位置側から開き位置側に向かう上向きに付勢する軸線付勢手段Dと、スライド部Cのスライドをガイドするガイド部20とからなる。
操作部11は、ガス流入路1Aの軸線Xと同軸上に配置されガス栓本体2の上部を覆う逆カップ状の操作ボタン10の上底部の上面として設けられている。
また、操作ボタン10は、軸線Xに沿って上下方向にスライド可能に設けられており、更に操作ボタン10の上底部の下面とガス栓本体2の上面との間には、ガス栓本体2に対し操作ボタン10を上向きに付勢するコイルバネ13が介挿されている。
尚、このコイルバネ13は、巻線部分が隣接間において互いに離間している通常のコイルバネが利用されており、軸線Xに沿って圧縮力を受けることで同軸線Xに沿って膨張力を発生する。
ガイドピン18は、軸線Xと同軸上に配置され当該軸線Xに沿ってスライド可能な円柱状の軸部材17の外表面において、軸部材17の円形断面の径外方向に向けて突出形成されている。
一方、回転付勢手段Eは、操作ボタン10における上底部の下面に一端部が固定され、上記軸部材17の上面に他端部が固定されて、ガス流入路1Aの軸線Xと同軸上に配置されたねじりコイルバネ15で構成されている。
尚、このねじりコイルバネ15は、巻線部分が隣接間において互いに密着しているコイルバネであり、ある回転方向にねじりモーメントを受けることで当該回転方向とは逆の回転方向(図5における右方向)に反発力を発生する。更に、かかるねじりコイルバネ15は、巻線部分が隣接間において互いに密着していることで、一端側から受けた操作部11の軸線Xに沿った下方向の押圧力を、他端側の軸部材17に伝達することができる。
ねじりコイルバネ15の両端部には、突起部16が設けられており、突起部16を含む巻線部分が、操作ボタン10における上底部の下面に形成された溝部12、及び軸部材17の上面に形成された溝部19に嵌め込まれることで、ねじりコイルバネ15の両端が操作ボタン10及び軸部材17に固定されている。
このコイルバネ24は、スライド弁G’の下面と、弁収容部5の下方に設けられた筒状部材H1の上面との間に軸線Xに沿って圧縮状態で介挿されており、筒状部材H1の上面に対してスライド弁G’を上向きに付勢する形態で、スライド弁G’を含むスライド部Cを軸線Xに沿って閉じ位置側から開き位置側に向かう上向きに付勢する。
更に、このガイド溝22には、操作部11に押圧力を付加してスライド弁G’を開き位置から閉じ位置まで変位させるときにガイドピン18をねじりコイルバネ15の付勢力に抗して回転させる回転誘導部22a、22bと、続いて当該押圧力を抜いたときにスライド弁G’を閉じ位置に維持する状態でコイルバネ24及びねじりコイルバネ15により付勢されるガイドピン18が係止する係止部22cとが形成されている。
そして、このような構成により、本実施形態のガス栓は、詳細については後述するが、操作部11に対する一の押圧操作により閉栓動作が行われ、それに続く操作部11に対する一の押圧操作により開栓動作が行われる所謂プッシュプッシュ式の開閉動作を実現している。
よって、ガイドピン18が、その膨出部22dを介して、回転誘導部22a、22bの閉じ位置側の端部から係止部22cに向けてガイド溝22の上辺に沿って直接的に移動可能となり、係止部22cに適切に係止されるようになる。尚、この膨出部22dの形状等は適宜変更可能であり、また、膨出部22dを省略して、閉じ位置側回転誘導部22bの途中に上方に切れ込む係止部22cを形成し、閉じ位置側の端部にガイドピン18がある状態で操作部11に付加する押圧力f11を取り除いたときに、ガイドピン18が閉じ位置側回転誘導部22bを若干逆行しその途中にある係止部22cに係止されるように構成しても構わない。
更に、ガス流入路1Aの軸線Xの直交面をSとすると、閉じ位置側回転誘導部22bにおける直交面Sに対するガイド溝22のリード角αbが、開き位置側回転誘導部22aの同リード角αaよりも小さく設定されている。
即ち、閉栓動作において、操作部11に押圧力が付加され回転誘導部22a、22bに沿って誘導されるガイドピン18は、開き位置側から係止部22cが形成された位置までの間は開き位置側回転誘導部22aに沿って変位し、その係止部22cが形成された位置からそれよりも回転奥側に形成された閉じ位置側の端部までの間は閉じ位置側回転誘導部22bに沿って変位することになる。
そして、閉じ位置側回転誘導部22bのリード角αbが、開き位置側回転誘導部22aのリード角αaよりも小さいので、ねじりコイルバネ15の付勢力に抗してガイドピン18を閉じ位置側回転誘導部22bに沿って変位させるために必要な操作部11に対する押圧力は、開き位置側回転誘導部22aに沿って変位させるときよりも大きくなる。
以下、ガイド溝22の詳細構成について、本実施形態のガス栓の開閉動作時におけるガイド溝22におけるガイドピン18の遷移状態とあわせて、図10及び図11等に基づいて説明する。尚、図10及び図11において、ガイド溝22は、筒状部材21の外周面を平面に展開したときの状態で示されている。
先ず、本実施形態のガス栓の閉栓動作時のガイド溝22におけるガイドピン18の位置の遷移状態について、図10等に基づいて説明する。
スライド弁G’が開き位置にあって開栓しているとき(図7参照)には、ガイドピン18は、図10(a)に示すように、ガイド溝22において回転誘導部22aの開き位置側の端部(図10(a)において右上端部)に位置している。
次に、操作部11に押圧力f11を付加し、その押圧力f11がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン18は、図10(b)に示すように、ガイド溝22において開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとの境界部に移動する。
この移動の際に、ガイドピン18は、コイルバネ24による軸線Xに沿った閉じ位置側から開き位置側へ向かう上向きの付勢力fdに抗して開き位置側から閉じ位置側へ向かう下向きに変位すると共に、ねじりコイルバネ15による軸線X周りの方向への付勢力feに抗して回転することになる。
即ち、開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとの境界部に位置するガイドピン18には、図10(b)において、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
この移動の際においても、ガイドピン18は、コイルバネ24による上向きの付勢力fdとねじりコイルバネ15による右向きの付勢力feに抗して左下方向に移動することになり、移動後のガイドピン18には、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
尚、これら付勢力fd、feは、ガイドピン18の左下方向への変位量が増加するに伴って増加するが、説明を簡単にするためにそれらの符号は同じものを使用する。
そして、係止部22cのガイドピン18が当接する壁面の角度が、付勢力fd、feの合力が付加されているガイドピン18が回転誘導部22a、22b側に変位することを防止する角度に設定されているので、当該ガイドピン18の位置は係止部22cに係止された状態で保たれることになり、結果、図9に示すように、スライド弁G’が閉じ位置で維持されて、閉栓動作が完了する。
次に、本実施形態のガス栓の開栓動作時のガイド溝22におけるガイドピン18の位置の遷移状態について、図11等に基づいて説明する。
スライド弁G’が閉じ位置にあって閉栓しているとき(図9参照)には、ガイドピン18は、図11(a)に示すように、係止部22cに係止される位置にある。
次に、操作部11に比較的小さな押圧力f11’を付加し、その押圧力f11’がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン18は、図11(b)に示すように、付勢力fd、feに抗して左下向きに若干変位することで、係止部22cにおける係止が解除された位置に変位する。
この際に、操作部11に付加される押圧力f11’は、上述した閉栓動作時に付加した押圧力f11よりも小さなものとなっているため、ガイドピン18は、例えば閉じ位置側回転誘導部22bに沿って閉じ位置側に変位することはない。
更に、閉じ位置側回転誘導部22bのリード角αbが開き位置側回転誘導部22aのリード角αaよりも小さく、ねじりコイルバネ15の付勢力feに抗してガイドピン18を閉じ位置側回転誘導部22bに沿って閉じ位置側へ変位させるためには比較的大きな押圧力が必要となるので、その押圧力よりも小さな押圧力f11’で操作部11を押圧した場合には、ガイドピン18が閉じ位置側回転誘導部22bに沿って回転奥側に変位することはない。
尚、本実施形態では、ガイド溝22の回転誘導部を開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとで構成したが、当該回転誘導部を一様のもので構成しても構わない。また、回転誘導部22a、22bのリード角αa、αbについては、一様のものとせずに、例えば開き位置側から閉じ位置側にかけて徐々に減少させるなど、適宜改変可能である。
本実施形態のガス栓は、一定以上の流量のガスgが流れると当該ガス供給を遮断するために、図5に示すように、特定ガス流通路としてのガス流入路1Aには、過流出防止弁H2を備えた過流出防止機構Hが設けられており、更に、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁G’の移動により過流出防止弁H2をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段Rが設けられている。
ここで、過流出防止弁H2及びリセット手段Rの構成については、上記第1実施形態と同様の構成を採用しているため詳細な説明は割愛するが、スライド弁G’の下面から上流側へ延設される押圧部材R2が、スライド弁G’の移動に伴って揺動部材R1を押圧揺動させる形態でリセット操作が行われる。即ち、スライド弁Gの開き位置にあるときに過流出防止弁H2が作動位置に移動することでガス流通が阻止された状態(図7に示す状態)において、スライド弁Gが閉じ位置へ移動して押圧部材R2にて揺動部材R1が押圧揺動されて、中央部側の操作解除位置(図7に示す状態)から外径側の操作解除位置(図8に示す状態)へ移行すると、揺動部材R1は、その移行過程において、そのリセット操作部位R1bが被操作部材H3に当接して押圧操作する操作位置(図示せず)を経過する。
このとき、揺動部材R1は、そのリセット操作部位R1bにて被操作部材H3を押圧操作して、過流出防止弁H2の弁座部H6への着座が解除されて、第3付勢部材F3の付勢力によって過流出防止弁H2が初期位置に復帰される形態で、リセット操作が行われる。
(1)上記第1及び第2実施形態では、押圧部材R2は、スライド弁Gの第1弁体G1と一体成型されているものとしたが、別に別体としても構わない。
例えば、押圧部材R2は、スライド弁Gである第1弁体G1の上流側端部に連結する連結部を有すると共に、当該連結部からガス流通路1の上流側に延びる延設部R2bを有する構成としても構わない。
2 :ガス栓本体
11 :操作部
100 :ガス接続具
G :スライド弁
H1 :筒状部材
H2 :過流出防止弁
H3 :被操作部材
P1 :軸心
P2 :揺動軸
R :リセット手段
R1 :揺動部材
R1a :一端側端部
R1b :リセット操作部位
R2 :押圧部材
R2a :連結部
R2b :延設部
R2c :押圧操作部位
g :ガス
Claims (8)
- ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられているガス栓において、
前記リセット手段は、前記ガス流通路の流路径方向の中央部から外径側に外れた偏心位置に配置された揺動軸周りに揺動自在な単一の揺動部材と、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動に伴って前記揺動部材を押圧揺動させる押圧部材とを備え、前記押圧部材にて前記揺動部材を押圧揺動させて前記リセット操作を行うように構成され、前記揺動部材は、前記揺動軸周りで揺動する際に、その揺動端部が流路径方向の前記中央部を通過する状態で揺動するガス栓。 - 前記押圧部材が前記揺動部材を押圧操作する押圧操作部位は、前記流路径方向で前記中央部より前記揺動軸側に配置されている請求項1に記載のガス栓。
- 前記押圧部材は、前記スライド弁の上流側端部に連結する連結部を有すると共に、当該連結部から前記ガス流通路の上流側に延びる延設部を有し、当該延設部の上流側端部に前記押圧操作部位を有する請求項2に記載のガス栓。
- 前記揺動部材は、その一端側端部を前記揺動軸に枢支されると共に、その他端側端部を前記過流出防止弁の被操作部に当接して前記リセット操作を行うリセット操作部位として構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載のガス栓。
- 前記揺動部材は、前記スライド弁の閉じ位置から開き位置への移動の間及び開き位置から閉じ位置への移動の間の双方で、前記他端側端部を前記過流出防止弁の被操作部に当接させて前記リセット操作を行う請求項4に記載のガス栓。
- 前記ガス流通路は、上流側から順に、前記過流出防止弁、前記リセット手段、前記スライド弁を備えて、前記ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられている請求項1〜5の何れか1項に記載のガス栓。
- 前記スライド弁が、前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する請求項1〜6の何れか1項に記載のガス栓。
- 前記スライド弁が、操作部に対する押圧操作に伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する請求項1〜6の何れか1項に記載のガス栓。
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