JP2013208173A - 穿刺装置 - Google Patents

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Shigeki Ariura
茂樹 有浦
Masakatsu Kawaura
政克 川浦
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Abstract

【課題】生体組織を所定の深さに確実に穿刺することができるとともに、患者の負担が少なく、患者の安全性が高く、また術者の安全性も高い穿刺装置を提供すること。
【解決手段】穿刺装置1は、生体組織600を穿刺する、丸みを帯びた非鋭利な針先55を有する穿刺針5と、膣内に挿入される長手形状の膣挿入部材と、針先55が向かう方向に位置する先端部321を有する案内部材3と、膣挿入部材と案内部材3とを連結する連結手段とを備えている。膣挿入部材または連結手段には、穿刺針5を針先55が先端部321に向かって接近するように移動可能に支持する支持部が設けられている。また、先端部321には、膣挿入部材を膣内に挿入し、案内部材3を体表面700に宛がった状態で、穿刺針5が生体組織600をその内側から外側に向かって移動した際、針先55が体表面700に露出する前に、穿刺針5の移動を規制する規制部8が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、穿刺装置に関する。
尿失禁、特に、腹圧性尿失禁になると、通常の運動中や、笑い、咳、くしゃみ等により腹圧がかかることで、尿漏れが生じる。この原因は、例えば、出産等により、尿道を支える筋肉である骨盤底筋が緩むこと等が挙げられる。
尿失禁の治療には、外科的療法が有効であり、例えば、「スリング」と呼ばれるテープ状のインプラントを用い、スリングを体内に留置し、そのスリングで尿道を支持する(例えば、特許文献1参照)。スリングを体内に留置するには、術者がメスで膣を切開し、尿道と膣の間を剥離し、穿刺針を用いて、その剥離した部位から体外(外部)に向かって穿刺孔を形成する。この穿刺孔は、貫通して形成された貫通孔とせずに、前記剥離した部位から体表に至る途中まで形成された孔(以下、この孔を「非貫通孔」という)とする場合がある。このような穿刺孔を用いて、スリングを体内に留置する。
しかしながら、術者の技量によっては、穿刺孔を形成する際に、穿刺針で、前記剥離した部位から体表までを貫通させてしまい、その結果、当該穿刺孔が非貫通孔とはならず、貫通孔となってしまうおそれがある。さらに、スリングを留置する際に、メス等の従来の医療用器具を用いて膣を切開するが、この場合、侵襲が大きく、患者への負担が大きいという欠点がある。また、術者による手技の最中に尿道等を損傷する虞があり、また、術者自身も指先を損傷するおそれがある。
特開2010−99499号公報
本発明の目的は、生体組織を所定の深さに確実に穿刺することができるとともに、患者の負担が少なく、患者の安全性が高く、また術者の安全性も高い穿刺装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1) 生体組織を穿刺可能な針先を有する穿刺針と、
膣内に挿入される長手形状の膣挿入部材と、
前記針先が向かう方向に位置する案内部を有する案内部材と、
前記膣挿入部材と前記案内部材とを連結する連結手段とを備え、
前記膣挿入部材または前記連結手段には、前記穿刺針を前記針先が前記案内部に向かって接近するように移動可能に支持する支持部が設けられており、
前記案内部には、前記膣挿入部材を前記膣内に挿入し、前記案内部材を前記生体組織の表面に接した状態で、前記穿刺針が前記生体組織内をその内側から外側に向かって移動した際、前記針先が前記生体組織の表面に露出する前に、前記穿刺針の移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする穿刺装置。
(2) 前記案内部材は、前記膣挿入部材に対して相対的に前記膣挿入部材の長手方向に移動可能な状態と回動可能な状態とのうちの少なくとも一方の状態を取り得る上記(1)に記載の穿刺装置。
(3) 前記案内部材が前記膣挿入部材に対して相対的に前記膣挿入部材の長手方向に移動または回動したとき、前記穿刺針の進行方向を変更する進行方向変更手段を備える上記(2)に記載の穿刺装置。
(4) 生体組織を穿刺可能な針先を有する穿刺針と、
前記針先が向かう方向に位置する案内部を有し、膣内に挿入される長手形状の膣挿入部材と、
前記穿刺針を前記針先が前記案内部に向かって接近するように移動可能に支持する支持部と、
前記膣挿入部材と前記支持部とを連結する連結手段とを備え、
前記案内部には、前記膣挿入部材を前記膣内に挿入し、前記案内部を前記生体組織の表面に接した状態で、前記穿刺針が前記生体組織内をその外側から内側に向かって移動した際、前記針先が前記膣内に露出する前に、前記穿刺針の移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする穿刺装置。
(5) 前記膣挿入部材および前記案内部材のうちの一方に設けられ、超音波の送受信を行う超音波プローブと、
前記膣挿入部材および前記案内部材のうちの他方に設けられ、前記超音波プローブにより送受信した超音波から得られる超音波画像で認識可能な超音波マーカとを備える上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の穿刺装置。
(6) 円弧状に湾曲した管体で構成され、その一端が開口した一端開口部を有する外管と、前記一端開口部に着脱自在に装着され、生体組織を穿刺する、丸みを帯びた非鋭利な針先を有する針体とを備え、前記針体を前記一端開口部に装着して組み立てた組立状態を取り得る穿刺針組立体と、
前記組立状態の前記穿刺針組立体を前記外管の円弧の中心軸回りに回動可能に支持する支持部と、該支持部と異なる位置に設けられ、前記穿刺針組立体が回動した際に、前記針先が向かう方向に位置する案内部と有し、
前記案内部には、前記尿道挿入部材を前記尿道内に挿入し、前記支持部材を前記生体組織の表面に接した状態で、前記穿刺針組立体が前記生体組織を前記支持部側から前記案内部側に向かって回動した際、前記針先が前記案内部側で前記生体組織の表面に露出する前に、前記穿刺針組立体の回動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする穿刺装置。
(7) 尿道内に挿入される長手形状の尿道挿入部材とをさらに備え、前記穿刺針組立体が回動したとき、前記針先が前記尿道挿入部材よりも前記外管の円弧の中心から遠位側を通過するように、前記穿刺組立体と前記尿道挿入部材との位置関係を規制する上記(6)に記載の穿刺装置。
(8) 前記穿刺針組立体は、前記針体の前記針先と反対側の部分に連結され、前記組立状態で前記外管内に挿入される可撓性を有するインプラントを備え、前記針体が前記一端開口部から離脱して、前記インプラントが前記外管から抜去された分解状態を取り得る上記(7)に記載の穿刺装置。
(9) 膣内に挿入される長手形状の膣挿入部材をさらに備え、
前記支持部材は、前記穿刺針組立体が回動したとき、前記針先が前記尿道挿入部材と前記膣挿入部材との間を通過するように、前記穿刺針組立体と前記尿道挿入部と前記膣挿入部材との位置関係を規制する上記(7)または(8)に記載の穿刺装置。
(10) 前記規制部は、凹没して形成され、前記生体組織の一部が前記針先に押圧されて、入り込む凹部を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の穿刺装置。
(11) 前記凹部の形状は、前記穿刺針の前記針先から前記針先の周辺部までの外形形状と同じかまたは該外形形状よりも大きい上記(10)に記載の穿刺装置。
(12) 前記規制部は、前記針先の周辺部が当接する当接部を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の穿刺装置。
(13) 前記当接部は、前記針先の周辺部の周方向に沿って配置される複数の板片で構成されている上記(12)に記載の穿刺装置。
本発明によれば、針先で生体組織を穿刺していくと、当該針先は、案内部に徐々に接近していく。そして、針先が案内部に所定距離だけ接近したときに、それ以上の接近が、案内部に設けられた規制部により規制される。すなわち、針先が生体組織の表面に露出する前に、針先の移動が、案内部に設けられた規制部により規制される。これにより、生体組織に形成される穿刺孔は、当該生体組織を確実に所定の深さに穿刺したもの、すなわち、当該生体組織を貫通しないものとなる。
また、このような穿刺は、患者への負担が少なく、患者の安全性も高い。
また、針先が生体組織内に留まるため、当該針先で指先等を穿刺してしまうことを防止することができ、術者にとっての安全性も高い。
本発明の穿刺装置の第1実施形態を示す図((a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図)である。 図1(b)中の二点鎖線で囲まれた領域[A]の使用状態における拡大縦断面図である。 図1に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図1に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図1に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図1に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図1に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図1に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図1に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 本発明の穿刺装置(第2実施形態)の使用状態における拡大縦断面図である。 図10中の矢印A方向から見た図である。 本発明の穿刺装置の第3実施形態を示す図((a)および(b)はそれぞれ側面図、(c)は、(a)中のB−B線での断面図)である。 本発明の穿刺装置の第4実施形態を示す側面図である。 図13中の二点鎖線で囲まれた領域[C]の使用状態における拡大縦断面図である。 本発明の穿刺装置の第5実施形態を示す部分縦断面側面図である。 本発明の穿刺装置の第5実施形態を示す側面図である。 図16中のD−D線断面図である。 図15および図16に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図15および図16に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図15および図16に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図15および図16に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図15および図16に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 図15および図16に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。 本発明の穿刺装置の第6実施形態を示す側面図ある。
以下、本発明の穿刺装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の穿刺装置の第1実施形態を示す図((a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図)、図2は、図1(b)中の二点鎖線で囲まれた領域[A]の使用状態における拡大縦断面図、図3〜図9は、それぞれ、図1に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。以下では、図1(a)、図1(b)、図2中(図12〜図14についても同様)の右側を「先端」、左側を「基端」とし、また、図3中の右上側を「先端」、左下側を「基端」として説明を行なう。
図1〜図4に示す穿刺装置1は、女性の尿失禁の治療、すなわち、インプラント(生体内留置器具)を生体内に埋設する際に用いる装置である。
インプラントは、女性の尿失禁の治療のための埋設可能な器具、すなわち、尿道100を膣壁300から離間する方向へ引っ張る、あるいは、尿道100を膣壁300へ接近させないようにして支持する器具である。このインプラントとしては、例えば、可撓性を有する長尺物を用いることができる。本実施形態では、インプラントは、2本の糸(糸状体)500で構成されている(図8、図9参照)。なお、各糸500の構成は、同様であるので、以下では、代表的に、一方の糸500について説明する。
糸500は、その一方の端部に、生体(生体組織)に固定される固定部501を有している。この固定部501は、生体に穿刺される部位である。
固定部501は、糸500の固定部501以外の部位よりも生体から引き抜こうとしたときの抵抗が大きくなるように構成されている。本実施形態では、固定部501は、V字状をなす複数の単位固定部502で構成されている。そして、各単位固定部502は、糸500の長手方向に沿って、等間隔で並設されている。なお、各単位固定部502の「V」の向きは、それぞれ、糸500を生体に穿刺するときにその糸500が進む方向と反対の方向に、Vの開いた方が向くように設定されている(図6〜図9参照)。
また、各糸500の構成材料としては、それぞれ、特に限定さないが、例えば、生体適合性を有する各種樹脂材料、繊維等を用いることができる。
なお、インプラントは、本実施形態では2本の糸500で構成されているが、これに限らず、例えば、1本の糸で構成されていてもよい。この場合は、その糸の両方の端部に、それぞれ、生体に固定される固定部が設けられている。
また、インプラントとしては、糸500に限らず、例えば、紐、帯等の可撓性を有する他の長尺物を用いることができる。
なお、糸500は、その横断面形状が円形のものである場合、直径が0.3〜3mm程度のものが好ましく、0.5〜2mm程度のものがより好ましい。
また、長尺物として帯を用いる場合は、幅が2〜10mm程度、厚さが0.3〜1.5mm程度のものが好ましい。
また、インプラントは、前記長尺物の他に、尿道に当接するパッドを有していてもよい。また、そのパッドと長尺物とは、一体化されていてもよく、また、別体であってもよいが、別体であることが好ましい。なお、パッドとしては、拡張可能であり、拡張した状態での外形の形状が板状をなすものが好ましく、さらに、折り畳んだ状態から自己の復元力で拡張するものであることがより好ましい。また、パッドとしては、網状をなしているものが好ましい。
図1に示すように、穿刺装置1は、膣壁300等の生体組織600を穿刺する穿刺針5と、膣200内に挿入される長手形状の膣挿入部材2と、体外に配置される案内部材(案内部)3と、膣挿入部材2と案内部材3とを連結する連結手段である連結部材4と、膣挿入部材2の先端部(ヘッド部21)に設けられ、超音波の送受信を行なう超音波プローブ61と、案内部材3に設けられ、超音波プローブ61により送受信した超音波から得られる超音波画像で認識可能な超音波マーカ62とを備えている。以下では、膣挿入部材2と超音波プローブ61とで構成される部材を、単に「膣挿入部材2」とも言う。また、案内部材3と超音波マーカ62とで構成される部材を、単に「案内部材3」とも言う。また、穿刺装置1では、超音波プローブ61が膣挿入部材2に設けられ、超音波マーカ62が案内部材3に設けられているが、これに限定されず、超音波プローブ61が案内部材3に設けられ、超音波マーカ62が膣挿入部材2に設けられていてもよい。
穿刺針5は、直線状をなしている。穿刺針5は、その先端に丸みを帯びた非鋭利な針先55を有している。また、穿刺針5の針先55から所定距離の部分は、外径が先端方向に向かって漸減したテーパ部56となっている(図2参照)。
穿刺針5の基端部には、把持部52が形成されている。
なお、穿刺針5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料が挙げられる。
また、穿刺針5は、その先端部に、超音波プローブ61により送受信した超音波から得られる超音波画像で認識可能な超音波マーカ51を有している。これにより、膣挿入部材2を用いて得られた超音波画像を見て、穿刺針5の先端部の位置を確認しつつ操作を行うことができる。
超音波マーカ51としては、例えば、複数の微小な凹凸等が挙げられる。すなわち、金属材料で構成された穿刺針5の先端部の表面に複数の微小な凹凸を形成することにより、その凹凸が形成された部位を超音波で検出することができる。
なお、穿刺針5は、中実であってもよく、また、管状であってもよい。また、穿刺針5は、直線状のものに限らず、例えば、湾曲または屈曲していてもよい。
膣挿入部材2は、その先端部に、丸みを帯びたヘッド部21を有し、また、その基端部に、把持部22を有している。
ヘッド部21は、患者の膣200内に挿入され、膣壁300に当接する部位である。ヘッド部21が丸みを帯びていることにより、ヘッド部21の膣200内挿入時に、患者に対する安全性を向上させることができる。
また、ヘッド部21には、超音波振動子等を備えた超音波プローブ61が設けられている。超音波振動子は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等で構成された圧電体の両面に、電極を形成したものである。
超音波プローブ61の超音波振動子においては、超音波が発せられ、その超音波の反射波を受信する。すなわち、超音波の送受信が行なわれる。この超音波の送受信により、観察部位の画像を取り込むことができる。すなわち、超音波振動子では、受信した超音波の反射波を信号に変換し、その信号を、ケーブル73を介して、図示しない制御装置に送信する。制御装置では、前記信号を受信し、例えば、座標変換処理等の各処理を行ない、観察部位の画像信号を生成する。その画像信号は、制御装置から図示しない表示装置に送信され、その表示装置により観察部位の画像、すなわち超音波画像が表示される。なお、その超音波画像は、簡単に言えば、超音波振動子から超音波を送信したときから、その反射波が超音波振動子に戻ってきたときまでの時間に基づいて、対象物までの距離等を求め、これにより当該対象物を可視化したものである。
また、膣挿入部材2の図1(b)中上側には、穿刺針5をその長手方向に沿って移動可能に支持するする支持部23が形成されている。この支持部23には、図1(b)中の左右方向に沿って貫通孔231が形成されている。
連結部材4の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、直方体形状をなしている。図1に示すように、連結部材4には、2つの貫通孔41、42が図2中の左右方向に沿って形成されている。また、各貫通孔41、42は、それぞれ、その中心軸の方向が互いに一致、すなわち中心軸が互いに平行になるように形成されている。また、貫通孔41は、連結部材4の図2中下側の端部に形成され、貫通孔42は、連結部材4の図2中上側の端部に形成されている。
このような貫通孔41、42が形成されていることにより、案内部材3が移動する方向と、膣挿入部材2が移動する方向とは、全て一致することとなる。
連結部材4の貫通孔41には、膣挿入部材2がその長手方向に移動可能に挿入されている。すなわち、膣挿入部材2は、貫通孔41により、移動方向が規制され、連結部材4に対して長手方向に移動可能に支持されている。
また、穿刺装置1は、雄ネジ71を有しており、連結部材4の貫通孔41に対応する部位には、その雄ネジ71と螺合する雌ネジを有する雌ネジ部44が形成されている。
雄ネジ71を所定方向に回転させると、その雄ネジ71の先端が膣挿入部材2に圧接し、連結部材4に対する膣挿入部材2の移動が阻止される。また、雄ネジ71を前記と逆方向に回転させると、その雄ネジ71の先端が膣挿入部材2から離間し、連結部材4に対する膣挿入部材2の移動が可能となる。
なお、雄ネジ71および雌ネジ部44により、連結部材4に対して膣挿入部材2が移動し得る状態と、膣挿入部材2の移動が阻止された状態とに切り替えるロック部が構成される。
また、連結部材4により、膣挿入部材2のヘッド部21、すなわち超音波プローブ61と、案内部材3の超音波マーカ62との間の離間距離を調節する調節機構が構成される。
案内部材3の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、側面視、すなわち図1(b)において、L字状をなしている。なお、案内部材3のそのL字の長い方の部位を第1の部位31とし、短い方の部位を第2の部位32とする。
前記連結部材4の貫通孔42には、案内部材3の第1の部位31がその長手方向に移動可能に挿入されている。すなわち、案内部材3は、貫通孔42により、移動方向が規制され、連結部材4に対して長手方向に移動可能に支持されている。なお、案内部材3が移動する方向と、膣挿入部材2が移動する方向とは、一致している。
この案内部材3の連結部材4に対する位置と、前記膣挿入部材2の連結部材4に対する位置との一方または両方を調節することにより、膣挿入部材2と案内部材3との位置関係、すなわち、膣挿入部材2のヘッド部21と案内部材3の超音波マーカ62との間の離間距離を調節することができる。
また、案内部材3の第2の部位32の図1(b)中下側の端部、すなわち第2の部位32の先端部321は、患者の体表面700(生体組織600の表面)に当接する当接部となる。さらに、この先端部321は、膣挿入部材2の支持部23の貫通孔231によって移動方向が規制された穿刺針5を先端方向に移動させたとき、その穿刺針5の針先55が向かう方向に位置に案内部でもある。
図1(b)に示すように、第2の部位32の先端部321には、超音波プローブ61により送受信した超音波から得られる超音波画像で認識可能な超音波マーカ62が設けられている。穿刺針5は、先端方向に移動させたとき、膣挿入部材2の支持部23の貫通孔231で案内されて、穿刺針5の針先55が超音波マーカ62に向かうようになっている。すなわち、穿刺針5は、膣挿入部材2の支持部23の貫通孔231によりその針先55が超音波マーカ62に向けて案内されるように移動することができる。そして、超音波マーカ62により、超音波プローブ61を用いて得られた超音波画像を見て、穿刺針5の針先55が向かう位置を確認しつつ操作を行なうことができる。
超音波マーカ62としては、その構成材料として、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料を用い、表面に複数の微小な凹凸を設けたもの等が挙げられる。すなわち、金属材料で構成された部位の表面に複数の微小な凹凸を形成することにより、その凹凸が形成された部位を超音波で検出することができる。
また、穿刺装置1は、雄ネジ72を有しており、連結部材4の貫通孔42に対応する部位には、その雄ネジ72と螺合する雌ネジを有する雌ネジ部45形成されている。
雄ネジ72を所定方向に回転させると、その雄ネジ72の先端が案内部材3の第1の部位31に圧接し、連結部材4に対する案内部材3の移動が阻止される。また、雄ネジ72を前記と逆方向に回転させると、その雄ネジ72の先端が案内部材3の第1の部位31から離間し、連結部材4に対する案内部材3の移動が可能となる。
なお、雄ネジ72および雌ネジ部45により、連結部材4に対して案内部材3が移動し得る状態と、案内部材3の移動が阻止された状態とに切り替えるロック部が構成される。
また、穿刺針5は、膣挿入部材2の支持部23の貫通孔231に挿入して用いられる。そして、貫通孔231に挿入された穿刺針5は、その長手方向に移動し得るようになっている。すなわち、穿刺針5は、貫通孔231により、移動方向が規制され、連結部材4に対して長手方向に移動可能に支持されている。この移動により、穿刺針5は、針先55が案内部材3の先端部321に向かって接近することができる。
なお、穿刺針5は、予め、貫通孔231に挿入されていてもよく、また、使用時に、貫通孔231に挿入するようにしてもよい。
また、穿刺針5を移動可能に支持する支持部23は、本実施形態では膣挿入部材2に設けられているが、これに限定されず、連結部材4に設けられていてもよい。
膣挿入部材2、案内部材3、連結部材4の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料が挙げられる。また、その他の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
図2に示すように、案内部材3の第2の部位32の先端部321(案内部)には、穿刺針5の針先55の延長線と交差する部分に、穿刺針5の移動を規制する機能を有する規制部8が設けられている。この規制部8は、先端部321の図2中の右側(基端側)の面325に凹没して形成された凹部324で構成されている。凹部324の形状は、穿刺針5の針先55から針先55テーパ部56の途中(周辺部)までの外形形状と同じかまたは外形形状よりも若干大きい。すなわち、凹部324の形状は、その内径が先端方向に向かって漸減するテーパ状をなし、深さが穿刺針5の針先55から針先55テーパ部56の途中までの長さとほぼ同等である。
そして、膣挿入部材2を膣200内に挿入し、案内部材3の先端部321の面325を体表面700に当てがわれた状態で、穿刺針5を移動操作することができる。図2(a)に示すように、この穿刺針5の針先55より、生体組織600は、その内側から外側に向かって、すなわち、膣壁300側から体表面700側に向かって、穿刺されることとなる。
図2(b)に示すように、穿刺針5が進行するに従って、当該穿刺針5の非鋭利な針先55で、生体組織600の一部(部分601)が先端方向に向かって押圧されて、凹部324に入り込む。この凹部324に入り込んだ部分601は、生体組織600のそれ以外の部分よりも硬くなる。これにより、穿刺針5の生体組織600に対する穿刺抵抗が急峻に増大し、よって、針先55が体表面700に露出する前に、穿刺針5の進行(移動)が確実に規制される。
次に、本実施形態の穿刺装置1の使用方法の一例について詳細に説明する。ここでは、穿刺装置1を用いて、女性の尿失禁の治療のための、糸500で構成されるインプラントを生体内に埋設するまでの手順について説明する。
なお、術者は、穿刺装置1の超音波プローブ61により送受信した超音波から得られ、表示装置により表示された超音波画像を見つつ、手技を行う。
まず、穿刺装置1により、患者に、2つの穿刺孔を形成する。この2つの穿刺孔のうちの一方の穿刺孔(以下この穿刺孔を「右側穿刺孔」と言う)は、膣200内から図3中右側の閉鎖孔400を越えて形成され、他方の穿刺孔(以下この穿刺孔を「左側穿刺孔」と言う)は、膣200内から図3中左側の閉鎖孔400を越えて形成されたものである。従って、右側穿刺孔および左側穿刺孔は、いずれも、膣200内から体表面までを貫通しない非貫通孔である。
なお、前記2つの穿刺孔を形成する手技は、同様であるので、以下では、代表的に、右側穿刺孔を形成する場合について説明する。
まず、穿刺装置1の膣挿入部材2の支持部23の貫通孔231に穿刺針5を挿入しない状態で、膣挿入部材2を患者の膣200内に挿入し、案内部材3を患者の体外に配置する。そして、図3に示すように、案内部材3の第2の部位32の先端部321を、患者の体表面700の図3中右側の鼠蹊部またはその近傍の部位、すなわち図3中右側の閉鎖孔400に対応する位置に押し付ける。
この際、必要に応じて、膣挿入部材2および案内部材3の一方または両方の連結部材4に対する位置を変更し、膣挿入部材2と案内部材3との位置関係を調節する。すなわち、必要に応じて、雄ネジ71を緩む方向に回転させ、膣挿入部材2を連結部材4に対して先端方向または基端方向に移動させ、雄ネジ71を締まる方向に回転させ、連結部材4に対する膣挿入部材2の移動が阻止された状態とする。また、必要に応じて、雄ネジ72を緩む方向に回転させ、案内部材3を連結部材4に対して先端方向または基端方向に移動させ、雄ネジ72を締まる方向に回転させ、連結部材4に対する案内部材3の移動が阻止された状態とする。
次に、図3に示すように、組立状態の穿刺針5を膣挿入部材2の支持部23の貫通孔231に挿入する。そして、図4に示すように、この穿刺針5を先端方向に移動させ、膣200内に挿入し、さらに先端方向に移動させる。前述したように、穿刺針5は、貫通孔231により、その針先55が案内部材3の超音波マーカ62(先端部321)に向かうように案内されるようになっているので、穿刺針5が尿道100を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。すなわち、穿刺針5は、貫通孔231により案内され、膣200内から膣壁を穿刺し、尿道100を避けることができる。
さらに、穿刺針5を押し込んでいくと、前述したように、穿刺針5の針先55で、生体組織600の部分601が先端方向に向かって押圧されて、凹部324に入り込む。このとき、術者は、その手に穿刺針5の生体組織600に対する穿刺抵抗が急峻に増大したことを感じることができ、穿刺針5を押し込む操作を停止することができる。これにより、穿刺針5は、膣200内から閉鎖孔400を超えて、さらに体表面700までの生体組織600を穿刺し、鼠蹊部またはその近傍の部位から体外に突出するのが防止される。よって、右側穿刺孔は、膣200内から閉鎖孔400までの生体組織600に確実に形成されたもの、すなわち、穿刺針5で生体組織600を過不足なく確実に所定の深さに穿刺したものとなる。このような穿刺は、患者への負担が少なく、患者の安全性も高い。また、穿刺針5が体外に突出するのが防止されるため、穿刺針5で指先を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。
一方、術者は、超音波画像により、穿刺針5の先端部を示す超音波マーカ51、その穿刺針5の針先55が向かう位置を示す案内部材3の超音波マーカ62、尿道、血管、閉鎖孔等を視認しつつ、手技を行なうことができるので、穿刺針5が尿道100や血管を穿刺しないように微調整することができ、さらに安全に穿刺針5を穿刺することができる。また、この穿刺装置1を用いることにより、術者自身も穿刺針5で指先を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。
次に、穿刺針5を抜去する。そして、必要に応じて、前記と同様にして、膣挿入部材2および案内部材3の一方または両方の連結部材4に対する位置を変更し、膣挿入部材2と案内部材3との位置関係を調節し、穿刺装置1を患者から取り外す。このようして、患者には、右側穿刺孔が形成される。
次に、前記と同様にして、左側穿刺孔を形成する。なお、前記2つの穿刺孔は、いずれを先に形成してもよい。
次に、図5に示すように、左側穿刺孔にシース15を挿入する。
次に、図6に示すように、針16の先端部の図示しない保持部に、2本の糸500のうちの一方の固定部501を保持し、その針16をシース15内に挿入して、移動させる。
針16を移動させると、シース15により、針16の移動方向が規制され、図6(b)に示すように、針16の先端部は、尿道100を避けて、図6(b)中の左上方向に進む。これより、針16が尿道100を穿刺してしまうことを防止することができる。なお、糸500の固定部501が目的部位に到達するまで針16を移動する。このようにして、糸500の固定部501が生体に穿刺される。
次に、図7に示すように、針16を抜去する。この際、糸500の固定部501の各単位固定部502が生体に穿刺され、その固定部501が生体に固定され、固定部501が生体から抜けてしまうことを防止することができる。このようにして、一方の糸500の固定部501が生体に固定される。
次に、図8に示すように、左側穿刺孔に挿入されていたシース15を右側穿刺孔に挿入して、針16の先端部の図示しない保持部に、他方の糸500の固定部501を保持し、その針16をシース15内に沿って移動させる。
針16を移動させると、シース15により、針16の移動方向が規制され、図8(b)に示すように、針16の先端部は、尿道100を避けて、図8(b)中の右上方向に進む。これより、針16が尿道100を穿刺してしまうことを防止することができる。なお、糸500の固定部501が目的部位に到達するまで針16を移動する。このようにして、糸500の固定部501が生体に穿刺される。
次に、図9に示すように、針16を抜去する。この際、糸500の固定部501の各単位固定部502が生体に穿刺され、その固定部501が生体に固定され、固定部501が生体から抜けてしまうことを防止することができる。このようにして、他方の糸500の固定部501が生体に固定される。
次に、図示しない装置を用いて、2本の糸500を合わせて、図示しない結び目を形成する。この結び目の結び方としては、例えば、クリンチ・ノット等の一方向にのみ移動可能な結び方とする。そして、前記結び目を図9中上側に移動させる。この際、術者は、結び目の移動による各糸500の締め付け具合を調整する。尿道100と膣200の間は、比較的容易に剥離するようになっているので、結び目は、尿道100と膣200の間に位置し、尿道100の周囲の生体組織に当接する。そして、各糸500の張力により、尿道100が膣壁300から離間する方向に引っ張られ、各糸500でその尿道100が支持される。
次に、シース15を抜去し、糸500の不要な部分を切除し、所定の縫合等を行って、手技を終了する。
なお、穿刺装置1は、本実施形態では女性の尿失禁の治療のための埋設可能なインプラントを生体内に埋設する際に用いられる場合について説明したが、これに限定されず、その他の用途にも用いられる。
<第2実施形態>
図10は、本発明の穿刺装置(第2実施形態)の使用状態における拡大縦断面図、図11は、図10中の矢印A方向から見た図である。
以下、これらの図を参照して本発明の穿刺装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、規制部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図10、図11に示すように、本実施形態では、規制部8は、案内部材3に設けられた凹部324の他に、複数(例えば4枚)の板片81で構成された当接部を有している。各板片81は、それぞれ、凹部324の内周部の周方向、すなわち、穿刺針5のテーパ部56の周方向に沿って等間隔に配置されている。また、各板片81は、それぞれ、その一端部811が凹部324の一部を覆っている。
穿刺針5が生体組織600をその内側から外側に向かって穿刺しつつ移動した際、前記第1実施形態と同様に、当該穿刺針5の針先55で、生体組織600の部分601が凹部324に入り込み、穿刺針5のそれ以上の移動が規制される。また、凹部324による規制に伴って、各板片81が一括してテーパ部56に当接することとなり、これよっても、穿刺針5のそれ以上の移動が規制される。
このように規制部8では、凹部324による規制と、各板片81による規制との相乗効果により、針先55が体表面700に露出する前に、穿刺針5の穿刺針5の移動がより確実に規制される。これにより、穿刺針5が生体組織600を穿刺して形成する穿刺孔は、所定の深さの非貫通孔となる。また、このような穿刺は、患者への負担が少なく、患者の安全性も高い。また、穿刺針5が体外に突出するのが防止されるため、穿刺針5で指先を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。
なお、本実施形態では、凹部324を省略することもできる。この場合、規制部8は、複数の板片81(当接部)で構成されることとなる。
<第3実施形態>
図12は、本発明の穿刺装置の第3実施形態を示す図((a)および(b)はそれぞれ側面図、(c)は、(a)中のB−B線での断面図)である。
以下、これらの図を参照して本発明の穿刺装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、穿刺装置が進行方向変更手段をさらに備えること以外は前記第1実施形態と同様である。
図12に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、案内部材3は、膣挿入部材2に対して相対的に膣挿入部材2の長手方向に移動可能な状態と、回動可能な状態とを取り得るように設置されている。図示の構成では、案内部材3は、連結部材4に、膣挿入部材2の長手方向に移動可能でかつ回動可能に支持されている。
具体的な構成としては、まず、案内部材3の第1の部位31に長孔33が形成されている。長孔33は、第1の部位31の長手方向に沿って延在している。
また、連結部材4の図12(a)中上側の端部には、貫通孔46が形成されている。この貫通孔46は、図12(c)中の上下方向に沿って形成されている。
また、穿刺装置1は、雄ネジ74を有しており、連結部材4の図12(c)中上側の貫通孔46に対応する位置には、その雄ネジ74と螺合し、貫通孔46と連通する雌ネジを有する雌ネジ部47が形成されている。そして、案内部材3の長孔33と、連結部材4の貫通孔46とが連通した状態で、雄ネジ74が、図12(c)中下側から長孔33および貫通孔46に挿入され、雌ネジと螺合している。これにより、案内部材3は、長孔33内に挿入された雄ネジ74を中心として、回動することができる。また、案内部材3は、長孔33と雄ネジ74とにより、その移動方向が長孔33の方向に規制され、連結部材4に対して移動することができる。
ここで、雄ネジ74を所定方向に回転させると、雄ネジ74が締まり、雄ネジ74と連結部材4とで案内部材3が挟持され、連結部材4に対する案内部材3の移動および回動が阻止される。また、雄ネジ74を前記と逆方向に回転させると、雄ネジ74が緩み、連結部材4に対する案内部材3の移動および回動が可能となる。
なお、雄ネジ74および雌ネジ部47により、連結部材4に対して案内部材3が移動および回動し得る状態と、案内部材3の移動および回動が阻止された状態とに切り替えるロック部が構成される。
また、この穿刺装置1は、案内部材3が膣挿入部材2に対して相対的に膣挿入部材2の長手方向に移動または回動したとき、穿刺針5が超音波マーカ62の方向を向くように穿刺針5の進行方向を変更する進行方向変更手段として、進行方向変更部材11を有している。この進行方向変更部材11は、案内部材3と穿刺針5とを連結する部材であり、案内部材3および穿刺針5は、それぞれ、進行方向変更部材11に移動可能に支持される。
進行方向変更部材11の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、直方体形状をなしており、進行方向変更部材11の図12(a)中上側の端部および図12(a)中下側の厚み、すなわち図12(a)における紙面に対して垂直な方向の長さが、それぞれ、中央部よりも厚く設定されている。
そして、進行方向変更部材11の図12(a)中下側の端部には、貫通孔111が形成され、図12(a)中上側の端部には、貫通孔112が形成されている。各貫通孔111および112は、それぞれ、図12(a)中の左右方向に沿って形成されている。また、各貫通孔111および112は、その中心軸の方向が互いに一致、すなわち中心軸が互いに平行になり、かつ、進行方向変更部材11の軸線と連結部材4の軸線とが平行である図12(a)に示す状態において、貫通孔111の中心軸が、後述する支持部23の貫通孔231の中心軸の延長線上に位置し、貫通孔112の中心軸が、雄ネジ74の中心軸と交わるように形成されている。
進行方向変更部材11の貫通孔112には、案内部材3の第1の部位31がその長手方向に移動可能に挿入されている。言い換えれば、進行方向変更部材11は、第1の部位31に、その第1の部位31の長手方向に沿って移動可能に支持されている。
また、膣挿入部材2の図12(a)中上側には、穿刺針5をその長手方向に沿って移動可能に支持する支持部23が形成されている。この支持部23には、図12(a)中の左右方向に沿って貫通孔231が形成されている。
穿刺針5は、組立状態で、膣挿入部材2の貫通孔231、連結部材4および進行方向変更部材11の貫通孔111に挿入して用いられる。そして、貫通孔231および111に挿入された穿刺針5は、その長手方向に移動し得るようになっている。
この穿刺装置1では、進行方向変更部材11の軸線と連結部材の軸線とが平行である図12(a)に示す状態においては、案内部材3の第1の部位31の軸線と、穿刺針5の軸線とが平行になっている。そして、穿刺針5は、先端方向に移動させたとき、支持部23の貫通孔231および進行方向変更部材11の貫通孔111で案内されて、穿刺針5の先端が超音波マーカ62に向かうようになっている。
また、図12(b)に示すように、案内部材3を図12(b)中の反時計回りに所定量回転させると、進行方向変更部材11がその回転量に応じた角度だけ傾斜し、進行方向変更部材11により、穿刺針5の先端部は、屈曲して、図12(b)中の右上方向を向く。この穿刺針5の先端部が屈曲したときの角度は、案内部材3の回転量に応じたものであり、進行方向変更部材11により、案内部材3の第1の部位31の軸線と、穿刺針5の貫通孔111よりも先端側の部位の軸線とが平行である状態が保持される。これにより、穿刺針5は、先端方向に移動させたとき、貫通孔111で案内されて、穿刺針5の先端が超音波マーカ62に向かう。案内部材3を回動させると、このようにして穿刺針5が超音波マーカ62の方向を向くように穿刺針5の進行方向が変更される。
また、穿刺針5の先端部が屈曲した図12(b)に示す状態において、案内部材3を連結部材4に対して長手方向に移動させる場合は、進行方向変更部材11が連結部材4に対して移動しないように、案内部材3に対して長手方向に移動させる。これにより、進行方向変更部材11により、案内部材3の第1の部位31の軸線と、穿刺針5の貫通孔111よりも先端側の部位の軸線とが平行である状態を保持することができる。これによって、穿刺針5は、先端方向に移動させたとき、貫通孔111で案内されて、穿刺針5の先端が超音波マーカ62に向かう。
なお、図12(a)に示す状態において、案内部材3を連結部材4に対して長手方向に移動させる場合は、必ずしも、進行方向変更部材11が連結部材4に対して移動しないように、案内部材3に対して長手方向に移動させる必要はない。
この穿刺装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この穿刺装置1では、案内部材3が連結部材4に対して長手方向に移動可能でかつ回動可能に構成され、穿刺針5の進行方向を変更し得るようになっているので、患者の個人差や種々の症例に対応することができ、より確実に、尿道を穿刺してしまうことを防止することができる。
なお、案内部材3は、本実施形態では膣挿入部材2に対して相対的に膣挿入部材2の長手方向に移動可能な状態と、回動可能な状態との双方の状態を取り得るよう構成されているが、これに限定されず、例えば、いずれか一方の状態のみを取り得るよう構成されていてもよい。
<第4実施形態>
図13は、本発明の穿刺装置の第4実施形態を示す側面図、図14は、図13中の二点鎖線で囲まれた領域[C]の使用状態における拡大縦断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の穿刺装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、穿刺針の穿刺方向が異なることと、規制部の位置が異なること以外は前記第3実施形態と同様である。
図13に示すように、本実施形態の穿刺装置1では、穿刺針5は、組立状態で、案内部材3に対して回動可能で、かつ穿刺針5の軸方向に移動に構成されている。
すなわち、案内部材3は、穿刺針5をその軸方向に移動可能に支持する支持部材(支持部)13を有しており、支持部材13は、案内部材3の第2の部位32の図13中下側の端部、すなわち第2の部位32の先端部321に回動可能に設置されている。
支持部材13の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、円柱状または円板状をなしている。この支持部材13は、その中心軸が図13の紙面に対して垂直な方向を向くように配置されている。
支持部材13には、貫通孔131、133がそれぞれ形成されている。貫通孔133は、図13の紙面に対して垂直な方向、すなわち支持部材13の中心軸に沿って形成されている。また、貫通孔131は、貫通孔133からずれた位置に、図13の紙面に対して平行な方向に沿って形成されている。
穿刺針5は、支持部材13の貫通孔131に挿入して用いられる。そして、貫通孔131に挿入された穿刺針5は、その長手方向に移動し得るようになっている。すなわち、穿刺針5は、貫通孔131により、超音波マーカ62の位置または超音波マーカ62の近傍の位置から突出し、穿刺針5の針先55を超音波プローブ61に向けて案内されるように、移動可能に支持される。
また、案内部材3の第2の部位32の図13中下側の端部には、貫通孔37が形成されている。この貫通孔37は、図13の紙面に対して垂直な方向に沿って形成されている。
また、穿刺装置1は、雄ネジ77を有しており、案内部材3の第2の部位32の図13の紙面手前側の貫通孔37に対応する位置には、その雄ネジ77と螺合し、貫通孔37と連通する雌ネジを有する雌ネジ部38が形成されている。そして、案内部材3の貫通孔37と、支持部材13の貫通孔133とが連通した状態で、雄ネジ77が、図13の紙面裏側から貫通孔133および37に挿入され、雌ネジと螺合している。これにより、支持部材13は、雄ネジ77を中心として、回動することができる。
ここで、雄ネジ77を所定方向に回転させると、雄ネジ77が締まり、雄ネジ77と案内部材3とで支持部材13が挟持され、案内部材3に対する支持部材13の回動が阻止される。また、雄ネジ77を前記と逆方向に回転させると、雄ネジ77が緩み、案内部材3に対する支持部材13の回動が可能となる。
なお、雄ネジ77および雌ネジ部38により、案内部材3に対して支持部材13が回動し得る状態と、支持部材13の回動が阻止された状態とに切り替えるロック部が構成される。
この穿刺装置1によれば、前述した第3実施形態と同様の効果が得られる。
また、膣挿入部材2は、そのヘッド部21が、穿刺針5を針先55が向かう方向に位置する案内部となる。
図14に示すように、膣挿入部材2のヘッド部21(案内部)には、穿刺針5の針先55の延長線と交差する部分に、穿刺針5の移動を規制する機能を有する規制部8が設けられている。この規制部8は、ヘッド部21の図14中の上側の面211に凹没して形成された凹部212で構成されている。凹部212の形状は、穿刺針5の針先55から針先55テーパ部56の途中(周辺部)までの外形形状と同じかまたは外形形状よりも若干大きい。すなわち、凹部212の形状は、その内径が基端方向に向かって漸減するテーパ状をなし、深さが穿刺針5の針先55から針先55テーパ部56の途中までの長さとほぼ同等である。
そして、膣挿入部材2を膣200内に挿入し、案内部材3を体表面700に宛がった状態で、穿刺針5を前述したように移動操作することができる。図14(a)に示すように、この穿刺針5の針先55より、生体組織600は、その外側から内側に向かって、すなわち、体表面700側から膣壁300側に向かって、穿刺されることとなる。
図14(b)に示すように、穿刺針5が進行するに従って、当該穿刺針5の非鋭利な針先55で、生体組織600の一部(部分601)が先端方向に向かって押圧されて、凹部212に入り込む。この凹部212に入り込んだ部分601は、生体組織600のそれ以外の部分よりも硬くなる。これにより、穿刺針5の生体組織600に対する穿刺抵抗が急峻に増大し、よって、針先55が膣200内に露出する前に、穿刺針5の進行(移動)が確実に規制される。
この規制により、穿刺針5が生体組織600を穿刺して形成する穿刺孔は、所定の深さの非貫通孔となる。また、このような穿刺は、患者への負担が少なく、患者の安全性も高い。また、穿刺針5が体外に突出するのが防止されるため、穿刺針5で指先を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。
なお、本実施形態では、支持部材13は、案内部材3に回動可能に支持されているが、これに限らず、支持部材13は、案内部材3に固定的に設置されていてもよい。また、案内部材3が支持部材13の機能を有していてもよい。すなわち、案内部材3に、穿刺針5が挿入され、穿刺針5をその長手方向に移動可能に支持する貫通孔が形成されていてもよい。
<第5実施形態>
図15および図16は、それぞれ、本発明の穿刺装置の第5実施形態を示す部分縦断面側面図および側面図、図17は、図16中のD−D線断面図、図18〜図23は、それぞれ、図15および図16に示す穿刺装置を用いた場合の手技の手順を説明するための図である。
以下、これらの図を参照して本発明の穿刺装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態の穿刺装置1は、図15に示す第1の装置17と、図16に示す第2の装置18とで構成されている。
図15に示すように、第1の装置17は、穿刺針組立体9と、支持部材10とを備えている。
穿刺針組立体9は、円弧状に湾曲した管体で構成された外管91と、針体92とインプラント93とで構成された内側構造体94とを備えている。この穿刺針組立体9は、外管91と内側構造体94とが組み立てられた組立状態(図15、図19、図20参照)と、当該組立状態から外管91と内側構造体94とが分離した分解状態(図21〜図23参照)とを取り得る。
外管91は、その一端が開口した一端開口部911を有し、他端部に把持部912を有している。一端開口部911には、針体92が着脱自在に装着される。また、把持部912は、後述するように外管91を生体組織600から引き抜くときに把持される部分となる。
なお、円弧状をなす外管91の中心角度は、135〜210度であるのが好ましく、150〜180度であるのがより好ましい。
針体92は、キノコ状をなし、その頂部が、生体組織600を穿刺する、丸みを帯びた非鋭利な針先921となっている。また、針体92の基端部、すなわち、針先921と反対側の部分には、外径が急峻に変化した段差部922が形成されている。
インプラント93は、針体92の基端部に連結された長尺な部材である。このインプラント93は、メッシュ状をなし、可撓性を有するものであり、生体組織600に留置される。
そして、組立状態では、針体92が外管91の一端開口部911に装着され、インプラント93が外管91内に挿入されている。分解状態では、針体92が外管91の一端開口部911から離脱して、インプラント93が外管91から抜去されている。
外管91の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料が挙げられる。また、針体92、インプラント93の構成材料としては、特に限定されず、例えば、例えば、ポリプロピレン等のような生体適合性を有する各種樹脂材料、繊維等を用いることができる。
図15に示すように、支持部材10は、支持部101と、支持部101と異なる位置に配置された、すなわち、支持部101と離間して配置された案内部102と、支持部101と案内部102とを連結する連結部103とを有している。
支持部101は、直方体または立方体のブロック体で構成され、当該ブロック体を貫通する貫通孔104が形成された部材である。貫通孔104は、組立状態の穿刺針組立体9(外管91)が挿通可能であり、当該外管91と同等の曲率で湾曲している。そして、この貫通孔104により、組立状態の穿刺針組立体9は、外管91の円弧の中心Oを中心軸とする軸回りに回動可能に支持される(図19、図20参照)。
また、支持部101の図15中の下側の面105は、体表面700に当てがわれる当て部として機能する。なお、支持部101は、ブロック体には限定されず、たとえば曲面を含む形状であってもよい。
案内部102は、直方体または立方体のブロック体で構成され、組立状態の穿刺針組立体9が回動した際に、針体92の針先921が向かう方向に位置する部材である。
案内部102の図15中の下側の面106、すなわち、針先921に臨む面は、体表面700に当てがわれる当て部として機能する。なお、案内部102は、ブロック体には限定されず、たとえば曲面を含む形状であってもよい。
また、案内部102の面106には、組立状態の穿刺針組立体9の回動(移動)を規制する機能を有する規制部8が設けられている。この規制部8は、面106に凹没して形成された凹部107で構成されている。凹部107の形状は、針体92の針先921から段差部922(周辺部)までの外形形状と同じかまたは外形形状よりも若干大きい。
そして、穿刺装置1では、尿道挿入部材30を尿道100内に挿入し、膣挿入部材2を膣200内に挿入し、支持部101の面105を体表面700に宛がい、さらに、案内部102の面106を体表面700に宛がった状態(以下この状態を「使用状態」と言う)で、穿刺針組立体9を操作することができる(図18〜図23参照)。図20に示すように、この穿刺針5の針先55より、生体組織600は、支持部101側から案内部102側に向かって、穿刺されることとなる。前述したように、針先55が案内部102に接近していくと、当該針先55で、生体組織600の一部が案内部102に向かって押圧されて、凹部107に入り込む。このとき、術者は、その手に穿刺針組立体9の生体組織600に対する穿刺抵抗が急峻に増大したことを感じることができ、穿刺針組立体9を押し込む操作を停止することができる。これにより、生体組織600に形成された穿刺孔は、生体組織600を確実に所定の深さに穿刺したもの、すなわち、生体組織600を貫通しないものとなる。
連結部103は、長尺体で構成され、その両端部にそれぞれ支持部101と案内部102とを支持している。これにより、支持部101と案内部102とが連結部103を介して連結される。
図16に示すように、第2の装置18は、尿道100内に挿入される長手形状の尿道挿入部材30と、膣200内に挿入される長手形状の膣挿入部材40と、尿道挿入部材30と膣挿入部材40とを連結する連結部材50とを備えている。また、第2の装置18に含まれる連結部材50と、第1の装置17に含まれる連結部103とには、互いの相対位置を規制できるように、固定アーム(不図示)を取り付けることが可能である。
図17に示すように、尿道挿入部材30および膣挿入部材40は、それぞれ、横断面形状が円形の棒状体で構成されている。また、尿道挿入部材30の直径は、膣挿入部材40の直径よりも小さい。
尿道挿入部材30の先端面301は、丸みを帯びている。これにより、尿道挿入部材30を尿道100内に挿入するときに、先端面301で尿道100内を傷つけるのを確実に防止することができ、よって、挿入時の安全性が高い。
また、膣挿入部材40の先端面401も丸みを帯びている。これにより尿道100を膣200内に挿入するときに、先端面401で膣200内を傷つけるのを確実に防止することができ、よって、挿入時の安全性が高い。
連結部材50は、尿道挿入部材30と膣挿入部材40とを互いに離間させ、かつ、平行な状態で連結する部材である。なお、連結部材50は、尿道挿入部材30と膣挿入部材40との離間距離を調整可能に構成されている。なお、離間距離を調整することが可能であり、連結状態は平行に限定されない。
尿道挿入部材30、膣挿入部材40、連結部材50、支持部101、案内部102、連結部103の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料が挙げられる。また、その他の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
次に、本実施形態の穿刺装置1の使用方法の一例について、図18〜図23を参照しつつ説明する。ここでは、穿刺装置1を用いて、女性の尿失禁の治療のための、インプラント93を有する内側構造体を生体内に埋設するまでの手順について説明する。この手順では、穿刺装置1で形成される穿刺孔は、左側の閉鎖孔400から右側の閉鎖孔400に向かって形成された非貫通孔となる。
図18に示すように、穿刺装置1を使用状態とする。すなわち、第1の装置17の支持部材10の、支持部101の面105を体表面700に宛がい、さらに、案内部102の面106を体表面700に宛がった状態とするとともに、第2の装置18の尿道挿入部材30を尿道100内に挿入し、膣挿入部材2を膣200内に挿入した状態とする。なお、使用状態では、支持部101を体表面700の左側の閉鎖孔400の対応する部分(上部)に宛がい、案内部102を体表面700の右側の閉鎖孔400の対応する部分(上部)に宛がう。
次に、図19に示すように、組立状態の穿刺針組立体9を針先921側から、支持部101の貫通孔104に挿入する。
そして、図20に示すように、穿刺針組立体9をそのまま押し込んで、支持部101側から案内部102側に向かって回動操作する。このとき、針先921が尿道挿入部材30よりも外管91の円弧の中心Oから遠位側(図20中の下側)を通過する、すなわち、針先921が尿道挿入部材30と膣挿入部材40との間を通過するように、穿刺針組立体9と尿道挿入部材30と膣挿入部材40との位置関係が支持部101によって規制される。これにより、穿刺針組立体9で形成される穿刺孔は、尿道100と膣200との間の、生体組織600の非常に薄い層を通過したものとなる。
さらに、穿刺針組立体9を回動し続けると、前述したように、針先55で、生体組織600の一部が案内部102に向かって押圧されて、凹部107に入り込むこととなる。このとき、術者は、その手に穿刺針組立体9の生体組織600に対する穿刺抵抗が急峻に増大したことを感じることができる。これにより、針先921が案内部102側で体表面700に露出する前に、穿刺針組立体9の回動操作を停止することができる。このように生体組織600に形成された穿刺孔は、生体組織600を確実に所定の深さに穿刺したものとなる。
次に、図21に示すように、穿刺針組立体9から外管91のみを前記と反対方向に引張り、当該外管91を抜去する。これにより、穿刺針組立体9は、分解状態となり、内側構造体94のみが生体組織600に留置される。また、この内側構造体94は、針体92の段差部922が生体組織600に係合することにより、生体組織600から不本意に抜け落ちるのが防止されている。
次に、図22に示すように、支持部材10を体表面700から取り除く。
次に、図23に示すように、内側構造体94のインプラント93の長さを、尿道100を図中の下側から支持可能な程度に調節して、インプラント93の針体92と反対側の部分を体表面700に対し固定する。その後、インプラント93の不要な部分を切除し、所定の縫合等を行って、手技を終了する。
<第6実施形態>
図24は、本発明の穿刺装置の第6実施形態を示す側面図ある。
以下、この図を参照して本発明の穿刺装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。以下では、図24中の上側を「上」とし、下側を「下」として説明を行なう。
本実施形態は、第1の装置と第2の装置とが連結されていること以外は前記第5実施形態と同様である。
図24に示すように、本実施形態の穿刺装置1は、第1の装置17と第2の装置18との他に、これら装置同士を連結する連結部材19をさらに備えている。
第1の装置17は、第2の装置18(尿道挿入部材30)の長手方向の途中に、その上方に配置されている。そして、連結部材19は、このような配置状態の第1の装置17と第2の装置18とを連結するものである。
連結部材19は、側面視で「L」字状をなし、その一端部191が第1の装置17の支持部材10(連結部103)の長手方向の途中の中央部に連結され、他端部192が第2の装置18の連結部材50の上端部に連結されている。
以上のような構成の穿刺装置1では、連結部材19を介して、第1の装置17と第2の装置18との互いの位置関係が規制されている。
以上、本発明の穿刺装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、穿刺装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の穿刺装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
1 穿刺装置
2 膣挿入部材
21 ヘッド部
211 面
212 凹部
22 把持部
23 支持部
231 貫通孔
3 案内部材
31 第1の部位
32 第2の部位
321 先端部
324 凹部
325 面
33 長孔
37 貫通孔
38 雌ネジ部
4 連結部材
41、42 貫通孔
44、45、47 雌ネジ部
46 貫通孔
5 穿刺針
51 超音波マーカ
52 把持部
55 針先
56 テーパ部
61 超音波プローブ
62 超音波マーカ
71、72、74、77 雄ネジ
73 ケーブル
8 規制部
81 板片
811 一端部
9 穿刺針組立体
91 外管
911 一端開口部
912 把持部
92 針体
921 針先
922 段差部
93 インプラント
94 内側構造体
10 支持部材
101 支持部
102 案内部
103 連結部
104 貫通孔
105、106 面
107 凹部
11 進行方向変更部材
111、112 貫通孔
13 支持部材(支持部)
131、133 貫通孔
15 シース
16 針
17 第1の装置
18 第2の装置
19 連結部材
191 一端部
192 他端部
30 尿道挿入部材
301 先端面
40 膣挿入部材
401 先端面
50 連結部材
100 尿道
200 膣
300 膣壁
400 閉鎖孔
500 糸(糸状体)
501 固定部
502 単位固定部
600 生体組織
601 部分
700 体表面
O 中心

Claims (13)

  1. 生体組織を穿刺可能な針先を有する穿刺針と、
    膣内に挿入される長手形状の膣挿入部材と、
    前記針先が向かう方向に位置する案内部を有する案内部材と、
    前記膣挿入部材と前記案内部材とを連結する連結手段とを備え、
    前記膣挿入部材または前記連結手段には、前記穿刺針を前記針先が前記案内部に向かって接近するように移動可能に支持する支持部が設けられており、
    前記案内部には、前記膣挿入部材を前記膣内に挿入し、前記案内部材を前記生体組織の表面に接した状態で、前記穿刺針が前記生体組織内をその内側から外側に向かって移動した際、前記針先が前記生体組織の表面に露出する前に、前記穿刺針の移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする穿刺装置。
  2. 前記案内部材は、前記膣挿入部材に対して相対的に前記膣挿入部材の長手方向に移動可能な状態と回動可能な状態とのうちの少なくとも一方の状態を取り得る請求項1に記載の穿刺装置。
  3. 前記案内部材が前記膣挿入部材に対して相対的に前記膣挿入部材の長手方向に移動または回動したとき、前記穿刺針の進行方向を変更する進行方向変更手段を備える請求項2に記載の穿刺装置。
  4. 生体組織を穿刺可能な針先を有する穿刺針と、
    前記針先が向かう方向に位置する案内部を有し、膣内に挿入される長手形状の膣挿入部材と、
    前記穿刺針を前記針先が前記案内部に向かって接近するように移動可能に支持する支持部と、
    前記膣挿入部材と前記支持部とを連結する連結手段とを備え、
    前記案内部には、前記膣挿入部材を前記膣内に挿入し、前記案内部を前記生体組織の表面に接した状態で、前記穿刺針が前記生体組織内をその外側から内側に向かって移動した際、前記針先が前記膣内に露出する前に、前記穿刺針の移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする穿刺装置。
  5. 前記膣挿入部材および前記案内部材のうちの一方に設けられ、超音波の送受信を行う超音波プローブと、
    前記膣挿入部材および前記案内部材のうちの他方に設けられ、前記超音波プローブにより送受信した超音波から得られる超音波画像で認識可能な超音波マーカとを備える請求項1ないし3のいずれかに記載の穿刺装置。
  6. 円弧状に湾曲した管体で構成され、その一端が開口した一端開口部を有する外管と、前記一端開口部に着脱自在に装着され、生体組織を穿刺する、丸みを帯びた非鋭利な針先を有する針体とを備え、前記針体を前記一端開口部に装着して組み立てた組立状態を取り得る穿刺針組立体と、
    前記組立状態の前記穿刺針組立体を前記外管の円弧の中心軸回りに回動可能に支持する支持部と、該支持部と異なる位置に設けられ、前記穿刺針組立体が回動した際に、前記針先が向かう方向に位置する案内部と有し、
    前記案内部には、前記尿道挿入部材を前記尿道内に挿入し、前記支持部材を前記生体組織の表面に接した状態で、前記穿刺針組立体が前記生体組織を前記支持部側から前記案内部側に向かって回動した際、前記針先が前記案内部側で前記生体組織の表面に露出する前に、前記穿刺針組立体の回動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする穿刺装置。
  7. 尿道内に挿入される長手形状の尿道挿入部材とをさらに備え、前記穿刺針組立体が回動したとき、前記針先が前記尿道挿入部材よりも前記外管の円弧の中心から遠位側を通過するように、前記穿刺組立体と前記尿道挿入部材との位置関係を規制する請求項6に記載の穿刺装置。
  8. 前記穿刺針組立体は、前記針体の前記針先と反対側の部分に連結され、前記組立状態で前記外管内に挿入される可撓性を有するインプラントを備え、前記針体が前記一端開口部から離脱して、前記インプラントが前記外管から抜去された分解状態を取り得る請求項7に記載の穿刺装置。
  9. 膣内に挿入される長手形状の膣挿入部材をさらに備え、
    前記支持部材は、前記穿刺針組立体が回動したとき、前記針先が前記尿道挿入部材と前記膣挿入部材との間を通過するように、前記穿刺針組立体と前記尿道挿入部と前記膣挿入部材との位置関係を規制する請求項7または8に記載の穿刺装置。
  10. 前記規制部は、凹没して形成され、前記生体組織の一部が前記針先に押圧されて、入り込む凹部を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の穿刺装置。
  11. 前記凹部の形状は、前記穿刺針の前記針先から前記針先の周辺部までの外形形状と同じかまたは該外形形状よりも大きい請求項10に記載の穿刺装置。
  12. 前記規制部は、前記針先の周辺部が当接する当接部を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の穿刺装置。
  13. 前記当接部は、前記針先の周辺部の周方向に沿って配置される複数の板片で構成されている請求項12に記載の穿刺装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111588427A (zh) * 2020-06-03 2020-08-28 北京桀亚生物医学研究有限公司 穿刺导引装置及其应用方法
CN112218593A (zh) * 2018-06-06 2021-01-12 学校法人圣玛丽安娜医科大学 卵泡发育诱导装置

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