JP2013204820A - 給湯システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】給湯システム1は、熱源機2と、熱源機2により加熱されることで作られる湯を貯留する貯湯タンク3と、貯湯タンク3内の湯を供給先まで導く給湯経路4と、給湯システム1に異常が発生した非常時に実行される非常モードにおける供給先への給湯設定温度の下げ幅ΔTを設定する給湯温度下げ幅設定手段51と、下げ幅ΔTに応じて貯湯タンク3に水を導入する水導入手段32、および給湯経路4内の湯に下げ幅ΔTに応じて水を混合する水混合手段42の少なくとも一方と、を備えている。
【選択図】図1
Description
このような給湯システムでは、出湯可能な最高温度の湯を貯湯タンクに貯留するのが一般的であり、ヒートポンプ給湯機では、冷媒によっては90℃を超える高温の湯を給湯可能である。
このような給湯システムは、例えば、病院、介護施設、保育施設、工場などの比較的規模の大きい施設でもシャワー、カランからの給湯、あるいは温水暖房、温水殺菌・洗浄などに利用されており、各施設では管理者による管理の下に運用されている。
一方、特許文献2は、災害による断水、停電が発生した後、復旧するときに、貯湯タンク内の温度センサの検出温度に基づく沸き上げ異常検出機能が働かないように、災害時モードを設け、災害時モードのときには沸き上げ異常検出機能を無効化している。
ここで、給湯システムに異常が発生した非常時には、点検、修理にあたるサービスマンが速やかに派遣される。しかし、遠隔地や繁忙期のためにサービスマンが到着するまでの時間が長いと、熱源機が動作せず湯が作られない場合には貯湯タンク内の湯が枯渇してしまい、湯を全く使用できない状況に置かれたユーザーの不便が増大する。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、熱源機に異常が発生したときに湯が使えない不便さを回避または緩和できる給湯システムを提供することを目的とする。
給湯システムの管理者は、供給先の給湯設定温度を把握していなくても、給湯設定温度からの下げ幅を設定するだけで、供給先に低い温度で湯を分配可能となる。
また、推定時間またはその尺度を確認してから、下げ幅を変更することができるように構成すれば、給湯可能な推定時間と、湯温の低下とのバランスを取りながら、貯湯タンク内の残湯の有効活用を図ることができる。
この発明によれば、非常時にも給湯が必要とされる供給先に貯湯タンク内の湯を集中させる手段を提供することにより、ユーザーの満足度を高めることができる。
〔第1実施形態〕
図1に示すヒートポンプ給湯システム1は、熱源機2と、熱源機2により加熱される湯を貯留する貯湯タンク3と、貯湯タンク3内の湯を供給先まで導く給湯経路4と、システム各部の動作を制御する制御装置5とを備えている。
ヒートポンプ給湯システム1の管理者は、制御装置5と通信するリモートコントローラ(以下、リモコン)6や、熱源機2に設けられた図示しない制御端末を用いて、システムの運転状況、各種設定状況の確認や、動作の指示を行う。
また、貯湯タンク3には、貯湯タンク3内に水を導入する水導入手段32が接続されている。
給湯経路4は、貯湯タンク3と各供給先とを結ぶ配管からなる。
ここで、非常時は、給湯システム1に異常が発生したときをいう。給湯システム1の異常は、例えば、部品の損傷、センサや弁の断線あるいは短絡などによって生じる。熱源機2に異常が発生し、熱源機2の動作が停止してしまうと、湯が作られなくなる。そのような事態が起きたとしても、貯湯タンク3内の湯を長時間利用できるように、給湯システム1には非常モードが用意されている。
非常モード有効/無効設定手段51は、非常モードを有効とするか無効とするかを設定する。
ここで、非常モードは、上述の水導入手段32により、最大、貯湯タンク3内の湯温からタンク下限温度Tminまでの下げ代で貯湯タンク3内に水を加えて、給湯設定温度よりも低い温度とした湯を供給先に給湯する。これにより、熱源機2の異常発生により湯が作られない事態が生じたときに、貯湯タンク3内の残湯による給湯持続時間を延長することができる。貯湯タンク3内には、給湯設定温度の下げ幅ΔTに応じた量の水が導入される。
給湯温度の下げ幅ΔTは、給湯設定温度から何℃下げるかを示す値であり、給湯設定温度に対する比率で表すこともできる。下げ幅ΔTを大きくすると給湯持続時間が長くなるが、湯の利用目的による下げ幅許容限度、およびタンク下限温度Tminも考慮してΔTが決められる。
タンク容量VTには、貯湯タンク3の規定容量を設定する。複数の貯湯タンク3がある場合には、それらの総容量を設定する。このタンク容量VTは、システム導入時に制御装置5のメモリに書き込まれていたり、貯湯タンク3と制御装置5との通信により取得される値であってもよく、必ずしも、非常時設定手段52による設定項目であることを要しない。
非常モード実行手段54は、リモコン6や制御端末の操作に応答して非常モードを実行する。
これらの取得値と、非常時設定手段52により設定されたタンク容量VT、一日の平均的使用時間hA、および下げ幅ΔTに基づいて、推定時間確認手段53は、給湯可能な推定時間hUを算出し、異常停止したことと併せて、リモコン6や制御端末の画面に表示する(ステップS3)。
一方、非常モードが無効に設定されていれば(ステップS2でN)、異常停止したことのみを画面表示し、異常停止時の処理を終える。この後、非常モード有効/無効設定手段51により、非常モードを有効とすることもできる。その場合には、推定時間確認手段53により推定時間hUを表示するステップS3以降の処理が行われる。
その後、制御装置5は、供給先からの湯の利用要求を受けると、貯湯タンク3内の湯を給湯する。
さらに、推定時間hUを確認してから、下げ幅ΔTを再設定することができるので、給湯持続時間と、給湯温度とが適切にバランスされたΔTで非常モードを実行することができる。
給湯設定温度TSがタンク下限温度Tminよりも大のときは(ステップS11でY)、貯湯タンク3内の湯の衛生が確保されるタンク下限温度Tminまでの下げ代を有するために、貯湯タンク3内に水を導入する水導入手段32が選択される(ステップS13およびS14)。一方、給湯設定温度TSがタンク下限温度Tmin以下のときは、給湯経路4内の湯に水を混合する水混合手段が選択される(ステップS15)。
給湯設定温度TSがタンク下限温度Tminよりも大であり(ステップS11でY)、さらに、出湯温度TOと給湯設定温度TSとが同じ(あるいはほぼ同じ)であれば(ステップS12でY)、その給湯システム1は、図5(A)に示すように、貯湯タンク3から取り出された湯をそのまま給湯経路4により供給先まで導く。このような場合をケースAとする。ケースAは、例えば、出湯温度TOは90℃で、給湯設定温度TSもほぼ90℃の場合が相当する。
このケースAでは、非常時、第1実施形態と同様に水導入手段32により、ΔTに応じて貯湯タンク3内に水を導入すれば足りる(ステップS13)。
このケースBでは、ケースAと同様に、非常時、水導入手段32により、ΔTに応じて貯湯タンク3内に水を導入する(ステップS14)。ここで、平常時水混合手段41に供給される湯は水導入手段32によって既に温度が下げられているため、平常時水混合手段41による水混合は行われない。
このようなケースBでは、非常時に、上記第1実施形態と同様に、水導入手段32により、ΔTに応じて貯湯タンク3内に水が導入される。
このケースCでは、貯湯タンク3内への水の導入を行えないので、図5(C)に示すように、給湯温度を下げる手段として非常時水混合手段42を備えており、給湯経路4の途中でΔTに応じた量の水を混合することによって給湯温度を下げる(ステップS15)。
非常時水混合手段42は、給湯設定温度に調整するために水の流量を制御する流量制御弁401と、流量制御された水を給湯経路4内の湯に混合する混合弁402と、混合弁402よりも下流側の湯温を計測する温度センサ403とを備えている。なお、平常時水混合手段41も非常時水混合手段42とほぼ同様に形成されている。
上記の非常時水混合手段42は、給湯経路4において平常時水混合手段41よりも上流側に位置する。このため、ケースBと同様、平常時水混合手段41に供給される湯は非常時水混合手段42によって既に温度が下げられているため、平常時水混合手段41による水混合は行われない。
以上のケースA〜Cのいずれにおいても、給湯持続時間を延ばすことができるため、熱源機2の停止により湯が作られないことで給湯が止まることによるリスクや損害を抑えることができる、
次に、本発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。
第1実施形態では、非常時、各供給先にΔTだけ低い温度で給湯を行うが、第2実施形態では、非常時、優先度の高い第1優先度の供給先には湯を供給し、優先度の低い第2優先度の供給先には水を供給する。
図6に示す本実施形態の給湯システムでは、第1優先度の供給先1に繋がる給湯経路である第1経路61と、第2優先度の供給先2に繋がる給湯経路である第2経路62とを別系統で構成した上で、非常時に貯湯タンク3から第2経路62を切り離せるように電磁弁63を設けている。平常時には、第1経路61および第2経路62は互いに繋がっており、貯湯タンク3内の湯が第1経路61および第2経路62を通じて各供給先に供給される。
この割合RPは、次式(3)に基づく推定時間hUの算出に用いられる。
すると、貯湯タンク3内の湯は第1経路61を通じて、優先度の高い第1優先度の供給先のみに供給される。一方、優先度の低い第2優先度の供給先には、水混合手段41により第2経路62に送られる水が供給される。
本実施形態によれば、給湯停止までの時間をより延長することができるだけでなく、非常時にも真に給湯が必要とされる供給先に貯湯タンク内の湯を集中させる手段を提供することにより、ユーザーの満足度を高めることができる。
また、本実施形態は、上述のケースBに適用されているが、ケースA、ケースCにも適用することができる。
そして、平常時には、これらの水経路を互いに接続し、2つの貯湯タンク3内の湯を水経路の区別なく各供給先に供給するが、非常時にはこれらの水経路を切換弁などで切り離す。
以上のようにすれば、各貯湯タンク3毎に、ΔTに応じて温度を下げることができるので、ΔTが小さいために高温で短時間の給湯用途と、ΔTが大きいために低温で長時間の給湯用途とに貯湯タンク3を使い分けることができる。
また、本発明は、上述したヒートポンプ給湯システムに限らず、ガス燃焼式や電気加熱式の給湯システムにも適用できる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
2 熱源機
3 貯湯タンク
4 給湯経路
5 制御装置
6 リモコン
31 温度センサ
32 水導入手段
41 平常時水混合手段
42 非常時水混合手段
51 非常モード有効/無効設定手段
52 非常時設定手段
53 推定時間確認手段
54 非常モード実行手段
61 第1経路
62 第2経路
63 電磁弁(切替弁)
Claims (4)
- 熱源機と、
前記熱源機により加熱されることで作られる湯を貯留する貯湯タンクと、
前記貯湯タンク内の湯を供給先まで導く給湯経路と、を備える給湯システムであって、
前記給湯システムに異常が発生した非常時に実行される非常モードにおける前記供給先への給湯設定温度の下げ幅を設定する給湯温度下げ幅設定手段と、
前記下げ幅に応じて前記貯湯タンクに水を導入する水導入手段、および前記給湯経路内の湯に前記下げ幅に応じて水を混合する水混合手段の少なくとも一方と、を備える、
ことを特徴とする給湯システム。 - 前記水導入手段および前記水混合手段は、前記供給先への給湯設定温度に基づいて選択的に備えられる、
請求項1に記載の給湯システム。 - 前記貯湯タンクの容量と、前記貯湯タンク内の湯量および湯温と、前記供給先への給湯設定温度および前記下げ幅と、に基づいて、給湯可能な推定時間または前記推定時間を示す尺度を確認する推定時間確認手段を備える、
請求項1または2に記載の給湯システム。 - 複数の前記供給先が第1優先度と、それよりも優先度が低い第2優先度とに区分され、
前記貯湯タンクから前記第1優先度の前記供給先に繋がる第1経路と、
前記貯湯タンクから前記第2優先度の前記供給先に繋がる第2経路と、
前記非常時に前記第2経路を前記貯湯タンクから切り離す切替弁と、を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の給湯システム。
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