JP2013208833A - 感熱記録用感熱性粘着材料 - Google Patents

感熱記録用感熱性粘着材料 Download PDF

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Abstract

【課題】感熱記録層の良好な画像印字性、及び印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの発生防止を維持しつつ、60℃10%RHで30日間の保管環境及び35℃80%RHで30日間の保管環境での耐ブロッキング性を満足する感熱記録用感熱性粘着材料の提供。
【解決手段】支持体と、前記支持体の一方の面上に感熱記録層と、前記感熱記録層上にブロッキング防止層と、前記支持体の他方の面上に加熱により粘着性が発現する感熱性粘着層とを有し、前記ブロッキング防止層が、長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂、長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂、及び長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂の少なくともいずれかを含有する感熱記録用感熱性粘着材料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、常温では非粘着性であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現後も粘着性が持続する、感熱記録層を有する感熱記録用感熱性粘着材料に関する。
感熱記録材料は、一般に、紙、合成紙、プラスチックフィルムなどの支持体上に熱発色性組成物を主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光、ストロボランプなどで加熱することにより発色画像が得られる。
このような感熱記録材料は、他の記録材料に比べて現像、定着などの煩雑な処理を施すことなく、比較的簡単な装置で短時間に記録が得られること、騒音の発生及び環境汚染が少ないこと、コストが安いことなどの利点により、図書、文書などの複写に用いられる他、電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラベル、レコーダーなど多方面に亘る記録材料として広く利用されている。
一方、感熱記録材料の感熱記録面とは反対面に、粘着剤層と剥離紙とを積層した構成の一般的な感熱記録用粘着材料が、貼り合わせ時に剥離紙を剥がし加圧のみで簡便に貼り合わせることのできるため広く使用されている。
しかし、一般的な構成の感熱記録用粘着材料は、剥離紙を剥離して使用するが、剥離された剥離紙は回収されて再利用され難く、ほとんどの場合廃棄処分されている。
また、いわゆる粘着剤層は、タックを持っており、剥離紙を剥がした後の取り扱いが非常に難しく、被着体に不用意に貼り付けてしまったときに貼り直すために粘着ラベルを剥がそうとすると、粘着ラベルがカールしたりしわが入ったりし、最悪の場合にはラベルが破れるという問題があった。
そこで、常温では粘着性を示さず剥離紙を必要としない感熱性粘着層を有する感熱性粘着材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、熱可塑性樹脂及び固体可塑剤、更に必要に応じて粘着付与剤を含有する感熱性粘着層を有する感熱性粘着材料が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
前記感熱性粘着材料は、一般的な前記粘着材料のように剥離紙を使用しないため、省資源、環境問題の点から有利である。
このような利点を有する前記感熱性粘着材料であっても、従来のものには以下の問題点がある。
近年、粘着力向上の市場要求の高まりにより、加熱後の粘着力を向上させることが志向され、特に宅配便等の物流用途でダンボールのような粗面被着体に対する粘着力の強いラベルが求められている。粗面被着体に対する粘着力を向上させようとするとブロッキングが発生する。
前記ブロッキングは、粘着を意図しないにも拘わらず粘着性を発現してしまう現象であり、常温よりも高い温度雰囲気下に長時間曝された場合などには発生することがある。
ロール状態又はそれを枚葉に裁断して積み重ねた状態のいずれの場合においても、一たびブロッキングが発生すれば、感熱性粘着層と外面(支持体を挟んで感熱性粘着層と反対面)とが接着し、紙送りに支障をきたすのみならず、外面の印刷にも悪影響を与えることになる。
そこで、前記ブロッキングを防止する手段として、感熱性粘着剤に滑性のあるワックスを配合する方法(例えば、特許文献2参照)、固体可塑剤の表面を無機化合物やコロイド粒子で保護し、固体可塑剤の軟化を抑制することでブロッキングを防止する方法(例えば、特許文献3〜5参照)などが提案されている。
しかし、ワックスを配合するとブロッキング防止効果が不充分であるばかりか、逆に粘着性の低下をもたらすという問題がある。また、固体可塑剤の表面を無機化合物やコロイド粒子で保護すると、固体可塑剤の溶融、拡散に時間がかかり、感熱性粘着剤の粘着性が現れにくく、接着性能が低下する等の問題を生じ、実用上不充分であるという問題がある。また、高融点の可塑剤を用いることによりブロッキングは改良されるが、感熱性粘着層の粘着力の著しい低下をもたらす等の副作用が生じてしまうという問題がある。
一方、感熱性粘着層の反対側の面に離型性のある層を設ける方法が提案されている。例えば、フタル酸ジシクロへキシル、及び天然油脂エマルジョンから形成される離型剤層を設けた感熱ディレードタックシートが提案されている(例えば、特許文献6参照)。この技術は、50℃での保管でブロッキングは比較的良好である。
近年、使用環境の多様化、及び輸送環境などにより、保管環境が高温化(例えば、60℃10%RH)、又は高湿度下(例えば、35℃80%RH)し、更に保管期間が長期化(例えば、30日間)することがある。例えば、夏場に北米などの海外で使用される場合には、60℃10%RH程度で30日間程度保管される場合や、梅雨時期の保管又は赤道を通過する船による輸送では、35℃80%RH程度の環境下で30日間程度保管される場合がある。
そのような場合、上記従来の技術では、感熱記録用感熱性粘着材料の耐ブロッキング性が充分ではないという問題がある。
そのため、60℃10%RHで30日間の保管環境及び35℃80%RHで30日間の保管環境でも耐ブロッキング性が生じない感熱記録用感熱性粘着材料の提供が強く求められている。
そこで、ディレードタック層の反対側の感熱記録層上に紫外線硬化メジウムニスの剥離層を設けた感熱記録ラベルが提案されている(例えば、特許文献7参照)。しかし、この技術は、シリコーン成分を含む為、ブロッキングに効果はあるが、筆記性や印刷ができない問題がある。
また、感熱記録層上に、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボン酸ジヒドラジド化合物、及びアンモニア水溶液を含有する保護層塗布液から形成した保護層、及びその反対面側の面上に加熱によって粘着性を発現する感熱性粘着層が積層された感熱記録材料が提案されている(例えば、特許文献8参照)。しかし、この技術では、高温環境や高湿環境におけるロール保管では、耐ブロッキング性はいまだ不充分であるという問題がある。
また、感熱記録層上に、ジアセトン変性ポリビニルアルコールとN−アミノポリアクリルアミドとの架橋物からなる保護層、及びその反対面側の面上に加熱によって粘着性を発現する感熱性粘着層が積層された感熱記録材料が提案されている(例えば、特許文献9参照)。しかし、この技術は、高温環境におけるロール保管が3日間程度の短い期間の保管では耐ブロッキング性が改善されているもの、1週間以上の長期保管では不充分であるといった問題がある。
更には、感熱記録層上に、耐ブロッキング性を向上させるような材料、例えば、シリコーン樹脂を用いた場合には、耐ブロッキング性は向上するものの、感熱記録層の画像印字性の低下や、印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの発生が生じるという問題があった。
そのため、従来の技術では、60℃10%RHで30日間の保管環境及び35℃80%RHで30日間の保管環境での耐ブロッキング性、感熱記録層の画像印字性、及び印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの未発生、の全てを満足するものは得られていなかった。
なお、感熱記録用感熱性粘着材料とは異なるインクジェット記録用粘着ラベルにおいて、耐ブロッキング性を目的として特定の離型層を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献10及び11参照)。しかし、この提案の技術は、粘着層が感熱性粘着層ではない点、感熱記録層を有さず離型層の感熱記録層への影響が全く記載されていない点、サーマルヘッドを用いた記録方式への適用について全く記載されていない点、並びに60℃10%RHで30日間という高温長期間及び35℃80%RHで30日間という高湿度長期間における耐ブロッキング性が要求されていない点で、前述の60℃10%RHで30日間の保管環境及び35℃80%RHで30日間の保管環境での耐ブロッキング性、感熱記録層の画像印字性、及び印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの未発生、の全てを満足する感熱記録用感熱性粘着材料を得るために、感熱記録用感熱性粘着材料に前記特定の離型層を適用することに関する示唆は、前記技術には、一切ない。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、感熱記録層の良好な画像印字性、及び印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの発生防止を維持しつつ、60℃10%RHで30日間の保管環境及び35℃80%RHで30日間の保管環境での耐ブロッキング性を満足する感熱記録用感熱性粘着材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の感熱記録用感熱性粘着材料は、
支持体と、
前記支持体の一方の面上に感熱記録層と、
前記感熱記録層上にブロッキング防止層と、
前記支持体の他方の面上に加熱により粘着性が発現する感熱性粘着層とを有し、
前記ブロッキング防止層が、長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂、長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂、及び長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂の少なくともいずれかを含有することを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、感熱記録層の良好な画像印字性、及び印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの発生防止を維持しつつ、60℃10%RHで30日間の保管環境及び35℃80%RHで30日間の保管環境での耐ブロッキング性を満足する感熱記録用感熱性粘着材料を提供することができる。
(感熱記録用感熱性粘着材料)
本発明の感熱記録用感熱性粘着材料は、支持体と、感熱記録層と、ブロッキング防止層と、感熱性粘着層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、粘着力向上層、保護層などのその他の層を有する。
<支持体>
前記支持体の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱記録用感熱性粘着材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、無機材料と有機材料に大別される。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO、金属などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙;三酢酸セルロース等のセルロース誘導体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中でも、上質紙、コート紙、プラスチックフィルム、合成紙が特に好ましい。
前記支持体は、塗布層の接着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等の表面改質を行うことが好ましい。なお、前記支持体には、酸化チタン等の白色顔料を添加することが好ましい。
前記支持体の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm〜2,000μmが好ましく、100μm〜1,000μmがより好ましい。
<感熱記録層>
前記感熱記録層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子供与性呈色性化合物と、電子受容性化合物とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、バインダー樹脂などのその他の成分を含有することが好ましい。
前記感熱記録層は、発色、及び消色が可逆的であり、温度により発色したり消色したりできる。
前記電子供与性呈色性化合物及び前記電子受容性化合物の混合物は、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより発色状態が変化する。
<<電子供与性呈色性化合物>>
前記電子供与性呈色性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラクトン、ラクタム又はスピロピラン環を有する無色又は淡色の染料前駆体(ロイコ染料)などが挙げられる。
前記ロイコ染料としては、例えば、フルオラン系化合物、トリフェニルメタンフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物などが挙げられる。
前記フルオラン系化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン〔3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン〕、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオランなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層における前記電子供与性呈色性化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<電子受容性化合物>>
前記電子受容性化合物としては、前記電子供与性呈色性化合物を発色させる作用を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機リン酸化合物、有機酸又はその金属塩などが挙げられる。これらは、融点、顕色性能などを考慮して、前記電子供与性呈色性化合物との組み合わせで選択すればよい。
前記フェノール性化合物としては、例えば、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、3,4’−イソプロピリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4,2’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサヘプタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、サリチル−o−クロロアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸などが挙げられる。
前記チオ尿素誘導体としては、例えば、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素などが挙げられる。
前記有機リン酸化合物としては、例えば、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感熱記録層における前記電子受容性化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電子供与性呈色性化合物1質量部に対して、1質量部〜20質量部が好ましく、2質量部〜10質量部がより好ましい。
前記電子受容性化合物が少なくても、多くても、発色状態の濃度が低下して問題となることがある。前記電子供与性呈色性化合物と前記電子受容性化合物とはマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
前記感熱記録層中の発色成分(前記電子供与性呈色性化合物及び前記電子受容性化合物)とバインダー樹脂との質量比(発色成分:バインダー樹脂)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1:0.1〜1:10が好ましく、前記バインダー樹脂が少ないと前記感熱記録層の熱強度が不足し、前記バインダー樹脂が多い場合には発色濃度が低下することがある。
<<バインダー樹脂>>
前記バインダー樹脂は、前記感熱記録層における各材料が、記録及び消去の熱印加によっても片寄ることなく、均一に分散した状態を保つ機能を有する。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などが挙げられる。
これらの中でも、耐熱性の高いバインダー樹脂、例えば、熱、紫外線、電子線、架橋剤などで架橋させたバインダー樹脂が好ましい。
架橋前の前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーとを共重合させた樹脂などが挙げられる。なお、前記バインダー樹脂は、これらの架橋前の樹脂と架橋剤との組合せにより得られる架橋樹脂に限定されるものではない。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、フィラー、熱可融性物質、界面活性剤などが挙げられる。
前記フィラーとしては、例えば、無機系微粉末、有機系微粉末などが挙げられる。前記無機系微粉末の材質としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカなどが挙げられる。前記有機系微粉末の材質としては、例えば、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。
前記熱可融性物質としては、例えば、高級脂肪酸又はそのエステル、アミド若しくは金属塩の他、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、p−ベンジルビフェニルなどが挙げられる。これらは、50℃〜200℃の程度の融点を持つものが好ましい。
前記感熱記録層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子供与性呈色性化合物、電子受容性化合物、及びバインダー樹脂を水又は有機溶剤により均一に分散若しくは溶解して、これを支持体上に塗布及び乾燥することによって行う方法などが挙げられる。
前記感熱記録層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜50μmが好ましく、3μm〜20μmがより好ましい。前記平均厚みが、薄すぎると、画像濃度が十分でなく、厚すぎると、感熱記録層の熱感度が低下すること、地肌濃度がかぶること、及びコスト的に不利になることがある。
<ブロッキング防止層>
前記ブロッキング防止層は、長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂、長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂、及び長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂の少なくともいずれかを含有する。
前記ブロッキング防止層は、前記感熱記録用感熱性粘着材料をロール状態で保管した場合、又は前記感熱記録用感熱性粘着材料をシート状で前記ブロッキング防止層と前記感熱性粘着層とが接する状態で保管した場合に、ブロッキングを防止する役割がある。
特に感熱記録用感熱性粘着材料を高温環境(60℃10%RH)で長期間(30日間)保管した場合、及び高湿環境(35℃80%RH)で長期間(30日間)保管した場合での耐ブロッキング性を満足する目的で、前記ブロッキング防止層は、設けられる。
<<長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂>>
前記長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、親水性に富むポリビニルアルコールを主鎖とし、側鎖に剥離性に富む長鎖アルキル基を有する樹脂が好ましい。
ポリビニルアルコールに、側鎖として長鎖アルキル基を導入することで、前記感熱記録用感熱性粘着材料において、感熱記録層の良好な画像印字性、及び印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの発生防止を維持しつつ、60℃10%RHで30日間の保管環境、及び35℃80%RHで30日間の保管環境での耐ブロッキング性を満足することができる。
前記長鎖アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数10〜30のアルキル基が好ましく、炭素数12〜22のアルキル基がより好ましい。
前記長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、レゼムK−256、レゼムN−137、レゼムP−677、レゼムQ−472、M−479(いずれも中京油脂社製)、ピーロイル406(一方社油脂工業社製)などが挙げられる。
<<長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂>>
前記長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、親水性に富むアミノアルキド樹脂を主鎖とし、側鎖に剥離性に富む長鎖アルキル基を有する樹脂が好ましい。
アミノアルキド樹脂に、長鎖アルキル基を導入することで、前記感熱記録用感熱性粘着材料において、感熱記録層の良好な画像印字性、及び印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの発生防止を維持しつつ、60℃10%RHで30日間の保管環境、及び35℃80%RHで30日間の保管環境での耐ブロッキング性を満足することができる。
前記長鎖アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数10〜30のアルキル基が好ましく、炭素数12〜22のアルキル基がより好ましい。
前記長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、テスファイン303、テスファイン305、テスファイン314(いずれも日立化成ポリマー社製)などが挙げられる。
<<長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂>>
前記長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、親水性に富むポリエチレンイミン樹脂を主鎖とし、側鎖に剥離性に富む長鎖アルキル基を有する樹脂が好ましい。
ポリエチレンイミン樹脂に、長鎖アルキル基を導入することで、前記感熱記録用感熱性粘着材料において、感熱記録層の良好な画像印字性、及び印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの発生防止を維持しつつ、60℃10%RHで30日間の保管環境、及び35℃80%RHで30日間の保管環境での耐ブロッキング性を満足することができる。
前記長鎖アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数10〜30のアルキル基が好ましく、炭素数12〜22のアルキル基がより好ましい。
前記長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、RP−20W(日本触媒社製)などが挙げられる。
前記ブロッキング防止層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂、長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂、及び長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂の少なくともいずれかを含有するブロッキング防止層塗布液を塗布する方法などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレー塗布、メイヤーバーコーター、キスロールコーター、リップコーター、ダイレクトロールコーター、オフセットロールコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、エアーナイフコーターなどが挙げられる。
前記感熱記録層上への前記ブロッキング防止層の形成にあたっては、前記ブロッキング防止層塗布液は、溶剤系、エマルジョン系、無溶剤系のいずれでもよい。
前記ブロッキング防止層塗布液中には、必要に応じて染料、顔料、湿潤剤、消泡剤、抑泡剤、分散剤、帯電防止剤、レベリング剤、潤滑剤、増粘剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等の各種助剤を所望の効果を阻害しない範囲で適宜添加することができる。
前記ブロッキング防止層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1g/m〜5.0g/mが好ましく、0.5g/m〜3.0g/mがより好ましく、0.7g/m〜1.5g/mが特に好ましい。前記平均厚みを0.1g/m以上とすることで良好なブロッキング防止性を付与することができ、5.0g/m以下とすることで良好な筆記性、印刷適性を保持でき、インクハジキ、擦れなどの問題を生じない。特に、前記平均厚みが0.7g/m〜1.5g/mの範囲内であると、塗工面に適度なピンホールが形成されるため、ブロッキング防止性と筆記性、印刷適性とのバランスが最も良好となる。
<感熱性粘着層>
前記感熱性粘着層としては、加熱により粘着性が発現する粘着層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂、固体可塑剤、粘着付与剤を少なくとも含有し、更に必要に応じて、ポリマー粒子などのその他の成分を含有することが好ましい。
前記感熱性粘着層は、常温では非粘着性であることが好ましい。
前記感熱性粘着層は、前記熱可塑性樹脂、前記固体可塑剤、及び前記粘着付与剤を含有することにより、ダンボールのような粗面被着体への安定した粘着性能にも優れる。
前記感熱性粘着層は、ライン型サーマルヘッドによる加熱により粘着性が発現することが好ましい。
<<熱可塑性樹脂>>
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体((メタ)アクリル系共重合体)、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、接着性、耐候性の観点から、アクリル酸エステルをモノマー成分とする各種共重合体を使用するのが好ましい。
前記熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
前記感熱性粘着層に前記(メタ)アクリル系共重合体を用いる際、前記(メタ)アクリル系共重合体は、エマルジョンの形態で使用されること、即ち(メタ)アクリル系共重合体エマルジョンとして用いることが好ましい。前記(メタ)アクリル系重合体エマルジョンとしては、特に制限はなく、一般に各種のアクリル系粘着剤に用いられているものを使用できる。
前記(メタ)アクリル系重合体エマルジョンの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの一括仕込み重合法、モノマー逐次添加重合法、乳化モノマー逐次添加重合法、シード重合法等の公知の乳化重合法などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、得られるエマルジョンに貯蔵安定性を付与するため前記(メタ)アクリル酸エステルに換えて(メタ)アクリル酸を少量使用してもよい。更に所望により(メタ)アクリル系共重合体の接着特性を損なわない程度において、例えば、酢酸ビニル、スチレン等の共重合可能なモノマーを併用できる。
前記(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合体のガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−70℃〜−30℃が好ましい。前記ガラス転移温度が、−30℃を超えると、粘着性が低下することがあり、−70℃未満であると、耐ブロッキング性が低下することがある。
前記(メタ)アクリル系共重合体エマルジョンの製造に用いられる乳化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン系乳化剤、部分ケン化ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記乳化剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、製造される重合体100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.5質量部〜3質量部がより好ましい。
前記熱可塑性樹脂の前記感熱性粘着層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%〜60質量%が好ましく、15質量%〜50質量%がより好ましい。前記熱可塑性樹脂の含有量が、10質量%未満又は60質量%を超えた場合、いずれも粘着力の低下となることがある。また、低ガラス転移温度(Tg)樹脂の含有率が60質量%を超えると、通常の保管環境下温度で粘着力が発現するなど保管上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。
<<固体可塑剤>>
前記固体可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室温において固体であり、加熱時に溶融するものが好ましい。
前記固体可塑剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃以上が好ましく、上限値は200℃程度である。前記融点が80℃未満であると、感熱性粘着層が通常の保管環境下温度で粘着力が発現するなど、保管上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。また、前記感熱性粘着層を形成するための感熱性粘着層塗布液を基材に塗布し、乾燥するときに粘着力が発現するなどの製造上の不具合も生じることがある。前記融点が200℃を超えると、粘着力を発現させるために大量のエネルギーが必要となり、実用上の不具合が生じることがある。また、感熱記録紙を基材として用い、大量のエネルギーで粘着力を発現させた場合には、感熱記録層が発色するため印字画像が読み取れなくなるという問題がある。
前記固体可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表される化合物、下記構造式(2)で表される化合物、下記構造式(3)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、下記一般式(5)〜(8)で表される化合物、下記構造式(9)で表される化合物、下記一般式(10)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びα,α−ジメチルベンジル基のいずれかを表す。Xは、水素原子及びハロゲン原子のいずれかを表す。
前記一般式(1)におけるアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数が1〜8のアルキル基が好ましい。前記炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
前記置換基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、特定の置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基)を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−sec−ブチル−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ただし、前記一般式(4)中、Rは、炭素数が1〜18のアルキル基、シクロヘキシル基、アルケニル基、アラルキル基(芳香環に置換基を有していてもよい)、及びフェニル基のいずれかを表す。
前記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、m−ヒドロキシ安息香酸メチル、m−ヒドロキシ安息香酸エチル、m−ヒドロキシ安息香酸フェニル、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ステアリル、p−ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸4−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸4−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸フェニルなどが挙げられる。
ただし、前記一般式(5)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アルキル基及びアルコキシ基のいずれかを表す。Yは、水素原子、及び水酸基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(6)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表す。Yは、水素原子、及び水酸基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(7)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表す。
前記一般式(5)〜(7)において、前記アルキル基としては、前記一般式(1)と同様のものが挙げられる。
前記一般式(5)〜(7)におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられる。
前記一般式(5)で表される化合物としては、例えば、トルオイン、アニソイン、m−アニソイン、デオキシトルオイン、デオキシアニソイン、4,4’−ジエチルベンゾイン、4,4’−ジエトキシベンゾインなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(6)で表される化合物としては、例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−メチルフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−メチルフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(7)で表される化合物としては、例えば、安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、安息香酸−4−ヒドロキシフェニル、安息香酸−2−ヒドロキシフェニル、o−メチル安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、p−クロロ安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、などが挙げられる。
ただし、前記一般式(8)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、又はアルキル基を表す。m及びnは、1〜5の整数を表す。
ただし、前記一般式(10)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。nは1〜5の整数を表す。
前記一般式又は構造式で表される固体可塑剤は、体積平均粒子径で10μm以下、好ましくは3μm以下に粉砕して用いることができる。また、体積平均粒子径を更に細かく、例えば、0.5μm以下にすることにより、動的な熱感度が上がり低エネルギーで熱可塑性樹脂及び粘着付与剤と相溶して熱活性粘着剤となる。
前記固体可塑剤は、1種を単独で用いる以外に、前記一般式又は構造式で表される化合物と任意の割合で併用することができるが、その場合の配合比は任意に調整することが可能である。
本発明においては、ダンボールに対する粘着性の点から固体可塑剤として、前記一般式(1)、前記構造式(2)、及び前記構造式(3)の少なくともいずれかで表される化合物を用いることが好ましく、前記一般式(1)で表される化合物及び前記構造式(2)で表される化合物の混合物、前記構造式(3)の化合物がより好ましい。
前記感熱性粘着層における前記固体可塑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25質量%〜80質量%が好ましく、35質量%〜70質量%がより好ましい。前記固体可塑剤の含有量が、25質量%未満であると、前記熱可塑性樹脂と組合せた場合、ブロッキングが生じやすく、また粘着力の低下をきたすことがあり、80質量%を超えると、粘着力の低下が生じることがある。
<<粘着付与剤>>
前記粘着付与剤としては、特に制限はなく、各種公知のものを使用することができ、例えば、ロジン類、ロジン誘導体、石油系樹脂、テルペン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記粘着付与剤は、前記感熱性粘着層の粘着力を向上させるために添加される。
前記ロジン類としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の原料ロジン、該原料ロジンを不均化乃至水素添加処理した安定化ロジン、重合ロジンなどが挙げられる。
前記ロジン誘導体としては、例えば、ロジンエステル類、ロジンフェノール類などが挙げられる。
前記ロジンエステル類としては、(1)前記ロジン類と多価アルコールとをエステル化反応させて得られるロジンエステル、(2)原料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化もしくは部分フマル化ロジンの多価アルコールエステル、(3)原料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化させた後、不均化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化もしくは部分フマル化不均化ロジンの多価アルコールエステルなどが挙げられる。また、前記ロジンフェノール類とは、ロジン類にフェノール類を付加させて熱重合したもの、又は次いでエステル化したものをいう。
前記エステル化に用いられる多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
前記石油系樹脂としては、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5〜C9共重合系石油樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ピュアモノマー樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、又はこれらの水素化物などが挙げられる。
前記テルペン系樹脂としては、例えば、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、α−ピネン、β−ピネン等のテルペン類とスチレン等の芳香族モノマーを共重合させた芳香族変性のテルペン系樹脂、又はこれらの水素化物などが挙げられる。
これらの中でも、ダンボールへの粘着性の点から、重合ロジン又はテルペンフェノール樹脂が特に好ましい。
前記粘着付与剤の軟化点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃以上が好ましく、80℃〜200℃がより好ましい。前記軟化点が80℃未満であると、通常の保管環境下温度で保管上の不具合(耐ブロッキング性が低下)が生じることがある。
前記軟化点は、例えば、JIS K2207 環球式などにより測定することができる。
前記粘着付与剤の前記感熱性粘着層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、著しく粘着力が低下することがあり、30質量%を超えると、通常の保管環境下温度で保管上の不具合(耐ブロッキング性が低下)及び低温環境下での初期粘着力の低下が生じることがある。
<<ポリマー粒子>>
前記感熱性粘着層が前記ポリマー粒子を含有することで、耐ブロッキング性が更に向上する。
前記ポリマー粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、弾性体からなる弾性ポリマー粒子であることが好ましい。
前記弾性ポリマー粒子の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリブタジエン系エラストマー、スチレンブタジエン系エラストマー、ポリイソプレン系エラストマー、アクリル酸エステルを主成分とするエラストマー共重合体などが挙げられる。これらは、非架橋物であってもよいし、架橋物であってもよい。
これらの中でも、アクリル酸エステルを主成分とするエラストマー共重合体が好ましい。
前記アクリル酸エステルを主成分とするエラストマー共重合体はアクリル酸エステル1種以上と、カルボキシル基を有する単量体又はイオン性単量体との共重合体を挙げることができ、さらにこれらと共重合可能な単量体に由来する構成成分を含んでいてもよい。
このポリマー粒子はそれ自身に粘着性を有するもの、有さないもの、バインダー成分を配合しているもの、していないものなどいずれのタイプでも使用可能である。
前記カルボキシル基を有する単量体又は前記イオン性単量体に由来する構成成分の量が所定量以上になると粘着性となり、所定量未満であると非粘着性ポリマー粒子となる。
前記アクリル酸エステルとしては、例えば、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、i−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、i−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレートなどが挙げられる。
前記カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸などが挙げられる。
これらと共重合可能な単量体としては、例えば、アルキル基の炭素数1〜3のアクリル酸アルキルエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、ジメチルマレート、ジn−ブチルマレート等のマレイン酸エステル、ジメチルフマレート、ジn−ブチルフマレート等のフマル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。
前記アクリル酸エステルを主成分とするエラストマー共重合体は、ガラス転移温度が−10℃以下であることが好ましい。
前記ポリマー粒子の数平均粒子径は、20μm〜50μmが好ましい。前記平均粒子径が、20μm未満であると、前記感熱性粘着層の表面の前記ポリマー粒子の突出が少なく、ブロッキング防止効果が少ないことがある。一方、前記平均粒子径が、50μmを超えると、基本的な粘着物性が劣るようになり、経時での貼付面からの浮きや剥がれなどを起こすことがある。
前記熱可塑性樹脂に対する前記ポリマー粒子の質量比(前記ポリマー粒子/前記熱可塑性樹脂)としては、0.5〜2.0が好ましく、0.7〜1.2がより好ましい。前記質量比が、0.5未満であると、耐ブロッキング性の効果が少なくなることがあり、2.0を超えると、感熱性粘着層の粘着性が低下することがある。
前記固体可塑剤に対する前記ポリマー粒子の質量比(前記ポリマー粒子/前記固体可塑剤)としては、0.1〜0.5が好ましく、0.1〜0.3がより好ましい。前記ポリマー粒子の質量比が、0.1未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、0.5を超えると、感熱性粘着層の粘着性が低下することがある。
前記感熱性粘着層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記熱可塑性樹脂、前記固体可塑剤、前記粘着付与剤、及び水又は有機溶剤を含有する塗布液をバーコーター、ロールコーター、アプリケーター、ホットメルトコーター等により塗工後、熱風乾燥、赤外線、マイクロ波、高周波等の乾燥手段を用いて乾燥する方法などが挙げられる。
前記感熱性粘着層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、乾燥塗工量で通常2g/m〜35g/mが好ましく、5g/m〜25g/mがより好ましい。前記感熱性粘着層の平厚みが、2g/m未満であると、加熱による接着を行う際に充分な接着力が得られないことがあり、35g/mを超えると、接着機能が飽和し経済上好ましくないことがある。
<その他の層>
<<粘着力向上層>>
前記粘着力向上層としては、前記感熱性粘着層と前記支持体との間に設けられ、被着体に対する前記感熱性粘着層の粘着力を向上させる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記粘着力向上層としては、中空粒子、及び可塑性樹脂の少なくともいずれかを有することが好ましい。前記中空粒子及び前記熱可塑性樹脂の詳細については、後述する。
前記粘着力向上層(以下「アンダー層」と略すことがある)には、中空粒子を含有する中空アンダー層と、粘着アンダー層とがあり、(1)中空アンダー層のみを有する態様、(2)粘着アンダー層と中空アンダー層とを有する態様とが挙げられる。なお、前記(2)の場合には、支持体上に粘着アンダー層と、中空アンダー層とをこの順に設けることが好ましい。
−中空アンダー層−
前記中空アンダー層は、少なくとも熱可塑性樹脂及び中空粒子を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記中空アンダー層を設けることで熱効率が向上し、粘着力を向上させることができる。
−−熱可塑性樹脂−−
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ガラス転移温度(Tg)−70℃〜−30℃の熱可塑性樹脂が挙げられる。
これら樹脂としては、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル−酢酸ビニル−共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル−酢酸ビニル−共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体が特に好ましい。
−−中空粒子−−
前記中空粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均粒子径が2.0μm〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上である球状プラスチック中空粒子が好ましく、中空粒子の最大粒子径が10.0μm以下であると共に、体積平均粒子径が2.0μm〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上の球状中空粒子がより好ましい。前記中空率は85%〜95%が更に好ましい。
前記中空率が70%未満であると、断熱効果が不充分であるためにサーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、粘着力向上の効果が劣ることがある。前記体積平均粒子径が5.0μmを超えると、このような中空粒子を用いたアンダー層上に感熱性粘着層を設けた場合、大きな粒子の部分には感熱性粘着層が形成されない部分が生じて、熱活性化した場合に粘着力が低下しやすくなることがあり、2.0μm未満であると、中空率70%以上を確保することが困難になり、粘着力向上効果が劣ることがある。
ここで、前記球状プラスチック中空粒子とは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気、その他の気体を含有し、すでに発泡状態となっている中空粒子を意味する。前記中空率とは、前記中空粒子の外径基準の体積と内径基準の体積との比率を意味する。
前記中空粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボルニルメタクリレート共重合体などが挙げられる。
前記中空アンダー層における前記ガラス転移温度(Tg)が−70℃〜−30℃である熱可塑性樹脂と前記中空粒子との混合割合は、前記熱可塑性樹脂1質量部に対し前記中空粒子0.1質量部〜2質量部が好ましく、0.3質量部〜1質量部がより好ましい。前記中空粒子が0.1質量部未満であると、粘着力向上効果が劣ることがあり、2質量部を超えると、中空アンダー層の結着力が劣って粘着力が弱くなることがある。
前記中空アンダー層は、特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができるが、例えば、上記成分を配合してなるアンダー層塗布液を用いた塗布法により好適に形成することができる。
前記塗布法としては、例えば、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアーナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法などが挙げられる。
前記中空アンダー層塗布液の塗布量は、乾燥塗布量で1g/m〜35g/mが好ましく、1g/m〜5g/mがより好ましい。前記アンダー層塗布液の塗布量が、1g/m未満であると、加熱による接着を行う際に十分な接着力が得られず、また断熱効果が劣ることがあり、35g/mを超えると、接着力や断熱効果が飽和してしまうことがある。
−粘着アンダー層−
前記中空粒子を含む前記中空アンダー層と、支持体との間に粘着樹脂からなる粘着アンダー層を設けることでさらなる粘着力の向上が図られる。
この場合、前記中空アンダー層の塗布量は乾燥塗布量で、1g/m〜5g/mが好ましく、1g/m〜2g/mがより好ましい。前記中空アンダー層の塗布量が、1g/m未満であると、熱活性時の断熱効果が少なく、5g/mを超えると、粘着アンダー層からの粘着力向上の効果が少なくなり好ましくない。
前記粘着アンダー層の塗布量は乾燥塗布量で、2g/m〜35g/mが好ましく、4g/m〜35g/mがより好ましい。
前記粘着アンダー層における熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が−70℃〜−5℃の熱可塑性樹脂が好適であり、該熱可塑性樹脂としては、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。高ガラス転移温度の樹脂の場合は、粘着アンダー層の特徴が全く得られず、ダンボール等の粗面被着体等に対する粘着力が弱く、感熱性粘着層のみの粘着力となってしまう。一方、ほとんどの樹脂はガラス転移温度(Tg)が−70℃以上であり、前記熱可塑性樹脂のTg範囲に満たない低Tg樹脂の場合でも特に問題はないが、コスト高となり経済的に好ましくない。
前記粘着アンダー層の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができるが、例えば、上記成分、及び更に必要に応じてその他の成分を水に攪拌分散してなる粘着アンダー層塗布液を用いた塗布法により好適に形成することができる。前記塗布法としては、例えばブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアーナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法、などが挙げられる。
<<保護層>>
前記保護層としては、前記感熱記録層と前記ブロッキング防止層との間に設けられる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記保護層は、例えば、樹脂と、充填剤とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
一般に市販されている感熱記録紙は、感熱記録層上に画像の保管性向上、耐薬品性向上、サーマルヘッド記録のマッチングを向上させる目的で保護層が設けられているが、本発明の前記感熱記録用感熱性粘着材料では、前記保護層の上に前記ブロッキング防止層を設けてもよい。
−樹脂−
前記保護層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。
また、必要に応じて架橋剤を用いて前記保護層を形成することができる。
このような樹脂とともに用いる架橋剤としては、従来から公知の化合物を使用することができる。
−充填剤−
前記充填剤の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機フィラー、有機フィラーなどが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、例えば、ホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、板状水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、ハイドロタルイサイトなどが挙げられる。
前記有機フィラーとしては、例えば、架橋ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
前記充填剤の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0μm以下が好ましい。
前記保護層を形成する際には、水系の塗布液を用いることが好ましい。有機溶剤系の塗布液を用いる場合には、有機溶剤が感熱記録層を誤発色させるおそれのない電子供与性呈色性化合物及び電子受容性化合物の組み合わせを選択すればよい。
前記保護層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0μm〜3.0μmが好ましい。
前記感熱記録用感熱性粘着材料の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の層構造などが挙げられる。
(1)感熱性粘着層/支持体/感熱記録層/ブロッキング防止層
(2)感熱性粘着層/支持体/感熱記録層/保護層/ブロッキング防止層
(3)感熱性粘着層/粘着力向上層(中空アンダー層)/支持体/感熱記録層/ブロッキング防止層
(4)感熱性粘着層/粘着力向上層(中空アンダー層/粘着アンダー層)/支持体/感熱記録層/ブロッキング防止層
(5)感熱性粘着層/粘着力向上層(中空アンダー層/粘着アンダー層)/支持体/感熱記録層/保護層/ブロッキング防止層
前記感熱記録用感熱性粘着材料は、前記感熱性粘着層の熱活性化時(加熱時)の前又は後で切断(カット)されて好適に使用することができ、この場合、前記感熱記録用感熱性粘着材料に、予め切れ目が形成されていてもよい。
前記感熱記録用感熱性粘着材料の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラベル状、シート状、ラベルシート状、ロール状などが挙げられる。これらの中でも、利便性、保管場所、取り扱い性の点から円筒状の芯材に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。
前記感熱記録用感熱性粘着材料が貼付される被着体としては、特に制限はなく、目的に応じてその大きさ、形状、構造、材質等を適宜選択することができるが、前記材質としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板;SUS、アルミニウム等の金属板;封筒、ダンボール等の紙製品;ポリオレフィン製のラップ類;ポリ塩化ビニル製のラップ類;ポリエチエレン製不織布(封筒等)などが挙げられる。
前記感熱記録用感熱性粘着材料における前記感熱性粘着層を熱活性化する方法としては、サーマルヘッドによる活性化方法が好ましい。この場合、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて前記感熱記録用感熱性粘着材料の両面を加熱することにより、前記感熱記録層への印字と、前記感熱性粘着層の熱活性化を行うことができる点で有利である。
サーマルヘッド以外にも、従来公知の熱風、熱ロールなどで前記感熱性粘着層を熱活性化してもよい。
本発明の前記感熱記録用感熱性粘着材料は、前記感熱記録層上に前記ブロッキング防止層を設けたことにより、感熱記録層の良好な画像印字性、及び印字の際の印字ヘッドによるヘッドカスの発生防止を維持しつつ、高温環境(60℃10%RH)で長期間(30日間)保管した場合、及び高湿環境(35℃80%RH)で長期間(30日間)保管した場合での耐ブロッキング性が良好で保管性に優れる。更に、感熱記録面の筆記性、印刷性も満足する。
更に、上記効果を維持しつつ、ダンボール等の粗面被着体に対する粘着力が強い感熱記録用感熱性粘着材料も得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
実施例における体積平均粒径については、レーザー回折式粒径測定装置(HORIBALA−700、堀場製作所製)で測定した。
(製造例1)
<感熱記録層の形成>
下記組成からなる混合物を、それぞれ体積平均粒径が1.5μmとなるようにサンドミルを用いて分散して〔ロイコ染料分散液〕と〔顕色剤分散液〕とを調製した後、〔ロイコ染料分散液〕:〔顕色剤分散液〕=1:8(質量比)となるように混合攪拌して〔感熱記録層形成液A−1〕を得た。
−〔感熱記録層形成液A−1〕−
〔ロイコ染料分散液〕
・3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン・・・20部
・ポリビニルアルコ−ル(10%水溶液、L−3266、日本合成化学社製)・・・10部
・水・・・70部
〔顕色剤分散液〕
・4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン・・・10部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液、KL−318、クラレ社製)・・・25部
・炭酸カルシウム(CALSHITEC Brilliant−15、白石工業社製)・・・15部
・水・・・50部
上記〔感熱記録層形成液A−1〕を平均坪量80g/mの基紙(DSL、日本製紙社製)の表面に、乾燥後質量が5g/mとなるように塗布乾燥して感熱記録層を設け、感熱記録層形成済み紙を作製した。
(製造例2)
<感熱記録層の形成>
下記組成物をボールミルで粒径0.3μmまで粉砕、分散し〔感熱記録層形成液A−2〕を得た。
−〔感熱記録層形成液A−2〕−
・2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン・・・4部
・オクタデシルホスホン酸・・・12部
・ポリビニルブチラール・・・2部
(電気化学工業社製、デンカブチラール#3000−2:重合度700)
・ポリビニルアセトアセタール・・・6部
(積水化学社製、エスレックKS−3Z:重合度2000)
・トルエン・・・14部
・メチルエチルケトン・・・100部
上記〔感熱記録層形成液A−2〕を平均厚み100μmの白色PETフィルム(東レ社製、ルミラーE−20)上に塗布した後乾燥して、平均厚み約10μmの感熱記録層を形成した感熱記録層形成済みシートを作製した。
(製造例3)
<保護層の形成>
下記組成を混合し、縦型サンドミルで体積平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散して〔保護層一次分散液B−1〕を調製した。
−〔保護層一次分散液B−1〕の組成−
・水酸化アルミニウム(ハイジライト H−43M、昭和電工社製)・・・20部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液、L−3266、日本合成化学社製)・・・20部
・水・・・40部
次に、上記〔保護層一次分散液B−1〕を用いて、下記組成の〔保護層形成液C−1〕を調製した。
−〔保護層形成液C−1〕−
・〔保護層一次分散液B−1〕・・・10部
・ポリビニルアルコール(10%水溶液、KL−318、クラレ社製)・・・20部
・ポリアミドエピクロルヒドリン(12.5%水溶液、紙力剤WS−525、星光PMC社製)・・・5部
・30%ステアリン酸亜鉛分散液(国産化学社製)・・・2部
次いで、製造例1で作製した感熱記録層形成済み紙の感熱記録層上に、上記〔保護層形成液C−1〕を乾燥時の質量が約3g/mなるように塗布、乾燥し、更に、王研式平滑度が2,000秒になるようにスーパーキャレンダー処理して保護層を形成し、感熱記録層及び保護層形成済みシートを作製した。
(製造例4)
<保護層の形成>
下記組成を混合し、ボールミルで0.2μmまで分散し〔保護層一次分散液B−2〕を作製した。
−〔保護層一次分散液B−2〕の組成−
・メラミン−ホルムアルデヒド共重合体粒子・・・30部
(日本触媒社製、エポスターS、体積平均粒径0.3μm)
・ポリビニルアセトアセタール樹脂溶解液・・・30部
(積水化学社製、KS−1、10%MEK溶解液)
・メチルエチルケトン・・・140部
次に、上記〔保護層一次分散液B−2〕を用いて、下記組成の〔保護層形成液C−2〕を調製した。
−〔保護層形成液C−2〕−
・〔保護層一次分散液B−2〕・・・100部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂溶解液・・・35部
(積水化学社製、KS−1、10%MEK溶解液)
・メチルエチルケトン・・・65部
上記〔保護層形成液C−2液〕に超音波処理を15分間行った後、製造例2で得られた感熱記録層形成済みシートの感熱記録層上に塗布、乾燥して、平均厚み1.5μmの保護層を形成し、感熱記録層及び保護層形成済みシートを作製した。
(製造例5)
<ブロッキング防止層の形成>
製造例1で作製した感熱記録層形成済み紙の感熱記録層上に長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂含有塗布液(レゼムK−256、中京油脂社製、長鎖アルキル基の炭素数:18)を1.5g/mとなるようにグラビアコーターを用い、塗布、熱風乾燥してブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙を作製した。
(製造例6)
<ブロッキング防止層の形成>
製造例2で作製した感熱記録層形成済みシートの感熱記録層上に長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂含有塗布液(テスファイン303、日立化成ポリマー社製)を1.5g/mとなるようにグラビアコーターを用い、塗布し熱風乾燥してブロッキング防止層を設けた感熱記録用シートを作製した。
(製造例7)
<ブロッキング防止層の形成>
製造例6において、長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂塗布液を、長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂含有塗布液(RP−20W、日本触媒社製)に変えた以外は、製造例6と同様にして、ブロッキング防止層を設けた感熱記録用シートを作製した。
(製造例8)
<ブロッキング防止層の形成>
製造例5において、製造例1で作製した感熱記録層形成済み紙を、製造例3で作製した感熱記録層及び保護層形成済み紙に変えた以外は、製造例5と同様にして、ブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙を作製した。
(製造例9)
<ブロッキング防止層の形成>
製造例6において、製造例2で作製した感熱記録層形成済みシートを、製造例4で作製した感熱記録層及び保護層形成済みシートに変えた以外は、製造例6と同様にして、ブロッキング防止層を設けた感熱記録用シートを作製した。
(製造例10)
<ブロッキング防止層の形成>
製造例3で作製した感熱記録層及び保護層形成済み紙の感熱記録層上に、紫外線硬化型シリコーン樹脂(BY24−551A、東レ・ダウコーニングシリコーン社製)からなる剥離剤を、塗布量が1.5g/mとなるようにRIテスターで塗布し、その後、紫外線照射装置で紫外線を照射することにより硬化させ、ブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙を作製した。
(製造例11)
<〔固体可塑剤分散液D−1〕の調製>
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、〔固体可塑剤分散液D−1〕を調製した。
−組成−
・ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート(商品名:PRONOX1222、ソート社製)・・・30部
・ビニルアルコール及びアリルスルホン酸ナトリウム共重合体10%水溶液(商品名:L−3266、日本合成化学社製、数平均分子量15,000、鹸化度88%)・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(商品名:Newcol−290M、日本乳化剤社製)・・・0.15部
・水・・・54.85部
(製造例12)
<〔固体可塑剤分散液D−2〕の調製>
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、〔固体可塑剤分散液D−2〕を調製した。
−組成−
・2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(商品名:Evesorb73、ソート社製)・・・30部
・ビニルアルコール及びアリルスルホン酸ナトリウム共重合体10%水溶液(商品名:L−3266、日本合成化学社製、数平均分子量15,000、鹸化度88%)・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(商品名:Newcol−290M、日本乳化剤社製)・・・0.15部
・水・・・54.85部
(製造例13)
<〔固体可塑剤分散液D−3〕の調製>
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、〔固体可塑剤分散液D−3〕を調製した。
−組成−
・トリフェニルホスフィン(商品名:TPP、北興化学工業社製)・・・30部
・ビニルアルコール及びアリルスルホン酸ナトリウム共重合体(商品名:L−3266、日本合成化学社製、数平均分子量15,000、鹸化度88%)10%水溶液・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(商品名:Newcol−290M、日本乳化剤社製)・・・0.15部
・水・・・54.85部
(製造例14)
<〔固体可塑剤分散液D−4〕の調製>
下記組成からなる混合物を、体積平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して、〔固体可塑剤分散液D−4〕を調製した。
−組成−
・フタル酸ジシクロヘキシル・・・30部
・ビニルアルコール及びアリルスルホン酸ナトリウム共重合体10%水溶液(商品名:L−3266、日本合成化学社製、数平均分子量15,000、鹸化度88%)・・・15部
・アルキル−アリルスルホン酸塩(商品名:Newcol−290M、日本乳化剤社製)・・・0.15部
・水・・・54.85部
(製造例15)
<〔感熱性粘着剤液E−1〕の調製>
下記組成からなる混合物を攪拌して、〔感熱性粘着剤液E−1〕を調製した。
−組成−
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ポリゾール PSA SE−4040、昭和高分子社製、ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分55%〕・・13.0部
・〔固体可塑剤分散液D−1〕・・・81.8部
・粘着付与剤エマルジョン(荒川化学工業社製:スーパーエステルエー865、特殊ロジンエステル、軟化点160℃、不揮発分50.5%)・・・3.2部
・水・・・2.0部
(製造例16)
<〔感熱性粘着剤液E−2〕の調製>
下記組成からなる混合物を攪拌して、〔感熱性粘着剤液E−2〕を調製した。
−組成−
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ポリゾール PSA SE−4040、昭和高分子社製、ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分55%〕・・13.0部
・〔固体可塑剤分散液D−1〕・・・81.8部
・粘着付与剤エマルジョン(荒川化学工業社製:スーパーエステルエー865、特殊ロジンエステル、軟化点160℃、不揮発分50.5%)・・・3.2部
・アクリル酸エステルを主成分とするエラストマー共重合体からなる微球体(KPS−2004−3、数平均粒子径21μm、荒川化学工業社製))・・4.5部
・水・・・2.0部
(製造例17)
<〔感熱性粘着剤液E−3〕の調製>
下記組成からなる混合物を攪拌して、〔感熱性粘着剤液E−3〕を調製した。
−組成−
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ポリゾール PSA SE−4040、昭和高分子社製、ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分55%〕・・13.0部
・〔固体可塑剤分散液D−2〕・・・32.7部
・〔固体可塑剤分散液D−3〕・・・49.1部
・粘着付与剤エマルジョン(荒川化学工業社製:スーパーエステルエー865、特殊ロジンエステル、軟化点160℃、不揮発分50.5%)・・・3.2部
・アクリル酸エステルを主成分とするエラストマー共重合体からなる微球体(KPS−2004−3、数平均粒子径21μm、荒川化学工業社製))・・4.5部
・水・・・2.0部
(製造例18)
<〔感熱性粘着剤液E−4〕の調製>
下記組成からなる混合物を攪拌して、〔感熱性粘着剤液E−4〕を調製した。
−組成−
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ポリゾール PSA SE−4040、昭和高分子社製、ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分55%〕・・13.0部
・〔固体可塑剤分散液D−4〕・・・81.8部
・粘着付与剤エマルジョン(荒川化学社製:スーパーエステルエー865、特殊ロジンエステル、軟化点160℃、不揮発分50.5%)・・・3.2部
・水・・・2.0部
(製造例19)
<〔中空アンダー層塗布液F−1〕の調製>
下記組成からなる混合物を攪拌分散して、〔中空アンダー層塗布液F−1〕を調製した。
−組成−
・プラスチック球状中空粒子(マツモトマイクロスフェアー R−500、松本油脂製薬社製、アクリロニトリル/塩化ビニリデン/メタクリル酸メチル共重合体、固形分濃度41%、平均粒子径3.6μm、中空率90%)・・・14.6部
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ポリゾール PSA SE−4040、昭和高分子社製、ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分55%〕・・・24.0部
・界面活性剤(ダプロW−77、エレメンティスジャパン社製)・・・0.1部
・水・・・60.4部
(製造例20)
<〔粘着アンダー層塗布液F−2〕の調製>
下記組成の混合物を攪拌して、〔粘着アンダー層塗布液F−2〕を調製した。
−組成−
・メチルメタアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン〔ポリゾール PSA SE−4040、昭和高分子社製、ガラス転移温度(Tg):−65℃、不揮発分55%〕・・・90.3部
・界面活性剤(ダプロW−77、エレメンティスジャパン社製)・・・0.1部
・水・・・9.6部
(実施例1)
製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙のブロッキング防止層を有さない側の面に、〔感熱性粘着剤液E−1〕を、乾燥後質量が15g/mとなるように塗布、乾燥し感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(実施例2)
実施例1において、〔感熱性粘着剤液E−1〕を〔感熱性粘着剤液E−2〕に変えた以外は、実施例1と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(実施例3)
製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙のブロッキング防止層を有さない側の面に、製造例19で作製した〔中空アンダー層塗布液F−1〕を乾燥後質量が4g/mとなるように塗布、乾燥し中空アンダー層を形成した。次いで、その上に、〔感熱性粘着剤液E−2〕を、乾燥後質量が15g/mとなるように塗布、乾燥して感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(実施例4)
製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙のブロッキング防止層を有さない側の面に、製造例20で作製した〔粘着アンダー層塗布液F−2〕を乾燥後質量が15g/mとなるように塗布し、その上に、製造例19で作製した〔中空アンダー層塗布液F−1〕を乾燥後質量が1.5g/mとなるように塗布、乾燥して中空アンダー層を形成した。次いで、その上に、〔感熱性粘着剤液E−2〕を、乾燥後質量が15g/mとなるように塗布、乾燥して感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(実施例5)
実施例4において、〔感熱性粘着剤液E−2〕を〔感熱性粘着剤液E−3〕に変えた以外は、実施例4と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(実施例6)
実施例4において、製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙を、製造例6で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用シートに変えた以外は、実施例4と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(実施例7)
実施例4において、製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙を、製造例7で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用シートに変えた以外は、実施例4と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(実施例8)
実施例1において、製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙を、製造例8で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙に変えた以外は、実施例1と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(実施例9)
実施例4において、製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用シートを、製造例9で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用シートに変えた以外は、実施例4と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(比較例1)
製造例3で作製した感熱記録層及び保護層形成済み紙の感熱記録層を有さない側の面に、〔感熱性粘着剤液E−1〕を、乾燥後質量が15g/mとなるように塗布、乾燥し感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(比較例2)
比較例1において、〔感熱性粘着剤液E−1〕を〔感熱性粘着剤液E−4〕に変えた以外は、比較例1と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(比較例3)
製造例3で作製した感熱記録層及び保護層形成済み紙の感熱記録層を有さない側の面に、製造例20で作製した〔粘着アンダー層塗布液F−2〕を乾燥後質量が15g/mとなるように塗布し、その上に、製造例19で作製した〔中空アンダー層塗布液F−1〕を乾燥後質量が1.5g/mとなるように塗布、乾燥して中空アンダー層を形成した。次いで、その上に、〔感熱性粘着剤液E−3〕を、乾燥後質量が15g/mとなるように塗布、乾燥して感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(比較例4)
実施例3において、製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙を、製造例3で作製した感熱記録層及び保護層形成済み紙に変えた以外は、実施例3と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(比較例5)
実施例4において、製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙を、製造例3で作製した感熱記録層及び保護層形成済み紙に変えた以外は、実施例4と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(比較例6)
実施例6において、製造例6で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用シートを、製造例4で作製した感熱記録層及び保護層形成済みシートに変えた以外は、実施例6と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
(比較例7)
実施例1において、製造例5で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙を、製造例10で作製したブロッキング防止層を設けた感熱記録用紙に変えた以外は、実施例1と同様にして、感熱記録用感熱性粘着材料を作製した。
<評価>
実施例1〜9、及び比較例1〜7で作製した感熱記録用感熱性粘着材料について、以下の項目について評価を行った。
<<感熱記録面の油性インキ筆記性評価>>
筆記性:油性のフェルトペンを使用して、感熱記録面上に文字を書いた。その状態を調べ、下記評価基準により評価した。結果を表2−2に示す。
○:紙と同様に書ける
×:インキが弾かれて書けない
<<感熱記録面の評価(画像印字性、ヘッドカス)>>
得られた感熱記録用感熱性粘着材料を40mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気社製、TH−PMD)を用いて感熱記録面を印字し印字可否とヘッドカス有無の評価を、下記評価基準により行った。
ヘッド条件:エネルギー0.30mJ/dot
印字スピード:4ms/line
プラテン圧:6kgf/line
−画像印字性−
○:綺麗に印字できる
△:一部に画像の擦れが見られる。
×:全体に画像の擦れが見られる。
−ヘッドカス−
○:ヘッドカスなし
△:ヘッドカスが少しあり
×:ヘッドカスがかなり多い
なお、画像印字性評価及びヘッドカス評価において、○は合格レベルである。△、×は不合格レベルである。
<<耐ブロッキング性の評価>>
得られた各感熱記録用感熱性粘着材料における感熱性粘着層面と感熱記録面とを接触させ、200g/cmの圧力を掛け、60℃Dry(10%RH)条件下で4日間、60℃Dry(10%RH)条件下で30日間、35℃80%RH条件下で30日間、それぞれ放置した。その後、室温で放置後サンプルを剥がし、その時の耐ブロッキング性を表1に示すような基準で評価し、その結果を表2−2に示す。なお、ランク7以上が実用可能なレベルである。
<<粘着特性の評価(初期、及び耐ブロッキング性試験後)>>
−初期−
得られた各感熱記録用感熱性粘着材料を40mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気社製、TH−PMD)を用いて以下の条件で感熱性粘着層を熱活性させた。
ヘッド条件:エネルギー0.50mJ/dot
印字スピード:4ms/line
プラテン圧:6kgf/line
次いで、感熱性粘着層を熱活性させた各感熱記録用感熱性粘着材料を、5℃又は22℃の環境条件下に1日放置したダンボールに、加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、各温度環境下に1日間保管した後に剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。
その時の粘着力をフォースゲージ(MODEL DPS−5、IMADA社製)で測定し、0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値で示した。結果を表2−2に示した。単位はN/40mmである。
なお、粘着力ランクは、以下の判定基準により行った。
◎:10N/40mm以上
○:5N/40mm以上10N/40mm未満
△:3N/40mm以上5N/40mm未満
×:3N/40mm未満
−耐ブロッキング性試験後−
前記耐ブロッキング性試験後の感熱記録用感熱性粘着材料の粘着特性を上記試験条件で評価した。なお環境条件は22℃で行った。結果を表2−2に示した。
実施例1〜9及び比較例1〜7の構成を表2−1に示す。
表2−1中、レゼムK−256、テスファイン303、及びRP−20Wは、それぞれ以下のとおりである。
レゼムK−256:中京油脂社製、長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂含有塗布液
テスファイン303:日立化成ポリマー社製、長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂含有塗布液
RP−20W:日本触媒社製、長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂含有塗布液
表2−2中、「評価不可」とは、ブロッキングが生じたために評価できなかったことを表す。
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 支持体と、
前記支持体の一方の面上に感熱記録層と、
前記感熱記録層上にブロッキング防止層と、
前記支持体の他方の面上に加熱により粘着性が発現する感熱性粘着層とを有し、
前記ブロッキング防止層が、長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂、長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂、及び長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂の少なくともいずれかを含有することを特徴とする感熱記録用感熱性粘着材料である。
<2> 感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、固体可塑剤、及び粘着付与剤を含有する前記<1>に記載の感熱記録用感熱性粘着材料である。
<3> 固体可塑剤が、下記一般式(1)で表される化合物、下記構造式(2)で表される化合物、及び下記構造式(3)で表される化合物の少なくともいずれかを含有する前記<2>に記載の感熱記録用感熱性粘着材料である。
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びα,α−ジメチルベンジル基のいずれかを表す。Xは、水素原子及びハロゲン原子のいずれかを表す。
<4> 感熱記録層が、電子供与性呈色性化合物及び電子受容性化合物を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料である。
<5> 感熱記録層とブロッキング防止層との間に、保護層を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料である。
<6> 感熱性粘着層が、ポリマー粒子を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料である。
<7> 感熱性粘着層と支持体との間に、粘着力向上層を有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料である。
<8> 粘着力向上層が、中空粒子、及び可塑性樹脂の少なくともいずれかを有する前記<7>に記載の感熱記録用感熱性粘着材料である。
<9> シート状、及びロール状のいずれかである前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料である。
<10> 感熱性粘着層が、ライン型サーマルヘッドによる加熱により粘着性が発現する前記<1>から<9>のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料である。
実開平6−25869号公報 特公昭62−21835号公報 特開平6−57223号公報 特開平6−100847号公報 特開平6−100848号公報 特開平1−29484号公報 特開2010−145845号公報 特開2007−230233号公報 特開2008−229848号公報 国際公開第2007/040297号パンフレット 特許第3804366号公報
「接着便覧」第12版、第(131〜135)頁、昭和55年、高分子刊行会発行

Claims (10)

  1. 支持体と、
    前記支持体の一方の面上に感熱記録層と、
    前記感熱記録層上にブロッキング防止層と、
    前記支持体の他方の面上に加熱により粘着性が発現する感熱性粘着層とを有し、
    前記ブロッキング防止層が、長鎖アルキル基含有ポリビニルアルコール樹脂、長鎖アルキル基含有アミノアルキド樹脂、及び長鎖アルキル基含有ポリエチレンイミン樹脂の少なくともいずれかを含有することを特徴とする感熱記録用感熱性粘着材料。
  2. 感熱性粘着層が、熱可塑性樹脂、固体可塑剤、及び粘着付与剤を含有する請求項1に記載の感熱記録用感熱性粘着材料。
  3. 固体可塑剤が、下記一般式(1)で表される化合物、下記構造式(2)で表される化合物、及び下記構造式(3)で表される化合物の少なくともいずれかを含有する請求項2に記載の感熱記録用感熱性粘着材料。
    ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びα,α−ジメチルベンジル基のいずれかを表す。Xは、水素原子及びハロゲン原子のいずれかを表す。
  4. 感熱記録層が、電子供与性呈色性化合物及び電子受容性化合物を含有する請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料。
  5. 感熱記録層とブロッキング防止層との間に、保護層を有する請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料。
  6. 感熱性粘着層が、ポリマー粒子を含有する請求項1から5のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料。
  7. 感熱性粘着層と支持体との間に、粘着力向上層を有する請求項1から6のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料。
  8. 粘着力向上層が、中空粒子、及び可塑性樹脂の少なくともいずれかを有する請求項7に記載の感熱記録用感熱性粘着材料。
  9. シート状、及びロール状のいずれかである請求項1から8のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料。
  10. 感熱性粘着層が、ライン型サーマルヘッドによる加熱により粘着性が発現する請求項1から9のいずれかに記載の感熱記録用感熱性粘着材料。
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