JP2013211638A - 近距離無線通信用アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型であっても指向性を確保しながら、自己共振周波数f0の低下を防ぎ、Q値の低下を抑えた近距離無線通信用アンテナを得ることを目的とする。
【解決手段】 磁心と平面コイルとを備え、前記平面コイルは、導体の巻回の中央が空芯部となるアルファ巻きコイルであり、前記磁心が、胴部とその一方端に連なって設けられた鍔部を有する片鍔磁心であり、平面コイルの空芯部に片鍔磁心の胴部を挿通した近距離無線通信用アンテナ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話等の小型の無線通信装置に用いられる磁界誘導を用いた小電力無線通信:RFID(Radio Frequency Identification)用途のアンテナであって、特には13.56MHzの通信周波数帯を利用した近距離通信規格:NFC(Near Field Communication)に対応した近距離無線通信用アンテナに関する。
近距離無線通信を行うシステムとしては、例えば、ICカードシステムが広く知られている。図16は近接通信を行うシステム構成の一例を示すブロック図である(特許文献1)。ICカードシステムにおいて、読み書き装置からトランスポンダへのデータ転送を例にその構成と動作を説明する。
読み書き装置であるリーダ/ライタ280(以下単にアンテナ装置という)の近距離無線通信用アンテナ1aが電磁波を発生することにより、アンテナ装置280の周囲に磁界が形成される。そこにトランスポンダとなるICカード285を近づけると、ICカード285内に設けられた近距離無線通信用アンテナ1bと磁界結合し、電磁誘導による電力伝送によって集積回路68は電源の供給を受けるとともに、アンテナ装置280との間で予め設定されたプロトコル(例えばISO14443、15693、18092等)に従ってデータ伝送が行なわれる。
アンテナ装置280は、半導体70とノイズフィルタ(第1フィルタ)71と整合回路72とローパスフィルタ(第2フィルタ)73を備える。半導体70には、送信回路、受信回路、変調回路、復調回路、コントローラ等を含むが図示していない。
アンテナ共振回路66は、近距離無線通信用アンテナ1a及び抵抗(図示せず)と、共振コンデンサ65を含む。アンテナ共振回路66の共振周波数は、通信に利用される固有の周波数(例えば13.56MHz)に設定され、前記周波数においてアンテナ共振回路66のインピーダンスの実部は実質的に短絡状態にある。アンテナ共振回路66はインピーダンス整合回路72を介して半導体70と接続される。
半導体70内の送信回路の変調回路と接続する出力端Txは、EMC対策用の第1フィルタ71を介して前記インピーダンス整合回路72と接続される。また半導体70内の受信回路の復調回路と接続する入力端Rxは、抵抗と直列に接続したキャパシタを備えた第2フィルタ73を介して、前記第1フィルタ71と前記インピーダンス整合回路72との接続点に接続する。
送信回路や受信回路はコントローラによって動作状態に制御される。送信回路には、発振器から同調周波数に対応する周波数(例えば13.56MHz)の信号が与えられ、所定のプロトコルに基づいて変調されてアンテナ共振回路66へ供給される。アンテナ共振回路66の近距離無線通信用アンテナ1aは、ICカード285の近距離無線通信用アンテナ1bと所定の結合係数にて磁気的に結合しており、ICカード285へ送信信号(搬送波信号)を送信する。また、ICカード285からの搬送波信号は、第2フィルタ73の抵抗によって抑圧された後に受信回路によって受信される。
この様なシステムに用いられる近距離無線通信用アンテナ(以下単にアンテナと呼ぶ)として、導線を巻回したループアンテナが広く用いられてきた。その一般的な構成を図13に示す。このアンテナ1は、フレキシブル基板310の面上に導線を螺旋状に巻回した螺旋状のコイル10を配置したものである。この様なアンテナは、そのコイルが平面に広がって構成されるので低背に構成することが出来る。
コイル10に高周波電流が給電されると、コイル10が形成された面側とその反対面側とで均等な磁束が発生する。コイル10の周囲に発生する磁束は、通常、一方の面側の磁束しか通信に寄与せず、磁束は遠方まで及ばないため、この様なアンテナは一般的に通信距離が短いという欠点がある。
また、アンテナ1に近接して金属シールドや金属ケース等の部品(以下金属体と呼ぶ)が配置される場合には、コイル10と金属体との間に生じる寄生容量や、金属体に生じる渦電流によるインダクタンスの低下に伴って、アンテナ1の共振周波数が変動する問題がある。さらに渦電流によって損失が増加するので、それを補って所定の通信距離を確保するように、コイル10への給電を増すことが必要となる。また通信に寄与しない磁束は、他の部品に対してノイズとなり障害を与える場合があった。
この様な問題に対して、アンテナのどちらか一方の面側に透磁率の高い磁性体を貼り付けることが行なわれる(特許文献2)。図14にその構成を示す。アンテナ1は、コイル10を板状の磁性体15の一面に貼り付けて構成される。この様な構成によれば、コイル10により生じる磁束250は専ら磁性体15の中を通過するため、磁性体15が貼り付けられた一方面側に磁束が広がらず、他方、磁性体15が貼り付けられていない他方面側は、磁束が遠くまで広がるようになり指向性が生じる。また、金属体26とコイル10との間に磁性体15が介在するので、寄生容量の形成が減じられ、また金属体26に生じる渦電流も低減することが出来る。
また、特許文献2には他の態様のアンテナが開示される。図15にその構成を示す。このアンテナ1は、平板状の磁性体15aと円柱状の磁性体15bを用いて磁心を構成する。コイル10は平板状の磁性体15aではなく、円柱状の磁性体15bの周りに円筒状に巻回されている。この様な構成によれば、アンテナの性能を向上するのにコイル10の巻数を多くしても、ループアンテナの様にコイル10の巻軸方向の投影面積は大きくならない。この為、実装に必要な面積はループアンテナに比べて少なく済む。
また、コイル10を磁性体15bに巻回すことで、平板状の磁性体15aを配設していない側において、磁束がいっそう遠くまで広がるようになる為、指向性が増す。
このアンテナ1では、平板状の磁性体15aと円柱状の磁性体15bの別体の磁性体を組み合わせて構成するが、引用文献3には、それらを一体的に構成して片鍔磁心としたアンテナが開示されている。
特開2010−200061号公報 特開2004−166175号公報 特開2005−094737号公報
従来の磁性体を用いたループアンテナは特性に優れるものの、そのコイルの構成から、どうしても平面的に大きく成り易く、小実装面積の空間に用いるには適さないといった課題がある。また、円筒状のコイルを用いる場合はループアンテナに比べて小面積での実装が可能であるものの高背となる。
携帯電話等の無線通信機器では、その筐体内に、他の回路装置とともに複数のアンテナを設けることが必要である。そこには、主に通話に用いられるメインアンテナはもとより、近距離無線通信用アンテナ、無接点充電用アンテナ、あるいはデジタルテレビ用アンテナ等、様々なアンテナが設けられる。この為、それぞれのアンテナの実装に利用可能な空間は限定され、近距離無線通信用アンテナとしては実装面積が小さく、低背なものが強く求められている。一般的なキャンディーバー型の筐体においては、寸法が最大で10mm(縦)×10mm(横)×2mm(高さ)の領域内に配置可能なものが要求される場合もあった。
一方で、アンテナを小型化しても要求性能を満足しなければならず、近距離無線通信用アンテナでは、最大十数cm程度の通信距離に対応する必要がある。アンテナの小型化には磁性体の小型化が必要であるものの、磁性体を小さくすると発生する磁束が減少するため、所定の通信距離を確保することが困難となり、従来のアンテナでは安定した通信を実行することができない場合があった。
アンテナ特性の向上、特に通信距離の確保の為には、磁性体を大きく構成するのが一般的である。しかしながらアンテナの実装領域が限定される場合では、磁性体を小型化せざるを得ない。
係る状況下において通信距離を確保するため、大きな磁界が得られる様にコイルの巻数を増すことが行なわれる。しかしながら巻数の増加に伴って導線が長くなり、線間容量も増加する。コイルに生じる寄生リアクタンスの増加は、アンテナの自己共振周波数f0の低下を招く。自己共振周波数f0が通信周波数に近づくにつれて、コイルの自己インダクタンスが増加し、アンテナのQ値は低下する。自己インダクタンスの変化はアンテナの自己共振周波数f0が通信周波数帯に近い程大きく、その結果、給電回路とのインピーダンス整合の調整が難しくなる。
この為、巻数を増やしても、インピーダンスの不整合とQ値の低下によって、通信距離が思う様に伸びないという問題があった。本発明者等の検討によれば、その傾向は円筒型のコイルを用いる場合に顕著であった。
アンテナへの供給電力を増すことで、アンテナからの放射磁界を大きくして通信距離を確保することも考えられるが、供給電力を大きくし過ぎると、磁性体が磁気飽和したり、通信距離が極近接した場合には、相手方のアンテナ装置のアンテナに大きな電力が誘起されて半導体を破壊したりする場合がある。保護回路を設けて対策することも出来るが、その分、部品が増加し、筐体内にはそれを配置する空間が必要となってしまう。また部品点数が増加しコストも上昇することから、好ましい対処方法とは言えない。
そこで本発明では、小型であっても通信する相手方向への指向性と通信距離を確保しながら、自己共振周波数f0の低下を防ぎ、Q値の低下を抑えることが出来る近距離無線通信用アンテナを提供することを目的とする。
本発明は、磁心と螺旋状に巻回したコイルとを備えた近距離無線通信用アンテナであって、前記コイルがアルファ巻きコイルである近距離無線通信用アンテナである。アルファ巻きコイルは、巻径方向と巻軸方向に多層に巻かれたコイルであるので、ループアンテナに用いられる螺旋状のコイルよりも小面積であり、円筒状のコイルと比べて厚みを薄く形成出来るとともに、寄生リアクタンスも小さいため、それを用いて構成されたアンテナは優れた特性を得ながら小型なものとなる。
本発明においては、胴部と、その一方端に連なって設けられた鍔部を有する片鍔磁心を用い、前記コイルの巻回の中央部となる空芯部に前記胴部が挿通する。前記胴部の高さは、前記コイルの厚み以上であるのが好ましく、前記コイルは鍔部の面内に収まる外形に形成され、鍔部側に当接して配置されるのが好ましい。
片鍔磁心の鍔部や胴部について形状は特に限定されないが、片鍔磁心の厚み方向(鍔部と胴部が重なる方向)と直交する断面で四角形とすれば、円形状と比べて磁路断面積が増し、相対的に大きなインダクタンスを得ることが出来るので好ましい。
また、一面側における磁束の対称性を考慮すれば、鍔部の中心と胴部の中心とは同心状に重ねて設けるのが好ましい。
一方で、アンテナの近傍に配置される回路素子への磁気的干渉を防いだり、通信すべき相手方のアンテナとの対向関係が、アンテナの設置面に対して平行ではなく所定の角度を持つ場合があったりする場合には、中心をずらして構成して、敢えて磁束の対称性を崩しても良い。
片鍔磁心の鍔部は、その側面にコイルの外周から引き出された端部側の導線を配置する窪み部を設けるのが好ましい。コイルが配置された面とは反対面である下面側には端子電極が設けられており、コイル端部との接続において、導線が鍔部の側面から飛び出すことが無く、配線の位置決めとしても機能する。
前記端子電極は面実装の為の電極としても用いられる。端子電極は、鍔部の表面にAg等の導体パターンを印刷や転写し焼き付けて形成したり、導体パターンが設けられたプリント基板を貼り付けて形成したりすることが出来る。なお、鍔部側面も磁束の経路となる為、端子電極は底面側にのみ形成するのがより好ましい。
更に、片鍔磁心の胴部側にコイルを覆う樹脂キャップを設けるのが好ましい。樹脂キャップは平坦面と壁部を備え、その平面形状を鍔部と同形とするのが好ましい。更に、樹脂キャップの一部に孔部を設けて、片鍔磁心の胴部の一部を収容し、樹脂キャップを設けることによる厚みの増加を防ぐのも好ましい。樹脂キャップは、組立て時にコイルを保護するとともに、上面が平坦であるので、真空吸着による回路基板等への自動実装を容易とする。
本発明によれば、小型であっても指向性を確保しながら、自己共振周波数f0の低下を防ぎ、Q値の低下を抑えた近距離無線通信用アンテナを得ることが出来る。
(a)本発明の一実施例に係る近距離無線通信用アンテナの上面側の斜視図である。(b) 近距離無線通信用アンテナの下面側の斜視図である。 本発明の一実施例に係る近距離無線通信用アンテナに用いるアルファ巻きコイルの平面図である。 本発明の一実施例に係る近距離無線通信用アンテナに用いるアルファ巻きコイルの分解斜視図である。 本発明の一実施例に係る近距離無線通信用アンテナに用いる他のアルファ巻きコイルの平面図である。 本発明の他の実施例に係る近距離無線通信用アンテナに用いる他のアルファ巻きコイルの分解斜視図である。 本発明の他の実施例に係る近距離無線通信用アンテナに用いる片鍔磁心の分解斜視図である。 本発明の他の実施例に係る近距離無線通信用アンテナの下面側の斜視図である。 本発明の他の実施例に係る近距離無線通信用アンテナの上面側の斜視図である。 本発明の他の実施例に係る近距離無線通信用アンテナの断面図である。 本発明の他の実施例に係る近距離無線通信用アンテナに用いる樹脂キャップの斜視図である。 本発明の他の実施例に係る近距離無線通信用アンテナの断面図である。 本発明の一実施例に係る近距離無線通信用アンテナに用いる片鍔磁心の側面図である。 従来の近距離無線通信用アンテナの一般的な構成を示す平面図である。 (a)従来の近距離無線通信用アンテナの他の構成を示す斜視図である。(b)その断面図である。 (a)従来の近距離無線通信用アンテナの他の構成を示す斜視図である。(b)その断面図である。 近距離無線通信用アンテナを用いて構成されるアンテナ装置の回路ブロック図である。
本発明の近距離無線通信用アンテナについて図面を用いて説明する。
図1(a)に上面側から見た斜視図を、図1(b)に下面側から見た斜視図を示す。ここに示す近距離無線通信用アンテナ1は、コイル10と、片鍔磁心15とを有する。片鍔磁心15は、コイル10が巻回される胴部15bと、前記胴部15bと繋がる鍔部15aを備え、鍔部15aの背面には複数の端子電極45が形成され、コイル10の両端が、それぞれ異なる端子電極45と接続される。
図2に本発明の近距離無線通信用アンテナに用いるコイルの平面図を示す。また図3にはコイルの構成を層ごとに分解した斜視図を示す。なおコイルの状態を分かり易くするため、図面上では導線の巻数を少なく示したり、巻径・巻軸方向で線間を大きく開けて示したりする等、構成を省略したり誇張したりして示している。
コイル10は巻回の中央部が空芯部12となるアルファ巻きコイルであって、巻径方向は拡径する螺旋状に、巻軸方向には複数層となるように導線が巻回される。
コイル10に用いる導線は単線のエナメル線を用いるのが好ましく、融着力を持つオーバーコート(融着層)が形成されたエナメル線(自己融着線)がより好ましい。融着層は熱又は溶剤により活性化するものであり、コイル10を自己融着コイルとすることで組立工程における取り扱いが容易と成る。またその線径は30μm〜80μmであるのが好ましい。
アルファ巻きコイルとして構成されるコイル10について、図3に巻軸方向に2層として構成した例を示す。アルファ巻きコイルは、ほぼ等しい巻数に形成された2個の螺旋状のコイル部10a、10bが重なり、それぞれに同じ方向の電流が流れるように、それらが内周側で連なり、コイルの内周側から外周側へ向って一本の導線を巻回して形成される。コイル10の端部11aはコイル部10aの外周から引き出され、端部11bはコイル部10bの外周から引き出される。図3では、コイル部10a、10bが大きく離れて位置する様に示すが、実際は密接して位置している。
コイルの他の構成例として、図4に3層に構成したアルファ巻きコイルの平面図を示し、図5にその構成を層ごとに分解した斜視図を示す。このコイル10は、3個のコイル部10a、10b、10cが重なり、それぞれに同じ方向の電流が流れるように、それらが内周側で連なり、コイル10の端部11aがコイル部10aの外周から引き出され、端部11bがコイル部10cの外周部から引き出される様に、一本の導線を巻回して形成される。本図においてもコイル部10a、10b、10cが大きく離れて位置する様に示すが、実際は密接して位置している。
内周側から外周側へ向って導線が巻回されたコイル部10a、10b、10cによりアルファ巻きコイルが構成されるが、2層構成のものと比べて巻き方が異なる。ここで示したアルファ巻きコイルでは、最初に導線の各コイル部10a、10b、10cの最内周となる部分が、それぞれ1ターンとなる様に巻き軸に巻かれた後、導線の一方端側を螺旋状に巻回してコイル部10aが形成される。次いでコイル部10cの最内周となる部分から伸びる導線の一方端側を、コイル部10bの最内周となる部分に重ねて巻回してコイル部10bを形成した後、更にコイル部10cとなる最内周となる部分に重ねて巻回してコイル部10cを形成して、3層に構成したアルファ巻きコイルを得る。
なお、ここで示したアルファ巻きコイルの形成方法は一例であって、異なる方法・構成で形成可能であり発明を限定するものでは無い。またコイルの外形を円形として示したが、四角形等、多角形とすることは可能である。また巻径や巻数も所望の設定とすることが出来る。
なおインダクタの分野ではアルファ巻きコイルを用いることは良く知られている。しかしながら、それをアンテナに用いることは従来行なわれて無く、どの様なコイルを用いるかまで注意は払われていなかった。
本発明者等はコイルに着目して近距離無線通信用アンテナの小型化を検討する中で、片鍔磁心の胴部にアルファ巻きコイルを巻設することで、アンテナを小型化しても指向性を確保しながら、自己共振周波数f0の低下を防ぎ、Q値の低下を抑えた近距離無線通信用アンテナを得ることが出来ることを知見し発明に至った。
片鍔磁心15は Ni系フェライトやMn系フェライト等の焼結フェライトで構成されるのが好ましい。焼結フェライトコアは例えば、酸化第二鉄(Fe)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)を主成分とし、仮焼粉を粉末成形し、焼結して得られるものである。初透磁率μiは10(周波数100kHz)以上の磁気特性を有するのが好ましい。
予め、胴部と鍔部を有する様に一体的に成形し、それを焼結して片鍔磁心15とする場合や、焼結体を研削等の手段によって所定の形状に加工して片鍔磁心15とする場合がある。また、それぞれ別体として構成された鍔部15aと胴部15bを接着剤で張り合わせて構成しても良い。
片鍔磁心15の鍔部15aには端子電極45が設けられる。前記端子電極45は、片鍔磁心15に直付けされた電極パターンからなる導体層と、その表面に被覆された被覆層とで構成される。なお直付けとは、直接、片鍔磁心15の表面に導体層を設ける場合や、絶縁用のガラス層や樹脂層等のコーティング層を介して導体層を設ける場合を含む。
前記導体層はガラスや有機ビヒクル、溶剤等を含むCuやAgペースト、あるいはAg−Pdペースト等の合金ペーストを、鍔部15a下面の所定箇所に印刷塗布し、50℃〜150℃程度に加温して乾燥し、500℃以上の温度で焼付けて固着する。なお、導体層となる金属を、めっきや蒸着して鍔部に形成した後、不要部分をエッチングするなど、公知の形成方法を用いることも可能である。
導体層の表面に、半田やNiめっきのめっき層を前記保護層として施して端子電極45が形成される。なお、めっき層に代えて半田浴に浸漬して被覆層としても良い。
図6に近距離無線通信用アンテナに用いる片鍔磁心の外観斜視図を示す。片鍔磁心15の側面には、厚み方向に続く複数の窪み部17が形成されている。この窪み部17は、コイル10の両端側を通して片鍔磁心15背面側に導くために設けられ、最小2つあれば足りるが、その形成位置によって片鍔磁心15に方向性が生じさせない様に、各辺に形成しても良い。
片鍔磁心15の胴部15aに通されたコイル10は、その端部11a、11bが前記窪み部17を通って片鍔磁心15の下面側に導出される。そして端子電極45の面上に延ばされて、溶接や熱圧着、あるいは超音波振動等の接続手段により接合される。熱圧着では、加熱されたヘッドでコイル10の端部11a、11bを加圧して端子電極45に拡散接合する。超音波振動では、接合のためのヘッド部の振動と加熱によって、コイル10の端部11a、11bを端子電極45に加圧接合する。コイル10を更に耐熱性樹脂等によって鍔部15bに固定しても良い。
本実施態様では、片鍔磁心15の鍔部15aには2つの端子電極45が形成されている。端子電極45は最少2つあれば、平面コイル10の端部11a、11bを接続するのに足りるが、図7に示す様に、矩形状の鍔部15bの各隅部の4箇所に端子電極45を形成しても良い。この場合、端子電極45の位置によって実装における方向性が生じないことから、組立て時の扱いが容易となる。
本発明においては、更にコイルを保護する樹脂キャップを片鍔磁心に被せて接着するのが好ましい。耐熱性樹脂により固定しても良い。その構成例として図8に斜視図を、図9に断面図を示す。本実施態様では、樹脂キャップ50はアンテナの上面となる平坦面51と壁部52を備え、上方から見た平面形状が片鍔磁心の鍔部と同形状の矩形に形成される。側面の壁部52には、コイル10の端部11a、11bと干渉しないように、片鍔磁心の鍔部に設けられた窪み部17に対応する位置に抜き部18が設けられている。この様な構成により、樹脂キャップ50を真空吸着することができるので、回路基板等への実装において自動実装が可能となるとともに、コイル10を損傷から保護する。
樹脂キャップの他の態様を示す。図10は平坦面に開孔を設けた樹脂キャップの斜視図であり、図10はその樹脂キャップを用いたアンテナの断面図である。樹脂キャップ50の開孔19に片鍔磁心15の胴部15bを通して、樹脂キャップ50の平坦面51側に露出させている。この構成によれば、コイル10を保護しつつ、樹脂キャップ50によるアンテナの高背化を防ぐことが出来る。
実施例のアンテナは、焼結フェライトコアでなる片鍔磁心とアルファ巻きコイルを用い、胴部側にアルファ巻きコイルを配置し、その端部を、片鍔磁心の鍔部に形成した端子電極に接続して構成される。その構成は図1等で示したものと略同じであるので、共通する部分については、その詳細な説明を省略する場合がある。
片鍔磁心を構成する磁性材料は、Fe2O3;46.5mol%,ZnO;20.0mol%,NiO;22.5mol%,CuO;11.0mol%の組成であり、初透磁率が110であるNi系フェライトを用いた。
磁性材料を構成する素原料を準備し、焼成後に前記組成量となる様に調整された原料粉末を仮焼した粉末にバインダー等を加えた後、造粒し、成形して、一部が円柱状で、その一端側が四角柱状の成形体とした。
この成形体を1100℃の温度で焼結した後、円柱部(胴部)の一端側と四角柱部(鍔部)の一端側を砥石で研削して平坦として、図12に示す片鍔磁心とした。鍔部15aの厚みはh1、胴部15bの厚みはh2、全体の厚みがHであり、鍔部15aは一辺がW1に形成された正方形であり、胴部15bは直径がW2 に形成されている。
比較のため同じ磁性材料を使って円柱状磁心を作製した。各試料の寸法を表1に示す。
Figure 2013211638
コイルとして、線径100μm(導体径80μ、被覆層厚み10μm)のエナメル線を用いて、それぞれ12ターンのアルファ巻きコイルと円筒コイルを準備した。
アルファ巻きコイルは巻軸方向に2層構成で、巻径方向に各コイル部が6ターンで構成され、内径4.1mm、外径5.4mm、厚み0.2mmである。また、円筒コイルは、巻径方向に2層で巻軸方向に6ターンで構成され、内径4.1mm、外径4.5mm、厚み0.5mmである。
得られた2種のコイルについて、インピーダンスアナライザを用いて、周波数が13.56MHz等価容量を測定したところ、アルファ巻きコイルが0.6pFに対して、円筒コイルは3.8pFであった。
試料1の片鍔磁心の胴部にアルファ巻きコイルの空芯部を通して実施例1のアンテナを作製した。また試料1の片鍔磁心の胴部に円筒コイルの空芯部を通して比較例1のアンテナを作製した。さらに、試料2の円柱状磁心に円筒コイルの空芯部を通して比較例2のアンテナを作製した。
得られた各アンテナについて、インピーダンスアナライザを用いて、13.56MHzにおけるインダクタンスL、Q値、自己共振周波数f0を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013211638
円筒コイルを用いる場合に対してアルファ巻きコイルを用いる場合には、Q値が高く、かつ自己共振周波数f0が高いアンテナを得ることが出来た。比較例のアンテナは自己共振周波数f0がアルファ巻きコイルと比べて約70MHzも低周波となった。
1、1a、1b アンテナ
10 コイル
15 片鍔磁心
15a 鍔部
15b 胴部
45 端子電極

Claims (4)

  1. 磁心と平面コイルとを備え、
    前記平面コイルは、導体の巻回の中央が空芯部となるアルファ巻きコイルであり、
    前記磁心が、胴部とその一方端に連なって設けられた鍔部を有する片鍔磁心であり、
    平面コイルの空芯部に片鍔磁心の胴部を挿通したことを特徴とする近距離無線通信用アンテナ。
  2. 前記片鍔磁心の鍔部の側面側に複数の窪み部を有し、前記窪み部に前記アルファ巻きコイルの外周側から引き出された導体が通されたことを特徴とする請求項1に記載の近距離無線通信用アンテナ。
  3. 前記片鍔磁心の鍔部の底面側に端子電極が形成され、前記アルファ巻きコイルの端部が接続されたことを特徴とする請求項2に記載の近距離無線通信用アンテナ。
  4. 前記アルファ巻きコイルを覆う樹脂キャップを備え、前記樹脂キャップは前記片鍔磁心に胴部の一部を挿通可能な穴部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の近距離無線通信用アンテナ。

JP2012079299A 2012-03-30 2012-03-30 近距離無線通信用アンテナ Pending JP2013211638A (ja)

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