JP2013204065A - キャリア付銅箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁基板への積層工程前にはキャリアと極薄銅層との密着力が高い一方で、絶縁基板への積層工程後にはキャリアと極薄銅層との密着性が低下し、キャリア/極薄銅層界面で容易に剥離でき、且つ、キャリアを引き剥がした後の極薄銅層表面の耐食性が良好なキャリア付銅箔を提供する。
【解決手段】銅箔キャリアと、中間層、極薄銅層の順に積層されたキャリア付銅箔であって、中間層は、銅箔キャリア上にクロム層又はクロメート層、及び、ニッケル層又はニッケル−リン合金層がこの順で積層されて構成されており、中間層のニッケル、ニッケル−リン合金、クロムの付着量が特定範囲であり、銅箔キャリアを極薄銅層から剥離させた時、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のクロム、ニッケル、銅、リン、炭素、酸素の原子濃度に対する、クロム及びニッケルの原子濃度の比率が特定式において、特定範囲であるキャリア付銅箔。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャリア付銅箔に関する。より詳細には、本発明はファインパターン用途のプリント配線板の材料として使用されるキャリア付銅箔に関する。
プリント配線板はここ半世紀に亘って大きな進展を遂げ、今日ではほぼすべての電子機器に使用されるまでに至っている。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い、搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して導体パターンの微細化(ファインピッチ化)や高周波対応等が求められており、特にプリント配線板上にICチップを載せる場合、L/S=20/20以下のファインピッチ化が求められている。
プリント配線板は、まず、銅箔とガラスエポキシ基板、BT樹脂、ポリイミドフィルムなどを主とする絶縁基板を貼り合わせた銅張積層体として製造される。貼り合わせは、絶縁基板と銅箔を重ね合わせて加熱加圧させて形成する方法(ラミネート法)、または、絶縁基板材料の前駆体であるワニスを銅箔の被覆層を有する面に塗布し、加熱・硬化する方法(キャスティング法)が用いられる。
ファインピッチ化に伴って銅張積層体に使用される銅箔の厚みも9μm、さらには5μm以下になるなど、箔厚が薄くなりつつある。ところが、箔厚が9μm以下になると前述のラミネート法やキャスティング法で銅張積層体を形成するときのハンドリング性が極めて悪化する。そこで、厚みのある金属箔をキャリアとして利用し、これに剥離層を介して極薄銅層を形成したキャリア付銅箔が登場している。極薄銅層の表面を絶縁基板に貼り合わせて熱圧着した後に、キャリアを剥離層を介して剥離するというのがキャリア付銅箔の一般的な使用方法である。
キャリア付銅箔に関する技術として、例えば特許文献1には、キャリアの表面に、拡散防止層、剥離層、電気銅めっきをこの順番に形成し、剥離層としてCrまたはCr水和酸化物層を、拡散防止層としてNi、Co、Fe、Cr、Mo、Ta、Cu、Al、Pの単体または合金を用いることで加熱プレス後の良好な剥離性を保持する方法が開示されている。
また、剥離層としてCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、Pまたはこれらの合金またはこれらの水和物で形成することが知られている。さらに、加熱プレス等の高温使用環境における剥離性の安定化を図る上で、剥離層の下地にNi、Feまたはこられの合金層をもうけると効果的であることが特許文献2および3に記載されている。
特開2006−022406号公報 特開2010−006071号公報 特開2007−007937号公報
キャリア付銅箔においては、絶縁基板への積層工程前にはキャリアから極薄銅層が容易に剥離してはならず、一方、絶縁基板への積層工程後に極薄銅層からキャリアが容易に剥離する必要がある。また、絶縁基板への積層工程後に極薄銅層からキャリアを剥離した後、極薄銅層表面が大気にしばらくの間さらされるため、極薄銅層表面の十分な耐食性を確保する必要がある。
これに対し、特許文献1については、加熱プレス後の剥離性は良好であるが、極薄銅層表面の状態に関しては言及されていない。また、特許文献2、3については、キャリア/極薄銅層間の剥離強度等の特性を十分に検討したと考えられる記載が見られず、未だ改善の余地が残っている。
そこで、本発明は、絶縁基板への積層工程前にはキャリアと極薄銅層との密着力が高い一方で、絶縁基板への積層工程後にはキャリアと極薄銅層との密着性が低下し、キャリア/極薄銅層界面で容易に剥離でき、且つ、キャリアを引き剥がした後の極薄銅層表面の耐食性が良好なキャリア付銅箔を提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意研究を重ねたところ、キャリアとして銅箔を使用し、中間層を極薄銅層とキャリアとの間に形成し、極薄銅層に絶縁基板を熱圧着させ、キャリアを極薄銅層から剥離させたときの、極薄銅層表面に存在する所定の原子の濃度に対するクロムまたはニッケルの原子濃度の割合を制御することが極めて効果的であることを見出した。
本発明は上記知見を基礎として完成したものであり、一側面において、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層の上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、
前記中間層は、前記銅箔キャリア上にクロム層又はクロメート層、及び、ニッケル層又はニッケル−リン合金層がこの順で積層されて構成されており、
中間層のニッケルの付着量が1000〜40000μg/dm2、ニッケル−リン合金の付着量が1000〜40000μg/dm2、クロムの付着量が10〜1000μg/dm2であり、
前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥離させたとき、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のクロムの原子濃度(%)をf(x)とし、ニッケルの原子濃度(%)をg(x)とし、銅の原子濃度(%)をh(x)とし、リンの合計原子濃度(%)をi(x)とし、炭素の原子濃度(%)をj(x)とし、酸素の原子濃度(%)をk(x)とし、その他の原子濃度(%)をl(x)とすると、
前記極薄銅層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が3%以下で、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が40%以上を満たすキャリア付銅箔である。
本発明に係るキャリア付銅箔の一実施形態においては、前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥離させたとき、前記極薄層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫h(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が1〜20%である。
本発明に係るキャリア付銅箔の別の一実施形態においては、前記極薄銅層に絶縁基板を大気中、圧力20kgf/cm2、195℃×2時間の条件化で熱圧着させ、前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥離させたとき、
XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のクロムの原子濃度(%)をf(x)とし、ニッケルの原子濃度(%)をg(x)とし、銅の原子濃度(%)をh(x)とし、リンの合計原子濃度(%)をi(x)とし、炭素の原子濃度(%)をj(x)とし、酸素の原子濃度(%)をk(x)とし、その他の原子濃度(%)をl(x)とすると、
前記極薄銅層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が5%以下で、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が40%以上を満たす。
本発明に係るキャリア付銅箔の更に別の一実施形態においては、前記極薄銅層に絶縁基板を大気中、圧力20kgf/cm2、195℃×2時間の条件化で熱圧着させ、前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥離させたとき、
前記極薄層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫h(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が1〜30%である。
本発明に係るキャリア付銅箔の更に別の一実施形態においては、前記中間層に用いるニッケル−リン合金のリンの濃度が0〜20質量%である。
本発明に係るキャリア付銅箔の更に別の一実施形態においては、前記キャリア銅箔が電解箔又は圧延銅箔である。
本発明に係るキャリア付銅箔の更に別の一実施形態においては、前記極薄銅層表面に粗化処理層を有する。
本発明に係るキャリア付銅箔の更に別の一実施形態においては、前記粗化処理層が、銅、ニッケル、コバルト及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層である。
本発明に係るキャリア付銅箔の更に別の一実施形態においては、前記粗化処理層の表面に、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する。
本発明に係るキャリア付銅箔の更に別の一実施形態においては、前記極薄銅層の表面に、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する。
本発明は別の一側面において、銅箔キャリア上に、物理蒸着法又は電気めっきにより、クロム層又はクロメート層を形成し、前記クロム層又はクロメート層の上にニッケル層又はニッケル−リン合金層を形成することで中間層を形成する工程と、前記中間層上に電解めっきにより極薄銅層を形成する工程とを含むキャリア付銅箔の製造方法である。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は一実施形態において、前記極薄銅層上に粗化処理層を形成する工程をさらに含む。
本発明に係るキャリア付銅箔は、絶縁基板への積層工程前にはキャリアと極薄銅層との密着力が高い一方で、絶縁基板への積層工程後にはキャリアと極薄銅層との密着性が低下し、キャリア/極薄銅層界面で容易に剥離可能である。また、本発明に係るキャリア付銅箔はキャリアを引き剥がした後の極薄銅層表面の耐食性が良好である。
実施例2の基板貼り合わせ前の極薄銅層表面の深さ方向のXPSデプスプロファイルである。 実施例2を基板と熱圧着した後に銅箔キャリアを剥離し、極薄銅層をエッチングした回路を上面から撮影したSEM写真である。
<1.キャリア>
本発明に用いることのできるキャリアとしては銅箔を使用する。キャリアは典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
本発明に用いることのできるキャリアの厚さについても特に制限はないが、キャリアとしての役目を果たす上で適した厚さに適宜調節すればよく、例えば12μm以上とすることができる。但し、厚すぎると生産コストが高くなるので一般には35μm以下とするのが好ましい。従って、キャリアの厚みは典型的には12〜70μmであり、より典型的には18〜35μmである。
<2.中間層>
銅箔キャリア上には中間層を設ける。中間層はニッケルで形成されるのが好ましく、さらに銅箔キャリアと中間層との間にクロメート層又はクロム層が存在しているのが好ましい。NiはCrよりCuとの密着力が高いため、クロメート層又はクロム層とニッケル層との間で剥離するようになる。また、CuはNiに非常に拡散しやすいため、極薄銅層の表面は中間層のNiとNi−Cu合金が形成される。Ni−Cu合金が形成された極薄銅層の表面は、Cu単体で存在する場合よりも耐食性が向上する。
キャリアとして電解銅箔を使用する場合には、ピンホールを減少させる観点からシャイニー面に中間層を設けることが好ましい。
中間層をニッケルで構成する場合は、例えば電気めっき、無電解めっき及び浸漬めっきのような湿式めっき、或いはスパッタリング、CVD及びPDVのような乾式めっきにより形成することができる。コストの観点から電気めっきが好ましい。
また、クロメート層またはクロム層は、例えば電解クロメート、浸漬クロメート、電気めっき、無電解めっき及び浸漬めっきのような湿式めっき、或いはスパッタリング、CVD及びPDVのような乾式めっきにより形成することができる。
上記の観点からは、中間層において、ニッケルの付着量が1000〜40000μg/dm2、ニッケル−リン合金の付着量が1000〜40000μg/dm2、クロムの付着量が10〜1000μg/dm2であるのが好ましい。ニッケル量が増えるにつれてピンホールの量が多くなる傾向にあるが、この範囲であればピンホールの数も抑制される。極薄銅層をムラなく均一に剥離する観点、及び、ピンホールを抑制する観点からは、ニッケル付着量は1000〜10000μg/dm2とすることが好ましく、2000〜9000μg/dm2とすることがより好ましく、クロム付着量は10〜500μg/dm2とすることが好ましく、15〜400μg/dm2とすることがより好ましい。
銅箔キャリアから剥離した後の極薄銅層表面にニッケル−リン合金が存在すると、極薄銅層表面の耐食性が向上する。ここで、リンの濃度が20質量%を越えると、極薄銅層表面の耐食性が高くなりすぎ、エッチングして回路を形成する段階でエッチング不良を起こすおそれがある。そのため、中間層に用いるニッケル−リン合金のリンの濃度が0〜20質量%であるのが好ましい。
<3.極薄銅層>
中間層の上には極薄銅層を設ける。極薄銅層は、硫酸銅、ピロリン酸銅、スルファミン酸銅、シアン化銅等の電解浴を利用した電気めっきにより形成することができ、一般的な電解銅箔で使用され、高電流密度での銅箔形成が可能であることから硫酸銅浴が好ましい。極薄銅層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば12μm以下である。典型的には0.5〜12μmであり、より典型的には2〜5μmである。
<4.粗化処理>
極薄銅層の表面には、例えば絶縁基板との密着性を良好にすること等のために粗化処理を施すことで粗化処理層を設けてもよい。粗化処理は、例えば、銅又は銅合金で粗化粒子を形成することにより行うことができる。粗化処理は微細なものであっても良い。粗化処理層は、銅、ニッケル、コバルト及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層であってもよい。また、粗化処理をした後、または粗化処理を行わずに、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金で二次粒子や三次粒子及び/又は防錆層を形成し、さらにその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。すなわち、粗化処理層の表面に、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよく、極薄銅層の表面に、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよい。
<5.キャリア付銅箔>
このようにして、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に形成された中間層と、中間層の上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔が製造される。キャリア付銅箔自体の使用方法は当業者に周知であるが、例えば極薄銅層の表面を紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後にキャリアを剥がし、絶縁基板に接着した極薄銅層を目的とする導体パターンにエッチングし、最終的にプリント配線板を製造することができる。本発明に係るキャリア付銅箔の場合、剥離箇所は主として中間層のクロメート層またはクロム層とニッケル層との界面である。
本発明のキャリア付銅箔は、銅箔キャリアを極薄銅層から剥離させたとき、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のクロムの原子濃度(%)をf(x)とし、ニッケルの原子濃度(%)をg(x)とし、銅の原子濃度(%)をh(x)とし、リンの合計原子濃度(%)をi(x)とし、炭素の原子濃度(%)をj(x)とし、酸素の原子濃度(%)をk(x)とし、その他の原子濃度(%)をl(x)とすると、極薄銅層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が3%以下で、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が40%以上を満たす。
このように、本発明のキャリア付銅箔は、銅箔キャリアを極薄銅層から剥離させたときの極薄銅層表面部分のクロム原子濃度が3%以下であるため、極薄銅層をエッチングして回路を形成する際のエッチング性が良好となる。また、ニッケル原子濃度が40%以上であるため、キャリアを引き剥がした後の極薄銅層表面の耐食性が良好となる。
また、本発明のキャリア付銅箔は、銅箔キャリアを極薄銅層から剥離させたとき、極薄層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫h(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が1〜20%であることが好ましい。このような構成によれば、銅箔キャリアを剥離後の極薄銅箔表面がニッケル−銅合金となるため、極薄銅箔表面の耐食性が向上する。さらに、ニッケル−銅合金はニッケル単体よりもエッチング性が良好なため、極薄銅層のエッチング性が良好となる。
また、本発明のキャリア付銅箔は、極薄銅層に絶縁基板を大気中、圧力20kgf/cm2、195℃×2時間の条件化で熱圧着させ、銅箔キャリアを極薄銅層から剥離させたとき、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のクロムの原子濃度(%)をf(x)とし、ニッケルの原子濃度(%)をg(x)とし、銅の原子濃度(%)をh(x)とし、リンの合計原子濃度(%)をi(x)とし、炭素の原子濃度(%)をj(x)とし、酸素の原子濃度(%)をk(x)とし、その他の原子濃度(%)をl(x)とすると、極薄銅層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が5%以下で、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が40%以上を満たす。
このように、本発明のキャリア付銅箔は、極薄銅層に絶縁基板を大気中、圧力20kgf/cm2、195℃×2時間の条件化で熱圧着させ、銅箔キャリアを極薄銅層から剥離させたときの極薄銅層表面部分のクロム原子濃度が5%以下であるため、極薄銅層をエッチングして回路を形成する際のエッチング性が良好となる。また、ニッケル原子濃度が40%以上であるため、キャリアを引き剥がした後の極薄銅層表面の耐食性が良好となる。
また、本発明のキャリア付銅箔は、極薄銅層に絶縁基板を大気中、圧力20kgf/cm2、195℃×2時間の条件化で熱圧着させ、銅箔キャリアを極薄銅層から剥離させたとき、極薄層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫h(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が1〜30%であることが好ましい。このような構成によれば、絶縁基板を熱圧着後に銅箔キャリアを剥離すると、極薄銅箔表面がニッケル−銅合金となるため、極薄銅箔表面の耐食性が向上する。さらに、ニッケル−銅合金はニッケル単体よりもエッチング性が良好なため、極薄銅層のエッチング性が良好となる。
クロメート層またはクロム層形成時での電流密度を高くし、キャリア銅箔の搬送速度を遅くするとクロムの濃度が高くなり、クロムの濃度を制御することができる。ニッケル層形成時の電流密度を高く設定して単位時間あたりの電着速度を高めるほど、またキャリア銅箔の搬送速度を速くするほど、ニッケル層の密度が低下し、ニッケルの濃度は低下する。ニッケル層の密度が低下すると、極薄銅層の銅がニッケル層に拡散しやすくなり、ニッケル中の銅の濃度を制御することができる。また、ニッケルの付着量を少なくするほど極薄銅層の銅がニッケル中に拡散しやすくなり、これによってもニッケル中の銅の濃度を制御することができる。
中間層の形成を乾式めっきで行う場合において、クロム層形成時でスパッタリング出力を高くし、キャリア銅箔の搬送速度を遅くするとクロムの濃度が高くなり、クロムの濃度を制御することができる。ニッケル層の密度は、ニッケルのスパッタリング出力を高く設定して単位時間あたりの成膜速度を高めるほど、またキャリア銅箔の搬送速度を速くするほど低下する。ニッケル層の密度が低下するとニッケルの濃度は低下する。また、ニッケル層の密度が低下すると、極薄銅層の銅がニッケル層に拡散しやすくなり、ニッケル中の銅の濃度を制御することができる。また、ニッケルの付着量を少なくするほど極薄銅層の銅がニッケル中に拡散しやすくなり、これによってもニッケル中の銅の濃度を制御することができる。
以下に、本発明の実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.キャリア付銅箔の製造
銅箔キャリアとして、厚さ35μmの長尺の電解銅箔(JX日鉱日石金属社製JTC)及び圧延銅箔(JX日鉱日石金属社製C1100)を用意した。この銅箔のシャイニー面に対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続ラインでキャリア表面及び極薄銅層側について順に以下の条件で表1及び2に記載の中間層形成処理を行った。キャリア表面側と極薄銅層側との処理工程の間には、水洗及び酸洗を行った。
・Niめっき
硫酸ニッケル:250〜300g/L
塩化ニッケル:35〜45g/L
酢酸ニッケル:10〜20g/L
クエン酸三ナトリウム:15〜30g/L
光沢剤:サッカリン、ブチンジオール等
ドデシル硫酸ナトリウム:30〜100ppm
pH:4〜6
浴温:50〜70℃
電流密度:3〜15A/dm2
・Crめっき
液組成:無水クロム酸200〜400g/L、硫酸1.5〜4g/L
pH:1〜4
液温:45〜60℃
電流密度:10〜40A/dm2
・Ni−Pめっき
硫酸ニッケル:200〜300g/L
塩化ニッケル:35〜50g/L
ほう酸:30〜50g/L
亜リン酸:1〜30g/L
pH:1〜3
浴温:40〜70℃
電流密度:3〜15A/dm2
・スパッタリング(Ni、Cr)
装置:ロール トウ ロール式スパッタリング装置(神港精機社)
到達真空度:1.0×10-5Pa
スパッタリング圧:0.25Pa
搬送速度:15m/min
イオンガン電力:225W
スパッタリング電力:200〜3000W
ターゲット:Ni、Ni−10wt%P、Ni−20wt%P、Cr(3N)
・浸漬クロメート処理
液組成(1):重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
液組成(2):無水クロム酸1〜10g/L
pH:3〜4
液温:50〜60℃
浸漬時間:1〜20秒
・電解クロメート処理
液組成(1):重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
液組成(2):無水クロム酸1〜10g/L
pH:3〜4
液温:50〜60℃
電流密度:0.1〜2.6A/dm2
クーロン量:0.5〜30As/dm2
引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続めっきライン上で、中間層の上に厚さ35μmの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成し、キャリア付銅箔を作製した。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
なお、実施例1、3、7については極薄銅層の表面に以下の粗化処理、防錆処理、クロメート処理、及び、シランカップリング処理をこの順に行った。また、実施例2については極薄銅層の表面に粗化処理を行わず、以下の防錆処理、クロメート処理、及びシランカップリング処理をこの順に行った。
・粗化処理
Cu:10〜20g/L
Co:1〜10g/L
Ni:1〜10g/L
pH:1〜4
温度:40〜50℃
電流密度Dk:20〜30A/dm2
時間:1〜5秒
Cu付着量:15〜40mg/dm2
Co付着量:100〜3000μg/dm2
Ni付着量:100〜1000μg/dm2
・防錆処理
Zn:0〜20g/L
Ni:0〜5g/L
pH:3.5
温度:40℃
電流密度Dk:0〜1.7A/dm2
時間:1秒
Zn付着量:5〜250μg/dm2
Ni付着量:5〜300μg/dm2
・クロメート処理
2Cr27
(Na2Cr27或いはCrO3):2〜10g/L
NaOH或いはKOH:10〜50g/L
ZnO或いはZnSO47H2O:0.05〜10g/L
pH:7〜13
浴温:20〜80℃
電流密度:0.05〜5A/dm2
時間:5〜30秒
Cr付着量:10〜150μg/dm2
・シランカップリング処理
ビニルトリエトキシシラン水溶液
(ビニルトリエトキシシラン濃度:0.1〜1.4wt%)
pH:4〜5
時間:5〜30秒
2.キャリア付銅箔の各種評価
上記のようにして得られたキャリア付銅箔について、以下の方法で各種の評価を実施した。結果を表1及び2に示す。
<付着量の測定>
ニッケル付着量はサンプルを濃度20質量%の硝酸で溶解してICP発光分析によって測定し、クロム付着量はサンプルを濃度7質量%の塩酸にて溶解して、原子吸光法により定量分析を行うことで測定した。
<XPSによる測定>
キャリア付銅箔の極薄銅層側を絶縁基板上に貼り合わせて、20kgf/cm2、195℃×2時間の条件下で圧着を行った後、銅箔キャリアを極薄銅層から引き剥がした。続いて、露出した極薄銅層表面をXPS測定し、デプスプロファイルを作成した。XPSの稼働条件を以下に示す。
・装置:XPS測定装置(アルバックファイ社、型式5600MC)
・到達真空度:3.8×10-7Pa
・X線:単色AlKαまたは非単色MgKα、エックス線出力300W、検出面積800μmφ、試料と検出器のなす角度45°
・イオン線:イオン種Ar+、加速電圧3kV、掃引面積3mm×3mm、スパッタリングレート2.8nm/min(SiO2換算)
また、上記熱圧着前のキャリア付銅箔についても、銅箔キャリアを極薄銅層から引き剥がし、露出した極薄銅層表面をXPS測定し、デプスプロファイルを作成した。
<剥離強度>
キャリア付銅箔の極薄銅層側を絶縁基板上に貼り合わせて、20kgf/cm2、195℃×2時間の条件下で圧着を行った後、ロードセルにて銅箔キャリア側を剥離することによって剥離強度を測定した。また、絶縁基板上に貼り合わせる前のキャリア付銅箔も同様に剥離強度を測定しておいた。
<エッチング性評価>
キャリア付銅箔の極薄銅層側を絶縁基板上に貼り合わせて、20kgf/cm2、195℃×2時間の条件下で圧着を行った後、銅箔キャリアを極薄銅層から引き剥がした。続いて露出した側の極薄銅層の表面から下記の手順でエッチングを行った。
極薄銅層のエッチング面をアルカリで脱脂し、硫酸(100g/L)に30秒浸漬させて、表面の汚れ及び酸化層を取り除いた。次に、スピンコーターを用いて液体レジスト(東京応化工業製、OFPR−800LB)をエッチング面に滴下し、乾燥させた。乾燥後のレジスト厚みは1μmとなるように調整した。その後、露光工程により10本の回路を印刷し、さらに銅箔の不要部分を除去するエッチング処理を以下の条件で実施した。
・塩化第二鉄水溶液(ボーメ度:40)
・液温:50℃
(30μmピッチ回路形成)
・レジストL/S=25μm/5μm、21μm/9μm
・仕上がり回路ボトム(底部)幅:15μm
・エッチング時間:3〜15秒
・エッチング終点の確認:時間を変えてエッチングを数水準行い、光学顕微鏡で回路間に銅が残存しなくなるのを確認し、これをエッチング時間とした。
エッチング後、50℃のNaOH水溶液(100g/L)に1分間浸漬させてレジストを剥離した。レジスト剥離後の回路形状を走査型電子顕微鏡(SEM)(JEOL−5410)によって観察し、以下の基準で回路形成の可否を判断した。
○:エッチング性良好
△:回路を形成できるが、直線性が悪い
×:回路形成不可
<耐変色性評価>
キャリア付銅箔の極薄銅層側を絶縁基板上に貼り合わせて、20kgf/cm2、195℃×2時間の条件下で圧着を行った後、銅箔キャリアを極薄銅層から引き剥がし、大気中で24時間放置した後、極薄銅層表面の色調を色彩色差計を用いてL*(明るさ)、a*(赤−緑軸の色度)、b*(黄−青軸の色度)を測定し、(JIS Z 8729)に基づいて式(1)に示す色差△E*abにより評価した。
*ab=[(△L*2+(△a*2+(△b*21/2 (1)
色差は、△E*ab値により次のように評価した。
0〜0.5未満:きわめて僅かに異なる
0.5〜1.5未満:わずかに異なる
1.5〜3.0未満:感知し得るほどに異なる
3.0〜6.0未満:著しく異なる
6.0〜12.0未満:きわめて著しく異なる
12.0以上:別の色系統になる
(評価結果)
実施例1〜10は、いずれも絶縁基板への積層工程前にはキャリアと極薄銅層との密着力が高い一方で、絶縁基板への積層工程後にはキャリアと極薄銅層との密着性が低下し、キャリア/極薄銅層界面で容易に剥離でき、エッチング性も良好で、且つ、キャリアを引き剥がした後の極薄銅層表面の耐食性が良好であった。
比較例11、12は、中間層を形成しておらず、ニッケルとクロムの付着量が少なかったため、熱圧着前でも極薄銅層からキャリアを剥離することができなかった。
比較例13は、クロムが付着していないため、剥離箇所が中間層と極薄銅層の間に変わり、基板との貼り合わせ後にキャリアを剥離することができなくなった。
比較例14は、ニッケルの付着量が少なく、クロムが付着していないため、熱圧着前でも極薄銅層からキャリアを剥離することができなかった。
比較例15は、クロムの付着量が少ないため、熱圧着前でもキャリアを剥離することができなくなった。
比較例16は、極薄銅層表面に残存するクロム濃度が高くなりすぎて、極薄銅層のエッチング不良を起こした。
比較例17、18は、ニッケルの付着量が多すぎたため、剥離強度が低くなりすぎた。
比較例19、22、23は、極薄銅層表面のニッケル濃度が低くなりすぎたため、極薄銅層表面が著しく変色してしまった。
比較例20、21は、極薄銅層表面のニッケル濃度が低く、且つ、クロム濃度が高すぎるため、極薄銅層表面が著しく変色し、さらにエッチング不良を起こした。
図1に、実施例2の基板貼り合わせ前の極薄銅層表面の深さ方向のXPSデプスプロファイルを示す。また、図2に、実施例2を基板と熱圧着した後に銅箔キャリアを剥離し、極薄銅層をエッチングした回路を上面から撮影したSEM写真を示す。

Claims (12)

  1. 銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層の上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、
    前記中間層は、前記銅箔キャリア上にクロム層又はクロメート層、及び、ニッケル層又はニッケル−リン合金層がこの順で積層されて構成されており、
    中間層のニッケルの付着量が1000〜40000μg/dm2、ニッケル−リン合金の付着量が1000〜40000μg/dm2、クロムの付着量が10〜1000μg/dm2であり、
    前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥離させたとき、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のクロムの原子濃度(%)をf(x)とし、ニッケルの原子濃度(%)をg(x)とし、銅の原子濃度(%)をh(x)とし、リンの合計原子濃度(%)をi(x)とし、炭素の原子濃度(%)をj(x)とし、酸素の原子濃度(%)をk(x)とし、その他の原子濃度(%)をl(x)とすると、
    前記極薄銅層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が3%以下で、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が40%以上を満たすキャリア付銅箔。
  2. 前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥離させたとき、前記極薄層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫h(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が1〜20%である請求項1に記載のキャリア付銅箔。
  3. 前記極薄銅層に絶縁基板を大気中、圧力20kgf/cm2、195℃×2時間の条件化で熱圧着させ、前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥離させたとき、
    XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のクロムの原子濃度(%)をf(x)とし、ニッケルの原子濃度(%)をg(x)とし、銅の原子濃度(%)をh(x)とし、リンの合計原子濃度(%)をi(x)とし、炭素の原子濃度(%)をj(x)とし、酸素の原子濃度(%)をk(x)とし、その他の原子濃度(%)をl(x)とすると、
    前記極薄銅層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が5%以下で、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が40%以上を満たす請求項1又は2に記載のキャリア付銅箔。
  4. 前記極薄銅層に絶縁基板を大気中、圧力20kgf/cm2、195℃×2時間の条件化で熱圧着させ、前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥離させたとき、
    前記極薄層表面からの深さ方向分析の区間[0、3.0]において、∫h(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx+ ∫k(x)dx + ∫l(x)dx)が1〜30%である請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  5. 前記中間層に用いるニッケル−リン合金のリンの濃度が0〜20質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  6. 前記キャリア銅箔が電解箔又は圧延銅箔である請求項1〜5のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  7. 前記極薄銅層表面に粗化処理層を有する請求項1〜6のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  8. 前記粗化処理層が、銅、ニッケル、コバルト及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層である請求項7に記載のキャリア付銅箔。
  9. 前記粗化処理層の表面に、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項7又は8に記載のキャリア付銅箔。
  10. 前記極薄銅層の表面に、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項1〜9のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  11. 銅箔キャリア上に、物理蒸着法又は電気めっきにより、クロム層又はクロメート層を形成し、前記クロム層又はクロメート層の上にニッケル層又はニッケル−リン合金層を形成することで中間層を形成する工程と、前記中間層上に電解めっきにより極薄銅層を形成する工程とを含むキャリア付銅箔の製造方法。
  12. 前記極薄銅層上に粗化処理層を形成する工程をさらに含む請求項11に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
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