JP2013203574A - 熱線遮蔽膜、熱線遮蔽合わせ透明基材、および、当該熱線遮蔽合わせ透明基材が窓材として搭載されている自動車 - Google Patents

熱線遮蔽膜、熱線遮蔽合わせ透明基材、および、当該熱線遮蔽合わせ透明基材が窓材として搭載されている自動車 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリビニルアセタール樹脂を主成分としながら、優れた遮熱特性を発揮する熱線遮蔽膜、及び当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材を提供する。
【解決手段】熱線遮蔽機能を有する化合物と、選択波長吸収材料と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを含有する熱線遮蔽膜であって、前記熱線遮蔽機能を有する化合物が、インジウム錫酸化物微粒子、アンチモン錫酸化物微粒子から選択される1種類以上であり、前記選択波長吸収材料は、波長550nmの光の透過率が90%以上であり、且つ、波長450nmの光の透過率が40%以下の透過プロファイルを有することを特徴とする熱線遮蔽膜を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、可視光透過性が良好でかつ優れた熱線遮蔽機能を有する熱線遮蔽膜、熱線遮蔽合わせ透明基材、および、当該熱線遮蔽合わせ透明基材が窓材として搭載されている自動車に関する。
自動車用などの窓材に用いられる安全ガラスとして、対向する複数枚(例えば2枚)の板ガラス間にポリビニルアセタール樹脂等を含む中間層を挟み込んで合わせガラスを構成した透明基材が用いられている。さらに、当該中間層に熱線遮蔽機能を持たせることにより入射する太陽エネルギーを遮断して、冷房負荷や人の熱暑感の軽減を目的とした透明基材が提案されている。
例えば、特許文献1には、2枚の対向する板ガラス間に0.1μm以下の微細な粒径の酸化錫あるいは酸化インジウムから成る熱線遮蔽性金属酸化物を含有する軟質樹脂層を挟んだ合わせガラスが開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも2枚の対向する板ガラスの間にSn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moといった金属、当該金属の酸化物、当該金属の窒化物、当該金属の硫化物、当該金属へのSbやFのドープ物、さらに、これらの複合物を分散した中間層を挟んだ合わせガラスが開示されている。
また、特許文献3には、TiO、ZrO、SnO、Inから成る微粒子と、有機ケイ素または有機ケイ素化合物から成るガラス成分とを、対向する透明板状部材の間に挟んだ自動車用窓ガラスが開示されている。
さらに、特許文献4には、少なくとも2枚の対向する透明ガラス板状体の間に、3層から成る中間層を設け、当該中間層の第2層にSn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、当該金属の酸化物、当該金属の窒化物、当該金属の硫化物、当該金属へのSbやFのドープ物、または、これらの複合物を分散させ、第1層および第3層の中間層を樹脂層とした合わせガラスが開示されている。
しかし、特許文献1〜4に開示されている従来の合わせガラスは、いずれも高い可視光透過率が求められたときの熱線遮蔽機能が十分でない、という問題点が存在した。
さらに、合わせガラスの熱線遮蔽機能の向上させる方法として、特許文献5には、金属酸化物半導体と近赤外吸収剤と紫外線吸収剤を透明な合成樹脂に混合してフィルム上に成型してなる紫外線赤外線遮蔽体について開示されている。
特開平8−217500号公報 特開平8−259279号公報 特開平4−160041号公報 特開平10−297945号公報 特開2004−37768号公報
しかしながら、本発明者らが更なる検討を行った結果、以下の課題が見出された。
第1の課題は、特許文献1〜5に記載された従来の技術に係る合わせガラスでは、上述したように、いずれも高い可視光透過率が求められたときの熱線遮蔽機能が十分でないことである。
本発明は、上記課題に着目してなされたものである。そして、その解決しようとする課題は、ポリビニルアセタール樹脂を主成分としながら、優れた遮熱特性を発揮する熱線遮蔽膜、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材、当該熱線遮蔽合わせ透明基材が窓材として搭載されている自動車を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するため、高い可視光透過率を維持させつつ熱線遮蔽特性を向上させる方法について鋭意研究を行った。
本発明者らは、JIS R 3106に記載されている可視光透過率算出に使用される重価係数の波長分布に着目した。具体的には、可視光透過率算出に使用される重価係数の波長分布と、短波長領域における日射エネルギーとを詳細に研究した。そして、可視光線の短波長領域を適宜に遮蔽することで、可視光透過率を高く維持しつつ日射透過率のみを低下させることが可能であるとの知見を得た。
具体的には、可視光透過率の低下を少しでも防ぐため、また、熱線遮蔽合わせ透明基材が黄色に着色しないように、従来技術における、可視光領域をできるだけカットしないような紫外線遮蔽剤を用いるという常識にも拘わらず、波長450nm付近の光を強く吸収する一方、可視光透過率算出に大きく寄与する領域である波長550nm付近には吸収を持たない材料を、熱線遮蔽機能を有する化合物と併存させるという構成に想到し、本発明を完成したものである。
すなわち、上述の課題を解決する第1の発明は、
熱線遮蔽機能を有する化合物と、選択波長吸収材料と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを含有する熱線遮蔽膜であって、前記熱線遮蔽機能を有する化合物が、インジウム錫酸化物微粒子、アンチモン錫酸化物微粒子から選択される1種類以上であり、前記選択波長吸収材料は、波長550nmの光の透過率が90%以上であり、且つ、波長450nmの光の透過率が40%以下の透過プロファイルを有することを特徴とする熱線遮蔽膜である。
第2の発明は、
前記インジウム錫酸化物微粒子、アンチモン錫酸化物微粒子が、平均粒径40nm以下の微粒子であることを特徴とする第1の発明に記載の熱線遮蔽膜である。
第3の発明は、
前記選択波長吸収材料が、イソインドリン化合物、イソインドリノン化合物、キノキサリン化合物、キノフタロン化合物、縮合ジアゾ化合物、ニッケルアゾ化合物、バナジン酸ビスマス化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする第1の発明に記載の熱線遮蔽膜である。
第4の発明は、
前記選択波長吸収材料が、波長550nmの光の透過率が90%以上であり、且つ、波長450nmの光の透過率が15%以下の透過プロファイルを有することを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽膜である。
第5の発明は、
前記選択波長吸収材料が、キノフタロン化合物、ニッケルアゾ化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする第1の発明に記載の熱線遮蔽膜である。
第6の発明は、
前記選択波長吸収材料と、前記インジウム錫酸化物微粒子および/またはアンチモン錫酸化物微粒子酸化物微粒子との重量比が[(インジウム錫酸化物微粒子および/またはアンチモン錫酸化物微粒子)/選択波長吸収材料]=99.9/0.1〜97/3の範囲であることを特徴とする第1から第5の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽膜である。
第7の発明は、
前記熱線遮蔽膜が、さらに赤外線吸収性有機化合物を含むことを特徴とする第1から第6の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽膜である。
第8の発明は、
前記赤外線吸収性有機化合物が、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イモニウム化合物、ジイモニウム化合物、ポリメチン化合物、ジフェニルメタン化合物、トリフェニルメタン化合物、キノン化合物、アゾ化合物、ペンタジエン化合物、アゾメチン化合物、スクアリリウム化合物、有機金属錯体、シアニン化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする第7の発明に記載の熱線遮蔽膜である。
第9の発明は、
前記赤外線吸収性有機化合物が、フタロシアニン化合物、ジイモニウム化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする第8の発明に記載の熱線遮蔽膜である。
第10の発明は、
前記赤外線吸収性有機化合物と、前記インジウム錫酸化物微粒子および/またはアンチモン錫酸化物微粒子酸化物微粒子との重量比が[(インジウム錫酸化物微粒子および/またはアンチモン錫酸化物微粒子)/赤外線吸収性有機化合物]=99.5/0.5〜95/5の範囲であることを特徴とする第7から第9の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽膜である。
第11の発明は、
複数枚の透明基材間に、第1から第10の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽膜が存在していることを特徴とする熱線遮蔽合わせ透明基材である。
第12の発明は、
前記複数枚の透明基材間に、さらに可視光透過率88%以上であり且つ日射反射率21%以上の赤外線反射フィルムが存在していることを特徴する第11の発明に記載の熱線遮蔽合わせ透明基材である。
第13の発明は、
前記透明基材の内、少なくとも1枚がガラスであることを特徴とする第11または第12の発明に記載の熱線遮蔽合わせ透明基材である。
第14の発明は、
JIS R 3106で算出される可視光透過率が70%以上であり、且つ日射透過率が35%以下であることを特徴とする第11から第13の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽合わせ透明基材である。
第15の発明は、
第11から第14の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽合わせ透明基材が、窓材として搭載されていることを特徴とする自動車である。
本発明によれば、ポリビニルアセタール樹脂を主成分としながら、熱線遮蔽機能を有する化合物と、選択波長吸収材料とを併用することで、優れた光学的特性と高い耐候性とを発揮する熱線遮蔽膜を得ることが出来た。そして、熱線遮蔽膜を用いることで、優れた光学的特性と高い耐候性と優れた機械的特性とを発揮する熱線遮蔽合わせ透明基材を得ることが出来た。さらに、当該熱線遮蔽合わせ透明基材を窓材として自動車に搭載することで、夏場の車内温度上昇抑制が可能となった。
実施例1〜16および比較例1〜4、6〜9に係る熱線遮蔽合わせ透明基材における可視光透過率と日射透過率との関係を示すグラフである。 実施例17〜28および比較例1〜4に係る熱線遮蔽合わせ透明基材における可視光透過率と日射透過率との関係を示すグラフである。 実施例29〜33および比較例1〜4、5に係る熱線遮蔽合わせ透明基材における可視光透過率と日射透過率との関係を示すグラフである。 実施例5〜8、40〜47および比較例1〜4に係る熱線遮蔽合わせ透明基材における可視光透過率と日射透過率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る熱線遮蔽膜は、熱線遮蔽機能を有する化合物の微粒子、分散剤、選択波長吸収材料、所望により赤外線吸収性有機化合物、ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、所望により接着力調整剤、所望によりその他の添加物を含有している。
本発明に係る熱線遮蔽膜は、熱線遮蔽機能を有する化合物の微粒子と分散剤とを、ポリビニルアセタール樹脂へ添加する可塑剤の一部に分散して、熱線遮蔽機能を有する化合物の微粒子分散液を得、得られた分散液と、選択波長吸収材料と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを混練した後、押出成形法、カレンダー成形法等の公知の方法により、フィルム状に成形することによって製造することが出来る。
また、本発明に係る熱線遮蔽膜は、熱線遮蔽機能を有する化合物の微粒子と分散剤とを一般的な有機溶剤に分散した分散液を得た後、その有機溶剤を除去することで固体の分散剤中に熱線遮蔽機能を有する化合物の微粒子が分散した状態の熱線遮蔽機能を有する化合物の微粒子分散体を得、得られた分散体と、選択波長吸収材料と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを混練した後、押出成形法、カレンダー成形法等の公知の方法により、フィルム状に成形することによっても製造することが出来る。
以下、本発明に係る熱線遮蔽膜の構成成分、熱線遮蔽膜、および、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材について詳細に説明する。
尚、本発明に係る熱線遮蔽機能を有する化合物の微粒子としては、インジウム錫酸化物微粒子(本発明において、ITO微粒子と記載する場合がある。)、アンチモン錫酸化物微粒子(本発明において、ATO微粒子と記載する場合がある。)等、が使用可能である。
そして、本発明においてITO微粒子とATO微粒子とは同等に、使用および適用が出来る。そこで、以下の説明においては、熱線遮蔽機能を有する化合物の微粒子として、ITO微粒子を用いた場合について主に説明するが、ATO微粒子を用いた場合、ITO微粒子とATO微粒子とを混合使用した場合も同様である。
[1]熱線遮蔽膜の構成成分
本発明に係る熱線遮蔽膜について、まず、その構成成分である熱線遮蔽機能を有する微粒子とその製造方法、分散剤、選択波長吸収材料、赤外線吸収性有機化合物、ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、接着力調整剤、その他の添加剤について説明する。
(1)熱線遮蔽機能を有する微粒子
本発明に係る熱線遮蔽機能を有する微粒子の好ましい例は、ITO微粒子である。当該ITO微粒子は、近赤外線領域、特に波長1000nm以上の光を大きく吸収するため、その透過色調はブルー系の色調となるものが多い。
ITO微粒子は、一般に市販されているものを使用することができる。錫の添加量についても特に制限はなく、錫を含まない酸化インジウムであってもよい。錫添加量としては金属量として5〜15wt%程度が好ましい。また、酸素量については、若干の酸素欠陥を有することで、近赤外領域における吸収が強くなるため、化学量論比より酸素量が少なくなっていることが好ましい。
当該ITO微粒子の粒子径は、熱線遮蔽膜の使用目的によって適宜選定することができる。例えば、熱線遮蔽膜を透明性が求められる用途に使用する場合は、当該ITO微粒子が40nm以下の分散粒子径を有していることが好ましい。当該ITO微粒子が40nmよりも小さい分散粒子径を有していれば、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光領域の視認性を保持し、同時に効率よく透明性を保持することが出来るからである。
本発明に係る熱線遮蔽膜や熱線遮蔽合わせ透明基材を、例えば自動車のフロントガラスのように、特に可視光領域の透明性を重視する用途に適用する場合は、さらにITO微粒子による散乱低減を考慮することが好ましい。当該さらなる散乱低減を考慮するときにはITO微粒子の分散粒子径を30nm以下、好ましくは25nm以下とするのが良い。
この理由は、ITO微粒子の分散粒子径が小さければ、幾何学散乱またはミー散乱による波長400nm〜780nmの可視光線領域における光の散乱が低減されるからである。当該波長の光の散乱が低減することで、強い光が照射されたときに熱線遮蔽膜が曇りガラスのような外観となって、鮮明な透明性が失われるという事態を回避できる。
これは、ITO微粒子の分散粒子径が40nm以下になると、上述した幾何学散乱またはミー散乱が低減し、レイリー散乱領域になる為である。レイリー散乱領域では、散乱光が粒子径の6乗に反比例して低減するため、分散粒子径の減少に伴い散乱が低減し透明性が向上する。さらに、ITO微粒子の分散粒子径が25nm以下になると、散乱光は非常に少なくなり好ましい。
以上、説明したように、光の散乱を回避する観点からは、ITO微粒子の分散粒子径は小さい方が好ましい。一方、ITO微粒子の分散粒子径が1nm以上であれば、工業的な製造は容易である。
尚、上述したように、本発明に係る熱線遮蔽機能を有する微粒子としてATO微粒子を選択した場合、ITO微粒子とATO微粒子とを混合使用した場合も同様である。
(2)分散剤
本発明に係る分散剤は、上述したITO微粒子を、後述するポリビニルアセタール樹脂へ均一に分散させる為に用いられる。
本発明に係る分散剤は、示差熱熱重量同時測定装置(以下、TG−DTAと記載する場合がある。)で測定される熱分解温度が200℃以上あって、ウレタン、アクリル、スチレン主鎖を有する分散剤であることが好ましい。ここで、熱分解温度とはTG−DTA測定において、当該分散剤の熱分解による重量減少が始まる温度である。
熱分解温度が200℃以上であれば、ポリビニルアセタール樹脂との混練時に当該分散剤が分解することがないからである。これによって、分散剤の分解に起因した熱線遮蔽合わせガラス用熱線遮蔽膜の褐色着色、可視光透過率の低下、本来の光学特性が得られない事態を回避出来る。
また、当該分散剤は、アミンを含有する基、水酸基、カルボキシル基、または、エポキシ基を官能基として有する分散剤であることが好ましい。これらの官能基は、ITO微粒子の表面に吸着し、ITO微粒子の凝集を防ぎ、熱線遮蔽膜中でも当該微粒子を均一に分散させる効果を持つ。具体的には、カルボキシル基を官能基として有するアクリル−スチレン共重合体系分散剤、アミンを含有する基を官能基として有するアクリル系分散剤が例として挙げられる。官能基にアミンを含有する基を有する分散剤は、分子量Mw2000〜200000、アミン価5〜100mgKOH/gのものが好ましい。また、カルボキシル基を有する分散剤では、分子量Mw2000〜200000、酸価1〜50mgKOH/gのものが好ましい。
当該分散剤の添加量は、ITO微粒子100重量部に対し10重量部〜1000重量部の範囲であることが望ましく、より好ましくは30重量部〜400重量部の範囲である。分散剤添加量が上記範囲にあれば、ITO微粒子が、ポリビニルアセタール樹脂中で均一に分散すると伴に、得られる熱線遮蔽膜の物性に悪影響を及ぼすことがないからである。
尚、上述したように、本発明に係る熱線遮蔽機能を有する微粒子としてATO微粒子を選択した場合、ITO微粒子とATO微粒子とを混合使用した場合も同様である。
(3)選択波長吸収材料
本発明に係る選択波長吸収材料は、一定の波長領域の光のみを選択的に、強く吸収する材料である。
上述したように、本発明者らは、JIS R 3106に記載されている可視光透過率算出に使用される重価係数の波長分布を考慮し、上述したITO微粒子だけでは十分に遮蔽しきれない波長450nm付近の光を強く吸収し、且つ可視光透過率算出に大きく寄与する波長領域である波長550nm付近に吸収を持たない選択波長吸収材料を、ITO微粒子と併用する構成に想到した。そして、当該波長450nm付近の光を強く吸収し、波長550nm付近に吸収を持たない選択波長吸収材料を、ITO微粒子と併用する構成を用いることで、ITO微粒子単独で使用する場合と比較して、より低い日射透過率を得ることが出来た。
また、例えば、自動車フロントガラスのように、高い視認性が要求される部材として熱線遮蔽合わせ透明基材が使用された場合、直射日光、ヘッドランプなどの強い光が、当該熱線遮蔽合わせ透明基材に照射された際、含有されるITO微粒子等の微粒子が可視光の短波長領域を強く散乱し、当該熱線遮蔽合わせ透明基材が青白く曇る現象が問題となる場合があった。
ここで、本発明者らは、上述した選択波長吸収材料が、ITO微粒子によって散乱されて発生した可視光短波長領域の散乱光を吸収することで、当該青白く曇りの発生を抑制し、本発明に係る熱線遮蔽膜、および、熱線遮蔽合わせ透明基材の透明性を高める効果をも発揮出来ることに想到した。
本発明に係る選択波長吸収材料の光学特性としては、媒体や基材の吸収を除いた選択波長吸収材料自体の波長550nmの光の透過率が90%以上であり、且つ波長450nmの光の透過率が40%以下であることが好ましい。また、波長550nmの光の透過率が90%以上であり、且つ波長450nmの光の透過率が15%以下であることがより好ましい。
これは、選択波長吸収材料の光の透過率が、波長550nmの光に対して90%以上であり、且つ波長450nmの光に対して40%以下であれば、当該選択波長吸収材料とITO微粒子とを併用したときに、可視光透過率が低下しないからであり、さらに、波長450nm付近の光の吸収も十分に得られる。その結果、上記ITO微粒子単独で使用した場合と比較して、日射透過率が低くなり、遮熱特性が向上するからである。
本発明で使用される具体的な選択波長吸収材料としては、イソインドリン化合物、イソインドリノン化合物、キノキサリン化合物、キノフタロン化合物、縮合ジアゾ化合物、ニッケルアゾ化合物、バナジン酸ビスマス化合物等が挙げられる。特に、波長450nmの光の透過率を15%以下にするためには、キノフタロン化合物、ニッケルアゾ化合物から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
選択波長吸収材料と、ITO微粒子および/またはATO微粒子との混合割合は、重量比[(ITO微粒子および/またはATO微粒子)]/選択波長吸収材料が99.9/0.1〜97/3の範囲であることが好ましい。より好ましくは99.5/0.5〜98/2であり、99/1〜98/2であるとさらに好ましい。選択波長吸収材料の添加量の混合割合が上述した重量比で97/3以下であると、選択波長吸収材料による可視光領域の吸収が強くならず、可視光透過率が維持される。その結果、上記ITO微粒子および/またはATO微粒子を単独で使用した場合と比較して日射透過率が維持され、遮熱特性が維持されるからである。
また、選択波長吸収材料の添加量の混合割合が上述した重量比で99.9/0.1以上であれば、波長450nm付近の光の十分な吸収が得られ、添加効果が発揮されるからである。
選択波長吸収材料の熱線遮蔽膜への添加方法は、化合物自体を後述するITO微粒子可塑剤分散液、または、ITO微粒子分散体と共にポリビニルアセタール樹脂と可塑剤に添加することも可能である。
ただし、得られる熱線遮蔽膜、および、当該熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材の透明性を考慮すると、上述したITO微粒子と同様に、可塑剤に選択波長吸収材料を分散した状態の分散液、または、固体の分散剤中に選択波長吸収材料が分散した状態の分散体として、熱線遮蔽膜へ添加することも可能である。
いずれにしても、選択波長吸収材料が熱線遮蔽膜中で均一に分散していれば良く、得られる熱線遮蔽膜の透明性を損なわない方法であれば好適に用いられる。
(4)赤外線吸収性有機化合物
本発明においては、所望により近赤外域に強い吸収を持つ赤外線吸収性有機化合物を、熱線遮蔽膜へさらに添加しても良い。
当該目的で用いられる赤外線吸収性有機化合物としては、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イモニウム化合物、ジイモニウム化合物、ポリメチン化合物、ジフェニルメタン化合物、トリフェニルメタン化合物、キノン化合物、アゾ化合物、ペンタジエン化合物、アゾメチン化合物、スクアリリウム化合物、有機金属錯体、シアニン化合物等を使用することができる。
当該赤外線吸収性有機化合物として、上述した熱線遮蔽膜を構成する可塑剤に溶解するものを選択すれば、得られる熱線遮蔽膜の透明性を損なわないので好ましい。
当該赤外線吸収性有機化合物は、波長650nmから1000nmの可視光長波長領域から近赤外線領域の範囲の光を強く吸収する材料がより好ましい。これは、当該光学的特性を有する赤外線吸収性有機化合物と、波長800nm以上の波長領域に強い吸収をもつITO微粒子とを併用した時の相乗効果が大きく、ITO微粒子を単独で使用する場合と比較して、高い遮熱性能が得られるからである。
当該観点からは、本発明で用いる赤外線吸収性有機化合物としては、ジイモニウム化合物、または、フタロシアニン化合物が特に好ましい。
当該赤外線吸収性有機化合物と、前記ITO微粒子および/またはATO微粒子との混合割合の重量比が[(ITO微粒子および/またはATO微粒子)/赤外線吸収性有機化合物]=99.5/0.5〜95/5の範囲であることが好ましい。
赤外線吸収性有機化合物の添加量の混合割合が上述した重量比で95.5/0.5より多ければ、赤外線吸収性有機化合物による波長650nmから1000nmの可視光長波長領域から近赤外線領域の範囲の光を強く吸収する効果が得られ、添加効果が得られるため、好ましい。また、赤外線吸収性有機化合物の添加量の混合割合が上述した重量比で95/5より少なければ、赤外線吸収性有機化合物により可視光透過率算出に大きく寄与する波長領域である波長550nm付近の光まで吸収されることが殆ど起こらず、その結果、可視光透過率が確保され、遮熱特性も確保されるため好ましい。
(5)ポリビニルアセタール樹脂
本発明に係る熱線遮蔽膜に用いるポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。また、熱線遮蔽膜の物性を考慮した上で、アセタール化度が異なる複数種のポリビニルアセタール樹脂を併用してもよい。さらに、アセタール化時に複数種類のアルデヒドを組み合わせて反応させた共ポリビニルアセタール樹脂も、好ましく用いることが出来る。
当該観点から、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は60%、上限は75%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られ、一般的には、ケン化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが用いられる。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、上限は3000である。重合度が200以上であると、製造される熱線遮蔽合わせ透明基材の貫通への耐性が保持され、安全性が保たれる。一方、3000以下であれば、樹脂膜の成形性が保たれ、樹脂膜の剛性も好ましい範囲に保たれ、加工性が保たれるからである。
上記アルデヒドは特に限定されず、一般的には、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、アセトアルデヒド等、炭素数が1〜10のアルデヒドが用いられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、より好ましくは炭素数が4のブチルアルデヒドである。
(6)可塑剤
本発明に係るポリビニルアセタール樹脂を主成分とした熱線遮蔽膜に用いられる可塑剤としては、一価アルコールと有機酸エステルとの化合物である可塑剤や、多価アルコール有機酸エステル化合物等のエステル系である可塑剤、有機リン酸系可塑剤等のリン酸系である可塑剤が挙げられる。いずれの可塑剤も、室温で液状であることが好ましい。特に、多価アルコールと脂肪酸から合成されたエステル化合物である可塑剤が好ましい。
当該多価アルコールと脂肪酸から合成されたエステル化合物は特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られた、グリコール系エステル化合物が挙げられる。また、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールと、上記一塩基性有機とのエステル化合物等も挙げられる。
なかでも、トリエチレングリコールジヘキサネート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−オクタネート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノネート等のトリエチレングリコールの脂肪酸エステルが好適である。トリエチレングリコールの脂肪酸エステルは、ポリビニルアセタールとの相溶性や耐寒性など様々な性質をバランスよく備えており、加工性、経済性にも優れている。
可塑剤の選択にあたっては加水分解性が低いものであることに留意する。当該観点からは、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサネート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサネートが好ましい。
(7)接着力調整剤
本発明に係る熱線遮蔽膜へ、さらに所望により接着力調整剤を含有させることも好ましい。
当該接着力調整剤は、特に限定されないが、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。当該金属塩を構成する酸は、特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩の中でも、炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩、炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩が好ましい。
当該炭素数2〜16の有機酸のカルボン酸マグネシウム塩、カリウム塩としては、特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が好適に用いられる。
これらの接着力調整剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、接着力調整剤として、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウムのカルボン酸塩を用いた場合は、本来の接着力調整剤としての作用と、上述したITO微粒子の耐候性向上の効果も兼ね備えることができる。
(8)その他の添加剤
本発明に係る熱線遮蔽膜へは、さらに所望により、一般的な添加剤を配合することも可能である。例えば、所望により任意の色調を与えるための、アゾ系染料、シアニン系染料、キノリン系、ペリレン系染料、カーボンブラック等、一般的に熱可塑性樹脂の着色に利用されている染料化合物、顔料化合物を添加しても良い。特に本発明においては、可視光の短波長側の光を吸収しているため、透過光色が黄色味を帯びる。そのため、染料、顔料等の化合物を添加して熱線遮蔽膜の色調を調整することが好ましい。
さらに、前記選択波長吸収材料は、紫外領域において透過率の高くなる場合があり、紫外線遮蔽剤を組み合わせると、より高い熱線遮蔽効果が得られる。紫外線遮蔽剤としては、ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸系、HALS系、トリアゾール系、トリアジン系等の有機紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の無機紫外線吸収剤などが挙げられる。
また、その他の添加剤として、カップリング剤、界面活性剤、帯電防止剤等を添加することが出来る。
[2]熱線遮蔽膜
本発明に係る熱線遮蔽膜を製造する為には、上述したITO微粒子と分散剤とを、ポリビニルアセタール樹脂へ添加する可塑剤の一部に分散して、ITO微粒子分散液を製造するか、または、ITO微粒子と分散剤とを一般的な有機溶剤に分散した分散液を得た後、その有機溶剤を除去することで固体の分散剤中にITO微粒子が分散した状態のITO微粒子分散体を製造する。
そして、製造されたITO微粒子可塑剤分散液、または、製造されたITO微粒子分散体と、選択波長吸収材料と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、所望によりその他の添加剤や接着力調整剤とを混合し、混練した後、押出成形法、カレンダー成形法等の公知の方法により、例えば、フィルム状に成形することによって製造することが出来る。さらに、所望により当該熱線遮蔽膜へ赤外線吸収性有機化合物を添加すると、より高い熱線遮蔽特性が得られる。
尚、上述したように、本発明に係る熱線遮蔽機能を有する微粒子としてATO微粒子を選択した場合、ITO微粒子とATO微粒子とを混合使用した場合も同様である。
以下の説明においては、ITO微粒子の可塑剤分散液の製造方法、および、ITO微粒子分散体の製造方法について主に説明するが、ATO微粒子を用いた場合、ITO微粒子とATO微粒子とを混合使用した場合も同様である。
(1)ITO微粒子の可塑剤分散液の製造方法
ITO微粒子と分散剤とを、可塑剤に添加・混合し、一般的な分散方法を用いてITO微粒子の可塑剤分散液を得ることができる。具体的には、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの分散方法を用いることが出来る。
尚、当該ITO微粒子の可塑剤への分散の際、所望により、さらに120℃以下の沸点を有する有機溶剤を添加しても良い。
当該有機溶剤は、120℃以下の沸点を持つものが好ましく使用される。沸点が120℃以下であれば、後工程である乾燥工程、特に減圧乾燥で除去することが容易である。この結果、減圧乾燥の工程で除去することが迅速に進み、ITO微粒子含有組成物の生産性に寄与するからである。さらに、減圧乾燥の工程が容易かつ十分に進行するので、本発明に係るITO微粒子含有組成物中に過剰な有機溶剤が残留するのを回避できる。この結果、熱線遮蔽膜成形時に気泡の発生などの不具合が発生することを回避できる。具体的には、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、エタノールが挙げられるが、沸点が120℃以下で、且つITO微粒子を均一に分散可能なものであれば、任意に選択できる。
ITO物微粒子を均一に有機溶剤へ分散させる方法は、一般的な方法から任意に選択出来る。具体例としては、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの方法を用いることが出来る。
また、ITO微粒子含有分散液から有機溶剤を除去する方法としては、減圧乾燥する方法が好ましい。具体的には、ITO微粒子含有分散液を攪拌しながら減圧乾燥して、ITO微粒子含有組成物と有機溶剤成分とを分離する。減圧乾燥に用いる装置としては、真空攪拌型の乾燥機があげられるが、上記機能を有する装置であれば良く、特に限定されない。また、乾燥工程の減圧の圧力は適宜選択される。
当該減圧乾燥法を用いることで、溶剤の除去効率が向上すると伴に、ITO微粒子含有組成物が長時間高温に曝されることがないので、分散している微粒子の凝集が起こらず好ましい。さらに生産性も上がり、蒸発した有機溶剤を回収することも容易で、環境的配慮からも好ましい。
(2)ITO微粒子分散体の製造方法
上述したITO微粒子の可塑剤分散液、または、ITO微粒子と分散剤と可塑剤とを、上述した120℃以下の沸点を有する有機溶剤に添加・混合し、一般的な分散方法を用いてITO微粒子の濃度が50質量%以下となるITO微粒子分散体を製造する。
当該可塑剤中のITO微粒子の濃度は50質量%以下であることが好ましい。可塑剤中のITO微粒子の濃度が50質量%以下であれば、微粒子の凝集が起こり難く、分散が容易で、粘性の急増も回避出来、取り扱いが容易だからである。
ITO微粒子を均一に可塑剤へ分散させる方法は、一般的な方法から任意に選択出来る。具体例としてITO微粒子含有分散液を得た後、公知の方法でその有機溶剤を除去することで、固体の分散剤中にITO微粒子が分散した状態のITO微粒子分散体を得ることも出来る。
[3]熱線遮蔽合わせ透明基材
本発明に係る熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ透明基材には、様々な形態がある。
例えば、透明基材として無機ガラスを用いた熱線遮蔽合わせ無機ガラスは、本発明に係る熱線遮蔽膜を挟み込んで存在させた対向する複数枚の無機ガラスを、公知の方法で張り合わせ一体化することによって得られる。得られた熱線遮蔽合わせ無機ガラスは、主に自動車のフロント用の無機ガラスや、建物の窓として使用することが出来る。
さらに、本発明に係る熱線遮蔽膜と、後述する赤外線反射フィルムを熱線遮蔽膜とを併用して、熱線遮蔽合わせ透明基材とする構成も好ましい。当該構成を採る場合、当該赤外線反射フィルムを熱線遮蔽膜と透明なPVB樹脂膜で挟みこんで一体化して多層膜とする。得られた多層膜を対向する複数枚の無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化することによって、熱線遮蔽合わせ無機ガラスが得られる。
ここで、当該熱線遮蔽合わせ無機ガラスを自動車に用いることを考えると、自動車内の温度上昇抑制効果を考慮して、当該赤外線反射フィルムを本発明に係る熱線遮蔽膜より車外側に存在させる構成が好ましい。
特に、本発明に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を自動車のフロントガラス等の窓材に用いる場合は、道路運送車両法にて規定されている透過率70%以上を満たしつつ高い熱線遮蔽能力が必要とされるからである。これにより、エアコンの消費電力が、通常の合わせガラスが搭載させている場合と比較して抑制される。この結果、特にハイブリッドカーや電気自動車のような電池を用いる自動車においては、電池の消費を抑えられることから、航続距離の延長などに有意な効果が見られる。従って、自動車の燃費向上、温室効果ガス排出量削減に寄与することが期待でき、将来的には自動車の設計上、必須の部材となることが予想される。
透明基材として透明樹脂を用い、上記無機ガラスと同様に使用し、または、上記無機ガラスと併用し、対向する透明基材の間に熱線遮蔽膜を挟み込んで存在させることでも、熱線遮蔽合わせ透明基材を得ることが出来る。当該熱線遮蔽合わせ透明基材の用途は、上述した熱線遮蔽合わせ無機ガラスと同様である。
また、所望により、本発明に係る熱線遮蔽膜単体として使用すること、無機ガラスや透明樹脂等の透明基材の片面または両面に本発明に係る熱線遮蔽膜を存在させて使用することも、勿論可能である。
ここで、上述した、本発明に係る熱線遮蔽膜と併用する赤外線反射フィルムについて説明する。
上述した本発明に係る赤外線反射フィルムは、本発明に係る熱線遮蔽膜と併用したときの光学特性を考慮すると、可視光領域にはほとんど太陽光の吸収を持たず、近赤外線領域、具体的には波長800nmから1200nmの範囲のみを反射するものであることが、熱線遮蔽機能の観点から好ましい。
具体的には、赤外線フィルムの光学特性として、可視光透過率85%以上、日射反射率18%以上であることが好ましく、可視光透過率88%以上、日射反射率21%以上であることがより好ましい。
さらに、自動車のフロントガラス、建物の窓として熱線遮蔽合わせ透明基材を使用することを考慮すると、本発明に係る赤外線反射フィルムは、携帯電話やETCに用いられている波長域の電磁波を透過させるものが好ましい。従って、導電性を持ち上記電磁波を透過させない金属膜付きフィルムよりも電磁波を透過させる樹脂多層膜付きフィルムが好ましい。
[4]まとめ
以上、詳細に説明したように、本発明に係るITO微粒子の可塑剤分散液、または、本発明に係るITO微粒子分散体と、選択波長吸収材料と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを混練し、さらに、公知の方法により、フィルム状に成形することによって、本発明に係る熱線遮蔽膜の作製が可能となった。
そして、当該本発明に係る熱線遮蔽膜を、対向する複数枚の透明基材の間に挟み込むように存在させることによって、可視光領域の高い透過性を維持すると共に低い日射透過率を発揮する、本発明に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の作製が可能となった。
そして、当該ITO微粒子と、波長550nm透過率が90%以上であり、且つ、波長450nm透過率が40%以下の透過プロファイルを有する選択波長吸収材料を所定の割合で併用することで、ITO微粒子を単独で使用した場合と比較して、より高い熱線遮蔽特性を発揮することが可能となった。
尚、上述したように、本発明に係る熱線遮蔽機能を有する微粒子としてATO微粒子を選択した場合、ITO微粒子とATO微粒子とを混合使用した場合も同様である。
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
また、各実施例における選択波長吸収材料可塑剤分散液の波長450nmの光の透過率、波長550nmの光の透過率、熱線遮蔽合わせ無機ガラスの可視光透過率、および、日射透過率は、日立製作所(株)製の分光光度計U−4000を用いて測定した。尚、当該日射透過率は、熱線遮蔽合わせ透明基材の熱線遮蔽性能を示す指標である。
また、ヘイズ値は村上色彩技術研究所(株)社製HR−200を用い、JISK7105に基づいて測定した。尚、当該ヘイズ値は熱線遮蔽合わせ透明基材の透明性を示す指標である。
[実施例1]
ITO微粒子a(住友金属鉱山株式会社製:SUFP-HX)20質量%、官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル系分散剤(アミン価48mgKOH/g、分解温度250℃)のアクリル系分散剤(以下、分散剤aと略称する。)10質量%、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノネート(以下可塑剤aと略称する。)70質量%を秤量した。これらを0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、ITO微粒子の可塑剤分散液(以下、微粒子分散液Aと略称する。)を得た。
ここで、微粒子分散液A内におけるITO微粒子の分散平均粒子径を、日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ26nmであった。
一方、選択波長吸収材料としてBASF(株)社製キノフタロン化合物を20質量%、分散剤a10質量%、可塑剤a70質量%を秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、3時間粉砕・分散処理し、選択波長吸収材料可塑剤分散液(以下、選択波長吸収材料分散液αと略称する。)を得た。
選択波長吸収材料分散液αを、可塑剤aで所定の濃度まで希釈し、ガラスセルに入れて光学特性を測定したところ波長450nmの光の透過率が5.3%であり、波長550nmの光の透過率が92.8であった。尚、当該測定に先立ち、ガラスセルに可塑剤aのみを入れてベースラインを測定した。
可塑剤a30質量%、ポリビニルブチラール樹脂70質量%を混合した混合物へ、所定量の微粒子分散液Aと選択波長吸収材料分散液αとを添加し、当該混合物中における微粒子aの濃度を1.5質量%、選択波長吸収材料の物濃度を0.0079質量%とし、熱線遮蔽膜の製造用組成物Aを得た。この結果、熱線遮蔽膜の製造用組成物Aにおける前記選択波長吸収材料と前記ITO微粒子との重量比(ITO微粒子/選択波長吸収材料)は1.5/0.0079=99.5/0.5となった。
この熱線遮蔽膜の製造用組成物Aを、二軸押出機で200℃で混練し、Tダイより押出しカレンダーロール法により0.7mm厚のシートとして、実施例1に係る熱線遮蔽膜を得た。
得られた実施例1に係る熱線遮蔽膜を2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して、実施例1に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。
熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性は、表1に示すように、可視光透過率78.5%のときの日射透過率は43.5%で、ヘイズ値は1.1%であった。この結果を表1に示した。
[実施例2〜33]
実施例1で説明した、熱線遮蔽膜の製造用組成物A中における微粒子aの濃度と、選択波長吸収材料の種類、濃度とを変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜33に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。そして当該実施例2〜33に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性を実施例1と同様に測定した。この実施例2〜33における微粒子aの濃度、選択波長吸収材料の種類、および濃度を表1に示した。さらに、実施例2〜33に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性測定結果を表1に示した。
尚、選択波長吸収材料として、実施例2〜16においては、上述したキノフタロン化合物を用い、実施例17〜28においては、ニッケルアゾ化合物を用い、実施例29においては、イソインドリン化合物を用い、実施例30においては、キノキサリン化合物を用い、実施例31においては、縮合ジアゾ化合物を用い、実施例32においては、イソインドリノン化合物を用い、実施例33においては、バナジン酸ビスマス化合物を用いた。
[比較例1〜4]
実施例1で説明した、熱線遮蔽膜の製造用組成物A中における微粒子aの濃度を変え、選択波長吸収材料を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1〜4に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。そして当該比較例1〜4に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性を実施例1と同様に測定した。この比較例1〜4における微粒子aの濃度を表2に示した。さらに、比較例1〜4に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性測定結果を表2に示した。
[比較例5〜9]
実施例1で説明した、熱線遮蔽膜の製造用組成物A中における微粒子aの濃度と選択波長吸収材料の種類、濃度を変えた以外は、実施例1と同様にして比較例5〜9に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。この結果を表2に示した。
尚、選択波長吸収材料として、比較例5においては、ベンツイミダゾロン化合物を用い、比較例6〜9においては、上述したキノフタロン化合物を用いた。
[実施例34]
ATO微粒子b(石原産業株式会社製:SN−100P)20質量%、分散剤a10質量%、可塑剤a70質量%を秤量した。これらを0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、ATO微粒子の可塑剤分散液(以下、微粒子分散液Bと略称する。)を得た。ここで、微粒子分散液B内におけるATO微粒子の分散平均粒子径を、日機装製マイクロトラック粒度分布計で測定したところ29nmであった。
可塑剤a30質量%、ポリビニルブチラール樹脂70質量%を混合した混合物へ、所定量の微粒子分散液Bと選択波長吸収材料分散液αを添加し、当該混合物中における微粒子bの濃度を0.25質量%、選択波長吸収材料の物濃度を0.0278質量%とし、熱線遮蔽膜の製造用組成物Bを得た。この結果、熱線遮蔽膜の製造用組成物Bにおける前記選択波長吸収材料と前記ATO微粒子との重量比(ATO微粒子/選択波長吸収材料)は2.5/0.0278=99/1となった。この熱線遮蔽膜の製造用組成物Bを、二軸押出機で200℃で混練、Tダイより押出しカレンダーロール法により0.7mm厚のシートとして実施例34に係る熱線遮蔽膜を得た。
得られた熱線遮蔽膜を2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して、実施例34に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。そして当該実施例34に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性を実施例1と同様に測定した。
熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性は、表2に示すように、可視光透過率70.2%のときの日射透過率は30.5%で、ヘイズ値は1.3%であった。
[実施例35〜39]
実施例34で説明した、熱線遮蔽膜の製造用組成物B中における選択波長吸収材料の種類を変えた以外は、実施例34と同様にして実施例35〜39に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。そして当該実施例35〜39に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性を実施例34と同様に測定した。この実施例35〜39における微粒子bの濃度、選択波長吸収材料の種類、および濃度を表2に示した。さらに、実施例35〜39に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性測定結果を表2に示した。
尚、選択波長吸収材料として実施例35においては、ニッケルアゾ化合物を用い、実施例36においては、イソインドリン化合物を用い、実施例37においては、キノキサリン化合物を用い、実施例38においては、縮合ジアゾ化合物を用い、実施例39においては、イソインドリノン化合物を用いた。
[比較例10]
選択波長吸収材料を添加しなかった以外は、実施例34と同様にして比較例10に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。この結果を表2に示した。
[実施例40]
実施例1で説明した可塑剤a30質量%、ポリビニルブチラール樹脂70質量%を混合した組成物へ、所定量の微粒子分散液Aと選択波長吸収材料分散液αと赤外線吸収性有機化合物として日本カーリット(株)製ジイモニウム化合物CIR−RLとを添加し、当該混合物中における微粒子aの濃度を1.25質量%、選択波長吸収材料の物濃度を0.0126質量%、赤外線吸収性有機化合物を0.0126質量%とし、熱線遮蔽膜の製造用組成物Cを得た。この結果、熱線遮蔽膜の製造用組成物Cにおける前記選択波長吸収材料と前記ITO微粒子との重量比(ITO微粒子/選択波長吸収材料)は1.25/0.0126=99/1となった。この熱線遮蔽膜の製造用組成物Cを二軸押出機で200℃で混練、Tダイより押出しカレンダーロール法により0.7mm厚のシートとして実施例40に係る熱線遮蔽膜を得た。
得られた熱線遮蔽膜を2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して、実施例40に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。そして当該実施例40に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性を実施例1と同様に測定した。
熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性は、表2に示すように、可視光透過率78.1%のときの日射透過率は39.4%で、ヘイズ値は1.3%であった。
[実施例41〜51]
実施例40で説明した、熱線遮蔽膜の製造用組成物C中における選択波長吸収材料の種類、濃度、赤外線吸収性有機化合物の種類、濃度を変えた以外は、実施例40と同様にして実施例41〜51に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。そして当該実施例41〜51に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性を実施例40と同様に測定した。この実施例41〜51における微粒子aの濃度、選択波長吸収材料の種類および濃度、赤外線吸収性有機化合物の種類および濃度を表2に示した。さらに、実施例41〜51に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性測定結果を表2に示した。
尚、選択波長吸収材料として、実施例41〜43、48、50、51においては、上述したキノフタロン化合物を用い、実施例44〜47、49においては、ニッケルアゾ化合物を用いた。
一方、赤外線吸収性有機化合物として、実施例41〜47、50、51においては、上述したジイモニウム化合物を用い、実施例48、49においては、フタロシアニン系化合物を用いた。
[実施例52]
赤外線反射フィルム(住友3M社製 スコッチティントS90:可視光透過率89%、日射反射率22%)を、実施例5で得られた熱線遮蔽膜と透明なPVB中間膜とで挟み、さらに2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して、実施例52に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。
そして、当該実施例52に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性を、実施例1と同様に測定した。当該測定の際、透明なPVB中間膜が接しているガラス面から光学特性を測定した。
この実施例52における微粒子aの濃度、選択波長吸収材料の種類および濃度、赤外線吸収性有機化合物の種類および濃度を表3に示した。さらに、実施例52係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性測定結果を表3に示した。
[実施例53〜55]
実施例52で説明した赤外線反射フィルムと、実施例6〜8で得られた熱線遮蔽膜とを用いて、実施例52と同様の操作を行い、実施例53〜55に係る熱線遮蔽合わせ透明基材を得た。
当該実施例53〜55に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性を実施例1と同様に測定した。そして、実施例53〜55における微粒子aの濃度、選択波長吸収材料の種類および濃度、赤外線吸収性有機化合物の種類および濃度を表3に示した。さらに、実施例53〜55に係る熱線遮蔽合わせ透明基材の光学特性測定結果を表3に示した。
Figure 2013203574
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[実施例1〜16および比較例1〜4、6〜9の評価]
実施例1〜16においては、選択波長吸収材料をITO微粒子と併用したことによって、より低い日射透過率が得られた。
当該結果を、図1を用いて説明する。
図1は、縦軸に日射透過率をとり、横軸に可視光透過率をとったグラフである。そして、当該グラフへ(ITO微粒子a/選択波長吸収材料〈キノフタロン化合物〉)の重量比Aが99.5/0.5である実施例1〜4のデータを−○−でプロットし、99/1である実施例5〜8のデータを−□−でプロットし、98/2である実施例9〜12のデータを−△−でプロットし、97/3である実施例13〜16のデータを−◇−でプロットし、100/0である比較例1〜4のデータを−×−でプロットし、96/4である比較例6〜9のデータを−+−でプロットしたものである。
図1より、実施例1〜16に示すように前記選択波長吸収材料と前記ITO微粒子の重量比(ITO微粒子a/選択波長吸収材料〈キノフタロン化合物〉)を、99.9/0.1〜97/3の範囲とすることで、比較例1〜4に示すようにITO微粒子を単独で使用した場合と比較して、より高い遮熱性能が得られることが判明した。
一方、比較例6〜9に示すように(ITO微粒子a/選択波長吸収材料〈キノフタロン化合物〉)を96/4として、99.9/0.1〜97/3の範囲外とすると、ITO微粒子を単独で使用した場合と比較しても、遮熱特性が低下することが判明した。
[実施例17〜28および比較例1〜4の評価]
実施例17〜28においても、選択波長吸収材料をITO微粒子と併用したことによって、より低い日射透過率が得られる。
当該結果を、図2を用いて説明する。
図2は、図1と同様のグラフへ(ITO微粒子a/選択波長吸収材料〈ニッケルアゾ化合物〉)の重量比Aが99.5/0.5である実施例17〜20のデータを−○−でプロットし、99/1である実施例21〜24のデータを−□−でプロットし、98/2である実施例25〜28のデータを−△−でプロットし、100/0である比較例1〜4のデータを−×−でプロットしたものである。
図2より、前記選択波長吸収材料と前記ITO微粒子の重量比(ITO微粒子a/選択波長吸収材料〈ニッケルアゾ化合物〉)を、99.9/0.1〜97/3の範囲とすることで、比較例1〜4に示すようにITO微粒子を単独で使用した場合と比較して、より高い遮熱性能が得られることが判明した。
[実施例29〜33および比較例1〜4、5の評価]
実施例29〜33においては、選択波長吸収材料をITO微粒子と併用したことによって、より低い日射透過率が得られた。
当該結果を、図3を用いて説明する。
図3は、図1と同様のグラフへ選択波長吸収材料がイソインドリン化合物である実施例29のデータを−○−でプロットし、キノキサリン化合物である実施例30のデータを−□−でプロットし、縮合ジアゾ化合物である実施例31のデータを−△−でプロットし、イソインドリノン化合物である実施例32のデータを−◇−、バナジン酸ビスマス化合物である実施例33のデータを−×−でプロットし、ベンツイミダゾロン化合物である比較例5のデータを−*−でプロットし、これらの選択波長吸収材料を添加しない比較例1〜4のデータを−+−でプロットしたものである。
図3より、波長550nmの光の透過率が90%以上であり、且つ、波長450nmに光の透過率が40%以下の透過プロファイルを有する選択波長吸収材料と、前記ITO微粒子とを併用したことによって、ITO微粒子を単独で使用した場合と比較して、より高い遮熱性能が得られることが判明した。
一方、比較例5においては、使用した選択波長吸収材料の透過プロファイルは、波長550nmの光の透過率が90%以下であり、且つ、波長450nmの光の透過率が40%以上であって、本発明で規定した範囲外であるため、ITO微粒子を単独で使用した場合と比較しても遮熱特性が低下した。
[実施例34〜39および比較例10の評価]
実施例34〜39においては、選択波長吸収材料をATO微粒子と併用したことによって、より低い日射透過率が得られた。また、波長550nmの光の透過率が90%以上であり、且つ、波長450nmに光の透過率が40%以下の透過プロファイルを有する選択波長吸収材料と、前記ATO微粒子とを併用したことによって、比較例10に記載したATO微粒子を単独で使用した場合と比較して、より高い遮熱性能が得られることが判明した。
また、本発明に係る熱線遮蔽機能を有する微粒子として、ATO微粒子はITO微粒子を同様に適用出来ることも判明した。従って、ITO微粒子とATO微粒子とを混合使用した場合も同様であると考えられる。
[実施例5〜8、40〜47および比較例1〜4の評価]
実施例40〜47においては、選択波長吸収材料と赤外線吸収性有機化合物とを、ITO微粒子と併用したことによって、より低い日射透過率が得られた。
当該結果を、図4を用いて説明する。
図4は、図1と同様のグラフへ(ITO微粒子/選択波長吸収材料〈キノフタロン化合物〉)の重量比Aが99/1であり、(ITO微粒子/赤外線吸収性有機化合物〈ジイモニウム系化合物〉)の重量比Bが99/1である実施例40〜43のデータを−○−でプロットし、(ITO微粒子/選択波長吸収材料〈ニッケルアゾ化合物〉)の重量比Aが99/1であり、(ITO微粒子/赤外線吸収性有機化合物〈ジイモニウム系化合物〉)の重量比Bが99/1である実施例44〜47のデータを−□−でプロットし、(ITO微粒子/選択波長吸収材料〈キノフタロン化合物〉)の重量比Aが99/1である実施例5〜8のデータを−△−でプロットし、100/0である比較例1〜4のデータを−×−でプロットしたものである。
図4より、選択波長吸収材料と赤外線吸収性有機化合物とを、ITO微粒子と併用したことにより、ITO微粒子を単独で使用した場合、または、選択波長吸収材料とITO微粒子とを併用した場合と比較して、より高い遮熱性能が得られることが判明した。
[実施例48〜51および比較例1〜4の評価]
実施例48〜51においては、選択波長吸収材料と赤外線吸収性有機化合物とを、ITO微粒子と併用した。実施例48〜51においては当該併用を行ったことによって、当該併用を行っていない比較例1〜4より低い日射透過率が得られた。また、選択波長吸収材料と赤外線吸収性有機化合物とを、ITO微粒子と併用したことにより、ITO微粒子を単独で使用した場合と比較して、より高い遮熱性能が得られることが判明した。
ここで、実施例48においては(ITO微粒子/選択波長吸収材料〈キノフタロン化合物〉)の重量比Aを99/1とし、(ITO微粒子/赤外線吸収性有機化合物〈フタロシアニン系化合物〉)の重量比Bを99/1とし、(ITO微粒子/赤外線吸収性有機化合物〈フタロシアニン系化合物〉)の重量比Bを99/1とし、実施例49においては(ITO微粒子/選択波長吸収材料〈ニッケルアゾ化合物〉)の重量比Aを99/1とし、(ITO微粒子/赤外線吸収性有機化合物〈フタロシアニン系化合物〉)の重量比Bを99/1とし、実施例50においては(ITO微粒子/選択波長吸収材料〈キノフタロン化合物〉)の重量比Aを99/1とし、(ITO微粒子/赤外線吸収性有機化合物〈ジイモニウム系化合物〉)の重量比Bを95/5とし、実施例51においては(ITO微粒子/選択波長吸収材料〈キノフタロン化合物〉)の重量比Aを99/1とし、(ITO微粒子/赤外線吸収性有機化合物〈ジイモニウム系化合物〉)の重量比Bを99.5/0.5とした。
[実施例52〜55の評価]
実施例52〜55においては、選択波長吸収材料と赤外線反射フィルムとを、ITO微粒子と併用した。当該併用を行ったことによって実施例52〜55においては、当該併用を行っていない比較例1〜4より低い日射透過率が得られた。また、選択波長吸収材料と赤外線反射フィルムと、ITO微粒子とを併用したことにより、ITO微粒子を単独で使用した場合と比較して、より高い遮熱性能が得られることが判明した。

Claims (15)

  1. 熱線遮蔽機能を有する化合物と、選択波長吸収材料と、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを含有する熱線遮蔽膜であって、前記熱線遮蔽機能を有する化合物が、インジウム錫酸化物微粒子、アンチモン錫酸化物微粒子から選択される1種類以上であり、前記選択波長吸収材料は、波長550nmの光の透過率が90%以上であり、且つ、波長450nmの光の透過率が40%以下の透過プロファイルを有することを特徴とする熱線遮蔽膜。
  2. 前記インジウム錫酸化物微粒子、アンチモン錫酸化物微粒子が、平均粒径40nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽膜。
  3. 前記選択波長吸収材料が、イソインドリン化合物、イソインドリノン化合物、キノキサリン化合物、キノフタロン化合物、縮合ジアゾ化合物、ニッケルアゾ化合物、バナジン酸ビスマス化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽膜。
  4. 前記選択波長吸収材料が、波長550nmの光の透過率が90%以上であり、且つ、波長450nmの光の透過率が15%以下の透過プロファイルを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱線遮蔽膜。
  5. 前記選択波長吸収材料が、キノフタロン化合物、ニッケルアゾ化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽膜。
  6. 前記選択波長吸収材料と、前記インジウム錫酸化物微粒子および/またはアンチモン錫酸化物微粒子酸化物微粒子との重量比が[(インジウム錫酸化物微粒子および/またはアンチモン錫酸化物微粒子)/選択波長吸収材料]=99.9/0.1〜97/3の範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の熱線遮蔽膜。
  7. 前記熱線遮蔽膜が、さらに赤外線吸収性有機化合物を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の熱線遮蔽膜。
  8. 前記赤外線吸収性有機化合物が、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イモニウム化合物、ジイモニウム化合物、ポリメチン化合物、ジフェニルメタン化合物、トリフェニルメタン化合物、キノン化合物、アゾ化合物、ペンタジエン化合物、アゾメチン化合物、スクアリリウム化合物、有機金属錯体、シアニン化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の熱線遮蔽膜。
  9. 前記赤外線吸収性有機化合物が、フタロシアニン化合物、ジイモニウム化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項8に記載の熱線遮蔽膜。
  10. 前記赤外線吸収性有機化合物と、前記インジウム錫酸化物微粒子および/またはアンチモン錫酸化物微粒子酸化物微粒子との重量比が[(インジウム錫酸化物微粒子および/またはアンチモン錫酸化物微粒子)/赤外線吸収性有機化合物]=99.5/0.5〜95/5の範囲であることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の熱線遮蔽膜。
  11. 複数枚の透明基材間に、請求項1から10のいずれかに記載の熱線遮蔽膜が存在していることを特徴とする熱線遮蔽合わせ透明基材。
  12. 前記複数枚の透明基材間に、さらに可視光透過率88%以上であり且つ日射反射率21%以上の赤外線反射フィルムが存在していることを特徴する請求項11に記載の熱線遮蔽合わせ透明基材。
  13. 前記透明基材の内、少なくとも1枚がガラスであることを特徴とする請求項11または12に記載の熱線遮蔽合わせ透明基材。
  14. JIS R 3106で算出される可視光透過率が70%以上であり、且つ日射透過率が35%以下であることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の熱線遮蔽合わせ透明基材。
  15. 請求項11から14のいずれかに記載の熱線遮蔽合わせ透明基材が、窓材として搭載されていることを特徴とする自動車。
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