JP2013204711A - 車両用自動変速機 - Google Patents

車両用自動変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2013204711A
JP2013204711A JP2012074698A JP2012074698A JP2013204711A JP 2013204711 A JP2013204711 A JP 2013204711A JP 2012074698 A JP2012074698 A JP 2012074698A JP 2012074698 A JP2012074698 A JP 2012074698A JP 2013204711 A JP2013204711 A JP 2013204711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
planetary gear
gear set
speed
clutch
rotational speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012074698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5734905B2 (ja
Inventor
Kazuaki Aota
和明 青田
Yukinobu Inuda
行宣 犬田
Akihiro Yamamoto
明弘 山本
Takayuki Okuda
隆之 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
JATCO Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, JATCO Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2012074698A priority Critical patent/JP5734905B2/ja
Publication of JP2013204711A publication Critical patent/JP2013204711A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5734905B2 publication Critical patent/JP5734905B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structure Of Transmissions (AREA)

Abstract

【課題】同時に締結する摩擦要素の数を減らすことで、フリクションを減らして燃費を向上できる自動変速機を提供する。
【解決手段】第1〜第4遊星歯車組2〜5のそれぞれの3つの回転要素を、共通速度線図上で遊星歯車組の歯数比に対応する間隔で並べ、並び順に第1〜第12要素とする。入力軸1を第2要素24に、出力軸12を第11要素54に、第1要素22を第4要素32に、第5要素34を第9要素41に、第7要素42を第11要素54に、それぞれ常時連結する。入力軸1を第1クラッチ8により第6要素31および第12要素51に連結可能にする。第2遊星歯車組3を第2クラッチ9により一体化可能とする。第2要素24を第3クラッチ7により第8要素44に、第8要素44を第4クラッチ10により第10要素52に、それぞれ連結可能にする。第3要素21を静止部13に常時固定し、第10要素52をブレーキ6により静止部13に固定可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用自動変速機に関する。
車両用自動変速機は、エンジンの出力回転速度および出力トルクを車両走行に適した大きさに変換するため、遊星歯車組等が用いられて複数の変速段を得るようにしている。最近は、燃費向上を目的として変速段の多段化が進んでいる。この場合、第1速のギヤ比が車両の発進性能や登坂性能で決まるので、高速段側でより多段化する傾向にある。
このような従来の多段自動変速機としては、下記のものが知られている。
すなわち、特許文献1に記載のものは、4組の遊星歯車組と、2個のブレーキおよび3個のクラッチとを備え、前進8速、後退1速を得るようにしている。
特許第4672738号公報
しかしながら、上記引用文献1に記載の従来の車両用自動変速機では、以下の不具合が生じる。
すなわち、上記引用文献1に記載の従来の車両用自動変速機にあっては、第3遊星歯車組のリング・ギヤと第4遊星歯車組のサン・ギヤとを連結する部材があり、またこの半径方向外側に第2遊星歯車組のピニオン・キャリヤと第4遊星歯車組のピニオン・キャリヤとを連結する部材が配置され、さらにこの部材の半径方向外側に第1遊星歯車組のピニオン・キャリヤと第4遊星歯車組のリング・ギヤとを連結部材が配置されるといった、連結部材が多重配置された構造となっている。
このため、自動変速機の外径が大きくならざるを得ず、車載搭載性が悪化してしまうといった問題がある。
また、上記従来の車両用自動変速機にあっては、各変速段を得るのに常に3個の摩擦締結要素(クラッチおよびブレーキ)を同時に締結せねばならない。シフト時には1個の摩擦要素へ供給していた油圧を抜いてこれを解放し、別の新たな1個の摩擦要素に油圧を供給してこれを締結し、残りの2この摩擦要素は締結を維持しなければならない。
このシフトはシフト・バルブを切り換えて行うので、供給油圧も切り替わる。この場合、締結する摩擦要素に油圧を供給すると、摩擦要素にはシールリングが装着されているため、シールリングは、油圧がかかった状態で摺動する。このため、同時締結摩擦要素の数が多いと、シールリングの摺動によりフリクションが発生し、その分、燃費が悪化してしまう。
このような問題は、最近のように燃費を向上するため、変速段数を増加させた自動変速機にあっては、シフトの回数が増加することで、さらに顕著となる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、自動変速機の外径を小さく抑えて車両搭載性をよくするとともに、同時に締結する摩擦要素の数を減らすことで摩擦要素のシールリングにて発生するフリクションを減らして、燃費を向上させることができるようにした車両用自動変速機を提供することにある。
この目的のため、本発明による車両用自動変速機は、
入力軸と、
出力軸と、
サン・ギヤ、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤの3つの回転要素を備える第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組と、
ブレーキ、第1クラッチ〜第4クラッチの5個の摩擦締結要素と、
を備え、
第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
第2遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第4要素、第5要素、第6要素とし、
第3遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第3遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第7要素、第8要素、第9要素とし、
第4遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第4遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第10要素、第11要素、第12要素とし、
入力軸を、第2要素に常時連結するとともに、第1クラッチの締結により第6要素および第12要素に連結可能とし、
出力軸を、第11要素に常時連結し、
第1要素を、第4要素に常時連結し、
第5要素を、第9要素に常時連結し、
第7要素を、第11要素に常時連結し、
第3要素を、静止部に常時固定し、
第2遊星歯車組を、第2クラッチの締結により一体化可能とし、
第2要素を、第3クラッチの締結により第8要素に連結可能にし、
第8要素を、第4クラッチの締結により第10要素に連結可能とし、
第10要素を、ブレーキの締結により静止部に固定可能とした、
ことを特徴とする。
本発明の車両用自動変速機にあっては、各遊星歯車組の回転要素間を連結する部材が半径方向に多重化による自動変速機の外径の増大化を抑えることで車両搭載性をよくすることができ、また、同時に締結する摩擦要素の数を減らし、摩擦要素のシールリングにて発生するフリクションを小さくすることで、燃費を向上させることができる。
本発明の実施例1の車両用自動変速機の歯車列およびこの歯車列の作動を切り替える摩擦締結要素をスケルトンで示す図である。 実施例1の車両用自動変速機の摩擦締結要素の締結関係を示す作動表の図である。 実施例1の車両用自動変速機の各変速段のギヤ比、レシオ・カバーレッジ、およびリバース比/1速比を示す表の図である。 実施例1の車両用変速機における、第1速での各遊星歯車組の共通速度線図である。 実施例1の車両用変速機における、第2速での各遊星歯車組の共通速度線図である。 実施例1の車両用変速機における、第3速での各遊星歯車組の共通速度線図である。 実施例1の車両用変速機における、第4速での各遊星歯車組の共通速度線図である。 実施例1の車両用変速機における、第5速での各遊星歯車組の共通速度線図である。 実施例1の車両用変速機における、第6速での各遊星歯車組の共通速度線図である。 実施例1の車両用変速機における、第7速での各遊星歯車組の共通速度線図である。 実施例1の車両用変速機における、第8速での各遊星歯車組の共通速度線図である。 実施例1の車両用変速機における、後退での各遊星歯車組の共通速度線図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
まず、実施例1の車両用自動変速機の構成を説明する。
この実施例1の車両用自動変速機は、入力軸1と、4組の遊星歯車組2〜5と、5個の摩擦締結要素(ブレーキやクラッチからなる)6〜10と、出力軸12と、を備えている。
入力軸1は、図示しないエンジン(ガソリン・エンジンやディーゼル・エンジンなどの内燃機関)に図示しないトルク・コンバータを介して常時連結される。
一方、出力軸12は、入力軸1と同心軸上に配置され、図示しない終減速機、差動歯車組を介して左右の駆動輪に連結されている。
4組の遊星歯車組、すなわち第1遊星歯車組2、第2遊星歯車組3、第3遊星歯車組4、第4遊星歯車組5は、本実施例ではすべてシングル・ピニオン・タイプであって、入力軸1上で、エンジン側から出力軸12へ向けて上記の順に配置される。
第1遊星歯車組2は、サン・ギヤ21と、リング・ギヤ22と、これらサン・ギヤ21およびリング・ギヤ22の両方に噛み合う複数のピニオン23を回転自在に支持するピニオン・キャリヤ24と、の3つの回転要素を備えている。ここで、第1遊星歯車組2の歯数比α1(サン・ギヤ21の歯数比/リング・ギヤ22の歯数比)は、たとえば0.507に設定してある。
第2遊星歯車組3は、サン・ギヤ31と、リング・ギヤ32と、これらサン・ギヤ31およびリング・ギヤ32の両方に噛み合う複数のピニオン33を回転自在に支持するピニオン・キャリヤ34と、の3つの回転要素を備えている。ここで、第2遊星歯車組3の歯数比α2(サン・ギヤ31の歯数比/リング・ギヤ32の歯数比)は、たとえば0.716に設定してある。
第3遊星歯車組4は、サン・ギヤ41と、リング・ギヤ42と、これらサン・ギヤ41およびリング・ギヤ42の両方に噛み合う複数のピニオン43を回転自在に支持するピニオン・キャリヤ44と、の3つの回転要素を備えている。ここで、第3遊星歯車組4の歯数比α3(サン・ギヤ41の歯数比/リング・ギヤ42の歯数比)は、たとえば0.605に設定してある。
第4遊星歯車組5は、サン・ギヤ51と、リング・ギヤ52と、これらサン・ギヤ51およびリング・ギヤ52の両方に噛み合う複数のピニオン53を回転自在に支持するピニオン・キャリヤ54と、の3つの回転要素を備えている。ここで、第4遊星歯車組5の歯数比α4(サン・ギヤ51の歯数比/リング・ギヤ52の歯数比)は、たとえば0.274に設定してある。
これらの4組の遊星歯車組2〜5は、以下のように連結される。
入力軸1は、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されるとともに、ファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8の締結により第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31および第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51に連結可能である。
入力軸1と同心線上に配置された出力軸12は、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されている。
第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22は、第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されている。
第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34は、第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に常時連結されている。
第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31は、第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51に常時連結されている。
第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42は、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されている。
第1遊星歯車組2では、リング・ギヤ22が上述のように第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結され、ピニオン・キャリヤ23がインターメディエット・クラッチ7の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結可能であるとともに上述のように入力軸1に常時連結され、サン・ギヤ21が自動変速機ケース13に常時固定されている。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が上述のように第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されるとともに、セカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9の締結によりピニオン・キャリヤ34に連結されることで第2遊星歯車組3を一体化可能である。この場合、第2遊星歯車組3のすべての回転要素が同じ回転数で回転可能となる。サン・ギヤ31は、上述のように第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51に常時連結されるとともに、ファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8の締結により入力軸1に連結可能である。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42が上述のように第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結され、ピニオン・キャリヤ44が上述のようにインターメディエット・クラッチ7の締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結可能であるとともに、ハイ・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に締結可能であり、サン・ギヤ41が上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されている。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52がロー・アンド・リバース・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定可能であるとともに、上述のように、ハイ・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結可能であるとともに、ハイ・アンド・リバース・クラッチ10およびインターメディエット・クラッチ7の両クラッチの締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結可能である。ピニオン・キャリヤ54は、上述のように第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42および出力軸12に常時連結され、サン・ギヤ51は、上述のように第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に常時連結されている。
なお、ロー・アンド・リバース・ブレーキ6は本発明のブレーキに、またファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8は本発明の第1クラッチに、またセカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9は本発明の第2クラッチに、またインターメディエット・クラッチ7は本発明の第3クラッチに、またハイ・アンド・リバース・クラッチ10は本発明の第4クラッチに、また自動変速機ケース13は本発明の静止部に、それぞれ相当する。
また、第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22は本発明の第1要素に、そのピニオン・キャリヤ24は本発明の第2要素に、またそのサン・ギヤ21は本発明の第3要素に、それぞれ相当する。
第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32は本発明の第4要素に、そのピニオン・キャリヤ34は本発明の第5要素に、またそのサン・ギヤ31は本発明の第6要素に、それぞれ相当する。
第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42は本発明の第7要素に、そのピニオン・キャリヤ44は本発明の第8要素に、またそのサン・ギヤ41は本発明の第9要素に、それぞれ相当する。
第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52は本発明の第10要素に、そのピニオン・キャリヤ54は本発明の第11要素に、またそのサン・ギヤ51は本発明の第12要素に、それぞれ相当する。
上記摩擦締結要素は、本実施例では油圧作動による多板式のものを用いる。
すなわち、ロー・アンド・リバース・ブレーキ6には、油圧作動式の多板ブレーキを、またインターメディエット・クラッチ7〜ハイ・アンド・リバース・クラッチ10の4個のクラッチには、油圧作動式の多板クラッチを用いる。
なお、これらの摩擦締結要素は、図示しないコントローラにより電子制御される図示しないコントロール・バルブからの圧油の供給、抜きにより、それらの締結、解放が制御される。これらのコントローラやコントロール・バルブの構成および作用はよく知られているので、ここではそれらの説明は省略する。
図2の作動表に、上記自動変速機の歯車列における変速段を切り替える上記各摩擦締結要素の締結・解放の制御を、また図3に上記歯数比α1〜α4を用いた場合の各変速段でのギヤ比を、それぞれ示す。
図2中、横方向に摩擦締結要素を、また縦方向に各変速段を記載してあり、同図中、○印は、この○印に相当する摩擦締結要素が締結状態にあることを、また空白はその摩擦締結要素が解放状態にあることを意味する。
図3には、α1〜α4を上記の値に設定した場合における、各変速段におけるギヤ比、段間比、レシオ・カバーレッジ(全変速比幅であり、前進1速のギヤ比を最高変速段のギヤ比で割った値)R/C、および前進1速のギヤ比に対する後退のギヤ比の割合(Rev/1st)を、それぞれ示してある。
次に、各変速段における動力の伝達経路を、そのときの共通速度線図とともに説明する。
ここで、共通速度線図とは、縦軸に各回転要素の回転速度を取り、横軸にこれら回転要素を遊星歯車組2〜5の歯数比α1〜α4の大きさに応じて割り振った線図である。
すなわち、横軸上に、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の場合には、リング・ギヤ、ピニオン・キャリヤ、サン・ギヤ3つの回転要素の回転速度軸を、この順に(左右いずれの方向でもよい)、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤ間の大きさをこの遊星歯車組の歯数比αとした場合、ピニオン・キャリヤおよびサン・ギヤ間の大きさが1となる割合でそれぞれ離して配置したものである。
この場合、縦軸には、回転速度ゼロより上方にエンジンと同じ回転方向の回転速度をとり、回転速度ゼロより下方にエンジンと逆回転方向の回転速度をとるようにする。
共通速度線図にあっては、リング・ギヤ、ピニオン、サン・ギヤのそれぞれの噛み合い関係は歯と歯とが1対1で噛み合うリニアな関係となるので、各回転要素の回転速度を結ぶと直線関係となる。
次に、上記各摩擦要素の締結関係を示した図2、および各変速段における歯車列での動力伝達経路およびそのときの共通速度線図を示した図3〜図12に基づいて、各変速段での動力伝達について説明する。
なお、共通速度線図は、図中左側から右側へ向けて順に第1遊星歯車組2〜第4遊星歯車組5にそれぞれ対応し、各遊星歯車組ではリング・ギヤの回転速度軸、ピニオン・キャリヤの回転速度軸、サン・ギヤの回転軸の順に回転速度軸を配置している。
また、共通速度線図間で同じ速度となる回転要素同士間については、点線で結んである。また、共通速度線図にあっては、それらのリング・ギヤにはRを、またピニオン・キャリヤにはCを、またサン・ギヤにはSを付け、これらの記号に第1遊星歯車組2〜第4遊星歯車組5に応じてそれぞれ1〜4の添え字を付けてある。
まず、前進走行で第1速から順にシフト・アップしていく場合を説明する。
なお、以下に説明するすべての変速段において、第1遊星歯車組2では、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ21が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0となるので、そのリング・ギヤ22は、常に増速回転速度で回転する。
第1速を得るには、ロー・アンド・リバース・ブレーキ6およびファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8を締結する。
このとき、図4に示すように、第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52がロー・アンド・リバース・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、サン・ギヤ51がファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転するので、そのピニオン・キャリヤ54は、減速回転する。
したがって、このピニオン・キャリヤ54に常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ54と同じ減速回転速度である第1速(ギヤ比4.649)で回転駆動される。
なお、第1遊星歯車組3では、上述のように、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1と同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ22が増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転し、サン・ギヤ31がファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転するので、そのピニオン・キャリヤ34は、リング・ギヤ32より遅い増速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されて第1速の減速回転速度で回転し、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ増速回転速度で回転するので、そのピニオン・キャリヤ44は、リング・ギヤ42より早い減速回転速度で回転する。
次に、第1速から第2速にするには、第1速の状態からファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8を解放するとともに、セカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9を締結する。
そうすると、図5に示すように、第1遊星歯車組3では、上述のように、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1と同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ22が増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転する。また、このリング・ギヤ32およびピニオン・キャリヤ34がセカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9の締結により互いに連結される結果、第2遊星歯車組3は一体化されてこのすべての回転要素は、リング・ギヤ22およびリング・ギヤ32と同じ上記増速回転速度にて一体で回転する。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52がロー・アンド・リバース・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に連結されてこれと同じ増速回転速度で回転するので、そのピニオン・キャリヤ54は、第1速より早い減速回転速度で回転する。
したがって、このピニオン・キャリヤ54に常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ54と同じ回転速度、すなわち第1速より早い減速回転速度となる第2速(ギヤ比3.085)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されて第2速の減速回転速度で回転し、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3ピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転するので、そのピニオン・キャリヤ44は、第2速より早い減速回転速度で回転する。
第2速から第3速にするには、第2速の状態からセカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9を解放するとともに、インターメディエット・クラッチ7を締結する。
そうすると、図6に示すように、第1遊星歯車組3では、上述のように、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1と同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ22が増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31が第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・クラッチ7の締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24を介して入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、ピニオン・キャリヤ54が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ51が第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
この結果、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34および第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41は、リング・ギヤ22およびリング・ギヤ32の増速回転速度より早い増速回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31および第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51は、ピニオン・キャリヤ34およびサン・ギヤ41の増速回転速度よりさらに早い増速回転速度で回転する。
また、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42および第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54は、減速回転速度で回転する。
したがって、このピニオン・キャリヤ54に常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ54と同じ回転速度、すなわち第2速より早い減速回転速度となる第3速(ギヤ比2.024)で回転駆動される。
第3速から第4速にするには、ロー・アンド・リバース・ブレーキ6を解放するとともに、セカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9を締結する。
そうすると、図7に示すように、第1遊星歯車組3では、上述のように、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1と同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ22が増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、第2速の場合と同様に、セカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9の締結によりすべての回転要素が一体化されて、第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22と同じ増速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度、すなわち上記増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・クラッチ7の締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24を介して入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ42は、減速回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、サン・ギヤ51が第2遊星歯車組第13のサン・ギヤ31に連結されてこれと同じ増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ51が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、このピニオン・キャリヤ54に常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ54と同じ回転速度、すなわち第3速より早い減速回転速度となる第4速(ギヤ比1.442)で回転駆動される。
なお、第4遊星歯車組5では、ピニオン・キャリヤ54が第4速の回転速度で回転し、サン・ギヤ51が第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ52は、ピニオン・キャリヤ54より遅い減速回転速度で回転する。
第4速から第5速にするには、セカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9を解放するとともに、ファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8を締結する。
そうすると、図8に示すように、第1遊星歯車組3では、上述のように、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1と同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ22が増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転し、サン・ギヤ31がファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転するので、そのピニオン・キャリヤ34は、リング・ギヤ32とサン・ギヤ31との間の増速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・クラッチ7の締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24を介して入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ42は、減速回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、サン・ギヤ51がファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ54が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転する。
したがって、このピニオン・キャリヤ54に常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ54と同じ回転速度、すなわち第4速より早い減速回転速度となる第5速(ギヤ比1.217)で回転駆動される。
なお、第4遊星歯車組5では、サン・ギヤ51が入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ54が第5速の回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ52は、第5速より遅い減速回転速度で回転する。
第5速から第6速にするには、ファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8を解放するとともに、ハイ・アンド・リバース・クラッチ10を締結する。
そうすると、図9に示すように、第1遊星歯車組3では、上述のように、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1と同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ22が増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31が第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・クラッチ7の締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24を介して入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、サン・ギヤ51が第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ54が上述のように第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ52がハイ・アンド・リバース・クラッチ10およびインターメディエット・クラッチ7の両クラッチの締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24を介して入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
この結果、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31と第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51とは、同じ減速回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34と第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41とは、同じ増速回転速度で回転する。
また、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42と第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54は、入力軸1の回転速度に近い値の減速回転速度で回転する。
したがって、このピニオン・キャリヤ54に常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ54と同じ回転速度、すなわち第5速より早い減速回転速度となる第6速(ギヤ比1.090)で回転駆動される。
第6速から第7速にするには、インターメディエット・クラッチ7を解放するとともに、ファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8を締結する。
そうすると、図10に示すように、第1遊星歯車組3では、上述のように、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1と同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ22が増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31がファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がハイ・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結されてこれと同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52が上述のように、ハイ・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ54が上述のように第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ51が上述のように第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に常時連結されてこれと同じ回転速度、すなわち入力軸1と同じ回転速度で回転する。
この結果、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34と第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41とは、リング・ギヤ22およびリング・ギヤ32の回転速度より遅い増速回転速度で回転する。
また、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44と第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52とは、ピニオン・キャリヤ34およびサン・ギヤ41の回転速度より遅い増速回転速度で回転する。
また、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42と第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54とは、ピニオン・キャリヤ44およびリング・ギヤ52の増速回転速度より遅い増速回転速度で回転する。
したがって、このピニオン・キャリヤ54に常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ54と同じ増速回転速度となる第7速(ギヤ比0.854)で回転駆動される。
第7速から最高速段である第8速にするには、ファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ8を解放するとともに、セカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9を締結する。
そうすると、図11に示すように、第1遊星歯車組3では、上述のように、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1と同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ22が増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、第2速および第4速の場合と同様に、セカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ9の締結により第2遊星歯車組3のすべての回転要素が一体化されて、第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22と同じ増速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がハイ・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に常時連結されこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度、しすなわちリング・ギヤ22や一体となった第2遊星歯車組3と同じ増速回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52が上述のようにハイ・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ54が上述のように第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ51が第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転する。
この結果、第3遊星歯車組4および第4遊星歯車組45も、第2遊星歯車組4と同様にこれと一体となって、これらは同じ増速回転速度で回転する。
したがって、第4遊星歯車組4のすべての回転要素およびそのピニオン・キャリヤ54に常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ54と同じ増速回転速度、すなわち第7速より早い増速回転速度となる第8速(ギヤ比0.664)で回転駆動される。
一方、後退を得るには、ロー・アンド・リバース・ブレーキ6およびハイ・アンド・リバース・クラッチ10を締結する。
そうすると、図12に示すように、第1遊星歯車組3では、上述のように、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が入力軸1と同じ回転速度で回転シールリング・ギヤ22が増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31が第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がハイ・アンド・リバース・クラッチ10およびロー・アンド・リバース・ブレーキ6の締結により第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52を介して自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52がロー・アンド・リバース・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ54が上述のように第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ51が第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
この結果、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34と第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41とは、同じ減速回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31と第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51とは、エンジンの駆動方向とは逆方向の増速回転速度で回転する。
また、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42と第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54とは、エンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転する。
したがって、上記ピニオン・キャリヤ54に常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ54と同じ回転速度、すなわちエンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度となる後退速(ギヤ比-4.093、ここで-はエンジンの駆動方向とは逆方向を表す)で回転駆動される。
上記はシフト・アップにつき、説明したが、シフト・ダウンはシフト・アップとは逆の順序で行われる。
実施例1の自動変速機では、第1速〜第8速でのギヤ比およびリバースでのギヤ比は、α1を0.507、α2を0.716、α3を0.605、α4を0.274とすると、上記のように、4.649、3.085、2.024、1.442、1.217、1.090、0.854、0.664、−4.093となる。したがって、隣合う変速段間の段間比は、第1速〜第2速間で1.507、第2速〜第3速間で1.525、第3速〜第4速間で1.404、第4速〜第5速間で1.184、第5速〜第6速間で1.117、第6速〜第7速間で1.276、第7速〜第8速間で1.287となり、かなり良い段間比が得られる。
また、図2に示すように、実施例1の自動変速機では、レシオ・カバーレッジR/Cを7.006とすることができ、従来の自動変速機でのレシオ・カバーレッジ(引用文献1では7.05)とほぼ同等にすることができる。
また、リバース比/1速比は、実施例1の自動変速機では、0.880となり、従来の自動変速機での同比(引用文献1では0.705)より大きくなるなって1.000により近くなる。
以上のように構成した実施例1の自動変速機は、以下の効果を得ることができる。
実施例1の自動変速機4組の遊星歯車組2〜5と、1個のブレーキ6および4個のクラッチ7〜10からなる摩擦締結要素とを、図1のような連結関係とし、かつ図2の作動表に基づいて、摩擦締結要素を制御するようにしたので、各段に最適なギヤ比、および段間比を得ることが可能となる。
すなわち、前進8速を得ることができるので、車両の走行条件に適したギヤ比を選択するのが容易となる。
この場合、同時締結する摩擦要素の数は、2個で済み、従来例の3個より少なくて済む。この結果、摩擦要素のシールリングの摺動によるフリクションの増大を抑えることができ、燃費の向上を図ることが可能となる。
また、上記レシオ・カバーレッジ(R/C)を7.006などと、従来技術のものとほとんど変わらない値にすることができるので、走行条件に応じたギヤ比を設定できる。
また、リバース比/1速比(Rev/1st)を、0.880などのように、従来技術より大きい値で1.00により近い値に設定できるので、第1速での前進時と後退時との間における駆動力差をより小さく抑えることができ、この結果ドライバーの運転(アクセル・ペダル操作など)上での違和感をなくすことができる。
また、第1〜第4遊星歯車組2〜5の半径外側方向にあって、これらの回転要素を連結する部材は、従来技術(3重)のように多重となることがない。したがって、自動変速機の外径をより小さく抑えることができ、車両搭載性が向上する。
また、前進8速を達成しながらブレーキは1個で済むので、走行中の引きずりトルク(ブレーキは一方の側が自動変速機ケース等の非回転部材であるため、潤滑油の排出性がクラッチよりも劣る結果、クラッチより引きずり抵抗が大きくなる)を小さく抑えることが可能となり、燃費の低下を抑制することが可能となる。
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
たとえば、遊星歯車組2〜5の歯数比α1〜α4は上記実施例に限られない。
また、上記実施例では、遊星歯車組2〜5をすべてシングル・ピニオン・タイプで構成したが、少なくとも1組以上をダブル・ピニオン・タイプのものとしても良い。このダブル・ピニオン・タイプの場合、共通速度線図は、ピニオン・キャリヤ、リング・ギヤ、サン・ギヤ3つの回転要素をこの順に(左右いずれの方向でもよい)、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤ間のこの遊星歯車組の歯数比αとした場合、ピニオン・キャリヤおよびサン・ギヤ間を1となる割合で配置する。
1 入力軸
2 第1遊星歯車装置
21 サン・ギヤ
22 リング・ギヤ
23 ピニオン
24 ピニオン・キャリヤ
3 第2遊星歯車装置
31 サン・ギヤ
32 リング・ギヤ
33 ピニオン
34 ピニオン・キャリヤ
4 第3遊星歯車装置
41 サン・ギヤ
42 リング・ギヤ
43 ピニオン
44 ピニオン・キャリヤ
5 第4遊星歯車装置
51 サン・ギヤ
52 リング・ギヤ
53 ピニオン
54 ピニオン・キャリヤ
6 ロー・アンド・リバース・ブレーキ(ブレーキ)
7 インターメディエット・クラッチ(第3クラッチ)
8 ファースト・フィフス・アンド・セブンス・クラッチ(第1クラッチ)
9 セカンド・フォース・アンド・エイス・クラッチ(第2クラッチ)
10 ハイ・アンド・リバース・クラッチ(第4クラッチ)
12 出力軸
13 自動変速機ケース(静止部)

Claims (4)

  1. 入力軸と、
    出力軸と、
    サン・ギヤ、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤの3つの回転要素を備える第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組と、
    ブレーキ、第1クラッチ〜第4クラッチの5個の摩擦締結要素と、
    を備え、
    前記第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
    前記第2遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第4要素、第5要素、第6要素とし、
    前記第3遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第3遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第7要素、第8要素、第9要素とし、
    前記第4遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第4遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第10要素、第11要素、第12要素とし、
    前記入力軸を、前記第2要素に常時連結するとともに、第1クラッチの締結により前記第6要素および前記第12要素に連結可能とし、
    前記出力軸を、前記第11要素に常時連結し、
    前記第1要素を、前記第4要素に常時連結し、
    前記第5要素を、前記第9要素に常時連結し、
    前記第7要素を、前記第11要素に常時連結し、
    前記第3要素を、静止部に常時固定し、
    前記第2遊星歯車組を、第2クラッチの締結により一体化可能とし、
    前記第2要素を、第3クラッチの締結により前記第8要素に連結可能にし、
    前記第8要素を、第4クラッチの締結により前記第10要素に連結可能とし、
    前記第10要素を、ブレーキの締結により前記静止部に固定可能とした、
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
  2. 請求項1に記載の車両用自動変速機において、
    前記ブレーキは、第1速〜第3速、および後退で締結し、
    前記第1クラッチは、第1速、第5速、第7速で締結し、
    前記第2クラッチは、第2速、第4速、第8速で締結し、
    前記第3クラッチは、第3速〜第6速で締結し、
    前記第4クラッチは、第6速〜第8速、および後退で締結する、
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用自動変速機において、
    前記第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組は、それぞれの3つの回転要素がサン・ギヤ、リング・ギヤ、前記サン・ギヤおよび前記リング・ギヤの両方に噛み合う複数のピニオンを回転自在に支持するピニオン・キャリヤを有する・シングル・ピニオン・タイプである、
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用自動変速機において、
    前記第1要素、前記第4要素、前記第7要素および前記第10要素は、それぞれリング・ギヤであり、
    前記第2要素、前記第5要素、前記第8要素および前記第11要素は、それぞれピニオン・キャリヤであり、
    前記第3要素、前記第6要素、前記第10要素および前記第12要素は、それぞれサン・ギヤである、
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
JP2012074698A 2012-03-28 2012-03-28 車両用自動変速機 Expired - Fee Related JP5734905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012074698A JP5734905B2 (ja) 2012-03-28 2012-03-28 車両用自動変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012074698A JP5734905B2 (ja) 2012-03-28 2012-03-28 車両用自動変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013204711A true JP2013204711A (ja) 2013-10-07
JP5734905B2 JP5734905B2 (ja) 2015-06-17

Family

ID=49524025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012074698A Expired - Fee Related JP5734905B2 (ja) 2012-03-28 2012-03-28 車両用自動変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5734905B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016069362A1 (en) * 2014-10-27 2016-05-06 Allison Transmission, Inc. Multi-speed transmission
KR20160105583A (ko) * 2015-02-27 2016-09-07 현대자동차주식회사 차량용 다단 변속기

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003514195A (ja) * 1999-10-14 2003-04-15 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 多段変速機
JP2007155119A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Hyundai Motor Co Ltd 車両用7速自動変速機のパワートレイン
US20080182706A1 (en) * 2007-01-31 2008-07-31 Phillips Andrew W Multi-speed transmission
US20080261756A1 (en) * 2007-04-20 2008-10-23 Gm Global Technology Operations, Inc. Multi-speed transmission
US20080261755A1 (en) * 2007-04-20 2008-10-23 Gm Global Technology Operations, Inc. 8-Speed Transmission
US20080261761A1 (en) * 2007-04-19 2008-10-23 Gm Global Technology Operations, Inc. Multi-speed transmission
US20080305916A1 (en) * 2007-06-08 2008-12-11 Gm Global Technology Operations, Inc. Multi-speed transmission
US20090054199A1 (en) * 2007-08-22 2009-02-26 Gm Global Technology Operations, Inc. Multi-speed transmission
JP2009174626A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Honda Motor Co Ltd 自動変速機
JP2009270667A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Kyowa Metal Work Co Ltd 多段変速遊星歯車列
DE102008063699A1 (de) * 2008-12-19 2010-06-24 Daimler Ag Getriebeeinheit

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003514195A (ja) * 1999-10-14 2003-04-15 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 多段変速機
JP2007155119A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Hyundai Motor Co Ltd 車両用7速自動変速機のパワートレイン
US20080182706A1 (en) * 2007-01-31 2008-07-31 Phillips Andrew W Multi-speed transmission
US20080261761A1 (en) * 2007-04-19 2008-10-23 Gm Global Technology Operations, Inc. Multi-speed transmission
US20080261756A1 (en) * 2007-04-20 2008-10-23 Gm Global Technology Operations, Inc. Multi-speed transmission
US20080261755A1 (en) * 2007-04-20 2008-10-23 Gm Global Technology Operations, Inc. 8-Speed Transmission
US20080305916A1 (en) * 2007-06-08 2008-12-11 Gm Global Technology Operations, Inc. Multi-speed transmission
US20090054199A1 (en) * 2007-08-22 2009-02-26 Gm Global Technology Operations, Inc. Multi-speed transmission
JP2009174626A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Honda Motor Co Ltd 自動変速機
JP2009270667A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Kyowa Metal Work Co Ltd 多段変速遊星歯車列
DE102008063699A1 (de) * 2008-12-19 2010-06-24 Daimler Ag Getriebeeinheit

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016069362A1 (en) * 2014-10-27 2016-05-06 Allison Transmission, Inc. Multi-speed transmission
KR20160105583A (ko) * 2015-02-27 2016-09-07 현대자동차주식회사 차량용 다단 변속기
KR101664660B1 (ko) 2015-02-27 2016-10-12 현대자동차주식회사 차량용 다단 변속기
US9488250B2 (en) 2015-02-27 2016-11-08 Hyundai Motor Company Multi-stage transmission for vehicle

Also Published As

Publication number Publication date
JP5734905B2 (ja) 2015-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5789675B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5780987B2 (ja) 車両用自動変速機
JP2013199959A (ja) 車両用自動変速機
JP2013204706A (ja) 車両用自動変速機
JP5693509B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5734903B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5780983B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5693510B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5734904B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5734905B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5813035B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5693508B2 (ja) 車両用自動変速機
JP2013199958A (ja) 車両用自動変速機
JP5734906B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5813036B2 (ja) 車両用自動変速機
KR101691318B1 (ko) 차량용 자동 변속기
JP5773917B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5897490B2 (ja) 車両用自動変速機
KR100803302B1 (ko) 자동변속기의 8속 파워트레인
JP5828853B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5828855B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5813034B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5813037B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5828854B2 (ja) 車両用自動変速機
JP5705255B2 (ja) 車両用自動変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5734905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees