JP2013209677A - プラズマ成膜装置及びプラズマ成膜方法 - Google Patents

プラズマ成膜装置及びプラズマ成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ワークの位置や寸法の変化などによるインピーダンス変動を抑え、それと共にワーク形状を限定することなく、連続成膜を行えるようにすることで生産性を向上させることのできるプラズマ成膜装置及びプラズマ成膜方法を提供する。
【解決手段】真空チャンバ2と、真空チャンバ2内に設けられた第1の電極3と、真空チャンバ2内でワーク基板Wの成膜位置23に近づけて設けられた第2の電極4と、第1及び第2の電極3、4に接続されて当該両電極3、4間に高周波電圧を印加する高周波電源5と、真空チャンバ2内に成膜用の原料ガスを供給するガス供給手段6と、ワーク基板Wを搬送する搬送手段22とを備えたプラズマCVD装置1であり、第2の電極4を、成膜位置23をワーク基板Wが通過することによるインピーダンス変動を抑えるパンチングメタルからなる補正電極板で構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマを用いる成膜装置及び成膜方法に関し、特にインピーダンス変動を抑えながら成膜できるプラズマ成膜装置及びプラズマ成膜方法に関する。
プラズマを用いる成膜方法として、プラズマ源で発生させたプラズマに成膜用の原料ガスを供給し、そのガスの分解物などの反応生成物を、ワーク上に堆積させる気相成長(CVD)による方法が広く知られている。かかる方法を実施するためのプラズマCVD装置は、一般に、内部を減圧可能な真空チャンバと、真空チャンバ内に設けられた第1の電極と、真空チャンバ内で第1の電極に平行に対向する第2の電極と、両電極に接続されて当該両電極間に高周波電圧を印加する高周波電源と、真空チャンバ内に成膜用の原料ガスを供給するガス供給手段などを備えている。
上記の装置では、高周波電源によって両電極間に高周波電圧を印加すると共に、ガス供給手段によって原料ガスを供給し、当該原料ガスを活性化させて成膜位置にプラズマを発生させてワークの表面を成膜する。成膜の際には、ワークの表面加工精度などによって、ワークと各電極との距離が若干変動する場合がある。この距離変動は、ワークの表面への均一な成膜を阻害する要因となる。そこで、例えば特許文献1には、回転駆動装置によって第1の電極を、第2の電極に対して軸芯を中心として回転させ、これにより、両電極間の距離を均一化させ、プラズマ密度を平均化させるプラズマ成膜装置が記載されている。
成膜するワークには、比較的小さい寸法のものから大きな寸法のもの、或いは長尺のシート状のものなどがある。特許文献1の装置を用いた場合、ワークを真空チャンバ内の載置台に設置して回転させなければならないため、大型のワークを処理するには、その大きさに合わせた装置を構築する必要がある。それ加え、ワークを処理毎に入れ替えなければならないこともあり、非効率であるといった欠点がある。
これに対し、特許文献2には、回転するドラムに長尺状のワークを送り込んで連続的に成膜するプラズマ成膜装置が記載されている。この装置では、電圧を印加したドラムの入口や出口、更にはドラムの周面近傍に複数の導電性アース板を配置することで、ドラムからの異常放電を抑制し、膜質の低下など防ぐものとしている。
特開平5−29273号公報 特開2011−122178号公報
特許文献2に記載のプラズマ成膜装置では、ロールから送り出したワークを、ドラム上に通過させ、ガイドロールに巻き取っていくという工程がある。かかる装置では、連続して成膜できる利点があるものの、ワーク形状がロール可能なものに限定される。さらに、以上のようなプラズマ成膜装置では、ワークの位置や寸法の変化などによるインピーダンス変動が存在し、インピーダンス変動を抑えるためには、ワークの位置や寸法の変化に追従させてマッチングコントロールを実施する必要もある。
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ワークの位置や寸法の変化などによるインピーダンス変動を抑え、それと共にワーク形状を限定することなく、連続成膜を行えるようにすることで生産性を向上させることのできるプラズマ成膜装置及びプラズマ成膜方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明のプラズマ成膜装置は、内部を減圧可能な真空チャンバと、前記真空チャンバ内に設けられた第1の電極と、前記真空チャンバ内で前記第1の電極に平行に対向しかつワーク基板の成膜位置に近づけて設けられた第2の電極と、前記第1及び第2の電極に接続されて当該両電極間に高周波電圧を印加する高周波電源と、前記真空チャンバ内に成膜用の原料ガスを供給するガス供給手段と、前記真空チャンバ内で前記ワーク基板を搬送し、前記成膜位置を通過させる搬送手段を備え、前記高周波電源によって前記両電極間に高周波電圧を印加すると共に、前記ガス供給手段によって前記真空チャンバ内に前記原料ガスを供給し、前記成膜位置にプラズマを発生させることで当該原料ガスを活性化させ、当該成膜位置に前記ワーク基板を通過させることによって、当該ワーク基板に成膜処理を施すプラズマ成膜装置であって、前記第2の電極が、前記成膜位置に前記ワーク基板を通過させることによるインピーダンス変動を抑える補正電極板からなり、この補正電極板は、多数の貫通孔を有する金属製の平板状に形成されていることを特徴とする。
上記本発明のプラズマ成膜装置によれば、第2の電極が成膜位置にワーク基板を通過させることによるインピーダンス変動を抑える補正電極板からなり、この補正電極板は多数の貫通孔を有する金属製の平板状に形成されているため、インピーダンス変動を抑えながら連続して成膜可能であり、ワーク基板の位置や寸法の変化に影響されずにインピーダンス変動を抑えることができる。それに加え、ワーク形状を限定することなく成膜処理を施すことができる。これにより、生産性を向上させることができる。
前記補正電極板の各貫通孔の寸法は適宜変更することができ、前記高周波電圧を印加することで発生する電磁波の波長をλとしたときに、前記補正電極板の各貫通孔の直径dが次の式を満たすことが好ましい。(λ/10000)<d<(λ/1000)
補正電極板の貫通孔の寸法を、上記関係式を満たすものとすることで、プラズマが第2の電極である補正電極板の裏側へ抜けてしまうのを防ぐことができる。
前記補正電極板の多数の貫通孔の配置や開口率は適宜変更することができ、前記補正電極板の前記多数の貫通孔が、千鳥状又は平行状に設けられており、当該多数の貫通孔による開口率が20%〜70%であることが好ましい。千鳥状又は平行状に設けられた多数の貫通孔を有する補正電極板の開口率を、20%〜70%とすることによって、インピーダンス変動の抑制効果が向上し、更に、補正電極板の存在に起因する真空排気速度の低下を抑えることができる。
前記ワーク基板の厚みが、前記第1の電極と前記第2の電極間の距離の1/10以下であることが好ましい。第1及び第2の電極間を、ワーク基板の厚みに対してこのような間隔をおいて配置すれば、ワーク基板への成膜をより均一なものとすることができる。
前記第1の電極と前記第2の電極間の距離が10mm〜500mmであることが好ましい。第1の電極と第2の電極間の距離を10mm〜500mmとすれば、供給された原料ガスを良好にプラズマ化することができる。
前記ワーク基板が通過する成膜位置から前記第2の電極までの距離が1mm〜20mmであることが好ましい。ワーク基板から、第2の電極である補正電極板までの距離を1mm〜20mmとすることによって、ワーク基板の位置変化を要因とするインピーダンス変動の抑制効果を更に向上させることができる。
前記第1の電極と前記高周波電源との間に、インピーダンスの整合をとるマッチングボックスを更に設けてもよい。インピーダンスの整合をとるマッチングボックスを設ければ、インピーダンス変動を更に小さくすることができる。
本発明にかかるプラズマ成膜装置に供給する原料ガスは、プラズマによって分解されワーク基板上に成膜できるものであれば限定されるものではなく、例えば、プラズマ重合用のモノマーガスが挙げられる。
本発明のプラズマ成膜方法は、真空チャンバ内に配置された第1の電極と当該真空チャンバ内で当該第1の電極に平行に対向配置されかつ多数の貫通孔を有する金属製の平板状に形成された第2の電極との間に高周波電圧を印加すると共に、当該真空チャンバ内に原料ガスを供給し、ワーク基板の成膜位置にプラズマを発生させることで前記原料ガスを活性化させ、当該成膜位置に当該ワーク基板を通過させ、当該成膜位置に当該ワーク基板が通過することによるインピーダンス変動を、当該第2の電極によって抑えながら成膜処理を施すことを特徴とする。
上記本発明のプラズマ成膜方法によれば、ワーク基板の成膜位置に当該ワーク基板を通過させ、当該成膜位置に当該ワーク基板が通過することによるインピーダンス変動を、多数の貫通孔を有する金属製の平板状に形成された第2の電極によって抑えながら成膜するので、インピーダンス変動を抑えながら連続して成膜可能であり、しかも、ワーク基板の位置や寸法の変化に影響されずにインピーダンス変動を抑えることができる。それに加え、ワーク形状を限定することなく成膜処理を施すことができる。これにより、生産性を向上させることができる。
上記の通り、本発明によれば、インピーダンス変動を抑えながら連続して成膜可能であり、ワーク基板の位置や寸法の変化に影響されずにインピーダンス変動を抑えることができる。それに加え、ワーク形状を限定することなく成膜処理を施すことができるようにしたので、生産性を向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置の模式図である。 補正電極板の一部を示す平面図である。 第1の電極、成膜位置、及び補正電極板の位置関係を説明するための図である。 プラズマCVD装置の概略を表す斜視図である。 メタルミラーの構成を表す構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるプラズマ成膜装置としてのプラズマCVD装置1の模式図である。プラズマCVD装置1は、導入した成膜用の原料ガスをプラズマにさらして、その分解物などを成膜対象物であるワーク基板Wの表面上で気相成長させる装置である。プラズマCVD装置1は、内部を減圧可能な真空チャンバ2と、この真空チャンバ2内に設けられた第1の電極3と、真空チャンバ2内で第1の電極3に平行に対向して設けられた第2の電極4と、第1及び第2の電極3、4に接続された高周波電源5と、真空チャンバ2内に成膜用の原料ガスを供給するガス供給手段6と、真空チャンバ2を減圧するための真空排気手段7とを備えている。
真空チャンバ2は、内部を所定の真空度とできるように密封可能に構成されている。真空チャンバ2には、ガス導入口10、排気口11などが設けられている。真空排気手段7は、真空チャンバ2の排気口11に配管12で繋げられた真空ポンプ13や、この配管12の途中に設けられた圧力調整弁14などで構成されており、真空チャンバ2内のガスを、排気口11を通じて排気させ、真空チャンバ2内を所定の真空度まで調節する。
真空チャンバ2のガス導入口10には、ガス供給手段6であるガス供給源9が配管16で繋げられており、配管16の途中に設けられたガス導入バルブ17によって真空チャンバ2内に、所定の原料ガスが導入される。用いる原料ガスは限定されるものではなく、例えば、プラズマ重合用のモノマーガスとして、HMDSO、TMS、或いはCO2やエチレンなどが挙げられる。プラズマCVD装置1で成膜するワーク基板Wは限定されるものではなく、例えば、基材上に反射膜などの機能層を形成したものなどが挙げられる。成膜する薄膜は限定されるものではなく、例えば、保護層としての誘電体膜、フッ素化合物、DLC膜などが挙げられる。
高周波電源5は、第1及び第2の電極3、4に電気的に接続されており、数十kHz〜数十MHzの高周波電力を両電極3、4に投入する。第1の電極3(図1上側)と第2の電極4(図1下側)とが互いに平行状に配置されている。第1の電極3はカソード電極であり、高周波電源5とこれに接続された当該第1の電極3との間に、マッチングボックス18が接続されている。高周波電源5に接続された第2の電極4はアノード電極であり、接地されている。
導入する原料ガスの流量や、真空チャンバ2内の減圧度などによってインピーダンスが変動し、プラズマの放電状態が変化する。高周波電源5と第1の電極3との間に介在するマッチングボックス18は、変化するプラズマ放電のインピーダンスマッチングを行って、安定したプラズマ放電を可能とするものである。
真空チャンバ2に、ワーク基板Wを搬入する搬入口20と、搬出する搬出口21が設けられている。搬入口20は、ワーク基板Wを搬入して、密閉できるように構成されると共に、搬出口21は、ワーク基板Wを搬出して、密閉できるように構成されている。真空チャンバ2内には、更に、ワーク基板Wを搬入口20から搬出口21まで搬送する搬送手段22が構築されている。
搬送手段22は、第2の電極4を保持するホルダーや、これをスライドさせるガイド機構などで構成されている。この搬送手段22によって、搬入口20から入ってきたワーク基板Wが、第1の電極3と第2の電極4との間の成膜位置23を通過し、搬出口21へ搬送される。ワーク基板Wが通過する成膜位置23は、当該第2の電極4に近づけられている。
プラズマCVD装置1の全体の動作を制御するための制御部24が設置されており、例えばプロセス圧力、プロセス温度、ガス供給量の制御のための指示、高周波電源5のオン・オフを含めた供給電力の指示などが行われるようになっている。
第2の電極4は、金属製の平板状に形成された補正電極板30で構成されている。図2は補正電極板30の一部を示す平面図である。補正電極板30は、多数の貫通孔31を有するパンチングメタルとして形成されたものである。本実施形態の補正電極板30の多数の貫通孔31は、規則正しく60°の千鳥状(角千鳥状)に配設されており、隣合う2つの貫通孔31間の中心間距離t1は15mmとなっている。本実施形態の各貫通孔31の直径dは10mmである。
第2の電極4が、パンチングメタルで構成された補正電極板30からなることによって、成膜位置23をワーク基板Wが通過することによるインピーダンス変動を抑えることができる。すなわち、成膜位置23にワーク基板Wが通過していくと、このワーク基板Wの通過によってインピーダンスが変動しようとするが、多数の貫通孔31を有する補正電極板30の作用によってインピーダンス変動が抑えられる。
補正電極板30の各貫通孔31の直径dは、高周波電圧を印加することで発生する電磁波の波長をλとしたときに、次の式を満たすことが好ましい。
(λ/10000)<d<(λ/1000)
dが(λ/10000)よりも小さければ、補正電極板30を設置した事によるコンダクタンスの低下による基板周囲での真空度の悪化が発生し、(λ/1000)よりも大きければ、電磁波が遮蔽され難くなってプラズマが裏側へ抜けてしまうことにより、成膜に支障をきたすからである。例えば、13.56MHzの電磁波の波長λはおよそ22mであり、この場合の各貫通孔31の直径dの好ましい値は2.2mm〜22.0mmである。
多数の貫通孔の配列状態は60°の千鳥状に限定されるものではなく、同じ千鳥状でも例えば45°の千鳥状、80°の千鳥状など、配列角度を変更してもよい。多数の貫通孔を、任意の方向及びこれと直交する方向に平行状に整列させてもよい。その他、多数の貫通孔を、同心円状、ランダム状などに配設してもよい。
補正電極板30における多数の貫通孔31による開口率は20%〜70%であることが好ましい。多数の貫通孔31による開口率が20%より小さいと、コンダクタンスの低下による基板周囲での真空度が悪化すると共に、補正電極板30でワーク基板W周辺のガス流を遮ることになり、機器配置の自由度が低下し、開口率が70%より大きいと、補正電極板30からプラズマが漏れ出すと共に、インピーダンス変動を抑える効果が減少するからである。開口率を20%〜70%とすることによって、インピーダンス変動の抑制効果が向上し、補正電極板30を設けたことによる真空排気速度の低下が抑えられ、当該補正電極板30の構造を一体型のパンチングメタルにすることで十分な電流を流すことができる。
図3は第1の電極3、成膜位置23(ワーク基板W)、及び補正電極板30(第2の電極4)の位置関係を説明するための図である。第1の電極3と補正電極板30間の距離t2は10mm〜500mmが好ましい。第1の電極3と補正電極板30間の距離t2が10mmより小さいと良好な成膜状態を得ることができず、500mmよりも大きいと、原料ガスの良好なプラズマ化が困難となる。第1の電極3と補正電極板30間の距離を10mm〜500mmとすれば、原料ガスを良好にプラズマ化することができ、高品質の薄膜が得られる。
ワーク基板Wの厚みt3は、第1の電極3と補正電極板30間の距離t2の1/10以下であることが好ましい。第1の電極3と補正電極板30を、ワーク基板Wの厚みt3に対してこのような間隔をおいて配置すれば、ワーク基板Wへのより均一な成膜が可能となる。
ワーク基板Wが通過する成膜位置23から補正電極板30までの距離t4は1mm〜20mmであることが好ましい。成膜位置23から補正電極板30までの距離t4が20mmを超えれば、ワーク基板Wの位置変化によるインピーダンス変動を十分に抑えることができず、1mmよりも小さいと、装置の組立て精度とプラズマCVD中の加熱による変形に対応しながらワーク基板Wを搬送することが困難となるからである。成膜位置23から補正電極板30までの距離t4を1mm〜20mmとすることによって、ワーク基板Wが成膜位置23を通過している状態でも、インピーダンス変動を十分に抑制することができる。
補正電極板30の厚みt5は1mm〜10mmであることが好ましい。補正電極板30の厚みが1mmより小さいと強度が低下し、10mmを超えると、製作工数の増大及び装置の重量増加、コンダクタンスの低下に繋がるからである。補正電極板30の平面寸法は、少なくとも第1の電極3の2倍より大きく、ワーク基板Wの搬送経路に沿って網羅する寸法がより好ましい。ワーク基板Wの搬送におけるインピーダンスの変動を抑制すると共に、アーキング等の異常放電による成膜停止を抑制できるからである。
上記の構成以外にも、プラズマCVD装置1には適切に成膜を行うための構成が備えられている。以上の構成によって、第1の電極3と補正電極板30に高周波電圧が印加され、ガス供給手段6によって真空チャンバ2内に原料ガスが供給され、この原料ガスが活性化されて成膜位置23にプラズマが発生され、ワーク基板Wが、第1の電極3と補正電極板30との間の成膜位置23を通過するようになっている。
次に、プラズマCVD装置1を用いてワーク基板Wへ薄膜を成膜する工程について説明する。真空排気手段7を作動させて真空チャンバ2内を真空排気する。その後、ガス供給手段6によって、真空チャンバ2内に原料ガスを送り込み、この原料ガスによって真空チャンバ2内の圧力を一定に保った状態にする。この状態で、カソード電極である第1の電極3と、アノード電極であり補正電極板30である第2の電極4に、高周波電源5によって高周波電圧を印加する。その結果、第1の電極3と補正電極板30との間で原料ガスがプラズマ状態となり、活性なラジカルやイオンが生成され、ワーク基板W上へ堆積、成膜される。
第1の電極3と補正電極板30との間の成膜位置23を通過するワーク基板W上に、プラズマ状態となった原料ガスが気相成長し、薄膜が堆積していく。その際、多数の貫通孔31を有する金属製の平板状に形成された補正電極板30(第2の電極4)によって、成膜位置23をワーク基板Wが通過することによるインピーダンス変動が抑えられる。
特に、本実施形態では、ワーク基板Wが第1の電極3と補正電極板30との間を通過し、当該ワーク基板Wの多様な方向への位置ずれが生じる場合があるにもかかわらず、インピーダンス変動を十分に抑えることができる。ワーク基板Wの位置ずれなどによる位置変動だけでなく、ワーク基板Wの寸法が変更された場合であっても、インピーダンス変動を抑える効果は低下しない。すなわち、成膜位置23に通過させるワーク基板Wの位置や寸法の変化があっっても、インピーダンス変動を抑えながら成膜することができる。そのため、得られた薄膜は非常に均一なものとなり、高品質な成膜品を得ることができる。
上記本実施形態のプラズマCVD装置1及びプラズマ成膜方法によれば、成膜位置23にワーク基板Wを通過させ、成膜位置23にワーク基板Wが通過することによるインピーダンス変動を、多数の貫通孔31を有する金属製の平板状に形成された補正電極板30によって抑えながら成膜するので、インピーダンス変動を抑えながら連続して成膜可能であり、しかも、ワーク基板Wの位置や寸法の変化に影響されずにインピーダンス変動を抑えることができる。従って、マッチングボックス18を頻繁に作動させる必要はなく、成膜中のマッチングコントロールを最小に抑えることができる。それに加え、ワーク形状を限定することなく成膜処理を施すことができる。これにより、生産性を向上させることができる。
しかも、多数の貫通孔31を有することによって、高いコンダクタンスを確保し、成膜されるワーク基板W周囲の真空度を良好な状態に保つ事ができる。また、ワーク基板W周囲での高いコンダクタンスを確保できることにより、貫通孔を設けない場合に比べ、真空排気にかかる時間を短縮すると共に、成膜中にワーク基板W周辺で発生した不要なガス種を効果的に排気する事ができる。これにより、安定した成膜と高い真空排気を実現することができ、生産性を向上させることができる。
図4はプラズマCVD装置40の概略を表す斜視図である。図4に示すプラズマCVD装置40の真空チャンバ41は、横長の金属枠体で構成されており、当該真空チャンバ41の左右にはワーク基板Wを出し入れする搬入口42、搬出口42が設けられている。第1の電極43は真空チャンバ41内で図の手前側に縦長に設置されている。真空チャンバ41内を横断するように設けられた第2の電極である補正電極板44は、真空チャンバ41内で図の奥側に設置されている。第1の電極43と補正電極板44は、互いに平行に配置されている。その他、真空チャンバ41には、ガスを供給する配管が繋げられたガス供給口45、真空引きする排気口46などが設けられており、真空チャンバ41外には、制御盤47や、図示しない真空ポンプ、ガス供給機器などが設置されている。第1の電極43と補正電極板44の間には、ワーク基板Wを長手方向に沿って搬入口42から搬出口42へ搬送する搬送機構48が設置されている。
ワーク基板Wが真空チャンバ41の搬入口42から搬入され、第1の電極43と補正電極板44の間の成膜位置49を通過し、搬出口42まで搬送され、成膜位置49を通過するワーク基板W上に、プラズマによって分解された原料ガスが気相成長し、薄膜が形成される。その際、補正電極板44によって、成膜位置49をワーク基板Wが通過することによるインピーダンス変動が抑えられ、ワーク基板Wに形成された薄膜は非常に均一なものとなる。
本実施例では、図5に示す反射鏡50を製作するために、搬入室、下地成膜室、反射膜成膜室がこの順にプラズマCVD装置40の前に設置され、プラズマCVD装置40の後に、搬出室が設置されている。搬入室にて、基材が搬入され、続いて下地成膜室でアンダーコートが成膜され、反射膜成膜室で光学反射膜が成膜され、プラズマCVD装置40でトップコート層である保護層を成膜した後、搬出室で成膜されたワーク基板Wが搬出される。なお、本実施例では反射鏡50を製作するが、光学ミラー、金属製ミラーなどと呼ばれているものであってもよい。
プラズマCVD装置40を用いて反射鏡50の保護層51を成膜した。製作条件は次のとおりである。補正電極板44として、孔径:5mm、ピッチ:3mm〜4mm、60°千鳥状配置のパンチングメタルを用いた。積層構造は図5に示す4層とし、基材52である600mm×600mmのSUSに、アンダーコート53(アンカー層)としてTiO2やAl2O3, 或いはSiO2に代表される誘電体膜を形成し、反射膜54(反射層)としてAlやAg、又はAg合金(Pd等を含有させた銀合金)を形成し、トップコートの保護層51としてはHMDSO(ヘキサメチルジシロキサン[Si(CH3)3]2O])をプラズマ重合にて成膜した。保護層51としてTMS(テトラメチルシラン[Si(CH3)4])を採用する事もできる。他の条件は、HMDSO分圧、TMS分圧:2Pa、電源周波数:13.56MHz、高周波電力:1Kw、電極間距離:70mm、重合時間60sec、保護層膜圧:200nmとした。反射膜54上の保護層であるHMDSO層やTMS層は非常に均一に成膜され、反射率、耐久性も良好なものであり、高品質な反射鏡50を製作することができた。
上記の実施形態及び実施例は本発明にかかるプラズマ成膜装置及びプラズマ成膜方法の一例を示したものであり制限的なものではない。プラズマ成膜装置に他の機材などを設けることや、プラズマ成膜方法に他の工程を設けてもよい。上記実施形態及び実施例では、プラズマCVD装置の例で示したが、電場と磁場の相互作用により、マグネトロン放電が発生し、ワーク基板上に蒸着膜が成膜されるRFマグネトロンスパッタ装置に本発明を適用してもよい。
1、40 プラズマCVD装置
2、41 真空チャンバ
3、43 第1の電極
4、44 第2の電極、補正電極板
5 高周波電源
6 ガス供給手段
7 真空排気手段
13 真空ポンプ
18 マッチングボックス
22 搬送手段
23、49 成膜位置
24 制御部
31 貫通孔
48 搬送機構
50 反射鏡
51 保護層
W ワーク基板
t1 貫通孔間の中心間距離
t2 第1の電極と第2の電極間の距離
t3 ワーク基板の厚み
t4 成膜位置から補正電極板までの距離

Claims (9)

  1. 内部を減圧可能な真空チャンバと、
    前記真空チャンバ内に設けられた第1の電極と、
    前記真空チャンバ内で前記第1の電極に平行に対向しかつワーク基板の成膜位置に近づけて設けられた第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極に接続されて当該両電極間に高周波電圧を印加する高周波電源と、
    前記真空チャンバ内に成膜用の原料ガスを供給するガス供給手段と、
    前記真空チャンバ内で前記ワーク基板を搬送し、前記成膜位置を通過させる搬送手段と、を備え、
    前記高周波電源によって前記両電極間に高周波電圧を印加すると共に、前記ガス供給手段によって前記真空チャンバ内に前記原料ガスを供給し、前記成膜位置にプラズマを発生させることで当該原料ガスを活性化させ、当該成膜位置に前記ワーク基板を通過させることによって、当該ワーク基板に成膜処理を施すプラズマ成膜装置であって、
    前記第2の電極が、前記成膜位置に前記ワーク基板を通過させることによるインピーダンス変動を抑える補正電極板からなり、この補正電極板は、多数の貫通孔を有する金属製の平板状に形成されていることを特徴とするプラズマ成膜装置。
  2. 前記高周波電圧を印加することで発生する電磁波の波長をλとしたときに、前記補正電極板の各貫通孔の直径dが下記の式を満たすことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ成膜装置。
    (λ/10000)<d<(λ/1000)
  3. 前記補正電極板の前記多数の貫通孔が、千鳥状又は平行状に設けられており、当該多数の貫通孔による開口率が20%〜70%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ成膜装置。
  4. 前記ワーク基板の厚みが、前記第1の電極と前記第2の電極間の距離の1/10以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ成膜装置。
  5. 前記第1の電極と前記第2の電極間の距離が10mm〜500mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ成膜装置。
  6. 前記ワーク基板が通過する成膜位置から前記第2の電極までの距離が1mm〜20mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ成膜装置。
  7. 前記第1の電極と前記高周波電源との間に、インピーダンスの整合をとるマッチングボックスが更に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ成膜装置。
  8. 前記原料ガスが、プラズマ重合用のモノマーガスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマ成膜装置。
  9. 真空チャンバ内に配置された第1の電極と当該真空チャンバ内で当該第1の電極に平行に対向配置されかつ多数の貫通孔を有する金属製の平板状に形成された第2の電極との間に高周波電圧を印加すると共に、当該真空チャンバ内に原料ガスを供給し、ワーク基板の成膜位置にプラズマを発生させることで前記原料ガスを活性化させ、当該成膜位置に当該ワーク基板を通過させ、当該成膜位置に当該ワーク基板が通過することによるインピーダンス変動を、当該第2の電極によって抑えながら成膜処理を施すことを特徴とするプラズマ成膜方法。
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