JP2013205323A - クロマトグラフィ質量分析計 - Google Patents

クロマトグラフィ質量分析計 Download PDF

Info

Publication number
JP2013205323A
JP2013205323A JP2012076442A JP2012076442A JP2013205323A JP 2013205323 A JP2013205323 A JP 2013205323A JP 2012076442 A JP2012076442 A JP 2012076442A JP 2012076442 A JP2012076442 A JP 2012076442A JP 2013205323 A JP2013205323 A JP 2013205323A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
scan
detector
mass
sim
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012076442A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Kawana
修一 川名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2012076442A priority Critical patent/JP2013205323A/ja
Publication of JP2013205323A publication Critical patent/JP2013205323A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

【課題】スキャン/SIM同時測定モードやスキャン/MRM同時測定などにおいて、いずれの測定による信号飽和せずにその情報を欠落させることのないデータを得ながら、いずれの測定においても高感度のデータを得ることのできるクロマトグラフ質量分析計を提供する。
【解決手段】スキャン/SIM同時測定またはスキャン/MRM同時測定モード等の同時測定の選択時に、スキャン測定とSIM測定、またはスキャン測定とMRM測定等のそれぞれの検出器電圧を独立的に設定することができ、同時測定に際してはスキャン測定とSIM測定(MRM測定)を交互に切り替えるごとに、検出器電圧を自動的に該当の電圧に切り替えることで、時分割的に2種の測定を行うにも係わらず、双方の測定を最適な検出器電圧のもとに行うことを可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明はクロマトグラフ質量分析計に関し、さらに詳しくは、ガスあるいは液体クロマトグラフと質量分析計を用いた分析計(GC/MSあるいはLC/MS)、および、ガスあるいは液体クロマトグラフと2段の質量分析計を用いた分析計(GC/MS/MSあるいはLC/MS/MS)に関する。
ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)や液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)においては、試料に含まれる各種成分をガスないしは液体クロマトグラフにより時間的に分離し、溶出した成分を質量分析計に導く。質量分析計は、イオン化部(イオン源)、四重極等からなる質量分析部、および検出器(イオン検出器)を主要な要素として構成され、クロマトグラフから溶出した試料の成分をイオン化部でイオン化し、その後段に設けられた質量分析部においてイオンの質量電荷比(m/z)ごとに分離し、最終段の検出器によって検出する。
質量分析部は例えば四重極(QP;Quadra Polle)によって構成され、この四重極には直流電圧と高周波電圧が重畳して印加され、これによって生じる電場の作用で特定の質量電荷比を持つイオンのみを選択(分離)して検出器に導く。すなわち、四重極に印加する直流電圧uと高周波電圧vの比u/vを一定に保ちつつu(またはv)を変化させて電場を変えることにより、生じている電場の条件に合致した質量電荷比のイオンのみが分離されて検出器へと導かれる。
検出器は二次電子増倍管など、イオンの入射による電流を検出して出力を発生するものが用いられ、この検出器の増倍率(ゲイン)は印加する電圧によって変化する。
以上のようなガスクロマトグラフ質量分析計においては、通常、データの収集の仕方、つまり測定モードとして、スキャン測定モードと、SIM(Selective IonMonitoring)測定モード、およびスキャン/SIM同時測定モードを選択できるようになっている。
スキャン測定モードは、質量分析部における電場を連続的に変化させ、したがって検出器に到達するイオンの質量電荷比を連続的に変化させながら、検出器の出力を取り込む測定方法である。また、SIM測定モードは、検出器に導くイオンの質量電荷比があらかじめ設定された一つまたは複数のみとなるように質量分析部に印加する電圧を逐次変化させる測定方法であり、通常、複数の質量電荷比のイオンが逐次検出器に導かれるように質量分析部の電圧を離散的に変化させつつ、検出器の出力を取り込む。また、スキャン/SIM同時測定モードは、上記したスキャン測定とSIM測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返し実行する方法であり、一度の測定により、スキャン測定モードで得られるマススペクトルと、SIM測定モードで得られるSNの高い定量分析に適したデータとが得られるという利点がある(例えば特許文献1参照)。
一方、ガスまたは液体クロマトグラフと2つの質量分析部を持つGC/MS/MSやLC/MS/MSと称される分析計においては、上記と同様のクロマトグラフとイオン化部、および質量分析部(第1の質量分析部)を備えるとともに、その第1の質量分析部の後段に、当該第1の質量分析部により分離された所定のm/zを持つイオンを衝突誘起解離(CID;Collision−Induced Dissociation)により開裂するためのコリジョンセルを設け、さらにそのコリジョンセルにより開裂されたイオン(プロダクトイオン)の質量分析を行う第2の質量分析部と、その第2の質量分析部により分離されたイオンを検出する検出器を備えた構成をとる(例えば特許文献2参照)。
このようなGC/MS/MSやLC/MS/MSにおいては、MRM(Multiple Reaction Monitoring)測定モードや上記と同様のスキャン測定モードやSIM測定モード、およびニュートラルロススキャン測定モードなどが選択可能となっており、また、スキャン/MRM同時測定モード、SIM/MRM同時測定モード、スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードを選択できるものもある。
MRM測定モードは、第1の質量分析部により特定の質量電荷比を持つイオンを選択的にコリジョンセルに導いて開裂し、その開裂したイオン(プロダクトイオン)について、第2の質量分析部により特定の質量電荷比のものだけを検出器に導いて検出する測定方法である。また、このようなMS/MSを有する分析装置におけるスキャン測定モードは、コリジョンセルにおける開裂を行わずに、第1の質量分析部または第2の質量分析部のいずれかを単にイオンを通過させるだけの設定とした状態で、もう一方の質量分析部における電場を連続的に変化させ、検出器に到達するイオンの質量電荷比を連続的に変化させながら検出器の出力を取り込む測定方法であり、一つの質量分析部を持つ前記した装置におけるスキャン測定モードと等価なデータを得ることができる。さらに、SIM測定モードは、同様にしてコリジョンセルにおける開裂を行わず、第1の質量分析部または第2の質量分析部のいずれかを単にイオンを通過させるだけの設定とした状態で、もう一方の質量分析部に印加する電圧を特定の一つもしくは複数の質量電荷比を持つイオンのみを通過させるように離散的に変化させつつ、検出器の出力を取り込む測定方法であって、前記した一つの質量分析部を持つ装置におけるSIM測定モードと等価なデータを得ることができる測定方法である。
さらにまた、ニュートラルロススキャン測定モードは、特定の中性分子を離脱する全てのプリカーサイオンを検索する測定方法であり、第1の質量分析部と第2の質量分析部を、一定の質量差を持つイオンが通過するように同時にスキャンする。これにより、第1の質量分析部を通過したイオンがコリジョンセルで開裂され、一定の質量差を持つイオンのみが第2の質量分析部を通過して検出器に到達して検出される。
特開2000−195464号公報 特開2011−218425号公報
ところで、GC/MSやLC/MSにおけるスキャン測定においては、広範囲なm/zを網羅的に測定しているため、通常、夾雑物などの影響もあって巨大なピークが現れることがある。これに対しSIM測定においては、あらかじめ選択したm/zのイオンのみを測定するため、その信号強度はスキャン測定に比して小さく、これら両測定で得られる信号強度は大きく相違する。
また、GC/MS/MSやLC/MS/MSにおけるMRM測定は、イオン化部でイオン化されたイオンを第1の質量分析部で特定の質量電荷比のものに選択した後、コリジョンセルにおいて開裂してプロダクトイオンとした後に第2の質量分析部により特定の質量電荷比のイオンのみを選択して検出器に導くため、その信号強度は極めて弱く、スキャン測定時の検出信号やSIM測定における検出信号に比して大幅に弱いものとなってしまう。また、ニュートラルロススキャン測定についても、第1の質量分析部で選択されたm/zのイオンから、特定の質量の中性分子が分離したイオンのみを検出するため、その検出信号はスキャン測定で得られる検出信号に比して相当に弱いものとなる。
検出器の増倍率を決定する検出器電圧、つまり検出器に供給する電圧は任意に設定できるようになっており、したがってスキャン測定モードやSIM測定モード、あるいはMRM測定モード、ニュートラルロススキャン測定モードにおいては、予想される信号強度に応じて検出器電圧を設定して測定を行うことができる。しかし、スキャン/SIM同時測定モードやスキャン/MRM同時測定モード、SIM/MRM同時測定モード、スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードにおいては、信号強度の強い方の測定、つまりスキャン/SIM同時測定モード、スキャン/MRM同時測定モード、スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードのいずれにおいてもスキャン測定で得られる信号が飽和しない検出器電圧で測定を行っている。また、SIM/MRM同時測定モードにあってはSIM測定で得られる信号が飽和しない検出器電圧で測定を行っている。そのため、信号強度の弱い方の測定で得られる信号に関しては、検出器電圧が不十分なために、高感度の測定ができない場合があるという問題があった。
ここで、例えばスキャン/SIM同時測定において、高い検出器電圧を印加することにより、スキャン測定での検出器出力を飽和させ、SIM測定で得られる信号を高感度で測定することは可能である。しかしながら、この手法は、スキャン測定において巨大なピークが現れた場合、そのピークが飽和してしまうため、マススペクトル情報の一部が欠落することになり、同定精度が低下してしまう。また、スキャン測定期間に信号を飽和させてしまうため、検出器の寿命が短くなるという問題もある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、スキャン/SIM同時測定、あるいはスキャン/MRM同時測定、あるいはスキャン/ニュートラルロススキャン同時測定により、マススペクトルのピーク情報を欠落することなく得ると同時に、高感度のSIMないしはMRM測定データを得ることのでき、また、SIM/MRM同時測定荷より、SIMデータを飽和させることなく、高感度のMRMデータを得ることのできるクロマトグラフ質量分析計の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明のクロマトグラフ質量分析計は、試料の各種成分を時間的に分離するクロマトグラフと、そのクロマトグラフにより分離された成分をイオン化し、そのイオンを質量電荷比に応じて分離して検出器に導いて検出する質量分析計を備えるとともに、その質量分析計は、上記検出器に導くイオンの質量電荷比を連続的に変化させて当該検出器の出力を取り込むスキャン測定と、上記検出器に一つまたは複数の特定の質量電荷比を持つイオンを一定の時間ずつ導いて当該検出器の出力を取り込むSIM測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返すスキャン/SIM同時測定モードを選択可能に構成されてなるクロマトグラフ質量分析計において、上記スキャン/SIM同時測定モードの選択時における上記検出器への供給電圧を、スキャン測定およびSIM測定のそれぞれに独立的に設定する設定手段と、スキャン/SIM同時測定時におけるスキャン測定期間およびSIM測定期間の検出器電圧が、それぞれ上記設定手段により設定された該当の電圧となるよう、上記検出器に供給する電圧を自動的に切り替える制御手段を備えていることによって特徴づけられる(請求項1)。
また、クロマトグラフの後段にMS/MSを配した分析計における上記と同じ課題を解決するため、請求項2に係る発明は、試料の各種成分を時間的に分離するクロマトグラフと、そのクロマトグラフにより分離された成分をイオン化するイオン化部と、そのイオン化部によりイオン化されたイオンを質量電荷比に応じて分離する第1の質量分析部と、その第1の質量分析部により分離されたイオンを開裂するためのコリジョンセルと、そのコリジョンセルを経たイオンを質量電荷比に応じて分離する第2の質量分析部と、その第2の質量分析部を経たイオンを検出する検出器を備えるとともに、上記第1および第2の質量分析部のいずれか一方の質量分析部を通過させるイオンの質量電荷比を連続的に変化させ、かつ、他方の質量分析部および上記コリジョンセルは全てのイオンを通過させるように設定した状態で上記検出器の出力を取り込むスキャン測定と、上記第1の質量分析部により特定の質量電荷比のイオンを上記コリジョンセルに導いて開裂し、上記第2の質量分析部で特定の質量電荷比のイオンを上記検出器に導いて当該検出器の出力を取り込むMRM測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返すスキャン/MRM同時測定モードを選択可能に構成されてなるクロマトグラフ質量分析計において、上記スキャン/MRM同時測定モードの選択時における上記検出器への供給電圧を、スキャン測定およびMRM測定のそれぞれに独立的に設定する設定手段と、スキャン/MRM同時測定時におけるスキャン測定期間およびMRM測定期間の検出器電圧が、それぞれ上記設定手段により設定された該当の電圧となるよう、上記検出器に供給する電圧を自動的に切り替える制御手段を備えていることによって特徴づけられる。
さらに、クロマトグラフの後段にMS/MSを配した分析計における上記と同じ課題を解決するため、請求項3に係る発明は、上記と同様の第1の質量分析計、コリジョンセル、第2の質量分析計および検出器を備えるとともに、上記第1および第2の質量分析部のいずれか一方の質量分析部を一つまたは複数の特定の質量電荷比のイオンを一定時間ずつ通過させ、他方の質量分析部および上記コリジョンセルは全てのイオンを通過させるように設定した状態で上記検出器の出力を取り込むSIM測定と、上記第1の質量分析部により特定の質量電荷比のイオンを上記コリジョンセルに導いて開裂し、上記第2の質量分析部で特定の質量電荷比のイオンを上記検出器に導いて当該検出器の出力を取り込むMRM測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返すSIM/MRM同時測定モードを選択可能に構成されてなるクロマトグラフ質量分析計において、上記SIM/MRM同時測定モードの選択時における上記検出器への供給電圧を、SIM測定およびMRM測定のそれぞれに独立的に設定する設定手段と、SIM/MRM同時測定時におけるSIM測定期間およびMRM測定期間の検出器電圧が、それぞれ上記設定手段により設定された該当の電圧となるよう、上記検出器に供給する電圧を自動的に切り替える制御手段を備えていることによって特徴づけられる。
さらにまた、クロマトグラフの後段にMS/MSを配した分析計における上記と同じ課題を解決するため、請求項4に係る発明は、同じく上記と同様の第1の質量分析部、コリジョンセル、第2の質量分析部、および検出器を備えるとともに、上記第1および第2の質量分析部のいずれか一方の質量分析部を通過させるイオンの質量電荷比を連続的に変化させ、かつ、他方の質量分析部およびコリジョンセルは全てのイオンを通過させるように設定した状態で上記検出器の出力を取り込むスキャン測定と、上記第1の質量分析部と上記第2の質量分析部が通過させるイオンの質量電荷比が一定の差を持つように当該第1と第2の質量分析部の電場を同時に変化させることにより、上記コリジョンセルで開裂したイオンのうち、一定質量の中性分子が離脱したイオンを検出器に導いた状態で当該検出器の出力を取り込むニュートラルロススキャン測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返すスキャン/ニュートラルスキャン同時測定モードを選択可能に構成されてなるクロマトグラフ質量分析計において、上記スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードの選択時における上記検出器への供給電圧を、スキャン測定およびニュートラルロススキャン測定のそれぞれに独立的に設定する設定手段と、スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定時におけるスキャン測定期間およびニュートラルロススキャン測定期間の検出器電圧が、それぞれ上記設定手段により設定された該当の電圧となるよう、上記検出器に供給する電圧を自動的に切り替える制御手段を備えていることによって特徴づけられる。
ここで、本発明においては、オートチューニング手段によりスキャン測定時における検出器電圧を自動的に設定する機能を有したものにあっては、上記設定手段は、スキャン/SIM同時測定モードの選択時におけるSIM測定での検出器電圧、上記スキャン/MRM同時測定モードの選択時におけるMRM測定での検出器電圧、または、上記スキャン/ニュートラルロススキャンとを時測定モードの選択時におけるニュートラルスキャン測定での検出器電圧を、スキャン測定の検出器電圧に対する相対値で設定するように構成すること(請求項5)ができる。
また、本発明においては、上記制御手段は、スキャン/SIM同時測定モード、スキャン/MRM同時測定モード、SIM/MRM同時測定モード、または、スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードでの測定の実行時に、スキャン測定とSIM測定との切り替え時、スキャン測定とMRM測定との切り替え時、SIM測定とMRM測定との切り替え時、または、スキャン測定とニュートラルロススキャン測定戸の切り替え時に、上記検出器への供給電圧が安定するのに要する待機時間を設けるように構成すること(請求項6)が好ましい。
そして上記の請求項6に係る発明を採用する場合、上記制御手段により設けられる上記待機時間は、切り替えるべき双方の電圧の差に応じてあらかじめ設定されている構成(請求項7)を採用することができる。
さらに本発明においては、上記設定手段は、スキャン/SIM同時測定モードにおけるスキャン測定とSIM測定での各検出器電圧、スキャン/MRM同時測定モードにおけるスキャン測定とMRM測定での各検出器電圧、SIM/MRM同時測定モードにおけるSIM測定とMRM測定での各検出器電圧、または、スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードにおけるスキャン測定とニュートラルロススキャン測定での各検出器電圧を、それぞれ上記各同時測定モードによる測定開始時点からの経過時間ごとに設定可能であり、上記制御手段は、上記各同時測定時に、測定開始からの時間に応じて該当する電圧を上記検出器に供給するように構成すること(請求項8)ができる。
本発明は、2つの異なる測定を所定の微小時間ずつ繰り返し時分割で実行するモードを選択したとき、各測定ごとに検出器電圧を独立的に設定可能とし、実際の測定中には測定の切り替えに合わせて検出器への供給電圧を設定通りに自動的に切り替えることで、課題を解決しようとするものである。
すなわち、スキャン/SIM同時測定では、スキャン測定とSIM測定のそれぞれに適した検出器電圧を設定しておくことで、実際の測定時にはスキャン測定とSIM測定の切り替えに合わせて自動的に検出器に供給される電圧も切り替えられる。したがって、信号強度の強いスキャン測定の期間はスキャン測定で現れるピークが飽和しない検出器電圧で信号を取り込み、SIM測定の期間はSIMで設定したm/zのイオンを高感度で測定できる検出器電圧のもとに信号を取り込むことができる。スキャン/MRM同時測定、SIM/MRM同時測定、およびスキャン2ニュートラルスキャン同時測定においても同じである。
ここで、スキャン/SIM同時測定、スキャン/MRM同時測定、SIM/MRM同時測定、あるいはスキャン/ニュートラルロス同時測定に際して、レンズや質量分析部を構成する四重極の引き込み電圧等でスキャン測定時とSIM測定時等の信号強度を調整するという手法も考えられるが、この場合、装置各部の汚れによる経時変化の影響を受けやすく、また、m/zに応じてイオンの起動が変化し、マススペクトルパターンが変わってしまい、ライブラリ検索の疑似度が低下するおそれがある。これに対し本発明のように、検出器電圧を変えて信号強度を調整する手法は、m/zのパターン比に影響を与えないという利点がある。
請求項5に係る発明は、オートチューニング手段を備えた分析計に本発明を適用する際の態様である。すなわち、オートチューニングは多くのMSシステムに通常に備えている機能であり、キャリブレーション化合物をMS内に導入し、MSパラメータを調整する機能で、イオン光学系の最適化、キャリブレーション由来のイオンのピーク幅調整、検出器に印加する電圧の調整などが含まれる。したがって、このオートチューニングの実行により、試料のマススペクトルを得るために最適な検出器電圧、つまりスキャン測定に最適な検出器電圧が自動的に設定される。したがって、測定に先立ってオートチューニングを行えば、例えばスキャン/SIM同時測定モードを選択する際、スキャン測定における検出器電圧は既に最適値に設定されていることになる。このような状態で本発明の設定手段でスキャン測定とSIM測定の検出器電圧を設定するに当たっては、オートチューニングにより設定されたスキャン測定のための検出器電圧に対する相対値でSIM測定の検出器電圧を設定するように構成することが合理的であり、オペレータにも判りやすい。スキャン/MRM同時測定やスキャン/ニュートラルロススキャン同時測定においても同様である。ただし、本発明は、各同時測定モードにおいて双方の測定に際しての各検出器電圧をそれぞれに絶対値で設定することも拒まない。
請求項6に係る発明は、検出器に供給する電圧を切り替える際に、その安定を待つための時間を設けることで、検出器の増倍率の変化に伴う不具合を解消することを目的とするものである。すなわち、スキャン/SIM同時測定、またはスキャン/MRM同時測定等におけるスキャン測定とSIM測定との切り替え時、またはMRM測定との切り替え時等に、検出器に供給する電圧が安定するのに要する待機時間を設ける。これにより、検出器電圧が切り替え後の値に正確に到達するまでの間の測定は行われず、上記の不具合は生じない。
上記の検出器に供給するべき電圧を切り替える際に生じる不安定期間は、切り替え前後の検出器電圧の差に応じて相違するため、請求項7に係る発明のように、その電圧差に応じてあらかじめ設定しておくことにより、検出データの非取得期間を可及的に短くすることができる点で有効である。
本発明において、スキャン/SIM同時測定モードにおけるスキャン測定とSIM測定での各検出器電圧、スキャン/MRM同時測定モードにおけるスキャン測定とMRM測定での各検出器電圧、SIM/MRM同時測定モードにおけるSIM測定とMRM測定での各検出器電圧、または、スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードにおけるスキャン測定とニュートラルロススキャン測定での検出器電圧は、それぞれに独立的に設定できるのであるが、同時測定期間中にこれらの検出器電圧をそれぞれ一貫した値とするほか、同時測定の開始時点からの経過時間に伴って段階的に変化させてもよい。請求項8に係る発明の特徴はこの点にあり、GCやLCによる各種成分の保持時間等に応じて検出器電圧を変化させることで、各m/zのイオンのそれぞれを高感度測定することの実現を期待できる。
以上の請求項8および請求項7に係る発明の応用として、SIMの測定中に、SIMにおける各m/zのセッティングタイムに検出器電圧が安定するのを待つ待機時間を含めて、各m/zごとに検出器電圧を変えることもできる。また、スキャン測定においても同様に、セッティングタイムに検出器が安定するのを待つ待機時間を含めて測定をすることができる。
本発明によれば、スキャン/SIM同時測定、スキャン/MRM同時測定、SIM/MRM同時測定、あるいはスキャン/ニュートラルロススキャン同時測定の選択時に、スキャン測定期間とSIM測定期間、スキャン測定期間とMRM測定期間、SIM測定期間とMRM測定期間、あるいはスキャン測定とニュートラルロススキャン測定期間における検出器電圧を、それぞれ独立的に設定することができるので、スキャン測定中に取り込まれるデータからピークの飽和のない正確なマススペクトルが得られると同時に、SIM測定中またはMRM測定中、あるいはニュートラルスキャン測定中には設定されている各m/zのイオンを高感度で測定することが可能となる。
本発明の実施形態の要部構成を示す模式図。 本発明でのスキャン/SIM同時測定の選択時における測定開始からの経過時間と質量分析部による選択イオンのm/zとの関係を表すグラフと、同じく測定開始からの経過時間と検出器への供給電圧との関係を表すグラフを示す図。 本発明の他の実施形態の要部構成を示す模式図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態のGC/MSの要部構成を示す模式図である。
ガスクロマトグラフ(GC)1により時間的に分離された試料成分は質量分析計2のイオン化部21に導入される。イオン化部21では、導入された試料分子に例えば熱電子を衝突させることによってイオン化する。このイオン化部21で発生したイオンはイオン化部21の外に引き出され、イオンレンズ22により収束されて四重極からなる質量分析部23内に導かれる。質量分析部23を構成する四重極には、直流電圧と高周波電圧が重畳して印加され、その印加電圧に応じた質量電荷比m/zを持つイオンのみが検出器24に導かれて検出される。なお、以上のイオン化部21、イオンレンズ22、質量分析部23および検出器24は、真空ポンプ(図示せず)により真空引きされる分析室25内に配置されている。
質量分析部23には、分析部用電源部31から上記した直流電圧と高周波電圧が印加され、併せて、この分析部用電源部31からイオン化部21およびイオンレンズ22に対しても所要の電圧が印加される。なお、実際にはイオン化部21およびイオンレンズ22にもそれぞれに対応する電源部を有しているが、図面の煩雑化を避けるため、これらは分析部用電源部31に含まれるものとして図示している。一方、検出器24には、検出器用電源部32から電圧が供給される。分析部用電源部31および検出器用電源部32は制御部33の制御下に置かれ、制御部33からの指令により各部に所要電圧を供給する。
検出器24は例えば二次電子増倍管を主体として構成され、入射したイオン電流を、供給されている電圧に応じて増倍し、検出信号として出力する。この検出器24による検出出力はA−D変換器を含むデータ取込部34を介してデータ処理部35に取り込まれる。このデータ処理部35は制御部33と接続されて相互に各種データ等のやり取りが行われる。また、制御部33はガスクロマトグラフ1の制御部(図示せず)ともリンクしており、相互の動作調整などが行われる。さらに、この制御部33には、マウスやキーボード等からなる操作部36が接続されており、この操作部36の操作により各種パラメータなどを設定することができ、また、後述する測定モードやそれに関連する条件等を設定することができる。
さて、この実施の形態におけるGC/MSにおいては、測定モードとしてスキャン測定モード、SIM測定モード、およびスキャン/SIM同時測定モードを選択することができる。スキャン測定モードは、質量分析部23により分離して検出器24に導くイオンのm/zを連続的に変化させて検出器24の出力を取り込む測定法である。SIM測定モードは、質量分析部23により分離して検出器24に導くイオンのm/zを、あらかじめ選択した特定の一つまたは複数に限定する測定法であり、複数のm/zを選択した場合には、選択されているm/zに対応する電圧を質量分析部23に印加する電圧を微小時間(デュエルタイム)ずつ段階的に変化させる。スキャン/SIM同時測定モードは、上記したスキャン測定モードとSIM測定モードとを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返し行う測定法である。
この実施の形態の特徴は、スキャン/SIM同時測定モードにあり、以下、その特徴について詳述する。
操作部36の操作により、スキャン/SIM同時測定モードを選択した場合、スキャン測定におけるスキャン範囲とSIM測定における選択イオンのm/zおよびデュエルタイムを設定するとともに、スキャン測定時の検出器電圧と、SIM測定時の検出器電圧を独立的にメソッドファイルに設定する。この設定の仕方は、[表1]に示すように双方の検出器電圧を絶対値で設定するか、あるいは、公知のオートチューニング機能を使って各種パラメータ等の自動設定を行った場合には、スキャン測定モードにおける最適な検出器電圧が自動的に設定されるので、その場合には、SIM測定における検出器電圧の設定の仕方として、[表2]に示すように、スキャン測定時の検出器電圧に対する相対値で設定することもできる。また、測定のインターバルタイムやスキャン測定とSIM測定のセッティングタイムや待機時間なども併せて設定する。
Figure 2013205323
Figure 2013205323
このような設定の後、実際の分析動作に入るが、その際の装置の動作について述べる。図2は測定開始からの経過時間と質量分析部23による選択イオンのm/zとの関係を表すグラフと、同じく測定開始からの経過時間と検出器24への供給電圧との関係を表すグラフとを併記して示す図である。
時刻tiにおいてスキャン測定を開始する。その間、検出器24にはスキャン測定時の検出器電圧として設定された電圧が供給される。スキャン測定を終了する時刻t2から、検出器用電源部32から検出器24に供給される電圧がSIM測定での電圧に変更され、その電圧が安定するまでの間、待機時間が設けられる。待機時間が終了する時刻t3から、SIM測定を開始し、各m/zの測定をそれぞれ設定されたデュエルタイムずつ測定し、やがてSIM測定が終了する時刻t4から、検出器用電源部32から検出器24に供給される電圧がスキャン測定での電圧に変更され、待機時間が経過した時刻t5から、再びスキャン測定を開始する。この動作を繰り返し行う。
以上の測定動作によれば、スキャン/SIM同時測定でありながら、スキャン測定およびSIM測定ともに最適な検出器電圧のもとに測定が行われることになり、スキャン測定により得られるマススペクトルのピークが飽和することなく、しかもSIM測定により各m/zのイオン強度を高感度で測定することができる。
ここで、スキャン/SIM同時測定中において、スキャン測定およびSIM測定の各検出器電圧はそれぞれに一定とするほか、測定開始時点からの経過時間に応じて変化させてもよい。すなわち、例えば測定開始後9.99分まではスキャン測定1kV、SIM測定1.6kVとし、10.00分から15分まではスキャン測定1.3kV、SIM測定1.6kV等に設定する。これにより、ガスクロマトグラフ1の保持時間と試料の成分との関係に応じた最適な感度での測定が可能となる。
また、スキャン測定とSIM測定の検出器電圧の差が大きいほど、切り替え時に検出器電圧が安定するまでの時間が長くなることから、この待機時間については、切り替え前後の検出器電圧の差に応じて自動的に変化させてもよい。その例を[表3]に示す。このような関係を制御部33に記憶しておき、メソッドで設定した各検出器電圧差に応じて該当する待機時間を自動的に設けることができる。
Figure 2013205323
さらに、SIM測定において、SIMにおける各m/zのセッティングタイムに、検出器電圧の安定を待つ待機時間を含めておくとともに、測定するm/zごとに検出器電圧を変化させることもできる。これにより、信号強度が弱いと予測できるm/zについては、より高い検出器電圧を設定して高感度で測定をすることが可能となる。また、スキャン測定のセッティングタイムに待機時間を含めてもよい。
以上の実施の形態は、GC/MSに本発明を適用した例を示したが、LC/MSについても等しく適用することができる。
また、本発明はGC/MS/MSおよびLC/MS/MSにおけるスキャン/MRM同時測定等にも適用することができ、以下にその例を示す。
GC/MS/MSの要部構成を図3に模式的に示す。ガスクロマトグラフ1により時間的に分離された試料成分は、イオン化部41によりイオン化された後、収束レンズ42を経て第1の質量分析部43に導入され、この第1の質量分析部43により選択的に分離されたイオンがコリジョンセル44に導入されて開裂される。そして、開裂されたイオン(プロダクトイオン)が第2の質量分析部45に導かれて質量分析され、検出器46へと向かう。以上のイオン化部41、収束レンズ42、第1の質量分析部43、コリジョンセル44、第2の質量分析部45および検出器46は、真空は排気される共通の分析室47内に収容されている。また、コリジョンセル44には、イオンの開裂のためのアルゴンなどのCIDガスが導入される。
イオン化部41、収束レンズ42、第1の質量分析部43、コリジョンセル44および第2の質量分析部45は、分析部用電源部51から所要の電圧が供給されるとともに、検出器46には検出器用電源部52から電圧が供給される。また、先の例と同様に、これらの分析部用電源部51および検出器用電源部52は制御部53の制御下に置かれている。
検出器46からの出力はデータ取込部54を介してデータ処理部55に取り込まれて各種データ処理に供される。制御部53はこのデータ処理部55およびガスクロマトグラフ1とリンクしている。さらに、制御部53に接続さされた操作部56によって各種パラメータ等を設定し、あるいは各種指令を与え、さらには測定モード選択等を行うことができる。
このGC/MS/MSでは、公知の各種測定モードの選択が可能であるが、その中にスキャン/MRM同時測定モード、SIM/MRM同時測定モード、およびスキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードが含まれる。
スキャン/MRM同時測定モードは、第1と第2の質量分析部43と45のいずれか一方については、通過させるイオンのm/zを連続的に変化させるとともに、他方の質量分析部とコリジョンセル44は単にイオンを通過させる状態として、検出器46の出力を取り込むスキャン測定と、第1の質量分析部43によりコリジョンセル44に導くイオンを特定の質量電荷比のイオンとし、コリジョンセル44でそのイオンを開裂し、これによって生成されたイオンのうち、第2の質量分析部45により特定の一つまたは複数のm/zのみを検出器46に導くMRM測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返し実行する測定法である。
このスキャン/MRM同時測定モードの選択時に、先の例におけるスキャン/SIM同時測定モードと同様に、スキャン測定とMRM測定のそれぞれに検出器電圧を独立的に設定することができ、実際の測定時にはその設定通りに、スキャン測定とMRM測定の切り替え時に、検出器用電源部52から検出器46に供給される電圧が切り替えられる。また、この検出器電圧の切り替え時に、その安定を待つための待機時間が設けられることも先の例と同様である。
この測定動作によれば、特に微弱な信号を取得する必要のあるMRM測定において高感度の測定が可能となり、しかもスキャン測定で得られるマススペクトルのピークが飽和することもない。
また、SIM/MRM同時測定モードは、第1と第2の質量分析部43と45については、通過させるイオンのm/zを、あらかじめ選択した特定の一つまたは複数に限定するSIM測定と、上記と同様のMRM測定とを、所定の微小時間ごとに繰り返し実行須磨測定方法である。
このSIM/MRM同時測定モードの選択時に、上記と同様にSIM測定とMRM測定のそれぞれに検出器電圧を独立的に設定することができ、実際の測定時にはその設定通りにSIM測定とMRM測定の切り替え時に、検出器用電源部52から検出器46に供給する電圧が切り替えられる。また、この検出器電圧の切り替え時に、その安定を待つための待機時間が設けられる。
以上の測定動作によると、より微弱な信号を取得する必要のあるMRM測定において高感度の測定が可能で、しかもSIM測定で得られるデータも飽和することがない。
スキャン/ニュートラルロススキャン測定モードは、前記したスキャン測定と、コリジョンセル44によるイオンの開裂動作を能動化させた状態で、第1の質量物積部43と第2の質量分析部45によりそれぞれ通過させるm/zに一定の差をつけながら同時に連続的に変化させて検出器46に導く測定とを、所定の微小時間ごとに繰り返し実行する測定法である。
このスキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードの選択時に、スキャン測定とニュートラルロススキャン測定のそれぞれに検出器電圧を独立的に設定することができる。そして、実際のスキャン/ニュートラルロススキャン同時測定時には、その設定通りにスキャン測定とニュートラルロススキャン測定の切り替え時に、検出器用電源52から検出器46に供給される電圧が自動的に切り替えられる。また、この検出器電圧の切り替え時に、その安定を待つための待機時間が設けられる。
以上の測定動作によれば、より微弱な信号を取得する必要のあるニュートラルロススキャン測定において高感度の測定が可能で、しかもスキャン測定で得られるマススペクトルのピークが飽和することもない。
本発明は、クロマトグラフ質量分析計に利用することができる。
1 ガスクロマトグラフ
2 質量分析計
21 イオン化部
22 イオンレンズ
23 質量分析部
24 検出器
25 分析室
31 分析部用電源部
32 検出器用電源部
33 制御部
34 データ取込部
35 データ処理部
36 操作部
41 イオン化部
42 イオンレンズ
43 第1の質量分析部
44 コリジョンセル
45 第2の質量分析部
46 検出器
47 分析室
51 分析部用電源部
52 検出器用電源部
53 制御部
54 データ取込部
55 データ処理部
56 操作部

Claims (8)

  1. 試料の各種成分を時間的に分離するクロマトグラフと、そのクロマトグラフにより分離された成分をイオン化し、そのイオンを質量電荷比に応じて分離して検出器に導いて検出する質量分析計を備えるとともに、その質量分析計は、上記検出器に導くイオンの質量電荷比を連続的に変化させて当該検出器の出力を取り込むスキャン測定と、上記検出器に一つまたは複数の特定の質量電荷比を持つイオンを一定の時間ずつ導いて当該検出器の出力を取り込むSIM測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返すスキャン/SIM同時測定モードを選択可能に構成されてなるクロマトグラフ質量分析計において、
    上記スキャン/SIM同時測定モードの選択時における上記検出器への供給電圧を、スキャン測定およびSIM測定のそれぞれに独立的に設定する設定手段と、スキャン/SIM同時測定時におけるスキャン測定期間およびSIM測定期間の検出器電圧が、それぞれ上記設定手段により設定された該当の電圧となるよう、上記検出器に供給する電圧を自動的に切り替える制御手段を備えていることを特徴とするクロマトグラフ質量分析計。
  2. 試料の各種成分を時間的に分離するクロマトグラフと、そのクロマトグラフにより分離された成分をイオン化するイオン化部と、そのイオン化部によりイオン化されたイオンを質量電荷比に応じて分離する第1の質量分析部と、その第1の質量分析部により分離されたイオンを開裂するためのコリジョンセルと、そのコリジョンセルを経たイオンを質量電荷比に応じて分離する第2の質量分析部と、その第2の質量分析部を経たイオンを検出する検出器を備えるとともに、上記第1および第2の質量分析部のいずれか一方の質量分析部を通過させるイオンの質量電荷比を連続的に変化させ、かつ、他方の質量分析部および上記コリジョンセルは全てのイオンを通過させるように設定した状態で上記検出器の出力を取り込むスキャン測定と、上記第1の質量分析部により特定の質量電荷比のイオンを上記コリジョンセルに導いて開裂し、上記第2の質量分析部で特定の質量電荷比のイオンを上記検出器に導いて当該検出器の出力を取り込むMRM測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返すスキャン/MRM同時測定モードを選択可能に構成されてなるクロマトグラフ質量分析計において、
    上記スキャン/MRM同時測定モードの選択時における上記検出器への供給電圧を、スキャン測定およびMRM測定のそれぞれに独立的に設定する設定手段と、スキャン/MRM同時測定時におけるスキャン測定期間およびMRM測定期間の検出器電圧が、それぞれ上記設定手段により設定された該当の電圧となるよう、上記検出器に供給する電圧を自動的に切り替える制御手段を備えていることを特徴とするクロマトグラフ質量分析計。
  3. 試料の各種成分を時間的に分離するクロマトグラフと、そのクロマトグラフにより分離された成分をイオン化するイオン化部と、そのイオン化部によりイオン化されたイオンを質量電荷比に応じて分離する第1の質量分析部と、その第1の質量分析部により分離されたイオンを開裂するためのコリジョンセルと、そのコリジョンセルを経たイオンを質量電荷比に応じて分離する第2の質量分析部と、その第2の質量分析部を経たイオンを検出する検出器を備えるとともに、上記第1および第2の質量分析部のいずれか一方の質量分析部を一つまたは複数の特定の質量電荷比のイオンを一定時間ずつ通過させ、他方の質量分析部および上記コリジョンセルは全てのイオンを通過させるように設定した状態で上記検出器の出力を取り込むSIM測定と、上記第1の質量分析部により特定の質量電荷比のイオンを上記コリジョンセルに導いて開裂し、上記第2の質量分析部で特定の質量電荷比のイオンを上記検出器に導いて当該検出器の出力を取り込むMRM測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返すSIM/MRM同時測定モードを選択可能に構成されてなるクロマトグラフ質量分析計において、
    上記SIM/MRM同時測定モードの選択時における上記検出器への供給電圧を、SIM測定およびMRM測定のそれぞれに独立的に設定する設定手段と、SIM/MRM同時測定時におけるSIM測定期間およびMRM測定期間の検出器電圧が、それぞれ上記設定手段により設定された該当の電圧となるよう、上記検出器に供給する電圧を自動的に切り替える制御手段を備えていることを特徴とするクロマトグラフ質量分析計。
  4. 上記第1および第2の質量分析部のいずれか一方の質量分析部を通過させるイオンの質量電荷比を連続的に変化させ、かつ、他方の質量分析部およびコリジョンセルは全てのイオンを通過させるように設定した状態で上記検出器の出力を取り込むスキャン測定と、上記第1の質量分析部と上記第2の質量分析部が通過させるイオンの質量電荷比が一定の差を持つように当該第1と第2の質量分析部の電場を同時に変化させることにより、上記コリジョンセルで開裂したイオンのうち、一定質量の中性分子が離脱したイオンを検出器に導いた状態で当該検出器の出力を取り込むニュートラルロススキャン測定とを、所定の微小時間ごとに交互に繰り返すスキャン/ニュートラルスキャン同時測定モードを選択可能に構成されてなるクロマトグラフ質量分析計において、上記スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードの選択時における上記検出器への供給電圧を、スキャン測定およびニュートラルロススキャン測定のそれぞれに独立的に設定する設定手段と、スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定時におけるスキャン測定期間およびニュートラルロススキャン測定期間の検出器電圧が、それぞれ上記設定手段により設定された該当の電圧となるよう、上記検出器に供給する電圧を自動的に切り替える制御手段を備えていることを特徴とするクロマトグラフ質量分析計。
  5. オートチューニング手段によりスキャン測定時における検出器電圧を自動的に設定する機能を有し、上記設定手段は、スキャン/SIM同時測定モードの選択時におけるSIM測定での検出器電圧、上記スキャン/MRM同時測定モードの選択時におけるMRM測定、または、上記スキャン/ニュートラルロススキャンとを時測定モードの選択時におけるニュートラルスキャン測定での検出器電圧での検出器電圧を、スキャン測定の検出器電圧に対する相対値で設定するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のクロマトグラフ質量分析計。
  6. 上記制御手段は、上記スキャン/SIM同時測定モード、上記スキャン/MRM同時測定モード、上記SIM/MRM同時測定モード、または、上記スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードでの測定の実行時に、スキャン測定とSIM測定との切り替え時、スキャン測定とMRM測定との切り替え時SIM測定とMRM測定との切り替え時、または、スキャン測定とニュートラルロススキャン測定との切り替え時に、上記検出器への供給電圧が安定するのに要する待機時間を設けることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のクロマトグラフ質量分析計。
  7. 上記制御手段により設けられる上記待機時間は、切り替えるべき双方の電圧の差に応じてあらかじめ設定されていることを特徴とする請求項6に記載のクロマトグラフ質量分析計。
  8. 上記設定手段は、上記スキャン/SIM同時測定モードにおけるスキャン測定とSIM測定での各検出器電圧、上記スキャン/MRM同時測定モードにおけるスキャン測定とMRM測定での各検出器電圧、SIM/MRM同時測定モードにおけるSIM測定とMRM測定での各検出器電圧、または、スキャン/ニュートラルロススキャン同時測定モードにおけるスキャン測定とニュートラルロススキャン測定での各検出器電圧を、それぞれ上記各同時測定モードによる測定開始時点からの経過時間ごとに設定可能であり、上記制御手段は、上記各同時測定時に、測定開始からの時間に応じて該当する電圧を上記検出器に供給するように構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のクロマトグラフ質量分析計。
JP2012076442A 2012-03-29 2012-03-29 クロマトグラフィ質量分析計 Pending JP2013205323A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012076442A JP2013205323A (ja) 2012-03-29 2012-03-29 クロマトグラフィ質量分析計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012076442A JP2013205323A (ja) 2012-03-29 2012-03-29 クロマトグラフィ質量分析計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013205323A true JP2013205323A (ja) 2013-10-07

Family

ID=49524532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012076442A Pending JP2013205323A (ja) 2012-03-29 2012-03-29 クロマトグラフィ質量分析計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013205323A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6176049B2 (ja) タンデム四重極型質量分析装置
US20130338935A1 (en) Mass spectrometry data processing device
WO2012124020A1 (ja) 質量分析装置
JP6540298B2 (ja) 質量分析を用いた多成分一斉分析方法及び質量分析装置
WO2013065173A1 (ja) 質量分析装置
JP6202103B2 (ja) 質量分析装置及び質量分析方法
JP5900631B2 (ja) 質量分析装置
WO2015079529A1 (ja) 質量分析方法、質量分析装置、及び質量分析データ処理プログラム
WO2012090308A1 (ja) クロマトグラフ質量分析装置
JP6737396B2 (ja) 質量分析装置及びクロマトグラフ質量分析装置
WO2014132387A1 (ja) タンデム四重極型質量分析装置
US20090189073A1 (en) Mass spectrometry system
JP6508215B2 (ja) 質量分析装置
JP4259221B2 (ja) クロマトグラフ質量分析装置
JP5904300B2 (ja) 質量分析装置
CN110073208B (zh) 质谱分析装置
JP4848657B2 (ja) Ms/ms型質量分析装置
JP6288313B2 (ja) 質量分析方法、クロマトグラフ質量分析装置、及び質量分析用プログラム
JP6954143B2 (ja) クロマトグラフ質量分析装置
JP2013205323A (ja) クロマトグラフィ質量分析計
JP6508414B2 (ja) クロマトグラフ装置
JP7070692B2 (ja) 質量分析装置及び質量分析方法
JP7413775B2 (ja) イメージング分析データ処理方法及び装置
US10192724B2 (en) MS/MS mass spectrometric method and MS/MS mass spectrometer
JP5405668B2 (ja) イオントラップ質量分析装置および質量分析方法