JP2013208752A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ライン型インクジェットヘッドのインク温度が適正温度範囲外の場合において、印刷ジョブの実行の完了を早める。
【解決手段】
インクジェット印刷装置は、ウォームアップ時間算出部64により算出された第1のウォームアップ時間が、インクジェットヘッド20のインク吐出対象全幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでのウォームアップ時間よりも短い場合、印刷用紙内の矩形領域の短辺の方向が、用紙搬送方向と直交する印刷幅方向となるように、画像データの回転制御を行う画像制御部66を備える
【選択図】 図1

Description

本発明は、ライン型インクジェットヘッド内の位置に応じてインクの温度差が生じてしまう状況であり、かつ、印刷ジョブの実行の際に、インクジェットヘッドのインク温度が適正温度範囲外の場合において、印刷ジョブの実行の完了を早めるインクジェット印刷装置に関するものである。
一般的に、インクジェット方式の印刷装置で用いられるインクは、低温環境下で粘度が増大し、高温環境下で粘度が低下する。この結果、インク温度が高すぎたり低すぎたりすると、インクジェットヘッドから適正なインク量の吐出を行うことが難しくなる。このため、インクジェット方式の印刷装置では、適正な吐出動作を行えるように、インクを使用する際の適正温度範囲が定められている。
また、ライン型インクジェットヘッドのように、ヘッドの全幅が長く、複数のヘッドブロックで構成されている場合、ヘッドブロックの設置位置によっては、ヘッドブロック間で温度差が生じてしまうという問題がある。即ち、低温環境下において、中央付近に設置されたヘッドブロックは周りが他のヘッドブロックで囲まれているため、インク温度が比較的高くなる。一方、端部に設置されたヘッドブロックにおいては、周囲に奪われる熱量が多くなり、インク温度が低下してしまう。このようなインクジェットヘッドのインク温度の傾向は、低温環境下で顕著に表れる。
この問題を解決するために、特許文献1に記載された技術によれば、複数のヘッドブロックで構成されたライン型インクジェットヘッドを所定の温度に保持し、全てのヘッドブロック内のインクの温度が適正温度範囲になるように、以下の制御を行うようにしている。
即ち、端部近傍に位置するヘッドブロック同士を一組とし、中央部分に配置されたヘッドブロック同士を一組とし、各組内のヘッドブロック同士に対して、同一の温度検知部を用いた温度制御を行うようにしている。
特開2004−322508号公報
しかしながら、上述の従来技術では、低温環境下においては、以下の問題がある。即ち、上述の従来技術では、たとえ、ライン型インクジェットヘッドの全幅より短い幅で印刷用紙への印刷が可能であった場合でも、上記全幅のインク温度が適正温度範囲になってから、印刷を開始すると考えられる。
このため、印刷を開始できる適正温度範囲まで、インク温度をウォームアップさせるのに時間がかかってしまう。これにより、印刷ジョブの実行の開始が遅くなるので、印刷ジョブの実行の完了も遅くなってしまう。
本発明は、以上のような問題点を鑑みてなされたものであり、ライン型インクジェットヘッド内の位置によっては、インクの温度差が生じてしまう状況であり、かつ、印刷ジョブの実行の際に、ライン型インクジェットヘッドのインク温度が適正温度範囲外の場合において、印刷ジョブの実行の完了を早めるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
本発明は、記録媒体上の矩形領域内に画像形成させるための画像データを含む印刷ジョブを取得し、前記記録媒体の搬送方向と直交する印刷幅方向へのインク吐出により前記画像形成を行うライン型インクジェットヘッドを用いて、前記印刷ジョブの実行を行うインクジェット印刷装置であって、前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度を適正温度範囲に到達させるためのウォームアップ動作を行う温度調整手段と、前記印刷ジョブの取得タイミングにて、前記矩形領域の短辺をインク吐出が可能な第1のインク吐出対象幅において、前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度が、適正温度範囲であるか否かを判定する適正温度範囲判定手段と、前記温度調整手段を用いて、前記適正温度範囲判定手段により適正温度範囲外と判定された第1のインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでの第1のウォームアップ時間を算出するウォームアップ時間算出手段と、前記ウォームアップ時間算出手段により算出された第1のウォームアップ時間が、前記ライン型インクジェットヘッドのインク吐出対象全幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでのウォームアップ時間よりも短い場合、前記矩形領域の短辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行う画像制御手段とを備えることを特徴とするものである。
また、上記発明において、前記適正温度範囲判定手段は、前記印刷ジョブの取得タイミングにて、前記矩形領域の長辺の長さをインク吐出が可能な第2のインク吐出対象幅において、前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度が、適正温度範囲であるか否かを判定し、前記ウォームアップ時間算出手段は、前記温度調整手段を用いて、前記適正温度範囲判定手段により適正温度範囲外と判定された第2のインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでの第2のウォームアップ時間を算出し、前記第1のインク吐出対象幅におけるライン型インクジェットヘッドを用いて前記印刷ジョブの実行を開始してから完了するまでの第1の実行時間と、前記第2のインク吐出対象幅におけるライン型インクジェットヘッドを用いて前記印刷ジョブの実行を開始してから完了するまでの第2の実行時間とを、前記印刷ジョブの実行に用いられる記録媒体の数ごとに計測するジョブ実行時間計測手段を備え、前記画像制御手段は、前記第1の実行時間及び前記第1のウォームアップ時間の和と、前記第2の実行時間及び前記第2のウォームアップ時間の和との比較結果に基づいて、前記印刷ジョブの実行に用いられる記録媒体の数に応じて、前記矩形領域の短辺の方向又は前記矩形領域の長辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行うことを特徴とするものである。
また、上記発明において、前記画像制御手段は、前記記録媒体の数が所定数以下の場合には、前記矩形領域の短辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行い、前記記録媒体の数が所定数より大きい場合には、前記矩形領域の長辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行うことを特徴とするものである。
また、上記発明において、前記画像制御手段は、前記記録媒体の数が所定数以上の場合に、前記矩形領域の短辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行い、第2のインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲内と前記適正温度範囲判定手段により判定された場合、前記矩形領域の長辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行うことを特徴とするものである。
また、本発明は、記録媒体上の矩形領域内に画像形成させるための画像データを含む印刷ジョブを取得し、前記記録媒体の搬送方向と直交する印刷幅方向へのインク吐出により前記画像形成を行うライン型インクジェットヘッドを用いて、前記印刷ジョブの実行を行うインクジェット印刷装置であって、前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度を適正温度範囲に到達させるためのウォームアップ動作を行う温度調整手段と、前記印刷ジョブの取得タイミングにて、前記矩形領域の長辺の長さをインク吐出が可能なインク吐出対象幅において、前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度が、適正温度範囲であるか否かを判定する適正温度範囲判定手段と、前記温度調整手段を用いて、前記適正温度範囲判定手段により適正温度範囲外と判定されたインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでのウォームアップ時間を算出するウォームアップ時間算出手段と、前記ウォームアップ時間算出手段により算出されたウォームアップ時間が、前記ライン型インクジェットヘッドのインク吐出対象全幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでのウォームアップ時間よりも短い場合、前記矩形領域の長辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行う画像制御手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項1又は5に記載の発明によれば、ライン型インクジェットヘッドのインク吐出対象全幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでのウォームアップ時間よりも短いウォームアップ時間と算出されたインク吐出対象幅におけるライン型インクジェットヘッドで画像形成可能なように、矩形領域の短辺又は長辺の方向が印刷幅方向となるような画像データの回転制御を行う。
このため、従来のように、ライン型インクジェットヘッドのインク吐出対象の全幅のインク温度が適正温度範囲に達するまで印刷ジョブの実行が開始できないという事態が回避される。
従って、ライン型インクジェットヘッド内の位置によっては、インクの温度差が生じてしまう状況であるに場合において、かつ、印刷ジョブの実行の際に、ライン型インクジェットヘッドのインク温度が適正温度範囲外の場合において印刷ジョブの実行の完了を早めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1の実行時間及び第1のウォームアップ時間の和と、第2の実行時間及び第2のウォームアップ時間の和との比較結果に基づいて、印刷ジョブの実行に用いられる記録媒体の数に応じて、第1のインク吐出対象幅又は第2のインク吐出対象幅におけるライン型インクジェットヘッドで画像形成可能なように、矩形領域の短辺又は長辺の方向が印刷幅方向となるような画像データの回転制御を行う。
記録媒体の数が少ない場合、第1の実行時間及び第1のウォームアップ時間の和の方が、第2の実行時間及び第2のウォームアップ時間の和よりも小さくなる。
即ち、記録媒体の搬送方向に沿った長さによる搬送時間の影響よりも、ウォームアップ時間の影響の方が大きくなる。このため、ウォームアップ時間を早めてファーストプリント(印刷ジョブの実行の開始)を早めた方が、印刷ジョブの実行の完了を早めることができる。この場合、第1のインク吐出対象幅におけるライン型インクジェットヘッドで画像形成可能なように、矩形領域の短辺が印刷幅方向となるような画像データの回転制御を行うことで、印刷ジョブの実行の完了を確実に早めることができる。
一方、記録媒体の数が多い場合、第1の実行時間及び第1のウォームアップ時間の和よりも、第2の実行時間及び第2のウォームアップ時間の和の方が小さくなる。即ち、記録媒体の搬送方向に沿った長さによる搬送時間の影響の方が、ウォームアップ時間の影響よりも大きくなる。このため、ウォームアップ時間を遅くなるが、記録媒体の搬送方向に沿った長さを短くして、印刷ジョブの実行を開始した方が、印刷ジョブの実行の完了を早めることができる。
この場合、第1のインク吐出対象幅におけるライン型インクジェットヘッドで画像形成可能なように、矩形領域の長辺が印刷幅方向となるような画像データの回転制御を行うことで印刷ジョブの実行の完了を確実に早めることができる。この結果、請求項1に記載の発明の効果に加え、上記記録媒体の数に応じて、印刷ジョブの実行の完了を早めることが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、以下の効果が得られる。即ち、第1のインク吐出対象幅で記録媒体への画像形成を行うことで印刷ジョブの実行を完了させるために必要な時間(ウォームアップ時間と印刷ジョブ実行時間との和)と、第2のインク吐出対象幅で記録媒体への画像形成を行うことで印刷ジョブの実行を完了させるために必要な時間との大小関係が変化する記録媒体数を所定数と決めれば、以下の効果が得られる。
即ち、記録媒体の数に応じて、確実に、ウォームアップ時間と印刷ジョブ実行時間とを合わせた時間が短い方のインク吐出対象幅で記録媒体への画像形成を行うことができるので、印刷ジョブの実行の完了を一層確実に早めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、印刷ジョブの実行に用いられる記録媒体の数が所定数以上の場合、初めは、第1のインク吐出対象幅をインク吐出対象幅にして、記録媒体への画像形成が可能なように、矩形領域の短辺が印刷幅方向となるような画像データの回転制御を行う。その後、第2のインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲内と適正温度範囲判定手段により判定された場合、第2のインク吐出対象幅をインク吐出対象幅にして、矩形領域の長辺が印刷幅方向となるような画像データの回転制御を行う。
これにより、インク温度が適正温度範囲外から適正温度範囲内に達するためのウォームアップ時間を短くしてファーストプリントを早めるとともに、記録媒体の搬送時間を短くすることができる。この結果、印刷ジョブの実行の完了をより一層確実に早めることができる。
第1の実施形態の印刷システムの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のインクジェットヘッドの一部の構成を示す図である。 第1の実施形態のインクジェットヘッドと中間搬送部の構成を示す図である。 第1の実施形態のインク循環機構の構成を示す図である。 第1の実施形態の適正温度範囲判定部の処理を説明するための補足部である。 第1の実施形態のヘッドブロックの位置に応じてインク温度傾向が異なる様子を示す図である。 第1の実施形態のヘッドブロックの位置に応じてインク温度傾向が異なる様子を示す図である。 第1の実施形態の所定ブロック対応テーブルを示す図である。 第1の実施形態の各ヘッドブロックに応じた印刷可能な幅を示す図である。 第1の実施形態のウォームアップ時間テーブルを示す図である。 第1の実施形態のジョブ実行時間グラフを示す図である。 第1の実施形態の画像制御部による画像回転処理を説明するための補足図である。 第1の実施形態の、画像制御部による画像回転処理を説明するための補足図である。 第1の実施形態の印刷方法を示すフローチャート図である。 第1の実施形態の印刷方法を示すフローチャート図である。 第1の実施形態のインク温度調整処理を示すフローチャート図である。 第1の実施形態の印刷可能幅取得処理を示すフローチャート図である。 第2の実施形態の印刷方法を示すフローチャート図である。 変形例を説明するためのジョブ実行時間グラフを示す図である。
『第1の実施形態』
[印刷システムの構成]
図1に示すように、印刷システムは、ユーザインタフェース等の基本操作を行うためのオペレーションシステムが組み込まれ、各種のソフトウェアの実行が可能な端末装置1と、インクジェット印刷装置2と、これらの間を有線LAN等のネットワークを介して接続するシステム通信部(図示せず)とを備える。
(端末装置の構成)
端末装置1は、文字、各種オブジェクト、写真等の画像データを生成するアプリケーション部11とプリンタドライバ部12と入出力部(図示せず)と印刷ジョブ送信部13を備える。アプリケーション部11及びプリンタドライバ部12は、端末装置1にインストールされたプログラムが、CPU等により解読等の処理が行われることにより構成される。アプリケーション部11で生成された画像データは、プリンタドライバ部12に出力される。
アプリケーション部11は、矩形の印刷用紙上の所定の矩形領域(以下、所定領域)内に画像形成させるための画像データを生成する。具体的には、アプリケーション部11は、印刷用紙A4サイズ(210mm×297mm)上の領域に含まれ、印刷用紙の形状と相似な所定領域内に、各種の画像情報が含まれるように画像データを生成する。
そして、画像データは、一例として、上記所定領域内に、各種の画像情報が含まれるデータの場合の説明を行う。上記の所定の所定領域は、一例として、長辺の長さが、290mmとし、短辺の長さが、200mmとする場合の説明を行う。
プリンタドライバ部12は、印刷操作画面、印刷設定画面等の表示を入出力部の出力機能に行わせる。プリンタドライバ部12は、入出力部の入力機能を介してユーザから印刷の設定を受け、印刷に関する設定情報や印刷状態を入出力部の出力機能を介してユーザに通知する。
また、プリンタドライバ部12への印刷設定により、印刷用紙の長辺の方向を印刷用紙の搬送方向にすることもできるし、印刷用紙の短辺の方向を印刷用紙の搬送方向にすることもできる。以下の説明では、印刷用紙の長辺の方向を印刷用紙の搬送方向にする場合の説明を行う。この場合には、上記所定領域の長辺は、印刷用紙の搬送方向と平行になる。
プリンタドライバ部12は、ユーザによって設定されたデータ(以下、印刷設定データ)と画像データに基づいて、印刷対象ジョブデータ(例えば、PDLデータ)を生成し、印刷ジョブ送信部13、システム通信部を介してインクジェット印刷装置2に出力する。
この際、印刷対象ジョブデータには、印刷用紙に対して、インクジェットヘッドにより画像形成が行われる対象の画像データと、印刷設定データとが含まれる。印刷対象ジョブデータが、複数の印刷用紙に対してインクジェットヘッドにより画像形成を行わせるものである場合には、各ページごとの画像データが含まれる。
また、印刷設定データには、印刷ジョブ対象データにより画像形成される印刷枚数を示す印刷枚数データが含まれる。また、印刷設定データには、例えば、印刷用紙の長辺の方向を印刷用紙の搬送方向にし、印刷用紙の短辺の方向を印刷用紙の搬送方向(以下、用紙搬送方向)に直交する幅方向(以下、印刷幅方向)にすることを示す印刷用紙向きデータ、画像データを印刷するための印刷用紙のサイズデータ(例えば、A4サイズ、即ち297mm×210mm)も含まれる。
(インクジェット印刷装置の構成)
インクジェット印刷装置2は、端末装置1から送信されてきた印刷対象ジョブデータを取得し、ライン型インクジェットヘッド(以下、単にインクジェットヘッドという)を用いて、印刷対象ジョブデータの実行を行うものである。
インクジェット印刷装置2は、端末装置1から送信されてきた印刷対象ジョブデータを受信する通信部22と、インクジェットヘッド20と、インクジェットヘッド20内に設けられたインク温度検出部24と、用紙搬送部30と、インク循環機構50と、各部を制御する制御部60とを備える。
(インクジェットヘッド)
インクジェットヘッド20は、印刷用紙に対して、所定の間隔おきに、印刷幅方向への画像形成を、インク吐出により行う。図2、図3は、インクジェットヘッド20の構成を示す図である。図2は、インクジェット印刷装置を上方から見た図であり、図3は、インクジェット印刷装置を正面から見た図である。
本実施形態のインクジェット印刷装置2では、用紙搬送方向(X軸方向)に沿って、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、K(ブラック)、C(シアン)の順に4つのインクジェットヘッド23が設けられている。印刷用紙は、用紙搬送方向に搬送されながら、各インクジェットヘッド20から吐出されたインクによりライン単位で画像形成される。
各インクジェットヘッド20においては、図2に示すように、Y軸方向(用紙幅方向)に3つのヘッドブロック200が配置されたラインがX軸方向(用紙搬送方向)に2つ配置されている。各ヘッドブロック200は、隣り合うラインでは各ヘッドブロックが一部重なりあうように互い違いに千鳥状に配置されている。このため、インクジェットヘッド20において、Y軸方向の幅の用紙搬送中心位置に対して、No1、6のヘッドブロックは、端部にあり、No3、4のヘッドブロックは、中心部にあり、No2、5のヘッドブロック230は、中心部と端部の中間部に配置されているといえる。
本実施形態では、ピエゾ素子を用いてインクを噴射させる方式のインクジェットヘッドが用いられているものとする。
インクジェットヘッド20には、制御部60から送られる画像データの上記の所定領域上の各画素位置ごとのインク吐出量に基づいて、ピエゾ素子を駆動する駆動信号を出力するドライバ(図示せず)が備えられている。そして、ヘッドブロック200に設けた複数のノズルからインクを選択的に吐出させる場合に、各ノズルと対応して設けられた各ピエゾ素子に駆動信号を印加して振動板を変位させてインク溜室内のインクをノズルから吐出させる。但し、これに限定されず、静電方式や、膜沸騰インクジェット方式などでも適用が可能である。
(インク温度検出部)
インク温度検出部24は、インクジェットヘッド20内において、用紙幅方向(Y軸方向)の位置に応じたインク温度を検出するものである。具体的には、各ヘッドブロック200に設けられたインク温度検出部24は、それぞれ、各ヘッドブロック200(No1〜6)内のインク温度を検出する。
(用紙搬送部)
用紙搬送部30は、印刷用紙を給紙し中間搬送部40に搬送する給紙部(図示せず)と、給紙部から給紙された印刷用紙に対して、用紙搬送方向に搬送しながらインクジェットヘッド23によるインク吐出により画像形成された後、排紙部(図示せず)に搬送する中間搬送部40と、中間搬送部40により搬送されてきた印刷用紙を排出する排紙部とを備える。
給紙部には、各種の印刷用紙がそれぞれ積載された複数の給紙トレイ(図示せず)が設けられている。複数の給紙トレイには、同じ印刷用紙サイズであっても、用紙搬送方向が印刷用紙の長辺方向となるように、印刷用紙が積載された給紙トレイや、用紙搬送方向が印刷用紙の短辺方向となるように、印刷用紙が積載された給紙トレイが含まれている。
中間搬送部40は、図3に示すように、各インクジェットヘッド20C,20K,20M,20Yの下方に設けられている。中間搬送部40は、複数のエアー吸引孔(図示せず)を略等間隔で貫通して形成した帯状のベルトプラテン41と、帯状のベルトプラテン41を掛け渡すための第1〜第3プーリ42〜44と、帯状のベルトプラテン41を回転させるために第1プーリ42に連結したモータ45と、ベルトプラテン41に形成した複数のエアー吸引孔からエアーを吸引するサクションボックス46とで構成されている。
そして、帯状のベルトプラテン41上に例えばA4サイズの印刷用紙PAを搭載したときに、この印刷用紙PAをベルトプラテン41に形成した複数のエアー吸引孔からエアーを吸引して、印刷用紙PAをベルトプラテン41上に固定する。固定した状態でベルトプラテン41の回転より印刷用紙PAを用紙搬送方向(矢印X1方向)に搬送しながら各インクジェットヘッド20から吐出されたインクにより画像形成される。
また、図2に示すように、中間搬送部40においては、インクジェットヘッド20の用紙幅(印刷幅)方向(Y軸方向)の中心位置が、印刷用紙のY軸方向の中心位置と一致するように、印刷用紙の搬送が行われる。
(インク循環機構)
図4は、インク循環機構50の概略構成図である。本実施形態では、一例として、インク循環機構50は、後述するインク温度調整部52を除き、各色ごとに設けられているものとし、その1色のインク循環機構50の構成を説明する。
インク循環機構50は、インク循環経路部51とインク温度調整部52を備える。ここでは、一例として、各色に対応するインク循環機構50に対して、共通のインク温度調整部52が設けられている。
インク循環経路部51は、インクボトル510と、下流タンク511と、上流タンク512と、ポンプ514とを備える。また、インク循環経路部51は、インクボトル510から下流タンク511につながる供給流路DRと、下流タンク511から上流タンク512、インクジェットヘッド20を通って下流タンク511に戻る循環流路CRとを備える。
インクボトル510から供給されたインクは、供給流路DRを通って下流タンク511に一時的に溜められる。また、循環流路CRでは、下流タンク511に溜められたインクが、ポンプ514により上流タンク512に送られてから、インクジェットヘッド20に導かれる。インクジェットヘッド20で印刷に用いられなかったインクは下流タンク511に戻される。
インクジェットヘッド20のインク吐出面は、下流タンク511より高い位置に配置され、上流タンク512は、インクジェットヘッド20のインク吐出面より高い位置に配置されている。この位置関係に基づく水頭差により、上流タンク512からインクジェットヘッド20へのインク供給およびインクジェットヘッド20から下流タンク511へのインク帰還が行われる。
インク温度調整部52は、インクジェットヘッド20内のインク温度を適正温度範囲に到達させるためのウォームアップ動作を行うものである。インク温度調整部52は、下流タンク511と上流タンク512との間に設けられ、インクを温めるためのヒータ513を備える。(なお、インク温度調整部52には、インクを冷却するためのインク冷却器(図示せず)も備えられている。インク冷却器はヒートシンクを有しており、冷却効果を高めるための冷却ファンがインク冷却器のヒートシンクの近傍に設けられている。)
インクには、インクジェット印刷装置2が一定品質以上の印刷が可能である適正温度範囲が定められている。インク温度調整部52が、ウォームアップ動作においてインク温度を適正温度範囲に到達させる場合、インク循環経路部51のインク流路内でインク循環が行われた状態で、ヒータの動作が行われる。ヒータにより暖められたインクがインクジェットヘッド20の各ヘッドブロック内を介して、循環していくので、各ヘッドブロック20内のインク温度は、適正温度範囲に到達することができる。適正温度範囲に到達すると、ヒータの動作がオフされたり、インク温度が上がりすぎて適正温度範囲外になった場合などではインク冷却器の動作がオンする等で、インクが循環しながら、各ヘッドブロック内のインク温度が適正温度範囲内になるようにされる。
なお、本実施形態では、一例として、インクジェット印刷装置2が電源オンの間は、インク温度調整部52は、インクジェットヘッド20のインク温度を適正温度範囲内になるように調整している場合の説明を行う。
(制御部)
制御部60は、インク温度調整制御部61と、インク循環機構50内でインク循環を行わせるようにポンプ514を制御するインク循環制御部62と、適正温度範囲判定部63と、ウォームアップ時間算出部64と、ジョブ実行時間計測部65と、画像制御部66と、インク吐出制御部67と、用紙搬送制御部68とを備える。なお、本実施形態では、一例として、4つのヘッドブロック200の幅方向(図2のY軸方向)における温度分布が同様のものとして、1つのインクジェットヘッド20に注目すればよい場合の説明を行う。
(インク温度調整制御部)
インク温度調整制御部61は、インクジェットヘッド20の所定のヘッドブロック200内に設けられたインク温度検出部24によるインク温度の検出結果に基づいて、各ヘッドブロック200内のインク温度が適正温度範囲内になるようにインク温度調整部52を制御する。
具体的には、インク温度調整制御部61は、所定のヘッドブロックNo3内に設けられたインク温度検出部24によるインク温度が、所定温度(Ta、Tb、Tcのいずれか)に到達していない場合には、ヒータの動作を開始又は継続させる。一方、インク温度調整制御部61は、所定のヘッドブロックNo3内に設けられたインク温度検出部24によるインク温度が、所定温度に到達している場合には、ヒータの動作を停止させる。所定のヘッドブロックNo3内に設けられたインク温度検出部24によるインク温度が、所定温度(Ta、Tb、Tcのいずれか)に到達しない場合に、インク温度調整を行う理由は、適正温度範囲判定部63の処理のところで詳細に説明する。
(適正温度範囲判定部)
適正温度範囲判定部63は、通信部22が印刷対象ジョブデータを受信したときに、画像データに含まれる所定領域の短辺の長さをインク吐出が可能な第1のインク吐出対象幅と、上記所定領域の長辺の長さをインク吐出が可能な第2のインク吐出対象幅とにおいて、インクジェットヘッド20内のインク温度が、適正温度範囲であるか否かを判定する。適正温度範囲の判定処理の具体的な説明を以下に示す。
先ず、適正温度範囲判定部63は、以下のようなヘッドブロック200毎のインク温度分布データ(以下、インク温度分布データという)を保持している。インク温度分布データは、以下のようにして生成される。
図5は、適正温度範囲外からヒータ513によりウォームアップ動作を行ったときに、各ヘッドブロック200(No1〜6)内のインク温度検出部24により検出されたインク温度(黒丸)又は検出されるであろうインク温度(点線丸)の挙動を示す図である。ここで、図6、7に示すように、中央部のヘッドブロック200のインクは、暖まりやすく、インク温度が適正温度範囲内に到達するのが早いが、端部のヘッドブロック200のインクは、暖まりにくく、インク温度が適正温度範囲内に到達するのが遅い。
作業者等は、所定のヘッドブロック200(ここでは、No3)のインク温度がTx1(適正温度範囲近傍)のとき、他のヘッドブロック200のインク温度を検出し、ヘッドブロックNo1〜6のインク温度の分布を求める。同様にして、作業者等は、所定のヘッドブロック200(ここでは、No3)のインク温度がTx2(適正温度範囲近傍)のとき、ヘッドブロックN01〜6のインク温度の分布を求める。
これらの分布結果により、作業者等は、適正温度範囲近傍において、ヘッドブロックNo3のインク温度がTx1からTx2への温度上昇変化に対して、他のヘッドブロック200の温度上昇変化を算出できる。
そして、作業者等は、ヘッドブロックNo3のインク温度Tx1、Tx2におけるインク温度上昇変化と、他のヘッドブロック200の温度上昇変化とから、全てのヘッドブロック200(No1〜6)のインク温度を適正温度範囲にするための、ヘッドブロックNo3のインク温度Taを求めることができる。同様にして、ヘッドブロック200(No2〜5、No3〜4)のインク温度を適正温度範囲にするための、ヘッドブロックNo3のインク温度Tb、Tcを求めることができる。これらの結果をプロットした一例が図5である。
なお、端部のヘッドブロック200のインク温度が適正温度範囲に入ったときに、中央部の所定のヘッドブロック200のインク温度が適正温度範囲外になるような場合には、以下のようにしてもよい。例えば、中央部のヘッドブロック200には、個別のインク温度調整部52を設けて、全てのヘッドブロック200のインク温度が適正温度範囲に入るようにしてもよい。
そして、適正温度範囲判定部63には、全てのヘッドブロックNo1〜6のインク温度を適正温度範囲にするための、ヘッドブロックNo3のインク温度Ta、中央4つのヘッドブロックNo2〜5のインク温度を適正温度範囲にするための、ヘッドブロックNo3のインク温度Tb、中央2つのヘッドブロックNo3〜4のインク温度を適正温度範囲にするための、ヘッドブロックNo3のインク温度Tcが保持される。
そして、適正温度範囲判定部63は、全てのヘッドブロックNo1〜6のインク吐出対象幅と、中央4つのヘッドブロックNo2〜5のインク吐出対象幅と、中央2つのヘッドブロックNo3〜4のインク吐出対象幅とを示す吐出対象幅データを保持している。また、これらのヘッドブロックNo3のインク温度(Ta、Tb、Tc)と、インク吐出対象幅(330mm、220mm、110mm)との対応関係は、図8に示す所定ブロック対応テーブルとして保持される。
そして、印刷対象ジョブデータが通信部22により受信されると、画像制御部66に送られる。画像制御部66は、印刷用紙向きデータ、印刷用紙のサイズデータから、画像データ内の所定領域の長辺の長さは、用紙搬送方向(図2に示すX軸方向)に沿った長さであることと、画像データ内の所定領域の短辺の長さは、印刷幅方向(図2に示すY軸方向)に沿った長さであることを、適正温度範囲判定部63に送る。図9は、各ヘッドブロック200に応じた印刷可能な幅(インク吐出対象幅)を示すものである。
例えば、画像制御部66には、画像データ内の所定領域の長辺の長さ(290mm、全てのヘッドブロックNo1〜6によるインク吐出対象幅で印刷可能、中央4つのヘッドブロックNo2〜5によるインク吐出対象幅では印刷不可能)は、用紙搬送方向に沿った長さである。そして、画像データ内の所定領域の短辺の長さ(200mm(中央4つのヘッドブロックNo2〜5によるインク吐出対象幅で印刷可能、中央2つのヘッドブロックNo3〜4によるインク吐出対象幅で印刷不可能)は、印刷幅方向に沿った長さであると取得される。
適正温度範囲判定部63は、ヘッドブロックNo3に設けられたインク温度検出部24により検出されたインク温度Tzを周期的に取得する。適正温度範囲判定部63は、取得したインク温度Tzと、保持しているインク温度Ta〜cを比較し、インク温度Tzと、Ta〜cとの大小関係を求める。
例えば、画像データ内の所定領域の長辺の長さ290mmは、用紙搬送方向に沿った長さであり、画像データ内の所定領域の短辺の長さ200mmは、印刷幅方向に沿った長さである場合、以下のように判定される。
上記のインク温度Tzがインク温度Taに到達した場合には、画像データ内の所定領域の長辺の長さに対応する(長さにわたってインク吐出が可能な)インクジェットヘッド20のインク吐出対象幅(第2のインク吐出対象幅)、画像データ内の所定領域の短辺の長さに対応する(長さにわたってインク吐出が可能な)インクジェットヘッド20のインク吐出対象幅(第1のインク吐出対象幅)ともにインク温度が適正温度範囲内にあると判定される。
また、インク温度Tzがインク温度Tbに到達した場合には、上記所定領域の長辺の長さに対応するインクジェットヘッド20のインク吐出対象幅のインク温度は適正温度範囲外であるが、上記所定領域の短辺の長さに対応するインクジェットヘッド20のインク吐出対象幅のインク温度は適正温度範囲内にあると判定される。
また、TzがTcに到達していない場合には、上記所定領域の長辺の長さに対応するインクジェットヘッド20のインク吐出対象幅、上記所定領域の短辺の長さに対応するインクジェットヘッド20のインク吐出対象幅ともにインク温度は適正温度範囲外であると判定される。
(ウォームアップ時間算出部)
ウォームアップ時間算出部64は、適正温度範囲判定部63により適正温度範囲外と判定された、インクジェットヘッド20のインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでのウォームアップ時間を2つ算出するものである。
ウォームアップ時間算出部64は、上記のインク温度調整部52を用いた場合に、ヘッドブロックNo3のインク温度が、Ta、Tb、Tcに達するまでのウォームアップ時間を、ウォームアップ動作開始前のインク温度ごとに示すウォームアップ時間テーブルを保持している。一例として、インク温度Taに到達するまでのウォームアップ時間テーブルを図10に示す。このウォームアップ時間テーブルは、環境温度、インク温度調整部52の温度調整力(加温効率)に応じて、別途設けるようにしてもよい。
ウォームアップ時間算出部64による算出処理の詳細な説明の一例を以下に示す。例えば、画像データ内の所定領域の長辺の長さ290mmは用紙搬送方向に沿った長さであり、画像データ内の所定領域の短辺の長さ200mmは、印刷幅方向に沿った長さである場合、以下の処理が行われる。ウォームアップ時間算出部64は、上記所定領域の長辺の長さ、上記所定領域の短辺の長さともに、対応するヘッドブロック200(No1〜6、No2〜5)のインク温度が適正温度範囲外にあると判定された場合、ヘッドブロックNo3のインク温度Tzを取得する。
そして、ウォームアップ時間算出部64は、上記所定領域の長辺の長さに対応するヘッドブロックNo1〜6のインク温度が適正温度範囲になる場合のヘッドブロックNo3のインク温度Taと、上記所定領域の短辺の長さに対応するヘッドブロックNo2〜5のインク温度が適正温度範囲になる場合のヘッドブロックNo3のインク温度Tbとを取得する。
ウォームアップ時間算出部64は、ウォームアップ時間テーブルを参照して、ヘッドブロックNo3のインク温度Tzがインク温度Ta、Tbに到達するまでのウォームアップ時間をそれぞれ算出する。前者のウォームアップ時間は、
上記所定領域の長辺の長さに対応するヘッドブロックNo1〜6のインク温度が適正温度範囲になるまでのウォームアップ時間(第2のウォームアップ時間)であり、後者のウォームアップ時間は、上記所定領域の短辺の長さに対応するヘッドブロックNo1〜6のインク温度が適正温度範囲になるまでのウォームアップ時間(第1のウォームアップ時間)である。
(ジョブ実行時間計測部)
ジョブ実行時間計測部65は、上記所定領域の短辺の長さに対応するインク吐出対象幅のインクジェットヘッド20を用いて印刷対象ジョブデータの実行を開始してから完了するまでの第1のジョブ実行時間と、上記所定領域の長辺の長さに対応するインク吐出対象幅のインクジェットヘッド20を用いて印刷対象ジョブデータの実行を開始してから完了するまでの第2のジョブ実行時間とを、印刷対象ジョブデータの実行に用いられる印刷用紙の枚数(以下、印刷枚数)ごとに、計測するものである。
用紙搬送部30により、印刷用紙を搬送する場合、印刷の高速性のために、できるだけ、印刷用紙の間隔を狭めて、搬送する必要がある。一方、あまり、間隔を狭めると、印刷用紙の衝突が発生する。このため、印刷条件(給紙部の給紙条件、中間搬送部40の搬送条件、インクジェットヘッドによるインク吐出速度(画像形成速度)等)に基づき、搬送される印刷用紙の間隔は、所定の間隔に決められる。この所定の間隔は、例えば、同じA4サイズの場合、用紙の長い辺の方向に搬送しても、短い辺の方向に搬送しても、同じにできる。
このため、ジョブ実行時間計測部65は、用紙搬送部30を用いて、印刷用紙向きデータ、印刷用紙のサイズデータに基づき、以下の処理を行う。例えば、画像データの印刷対象の印刷用紙サイズがA4であって、印刷用紙の搬送方向に沿った長さを、297mm(ヘッドブロック1から6までの長さ)にしたときに、印刷ジョブ対象データで用いられる最初の印刷用紙が給紙されてから、インクジェットヘッド20で印刷され、全ての印刷用紙が排紙されるまでの時間であるジョブ実行時間を、印刷枚数ごとに計測する。
上記所定領域の短辺が印刷幅方向と平行な場合には、第1のジョブ実行時間に対応する。一方、上記所定領域の長辺が印刷幅方向と平行な場合には、第2のジョブ実行時間に対応する。
同様に、ジョブ実行時間計測部65は、印刷用紙の搬送方向に沿った長さを、210mm(ヘッドブロック2から5までの長さ)にしたときのジョブ実行時間を、印刷枚数ごとに計測する。そして、画像データの印刷対象サイズがA3サイズ、B4サイズ等の場合のジョブ実行時間も同様に計測する。ジョブ実行時間計測部65は、これらの計測結果を、上記の第1のジョブ実行時間及び第2のジョブ実行時間として印刷枚数ごとに保持しておく。
(画像制御部66)
画像制御部66は、第1のジョブ実行時間及び第1のウォームアップ時間の和と、第2のジョブ実行時間及び第2のウォームアップ時間の和との比較結果に基づいて、印刷ジョブの実行に用いられる記録媒体の数に応じて、第1のインク吐出対象幅又は前記第2のインク吐出対象幅におけるライン型インクジェットヘッドで画像形成可能なように、画像データを、直交方向に回転させるか否かを制御する。
具体的には、画像制御部66は、印刷枚数が所定数以下の場合には、第1のインク吐出対象幅におけるインクジェットヘッド20で画像形成可能なように、画像データを、直交方向に回転させるか否かを制御し、印刷枚数が所定数より大きい場合には、第2のインク吐出対象幅におけるインクジェットヘッド20で画像形成可能なように、画像データを、直交方向に回転させるか否かを制御する。
具体的には、画像制御部66は、印刷対象ジョブデータが通信部22により受信された場合、印刷対象ジョブデータを取得し、以下の処理を行う。画像制御部66は、印刷対象ジョブデータに対する画像処理を行なう。具体的には、画像制御部66は、印刷対象ジョブデータのRIP処理等の展開処理を行い、ビットマップ展開された画像データ(以下、単に画像データという)と、印刷設定データ(印刷枚数データ、印刷用紙向きデータ、印刷用紙のサイズデータ)を取得する。
画像制御部66は、画像データの色変換処理、二値化処理、中間調処理等を行う。画像処理後の画像データはドットデータとして表現され、画像制御部66は、メモリ上の記憶領域であるドットデータ記憶部(図示せず)に記憶する。各ドットデータは、例えば、1〜7ドロップを示すデータであり、上記所定領域内の各画素位置に対応づけられる。
上述したように、ウォームアップ時間算出部64により、上記所定領域の短辺の長さに対応するヘッドブロック200のインク温度が適正温度範囲になるまでのウォームアップ時間(第1のウォームアップ時間)と、上記所定領域の長辺の長さに対応するヘッドブロック200のインク温度が適正温度範囲になるまでのウォームアップ時間(第2のウォームアップ時間)とが算出され、画像制御部66に送られる。
また、画像制御部66は、印刷枚数データに含まれる印刷枚数を取得するとともに、画像データ内の所定領域の長辺の長さ(例えば、290mm)に対応する(長さにわたってインク吐出可能な)ヘッドブロック200の長さ(330mm)をインク吐出対象幅にしたときのジョブ実行時間を印刷枚数ごとに取得する。
また、画像制御部66は、画像データ内の所定領域の短辺の長さ(例えば、200mm)にわたってインク吐出可能なヘッドブロック200の長さ(例えば、220mm)をインク吐出対象幅にしたときのジョブ実行時間を印刷枚数ごとに取得する。
そして、画像制御部66は、取得した第1のウォームアップ時間、第2のウォームアップ時間、印刷設定データに含まれる印刷枚数、印刷枚数ごとのジョブ実行時間とから、画像データを回転させるか否かを決定する。図11、図12、図13は、画像制御部66により画像回転制御処理を説明するための図である。
例えば、画像制御部66は、画像データの印刷対象の印刷用紙のサイズがA4サイズの場合、取得した第1のウォームアップ時間、第2のウォームアップ時間と、印刷枚数ごとのジョブ実行時間とから、以下のジョブ実行時間グラフを生成する。即ち、画像制御部66は、図11に示すように、印刷枚数を縦軸とし、印刷対象ジョブデータをインクジェット印刷装置が取得してからの経過時間を横軸とし、上記所定領域の長辺の長さにわたってインク吐出可能なヘッドブロックNo1〜6をインク吐出対象幅にしたときのジョブ実行時間と、上記所定領域の短辺の長さにわたってインク吐出可能なヘッドブロックNo2〜5をインク吐出対象幅にしたときのジョブ実行時間とを示すジョブ実行時間グラフを生成する。なお、ここで、図11に示す横軸は、電源オン時からの経過時間でもよい。
このジョブ実行時間グラフにおいては、印刷枚数L以下の場合には、ヘッドブロックNo2〜5をインク吐出対象幅にした方が、印刷対象ジョブデータ取得時からウォームアップ時間とジョブ実行時間が経過した時点が、早くなる。このため、ヘッドブロックNo2〜5をインク吐出対象幅にすると判断される。一方、印刷枚数Lより大きい場合には、ヘッドブロックNo1〜6をインク吐出対象幅にした方が、印刷対象ジョブデータ取得時からウォームアップ時間とジョブ実行時間が経過した時点が、早くなる。このため、ヘッドブロックNo1〜6)をインク吐出対象幅にすると判断される。
そして、画像制御部66は、ジョブ実行時間グラフと、印刷設定データに含まれる印刷枚数とから、上記所定領域の長辺の長さにわたってインク吐出可能なヘッドブロックNo1〜6をインク吐出対象幅にするか、上記所定領域の短辺の長さにわたってインク吐出可能なヘッドブロックNo2〜5をインク吐出対象幅にするか判断する。
また、画像制御部66は、ドットデータ回転部を備えており、必要に応じて、ドットデータ記憶部221に記憶されたドットデータを90度回転させてドットデータ記憶部221に再記憶する処理を行なう。
この処理の具体的な説明を図12、図13を用いて以下に示す。画像制御部66は、例えば、印刷対象ジョブデータに含まれる画像データにおいて所定領域の長辺の長さを290mmとし、所定領域の短辺の長さを200mmとし、所定領域の長辺が用紙搬送方向と平行になるように生成された場合、以下のように回転制御処理を行う。
画像制御部66は、所定領域の長辺の長さ290mmにわたってインク吐出可能なヘッドブロックNo1〜6をインク吐出対象幅にすると判断した場合、各ドットデータを直交方向に回転させて、ドットデータ記憶部221に再記憶する。再記憶される前の画像データと再記憶された後の画像データを図12に示す。所定領域の短辺の長さ200mmにわたってインク吐出可能なヘッドブロックNo2〜5をインク吐出対象幅にすると判断した場合、各ドットデータを直交方向に回転させる処理は行わない。この結果、ドットデータ記憶部221に記憶される画像データ(各ドットデータの集まり)は、図13に示すように、変化しない。
画像制御部66は、インク温度調整制御部61に対して、印刷対象ジョブデータ取得時からウォームアップ時間とジョブ実行時間が経過した時点が、早くなる方のインク吐出対象幅に対応するヘッドブロック200が適正温度範囲になるようなヘッドブロックNo3の所定のインク温度(例えば、Tb)に到達するまでウォームアップ動作が行われる間、以下の処理を行う。画像制御部66は、ヘッドブロックNo3に設けられたインク温度検出部24により検出されるインク温度を監視し、上記のインク温度が所定の温度になった場合、画像制御部66に知らせるように指示する。
画像制御部66は、上記の再記憶処理、ヘッドブロックNo3の所定のインク温度(例えば、Tb)への到達を示すデータを取得した場合、以下の処理を行う。画像制御部66は、インク吐出制御部67に対して、ドットデータ記憶部に記憶されたドットデータに基づいて、インクジェットヘッド20を用いて、印刷用紙に印刷を行うように指示する。また、画像制御部66は、用紙搬送制御部68に対して、給紙部により印刷用紙の給紙を開始するように指示する。
ここで、例えば、印刷用紙のサイズがA4サイズであって、画像データの所定領域の長辺方向と用紙搬送方向が平行な場合に、上述の回転を行った場合には、以下の処理を行う。画像制御部66は、用紙搬送制御部68に対して、A4サイズの印刷用紙で、用紙搬送方向に沿った長さが297mmとなるように積載された給紙トレイから給紙するように指示する。
(インク吐出制御部及び用紙搬送制御部)
インク吐出制御部67は、ドットデータ記憶部に記憶された画像処理後のドットデータに基づいて、画素位置毎のインク吐出量を算出し、インクジェットヘッド20のドライバに出力する。
用紙搬送制御部68は、印刷用紙の給紙搬送、中間搬送、排紙搬送を行うように、給紙部、中間搬送部40、排紙部の動作を制御する。用紙搬送制御部68は、印刷設定データに含まれる印刷枚数データ、印刷用紙向きデータ、印刷用紙のサイズデータと、画像制御部66からの給紙指示に基づいて、給紙部に対して給紙制御を行う。
用紙搬送制御部68は、インク吐出制御部67と協働して、印刷用紙への画像形成が適切に行えるように、印刷用紙の搬送動作を行うように、用紙搬送部30を制御する。用紙搬送制御部68は、用紙搬送部30に対して、印刷用紙を給紙して中間搬送部40に搬送するように制御するとともに、モータ45を介して、各プーリーを回転させ、ベルトプラテン41を回転させる。また、用紙搬送制御部68は、インクジェットヘッド20により画像形成された印刷用紙を、中間搬送部40により、排出部に搬送するように制御する。
用紙搬送制御部68は、印刷用紙が画像形成後に、排出されるごとに、印刷枚数データが示す印刷枚数値から1づつ減算する残り用紙枚数カウント機能を備え、残りの印刷枚数が0になったときに、印刷終了を示すデータを画像制御部66に送る。
インク吐出制御部67は、各プーリーに設けられたエンコーダーからのパルス数を取得する。インク吐出制御部67は、取得したパルス数と、画像データの印刷対象領域上の各画素位置のインク吐出量に基づいて、インクジェットヘッド20のドライバを介して各ヘッドブロック200を駆動して、印刷用紙上の画像形成すべき位置にインクを吐出していく。
(印刷方法)
上述した構成のインクジェット印刷装置2を用いた印刷方法を図14〜図17により説明する。図14、図15は、制御部60によるインクジェット印刷のための制御処理を示すフローチャート図である。図14に示すように、端末装置1により印刷対象ジョブデータの生成が行われ、印刷対象ジョブデータがインクジェット印刷装置2に送られると、通信部22は、印刷対象ジョブデータを受信し、制御部60に送る(S1)。
画像制御部66は、印刷対象ジョブデータから、画像データ、印刷設定データを取得し(S2)、印刷設定データに含まれる印刷枚数データ、印刷用紙向きデータ、印刷用紙のサイズデータを取得する。画像制御部66は、吐出対象幅データを参照して、画像データの所定領域の長辺の長さと、短辺の長さとのうち、用紙搬送方向に平行な長さ(例えば、上記長辺の長さであり、以下、用紙搬送方向長さという)に対応するヘッドブロック200と、印刷幅方向に平行な長さ(例えば、上記短辺の長さであり、以下、印刷幅方向長さという)に対応するヘッドブロック200とを特定するデータを取得する(S3)。
適正温度範囲判定部63は、ヘッドブロックNo3に設けられたインク温度検出部24から、現在のインク温度を取得する(S4)。適正温度範囲判定部63は、用紙搬送方向長さに対応するヘッドブロック200のインク温度が適正温度範囲にあるときのヘッドブロックNo3のインク温度(第1の適正インク温度)と、印刷幅方向長さに対応するヘッドブロック200のインク温度が適正温度範囲にあるときのヘッドブロックNo3のインク温度(第2の適正インク温度)を取得する(S5)。
適正温度範囲判定部63は、S4で取得した現在のインク温度と、第1の適正インク温度、第2の適正インク温度から、用紙搬送方向長さに対応するヘッドブロック200のインク温度、印刷幅方向長さに対応するヘッドブロック200のインク温度がいずれも適正温度範囲にあるか判定する(S6)。このS6の処理において、S4で取得した現在のインク温度から、インク吐出対象幅、これに対応するヘッドブロックを取得する詳細な説明は、図17で後述する。
S6で、いずれも適正温度範囲にないと判定された場合には、S7の処理へ移行する。現在のインク温度、用紙搬送方向長さに対応するヘッドブロック200のインク温度、印刷幅方向長さに対応するヘッドブロック200のインク温度、第1の適正インク温度、第2の適正インク温度がウォームアップ時間算出部64に送られ、S9の処理が行われる。いずれか一方が適正温度範囲にあると判定された場合、S7の処理へ移行する。
適正温度範囲判定部63は、印刷幅方向長さに対応するヘッドブロック200で印刷を開始すると決定する(S7)。適正温度範囲判定部63は、ヘッドブロックNo3の現在のインク温度が、印刷開始を決定したヘッドブロック200をインク吐出対象幅にするためのヘッドブロックNo3のインク温度に到達したか否か判定する(S8)。S8でとNOと判定された場合、S8の処理に移行し、S8でとYESと判定された場合、S16の処理に移行する。
ウォームアップ時間算出部64は、ウォームアップ時間テーブルを参照して、ヘッドブロックNo3が、現在のインク温度から第1の適正インク温度になるまでのウォームアップ時間と、現在のインク温度から第2の適正インク温度になるまでのウォームアップ時間とを算出する(S9)。
画像制御部66は、用紙搬送方向長さに対応するヘッドブロック200を用いて、印刷対象ジョブデータの実行を開始してから完了するまでの第1のジョブ実行時間と、印刷幅方向長さに対応するヘッドブロック200を用いて、印刷対象ジョブデータの実行を開始してから完了するまでの第2のジョブ実行時間とを、印刷対象ジョブデータに用いられる印刷枚数ごとに取得する(S10)。
そして、画像制御部66は、ウォームアップ時間算出部64により算出されたウォームアップ時間と、第1の実行時間と、第2の実行時間とから、ジョブ実行時間グラフを生成する。画像制御部66は、ジョブ実行時間グラフから、印刷枚数データが示す印刷枚数に基づいて、用紙搬送方向長さに対応するヘッドブロック200をインク吐出対象幅にしたときのウォームアップ時間とジョブ実行時間とを合わせた時間と、印刷幅方向長さに対応するヘッドブロック200をインク吐出対象幅にしたときのウォームアップ時間とジョブ実行時間とを合わせた時間とを比較し、短い時間の方の幅に対応するヘッドブロック200をインク吐出対象幅にすると決定する(S11)。
画像制御部66は、S11で判定した短い時間の方の幅に対応するヘッドブロック200をインク吐出対象幅にするために、画像データを直行方向に回転するか否か判定する(S12)。
S12でYESと判定された場合、画像制御部66は、画像データの回転処理を行う(S13)。一方、S12でNOと判定された場合、画像制御部66は、画像データの回転処理を行わず、S14の処理へ移行する。S12又はS13の処理が終了した場合には、その旨は、適正温度範囲判定部63に送られる。
適正温度範囲判定部63は、ヘッドブロックNo3に設けられたインク温度検出部24から、現在のインク温度を取得する(S14)。適正温度範囲判定部63は、S11で短い時間の方の幅に対応するヘッドブロック200をインク吐出対象幅にするためのヘッドブロックNo3のインク温度(第1の適正インク温度又は第2の適正インク温度)に到達したか否か判定する(S15)。S15でNOと判定された場合、S14の処理に移行する。S15でYESと判定された場合、S16の処理へ移行する。
インク吐出制御部67は、ドットデータ記憶部に記憶された画像処理後のドットデータに基づいて、S11で短い時間の方の幅又はS7で決定された幅に対応するヘッドブロック200のインク吐出制御を行うとともに、用紙搬送制御部68は、印刷設定データに基づいて、用紙搬送制御を行う(S16)。
画像制御部66は、用紙枚数カウント機能に基づいて、印刷設定データに含まれる印刷枚数の印刷が終了したか否かを判断し(S17)、S17でYESと判定された場合、本処理は終了する。一方、S17でNOと判定された場合、S16の処理に移行する。
図16は、インクジェット印刷装置2の電源がオンされた場合にインク温度調整処理を示すフローチャート図である。図16に示す処理は、一定周期間隔で行われる。
インク温度調整制御部61は、ヘッドブロックNo3に設けられたインク温度検出部24から、現在のインク温度を取得する(S21)。インク温度調整制御部61は、S21で取得したインク温度が、全てのヘッドブロック200(No1〜6)をインク吐出対象幅にするためのヘッドブロックNo3のインク温度に到達したか否か判定する(S22)。
S22でNOと判定された場合、インク温度調整部52のヒータ動作を開始又は継続させ(S23)、S24−2へ移行する。S22でYESと判定された場合、インク温度調整部52のヒータ動作を停止させ(S24)、S24−2へ移行する。インク温度調整制御部61は、S11の処理が行われたか否かを判断し(S24−2)、S24−2でYESと判定された場合、S25へ移行し、S24−2でNOと判定された場合、S21へ移行する。
インク温度調整制御部61は、ヘッドブロックNo3に設けられたインク温度検出部24から、現在のインク温度を取得する(S25)。インク温度調整制御部61は、S11で短い時間の方の幅に対応するヘッドブロック200をインク吐出対象幅にするためのヘッドブロックNo3のインク温度に到達したか否かを判定する(S26)。
S26でNOと判定された場合、インク温度調整部52のヒータ動作を開始又は継続させ(S27)、S29へ移行する。S26でYESと判定された場合、インク温度調整部52のヒータ動作を停止させ(S28)、S29へ移行する。
インク温度調整制御部61は、S17で印刷が終了したか否かを判定し(S29)、S29でNOと判定された場合、S25へ移行し、S29でYESと判定された場合、S21へ移行する。
図17は、S4で取得した現在のインク温度から、インク吐出対象幅、これに対応するヘッドブロックを取得する詳細な説明を示すフローチャート図である。適正温度範囲判定部63は、S4で取得した現在のインク温度が、インク温度Tc(ヘッドブロックNo3〜4のインク温度が適正温度範囲になる場合のヘッドブロックNo3のインク温度)より高いか否かを判定する(S61)。
S61でYESと判定された場合、S63の処理へ移行し、S61で、NOと判定された場合、印刷不可能と判断する(S62)。適正温度範囲判定部63は、S4で取得した現在のインク温度が、インク温度Tb(ヘッドブロックNo2〜5のインク温度が適正温度範囲になる場合のヘッドブロックNo3のインク温度)より高いか否かを判定する(S63)。
S63でYESと判定された場合、S65の処理へ移行し、S63で、NOと判定された場合、インク吐出対象幅は、ヘッドブロックNo3〜4と判断する(S64)。適正温度範囲判定部63は、S4で取得した現在のインク温度が、インク温度Ta(ヘッドブロックNo1〜6のインク温度が適正温度範囲になる場合のヘッドブロックNo3のインク温度)より高いか否かを判定する(S65)。
S65でYESと判定された場合、S67の処理へ移行し、S65で、NOと判定された場合、インク吐出対象幅は、ヘッドブロックNo2〜5と判断する(S66)。S67では、適正温度範囲判定部63は、インク吐出対象幅が、ヘッドブロックNo1〜6と判断する。
適正温度範囲判定部63は、上記の判断結果から、S4における現在のインク温度に対して、インク吐出対象幅のヘッドブロック200が判断できる。この結果から、適正温度範囲判定部63は、ヘッドブロックNo3の現在のインク温度から、用紙搬送方向長さに対応するヘッドブロック200のインク温度、印刷幅方向長さに対応するヘッドブロック200のインク温度が適正温度範囲にあるか否か判断することができる。
『第2の実施形態』
本実施形態において、第1の実施形態と同一構成、機能については同一符号等を付してその説明を省略又は簡略化する。
(インクジェット印刷装置の構成)
本実施形態の画像制御部66は、印刷枚数が所定数L以上の場合に、第1のインク吐出対象幅におけるインクジェットヘッド20で画像形成可能なように、所定領域の短辺の方向が印刷幅方向となるような画像データの回転制御を行い、第2のインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲内と適正温度範囲判定部63により判定された場合、第2のインク吐出対象幅におけるインクジェットヘッド20で画像形成可能なように、所定領域の長辺の方向が印刷幅方向となるような画像データの回転制御を行う。
上述の第1の実施形態で説明したように、画像制御部66は、第1のウォームアップ時間、第2のウォームアップ時間、印刷設定データに含まれる印刷枚数、印刷枚数ごとのジョブ実行時間とを取得する。本実施形態では、画像制御部66は、以下の処理を行う。
上述の第1の実施形態では、図11に示すように、例えば、画像データの印刷対象の印刷用紙サイズがA4サイズの場合、印刷枚数Lを境界として、印刷対象ジョブデータ取得時からウォームアップ時間とジョブ実行時間が経過した時点が早くなるのが、上記所定領域の短辺の長さ200mmを印刷可能なヘッドブロックNo2〜5をインク吐出対象幅にした方から、上記所定領域の長辺の長さ290mmを印刷可能なヘッドブロックNo1〜6をインク吐出対象幅にした方に切り替わる。
本実施形態では、印刷設定データに含まれる印刷枚数が、Lより大きい場合である場合、画像制御部66は、先ず、上記所定領域の短辺の長さ200mmを印刷可能なヘッドブロック200(No2〜5)をインク吐出対象幅にすると判断する。この場合の画像制御部66による回転処理等は上述の第1の実施形態で説明した通りである。
画像制御部66は、上記所定領域の短辺の長さを印刷可能なヘッドブロックNo2〜5のインク温度が適正温度範囲になるようなヘッドブロックNo3のインク温度(Tb)に到達するまで、ヘッドブロックNo3のインク温度を監視する。そして、インク温度調整部52にウォームアップ動作を行わせるように指示する。
画像制御部66は、必要に応じて再記憶処理を行い、ヘッドブロックNo3のインク温度(Tb)に到達を示すデータを取得した場合、画像制御部66は、インク吐出制御部67に対して、印刷用紙への印刷を行うように指示するとともに、用紙搬送制御部68に対して、給紙部による給紙を開始するように指示する。
そして、適正温度範囲判定部63により、上記所定領域の長辺の長さを印刷可能なヘッドブロックNo1〜6のインク温度が、適正温度範囲になったと判定された場合、画像制御部66は、上記所定領域の長辺の長さを印刷可能なヘッドブロックNo1〜6をインク吐出対象幅にすると判断する。
画像制御部66は、上記所定領域の長辺の長さを印刷可能なヘッドブロックNo1〜6のインク温度が、適正温度範囲になるようなヘッドブロックNo3のインク温度(例えば、Ta)に到達するまで、ヘッドブロックNo3のインク温度を監視する。
画像制御部66は、必要に応じて再記憶処理を行い、ヘッドブロックNo3のインク温度(Ta)に到達を示すデータを取得した場合、画像制御部66は、インク吐出制御部67に対して、印刷用紙への印刷を行うように指示するとともに、用紙搬送制御部68に対して、給紙部による給紙を開始するように指示する。
(印刷方法)
上述した構成のインクジェット印刷装置を用いた印刷方法を図18により説明する。なお、図14、図15と同一又は類似処理の説明は同一符号を付して説明を省略又は簡略する。図18に示すように、S1からS10までの処理を行った後、画像制御部66は、印刷枚数データが示す印刷枚数が所定数(上述の印刷枚数L)以上であるか否かを判定する(S81)。S81の処理で、NOと判定された場合、図15に示すS11以降の処理が行われる。
一方、S81の処理で、YESと判定された場合、ウォームアップ時間算出部64により算出されたウォームアップ時間の短い方の印刷幅方向長さ又は用紙搬送方向長さに対応するヘッドブロック200をインク吐出対象幅にすると決定する(S82)。
画像制御部66は、S82で判定したヘッドブロック200をインク吐出対象幅にするために、画像データを回転するか否か判定する(S83)。S83でYESと判定された場合、画像制御部66は、画像データの回転処理を行う(S84)。一方、S83でNOと判定された場合、画像制御部66は、画像データの回転処理を行わず、S85の処理へ移行する。適正温度範囲判定部63は、ヘッドブロックNo3に設けられたインク温度検出部24から、現在のインク温度を取得する(S85)。
適正温度範囲判定部63は、S82で判定したヘッドブロック200をインク吐出対象幅にするためのヘッドブロックNo3のインク温度(第1の適正インク温度又は第2の適正インク温度)に到達したか否か判定する(S86)。S86でとNOと判定された場合、S85の処理に移行する。S86でYESと判定された場合、インク吐出制御部67は、インク吐出制御を行うとともに、用紙搬送制御部68は、用紙搬送制御を行う(S87)。
適正温度範囲判定部63は、ヘッドブロックNo3に設けられたインク温度検出部24から、現在のインク温度を取得する(S88)。適正温度範囲判定部63は、S88で取得した現在のインク温度と、第1の適正インク温度、第2の適正インク温度から、算出されたウォームアップ時間の長い方の印刷幅方向長さ又は用紙搬送方向長さに対応するヘッドブロック200をインク吐出対象幅にするためのヘッドブロックNo3のインク温度に到達したか否か判定する(S89)。
S89の処理で、NOと判定された場合、S87の処理へ移行する。S89の処理で、YESと判定された場合、S16以降の処理が行われる。
(各実施形態の変形例)
上述の実施形態で示した構成、機能は一例にすぎず、以下のように変形することも可能である。
(1)上記のウォームアップ算出部64により算出された第1のウォームアップ時間、第2のウォームアップ時間のいずれも、インクジェットヘッド全幅(ヘッドブロックNo1〜6)をインク吐出対象幅としたときのウォームアップ時間よりも短い場合、いずれのウォームアップ時間の終了後、インク吐出が可能なヘッドブロックを用いて、印刷を開始するようにしてもよい。
即ち、所定領域の長辺をインク吐出対象幅にしたときのウォームアップ時間が、インクジェットヘッド全幅をインク吐出対象幅にしたときのウォームアップ時間より短い場合、所定領域の長辺がインク吐出対象幅となるようにしてもよい。
(2)また、印刷設定データに含まれる印刷枚数にかかわらず、第1のウォームアップ時間、第2のウォームアップ時間のうち、短い時間のウォームアップ時間の終了後、インク吐出が可能なヘッドブロックを用いて、印刷を開始するようにしてもよい。これにより、従来のように、インクジェットヘッドのインク吐出対象の全幅のインク温度が適正温度範囲に達するまで印刷対象ジョブデータの実行が開始できないという事態が回避され、ファーストプリントを早めることができる。また、印刷枚数が所定数以下の場合には、印刷ジョブデータの実行の完了を早めることも可能となる。
(3)また、上述の実施形態では、適正温度範囲判定部63は、通信部22が印刷対象ジョブデータを受信したときに、第1のインク吐出対象幅と、第2のインク吐出対象幅とにおいて、インクジェットヘッド20内のインク温度が、適正温度範囲であるか否かを判定していたが、いずれか一方のインク吐出対象幅において、インクジェットヘッド20内のインク温度が、適正温度範囲であるか否かを判定するようにしてもよい。
(4)上記の実施形態では、矩形の印刷用紙内の相似形の矩形の所定領域に画像形成させるための画像データが印刷用紙に印刷される場合について説明したが、これに限定されない。他の形状の印刷用紙内の矩形の所定領域に画像形成させるための画像データが印刷される場合であっても同様に適用が可能である。但し、この場合には、矩形の所定領域の一辺は用紙搬送方向と平行になるようにすることが条件となる。
(5)上述の実施形態の画像データは、予め設定された矩形領域内に、画像情報が含まれる場合の説明を行ったが、これに限定されない。例えば、画像制御部66は、印刷対象ジョブデータに含まれる画像データを取得すると、画像濃度値が所定値(例えば、2値データの場合、1の値)以上の領域を含むように、上記矩形領域を設定するようにしてもよい。
(6)上述の実施形態(図17に示す処理)において、インク吐出対象幅(印刷可能幅)に対応するヘッドブロック200を、ヘッドブロックNo3のインク温度によって判断していたが、他のヘッドブロックのインク温度で判断してもよいし、インクジェットヘッド20内の特定位置により判断してもよい。また、以下のようにしてもよい。
適正温度範囲判定部63は、適正温度範囲に達したヘッドブロック200がない場合のインク吐出対象幅(0mm)、適正温度範囲に達したヘッドブロック200がNo3、4の場合のインク吐出対象幅(110mm)、適正温度範囲に達したヘッドブロック200がNo2〜5の場合のインク吐出対象幅(220mm)、適正温度範囲に達したヘッドブロック200がNo1〜6の場合のインク吐出対象幅(330mm)を示すテーブルを保持している。そして、適正温度範囲判定部63は、各ヘッドブロック200内に設けられたインク温度検出部24により検出されたインク温度と、上記テーブルを参照して、インク吐出対象幅に対応するヘッドブロック200を判断するようにしてもよい。
また、インクジェットヘッド20の6つのヘッドブロック200の配置がY軸の位置において、搬送中心位置に関して対称関係に有る場合、搬送中心位置に対してY軸方向に片側のヘッドブロック200(No1〜4)のインク温度により判断するようにしてもよい。
適正温度範囲判定部63は、適正温度範囲に達したヘッドブロック200がない場合のインク吐出対象幅(0mm)、適正温度範囲に達したヘッドブロック200がNo1の場合のインク吐出対象幅(330mm)、適正温度範囲に達したヘッドブロック200がNo2の場合のインク吐出対象幅(220mm)、適正温度範囲に達したヘッドブロック200がNo3の場合のインク吐出対象幅(110mm)、ヘッドブロック200No4が適正温度範囲に到達していない場合のインク吐出対象幅(0mm)を示すテーブルを保持している。
そして、適正温度範囲判定部63は、各ヘッドブロック200(No1〜4)内に設けられたインク温度検出部24により検出されたインク温度と、上記テーブルを参照して、インク吐出対象幅に対応するヘッドブロック200を判断するようにしてもよい。また、インクジェットヘッド20の各ヘッドブロック200のうち、インク温度が適正温度範囲に到達したヘッドブロック200の数により、印刷可能幅に対応するヘッドブロック200を判断するようにしてもよい。
適正温度範囲判定部63は、適正温度範囲に達したヘッドブロック200の数が0〜1個の場合のインク吐出対象幅(0mm)、適正温度範囲に達したヘッドブロック200の数が2〜3個の場合のインク吐出対象幅(110mm)、適正温度範囲に達したヘッドブロック200の数が4〜5個の場合のインク吐出対象幅(220mm)、適正温度範囲に達したヘッドブロック200の数が6個の場合のインク吐出対象幅(330mm)を示すテーブルを保持している。そして、適正温度範囲判定部63は、各ヘッドブロック200内に設けられたインク温度検出部により検出されたインク温度に応じて判断される適正温度範囲に到達したヘッドブロック数と、上記テーブルを参照して、インク吐出対象幅に対応するヘッドブロック200を判断するようにしてもよい。
(7)また、上述の実施形態では、インクジェットヘッド20は、6つのヘッドブロック200の場合の説明を行ったが、他の個数であってもよい。また、上述の実施形態では、電源オンになった場合に、ウォームアップして全てのヘッドブロック200が適正温度範囲に保持されるようにしているが、これに限定されない。電源オフ時の他に、電源オンであっても、印刷動作が行われていない状態のスリープ状態が一定時間を超えるような場合には、ヒータ動作をオフさせるようにしてもよい。そして、印刷対象ジョブデータがインクジェット印刷装置2に受信されたとき、スリープ状態が解除され、ウォームアップ動作が開始されるようにしてもよい。
(8)また、印刷対象ジョブデータは、端末装置1で生成された場合以外であっても、本発明の適用は可能である。例えば、スキャナで読み込んだ画像を含む印刷対象ジョブデータがインクジェット印刷装置2に送られる場合や、ファックス送信で送られてきた画像を含む印刷対象ジョブデータがインクジェット印刷装置2に送られる場合も適用可能である。
(9)インク温度調整部52は、インク循環機構50に設けられていたが、これに限定されず、インクジェットヘッド20のインク温度を調整できるのであれば、他の場所(例えば、ヘッドブロック200近傍に)に設けられてもよい。また、各インク色に応じて、インク温度調整部52を設けるようにしてもよい。
(10)また、上述の実施形態において、用紙搬送方向長さに対応するヘッドブロックNo1〜6のインク温度が適正温度範囲になる場合のヘッドブロックNo3のインク温度Taと、印刷幅方向長さに対応するヘッドブロックNo2〜5のインク温度が適正温度範囲になる場合のヘッドブロックNo3のインク温度Tbとした場合に、印刷対象ジョブデータ受信時に、既に、ヘッドブロックNo3のインク温度がTbに達しているが、Taには達していない場合についても本発明は同様に適用が可能である。
この場合には、印刷幅方向長さに対応するヘッドブロック200のインク温度は既に適正温度範囲にあるため、ウォームアップ時間としては算出されない。例えば、Y軸方向における搬送中心位置近傍の中央部のヘッドブロック200と端部のヘッドブロック200でインク温度の差が大きい場合であって、スリープ状態から印刷対象ジョブデータの受信で復帰するような場合には、用紙搬送方向又は用紙幅方向の一方に対応するヘッドブロック200(画像データの所定領域の短辺の長さに対応するヘッドブロック200)のインク温度はすでに適正温度範囲内であるが、他方(画像データの所定領域の長辺の長さに対応するヘッドブロック200)が適正温度範囲外の場合ということも考えられる。
例えば、図11と同様の実行時間グラフである図19を用いて説明する。短い方のウォームアップ時間と、長い方のウォームアップ時間との間のタイミングで、印刷対象ジョブデータをインクジェット印刷装置2が取得した場合、短い方のウォームアップ時間後に印刷枚数ごとのジョブ実行の完了タイミングを示す直線Xを、印刷対象ジョブデータ取得後に、印刷枚数ごとのジョブ実行の完了タイミングを示す直線となるように、右側に平行移動させる。
平行移動された直線X(点線部分)と、長い方のウォームアップ時間後に印刷枚数ごとのジョブ実行の完了タイミングを示す直線Yとの交点を、新たな印刷枚数Lとするようにすれば良い。後は、上述の実施形態と同様にしてやればよい。
(11)上述の実施形態では、千鳥配置の複数のヘッドブロック200からなるインクジェットヘッド20の場合について説明したが、これに限定されず、1本の長いインクジェットヘッド20が各色ごとに設けられる構成であってもよい。
(12)また、上述の実施形態では、上述の実行時間グラフにおいて、印刷枚数Lに基づいて、用紙搬送方向長さをインク吐出対象幅にするか印刷幅方向長さをインク吐出対象幅にするか決めるようにしていたが、これに限定されない。例えば、インクジェット印刷装置2の管理者に対して、上記の印刷枚数Lを報知し、印刷枚数L以外の印刷枚数L近傍の枚数を、新たな印刷枚数Lとするようにしてもよい。
また、印刷枚数データに含まれる印刷枚数が、印刷枚数Lの近傍の印刷枚数の場合、印刷枚数L以下の枚数であっても、ヘッドブロック200の幅が長い方をインク吐出対象幅としてもよいし、印刷枚数L以上の枚数であっても、ヘッドブロック200の幅が短い方をインク吐出対象幅としてもよい。近傍の用紙枚数の場合、ウォームアップ時間とジョブ実行時間とを加えた時間の経過のタイミングは、それほど変化しないので、ユーザの都合を考慮することが可能となる。
(13)上述の実施形態では、インク経路がインク循環タイプの印刷システムで説明したが、これに限定されず、インク経路がインク循環タイプでない印刷システムであってもよい。
(14)また、上記の実施形態では、4色のインクジェットヘッド20の各ヘッドブロック200のインク温度挙動が同様として説明したが、これに限定されない。例えば、ウォームアップ時間算出部64は、各色のインクジェットヘッド20内の各ヘッドブロック200のインク温度の挙動が多少異なっていても、それぞれ、上述のように、第1のウォームアップ時間、第2のウォームアップ時間を算出する。そして、ジョブ実行時間計測部65は、最も、遅い第1のウォームアップ時間の後にジョブ実行時間を加えたタイミング、最も、遅い第2のウォームアップ時間の後にジョブ実行時間を加えたタイミングをそれぞれ、ジョブ実行完了タイミングとするようにしてやればよい。
1 端末装置
2 インクジェット印刷装置
11 アプリケーション部
12 プリンタドライバ部
13 印刷ジョブ送信部
20 インクジェットヘッド
24 インク温度検出部
30 用紙搬送部
50 インク循環機構
52 インク温度調整部
60 制御部
61 インク温度調整制御部
62 インク循環制御部
63 適正温度範囲判定部
64 ウォームアップ時間算出部
65 ジョブ実行時間計測部
66 画像制御部
67 インク吐出制御部
68 用紙搬送制御部

Claims (5)

  1. 記録媒体上の矩形領域内に画像形成させるための画像データを含む印刷ジョブを取得し、前記記録媒体の搬送方向と直交する印刷幅方向へのインク吐出により前記画像形成を行うライン型インクジェットヘッドを用いて、前記印刷ジョブの実行を行うインクジェット印刷装置であって、
    前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度を適正温度範囲に到達させるためのウォームアップ動作を行う温度調整手段と、
    前記印刷ジョブの取得タイミングにて、前記矩形領域の短辺の長さをインク吐出が可能な第1のインク吐出対象幅において、前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度が、適正温度範囲であるか否かを判定する適正温度範囲判定手段と、
    前記温度調整手段を用いて、前記適正温度範囲判定手段により適正温度範囲外と判定された第1のインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでの第1のウォームアップ時間を算出するウォームアップ時間算出手段と、
    前記ウォームアップ時間算出手段により算出された第1のウォームアップ時間が、前記ライン型インクジェットヘッドのインク吐出対象全幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでのウォームアップ時間よりも短い場合、前記矩形領域の短辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行う画像制御手段とを備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。
  2. 前記適正温度範囲判定手段は、前記印刷ジョブの取得タイミングにて、前記矩形領域の長辺の長さをインク吐出が可能な第2のインク吐出対象幅において、前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度が、適正温度範囲であるか否かを判定し、
    前記ウォームアップ時間算出手段は、前記温度調整手段を用いて、前記適正温度範囲判定手段により適正温度範囲外と判定された第2のインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでの第2のウォームアップ時間を算出し、
    前記第1のインク吐出対象幅におけるライン型インクジェットヘッドを用いて前記印刷ジョブの実行を開始してから完了するまでの第1の実行時間と、前記第2のインク吐出対象幅におけるライン型インクジェットヘッドを用いて前記印刷ジョブの実行を開始してから完了するまでの第2の実行時間とを、前記印刷ジョブの実行に用いられる記録媒体の数ごとに計測するジョブ実行時間計測手段を備え、
    前記画像制御手段は、前記第1の実行時間及び前記第1のウォームアップ時間の和と、前記第2の実行時間及び前記第2のウォームアップ時間の和との比較結果に基づいて、前記印刷ジョブの実行に用いられる記録媒体の数に応じて、前記矩形領域の短辺の方向又は前記矩形領域の長辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記画像制御手段は、前記記録媒体の数が所定数以下の場合には、前記矩形領域の短辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行い、
    前記記録媒体の数が所定数より大きい場合には、前記矩形領域の長辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記画像制御手段は、前記記録媒体の数が所定数以上の場合に、前記矩形領域の短辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行い、
    第2のインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲内と前記適正温度範囲判定手段により判定された場合、前記矩形領域の長辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 記録媒体上の矩形領域内に画像形成させるための画像データを含む印刷ジョブを取得し、前記記録媒体の搬送方向と直交する印刷幅方向へのインク吐出により前記画像形成を行うライン型インクジェットヘッドを用いて、前記印刷ジョブの実行を行うインクジェット印刷装置であって、
    前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度を適正温度範囲に到達させるためのウォームアップ動作を行う温度調整手段と、
    前記印刷ジョブの取得タイミングにて、前記矩形領域の長辺の長さをインク吐出が可能なインク吐出対象幅において、前記ライン型インクジェットヘッド内のインク温度が、適正温度範囲であるか否かを判定する適正温度範囲判定手段と、
    前記温度調整手段を用いて、前記適正温度範囲判定手段により適正温度範囲外と判定されたインク吐出対象幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでのウォームアップ時間を算出するウォームアップ時間算出手段と、
    前記ウォームアップ時間算出手段により算出されたウォームアップ時間が、前記ライン型インクジェットヘッドのインク吐出対象全幅のインク温度が適正温度範囲に達するまでのウォームアップ時間よりも短い場合、前記矩形領域の長辺の方向が前記印刷幅方向となるように、前記画像データの回転制御を行う画像制御手段とを備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。


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