JP2013209627A - 樹脂用組成物の重合停止方法 - Google Patents

樹脂用組成物の重合停止方法 Download PDF

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輝雄 嘉村
Eiji Koshiishi
英二 輿石
Motoharu Takeuchi
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Abstract


【課題】
エピチオ基を有する化合物に硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物とチオール基を1 分子中に1 個以上有する化合物を加えた樹脂用組成物と該組成物を硬化する触媒との混合物の重合反応を速やかにかつ簡便に停止させる方法を提供すること。
【解決手段】
エピチオ基を有する化合物に硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物とチオール基を1 分子中に1 個以上有する化合物を加えた樹脂用組成物と該組成物を硬化する触媒との混合物に酸性リン酸エステル類、酸性亜リン酸エステル類、有機スルホン酸類、ハロゲン化ケイ素類、ハロゲン化スズ類、ハロゲン化ゲルマニウム類およびハロゲン化アンチモン類から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加することにより、重合反応を速やかにかつ簡便に停止できることが可能となった。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂用組成物の重合反応を停止する方法に係わる。
プラスチック材料は軽量かつ靭性に富み、また染色が容易であることから、各種光学材料、特に眼鏡レンズに近年多用されている。光学材料、中でも眼鏡レンズに特に要求される性能は、低比重、高透明性および低黄色度、光学性能として高屈折率と高アッベ数であり、高耐熱性、高強度などである。高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減する。高強度は二次加工を容易にするとともに、安全性等の観点からも重要である。光学性能の高屈折率および高アッベ数、高耐熱性を同時に実現する手法として、エピスルフィド化合物の使用があげられるが、該化合物からなる光学材料については、さらなる高屈折率化を達成するため、エピスルフィド化合物に硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物を添加する手法の検討や、さらにチオール化合物を添加する手法の検討が行われている( 特許文献1〜4参照)。
しかしながら、これらエピチオ基を有する化合物を含有する樹脂用組成物は、重合触媒存在下での反応性が高いため、操作ミスなどで高い発熱、発泡および発煙等を伴う異常重合を引き起こす場合があった。さらに、エピチオ基を有する化合物に硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物とチオール基を1分子中に1個以上有する化合物を加えた組成物に関しては、その反応が複数あり反応性も異なることから、異常反応を引き起こす可能性が高い。さらには、エピチオ基を有する化合物を含む樹脂用組成物は硫黄含有率が高いために、この異常重合が生じる際に、硫黄酸化物、硫化水素および一酸化炭素等の有害なガスが発生する危険性もある。このようなことから、重合触媒を含む該組成物の重合反応を速やかにかつ簡便に停止させる方法の開発が望まれていた。
特開平9−110979号公報 特開2001−002783号公報 特開2004−137481号公報 特開2004−269673号公報
本発明が解決しようとする課題は、エピチオ基を有する化合物に硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物とチオール基を1 分子中に1 個以上有する化合物を加えた樹脂用組成物と該組成物を硬化する触媒との混合物の重合反応を速やかにかつ簡便に停止させる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、エピチオ基を有する化合物に硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物とチオール基を1 分子中に1 個以上有する化合物を加えた樹脂用組成物と該組成物を硬化する触媒との混合物に酸性リン酸エステル類、酸性亜リン酸エステル類、有機スルホン酸類、ハロゲン化ケイ素類、ハロゲン化スズ類、ハロゲン化ゲルマニウム類およびハロゲン化アンチモン類から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加することにより、重合反応を速やかにかつ簡便に停止できることを見出し、解決に至った。
本発明によれば、エピチオ基を有する化合物に硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物とチオール基を1 分子中に1 個以上有する化合物を加えた樹脂用組成物と該組成物を硬化する触媒との混合物の重合反応を速やかにかつ簡便に停止させることができる。
すなわち、本発明は、以下のようである。
下記(a)、(b)及び(c)化合物と重合触媒を含む樹脂用組成物に、酸性リン酸エステル類、酸性亜リン酸エステル類、有機スルホン酸類、ハロゲン化ケイ素類、ハロゲン化スズ類、ハロゲン化ゲルマニウム類およびハロゲン化アンチモン類から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加することにより、前記樹脂用組成物の重合反応を停止する方法。
(a)下記(1)式で表される分子内に2個のエピスルフィド基を有する化合物
Figure 2013209627
(mは0〜4の整数、nは0〜2の整数)
(b)硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物
(c)チオール基を1 分子中に1 個以上有する化合物
本発明の(a)化合物である上記(1)式で表される分子内に2個のエピスルフィド基を有する化合物としては、具体的にはビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)トリスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、およびビス(β−エピチオプロピルチオエチル)スルフィドなどが挙げられる。
中でも好ましい具体例は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(式(2))および/またはビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(式(3))であり、最も好ましい具体例は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィドである。
Figure 2013209627
ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド
Figure 2013209627
ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド
本発明における、(a)化合物の割合は、各化合物の種類によって得られる光学材料の光学特性、強度、耐熱性など各種物性等により一概には決められないが、(a)、(b)及び(c)化合物の合計を100質量部とした場合、通常は30〜95質量部使用するが、好ましくは40〜95質量部、特に好ましくは50〜90質量部である。
本発明で使用する(b)化合物である硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物は、硫黄原子および/またはセレン原子を1個以上有する全ての無機化合物を包含する。(a)化合物は、化合物中の硫黄原子および/またはセレン原子の合計質量の割合が30質量%以上であることが好ましい。この割合が、30質量%未満である場合、光学材料用組成物中の硫黄原子および/またはセレン原子の質量の割合上昇分が小さいため、樹脂の高屈折率化の効果が小さくなる場合がある。硫黄原子を有する無機化合物の具体例としては、硫黄、硫化水素、二硫化炭素、セレノ硫化炭素、硫化アンモニウム、二酸化硫黄、三酸化硫黄等の硫黄酸化物、チオ炭酸塩、硫酸およびその塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、過硫酸塩、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩、二塩化硫黄、塩化チオニル、チオホスゲン等のハロゲン化物、硫化硼素、硫化窒素、硫化珪素、硫化リン、硫化砒素、金属硫化物、金属水硫化物等があげられる。これらの中で好ましいものは硫黄、二硫化炭素、硫化リン、硫化セレン、金属硫化物および金属水硫化物であり、より好ましくは硫黄、二硫化炭素および硫化セレンであり、特に好ましくは硫黄である。
セレン原子を有する無機化合物とは、硫黄原子を含む無機化合物の具体例として挙げたセレノ硫化炭素、硫化セレンを除き、この条件を満たす無機化合物をすべて包括する。具体例としては、セレン、セレン化水素、二酸化セレン、二セレン化炭素、セレン化アンモニウム、二酸化セレン等のセレン酸化物、セレン酸およびその塩、亜セレン酸およびその塩、セレン酸水素塩、セレノ硫酸およびその塩、セレノピロ硫酸およびその塩、四臭化セレン、オキシ塩化セレン等のハロゲン化物、セレノシアン酸塩、セレン化硼素、セレン化リン、セレン化砒素、金属のセレン化物等があげられる。これらの中で好ましいものは、セレン、二セレン化炭素、セレン化リン、金属のセレン化物であり、特に好ましくはセレンおよび二セレン化炭素である。
これら硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物は、単独でも、2種類以上を混合して使用しても良い。
本発明における、(b)化合物の割合は、各化合物の種類によって得られる光学材料の光学特性、強度、耐熱性など各種物性等により一概には決められないが、(a)、(b)及び(c)化合物の合計を100質量部とした場合、通常は0.1〜50質量部使用するが、好ましくは0.5〜45質量部、特に好ましくは5〜40質量部である。
本発明で使用する(c)化合物は、チオール基を1 分子中に1 個以上有する化合物をすべて包括するが、その具体例としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、アリルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、i−プロピルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ノニルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、フェニルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、3−メチルフェニルメルカプタン、4−メチルフェニルメルカプタン、4−クロロベンジルメルカプタン、4−ビニルベンジルメルカプタン、3−ビニルベンジルメルカプタン、メチルメルカプトプロピオネート、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−1,3−プロパンジオール、メルカプト酢酸、メルカプトグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、メタンジチオール、1,2−ジメルカプトエタン、1,2−ジメルカプトプロパン、1,3−ジメルカプトプロパン、2,2−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルオキシ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、1,2,3−トリメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,4−ジメルカプトブタン、2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,4−ジメルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、 ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1−チアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1−チアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)チオフェン、1,2−エピチオメルカプトエタン、1,2−エピチオ−1,2−ジメルカプトエタン、1,2−エピチオ−1,2,3,4−テトラメルカプトエタン、1,2−エピチオ−3−メルカプトプロパン、1,2−エピチオ−3,3−ジメルカプトプロパン、1,2−エピチオ−3,3,3−トリメルカプトプロパン、2,3−エピチオ−1,4−ジメルカプトブタン、2,3−エピチオ−1,1,4,4−テトラメルカプトブタン、1,2−エピチオ−5−メルカプト−4−チアペンタン、1,2−エピチオ−5,5−ジメルカプト−4−チアペンタン、1,2−エピチオ−5,5,5−トリメルカプト−4−チアペンタン、1,2:6,7−ジエピチオ−1,7−ジメルカプト−5−チアヘプタン、1,2:6,7−ジエピチオ−3,5−ジメルカプト−5−チアヘプタン等の脂肪族メルカプタン類、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、o−メタキシリレンジチオール、m−メタキシリレンジチオール、p−メタキシリレンジチオール、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4、4’−ジメルカプトビフェニル、ビス(4−メルカプトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)スルホン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、4−ヒドロキシチオフェノール、メルカプト安息香酸等の芳香族環状メルカプタン類があげられる。さらに、これらチオール化合物の2量体〜20量体といったスルフィドオリゴマーやジスルフィドオリゴマーなどのチオール類をあげることができる。
本発明の対象となる(c)化合物に関してはこれらに限定されるわけではなく、また、これらは単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。この中でも、好ましくは、メルカプト基を1分子あたり2個以上有する化合物およびOH基とメルカプト基を1分子あたり各々1個ずつ以上有する化合物である。さらに好ましくは、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5一ビス(メルカプトメチル)一1,4一ジチアン、o−キシリレンジチオール、m−キシリレンジチオール、p−キシリレンジチオールである。
本発明における、(c)化合物の割合は、各化合物の種類によって得られる光学材料の光学特性、強度、耐熱性など各種物性等により一概には決められないが、(a)、(b)及び(c)化合物の合計を100質量部とした場合、通常は1〜50質量部使用するが、好ましくは3〜40質量部、特に好ましくは5〜30質量部である。
本発明における(a)、(b)及び(c)化合物の重合硬化のために、添加する重合触媒としては、アミン類、ホスフィン類、第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類、アルデヒドとアミン系化合物の縮合物、カルボン酸とアンモニアとの塩、ウレタン類、チオウレタン類、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩、第3級スルホニウム塩類、第2級ヨードニウム塩類などを挙げることができる。
重合触媒は、重合硬化を発現するものであれば、特に限定されるものではない。また、これら重合触媒は単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。これらのうち好ましい具体例は、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−アミノエタノール、N−メチルジシクロヘキシルアミン等のアミン類、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の第4級ホスホニウム塩が挙げられる。
重合触媒の添加量は、(a)、(b)及び(c)化合物の合計100質量部に対して、0.001〜5質量部であり、好ましくは0.002〜5質量部であり、より好ましくは0.005〜3質量部である。
本発明の(a)、(b)及び(c)化合物と重合触媒を含む樹脂用組成物には、重合硬化する際に、ポットライフの延長や重合発熱の分散化などを目的として、必要に応じて重合調節剤を添加することができる。重合調節剤はケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンのハロゲン化物である。好ましくはケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンの塩化物であり、さらに好ましくはアルキル基を有するゲルマニウム、スズ、アンチモンの塩化物である。最も好ましいものの具体例はジブチルスズジクロライド、ブチルスズトリクロライド、ジオクチルスズジクロライド、オクチルスズトリクロライド、ジブチルジクロロゲルマニウム、ブチルトリクロロゲルマニウム、ジフェニルジクロロゲルマニウム、フェニルトリクロロゲルマニウム、トリフェニルアンチモンジクロライドである。これら重合調節剤は、単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
重合調節剤の添加量は、(a)、(b)および(c)化合物の合計100質量部に対して、0.001〜5質量部であり、好ましくは0.002〜5質量部であり、より好ましくは0.005〜3質量部である。
本発明の(a)、(b)及び(c)化合物と重合触媒を含む樹脂用組成物において、任意成分として、公知の酸化防止剤、ブルーイング剤、紫外線吸収剤、消臭剤等の各種添加剤を必要に応じて加え、得られる材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。また、本発明の光学材料が重合中に型から剥がれやすい場合には公知の外部および/または内部密着性改善剤を、または型から剥がれにくい場合には公知の外部および/または内部離型性改善剤を、重合硬化に用いるガラスもしくは金属製の型に塗布するか、光学材料用組成物に添加して、得られる光学材料と型の密着性または離型性を向上せしめることも有効である。
本発明においては、(a)化合物と(b)化合物に重合触媒を加え、1分から24時間、0℃から150℃で予備重合反応をあらかじめ行い、樹脂用組成物を調製しても良い。
本発明の(a)、(b)及び(c)化合物と重合触媒を含む樹脂用組成物の重合反応を停止する際に使用する化合物は、酸性リン酸エステル類、酸性亜リン酸エステル類、有機スルホン酸類、ハロゲン化ケイ素類、ハロゲン化スズ類、ハロゲン化ゲルマニウム類、またはハロゲン化アンチモン類から選ばれる少なくとも一種の化合物であり、好ましくはハロゲン化水素ガス発生の恐れのない酸性リン酸エステル類、酸性亜リン酸エステル類、有機スルホン酸類である。さらに、酸性亜リン酸エステル類は、樹脂用組成物との相溶性が高く速やかに樹脂用組成物と均一に混合し重合反応を停止できることからより好ましく、なかでも、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、ジエチルハイドロゲンホスファイトがもっとも好ましい。これらの化合物は、(a)、(b)及び(c)化合物と重合触媒を含む樹脂用組成物にそのまま添加しても良いし、有機溶媒あるいは水に溶解させた溶液を添加しても良い。
重合反応を停止する際に使用する化合物の添加量は、(a)、(b)および(c)化合物と重合触媒を含む樹脂用組成物の合計100質量部に対して、0.001〜100質量部、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜80質量部添加することができる。
本発明の(a)、(b)及び(c)化合物と重合触媒を含む樹脂用組成物での異常重合は、(a)、(b)及び(c)化合物の劣化、樹脂用組成物への重合触媒の過剰量添加、樹脂用組成物の過剰な加熱や除熱不足、有機化合物や無機化合物の混入などに代表される操作ミスなどにより引き起こされ、通常では樹脂用組成物が設定温度に対して10℃以上の発熱が見られたり、変色、発泡および発煙等が起こる。異常重合が引き起こされたときに、本発明の重合反応を停止する際に使用する化合物あるいはその溶液を添加して、(a)、(b)及び(c)化合物と重合触媒を含む樹脂用組成物の異常な重合反応を停止するためには、樹脂用組成物と重合反応を停止する際に使用する化合物とが良好に混合され、出来る限り均一とするために十分に撹拌することが望ましい。撹拌混合が不十分で十分な均一性が無い場合、十分な重合停止効果が得られず局所的に異常重合が進行し発泡や発煙が生じることがある。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(a)化合物としてビス(β−エピチオプロピル)スルフィド420g、(b)化合物として硫黄25g、(c)化合物としてビス(2−メルカプトエチル)スルフィド25g、重合触媒としてテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド5gを混合撹拌して均一液とした後、50℃に加熱したところ組成物は60℃以上に発熱、発泡、発煙し始めた。この異常な重合反応が開始した組成物にジフェニルハイドロゲンホスファイト100gを加え速やかに撹拌混合したところ発熱、発泡と発煙は収まり異常な重合反応は停止した。結果を表1に示す。
実施例2〜9
実施例1と同様の操作を、表1に示す重合反応を停止する際に使用する化合物を用いる以外は、これを繰り返した。結果を表1に示す。
どの場合も、組成物の異常な重合反応は停止した。
実施例10
(a)化合物としてビス(β−エピチオプロピル)スルフィド460g、(b)化合物として硫化セレン3g、(c)化合物としてm−キシリレンジチオール37g、重合触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド4gを混合撹拌して均一液とした後、50℃に加熱したところ組成物は60℃以上に発熱し発煙および発泡し始めた。この異常な重合反応が開始した組成物にトルエン100gに溶解させたジフェニルハイドロゲンホスファイト100gを加え速やかに撹拌混合したところ発熱と発煙および発泡は収まり異常な重合反応は停止した。結果を表1に示す。
実施例11
(a)化合物としてビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド420g、(b)化合物として二硫化炭素35g、(c)化合物として2,5一ビス(メルカプトメチル)一1,4一ジチアン45g、重合触媒としてテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド5g、重合調節剤としてジブチルスズジクロライド2gを混合撹拌して均一液とした後、50℃に加熱したところ組成物は60℃以上に発熱し、発泡し始めた。この異常な重合反応が開始した組成物に水100gに溶解させたモノブチルトリクロロスズ200gを加え速やかに撹拌混合したところ発熱と発泡は収まり異常な重合反応は停止した。結果を表1に示す。
実施例12
(a)化合物としてビス(β−エピチオプロピル)スルフィド380gに(b)化合物として硫黄90gを加え、窒素気流下70℃に加温して硫黄を溶解させ均一な溶液とした。さらに、予備重合触媒として2−メルカプト−1−メチルイミダゾール2.5gを加え硫黄が20℃においても析出しなくなるまで70℃で予備重合反応を行った。なお、本実施例では、予備重合反応を硫黄が約50モル%反応したところで停止させており、得られた組成物中には硫黄が残存した状態にある。硫黄の反応割合は、反応液を液体クロマトグラフィー分析ならびに屈折率を測定することにより求めた。その後、得られた予備反応物を20℃に冷却し、そこへ、あらかじめ重合触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド1gと重合調節剤としてジブチルスズジクロライド2gを(c)化合物ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド30gに溶解させた溶液を加え、混合撹拌して均一液な組成物とした。得られた組成物を70℃に加熱したところ組成物は80℃以上に発熱し、発煙および発泡し始めた。この異常な重合反応が開始した組成物にジフェニルハイドロゲンホスファイト50gを加え速やかに撹拌混合したところ発熱と発煙および発泡は収まり異常な重合反応は停止した。結果を表1に示す。
実施例13〜15
実施例12と同様の操作を、表1に示す重合反応を停止する際に使用する化合物を用いる以外は、これを繰り返した。結果を表1に示す。
どの場合も、組成物の異常な重合反応は停止した。
比較例1〜5
実施例1と同様の操作を、表1に示す重合反応を停止する際に使用する化合物を用いる以外は、これを繰り返した。結果を表1に示す。
どの場合も、組成物の異常な重合反応は停止せず、発熱および発泡は収まらなかった。
比較例6〜10
実施例12と同様の操作を、表1に示す重合反応を停止する際に使用する化合物を用いる以外は、これを繰り返した。結果を表1に示す。
どの場合も、組成物の異常な重合反応は停止せず、発熱および発泡は収まらなかった。
Figure 2013209627
表1中の異常反応の停止
停止A:極めて良好に均一混合し、極めて速やかに異常反応は停止した。
停止B:良好に均一混合し、速やかに異常反応は停止した。
停止C:均一混合し、異常反応は停止した。
停止せず:組成物の異常な重合反応は停止せず、発熱および発泡は収まらなかった。
表1中の化合物略号
a1=ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド
a2=ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド
b1=硫黄
b2=硫化セレン
b3=二硫化炭素
c1=ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド
c2=2,5一ビス(メルカプトメチル)一1,4一ジチアン
c3=m−キシリレンジチオール
CAT1=テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド
CAT2=ジブチルスズジクロライド
CAT3=トリエチルベンジルアンモニウムクロライド
CAT4=2−メルカプト−1−メチルイミダゾール
AD1=ジフェニルハイドロゲンホスファイト
AD2=2−エチルヘキシルアシッドホスフェート
AD3=エチルアシッドホスフェート
AD4=ブトキシエチルアシッドホスフェート
AD5=ジエチルハイドロゲンホスファイト
AD6=ジエチルジクロロシラン
AD7=モノブチルトリクロロスズ
AD8=ドデシルベンゼンスルホン酸
AD9=トリフェニルゲルマニウムクロライド
AD10=トルエン
AD11=10%塩酸
AD12=ポリリン酸
AD13=酢酸

Claims (1)

  1. 下記(a)、(b)及び(c)化合物と重合触媒を含む樹脂用組成物に、酸性リン酸エステル類、酸性亜リン酸エステル類、有機スルホン酸類、ハロゲン化ケイ素類、ハロゲン化スズ類、ハロゲン化ゲルマニウム類およびハロゲン化アンチモン類から選ばれる少なくとも一種の化合物を添加することにより、前記樹脂用組成物の重合反応を停止する方法。
    (a)下記(1)式で表される分子内に2個のエピスルフィド基を有する化合物
    Figure 2013209627
    (mは0〜4の整数、nは0〜2の整数)
    (b)硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物
    (c)チオール基を1 分子中に1 個以上有する化合物
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