以下、本発明の第1実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は車両に搭載されるリヤワイパモータの平面図を、図2は図1のA−A線に沿う部分断面図を、図3は図1の破線円B部分の拡大図を、図4(a),(b)はストッパプレートの詳細を示す斜視図を、図5はコンタクトプレートが摺接するスイッチングプレートの詳細を示す平面図を、図6はコネクタユニットをギヤ部側から見た斜視図を、図7はコネクタユニットをモータ部側から見た斜視図を、図8は図1のC−C線に沿う部分断面図をそれぞれ表している。
図1に示すように、モータ装置としてのリヤワイパモータ10は、車両のリヤハッチに搭載されるリヤワイパ装置(図示せず)の駆動源として用いられるもので、モータ部20およびギヤ部30を備えている。モータ部20およびギヤ部30は、一対の締結ネジ11によりそれぞれ一体となるよう連結されている。リヤワイパモータ10は、リヤハッチ等の幅狭空間に配置され、図示しないリヤガラス(ウィンドシールド)上に設けられるワイパブレード(図示せず)を、所定角度範囲で往復払拭動作(揺動駆動)させるようになっている。
図1および図2に示すように、モータ部20は、ブラシ付きの4極モータとして構成され、その外郭を形成するモータケース(ヨーク)21を備えている。モータケース21は、磁性体である鋼板をプレス加工することにより有底筒状に形成され、その開口側には、各締結ネジ11が挿通される挿通孔21aを備えたフランジ部21bが一体に設けられている。モータケース21は、図2に示すように、一対の円弧部21cおよび一対の直線部21dを有するよう断面が略小判形状に形成されている。これにより、モータケース21の幅寸法、つまり図中左右方向の厚み寸法を詰めて薄型化を図っている。
モータケース21の内部には、断面が略円弧形状に形成された合計4つのマグネット(磁石)22が固定されている。各マグネット22は、例えばフェライト磁石であって、モータケース21の周方向に沿ってそれぞれ等間隔(90度間隔)で固定され、各マグネット22の内側には、所定の隙間(エアギャップ)を介してアーマチュア(回転子)23が回転自在に収容されている。アーマチュア23の回転中心には、回転軸としてのアーマチュア軸24の基端側が貫通して固定されている。
アーマチュア軸24の軸方向に沿う略中央部分には、コンミテータ(整流子)25が固定されており、コンミテータ25は10個のセグメント25aを備えている。また、アーマチュア軸24の基端側には、アーマチュア23を形成するアーマチュアコア26が固定されており、アーマチュアコア26は10個のスロット26aを備えている。各スロット26aには、所定の巻き方および所定の巻数で複数のアーマチュアコイル26bが巻装されている。各アーマチュアコイル26bのコイル端は、各セグメント25aにそれぞれ電気的に接続されている。
コンミテータ25の各セグメント25aには、複数の給電ブラシ25b(図示では2つのみ示す)が摺接するようになっている。各給電ブラシ25bは、ギヤケース31のブラシホルダ収容部34に装着されたブラシホルダ34aに移動自在に設けられ、各給電ブラシ25bには、コネクタユニット50からの駆動電流が供給されるようになっている。このように、モータ部20とコネクタユニット50とは、各給電ブラシ25b,コンミテータ25およびアーマチュアコイル26bを介して電気的に接続され、これによりアーマチュアコイル26bに電磁力が発生し、アーマチュア23(アーマチュア軸24)が回転するようになっている。なお、図2においては、説明を分かり易くするために各給電ブラシ25bおよびブラシホルダ34aの図示を省略している。
アーマチュア軸24の基端側は、モータケース21の底部に設けられたラジアル軸受27のみによって回転自在に支持されており、アーマチュア軸24の基端側とモータケース21の底部との間には、アーマチュア軸24をその軸方向から支持するスラスト軸受を設けていない。ここで、ラジアル軸受27は、例えば、耐熱性に優れたプラスチック材料により略円筒形状に形成され、これにより、低騒音かつ耐衝撃性および自己潤滑性を備え、さらには摩耗粉が発生し難くなっている。ただし、ラジアル軸受27は、プラスチック材料に換えて焼結材で形成しても良い。
アーマチュア軸24の先端側には、ウォームギヤ24a(詳細図示せず)が一体に設けられ、当該ウォームギヤ24aは、アーマチュア軸24の回転に伴いギヤケース31内で回転するようになっている。ウォームギヤ24aは螺旋状に形成され、ウォームホイール32のギヤ歯32aに噛み合うようになっている。ここで、ウォームギヤ24aは、ウォームホイール32とともに減速機構を構成しており、ウォームホイール32は、ウォームギヤ24aの回転に伴い、当該ウォームギヤ24aよりも減速状態で回転し、減速して高トルク化した回転を外部に出力するようになっている。
アーマチュア軸24のアーマチュア23とウォームギヤ24aとの間には、図3に示すように、アーマチュア軸24の径方向に向けて凹凸形状(セレーション形状)となったベアリング固定部24bが形成されている。ベアリング固定部24bには、ボールベアリング(軸受部材)28の内輪部材28aが圧入嵌合により固定されている。ここで、ベアリング固定部24bに凹凸形状(セレーション形状)を形成せずに、単にアーマチュア軸24に内輪部材28aを圧入した際の緊迫力のみで、ベアリング固定部24bにボールベアリング28を固定するようにしても良い。
ボールベアリング28は、内輪部材28aと外輪部材28bとを備え、内輪部材28aと外輪部材28bとの間には、複数の鋼球28cが設けられている。内輪部材28aと外輪部材28bとの間には、各鋼球28cに加えて、各鋼球28cに塗布した潤滑グリス(図示せず)の外部への漏れを防止する一対の環状カバー部材28dが設けられている。
ボールベアリング28の外輪部材28bは、ギヤケース31のベアリング嵌合部36と、ギヤケース31に装着されるストッパプレート60との間に挟持されている。このように、ボールベアリング28の内輪部材28aをアーマチュア軸24のベアリング固定部24bに固定し、ボールベアリング28の外輪部材28bをギヤケース31に固定することで、アーマチュア軸24は回転自在に支持されるとともに、ギヤケース31に対する軸方向および径方向への移動が規制される。
このように、ボールベアリング28は、ラジアル軸受けおよびスラスト軸受としての機能を備えている。したがって、アーマチュア軸24の先端側とギヤケース31との間においても、アーマチュア軸24をその軸方向から支持するスラスト軸受を設けていない。
ベアリング嵌合部36は、ギヤケース31におけるコネクタユニット収容部35(図1参照)の近傍に設けられ、ギヤケース31内で環状に形成されている。ベアリング嵌合部36は、モータ部20(モータケース21)側に向けて開口しており、ベアリング嵌合部36には、モータ部20側からボールベアリング28が嵌合されるようになっている。ここで、ベアリング嵌合部36のモータ部20側とは反対側には、ベアリング嵌合部36と同軸の貫通孔37が設けられ、当該貫通孔37には、モータ部20およびギヤ部30の組み付け時において、アーマチュア軸24の先端側、つまりウォームギヤ24aが挿通されるようになっている。
ギヤケース31におけるベアリング嵌合部36のモータ部20側には、ストッパプレート60が差し込まれるストッパプレート差し込み部38が設けられている。ストッパプレート差し込み部38は、ギヤカバー側(図中手前側)に向けて開口しており、ストッパプレート差し込み部38には、ギヤカバーを装着していないギヤケース31の開口側から、ストッパプレート60を差し込めるようになっている。
ストッパプレート60は、図4に示すように、鋼板をプレス加工することで略U字形状に形成され、支持本体部61と一対の被差し込み部62とを備えている。支持本体部61には、ストッパプレート差し込み部38への装着時において、アーマチュア軸24(図中破線)に対して非接触の状態を保持する切欠部61aが形成されている。また、支持本体部61には、ストッパプレート60のストッパプレート差し込み部38への装着時において、ボールベアリング28の外輪部材28bに当接し、これによりボールベアリング28をベアリング嵌合部36に固定する一対のベアリング支持凸部61bが設けられている。
各被差し込み部62は、アーマチュア軸24の軸方向に沿う支持本体部61の位置から所定量オフセットした位置に設けられている。このように、ストッパプレート60を鋼板により略階段状に形成することでストッパプレート60はバネ性を備え、これによりボールベアリング28の外輪部材28bを弾性的に押圧して、ボールベアリング28のギヤケース31内でのガタつきを確実に防止するようにしている。
切欠部61aの開口側および被差し込み部62の先端側(図中下側)には、それぞれテーパ部61c,62aが設けられ、各テーパ部61c,62aはストッパプレート60のストッパプレート差し込み部38への装着案内として機能するようになっている。これにより、ギヤケース31に対するストッパプレート60の装着作業を容易にして、リヤワイパモータ10の組み立て作業性を向上させている。
図1に示すように、ギヤ部30は、溶融したアルミ材料等を鋳造成形することにより略バスタブ形状に形成されたギヤケース31を備えている。ギヤケース31は底部31aおよび壁部31bを備え、底部31a側とは反対側(図中手前側)は装着開口部31cとなっている。装着開口部31cは、図示しないギヤカバーによって閉塞されるようになっており、装着開口部31cからは、減速機構であるウォームホイール32や、コネクタユニット50等が装着されるようになっている。
ギヤケース31内にはウォームホイール32が回転自在に設けられ、当該ウォームホイール32は、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することにより所定形状に形成されている。ウォームホイール32の外周部分にはギヤ歯32aが一体に設けられ、当該ギヤ歯32aには、ウォームギヤ24aが噛み合わされている。ウォームホイール32の回転中心には、断面が円形の鋼棒よりなるホイール軸32bの軸方向一端側が固定されており、ホイール軸32bの軸方向他端側はギヤケース31の底部31aに回動自在に支持されている。
ウォームホイール32の底部31a側には、図5の斜線部分に示すように、導電性を有する鋼板よりなるスイッチングプレート32cが装着されている。スイッチングプレート32cは、略円環状に形成され、当該スイッチングプレート32cの径方向内側に向けて窪む凹部32dおよび径方向内側に向けて突出する凸部32eを備えている。スイッチングプレート32cには、ウォームホイール32の回転に伴って、コネクタユニット50に設けられた3つのコンタクトプレートCP1〜CP3の先端側が摺接するようになっている。
このように、ウォームホイール32に凹部32dおよび凸部32eを有するスイッチングプレート32cを装着し、当該スイッチングプレート32c上を摺接するよう各コンタクトプレートCP1〜CP3を設けることで、各コンタクトプレートCP1〜CP3の短絡状態(通電状態)や非通電状態が、図示しない車載コントローラに送られる。これにより車載コントローラは、ウォームホイール32の回転状態、つまりワイパブレードの揺動位置を把握し、ワイパブレードを所定の停止位置に停止できるようになっている。
図1に示すように、ギヤケース31のウォームホイール32から離れた部分(図中左側)には、断面が円形の鋼棒よりなる出力軸33が回転自在に支持されている。出力軸33の基端側はギヤケース31内に設けられ、出力軸33の先端側(図中奥側)はギヤケース31の外部に延出されている。そして、出力軸33の外部に延出した延出部分(図示せず)には、ワイパブレードの基端部が装着(固定)されている。
ギヤケース31内で、出力軸33の基端側とウォームホイール32との間には、ウォームホイール32の回転運動を出力軸33の揺動運動に変換する運動変換機構40が設けられている。運動変換機構40は、揺動リンク41,連結板42および摺接板43を備えている。
揺動リンク41は、鋼板を打ち抜き加工等することで板状に形成され、揺動リンク41の長手方向一端側は、出力軸33の基端側に固定されている。一方、揺動リンク41の長手方向他端側は、連結板42の長手方向一端側に、第1連結ピンP1を介して回動自在に連結されている。連結板42の長手方向他端側は、第2連結ピンP2を介してウォームホイール32の回転中心から偏心した位置に回動自在に連結されている。ここで、揺動リンク41の長さ寸法は連結板42の長さ寸法に対して略半分(略1/2)の長さ寸法に設定されている。また、連結板42においても、揺動リンク41と同様に鋼板を打ち抜き加工等することで板状に形成されている。
このように、出力軸33とウォームホイール32との間に運動変換機構40を設けることで、ウォームホイール32の一方向への回転に伴い出力軸33を所定角度範囲で揺動できるようになっている。具体的には、ウォームギヤ24aおよびウォームホイール32の回転により、減速して高トルク化された回転力が第2連結ピンP2に伝達され、第2連結ピンP2がホイール軸32bを中心に回転する(二点鎖線矢印R参照)。すると、連結板42の長手方向他端側もホイール軸32bを中心に回転し、これにより連結板42の長手方向一端側が、第1連結ピンP1を介して揺動リンク41に規制された状態で、出力軸33を中心に揺動する(二点鎖線矢印S参照)。
摺接板43は、自己潤滑性に優れたプラスチック等の樹脂材料により板状に形成され、連結板42のギヤカバー側(図中手前側)に装着されている。摺接板43の長手方向中央部分には、ギヤカバーに摺接する摺接部43aが一体に設けられ、当該摺接部43aにはグリス(図示せず)が塗布されている。これにより、運動変換機構40のギヤケース31内での動作をスムーズにするとともに、運動変換機構40が出力軸33の軸方向(図中奥行方向)に沿ってガタつくのを防止している。
ギヤケース31のモータ部20側(図中右側)には、ブラシホルダ収容部34が一体に設けられている。ブラシホルダ収容部34は、アーマチュア軸24の軸方向に沿って延びるよう略筒状に形成され、当該ブラシホルダ収容部34内には、各給電ブラシ25bを移動自在に保持するブラシホルダ34aが収容されている。ここで、ブラシホルダ34aには、各給電ブラシ25bに加えて、図示しない雑防素子(チョークコイルやコンデンサ等)が設けられ、これによりブラシノイズがリヤワイパモータ10の外部に漏れるのを防止している。
ギヤケース31におけるブラシホルダ収容部34のモータ部20側とは反対側には、コネクタユニット50を収容するコネクタユニット収容部35が一体に設けられている。コネクタユニット収容部35は、コネクタユニット50のコネクタ本体部51を、ストッパプレート60とモータケース21との間に配置するとともに、コネクタユニット50のコネクタ接続部52を部分的に覆うようになっている。
コネクタユニット収容部35は、コネクタ接続部52を支持するコネクタ支持部35aを備え、当該コネクタ支持部35aは、ギヤケース31の開口側と同じ側が開口した有底の箱形状に形成されている。コネクタ支持部35aは、底壁部35bおよび側壁部35cを備え、底壁部35bはコネクタ接続部52の底壁部52aを支持している。一方、側壁部35cの一部(図中右側)は、コネクタ接続部52の側壁部52bの一部を、支持突起52d(図7および図8参照)を介して支持している。
これにより、コネクタ接続部52に車両側の外部コネクタ(図示せず)を接続する際に、コネクタユニット50のみに大きな負荷が掛かるのを防止して、コネクタユニット50が折損したりするのを防止している。また、アルミ材料よりなるコネクタ支持部35aは、コネクタ接続部52の周囲を覆うので、コネクタ接続部52を介してブラシノイズが外部に漏洩するのを防止している。
図6〜図8に示すように、コネクタユニット50は、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することにより所定形状に形成され、板状に形成されたコネクタ本体部51と有底の箱形状に形成されたコネクタ接続部52とを備えている。ここで、図6および図7においては、構成部品の説明を分かりやすくするために、導電部材(電気を通す部材)に網掛けを施している。
コネクタ接続部52は、底壁部52aおよび側壁部52bを備え、コネクタ接続部52の底壁部52a側とは反対側には、外部コネクタが接続される側となる接続開口部52cが設けられている。つまり、コネクタ接続部52の外部コネクタが接続される側とは反対側には底壁部52aが設けられることになり、当該底壁部52aは、図8に示すようにコネクタ支持部35aの底壁部35bによって支持されている。また、コネクタ接続部52の側壁部52bの一部は、図8に示すように支持突起52dを介してコネクタ支持部35aの側壁部35cの一部によって支持されている。コネクタ接続部52は、図6および図7に示すように、コネクタ本体部51の短手方向(図中上下方向)から外部コネクタが接続されるよう、コネクタ本体部51に対して一体化されている。
コネクタ接続部52およびコネクタ本体部51のコネクタ接続部52側には、両者を跨ぐようにして複数のオス型端子TM1がインサート成形により埋設されている。各オス型端子TM1の先端側は、図6および図8に示すようにコネクタ接続部52内に露出しており、これにより各オス型端子TM1の先端側は、外部コネクタ側の複数のメス型端子(図示せず)に電気的に接続されるようになっている。
コネクタ本体部51の中央部分には、アーマチュア軸24(図1参照)が貫通する貫通孔51aが形成され、貫通孔51aのコネクタ接続部52側には、一対のメス型端子TM2が設けられている。各メス型端子TM2の基端側には、各オス型端子TM1の基端側がスポット溶接等により電気的に接続され、各メス型端子TM2の先端側には、リヤワイパモータ10の組み立て状態において、ブラシホルダ34a(図1参照)に設けた一対のオス型端子(図示せず)が差し込まれるようになっている。つまり、コネクタ本体部51には、ブラシホルダ34aが接続されるようになっている。
ここで、ブラシホルダ34aの各オス型端子は、コネクタ接続部52への外部コネクタの接続方向と交差(直交)するよう、アーマチュア軸24の軸方向から各メス型端子TM2に電気的に接続されるようになっている。つまり、コネクタ本体部51およびコネクタ接続部52は、ブラシホルダ34aの接続方向と外部コネクタの接続方向とが交差(直交)するよう一体化されている。
コネクタ本体部51の長手方向に沿うコネクタ接続部52側とは反対側には、3つのコンタクトプレートCP1〜CP3およびアース端子ETが装着されている。各コンタクトプレートCP1〜CP3およびアース端子ETは、それぞれコネクタ本体部51の短手方向(図6および図7の上下方向)から差し込み固定されるようになっている。ここで、アース端子ETは、リヤワイパモータ10の組み立て状態のもとで、ギヤケース31(図1参照)に電気的に接続されるようになっている。
図6に示すように、コネクタ本体部51の各コンタクトプレートCP1〜CP3およびアース端子ETと、各オス型端子TM1および各メス型端子TM2との間には、貫通孔51aを跨ぐようにして、一対のジャンパー線JPが装着されている。各ジャンパー線JPの一端側は、各オス型端子TM1および各メス型端子TM2のうちの何れか2つにスポット溶接等により電気的に接続され、各ジャンパー線JPの他端側は、各コンタクトプレートCP1〜CP3およびアース端子ETのうちの何れか2つにスポット溶接等により電気的に接続されている。
このようにコネクタユニット50を形成することで、リヤワイパモータ10の組み立て時において、コネクタユニット50のモータ部20側(図7参照)から、各メス型端子TM2に対してブラシホルダ34aの各オス型端子を電気的に接続でき、コネクタユニット50のギヤ部30側(図6参照)のスイッチングプレート32cに対して各コンタクトプレートCP1〜CP3の先端側を接触できるようになっている。
次に、以上のように形成したリヤワイパモータ10の組み立て手順について、図面を用いて詳細に説明する。図9はコネクタユニットのギヤケースへの装着手順を説明する説明図を、図10はギヤ部とモータ部との連結手順を説明する説明図をそれぞれ表している。
まず、図9に示すように、別の製造工程で鋳造成形されたギヤケース31と、別の組立工程で図6および図7に示す状態に組み立てられたコネクタユニット50とを準備する。そして、図中破線矢印(1)に示すように、ギヤケース31の装着開口部31cからコネクタユニット50を臨ませて、コネクタユニット収容部35にコネクタユニット50を装着する。ここで、コネクタ接続部52の接続開口部52cの開口側を、ギヤケース31の装着開口部31cの開口側を向くようにし、コネクタ接続部52の底壁部52aをコネクタ支持部35aの底壁部35bと対向させる。
これにより、図8に示すように、コネクタ接続部52の底壁部52aがコネクタ支持部35aの底壁部35bに接触して支持されるとともに、コネクタ接続部52の側壁部52bの一部が、各支持突起52dを介してコネクタ支持部35aの側壁部35cの一部に支持される。よって、コネクタユニット50とコネクタユニット収容部35とのガタつきが抑制され、リヤワイパモータ10の作動時における異音の発生が防止される。
その後、ギヤケース31のブラシホルダ収容部34に、コネクタユニット50の装着方向と直交する方向(図中右側)からブラシホルダ34a(図1参照)を装着する。これにより、ブラシホルダ34aの各オス型端子が、コネクタユニット50の各メス型端子TM2(図6および図7参照)にそれぞれ差し込まれ、互いに電気的に接続される。
次に、図10に示すように、モータサブアッシMAとストッパプレート60とを準備する。ここで、モータサブアッシMAとは、モータケース21に、4つのマグネット22を固定するとともに、コンミテータ25やボールベアリング28等を組み付けたアーマチュア軸24を組み付けた状態のもの、つまりモータ部20が単体となったものを指している(図1参照)。そして、図中破線矢印(2)に示すように、自動組み付け装置(図示せず)等を用いて、モータサブアッシMAのモータケース21から延出したウォームギヤ24a側を、ギヤケース31のブラシホルダ収容部34側に臨ませて、ウォームギヤ24aを貫通孔51a(図6および図7参照)および貫通孔37(図3参照)に挿通させる。
ここで、ブラシホルダ34aに移動自在に設けられる各給電ブラシ25b(図1参照)は、コンミテータ25に対して後退した位置から前進した位置に向けて、コンミテータ25の装着に伴い自動的に移動するようになっている。これにより、コネクタユニット50とモータ部20とが電気的に接続される。
その後、ギヤケース31に対してモータサブアッシMAをより近接するよう移動させることで、モータケース21のフランジ部21bがギヤケース31のブラシホルダ収容部34に当接するようになる。これにより、ベアリング嵌合部36にボールベアリング28の外輪部材28bが嵌合する。そして、図示しない締結工具(電動ネジ回し等)によって、図中破線矢印(3)に示すように各締結ネジ11を所定の締め付けトルクで締め付ける。
次に、ストッパプレート60における切欠部61aの開口側を、ギヤケース31の装着開口部31cと対向させ、図中破線矢印(4)に示すように、ストッパプレート60をアーマチュア軸24の径方向から臨ませて、ストッパプレート差し込み部38にストッパプレート60を差し込んでいく。すると、各ベアリング支持凸部61b(図3および図4参照)が外輪部材28bに当接しつつ、各被差し込み部62がストッパプレート差し込み部38に入り込む。これにより、ストッパプレート60は弾性変形しつつ外輪部材28bを押圧し、ボールベアリング28はベアリング嵌合部36で強固に固定される(図3参照)。
ここで、ストッパプレート60のストッパプレート差し込み部38への差し込み量は、アーマチュア軸24が挿通される貫通孔37の中心軸を基準として定められており、したがって、ストッパプレート60の装着方向に沿う先端部分と、ストッパプレート差し込み部38の底部(底部31a)との間には所定のクリアランスが形成されることになる。このように、貫通孔37の中心軸を基準にストッパプレート60のストッパプレート差し込み部38への差し込み量を一定とすることで、モータ部20およびその他の各構成部品の製造精度のバラつきを吸収できるようにしている。これにより、モータ部20およびその他の各構成部品の製造精度のバラつきに左右されること無く、ストッパプレート60を確実に装着させることができ、ひいてはリヤワイパモータ10の組み立て性を向上させつつ、ボールベアリング28のギヤケース31内でのガタつきを防止できるようにしている。
ストッパプレート60をストッパプレート差し込み部38に完全に装着した後は、ウォームホイール32を装着開口部31cからギヤケース31内に装着するとともに、揺動リンク41が固定された出力軸33(図1参照)を装着開口部31cからギヤケース31内に装着する。ここで、図5に示すように、ウォームホイール32のスイッチングプレート32cが装着された側を、各コンタクトプレートCP1〜CP3と対向させるようにする。
次いで、連結板42および摺接板43(図1参照)をその順番で揺動リンク41とウォームホイール32との間に装着し、これによりギヤケース31内への各部品の装着が完了する。その後、ギヤケース31の装着開口部31cにギヤカバーを装着し、当該ギヤカバーをギヤケース31に複数の固定ネジ(図示せず)を介して固定する。ここで、ギヤカバーはコネクタ接続部52の接続開口部52cを閉塞することは無い。これにより、ギヤカバーによって摺接板43およびコネクタユニット50のコネクタ本体部51が支持されて、リヤワイパモータ10の組み立て作業が完了する。
以上詳述したように、第1実施の形態に係るリヤワイパモータ10によれば、ギヤケース31に、コネクタユニット50をギヤケース31に装着した状態のもとで、コネクタ接続部52の外部コネクタが接続される側とは反対側、つまり底壁部52aを支持する底壁部35bを備えたコネクタ支持部35aを設けた。したがって、外部コネクタをコネクタ接続部52に接続する際に、外部コネクタから伝達される負荷を、ギヤケース31のコネクタ支持部35aで受け止めることができる。よって、コネクタ接続部52に掛かる負荷を軽減してコネクタユニット50が折損するのを確実に防止することができ、ひいてはコネクタユニット50の目視等による確認作業を省略して作業効率を向上させることができる。
また、第1実施の形態に係るリヤワイパモータ10によれば、コネクタ接続部52を有底の箱形状に形成し、コネクタ支持部35aは、底壁部52aに加えてコネクタ接続部52の側壁部52bを支持するので、外部コネクタをコネクタ接続部52に接続する際に、外部コネクタから伝達される捩り方向への負荷に対しても、ギヤケース31のコネクタ支持部35aで受け止めることができる。よって、コネクタユニット50が折損するのをより確実に防止することができ、リヤワイパモータ10の信頼性を向上させることができる。
さらに、第1実施の形態に係るリヤワイパモータ10によれば、コネクタユニット50は、ブラシホルダ34aが接続されるコネクタ本体部51を備え、当該コネクタ本体部51とコネクタ接続部52とを、ブラシホルダ34aの接続方向と外部コネクタの接続方向とが交差(直交)するよう一体に設けたので、外部コネクタをコネクタ接続部52に接続する際に、外部コネクタの接続方向に向けてコネクタユニット50が歪んだとしても、コネクタ本体部51とブラシホルダ34aとの接続状態を確実に維持することができる。
また、第1実施の形態に係るリヤワイパモータ10によれば、コネクタユニット50は、ギヤケース31の減速機構を装着するための装着開口部31cから装着されるので、ギヤケース31に対して一の方向から減速機構およびコネクタユニット50を装着することができ、ひいてはリヤワイパモータ10の組み立て作業性を向上することができる。
次に、本発明の第2実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図11は第2実施の形態に係るリヤワイパモータのギヤ部を示す平面図を表している。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11に示すように、第2実施の形態に係るリヤワイパモータ(モータ装置)70は、第1実施の形態に係るリヤワイパモータ10(図1参照)に比して、出力軸33の位置および運動変換機構80の構造が異なっている。
リヤワイパモータ70の出力軸33は、ギヤケース71のウォームホイール32を挟んでアーマチュア軸24側とは反対側に配置されている。これにより、リヤワイパモータ70においては、第1実施の形態に比して、アーマチュア軸24の軸方向に沿う寸法を詰められるようになっている。
リヤワイパモータ70の運動変換機構80は、ピニオンギヤ81,運動変換部材82,連結板42および摺接板43を備えている。ピニオンギヤ81は出力軸33の基端側に固定され、出力軸33とともに揺動するようになっている。
運動変換部材82は、ピニオンギヤ81と噛み合うセクタギヤ82aと、第2連結ピンP2を介してウォームホイール32の偏心位置に回動自在に連結されるアーム部82bとを備えている。セクタギヤ82aの中心部分には第1連結ピンP1が設けられ、当該第1連結ピンP1と出力軸33との間には、連結板42が設けられている。具体的には、連結板42の長手方向一端側は出力軸33の基端側に回動自在に連結され、連結板42の長手方向他端側は第1連結ピンP1に回動自在に連結されている。このように、本実施の形態に係る連結板42は、出力軸33と第1連結ピンP1との距離を一定に保ち、ピニオンギヤ81とセクタギヤ82aとの噛み合いを維持するようになっている。
リヤワイパモータ70の運動変換機構80においても、ウォームホイール32の回転運動を出力軸33の揺動運動に変換するようになっている。具体的には、ウォームホイール32の回転に伴い第2連結ピンP2がホイール軸32bを中心に回転すると(二点鎖線矢印R参照)、運動変換部材82のアーム部82bもホイール軸32bを中心に回転する。これにより、セクタギヤ82aが第1連結ピンP1を中心に揺動し、その結果、セクタギヤ82aに噛み合うピニオンギヤ81、つまり出力軸33が揺動する(二点鎖線矢印S参照)。
以上詳述したように、第2実施の形態に係るリヤワイパモータ70においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、コネクタユニット50のコネクタ本体部51とコネクタ接続部52とを、ブラシホルダ34aの接続方向と外部コネクタの接続方向とが直交(90度)するよう一体に設けたものを示したが、本発明はこれに限らない。つまり、リヤワイパモータ10が搭載される搭載スペースの形状(広狭)等に合わせて、例えば60度等で交差させても良い。
また、上記各実施の形態においては、モータ部20とギヤ部30とを連結する連結工程(図10参照)において、モータケース21にマグネット22を固定するとともに、コンミテータ25やボールベアリング28等を組み付けたアーマチュア軸24を組み付けた状態のモータ部20、つまりモータサブアッシMAを、ギヤ部30に臨ませることが示されているが、本発明はこれに限らない。例えば、モータケース21からアーマチュア軸24を取り外した状態で、アーマチュア軸24をギヤ部30に臨ませても良い。その際の組み付け順序としては、ブラシホルダ34aをブラシホルダ収容部34に装着した後に、これに引き続き、コンミテータ25やボールベアリング28等を組み付けたアーマチュア軸24をギヤ部30に臨ませ、ボールベアリング28がベアリング嵌合部36の嵌合位置まで到達するようアーマチュア軸24を挿入した後、ストッパプレート差し込み部38にストッパプレート60を差し込んでいく。その後、モータケース21とギヤケース31とを組み付けた後、ウォームホイール32等をギヤケース31に対して組み付けていくこととなる。
さらに、上記各実施の形態においては、連結板42および摺接板43をその順番で装着したが、連結板42および摺接板43をアッシ化し、一体に組み付けても良い。これにより組み付け性を向上させることができる。
また、上記各実施の形態においては、ウォームギヤ24aおよびウォームホイール32からなる減速機構(ウォーム減速機)を採用したものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば減速機構として遊星歯車減速機を採用することもできる。この場合、例えばサンギヤを入力側(アーマチュア軸24側)のギヤとし、リングギヤを出力側(出力軸33側)のギヤとすれば良い。
さらに、上記各実施の形態においては、モータケース21として、その断面形状が略小判形状であるものを採用したが、本発明はこれに限らず、断面形状が円形形状や多角形形状のモータケースを採用しても良い。また、モータケース内に設けられるマグネットの個数(極数)や、セグメント数,スロット数等は、必要とされるモータ部の仕様(定格出力等)によって適宜変更しても良い。
また、上記各実施の形態においては、モータ装置として、リヤワイパモータ10であるものを示したが、本発明はこれに限らず、自動車等の車両に搭載されるパワーウィンド装置,電動サンルーフ装置,電動シート装置等の駆動源として用いられるモータ装置にも適用することができる。