JP2013209787A - おむつバックシート及び面ファスナーのメス材 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価な不織布を提供する。
【解決手段】スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を適宜残すように製造されてなり、低密度部2は、周表面に、回転方向に沿って、所定ピッチでローラー110,110'の巾方向に溝が形成されることにより、巾方向に凸部112,112'と凹部113,113'とが交互に繰り返し形成され、一方のローラーの凹部113(凸部112)と他方のローラーの凸部112'(凹部113')とが噛み合うように、対峙して反対方向に回転する2つのローラー110,110'間に、スパンボンド原反不織布Pから繰り出される不織布P'を通すことで凹部113(凸部112)と凸部112'(凹部113')とが噛合した際の側面に形成されるように構成する。
【選択図】図5
【解決手段】スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を適宜残すように製造されてなり、低密度部2は、周表面に、回転方向に沿って、所定ピッチでローラー110,110'の巾方向に溝が形成されることにより、巾方向に凸部112,112'と凹部113,113'とが交互に繰り返し形成され、一方のローラーの凹部113(凸部112)と他方のローラーの凸部112'(凹部113')とが噛み合うように、対峙して反対方向に回転する2つのローラー110,110'間に、スパンボンド原反不織布Pから繰り出される不織布P'を通すことで凹部113(凸部112)と凸部112'(凹部113')とが噛合した際の側面に形成されるように構成する。
【選択図】図5
Description
本発明は、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価な不織布及び面ファスナーのメス材に関する。
一般に、腰の部分をテープで止めるタイプの紙おむつ(以下、テープ式紙おむつという。)の、テープ部分には面ファスナーが使用されている。この面ファスナーは、面的に着脱できるファスナーであり、布に特殊な加工をし、主に衣類用に、再び脱着可能な状態で結合したい場合に用いられる。
この面ファスナーは、フック状に起毛された面(以下、オス材という。)と、ループ状に密集して起毛された面(以下、メス材という。)との2つの部材からなり、メス材は、ポリエステル及びナイロンのフィラメントステープルを原料とし、縦編み機により生産された織物が使用されている。
この織物からなるメス材は、多孔構造であるため、テープ式紙おむつにそのまま貼り合わせると、その孔を介して粘着材が表面に抜けてしまう。これを防止するためには、メス材の裏面にフィルム等を貼り合わせる加工が必要となる。このメス材は、メス材自体が非常に高価な素材を使用しているうえに、フィルム等を貼り合わせる加工が必要となるため、テープ式紙おむつにメス材を使用できる面積が限定的となり、ユーザが紙おむつを装着時にテープを係止できる位置が限られるという問題や使い易さを十分に確保できないという問題があった。
このような問題を解決する面ファスナーのメス材として、特許文献1〜3に開示された技術が知られている。特許文献1の面ファスナーのメス材は、共重合ポリエステルを鞘成分とし高融点ポリエステルを芯成分とする複合繊維から140℃での乾熱収縮率60%であるガードウェブを作成し、該ウェブにポリプロピレン製スパンボンド不織布を積層し、ニードルパンチを施した後、熱処理することによりスパンボンドの表面に深さ0.2〜3mmの皺を1cmあたり2〜40個形成してなる。
この特許文献1の面ファスナーのメス材によれば、従来のメス材に比して安価でしかも係合特性に優れ、着脱を繰り返しても構成繊維の脱落も実質的にないので、従来の面ファスナーの全ての用途に適用でき、特に使い捨て製品、例えば、下着,紙おむつ,生理用品等の衛生材料分野に好適である。
また、特許文献2の面ファスナーのメス材は、熱収縮性のある繊維質の布又は不織布の基布にニードルパンチによりループを形成してなる。
この特許文献2の面ファスナーのメス材によれば、従来のパイル編物の構造からなる面ファスナーメス材に比べて、切り口が解かれず、寸法安定性がよく、加工時に取り扱いやすい。加えて、低コストで生産できるので、手術衣,おむつカバー,包装材等の使い捨て製品に使用するのに好適である。
さらに、特許文献3の面ファスナーのメス材は、熱融着製複合繊維主体のウェブの片面に多数のループ状物が形成されており、多面が熱融着により緻密化されている。
この特許文献3の面ファスナーのメス材によれば、従来の編織物の構造からなる面ファスナーメス材に比べて、加工時の寸法安定性がよく、柔らかいのでおむつ等に広い面積で貼り付けても違和感がない。また、貼り付ける際にも点状で十分に熱融着するので、取り扱いも容易であり、さらに、低コストで生産できるので、おむつ,手術衣,包装材等の使い捨て製品に使用するのに好適である。
しかしながら、これらの特許文献1〜3に開示された不織布は、生産性やコストの面での問題を十分に解決したものとはいえず、メス材として使用した面ファスナーでは、オス材とメス材との係合力が十分でなく、オス材の着脱を繰り返すことでメス材の毛羽立ちが大きくなるという問題があった。
この問題を解決する不織布として、例えば、特許文献4に開示された技術が知られている。特許文献4に開示された不織布は、エアースルー不織布である原反不織布にエンボス処理を施してなり、巾方向の2N/25mm荷重時における伸長率が該原反不織布の75%以下となるように構成されている。
この特許文献4に開示された不織布によれば、低密度多孔構造の不織布であり、メス材として使用した面ファスナーでは、オス材との係合力を確保し、オス材の着脱を繰り返してもメス材の毛羽立ちが小さい。
しかしながら、特許文献4に開示された従来の不織布は、メス材として使用した面ファスナーを実用レベルで実現するためには、目付(単位面積あたりの質量)が40g/m2以上でなければ必要な係止力と素材強度を確保できないのが実情であった。目付が多いと、その分原材料が必要となり、単価的に使用できる面積が限定されるため、ユーザにとって使いやすい面積での提供が困難であった。
また、特許文献4に開示された従来の不織布は、係合力を高めるために、不織布強度を高める等の理由により、不織布としての肌触りがよいものとは言えなかった。そのため、使い捨ておむつのバックシートとしてこの文献に記載の不織布を使用した場合、肌触りの悪さや硬さに起因する動きに対しての追従性や使い捨ておむつの着け心地が悪いという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価な不織布、及び、面ファスナーのメス材を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有するとともに、バックシートとして全面に使用した際にも肌触りがよく、着け心地のよいテープ式紙おむつを提供することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の不織布は、スパンボンド原反不織布に対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部を形成するとともに、高密度部を適宜残すように製造されてなることを特徴としている。
請求項2に記載の不織布は、請求項1において、前記低密度部が、周表面に、回転方向に沿って、2〜10mmのピッチでローラーの巾方向に溝が形成されることにより、巾方向に凸部と凹部とが交互に繰り返し形成され、一方のローラーの凹部(凸部)と他方のローラーの凸部(凹部)とが噛み合うように、対峙して反対方向に回転する2つのローラー間に、前記スパンボンド原反不織布から繰り出される不織布を通すことで前記凹部(凸部)と前記凸部(凹部)とが噛合した際の側面に形成され、前記凸部と前記凹部との段差が1〜10mm,前記凸部(凹部)の幅が1〜5mmであることを特徴としている。
請求項3に記載の不織布は、請求項1又は請求項2において、繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、高密度部が0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部が0.01〜0.1g/cm3であり、伸度が40〜400%であり、前記高密度部と前記低密度部との面積比が7:3〜3:7の範囲にあることを特徴としている。
この不織布によれば、目付が、15g/m2〜40g/m2であることにより、低目付となり、原料の購入価格が安価となるとともに、剥離強度は1.22N/cm、せん断強度は4.14N/cm2が得られたことから、実用上必要な係止力と柔らかさを十分に有する安価な不織布を提供することができる。
請求項4に記載の面ファスナーのメス材は、前記不織布は、スパンボンド原反不織布に対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部を形成するとともに、高密度部を適宜残すように製造されてなり、前記低密度部は、周表面に、回転方向に沿って、2〜10mmのピッチでローラーの巾方向に溝が形成されることにより、巾方向に凸部と凹部とが交互に繰り返し形成され、一方のローラーの凹部(凸部)と他方のローラーの凸部(凹部)とが噛み合うように、対峙して反対方向に回転する2つのローラー間に、前記スパンボンド原反不織布から繰り出される不織布を通すことで前記凹部(凸部)と前記凸部(凹部)とが噛合した際の側面に形成され、前記凸部と前記凹部との段差が1〜10mm,前記凸部(凹部)の幅が1〜5mmであって、繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、高密度部が0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部が0.01〜0.1g/cm3であり、伸度が40〜400%であり、前記高密度部と前記低密度部との面積比が7:3〜3:7の範囲にあることを特徴としている。
請求項4に記載の面ファスナーのメス材によれば、目付が、15g/m2〜40g/m2であることにより、低目付となり、原料の購入価格が安価となるとともに、剥離強度は1.22N/cm、せん断強度は4.14N/cm2が得られたことから、実用上必要な係止力と柔らかさを十分に有する安価な面ファスナーのメス材を提供することができる。
本発明によれば、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価な不織布、及び、面ファスナーのメス材を提供することができる。
また、本発明によれば、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有するとともに、バックシートとして全面に使用した際にも肌触りがよく、着け心地のよいテープ式紙おむつを提供することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について詳細に説明する。本発明は、不織布1,面ファスナー11のメス材21,テープ式紙おむつ41に適用される。
1.不織布1
不織布1は、好ましくは面ファスナー11のメス材21用であり、スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を適宜残すように製造されてなることを特徴とする。
不織布1は、好ましくは面ファスナー11のメス材21用であり、スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を適宜残すように製造されてなることを特徴とする。
図1に示す装置101は、一対のローラー110及び110'を有する。ローラー110及び110'の外周面111及び111'には、それぞれ、複数の凸部112及び112'と凹部113及び113'とが形成されている。また、図1に示す装置101では、ローラー110及び110'の回転軸線は、それぞれ、不織布の搬送方向と垂直である。さらに、複数の溝(凹部113及び113')は、それぞれ、前記回転軸線と平行に、外周面111及び111'に配置されている。
図1に示す装置101では、一対のローラー110及び110'のローラーの間に、スパンボンド原反不織布Pから繰り出された不織布P'を通し、ローラー110及び110'を通過する際に、ローラー110の凸部112及びローラー110'の凹部113'が噛合することにより、噛合箇所の側面にある不織布が大きく延伸し、低密度部2を形成し、低密度部2と高密度部3とを有する不織布1が形成される。なお、前記加工方法では、一対のローラー110及び110'の位置を調整することにより、延伸率を変えることができ、不織布1のせん断強度や剥離強度を向上させることができる。
不織布1は、繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、伸度が、40〜400%であり,高密度部3が、0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部2が、0.01〜0.1g/cm3であり、高密度部3と低密度部2との面積比が7:3〜3:7の範囲にあることを特徴とする。
不織布の目付は、10g/m2未満であると、オス材の絡む空間が十分に維持されず、またオス材を剥離させる際に不織布の破壊が生じ、100g/m2を超えると、不織布の生産性が悪くなり、コスト高となるので好ましくない。不織布1は、スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を適宜残すように製造することで、目付が、15g/m2〜40g/m2となった。
スパンボンド原反不織布Pは、例えば、目付が、15g/m2〜40g/m2であり,繊維径が、2〜10デニールであり,伸度が、40〜400%であり,スパンボンド密度が0.1〜0.6g/cm3である。
不織布P'の主体繊維は、芯鞘構造を有する複合繊維であり、芯成分を構成する樹脂成分と鞘成分を構成する樹脂成分とが同系列の繊維であるのが好ましい。ここで、前記の「同系列」とは、鞘成分と芯成分とのそれぞれを構成する樹脂成分の構造が類似(主たる構造が一致)しており、相溶性の良いものであることを意味する。具体的な芯成分と鞘成分との組み合わせとしては、芯成分としてポリプロピレン(PP)を用い、鞘成分として低融点PPを用いる組み合わせ、芯成分としてポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、鞘成分として低融点PETを用いた組み合わせ等が挙げられるが、これらには限られず本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意である。
また、前記の「樹脂成分」には、樹脂混合物(いわゆるブレンド物)も含まれる。従って、芯成分をPETとし、鞘成分をPETを主成分とする樹脂混合物としたり、芯成分をPPとし、鞘成分をPPを主成分とする樹脂混合物とすることもできる。この際用いられるPETを主成分とする樹脂混合物としては、PET100重量部にポリエチレン(PE)を100重量部以下の割合で配合してなる樹脂混合物等が挙げられる。また、PPを主成分とする樹脂混合物としては、PP100重量部にPEを2〜8重量部配合してなる樹脂混合物等が挙げられる。なお、前記主体繊維における前記芯成分と前記鞘成分との構成割合(重量比)は、一般には20〜80:80〜20であるのが好ましく、30〜70:70〜30がより好ましい。
2.面ファスナー11のメス材21
次に、本発明に係る面ファスナー11のメス材21について図面を説明する。ここで、図2は、面ファスナー11を示す模式図である。面ファスナー11は、メス材21とオス材22とからなり、メス材21が前記の不織布1からなる。ここで、用いることができるオス材22としては、通常この種の面ファスナーにおいて用いられるものを特に制限なく用いることができ、具体的には、「マジックテープ」(登録商標)等の市販品等を用いることができる。オス材22の形状及びメス材21の形状などは、その使用用途などに応じて任意である。
次に、本発明に係る面ファスナー11のメス材21について図面を説明する。ここで、図2は、面ファスナー11を示す模式図である。面ファスナー11は、メス材21とオス材22とからなり、メス材21が前記の不織布1からなる。ここで、用いることができるオス材22としては、通常この種の面ファスナーにおいて用いられるものを特に制限なく用いることができ、具体的には、「マジックテープ」(登録商標)等の市販品等を用いることができる。オス材22の形状及びメス材21の形状などは、その使用用途などに応じて任意である。
3.テープ式紙おむつ41
次に、面ファスナー11のメス材21(不織布1)をバックシート全体に用いたテープ式紙おむつ41について概略を説明する。図3は、テープ式紙おむつ41の模式図である。
次に、面ファスナー11のメス材21(不織布1)をバックシート全体に用いたテープ式紙おむつ41について概略を説明する。図3は、テープ式紙おむつ41の模式図である。
テープ式紙おむつ41は、液透過性の表面シート42と、バックシート43(面ファスナー11のメス材21)と、両シート間に介在させた液保持性の吸収体44と、背側部の左右両側縁部に止着用のファスニングテープ45とを主要部として備えている。
表面シート42は、体液を透過する液透過性を有している。液透過性を発現するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートがあげられる。このうち不織布は、原料繊維の素材については特に限定されず、どのような加工によって製造されたものであってもよい。また、表面シート42は、1枚のシートからなるものであっても、複数のシートを貼り合せた積層シートからなるものであってもよい。
吸収体44は、吸収した体液を保持する液保持性を有している。素材は、液保持性を有していれば特に限定されず、例えば、綿状パルプや合成パルプ等のパルプ単体からなるものや、フラッフ状パルプ中に粒状・粉状の吸収性ポリマーが混入されたものがあげられる。また、吸収体44の形態は、特に限定されず、例えば、コア状,1枚のシート状,積層シート状とすることができる。
ファスニングテープ45は、面ファスナー11のオス材22を用いて形成されており、面ファスナー11のメス材21で形成されているバックシート43と係合するようになっている。ファスニングテープ45は、表面にフック部材を備え、背側部の左右両側縁部から外方に延伸する形で設けられており、その形状は限定されない。表面のフック部材は、メス材の繊維に絡むことにより貼着される。
バックシート43は、面ファスナー11のメス材21であり、液不透過性且つ透湿性を有している。この面ファスナー11のメス材21は、繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、高密度部3が0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部2が0.01〜0.1g/cm3であり、高密度部3と低密度部2との面積比が7:3〜3:7の範囲にある不織布1である。
続いて、テープ式紙おむつ41の使用方法及び作用効果について説明する。ユーザは、乳児の臀部の下に、ファスニングテープ45が背中側になるようにテープ式紙おむつ41を敷く。乳児の股の間からテープ式紙おむつ41を引き出し、両足の付け根に立体ギャザーが沿うように装着し、ファスニングテープ45をバックシート43に貼着する。このとき、バックシート43全体がメス材21となっているために、ファスニングテープ45を貼着する際に、貼着位置が限定されず、体に合わせてファスニングテープ45を貼着することが可能となる。
また、紙おむつを廃棄する際に、丸めた紙おむつが広がることを防ぐためにファスニングテープ45をバックシート43に貼着するが、バックシート43全体を面ファスナー11のメス材21としているため、容易にしっかりと貼着することができる。
さらに、バックシート43は面ファスナー11のメス材21であるため、柔らかく、肌触りのよい紙おむつとなる。加えて、従来のテープ式紙おむつでは高価なメス材を貼着する必要があったが、高価なメス材自体を使用しないことで、安価なテープ式紙おむつ41を提供することができる。
図4(A)は、図1に示す装置101の凹凸ローラー110及び110'の加工条件を示している。また、図4(B)は、スパンボンド原反不織布Pの不織布P'の仕様を示している。図4(B)に示す不織布P'に対して、図4(A)に示す加工条件で加工を施して所望の不織布1を得た。図5は、図4(A)に示す加工条件のうち、凸部と凹部との段差を3.5mm,凸部(凹部)の幅を2mm,ピッチを5mmで加工して得られた不織布1のJIS L3416の規格に基づいて測定した剥離・せん断強度を示している。
図5に示すように、この不織布1の剥離強度は1.22N/cm、せん断強度は4.14N/cm2となり、加工前と比べて、実用上必要な係止力と柔らかさを十分に有することが明らかとなった。
なお、本発明は前述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
1 不織布
2 低密度部
3 高密度部
11 面ファスナー
21 メス材
22 オス材
41 テープ式紙おむつ
42 表面シート
43 バックシート
44 吸収体
45 ファスニングテープ
101 装置
110,110 ローラー
111,111' 外周面
112,112' 凸部
113,113' 凹部
P スパンボンド原反不織布
P' 不織布
2 低密度部
3 高密度部
11 面ファスナー
21 メス材
22 オス材
41 テープ式紙おむつ
42 表面シート
43 バックシート
44 吸収体
45 ファスニングテープ
101 装置
110,110 ローラー
111,111' 外周面
112,112' 凸部
113,113' 凹部
P スパンボンド原反不織布
P' 不織布
本発明は、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価なおむつバックシート及び面ファスナーのメス材に関する。
一般に、腰の部分をテープで止めるタイプの紙おむつ(以下、テープ式紙おむつという。)の、テープ部分には面ファスナーが使用されている。この面ファスナーは、面的に着脱できるファスナーであり、布に特殊な加工をし、主に衣類用に、再び脱着可能な状態で結合したい場合に用いられる。
この面ファスナーは、フック状に起毛された面(以下、オス材という。)と、ループ状に密集して起毛された面(以下、メス材という。)との2つの部材からなり、メス材は、ポリエステル及びナイロンのフィラメントステープルを原料とし、縦編み機により生産された織物が使用されている。
この織物からなるメス材は、多孔構造であるため、テープ式紙おむつにそのまま貼り合わせると、その孔を介して粘着材が表面に抜けてしまう。これを防止するためには、メス材の裏面にフィルム等を貼り合わせる加工が必要となる。このメス材は、メス材自体が非常に高価な素材を使用しているうえに、フィルム等を貼り合わせる加工が必要となるため、テープ式紙おむつにメス材を使用できる面積が限定的となり、ユーザが紙おむつを装着時にテープを係止できる位置が限られるという問題や使い易さを十分に確保できないという問題があった。
このような問題を解決する面ファスナーのメス材として、特許文献1〜3に開示された技術が知られている。特許文献1の面ファスナーのメス材は、共重合ポリエステルを鞘成分とし高融点ポリエステルを芯成分とする複合繊維から140℃での乾熱収縮率60%であるガードウェブを作成し、該ウェブにポリプロピレン製スパンボンド不織布を積層し、ニードルパンチを施した後、熱処理することによりスパンボンドの表面に深さ0.2〜3mmの皺を1cmあたり2〜40個形成してなる。
この特許文献1の面ファスナーのメス材によれば、従来のメス材に比して安価でしかも係合特性に優れ、着脱を繰り返しても構成繊維の脱落も実質的にないので、従来の面ファスナーの全ての用途に適用でき、特に使い捨て製品、例えば、下着,紙おむつ,生理用品等の衛生材料分野に好適である。
また、特許文献2の面ファスナーのメス材は、熱収縮性のある繊維質の布又は不織布の基布にニードルパンチによりループを形成してなる。
この特許文献2の面ファスナーのメス材によれば、従来のパイル編物の構造からなる面ファスナーのメス材に比べて、切り口が解かれず、寸法安定性がよく、加工時に取り扱い易い。加えて、低コストで生産できるので、手術衣,おむつカバー,包装材等の使い捨て製品に使用するのに好適である。
さらに、特許文献3の面ファスナーのメス材は、熱融着製複合繊維主体のウェブの片面に多数のループ状物が形成されており、多面が熱融着により緻密化されている。
この特許文献3の面ファスナーのメス材によれば、従来の編織物の構造からなる面ファスナーのメス材に比べて、加工時の寸法安定性がよく、柔らかいのでおむつ等に広い面積で貼り付けても違和感がない。また、貼り付ける際にも点状で十分に熱融着するので、取り扱いも容易であり、さらに、低コストで生産できるので、おむつ,手術衣,包装材等の使い捨て製品に使用するのに好適である。
しかしながら、これらの特許文献1〜3に開示された不織布は、生産性やコストの面での問題を十分に解決したものとはいえず、メス材として使用した面ファスナーでは、オス材とメス材との係合力が十分でなく、オス材の着脱を繰り返すことでメス材の毛羽立ちが大きくなるという問題があった。
この問題を解決する不織布として、例えば、特許文献4に開示された技術が知られている。特許文献4に開示された不織布は、エアースルー不織布である原反不織布にエンボス処理を施してなり、巾方向の2N/25mm荷重時における伸長率が該原反不織布の75%以下となるように構成されている。
この特許文献4に開示された不織布によれば、低密度多孔構造の不織布であり、メス材として使用した面ファスナーでは、オス材との係合力を確保し、オス材の着脱を繰り返してもメス材の毛羽立ちが小さい。
しかしながら、特許文献4に開示された従来の不織布は、メス材として使用した面ファスナーを実用レベルで実現するためには、目付(単位面積あたりの質量)が40g/m2以上でなければ必要な係止力と素材強度を確保できないのが実情であった。目付が多いと、その分原材料が必要となり、単価的に使用できる面積が限定されるため、ユーザにとって使い易い面積での提供が困難であった。
また、特許文献4に開示された従来の不織布は、係合力を高めるために、不織布強度を高める等の理由により、不織布としての肌触りがよいものとは言えなかった。そのため、使い捨ておむつのバックシートとしてこの文献に記載の不織布を使用した場合、肌触りの悪さや硬さに起因する動きに対しての追従性や使い捨ておむつの着け心地が悪いという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価なおむつバックシート及び、面ファスナーのメス材を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有するとともに、バックシートとして全面に使用した際にも肌触りがよく、着け心地のよいテープ式紙おむつを提供することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載のおむつバックシートは、目付が15g/m 2 〜40g/m 2 であるスパンボンド原反不織布に対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部を形成するとともに、高密度部を適宜残すように製造され、前記低密度部と前記高密度部とがそれぞれフラットな状態に均一に形成されており、面ファスナーのメス材として機能することを特徴としている。
このおむつバックシートによれば、目付が、15g/m2〜40g/m2であることにより、低目付となり、原料の購入価格が安価となるとともに、剥離強度は1.22N/cm、せん断強度は4.14N/cm2が得られたことから、実用上必要な係止力と柔らかさを十分に有する安価なおむつバックシートを提供することができる。
請求項2に記載の面ファスナーのメス材は、不織布からなる面ファスナーのメス材であって、前記不織布は、目付が15g/m 2 〜40g/m 2 であるスパンボンド原反不織布に対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部を形成するとともに、高密度部を適宜残すように製造され、前記低密度部と前記高密度部とがそれぞれフラットな状態に均一に形成されており、JIS L3416の規格による剥離強度が0.5〜1.2N/cmであり、JIS L3416の規格によるせん断強度の範囲に4.14N/cm 2 が含まれることを特徴としている。
請求項2に記載の面ファスナーのメス材によれば、目付が、15g/m2〜40g/m2であることにより、低目付となり、原料の購入価格が安価となるとともに、剥離強度は1.22N/cm、せん断強度は4.14N/cm2が得られたことから、実用上必要な係止力と柔らかさを十分に有する安価な面ファスナーのメス材を提供することができる。
本発明によれば、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価なおむつバックシート、及び、面ファスナーのメス材を提供することができる。
また、本発明によれば、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有するとともに、バックシートとして全面に使用した際にも肌触りがよく、着け心地のよいテープ式紙おむつを提供することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について詳細に説明する。本発明は、不織布1,面ファスナー11のメス材21,テープ式紙おむつ41に適用される。
1.不織布1
不織布1は、好ましくは面ファスナー11のメス材21用であり、スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を適宜残すように製造されてなることを特徴とする。
不織布1は、好ましくは面ファスナー11のメス材21用であり、スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を適宜残すように製造されてなることを特徴とする。
図1に示す装置101は、一対のローラー110及び110'を有する。ローラー110及び110'の外周面111及び111'には、それぞれ、複数の凸部112及び112'と凹部113及び113'とが形成されている。また、図1に示す装置101では、ローラー110及び110'の回転軸線は、それぞれ、不織布の搬送方向と垂直である。さらに、複数の溝(凹部113及び113')は、それぞれ、前記回転軸線と平行に、外周面111及び111'に配置されている。
図1に示す装置101では、一対のローラー110及び110'のローラーの間に、スパンボンド原反不織布Pから繰り出された不織布P'を通し、ローラー110及び110'を通過する際に、ローラー110の凸部112及びローラー110'の凹部113'が噛合することにより、噛合箇所の側面にある不織布が大きく延伸し、低密度部2を形成し、低密度部2と高密度部3とを有する不織布1が形成される。なお、前記加工方法では、一対のローラー110及び110'の位置を調整することにより、延伸率を変えることができ、不織布1のせん断強度や剥離強度を向上させることができる。
不織布1は、繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、伸度が、40〜400%であり,高密度部3が、0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部2が、0.01〜0.1g/cm3であり、高密度部3と低密度部2との面積比が7:3〜3:7の範囲にあり、高密度部3と低密度部2とが均一に分布しており、JIS L3416の規格による剥離強度が0.5〜1.2N/cmであり、JIS L3416の規格によるせん断強度の範囲に4.14N/cm 2 が含まれることを特徴とする。
不織布の目付は、10g/m2未満であると、オス材の絡む空間が十分に維持されず、またオス材を剥離させる際に不織布の破壊が生じ、100g/m2を超えると、不織布の生産性が悪くなり、コスト高となるので好ましくない。不織布1は、スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を適宜残すように製造することで、目付が、15g/m2〜40g/m2となった。
スパンボンド原反不織布Pは、例えば、目付が、15g/m2〜40g/m2であり,繊維径が、2〜10デニールであり,伸度が、40〜400%であり,スパンボンド密度が0.1〜0.6g/cm3である。
不織布P'の主体繊維は、芯鞘構造を有する複合繊維であり、芯成分を構成する樹脂成分と鞘成分を構成する樹脂成分とが同系列の繊維であるのが好ましい。ここで、前記の「同系列」とは、鞘成分と芯成分とのそれぞれを構成する樹脂成分の構造が類似(主たる構造が一致)しており、相溶性のよいものであることを意味する。具体的な芯成分と鞘成分との組み合わせとしては、芯成分としてポリプロピレン(PP)を用い、鞘成分として低融点PPを用いる組み合わせ、芯成分としてポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、鞘成分として低融点PETを用いた組み合わせ等が挙げられるが、これらには限られず本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意である。
また、前記の「樹脂成分」には、樹脂混合物(いわゆるブレンド物)も含まれる。従って、芯成分をPETとし、鞘成分をPETを主成分とする樹脂混合物としたり、芯成分をPPとし、鞘成分をPPを主成分とする樹脂混合物とすることもできる。この際用いられるPETを主成分とする樹脂混合物としては、PET100重量部にポリエチレン(PE)を100重量部以下の割合で配合してなる樹脂混合物等が挙げられる。また、PPを主成分とする樹脂混合物としては、PP100重量部にPEを2〜8重量部配合してなる樹脂混合物等が挙げられる。なお、前記主体繊維における前記芯成分と前記鞘成分との構成割合(重量比)は、一般には20〜80:80〜20であるのが好ましく、30〜70:70〜30がより好ましい。
2.面ファスナー11のメス材21
次に、本発明に係る面ファスナー11のメス材21について図面を説明する。ここで、図2は、面ファスナー11を示す模式図である。面ファスナー11は、メス材21とオス材22とからなり、メス材21が前記の不織布1からなる。ここで、用いることができるオス材22としては、通常この種の面ファスナーにおいて用いられるものを特に制限なく用いることができ、具体的には、「マジックテープ」(登録商標)等の市販品等を用いることができる。オス材22の形状及びメス材21の形状などは、その使用用途などに応じて任意である。
次に、本発明に係る面ファスナー11のメス材21について図面を説明する。ここで、図2は、面ファスナー11を示す模式図である。面ファスナー11は、メス材21とオス材22とからなり、メス材21が前記の不織布1からなる。ここで、用いることができるオス材22としては、通常この種の面ファスナーにおいて用いられるものを特に制限なく用いることができ、具体的には、「マジックテープ」(登録商標)等の市販品等を用いることができる。オス材22の形状及びメス材21の形状などは、その使用用途などに応じて任意である。
3.テープ式紙おむつ41
次に、面ファスナー11のメス材21(不織布1)をバックシート全体に用いたテープ式紙おむつ41について概略を説明する。図3は、テープ式紙おむつ41の模式図である。
次に、面ファスナー11のメス材21(不織布1)をバックシート全体に用いたテープ式紙おむつ41について概略を説明する。図3は、テープ式紙おむつ41の模式図である。
テープ式紙おむつ41は、液透過性の表面シート42と、バックシート43(面ファスナー11のメス材21)と、両シート間に介在させた液保持性の吸収体44と、背側部の左右両側縁部に止着用のファスニングテープ45とを主要部として備えている。
表面シート42は、体液を透過する液透過性を有している。液透過性を発現するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートが挙げられる。このうち不織布は、原料繊維の素材については特に限定されず、どのような加工によって製造されたものであってもよい。また、表面シート42は、1枚のシートからなるものであっても、複数のシートを貼り合せた積層シートからなるものであってもよい。
吸収体44は、吸収した体液を保持する液保持性を有している。素材は、液保持性を有していれば特に限定されず、例えば、綿状パルプや合成パルプ等のパルプ単体からなるものや、フラッフ状パルプ中に粒状・粉状の吸収性ポリマーが混入されたものが挙げられる。また、吸収体44の形態は、特に限定されず、例えば、コア状,1枚のシート状,積層シート状とすることができる。
ファスニングテープ45は、面ファスナー11のオス材22を用いて形成されており、面ファスナー11のメス材21で形成されているバックシート43と係合するようになっている。ファスニングテープ45は、表面にフック部材を備え、背側部の左右両側縁部から外方に延伸する形で設けられており、その形状は限定されない。表面のフック部材は、メス材の繊維に絡むことにより貼着される。
バックシート43は、面ファスナー11のメス材21であり、液不透過性且つ透湿性を有している。この面ファスナー11のメス材21は、繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、高密度部3が0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部2が0.01〜0.1g/cm3であり、高密度部3と低密度部2との面積比が7:3〜3:7の範囲にあり、高密度部3と低密度部2とが均一に分布しており、JIS L3416の規格による剥離強度が0.5〜1.2N/cmであり、JIS L3416の規格によるせん断強度の範囲に4.14N/cm 2 が含まれる不織布1である。
続いて、テープ式紙おむつ41の使用方法及び作用効果について説明する。ユーザは、乳児の臀部の下に、ファスニングテープ45が背中側になるようにテープ式紙おむつ41を敷く。乳児の股の間からテープ式紙おむつ41を引き出し、両足の付け根に立体ギャザーが沿うように装着し、ファスニングテープ45をバックシート43に貼着する。このとき、バックシート43全体がメス材21となっているために、ファスニングテープ45を貼着する際に、貼着位置が限定されず、体に合わせてファスニングテープ45を貼着することが可能となる。
また、紙おむつを廃棄する際に、丸めた紙おむつが広がることを防ぐためにファスニングテープ45をバックシート43に貼着するが、バックシート43全体を面ファスナー11のメス材21としているため、容易にしっかりと貼着することができる。
さらに、バックシート43は面ファスナー11のメス材21であるため、柔らかく、肌触りのよい紙おむつとなる。加えて、従来のテープ式紙おむつでは高価なメス材を貼着する必要があったが、高価なメス材自体を使用しないことで、安価なテープ式紙おむつ41を提供することができる。
図4(A)は、図1に示す装置101の凹凸ローラー110及び110'の加工条件を示している。また、図4(B)は、スパンボンド原反不織布Pの不織布P'の仕様を示している。図4(B)に示す不織布P'に対して、図4(A)に示す加工条件で加工を施して所望の不織布1を得た。図5は、図4(A)に示す加工条件のうち、凸部と凹部との段差を3.5mm,凸部(凹部)の幅を2mm,ピッチを5mmで加工して得られた不織布1のJIS L3416の規格に基づいて測定した剥離・せん断強度を示している。
図5に示すように、この不織布1の剥離強度は1.22N/cm、せん断強度は4.14N/cm2となり、加工前と比べて、実用上必要な係止力と柔らかさを十分に有することが明らかとなった。
なお、本発明は前述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
1 不織布
2 低密度部
3 高密度部
11 面ファスナー
21 メス材
22 オス材
41 テープ式紙おむつ
42 表面シート
43 バックシート
44 吸収体
45 ファスニングテープ
101 装置
110,110' ローラー
111,111' 外周面
112,112' 凸部
113,113' 凹部
P スパンボンド原反不織布
P' 不織布
2 低密度部
3 高密度部
11 面ファスナー
21 メス材
22 オス材
41 テープ式紙おむつ
42 表面シート
43 バックシート
44 吸収体
45 ファスニングテープ
101 装置
110,110' ローラー
111,111' 外周面
112,112' 凸部
113,113' 凹部
P スパンボンド原反不織布
P' 不織布
本発明は、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価なおむつバックシート及び面ファスナーのメス材に関する。
一般に、腰の部分をテープで止めるタイプの紙おむつ(以下、テープ式紙おむつという。)の、テープ部分には面ファスナーが使用されている。この面ファスナーは、面的に着脱できるファスナーであり、布に特殊な加工をし、主に衣類用に、再び脱着可能な状態で結合したい場合に用いられる。
この面ファスナーは、フック状に起毛された面(以下、オス材という。)と、ループ状に密集して起毛された面(以下、メス材という。)との2つの部材からなり、メス材は、ポリエステル及びナイロンのフィラメントステープルを原料とし、縦編み機により生産された織物が使用されている。
この織物からなるメス材は、多孔構造であるため、テープ式紙おむつにそのまま貼り合わせると、その孔を介して粘着材が表面に抜けてしまう。これを防止するためには、メス材の裏面にフィルム等を貼り合わせる加工が必要となる。このメス材は、メス材自体が非常に高価な素材を使用しているうえに、フィルム等を貼り合わせる加工が必要となるため、テープ式紙おむつにメス材を使用できる面積が限定的となり、ユーザが紙おむつを装着時にテープを係止できる位置が限られるという問題や使い易さを十分に確保できないという問題があった。
このような問題を解決する面ファスナーのメス材として、特許文献1〜3に開示された技術が知られている。特許文献1の面ファスナーのメス材は、共重合ポリエステルを鞘成分とし高融点ポリエステルを芯成分とする複合繊維から140℃での乾熱収縮率60%であるガードウェブを作成し、該ウェブにポリプロピレン製スパンボンド不織布を積層し、ニードルパンチを施した後、熱処理することによりスパンボンドの表面に深さ0.2〜3mmの皺を1cmあたり2〜40個形成してなる。
この特許文献1の面ファスナーのメス材によれば、従来のメス材に比して安価でしかも係合特性に優れ、着脱を繰り返しても構成繊維の脱落も実質的にないので、従来の面ファスナーの全ての用途に適用でき、特に使い捨て製品、例えば、下着,紙おむつ,生理用品等の衛生材料分野に好適である。
また、特許文献2の面ファスナーのメス材は、熱収縮性のある繊維質の布又は不織布の基布にニードルパンチによりループを形成してなる。
この特許文献2の面ファスナーのメス材によれば、従来のパイル編物の構造からなる面ファスナーのメス材に比べて、切り口が解かれず、寸法安定性がよく、加工時に取り扱い易い。加えて、低コストで生産できるので、手術衣,おむつカバー,包装材等の使い捨て製品に使用するのに好適である。
さらに、特許文献3の面ファスナーのメス材は、熱融着製複合繊維主体のウェブの片面に多数のループ状物が形成されており、多面が熱融着により緻密化されている。
この特許文献3の面ファスナーのメス材によれば、従来の編織物の構造からなる面ファスナーのメス材に比べて、加工時の寸法安定性がよく、柔らかいのでおむつ等に広い面積で貼り付けても違和感がない。また、貼り付ける際にも点状で十分に熱融着するので、取り扱いも容易であり、さらに、低コストで生産できるので、おむつ,手術衣,包装材等の使い捨て製品に使用するのに好適である。
しかしながら、これらの特許文献1〜3に開示された不織布は、生産性やコストの面での問題を十分に解決したものとはいえず、メス材として使用した面ファスナーでは、オス材とメス材との係合力が十分でなく、オス材の着脱を繰り返すことでメス材の毛羽立ちが大きくなるという問題があった。
この問題を解決する不織布として、例えば、特許文献4に開示された技術が知られている。特許文献4に開示された不織布は、エアースルー不織布である原反不織布にエンボス処理を施してなり、巾方向の2N/25mm荷重時における伸長率が該原反不織布の75%以下となるように構成されている。
この特許文献4に開示された不織布によれば、低密度多孔構造の不織布であり、メス材として使用した面ファスナーでは、オス材との係合力を確保し、オス材の着脱を繰り返してもメス材の毛羽立ちが小さい。
しかしながら、特許文献4に開示された従来の不織布は、メス材として使用した面ファスナーを実用レベルで実現するためには、目付(単位面積あたりの質量)が40g/m2以上でなければ必要な係止力と素材強度を確保できないのが実情であった。目付が多いと、その分原材料が必要となり、単価的に使用できる面積が限定されるため、ユーザにとって使い易い面積での提供が困難であった。
また、特許文献4に開示された従来の不織布は、係合力を高めるために、不織布強度を高める等の理由により、不織布としての肌触りがよいものとはいえなかった。そのため、使い捨ておむつのバックシートとしてこの文献に記載の不織布を使用した場合、肌触りの悪さや硬さに起因する動きに対しての追従性や使い捨ておむつの着け心地が悪いという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価なおむつバックシート及び、面ファスナーのメス材を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有するとともに、バックシートとして全面に使用した際にも肌触りがよく、着け心地のよいテープ式紙おむつを提供することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載のおむつバックシートは、目付が15g/m2〜40g/m2であるスパンボンド原反不織布に対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部を形成するとともに、高密度部を残すように製造され、前記低密度部と前記高密度部との面積比が7:3〜3:7の範囲にあるとともに、前記低密度部と前記高密度部とがそれぞれフラットな状態に均一に形成されており、面ファスナーのメス材として機能することを特徴としている。
このおむつバックシートによれば、目付が、15g/m2〜40g/m2であることにより、低目付となり、原料の購入価格が安価となるとともに、はく離強さは1.22N/cm、引張せん断強さは4.14N/cm2が得られたことから、実用上必要な係止力と柔らかさを十分に有する安価なおむつバックシートを提供することができる。
請求項2に記載の面ファスナーのメス材は、不織布からなる面ファスナーのメス材であって、前記不織布は、目付が15g/m2〜40g/m2であるスパンボンド原反不織布に対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部を形成するとともに、高密度部を残すように製造され、前記低密度部と前記高密度部との面積比が7:3〜3:7の範囲にあるとともに、前記低密度部と前記高密度部とがそれぞれフラットな状態に均一に形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の面ファスナーのメス材によれば、目付が、15g/m2〜40g/m2であることにより、低目付となり、原料の購入価格が安価となるとともに、はく離強さは1.22N/cm、引張せん断強さは4.14N/cm2が得られたことから、実用上必要な係止力と柔らかさを十分に有する安価な面ファスナーのメス材を提供することができる。
本発明によれば、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有する安価なおむつバックシート、及び、面ファスナーのメス材を提供することができる。
また、本発明によれば、従来よりも小さい目付の不織布でありながら実用上必要な係止力と柔らかさを有するとともに、バックシートとして全面に使用した際にも肌触りがよく、着け心地のよいテープ式紙おむつを提供することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について詳細に説明する。本発明は、不織布1,面ファスナー11のメス材21,テープ式紙おむつ41に適用される。
1.不織布1
不織布1は、好ましくは面ファスナー11のメス材21用であり、スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を残すように製造されてなることを特徴とする。
不織布1は、好ましくは面ファスナー11のメス材21用であり、スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を残すように製造されてなることを特徴とする。
図1に示す装置101は、一対のローラー110及び110'を有する。ローラー110及び110'の外周面111及び111'には、それぞれ、複数の凸部112及び112'と凹部113及び113'とが形成されている。また、図1に示す装置101では、ローラー110及び110'の回転軸線は、それぞれ、不織布の搬送方向と垂直である。さらに、複数の溝(凹部113及び113')は、それぞれ、前記回転軸線と平行に、外周面111及び111'に配置されている。
図1に示す装置101では、一対のローラー110及び110'のローラーの間に、スパンボンド原反不織布Pから繰り出された不織布P'を通し、ローラー110及び110'を通過する際に、ローラー110の凸部112及びローラー110'の凹部113'が噛合することにより、噛合箇所の側面にある不織布が大きく延伸し、低密度部2を形成し、低密度部2と高密度部3とを有する不織布1が形成される。なお、前記加工方法では、一対のローラー110及び110'の位置を調整することにより、延伸率を変えることができ、不織布1の引張せん断強さやはく離強さを向上させることができる。
不織布1は、繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、伸度が、40〜400%であり,高密度部3が、0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部2が、0.01〜0.1g/cm3であり、高密度部3と低密度部2との面積比が7:3〜3:7の範囲にあり、高密度部3と低密度部2とが均一に分布していることを特徴とする。
不織布の目付は、10g/m2未満であると、オス材の絡む空間が十分に維持されず、またオス材を剥離させる際に不織布の破壊が生じ、100g/m2を超えると、不織布の生産性が悪くなり、コスト高となるので好ましくない。不織布1は、スパンボンド原反不織布Pに対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部2を形成するとともに、高密度部3を残すように製造することで、目付が、15g/m2〜40g/m2となった。
スパンボンド原反不織布Pは、例えば、目付が、15g/m2〜40g/m2であり,繊維径が、2〜10デニールであり,伸度が、40〜400%であり,スパンボンド密度が0.1〜0.6g/cm3である。
不織布P'の主体繊維は、芯鞘構造を有する複合繊維であり、芯成分を構成する樹脂成分と鞘成分を構成する樹脂成分とが同系列の繊維であるのが好ましい。ここで、前記の「同系列」とは、鞘成分と芯成分とのそれぞれを構成する樹脂成分の構造が類似(主たる構造が一致)しており、相溶性のよいものであることを意味する。具体的な芯成分と鞘成分との組み合わせとしては、芯成分としてポリプロピレン(PP)を用い、鞘成分として低融点PPを用いる組み合わせ、芯成分としてポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、鞘成分として低融点PETを用いた組み合わせ等が挙げられるが、これらには限られず本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意である。
また、前記の「樹脂成分」には、樹脂混合物(いわゆるブレンド物)も含まれる。従って、芯成分をPETとし、鞘成分をPETを主成分とする樹脂混合物としたり、芯成分をPPとし、鞘成分をPPを主成分とする樹脂混合物とすることもできる。この際用いられるPETを主成分とする樹脂混合物としては、PET100重量部にポリエチレン(PE)を100重量部以下の割合で配合してなる樹脂混合物等が挙げられる。また、PPを主成分とする樹脂混合物としては、PP100重量部にPEを2〜8重量部配合してなる樹脂混合物等が挙げられる。なお、前記主体繊維における前記芯成分と前記鞘成分との構成割合(重量比)は、一般には20〜80:80〜20であるのが好ましく、30〜70:70〜30がより好ましい。
2.面ファスナー11のメス材21
次に、本発明に係る面ファスナー11のメス材21について図面を説明する。ここで、図2は、面ファスナー11を示す模式図である。面ファスナー11は、メス材21とオス材22とからなり、メス材21が前記の不織布1からなる。ここで、用いることができるオス材22としては、通常この種の面ファスナーにおいて用いられるものを特に制限なく用いることができ、具体的には、「マジックテープ」(登録商標)等の市販品等を用いることができる。オス材22の形状及びメス材21の形状などは、その使用用途などに応じて任意である。
次に、本発明に係る面ファスナー11のメス材21について図面を説明する。ここで、図2は、面ファスナー11を示す模式図である。面ファスナー11は、メス材21とオス材22とからなり、メス材21が前記の不織布1からなる。ここで、用いることができるオス材22としては、通常この種の面ファスナーにおいて用いられるものを特に制限なく用いることができ、具体的には、「マジックテープ」(登録商標)等の市販品等を用いることができる。オス材22の形状及びメス材21の形状などは、その使用用途などに応じて任意である。
3.テープ式紙おむつ41
次に、面ファスナー11のメス材21(不織布1)をバックシート全体に用いたテープ式紙おむつ41について概略を説明する。図3は、テープ式紙おむつ41の模式図である。
次に、面ファスナー11のメス材21(不織布1)をバックシート全体に用いたテープ式紙おむつ41について概略を説明する。図3は、テープ式紙おむつ41の模式図である。
テープ式紙おむつ41は、液透過性の表面シート42と、バックシート43(面ファスナー11のメス材21)と、両シート間に介在させた液保持性の吸収体44と、背側部の左右両側縁部に止着用のファスニングテープ45とを主要部として備えている。
表面シート42は、体液を透過する液透過性を有している。液透過性を発現するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートが挙げられる。このうち不織布は、原料繊維の素材については特に限定されず、どのような加工によって製造されたものであってもよい。また、表面シート42は、1枚のシートからなるものであっても、複数のシートを貼り合せた積層シートからなるものであってもよい。
吸収体44は、吸収した体液を保持する液保持性を有している。素材は、液保持性を有していれば特に限定されず、例えば、綿状パルプや合成パルプ等のパルプ単体からなるものや、フラッフ状パルプ中に粒状・粉状の吸収性ポリマーが混入されたものが挙げられる。また、吸収体44の形態は、特に限定されず、例えば、コア状,1枚のシート状,積層シート状とすることができる。
ファスニングテープ45は、面ファスナー11のオス材22を用いて形成されており、面ファスナー11のメス材21で形成されているバックシート43と係合するようになっている。ファスニングテープ45は、表面にフック部材を備え、背側部の左右両側縁部から外方に延伸する形で設けられており、その形状は限定されない。表面のフック部材は、メス材の繊維に絡むことにより貼着される。
バックシート43は、面ファスナー11のメス材21であり、液不透過性且つ透湿性を有している。この面ファスナー11のメス材21は、繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、高密度部3が0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部2が0.01〜0.1g/cm3であり、高密度部3と低密度部2との面積比が7:3〜3:7の範囲にあり、高密度部3と低密度部2とが均一に分布している不織布1である。
続いて、テープ式紙おむつ41の使用方法及び作用効果について説明する。ユーザは、乳児の臀部の下に、ファスニングテープ45が背中側になるようにテープ式紙おむつ41を敷く。乳児の股の間からテープ式紙おむつ41を引き出し、両足の付け根に立体ギャザーが沿うように装着し、ファスニングテープ45をバックシート43に貼着する。このとき、バックシート43全体がメス材21となっているために、ファスニングテープ45を貼着する際に、貼着位置が限定されず、体に合わせてファスニングテープ45を貼着することが可能となる。
また、紙おむつを廃棄する際に、丸めた紙おむつが広がることを防ぐためにファスニングテープ45をバックシート43に貼着するが、バックシート43全体を面ファスナー11のメス材21としているため、容易にしっかりと貼着することができる。
さらに、バックシート43は面ファスナー11のメス材21であるため、柔らかく、肌触りのよい紙おむつとなる。加えて、従来のテープ式紙おむつでは高価なメス材を貼着する必要があったが、高価なメス材自体を使用しないことで、安価なテープ式紙おむつ41を提供することができる。
図4(A)は、図1に示す装置101の凹凸ローラー110及び110'の加工条件を示している。また、図4(B)は、スパンボンド原反不織布Pの不織布P'の仕様を示している。図4(B)に示す不織布P'に対して、図4(A)に示す加工条件で加工を施して所望の不織布1を得た。図5は、図4(A)に示す加工条件のうち、凸部と凹部との段差を3.5mm,凸部(凹部)の幅を2mm,ピッチを5mmで加工して得られた不織布1のJIS L3416の規格に基づいて測定したはく離強さ・引張せん断強さを示している。
図5に示すように、この不織布1のはく離強さは1.22N/cm、引張せん断強さは4.14N/cm2となり、加工前と比べて、実用上必要な係止力と柔らかさを十分に有することが明らかとなった。
なお、本発明は前述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
1 不織布
2 低密度部
3 高密度部
11 面ファスナー
21 メス材
22 オス材
41 テープ式紙おむつ
42 表面シート
43 バックシート
44 吸収体
45 ファスニングテープ
101 装置
110,110' ローラー
111,111' 外周面
112,112' 凸部
113,113' 凹部
P スパンボンド原反不織布
P' 不織布
2 低密度部
3 高密度部
11 面ファスナー
21 メス材
22 オス材
41 テープ式紙おむつ
42 表面シート
43 バックシート
44 吸収体
45 ファスニングテープ
101 装置
110,110' ローラー
111,111' 外周面
112,112' 凸部
113,113' 凹部
P スパンボンド原反不織布
P' 不織布
Claims (4)
- スパンボンド原反不織布に対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部を形成するとともに、高密度部を適宜残すように製造されてなることを特徴とする不織布。
- 前記低密度部は、周表面に、回転方向に沿って、2〜10mmのピッチでローラーの巾方向に溝が形成されることにより、巾方向に凸部と凹部とが交互に繰り返し形成され、一方のローラーの凹部(凸部)と他方のローラーの凸部(凹部)とが噛み合うように、対峙して反対方向に回転する2つのローラー間に、前記スパンボンド原反不織布から繰り出される不織布を通すことで前記凹部(凸部)と前記凸部(凹部)とが噛合した際の側面に形成され、
前記凸部と前記凹部との段差が1〜10mm,前記凸部(凹部)の幅が1〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載の不織布。 - 繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、高密度部が0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部が0.01〜0.1g/cm3であり、伸度が40〜400%であり、前記高密度部と前記低密度部との面積比が7:3〜3:7の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不織布。
- 不織布からなる面ファスナーのメス材であって、
前記不織布は、
スパンボンド原反不織布に対して、部分的にテンションを加えることにより、低密度部を形成するとともに、高密度部を適宜残すように製造されてなり、
前記低密度部は、周表面に、回転方向に沿って、2〜10mmのピッチでローラーの巾方向に溝が形成されることにより、巾方向に凸部と凹部とが交互に繰り返し形成され、一方のローラーの凹部(凸部)と他方のローラーの凸部(凹部)とが噛み合うように、対峙して反対方向に回転する2つのローラー間に、前記スパンボンド原反不織布から繰り出される不織布を通すことで前記凹部(凸部)と前記凸部(凹部)とが噛合した際の側面に形成され、
前記凸部と前記凹部との段差が1〜10mm,前記凸部(凹部)の幅が1〜5mmであって、
繊維素材が、ポリプロピレン,ポリエステル又はナイロンであり、目付が、15g/m2〜40g/m2であり、繊維径が、2〜10デニールであり、高密度部が0.1〜0.6g/cm3であり、低密度部が0.01〜0.1g/cm3であり、伸度が40〜400%であり、前記高密度部と前記低密度部との面積比が7:3〜3:7の範囲にあることを特徴とする面ファスナーのメス材。
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