JP2013204554A - 動力切断機 - Google Patents

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仁一 横山
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Abstract

【課題】切断作業に伴い発生する粉塵等の削り屑を除去する技術を提供する。
【解決手段】エンジンカッター1において、ブレード8が回転可能に先端に取り付けられるアーム60の内部、つまり、アームカバー62の内部に、ファン80が設けられている。ここでは、遠心クラッチ25にファン80が取り付けられている。さらに、第2アームカバー62bの先端には、ブレード8の前方の領域Xに向けて排気する排気部64が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、原動機によって駆動する動力切断機に関する。
従来から、コンクリートやアスファルト等の切断作業をする作業機としてエンジンカッターが用いられている(例えば、特許文献1参照)。このようなエンジンカッターは、エンジンを収容した本体と、本体から前方へ突出する動力伝達機構であるアームと、アームの先端に回転可能に取り付けられた円盤状のブレード(カッターブレード)を備える。エンジンの動力は、クランクシャフトから遠心クラッチを介して遠心クラッチの出力軸に取り付けられたエンジン側プーリーに伝わる。そして、エンジン側プーリーに伝わった動力は、アームの先端側のブレードに接続するブレード側プーリーとエンジン側プーリーとに巻き回されたベルトにより、ブレード側プーリーに伝わり、ブレードを回転させる。
特開2004−76832号公報
ところで、エンジンカッターを使用して作業をする場合、ブレードによる被切断材の切断に伴って、被切断材の表面に削り屑が発生し堆積する。この削り屑が作業性を低下させることがあった。つまり、切断すべき位置が粉塵等の削り屑によって覆われてしまい、どの部分をどの程度切断するかが分からなくなることから、作業者は一旦作業を中断して、削り屑を除去する必要があり、作業効率の観点や作業の正確性の観点から、対策するための技術が求められていた。
本発明は以上のような状況に鑑みなされたものであって、上記課題を解決する技術を提供することを目的とする。
本発明の動力切断機は、原動機と、前記原動機の前方へ延出するアームと、前記アームの先端部に回転可能に取り付けられるブレードと、前記アームに収容され、前記ブレードへ前記原動機の動力を伝達する動力伝達機構と、前記原動機の動力により駆動するファンと、前記ファンの回転により発生したファン風を前記ブレードの前方の領域に向かって排気する排気部と、を備える。
また、前記排気部は、排気の向きを定めるガイド部を有してもよい。
また、前記ブレードを部分的に覆うブレードカバーを備え、前記ファン風が、前記ガイド部により前記ブレードカバーに沿って流れた後、前記ブレードの前方の領域に向かうよう構成されてもよい。
また、前記ファンは前記アームの内部に配置されてもよい。
また、前記アームは、前記原動機側の領域に内部に空気を取り入れる吸気口を備えてもよい。
また、前記原動機の動力を前記動力伝達機構に伝達する遠心クラッチを備え、前記遠心クラッチのクラッチドラムは、前記クラッチドラムの内部と外部とを連通する連通口を有してもよい。
また、前記動力伝達機構は、前記原動機の動力が伝達される駆動プーリーと、前記ブレードを駆動する従動プーリーと、前記駆動プーリーと前記従動プーリーに巻き掛けられて前記原動機の動力を前記ブレードに伝達するベルトと、を有してもよい。
また、前記ファンは、前記アームの前記駆動プーリー側の領域に設けられ、前記ファン風が、前記アームの内部を介して前記排気部から排出されてもよい。
また、前記ファンは前記駆動プーリーと一体に回転可能に設けられてもよい。
本発明によれば、切断作業に伴い発生する粉塵等の削り屑を除去する技術を提供することができる。
第1の実施形態に係る、エンジンカッターの構成を示す図である。 第1の実施形態に係る、遠心クラッチが配置されている領域の構造を示す図である。 第1の実施形態に係る、ブレード側プーリーが配置される領域の構造を示す図である。 第2の実施形態に係る、遠心クラッチが配置されている領域の構造を示す図である。 第3の実施形態に係る、エンジンカッターの構成を示す図である。 第3の実施形態に係る、遠心クラッチが配置されている領域の構造を示す図である。 第3の実施形態に係る、ブレード側プーリーが配置される領域の構造を示す図である。 第4の実施形態に係る、エンジンカッターの構成を示す図である。 第4の実施形態に係る、ブレード側プーリーとエンジン側プーリーの間に配置されるファンを示す図である。
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。以下で説明する実施形態では、動力切断機であるエンジンカッターにおいて、アームのカバー内にファンを設け、アーム内に空気の流れを発生させるとともに、カバー前方に設けられた排出部からブレード前方に向けて空気を排出する。このような構成によって、切削作業領域に発生する削り屑等を除去し、作業性を向上させる。
<第1の実施形態>
図1に示すように、エンジンカッター1は、原動機であるエンジン2を支持する本体部3を備える。本体部3は、エンジン2の出力を調整するスロットルトリガー5が配置されたリアハンドル6と、フロントハンドル7を備える。また、エンジン2は、アームカバー62と共に動力伝達機構を収容するアーム60を備える。なお、図中において、空気の流れを太線矢印で示している。
アーム60は、エンジン2のクランクケースに一体に形成され、リアハンドル6の延出方向(図1の左方向)と逆方向(図1の右方向)に延び、本体部3と離れた側の端部に円板状のブレード8が回転可能に取り付けられている。ブレード8は側面視で半円状のブレードカバー50によって部分的に覆われており、ブレード8の略下側半分が露出している。以下、エンジンカッター1のリアハンドル6の延出方向(図1の左方向)をエンジンカッター1の「後」とし、アーム60の延出方向である進行方向(図1の右方向)をエンジンカッター1の「前」とする。即ち、例えば単に「前方」という表現は、「進行方向前方」を意味するものである。
アーム60のブレード8側の端部には、ブレード8の回転軸18(図3参照)に取り付けられたブレード側プーリー10(従動プーリー)が回転可能に支持されている。また、本体部3側には、エンジン2の出力軸に遠心クラッチ25を介して接続されるエンジン側プーリー11(駆動プーリー)が回転可能に支持されている。
ブレード側プーリー10とエンジン側プーリー11とにはベルト12が巻き掛けられ、エンジン2の出力がエンジン側プーリー11からベルト12、ブレード側プーリー10を経由してブレード8に伝達される。言い換えれば、エンジン2の出力をブレードに伝達する動力伝達機構は、ブレード側プーリー10、エンジン側プーリー11、及びベルト12を備えて構成されている。
そして、上記の構成は、アームカバー62によって覆われている。ここでは、遠心クラッチ25(エンジン2)側の第1アームカバー62aとブレード8側の第2アームカバー62bとの二つのカバーで構成されている。また、アーム60は、ブレード側プーリー10とエンジン側プーリー11の軸間距離を調整しベルト12の張力を適正に維持可能とするテンショナー58を備えている。
さらに、アーム60の内部、つまり、アームカバー62の内部には、ファン80が設けられている。ここでは、アーム60の前後方向におけるエンジン2側、すなわち、遠心クラッチ25にファン80が取り付けられている。さらに、第2アームカバー62bの先端には、ブレード8の前方の領域Xに向けて排気する排気部64が設けられている。
つづいて、図2及び図3を参照して、上記のファン80及び排気部64に関連する機能について詳細に説明する。
図2はエンジン側プーリー11や遠心クラッチ25が配置されている領域の構造を示す図であって、図2(a)は図1のA−A断面図、図2(b)は図2(a)のE−E断面図、図2(c)は図1の領域Bの一部内部構造を示した図である。
図示のように、エンジン2の出力軸20には、エンジン側プーリー11が遠心クラッチ25を介して回転可能にベアリング26によって取り付けられている。
遠心クラッチ25の基本的な構造は、一般的な構造でよく、ここでは概要を説明する。エンジン2の出力軸20の周囲には、クラッチハウジング2aが形成されており、遠心クラッチ25が配置されて、その遠心クラッチ25を第1アームカバー62aが覆っている。第1アームカバー62aは、ボルト92によってエンジン2(クラッチハウジング2a)に固定される。
遠心クラッチ25は、略円筒状の形状のクラッチドラム24と、その内部に配置されるクラッチボス29及びクラッチシュー21とを備えている。
クラッチドラム24は、鋼材等で形成されており、エンジン側プーリー11と固定される。より具体的には、クラッチドラム24は、ドラムベース部24aとドラム壁部24bとを有して構成されている。
ドラムベース部24aは、中心に出力軸20を挿通可能な開口を有した円盤状であって、一方の面(図示で左側の内部側の面)の周縁部分にドラム壁部24bが一体に形成され、他方の面(図示で右側の本体部3側の面)にエンジン側プーリー11が固定されている。
ドラム壁部24bは、環状周面の構造を呈しており、ドラム壁部24bの内周面がクラッチシュー21と接触することで、出力軸20からエンジン側プーリー11への動力伝達がなされる。エンジン側プーリー11は、中心部分でベアリング26によって出力軸20に回動可能に支持され取り付けられている。
クラッチシュー21は、クラッチバネ27によって出力軸20方向に付勢されており、出力軸20が所定回転数以下の場合に、クラッチドラム24と離間している。ここでは、例えば図2(c)に示すように、クラッチシュー21は、3つに分割された部材で構成されている。
このような構成によって、クラッチシュー21は出力軸20の回転が上昇するに伴い遠心力によってクラッチバネ27の付勢力に抗して外周方向に移動し、所定回転数以上となるとクラッチドラム24のドラム壁部24bに接触し、スリップしながら動力伝達がなされる。そして、出力軸20の回転数が定格になったときに実質的にスリップがなくなり100%の動力伝達がなされる。このようにして、出力軸20の動力がエンジン側プーリー11に伝達される。
つづいてファン80について説明する。ファン80は、遠心クラッチ25のクラッチドラム24に固定されている。具体的には、ファン80は、ファンベース部81とファン羽根部82とを備える。ファンベース部81は、中心に開口を有する円盤状の形状を有しており、ドラムベース部24aの本体部3側の外面にボルト91よって固定されている。ファンベース部81の外径はクラッチドラム24の外径よりも大きく形成されており、ファンベース部81には、クラッチドラム24より外側の領域において、9枚のファン羽根部82が動径方向に所定の高さでリブ状に形成されている。ここでは、ファン羽根部82の端部がドラム壁部24bの端部と同じになるように形成されている。
このように、ファン80はクラッチドラム24と固定されているので、出力軸20の回転が所定回転数以上となってクラッチドラム24が回転すると、つまり、エンジン側プーリー11が回転すると、エンジン側プーリー11とともに回転する。なお、ファン80は、冷却機能の観点から金属部品(焼結部品や鋳物部品等)が好ましいが、樹脂部品であってもよい。本実施形態においては、ファン80は軽量で放熱性能の高いアルミニウムにより形成される。
また、第1アームカバー62aには、吸入口68が設けられている。吸入口68の位置は、ちょうどクラッチシュー21とクラッチドラム24の間の位置に対向する位置である。すなわち、吸入口68は、図1に示すエンジンカッター1の作業時において、粉塵が多く発生するブレード8の周囲から離れた位置に設けられる。
さらに、クラッチドラム24のドラム壁部24bには、連通口86が設けられている。連通口86は、クラッチシュー21が接触した状態でも、内部と外部とが連通するように形成されている。連通口86の形成位置や大きさ等は、空気の流れや強度等を考慮して適宜設定されうる。
吸入口68から導入された空気は、主にクラッチドラム24の内部を通り連通口86から外側方向へ、つまり、ファン羽根部82が形成される空間へ送られ、さらに、ファン羽根部82の外側に向かって送られる。このとき、クラッチドラム24が冷却される。特に、いわゆる半クラッチ状態等において、クラッチドラム24とクラッチシュー21とがスリップしている状態では、摩擦によって熱が発生する。本実施形態のようにファン80を設けたことで、このような熱の冷却を効果的に実現することができる。また、ファン80を放熱性能の高い材質により形成したことにより、放熱フィンとしても作用し、ファン風とともにクラッチドラム24の発熱時に効果的な冷却を行うことができる。従って、クラッチドラム24と一体に回転可能に設けられているエンジン側プーリー11及びベルト12の発熱を抑制することができる。
また、ファン80をアーム60のエンジン2側に設けたことで、ファン風がアーム60の延出方向、すなわち、ベルト12の延びる方向に流れるため、冷却効果を高めることができる。また、ファン80は遠心クラッチ25の被駆動側であるクラッチドラム24側に設けられているため、エンジンカッター1を停止する場合、遠心クラッチ25がエンジン2の動力と切り離された後に、ファン80がエアブレーキとして機能することから、ブレード8の回転が完全に停止するまでの時間を短縮することができる。
つぎに、排気側の構造について、ブレード側プーリー10周囲の構造を示す図3を参照して説明する。図3(a)は、図1のC−C断面図である。また、図3(b)は図1の領域Dの図で、第2アームカバー62bの一部を取り除いてブレード側プーリー10及びその前方の構造を露出させて示している。また、図3(c)は図1のブレードカバー50及び第2アームカバー62bの先端部分を上から(G方向から)見た図である。
図3(a)に示すように、エンジン側プーリー11及びブレード8の構造は一般的な構造であって、ブレードカバー50の内部において、回転軸18に固定されたブレード挟持部9がブレード8を挟んで固定している。また、ブレード側プーリー10とブレード挟持部9とが、回転軸18の両端にボルト19によって固定・接続されている。そして、ベルト12を介して出力軸20の動力がブレード側プーリー10に伝達され、さらに、回転軸18を介してブレード挟持部9及びブレード8に伝達される。
また、図3(b)や図3(c)に示すように、第2アームカバー62bには前方部分に排気部64が形成されている。具体的には、第2アームカバー62bの前方部分の上部領域から筒状のガイド部64bがブレードカバー50に沿って前方に向かって延出して形成されている。そして、ガイド部64bの最先端部分が排気口64aとなっている。ガイド部64bの内部は、図3(b)に示すように側面視で略矩形であって、また、図3(c)に示すように上面視で先端側が狭くなる台形形状となっている。つまり、ガイド部64bを構成する図示手前側の面が、ブレードカバー50側に向かって斜めに形成された傾斜面64cとなっている。このガイド部64bの形状によって、排気が単に前方に向かうだけでなく、ブレードカバー50側、つまり、ブレード8の前方側に適正に整流される。その結果、ブレード8の前方の被切断材表面に発生した粉塵等の削り屑を効果的に除去することができる。
なお、排気は、ちょうどブレード8が、コンクリート等の被切断材に最大限埋まった状態で、被切断材とブレード8の境界及びその前方の領域Xに向けるように設定されている。なお、排気部64の排気の向きは調整可能であってもよく、さらに、交換可能に構成されてもよい。また、ブレード8の進行状況に応じて、つまり切断状態に応じて、排気方向が切断領域に向かうように制御可能に構成されてもよい。また、アームカバー62の内部構造やファン80の形状、吸入口68や連通口86の大きさ設置位置は、実現する空気の流れや流速、流量等を考慮して適正に調整されうる。
<第2の実施形態>
本実施形態について図4を参照して説明する。第1の実施形態と異なる点について説明し、同様の構成や機能については、適宜説明を省略する。
図4は、第1の実施形態の図2に対応する部分に対応するものであって、第1の実施形態と異なる点は、ファン180の遠心クラッチ125への取り付け態様にある。具体的には、ファン180は、焼結部品であるクラッチボス129と一体に構成されており、3枚のファン羽根部182を備えて構成されている。言い換えればファン180はエンジン2のクランクシャフトと一体に回転可能に構成されている。
また、第1アームカバー62aの吸入口68は、ファン羽部182の中心側の端部に対向する位置に形成されている。なお、クラッチドラム24における連通口86の位置は、第1の実施形態と同様の位置に形成されている。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、遠心クラッチ125側でアーム60に導入した空気をブレード8側に導き排気部64から排出することで、切断作業にともない発生した削り屑を除去することができる。また、導入した空気によって、遠心クラッチ125やベルト12を冷却することができる。また、ファン180がクラッチボス129と一体に構成されているため、遠心クラッチ125の外形寸法を小さくすることでき、コンパクトにファン180を設置することができる。また、遠心クラッチ125の接続が切れた状態でもファン180が回転する構成であるため、アイドリング状態となった後もアーム60内部の冷却及びファン風の排気を行うことができる。
<第3の実施形態>
本実施形態のエンジンカッター201を図5〜7を参照して説明する。本実施形態では、第1及び第2の実施形態と異なり、例えば図5のエンジンカッター201に示すように、ファン280はエンジン側プーリー11でなくブレード側プーリー210に設けられている。
ここで、図6(a)は図5のA−A断面図、図6(b)は図6(a)のE−E断面図、図6(c)は図5の領域Bの一部内部構造を示した図である。図示のように、遠心クラッチ25側において、基本的な構造は一般的な構造と同様であり、ファン280は設けられていない。また、上記第1及び第2の実施形態と同様に、ドラム壁部24bの根本部分にドラム壁部24bを連通する連通口86が形成されている。したがって、吸入口68からアームカバー62の内部に導入された空気は、連通口86からクラッチドラム24の内部から外部に送出される。送出された空気は、ブレード側プーリー10側に送られる。
図7にファン280の構造を示しており、特に図7(a)は、図5のC−C断面図であり、また、図3(b)は図5の領域Dの図で、第2アームカバー62bの一部を取り除いてブレード側プーリー210及びその前方の構造を露出させて示している。本実施形態のファン280は、図示のように、ブレード側プーリー210と一体に構成されている。具体的には、ブレード側プーリー210の筒状の外周面210bにはベルト12が巻き掛けられている。そして、中心に回転軸18が取り付けられているブレード側プーリー210の円盤面210aの一方の面、より具体的には、図示左側(第2アームカバー62b側)の面には動径状に9枚のファン羽根部282が形成されている。
ファン280(ブレード側プーリー210)の外周外側には、ベルト12が通る領域を除きそれらと所定距離離間して規制壁285が設けられている。規制壁285の高さは、ファン羽根部282の高さと同じに設定されている。これにより、ファン280と第2アームカバー62bとの隙間を通り、規制壁285によりガイドされた風はファン280の軸方向から吸引され、ファン280の径方向外側に形成された排気口64aから排気する構成となっている。
排気部64の構造は、図3(c)に示した構造と同様であって、先端部に排気口64aを有するガイド部64bがブレードカバー50に沿って前方に延出して形成されて、ブレード8の前方の領域に効果的に排気可能になっている。また、ファン280が排気部64と比較的近い位置にあることから、排気の流速を早くすることができる。
また、動力伝達機構は減速機構として構成されているため、ブレード側プーリー10はエンジン側プーリー11より径方向に大きく構成されている。すなわち、ファン280の径はブレード側プーリー10の径をそのまま利用すればよく、動力伝達機構を収容するアーム60の外形の大型化を抑制しながら十分な風量を得ることができる。尚、本実施形態においては、ファン280をブレード8側に設ける構成としているが、吸入口68はブレード8から離れたエンジン1側に設けられているため、他の実施形態と同様、比較的粉塵の少ない空気を吸引できる構成であるとともに、クラッチドラム24の冷却効果を得ることができる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、図8のエンジンカッター301に示すように、ファン380が、ブレード側プーリー10やエンジン側プーリー11とは独立して配置される。具体的には、図9に示すように、ブレード側プーリー10とエンジン側プーリー11の間に、ベルト12によって駆動される筒状のファン駆動用プーリー310が、ベアリング326を介して回転可能にボルト399によって固定される。
ファン駆動用プーリー310の外周面にはベルト12が掛けられる。また、ファン駆動用プーリー310の筒状外側の底面310aには、ファン380として動径状に9枚のファン羽根部382が設けられている。ここでは、ファン羽根部382は、ファン駆動用プーリー310の外周面より若干外側まで形成されている。
さらに、ファン380(ファン駆動用プーリー310)の外周外側を覆うように、ベルト12のスペースを除き、ファン380と所定距離離間して規制壁385が形成されて、ファン380による空気の流れを所望に実現している。
なお、出力軸20側の遠心クラッチ25やブレード側プーリー10の構成や、ブレード8側のブレード側プーリー10等の構成は一般的な構成である。また、排気部64の構成は、上述の構成と同様に、ガイド部64bが形成されて、排気が効果的にブレード8の前方部分に送出されるようになっている。
このように、ファン380をブレード側プーリー10やエンジン側プーリー11とは別に配置することで、アーム60の幅が厚くなってしまうことを防止できる。つまり、ブレード8からアームカバー62の外側までの寸法(センターハイト)の長寸化を回避できる。
以上、本発明を第1〜第4の実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、上記の実施形態では、原動機としてエンジン2を例示したが、その他に電動モータ等の利用した動力切断機に適用することもできる。つまり、出力によってブレード8やファン80、180、380等を駆動する機能を有すればよい。また、ファンは複数であってもよく、例えば、第1の実施形態のファン80と第3の実施形態のファン280の両方が備わる構成であってもよい。また、排気部64は、ブレードカバー50の外面に沿って設けられているが、ブレードカバー50の内部に設けられてもよい。つまり、アームカバー62とブレードカバー50とのそれぞれの内部を連通し空気が通るガイド経路を設けて、ブレードカバー50で排気がなされてもよい。ガイド経路の開口部(排気口)は、ブレードカバー50の前端部にあることが好ましい。また、アームカバー62の内部において、空気の流れをベルト12の冷却に好適に整流する構造が設けられてもよい。
1、201、301 エンジンカッター
2 エンジン
2a クラッチハウジング
3 本体部
5 スロットルトリガー
6 リアハンドル
7 フロントハンドル
8 ブレード
9 ブレード挟持部
10、210 ブレード側プーリー
11 エンジン側プーリー
12 ベルト
18 回転軸
19、91、92 ボルト
20 出力軸
21 クラッチシュー
24 クラッチドラム
24a ドラムベース部
24b ドラム壁部
25、125 遠心クラッチ
26 ベアリング
27 クラッチバネ
29、129 クラッチボス
50 ブレードカバー
58 テンショナー
60 アーム
62 アームカバー
62a 第1アームカバー
62b 第2アームカバー
64 排気部
64a 排気口
64b ガイド部
64c 傾斜面
68 吸入口
80、180、280、380 ファン
81 ファンベース部
82、182、282、382 ファン羽根部
86 連通口
285、385 規制壁
310 ファン駆動用プーリー
310a 底面

Claims (9)

  1. 原動機と、
    前記原動機の前方へ延出するアームと、
    前記アームの先端部に回転可能に取り付けられるブレードと、
    前記アームに収容され、前記ブレードへ前記原動機の動力を伝達する動力伝達機構と、
    前記原動機の動力により駆動するファンと、
    前記ファンの回転により発生したファン風を前記ブレードの前方の領域に向かって排気する排気部と、
    を備えることを特徴とする動力切断機。
  2. 前記排気部は、排気の向きを定めるガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載の動力切断機。
  3. 前記ブレードを部分的に覆うブレードカバーを備え、
    前記ファン風が、前記ガイド部により前記ブレードカバーに沿って流れた後、前記ブレードの前方の領域に向かうよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の動力切断機。
  4. 前記ファンは前記アームの内部に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の動力切断機。
  5. 前記アームは、前記原動機側の領域に内部に空気を取り入れる吸気口を備えることを特徴とする請求項4に記載の動力切断機。
  6. 前記原動機の動力を前記動力伝達機構に伝達する遠心クラッチを備え、
    前記遠心クラッチのクラッチドラムは、前記クラッチドラムの内部と外部とを連通する連通口を有することを特徴とする請求項5に記載の動力切断機。
  7. 前記動力伝達機構は、前記原動機の動力が伝達される駆動プーリーと、前記ブレードを駆動する従動プーリーと、前記駆動プーリーと前記従動プーリーに巻き掛けられて前記原動機の動力を前記ブレードに伝達するベルトと、を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の動力切断機。
  8. 前記ファンは、前記アームの前記駆動プーリー側の領域に設けられ、
    前記ファン風が、前記アームの内部を介して前記排気部から排出されるよう構成することを特徴とする請求項7に記載の動力切断機。
  9. 前記ファンは前記駆動プーリーと一体に回転可能に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の動力切断機。
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