JP2013204708A - 車両用自動変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1〜第4遊星歯車組2〜5のそれぞれの3つの回転要素を、共通速度線図上で遊星歯車組の歯数比に対応する間隔で並べ、順に第1〜第12要素とする。入力軸1を第1クラッチ8により第3要素21に、第2クラッチ9により第6要素31に、また第3クラッチ11により第8要素44に、それぞれ連結可能にする。出力軸12を第7要素42と第11要素54に常時連結する。第12要素51を静止部13に常時固定する。第1要素22、第5要素34および第9要素41を互いに常時連結する。第2要素24を第4要素32に常時連結、かつ第1ブレーキ7により静止部13に固定可能にする。第3要素21を第2ブレーキ6の締結により静止部13に固定可能にし、第8要素44を第4クラッチ10により第10要素52に連結可能にする。
【選択図】図1
Description
すなわち、特許文献1に記載のものは、4組の遊星歯車組と、2個のブレーキおよび3個のクラッチとを備え、前進8速、後退1速を得るようにしている。
また、前進1速の変速比(ギヤ比)が4.700であるのに対し、後退のギヤ比が3.280と、これらギヤ比間での差が大きくなる結果、同じアクセル・ペダルの踏込量に対する駆動力差が大きくなるので、ドライバーが運転操作に違和感を持つといった問題がある。
入力軸と、
出力軸と、
サン・ギヤ、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤの3つの回転要素を備える第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組と、
第1ブレーキ、第2ブレーキ、第1クラッチ〜第4クラッチの6個の摩擦締結要素と、
を備え、
第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
第2遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第4要素、第5要素、第6要素とし、
第3遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第3遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第7要素、第8要素、第9要素とし、
第4遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第4遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第10要素、第11要素、第12要素とし、
入力軸を、第1クラッチの締結により第3要素に、また第2クラッチの締結により第6要素に、また第3クラッチの締結により第8要素に、それぞれ連結可能にし、
出力軸を、第7要素および第11要素に常時連結し、
第12要素を、静止部に常時固定し、
第1要素、第5要素および第9要素を、互いに常時連結し、
第2要素と第4要素とを、常時連結するとともに第1ブレーキの締結により静止部に固定可能にし、
第3要素を第2ブレーキの締結により静止部に固定可能にし、
第8要素を、第4クラッチの締結により第10要素に連結可能にした、
ことを特徴とする。
この実施例1の車両用自動変速機は、入力軸1と、4組の遊星歯車組2〜5と、6つの摩擦締結要素(ブレーキやクラッチからなる)6〜11と、出力軸12と、を備えている。
一方、出力軸12は、入力軸1と同心軸上に配置され、図示しない終減速機、差動歯車組を介して左右の駆動輪に連結されている。
入力軸1は、サード・フィフス・ナインス・アンド・リバース・クラッチ8の締結により第1遊星歯車組2のサン・ギヤ21に、またロー・アンド・インターメディエット・クラッチ9の締結により第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に、またインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に、それぞれ連結可能である。
入力軸1と同心線上に配置された出力軸12は、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42および第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結される。
また、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24は、第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されている。
第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51は、自動変速機ケース13に常時連結・固定されている。
第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32は本発明の第4要素に、そのピニオン・キャリヤ34は本発明の第5要素に、またそのサン・ギヤ31は本発明の第6要素に、それぞれ相当する。
第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42は本発明の第7要素に、そのピニオン・キャリヤ44は本発明の第8要素に、またそのサン・ギヤ41は本発明の第9要素に、それぞれ相当する。
第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52は本発明の第10要素に、そのピニオン・キャリヤ54は本発明の第11要素に、またそのサン・ギヤ51は本発明の第12要素に、それぞれ相当する。
すなわち、セカンド・シックスス・アンド・エイス・ブレーキ6およびハイ・アンド・リバース・ブレーキ7には、油圧作動式の多板ブレーキを、またサード・フィフス・ナインス・アンド・リバース・クラッチ8〜インターメディエットアンド・ハイ・クラッチ11の4個のクラッチには、油圧作動式の多板クラッチを用いる。
なお、これらの摩擦締結要素は、図示しないコントローラにより電子制御される図示しないコントロール・バルブからの圧油の供給、抜きにより、それらの締結、解放が制御される。これらのコントローラやコントロール・バルブの構成および作用はよく知られているので、ここではそれらの説明は省略する。
図2中、横方向に各変速段を、また縦方向に摩擦締結要素、ギヤ比、レシオ・カバーレッジ(全変速比幅であり、前進1速のギヤ比を最高変速段のギヤ比で割った値)R/C、前進1速のギヤ比に対する後退のギヤ比の割合(Rev/1st)が、それぞれ記載してある。なお、同図中、○印は、この○印に相当する摩擦締結要素が締結状態にあることを、また空白はその摩擦締結要素が解放状態にあることを意味する。
ここで、共通速度線図とは、縦軸に各回転要素の回転速度を取り、横軸にこれら回転要素を遊星歯車組2〜5の歯数比α1〜α4の大きさに応じて割り振った線図である。
すなわち、横軸上に、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の場合には、リング・ギヤ、ピニオン・キャリヤ、サン・ギヤ3つの回転要素の回転速度軸を、この順に(左右いずれの方向でもよい)、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤ間の大きさをこの遊星歯車組の歯数比αとした場合、ピニオン・キャリヤおよびサン・ギヤ間の大きさが1となる割合でそれぞれ離して配置したものである。
この場合、縦軸には、回転速度ゼロより上方にエンジンと同じ回転方向の回転速度をとり、回転速度ゼロより下方にエンジンと逆回転方向の回転速度をとるようにする。
共通速度線図にあっては、リング・ギヤ、ピニオン、サン・ギヤのそれぞれの噛み合い関係は歯と歯とが1対1で噛み合うリニアな関係となるので、各回転要素の回転速度を結ぶと直線関係となる。
なお、共通速度線図は、図中左側から右側へ向けて順に第1遊星歯車組2〜第4遊星歯車組5にそれぞれ対応し、各遊星歯車組ではリング・ギヤの回転速度軸、ピニオン・キャリヤの回転速度軸、サン・ギヤの回転軸の順に回転速度軸を配置している。
また、共通速度線図間で同じ速度となる回転要素同士間については、点線で結んである。また、共通速度線図にあっては、それらのリング・ギヤにはRを、またピニオン・キャリヤにはCを、またサン・ギヤにはSを付け、これらの記号に第1遊星歯車組2〜第4遊星歯車組5に応じてそれぞれ1〜4の添え字を付けてある。
第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51は、自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0である。
また、第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22と第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34と第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41とは、常時連結されて同じ回転数で回転する。
また、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ34は、第2遊星歯車組4のリング・ギヤ32に常時連結されて同じ回転数で回転する。
また、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42と第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54と出力軸12とは、常時連結されて同じ回転数で回転する。
第1速を得るには、ファースト・ハイ・アンド・リバース・ブレーキ7、ロー・アンド・インターメディエット・クラッチ9、およびロー・アンド・リバース・クラッチ10を締結する。
このとき、図3に示すように、第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32がハイ・アンド・リバース・ブレーキ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、サン・ギヤ31がロー・アンド・インターメディエット・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転するので、そのピニオン・キャリヤ34は減速回転速度で回転する。
第1遊星歯車組2では、ピニオン・キャリヤ24がハイ・アンド・リバース・ブレーキ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、リング・ギヤ22が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転するので、そのサン・ギヤ21は、エンジンの駆動方向とは逆の方向に減速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がロー・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結されてこれと同じ速度で回転し、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されこれと同じ回転速度で回転する。一方、第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52、ピニオン・キャリヤ54が上述のように連結され、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0である。
したがって、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44および第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52は、第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41、すなわちこれに連結された第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22および第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34と同じ減速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、およびこれらに接続された出力軸12は、リング・ギヤ52およびサン・ギヤ41の上記減速回転速度よりさらに遅い減速回転速度となる第1速(ギヤ比4.197)で回転駆動される。
そうすると、図4に示すように、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21がセカンド・シックスス・アンド・エイス・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32、ピニオン・キャリヤ34が上述の関係にあり、サン・ギヤ31がロー・アンド・インターメディエット・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24と第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32は、減速回転速度で回転し、第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22と第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34は、ピニオン・キャリヤ24とリング・ギヤ32の上記減速回転速度より早い減速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度、すなわち上記早い方の減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がロー・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結されてこれと同じ速度で回転し、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されて同じ回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52、ピニオン・キャリヤ54が上述のように連結され、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0である。
したがって、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44と第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52は、第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41、すなわちこれに連結された第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34および第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22の減速回転速度より遅い減速回転速度で回転する。
また、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、およびこれらに常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ44およびリング・ギヤ52の回転速度より遅く、かつ第1速より早い減速速度となる第2速(ギヤ比2.542)で回転駆動される。
そうすると、図5に示すように、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21がサード・フィフス・ナインス・アンド・リバース・クラッチ8の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32、ピニオン・キャリヤ34が上述のように連結され、サン・ギヤ31がロー・アンド・インターメディエット・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第1遊星歯車組2も第2遊星歯車組3も、これらの回転要素が一体となって入力軸1と同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がロー・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結されてこれと同じ速度で回転し、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されて同じ回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52、ピニオン・キャリヤ54が上述のように連結され、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0である。
したがって、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、およびこれらに常時接続された出力軸12は、第2速より早い減速速度となる第3速(ギヤ比1.748)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44と第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52は、第3速で回転するリング・ギヤ42、ピニオン・キャリヤ54より早い減速回転速度で回転する。
そうすると、図6に示すように、第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結によりピニオン・キャリヤ44が入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がロー・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結されてこれと同じ速度で回転し、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されて同じ回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52、ピニオン・キャリヤ54が上述のように連結され、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0である。
したがって、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44と第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52は、入力軸1と同じ回転速度で回転する。
一方、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、およびこれらに常時接続された出力軸12は、第3速より早い減速速度となる第4速(ギヤ比1.312)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4では、ピニオン・キャリヤ44が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ42が第3速の減速回転速度で回転するので、そのサン・ギヤ41は増速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、サン・ギヤ31がロー・アンド・インターメディエット・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ32は、さらに早い増速回転速度で回転する。
第1遊星歯車組1では、リング・ギヤ22が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されてさらに早い増速回転速度で回転するので、そのサン・ギヤ21はそれらの増速回転速度よりさらに早い増速回転速度で回転する。
そうすると、図7に示すように、第1遊星歯車組2および第2遊星歯車組3での連結関係第3速の場合と同じとなり、第1遊星歯車組2と第2遊星歯車組3は、これらの回転要素が一体となって入力軸1と同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ43がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、およびこれらに常時接続された出力軸12は、直結となる第5速(ギヤ比1.000)で回転駆動される。
なお、第4遊星歯車組5では、ピニオン・キャリヤ54が入力軸1と同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0であるので、そのピニオン・キャリヤ54は、減速回転する。
そうすると、図8に示すように、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21がセカンド・シックスス・アンド・エイス・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32、ピニオン・キャリヤ34が上述のように連結され、サン・ギヤ31がロー・アンド・インターメディエット・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24と第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32は、同じ減速回転速度で回転し、第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22および第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34は、ピニオン・キャリヤ24およびリング・ギヤ32の減速速度より早い減速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、サン・ギヤ41がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、およびこれらに常時接続された出力軸12は、増速速度となる第6速(ギヤ比0.818)で回転駆動される。
なお、第4遊星歯車組5では、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ54が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されて第6速の増速回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ52は、さらに早い増速回転速度で回転する。
そうすると、図9に示すように、第2遊星歯車組3では、サン・ギヤ31がロー・アンド・インターメディエット・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ32がハイ・アンド・リバース・ブレーキ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となるので、そのピニオン・キャリヤ34は、減速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されて上記減速速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエト・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、およびこれらに常時接続された出力軸12は、第6速より早い増速速度となる第7速(ギヤ比0.706)で回転駆動される。
なお、第4遊星歯車組5では、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ54が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されて第7速の増速回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ52は、さらに早い増速回転速度で回転する。
また、第1遊星歯車組2では、ピニオン・キャリヤ24がハイ・アンド・リバース・ブレーキ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、リング・ギヤ22が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されて減速回転速度で回転するので、そのサン・ギヤ21は、エンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転する。
そうすると、図10に示すように、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21がセカンド・シックスス・アンド・エイス・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ24がハイ・アンド・リバース・ブレーキ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となるので、そのリング・ギヤ22は、サン・ギヤ21およびピニオン・キャリヤ24と同じ回転速度0となる。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32がハイ・アンド・リバース・ブレーキ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ34が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されて回転速度0であるので、そのサン・ギヤ31も回転速度0となる。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時接続されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエト・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、およびこれらに常時接続された出力軸12は、第7速より早い増速速度となる第8速(ギヤ比0.584)で回転駆動される。
なお、第4遊星歯車組5では、ピニオン・キャリヤ54が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されて第8速の増速回転速度で回転し、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0であるので、そのリング・ギヤ52は、さらに早い増速回転速度で回転する。
そうすると、図11に示すように、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21がセカンド・シックスス・アンド・エイス・ブレーキ6の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ24がハイ・アンド・リバース・ブレーキ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度が0となるので、そのリング・ギヤ22は、エンジンの駆動方向とは逆方向に減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32がハイ・アンド・リバース・ブレーキ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度が0となり、ピニオン・キャリヤ34が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されてエンジンの駆動方向とは逆方向に減速回転速度で回転するので、そのサン・ギヤ31は、エンジンの駆動方向とは逆方向の増速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてエンジンの駆動方向とは逆方向に減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、およびこれらに常時接続された出力軸12は、最高の速さの増速回転速度となる第9速(ギヤ比0.486)で回転駆動される。
なお、第4遊星歯車組5では、ピニオン・キャリヤ54が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されて第9速での増速回転速度で回転し、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0であるので、そのリング・ギヤ52は、さらに速い増速回転速度で回転する。
そうすると、図12に示すように、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21がサード・フィフス・ナインス・アンド・リバース・クラッチ8の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ24がハイ・アンド・リバース・クラッチ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となるので、第9速の場合と同様に、そのリング・ギヤ22は、エンジンの駆動方向とは逆方向に減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32がハイ・アンド・リバース・クラッチ7の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ34が第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に常時連結されてこれと同じ回転速度、すなわちエンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転するので、そのサン・ギヤ31も第9速の場合と同様に、エンジンの駆動方向とは逆方向の増速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に常時連結されてこれと同じ回転速度、すなわちエンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がロー・アンド・リバース・クラッチ10の締結により第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結してこれと同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ42が第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
一方、第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52、ピニオン・キャリヤ54が上述のように連結され、サン・ギヤ51が自動変速機ケース13に常時連結されて回転速度0である。
したがって、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54、およびこれらに常時接続された出力軸12は、エンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度となる後退速(ギヤ比-3.641、ここで-は、エンジンの駆動方向とは逆方向を表す)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44と第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52は、エンジン駆動方向とは逆方向に後退速より速い減速回転速度で回転する。
また、リバース比/1速比は、実施例1の自動変速機では、0.868となり、従来の自動変速機での同比(引用文献1では0.70)より大きくなって1により近い値になる。
実施例1の自動変速機4組の遊星歯車組2〜5と、2個のブレーキ6、7および4個のクラッチ8〜11からなる摩擦締結要素とを、図1のような連結関係とし、かつ図2の作動表に基づいて、摩擦締結要素を制御するようにしたので、各段に最適なギヤ比、および段間比を得ることが可能となる。
すなわち、前進9速を得ることができるので、車両の走行条件に適したギヤ比を選択するのが容易となる。
この場合、第1速を4.80などの大きなギヤ比に設定できるので、発進時など低速時における駆動力を確保でき、また、第9速を0.486などの小さなギヤ比に設定できるので、高速走行時はエンジンの回転速度を小さくして騒音の抑制や消費燃費の低減が可能となる。
2 第1遊星歯車装置
21 サン・ギヤ
22 リング・ギヤ
23 ピニオン
24 ピニオン・キャリヤ
3 第2遊星歯車装置
31 サン・ギヤ
32 リング・ギヤ
33 ピニオン
34 ピニオン・キャリヤ
4 第3遊星歯車装置
41 サン・ギヤ
42 リング・ギヤ
43 ピニオン
44 ピニオン・キャリヤ
5 第4遊星歯車装置
51 サン・ギヤ
52 リング・ギヤ
53 ピニオン
54 ピニオン・キャリヤ
6 セカンド・シックスス・アンド・エイス・ブレーキ(第2ブレーキ)
7 ファースト・ハイ・アンド・リバース・ブレーキ(第1ブレーキ)
8 サード・フィフス・ナインス・アンド・リバース・クラッチ(第1クラッチ)
9 ロー・アンド・インターメディエット・クラッチ(第2クラッチ)
10 インターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ(第3クラッチ)
11 ロー・アンド・リバース・クラッチ(第4クラッチ)
12 出力軸
13 自動変速機ケース(静止部)
Claims (4)
- 入力軸と、
出力軸と、
サン・ギヤ、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤの3つの回転要素を備える第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組と、
第1ブレーキ、第2ブレーキ、第1クラッチ〜第4クラッチの6個の摩擦締結要素と、
を備え、
前記第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
前記第2遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第4要素、第5要素、第6要素とし、
前記第3遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第3遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第7要素、第8要素、第9要素とし、
前記第4遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第4遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第10要素、第11要素、第12要素とし、
前記入力軸を、第1クラッチの締結により前記第3要素に、また第2クラッチの締結により前記第6要素に、また第3クラッチの締結により前記第8要素に、それぞれ連結可能にし、
前記出力軸を、前記第7要素および前記第11要素に常時連結し、
前記第12要素を、静止部に常時固定し、
前記第1要素、前記第5要素および前記第9要素を、互いに常時連結し、
前記第2要素と前記第4要素とを、常時連結するとともに第1ブレーキの締結により前記静止部に固定可能にし、
前記第3要素を第2ブレーキの締結により前記静止部に固定可能にし、
前記第8要素を、第4クラッチの締結により前記第10要素に連結可能にした、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1に記載の車両用自動変速機において、
前記第1ブレーキは、第1速、第7速〜第9速、および後退で締結し、
前記第2ブレーキは、第2速、第6速、第8速で締結し、
前記第1クラッチは、第3速、第5速、第9速、および後退で締結し、
前記第2クラッチは、第1速〜第7速で締結し、
前記第3クラッチは、第4速〜第9速で締結し、
前記第4クラッチは、第1速〜第4速、および後退で締結する、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両用自動変速機において、
前記第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組は、それぞれの3つの回転要素がサン・ギヤ、リング・ギヤ、前記サン・ギヤおよび前記リング・ギヤの両方に噛み合う複数のピニオンを回転自在に支持するピニオン・キャリヤを有する・シングル・ピニオン・タイプである、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用自動変速機において、
前記第1要素、前記第4要素、前記第7要素および前記第10要素は、それぞれリング・ギヤであり、
前記第2要素、前記第5要素、前記第8要素および前記第11要素は、それぞれピニオン・キャリヤであり、
前記第3要素、前記第6要素、前記第10要素および前記第12要素は、それぞれサン・ギヤである、
ことを特徴とする車両用自動変速機。
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