JP2013202770A - 刃先交換式エンドミル及びこれに用いるエンドミル本体 - Google Patents

刃先交換式エンドミル及びこれに用いるエンドミル本体 Download PDF

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Abstract

【課題】切削インサートの種類を増大させることなく、ひいては切削インサートの管理や取り扱いを煩雑にすることなく、加工面の品位を十分に高めることができる刃先交換式エンドミル及びこれに用いるエンドミル本体を提供すること。
【解決手段】エンドミル本体に軸線方向にずらされて複数の切削インサートが装着されるとともに、軸線回りの回転軌跡で、これら切削インサートは互いの波形切れ刃16の波形の位相を連続させるように配置されて、互いに波形の位相がずらされた波形切れ刃列を複数列形成し、切削インサートのうち、波形切れ刃列における軸線方向の先端部の波形切れ刃16を構成する先端インサート3Aが、互いに波形の位相が異なる少なくとも2つの波形切れ刃列L1、L2にそれぞれ配置されて同一形状とされているとともに、軸線に垂直な仮想平面VSに対する波形切れ刃16の傾斜が互いに異なるようにエンドミル本体に装着されることを特徴とする。
【選択図】図15

Description

本発明は、波形切れ刃を有する複数の切削インサートがエンドミル本体に着脱可能に装着された刃先交換式エンドミル、及びこれに用いるエンドミル本体に関するものである。
従来、この種の刃先交換式エンドミルとして、例えば下記特許文献1に示されるような、円柱状をなし、その軸線回りに回転されるエンドミル本体と、前記エンドミル本体の外周に着脱可能に装着される複数の切削インサートとを備え、前記エンドミル本体の径方向外側に向けられた前記切削インサートの切れ刃が、前記軸線方向に向かうに従い凹凸する波形切れ刃とされており、前記エンドミル本体に前記軸線方向にずらされて複数の前記切削インサートが装着されるとともに、前記軸線回りの回転軌跡で、これら切削インサートは互いの前記波形切れ刃の波形の位相を連続させるように配置されて、波形切れ刃列を形成したラフィングエンドミルが知られている。
特許文献1のラフィングエンドミルにおいて、その図3等に示される例では、エンドミル本体の外周に、複数の切削インサートが螺旋状に配列されてなるインサート列が周方向に4つ設けられている一方、前記波形切れ刃列については、2つが形成されている。そして、一対の波形切れ刃列同士は、波形の位相が互いに1/2波長分ずらされており、つまり互いに逆位相とされている。
特開2008−068345号公報
ところで、このように2つの波形切れ刃列を有するラフィングエンドミルにおいては、各波形切れ刃列の波形の位相を連続させるように切削インサートを配置するにあたって、当該切削インサートの種類として、一般に3種類が必要である。
具体的に、波形切れ刃列において、軸線方向の先端部以外の部位の波形切れ刃を構成する外周インサートとして1種類が必要であり、また、軸線方向の先端部の波形切れ刃を構成する先端インサートとしては、底刃に対して外周刃が波形の頂部(山部)から連なるように形状をそれぞれ確保しつつも、互いには波形の位相が異なるように、2種類が必要である。
しかしながら、このように波形切れ刃列の数に応じて先端インサートの種類が増大することは、切削インサートの管理や、取り扱い(ここで言う「取り扱い」とは、例えば切削インサートをエンドミル本体に装着する際の作業性などを差す)を鑑みると好ましくはない。特に、波形切れ刃列が3列以上となる場合には、このような問題が顕著となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、切削インサートの種類を増大させることなく、ひいては切削インサートの管理や取り扱いを煩雑にすることなく、加工面の品位を十分に高めることができる刃先交換式エンドミル及びこれに用いるエンドミル本体を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、円柱状をなし、その軸線回りに回転されるエンドミル本体と、前記エンドミル本体の外周に着脱可能に装着される複数の切削インサートと、を備えた刃先交換式エンドミルであって、前記エンドミル本体の径方向外側に向けられた前記切削インサートの切れ刃が、前記軸線方向に向かうに従い凹凸する波形切れ刃とされており、前記エンドミル本体に前記軸線方向にずらされて複数の前記切削インサートが装着されるとともに、前記軸線回りの回転軌跡で、これら切削インサートは互いの前記波形切れ刃の波形の位相を連続させるように配置されて、波形切れ刃列を形成し、前記波形切れ刃列は、互いに波形の位相がずらされて複数列形成されており、前記切削インサートは、前記波形切れ刃列における前記軸線方向の先端部以外の部位の波形切れ刃を構成する外周インサートと、前記波形切れ刃列における前記軸線方向の先端部の波形切れ刃を構成する先端インサートと、を備え、互いに波形の位相が異なる少なくとも2つの前記波形切れ刃列にそれぞれ配置された前記先端インサート同士が、同一形状とされているとともに、前記エンドミル本体の工具回転方向から見て、前記軸線に垂直な仮想平面に対する前記波形切れ刃の傾斜が互いに異なるように前記エンドミル本体に装着されることを特徴とする。
本発明の刃先交換式エンドミルによれば、エンドミル本体の径方向外側に向けられた切削インサートの切れ刃(つまり外周刃)が、軸線方向に向かうに従い凹凸する波形切れ刃とされているので、該波形切れ刃が被削材に食い付く際、その切れ刃全長が一度に食い付くことなく、波形の各山部から徐々に被削材に食い付くことになるとともに、切屑も細かくなって分断されやすいため、衝撃緩和や切削負荷の低減、切屑処理性の向上などの効果が得られる。
また、エンドミル本体に軸線方向にずらされて複数の切削インサートが装着されるとともに、これら切削インサートの波形切れ刃が、軸線回りの回転軌跡で互いの波形の位相を連続させるように配置されることにより波形切れ刃列を形成しているので、切削インサートの切れ刃に部分的に過大な切削負荷がかかるようなことが防止されて、工具寿命が延長されるとともに、振動の発生なども防止され、切削加工が円滑に行われて、加工面の品位が高められる。
具体的に、例えば本発明とは異なり、波形切れ刃列が形成されることなく、波形が部分的に分断されたり位相が不連続である場合、これら分断箇所や不連続箇所に配置された切削インサートの切れ刃部分は、他の切れ刃部分に比べて切削量が多くなり、過大な切削負荷がかかることとなって、工具寿命が短縮されるおそれがある。またこの場合、エンドミル本体の回転に合わせて周期的に切削負荷の高い部位が出現して振動が生じるなど、被削材の加工面品位への影響も考えられる。
一方、本発明によれば、波形の位相が連続する波形切れ刃列が形成されているので、工具寿命が延長されるとともに、高品位な切削加工が安定して維持される。
また、このような波形切れ刃列が、互いに波形の位相がずらされて複数列形成されているので、加工面品位がより高められる。
具体的に、例えば本発明とは異なり、波形切れ刃列が1列のみ形成されている場合には、該波形切れ刃列の軸線回りの回転軌跡から被削材の加工面に投影(転写)された波形の凹凸が、目立ちやすくなる。
一方、本発明によれば、波形切れ刃列が複数列形成されているとともに、これら波形切れ刃列同士の位相が互いにずらされているので、これら波形切れ刃列のうち、一の波形切れ刃列の回転軌跡から加工面に投影された凹凸(具体的にはその凸部)が、他の波形切れ刃列によってそれぞれ切削されてより平滑な加工面となり、加工品位が高められる。
そして、互いに波形の位相が異なる少なくとも2つの波形切れ刃列にそれぞれ配置され、かつ、互いに同一形状とされた先端インサート同士が、エンドミル本体の工具回転方向から見て、軸線に垂直な仮想平面に対する波形切れ刃の傾斜が互いに異なるようにエンドミル本体に装着されているので、下記の顕著な効果を奏する。
すなわち、互いに同一形状とされつつもこのように前記仮想平面に対する波形切れ刃の傾斜が異なって(例えば、互いの波形切れ刃の同一部分における前記仮想平面に対する傾斜が異なって)エンドミル本体に装着される先端インサート同士(具体的には、共通品である例えば一対の先端インサート同士において、一方の先端インサートが、他方の先端インサートに対して傾斜させられてエンドミル本体に装着されている状態)においては、それぞれの波形切れ刃の例えば谷部同士の深さを合わせるように(互いの波形の振幅を合わせるように)、かつ、各波形が後端側に向けて連続するように、それぞれの後端側に外周インサートを配置すると、これら外周インサート同士の軸線方向の位置が、互いにずらされることになる。
つまり、共通品である同一形状の先端インサートを用いつつも、これら先端インサートの後端側にそれぞれ続く外周インサートの配置を互いに軸線方向にずらすことができる。すなわち、同一の先端インサートを用いて、個々には波形が連続して形成されつつも、互いには波形の位相が異なる複数の波形切れ刃列を、容易に構成できるのである。
このように、複数の波形切れ刃列を形成しつつも、先端インサートの種類としては、これら波形切れ刃列の数よりも少ない数とすることができ、よって先端インサートの種類を削減できる。
尚、波形切れ刃列において軸線方向の先端部以外の部位の波形を構成する外周インサートについては、例えば1種類で足りる。
従って、本発明によれば、切削インサートの種類を増大させることなく、ひいては切削インサートの管理や取り扱いを煩雑にすることなく、被削材食い付き時の衝撃緩和や切削負荷の低減、切屑処理性の向上などを図ることができ、加工面の品位を十分に高めることができるのである。
また、本発明の刃先交換式エンドミルにおいて、前記波形切れ刃列は、3列以上形成されていることとしてもよい。
この場合、3つの波形切れ刃列の波形の位相を、例えば互いに1/3波長分ずつずらすことで、一の波形切れ刃列の回転軌跡から加工面に投影された凹凸が、他の2つの波形切れ刃列によってそれぞれ略均等に切削されてさらに平滑な加工面となり、前述した効果がより顕著となる。
また、波形切れ刃列が2列形成されている場合(つまり2つの波形切れ刃列に対して、1種類の先端インサートを用いることにより両方の波形を成立させる場合)に比べて、先端インサートの形状を容易に設定しやすい。
具体的に、例えば波形切れ刃列が2列形成されている場合においては、加工面精度を確保するためにこれら波形切れ刃列同士を互いに逆位相とする(1/2波長分ずらす)ことが考えられる。しかしながら、この場合、1種類の先端インサートの波形切れ刃を傾斜させることで互いに逆位相となるように、2つの波形切れ刃列を形成することとなり、先端インサートの形状の設定が難しくなる可能性がある。
一方、波形切れ刃列が例えば3列の場合には、先端インサートが3種類未満(2種類以下)であれば本発明の効果が得られるから、先端インサートを2種類とした上で、これら先端インサートのうち1種類における波形切れ刃を傾斜させることで、互いに波形の位相が異なる3つの波形切れ刃列を容易に形成することができる。つまり、波形切れ刃列が3列以上であることによって、前述の効果を奏しつつ、先端インサートの形状の制約も低減されることになる。
尚、波形切れ刃列を2列とした場合においては、これら波形切れ刃列同士を1/2波長分ずらすように設定しなくても構わない(つまり逆位相にしなくてもよい)。具体的に、2つの波形切れ刃列同士を、例えば1/3波長分ずらすこととしてもよい。この場合には、波形切れ刃列が2列であっても、1種類の先端インサートの形状の設定が容易である。ただし、複数の波形切れ刃列の波形の位相が互いに等しくずらされている(互いに波形の凹凸を補完し合うように等間隔にずらされている)ことで、加工面品位をより向上できることから、好ましい。
また、本発明の刃先交換式エンドミルにおいて、1つの前記波形切れ刃列を構成するとともに、前記軸線方向に隣接する前記先端インサートと前記外周インサートとは、前記波形切れ刃の谷部同士を連続させるように前記エンドミル本体に配設されていることとしてもよい。
前述したように、先端インサートを傾斜させてその波形切れ刃を後端側の外周インサートの波形切れ刃に連続させた場合においては、波形の形状が若干いびつになることが考えられる。そこで、本発明のように、軸線方向に隣接する先端インサートと外周インサートとが、波形切れ刃の谷部同士を連続させていることによって、下記の効果を奏する。
すなわち、波形切れ刃が被削材から受ける切削負荷の大きさは、該波形切れ刃における山部に比べて谷部の方が小さくなることから、前述のように波形の形状が若干いびつとなった場合であっても、切削負荷の小さな谷部同士を連続させて波形切れ刃列を形成することで、先端インサートと外周インサートとの波形の繋ぎ部分における切れ刃のチッピング等が抑制されて、これら切削インサートの工具寿命が延長される。
また、本発明の刃先交換式エンドミルにおいて、前記先端インサートの波形切れ刃は、波形の1波長分未満の長さであることとしてもよい。
この場合、前述した効果が得られつつも、先端インサートの波形切れ刃を小さく形成できるとともに、該先端インサートの外形を小さくでき、製造コストが削減され、先端インサートの管理や取り扱いも容易となる。
また、本発明は、前述した刃先交換式エンドミルに用いるエンドミル本体であって、前記エンドミル本体には、前記切削インサートを装着するインサート取付座が複数形成されており、これらインサート取付座のうち、互いに同一形状である複数の前記先端インサートをそれぞれ装着する複数の先端インサート取付座同士が、互いの前記先端インサートの装着姿勢を異ならせるように形成されていることで、これら先端インサート取付座の前記先端インサート同士が、前記仮想平面に対する前記波形切れ刃の傾斜が互いに異なるように配置されることを特徴とする。
本発明のエンドミル本体によれば、同一形状(共通品)とされた先端インサートをそれぞれ装着する複数の先端インサート取付座同士が、互いの先端インサートの姿勢を異ならせるように形成されており、このような先端インサート取付座に先端インサートを装着するだけの簡単な作業によって、該先端インサート同士を前記仮想平面に対して波形切れ刃が所望の傾斜となるように配置することが可能であり、これにより前述した効果を確実に得ることができる。
本発明の刃先交換式エンドミル及びこれに用いるエンドミル本体によれば、切削インサートの種類を増大させることなく、ひいては切削インサートの管理や取り扱いを煩雑にすることなく、加工面の品位を十分に高めることができる。
本発明の一実施形態に係る刃先交換式エンドミルを工具先端側から見た正面図である。 図1の刃先交換式エンドミルを、(a)矢視A方向から見た側面図、(b)前記(a)に示される先端インサート3Aの上面を正面に見た側面図である。 図1の刃先交換式エンドミルを、(a)矢視B方向から見た側面図、(b)前記(a)に示される先端インサート3Aの上面を正面に見た側面図である。 図1の刃先交換式エンドミルを、(a)矢視C方向から見た側面図、(b)前記(a)に示される先端インサート3Bの上面を正面に見た側面図である。 刃先交換式エンドミルの切削インサートのうち、先端インサート3Aを示す斜視図である。 先端インサート3Aを示す(a)上面図、(b)側面図、(c)正面図である。 刃先交換式エンドミルの切削インサートのうち、先端インサート3Bを示す斜視図である。 先端インサート3Bを示す(a)上面図、(b)側面図、(c)正面図である。 刃先交換式エンドミルの切削インサートのうち、外周インサート3Cを示す斜視図である。 外周インサート3Cを示す(a)上面図、(b)側面図、(c)正面図である。 軸線回りの回転軌跡が波形切れ刃列L1をなす複数の切削インサートの配置を説明する図である。 軸線回りの回転軌跡が波形切れ刃列L2をなす複数の切削インサートの配置を説明する図である。 軸線回りの回転軌跡が波形切れ刃列L3をなす複数の切削インサートの配置を説明する図である。 互いに波形の位相がずらされた3つの波形切れ刃列L1〜L3を示す図である。 互いに波形の位相がずらされた複数の波形切れ刃列L1〜L3の、それぞれの波形の先端部分を拡大して示す図である。 (a)図2のF部を拡大して示す図、(b)図3のG部を拡大して示す図である。 本発明の参考例である刃先交換式エンドミルを工具先端側から見た正面図である。 図17の刃先交換式エンドミルを、(a)矢視D方向から見た側面図、(b)前記(a)に示される先端インサート3Aの上面を正面に見た側面図である。 図17の刃先交換式エンドミルを、(a)矢視E方向から見た側面図、(b)前記(a)に示される先端インサート3Bの上面を正面に見た側面図である。 軸線回りの回転軌跡が波形切れ刃列L1をなす複数の切削インサートの配置を説明する図である。 軸線回りの回転軌跡が波形切れ刃列L4をなす複数の切削インサートの配置を説明する図である。 互いに波形の位相がずらされた2つの波形切れ刃列L1、L4を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る刃先交換式エンドミル1について、図面を参照して説明する。
図1〜図4に示されるように、本実施形態の刃先交換式エンドミル1は、波形切れ刃16を有する荒削り用の切削インサート3が、円柱状をなすエンドミル本体(ホルダ)2の外周に着脱可能に複数装着された刃先交換式のラフィングエンドミルであり、具体的には、深切込み用エンドミルである。この刃先交換式エンドミル1は、エンドミル本体2の軸線O方向の後端部(図2〜図4における上端部)が、不図示の工作機械の主軸に回転可能に保持されて、その軸線O回りのうち工具回転方向Tに回転させられることにより、切削インサート3の切れ刃で被削材を切削(転削)加工する、刃先交換式の転削工具である。
尚、本明細書においては、エンドミル本体2の軸線O方向に沿う前記工作機械の主軸とは反対側(図2〜4における下側)を先端側といい、エンドミル本体2の前記主軸側(図2〜図4における上側)を後端側という。また、軸線Oに垂直な方向(軸線Oに直交する方向)を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
エンドミル本体2は、鋼材等により形成されており、その外周には、螺旋状の切屑排出溝4が周方向に間隔をあけて複数条形成されている。切屑排出溝4は、エンドミル本体2の先端から後端側に向かうに従い漸次周方向に向かって捩れている。
具体的に、これら切屑排出溝4は、エンドミル本体2の先端面に開口されているとともに、後端側に向かうに従い漸次周方向のうち工具回転方向Tの後方側に向かって延びていて、本実施形態では3条が形成されている。つまり本実施形態の刃先交換式エンドミル1は、3フルートのエンドミル本体2を有している。
また、切屑排出溝4において工具回転方向T側を向く壁面には、凹状をなすインサート取付座5が互いに間隔をあけて複数形成されており、これらインサート取付座5には、クランプネジ6によって切削インサート3がそれぞれ着脱可能に取り付けられている。インサート取付座5は、螺旋状をなす切屑排出溝4の延在方向に沿って、互いに間隔をあけて配列されている。
切削インサート3は、超硬合金等の硬質材料により形成されており、エンドミル本体2の外周先端部に配置される2種類の先端インサート3A、3Bと、エンドミル本体2の外周のうち先端部以外の部位に配置される1種類の外周インサート3Cとを備えている。本実施形態では、3つの切屑排出溝4のうち、2つの切屑排出溝4の先端部に先端インサート3Aがそれぞれ配設され、1つの切屑排出溝4に先端インサート3Bが配設されている。また、3つの切屑排出溝4における先端部以外の部位には、複数の外周インサート3Cがそれぞれ配列されている。
図5〜図10に示されるように、これら切削インサート3(3A、3B、3C)はいずれも、略四角形の平板状をなすインサート本体7を備えており、該インサート本体7の厚さ方向を向く2つの四角形面のうち、一方が上面8とされ、他方は前記厚さ方向に垂直な平坦面とされてインサート取付座5への着座面9となっている。尚、ここでいう上面8とは、あくまでインサート本体7の一部位の名称であって、エンドミル本体2に対する切削インサート3の装着姿勢などを特定するものではない。具体的に、本実施形態では、切削インサート3はその上面8をエンドミル本体2の上方(後端側)ではなく、工具回転方向T前方側(軸線O回りであるエンドミル本体2の側方)へ向けて、該エンドミル本体2に装着される。また、インサート本体7においてこれら四角形面の周囲に配置される4つの周面はそれぞれ逃げ面10とされている。
また、インサート本体7には、これら4つの逃げ面10と上面8との交差稜線をなすように、切れ刃11が形成されている。ここで、各逃げ面10は、インサート本体7の厚さ方向に沿って上面8から着座面9側に向かうに従い漸次後退するポジ逃げ面とされていて、これら切削インサート3は、切れ刃11に逃げ角が付与されたポジティブインサートとなっている。
また、インサート本体7における上面8の中央から着座面9の中央にかけては、クランプネジ6が挿通される取付孔12が前記厚さ方向に貫通して形成されている。また、上面8における取付孔12開口部周辺は、前記厚さ方向に垂直な円形状又は四角形状の平坦面とされたボス面13となっている。
上面8においてボス面13よりも外側に位置する領域には、逃げ面10に達する凹部14と凸部15とが切れ刃11に沿って交互に形成されており、これら凹部14及び凸部15が形成された上面8における周縁部分が、切れ刃11のすくい面となっている。これら凹部14と凸部15とが逃げ面10に交差して形成されることにより、切れ刃11には、上面8の周回り方向に向かって前記厚さ方向に凹凸する波形切れ刃16が形成されている。また、逃げ面10がポジ逃げ面とされていることにより、波形切れ刃16は、図6(a)、図8(a)及び図10(a)に示される上面8に対向するインサート上面視においても、該上面8の内外に凹凸する波形状をなしている。
これら切削インサート3のうち2種類の先端インサート3A、3Bは、図6(a)及び図8(a)に示されるインサート上面視において、上面8の角部が鋭角又は鈍角とされた略平行四辺形の平板状をなしている。これら先端インサート3A、3Bは、取付孔12の中心線回りに180°回転対称(2回対称)に形成されている。
先端インサート3A、3Bの切れ刃11において、平行四辺形状をなす上面8の一対の短辺部分には、前記波形切れ刃16がそれぞれ形成されている。また、図6(a)及び図8(a)に示されるように、上面8の一対の長辺部分には、凹曲線状又は直線状をなす底刃17がそれぞれ形成されている。
また、図6(a)及び図8(a)において、先端インサート3A、3Bの切れ刃11のうち、上面8の一対の鋭角な角部に対応する部分には、凸曲線状をなす先端コーナ刃18がそれぞれ形成されている。先端コーナ刃18における両端部は、波形切れ刃16と底刃17とにそれぞれ滑らかに連なっている。先端コーナ刃18は、波形切れ刃16がなす波形の一部を構成するように延びている。
図5〜図8に示されるように、先端インサート3A、3Bのインサート本体7において波形切れ刃16に対応する部位には、上面8の周方向に沿って隣接して凸部15と凹部14が1つずつ配置されており、これにより波形切れ刃16には、連続する波形の山部と谷部が1つずつ形成されている。これら先端インサート3A、3Bの各波形切れ刃16の高さ又は深さ(つまり振幅)は、互いに略同一とされている。また、先端インサート3A、3Bの波形切れ刃16は、その切れ刃全長が、該波形切れ刃16がなす波形の1波長分未満の長さとされている。
先端インサート3A、3Bにおいて、波形切れ刃16の波形の山部となる凸部15は、インサート本体7の前記鋭角な角部に隣接するように配置されているとともに、波形切れ刃16の山部と先端コーナ刃18とは、互いの前記厚さ方向に沿う位置(高さ)が略同一とされて連なっている。
すなわち、先端インサート3A、3Bの切れ刃11において、前記短辺部分には、先端コーナ刃18、波形切れ刃16の山部、谷部がこの順に連なっており、先端コーナ刃18と波形切れ刃16の山部とを繋ぐ切れ刃11部分(先端コーナ刃18と波形切れ刃16とを連結して直線状に延びる部分)は、先端インサート3Bよりも先端インサート3Aが長くなっている(図6及び図8を参照)。
具体的に、図5〜図8に示されるように、先端インサート3Aにおいて波形切れ刃16を形成する凸部15は、先端インサート3Bにおいて波形切れ刃16を形成する凸部15よりも、上面8周方向に沿う長さが長くなっている。また、これら先端インサート3A、3Bの各波形切れ刃16がなすそれぞれの波形は、ともに先端コーナ刃18に隣接する波形の山部から始まって、インサート本体7の前記鈍角な角部に向けて延びている一方で、先端インサート3A、3Bの先端コーナ刃18同士の位置を合わせたときに、互いに波形の位相が異なるように設定されている。
また、図6(c)及び図8(c)に示されるように、先端インサート3A、3Bの切れ刃11のうち底刃17は、先端コーナ刃18から前記鈍角な角部に向かって離間するに従い漸次前記厚さ方向の上面8から着座面9側に向けて傾斜するように延びている。
これら切削インサート3のうち1種類の外周インサート3Cは、図10(a)に示されるインサート上面視において、上面8が略正方形とされた平板状をなしている。外周インサート3Cは、取付孔12の中心線回りに90°回転対称(4回対称)に形成されている。
外周インサート3Cの切れ刃11において、正方形状をなす上面8の四辺には、前記波形切れ刃16がそれぞれ形成されている。
また、図10(a)に示される上面視において、外周インサート3Cの切れ刃11のうち、上面8の4つの角部に対応する部分には、凸曲線状をなすコーナ刃19がそれぞれ形成されている。尚、特に図示しないが、隣り合う逃げ面10同士の間のコーナ部を正面に見た側面視においては、コーナ刃19は凹曲線状をなしている。図10(a)に示されるように、コーナ刃19における両端部は、上面8の角部を挟んで隣り合う一対の波形切れ刃16にそれぞれ滑らかに連なっている。コーナ刃19は、波形切れ刃16がなす波形の一部を構成するように延びている。
図9及び図10に示されるように、外周インサート3Cのインサート本体7における上面8の外周縁部には、該上面8の周方向に沿って隣接して凹部14と凸部15が交互に複数配置されてすくい面を構成しており、これにより波形切れ刃16には、連続する波形の山部と谷部が複数形成されている。具体的に、本実施形態の外周インサート3Cでは、上面8の隣り合う前記角部同士の間には、3つの凹部14と2つの凸部15が交互に配列されており、これにより一定の振幅で一定の波長とされた波形切れ刃16が形成されている。
外周インサート3Cのインサート本体7において、上面8の角部に対応する部位には、波形切れ刃16の波形の谷部となる凹部14が配置されている。そして、前記コーナ刃19は、波形切れ刃16の波形の谷部に滑らかに連なっており、波形切れ刃16の谷部の最深部とコーナ刃19とは、互いの前記厚さ方向に沿う位置(高さ)が略同一とされている。
このように構成された切削インサート3(3A、3B、3C)は、図2〜図4に示されるように、その切れ刃11のうち波形切れ刃16が、軸線Oに垂直な径方向の外側に向けられて、エンドミル本体2のインサート取付座5に装着される。具体的に、エンドミル本体2に装着された切削インサート3の波形切れ刃16は、軸線O方向に向かうに従い凹凸するように延びているとともに、該エンドミル本体2の外周面から径方向外側に突出して配置される。
尚、エンドミル本体2に装着された切削インサート3のうち、先端インサート3A、3Bは、エンドミル本体2の先端面から底刃17及び先端コーナ刃18が先端側に突出して配置される。
図11〜図14に示されるように、エンドミル本体2に装着された複数の切削インサート3は、切屑排出溝4ごとに配列されていて、これにより本実施形態では3つのインサート列が形成される。こうして取り付けられた切削インサート3のうち、先端インサート3A、3Bは、エンドミル本体2の先端外周側に向けられた先端コーナ刃18の軸線O方向の位置及び径方向の位置が、互いに等しくされている。また、これら切削インサート3A、3B、3Cの外周刃となる波形切れ刃16は、工具回転方向Tの前方から後方側に見て、概ね軸線Oに平行となるように延びており、従ってこれら波形切れ刃16は、軸線O回りの回転軌跡が、該軸線Oを中心とした円筒状をなすことになる。
図14に示されるように、エンドミル本体2に装着された各切削インサート3A、3B、3Cの上面8は、軸線O方向(図14における上下方向)においては切屑排出溝4の捩れ角(図中に符号4で示される実線が上下方向に対して傾斜する角度)よりは小さな角度で後端側(図14における上側)に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に向けて傾斜させられて、正のアキシャルレーキ角が与えられている。つまり、エンドミル本体2に配設される各切削インサート3A、3B、3Cの上面8には、軸線O方向の後端側に向かうに従い漸次工具回転方向Tの後方側に向かって傾斜する設置角が与えられている。また、径方向においては、該径方向内側に向かうに従い工具回転方向T側に向けて傾斜させられて、負のラジアルレーキ角が与えられている。ただし、上面8のアキシャルレーキ角及びラジアルレーキ角の正負については、本実施形態に限定されるものではない。
そして、エンドミル本体2には、軸線O方向にずらされて複数の切削インサート3が装着されるとともに、軸線O回りの回転軌跡で、これら切削インサート3は互いの波形切れ刃16の波形の位相を連続させるように配置されて、波形切れ刃列を形成している。また、この波形切れ刃列は、互いに波形の位相がずらされて複数列形成されている。
具体的に、本実施形態では、3つのインサート列にそれぞれ配列された切削インサート3が、各インサート列に対応して波形切れ刃列をそれぞれ形成している。つまり、本実施形態では、3つの切屑排出溝4に対応して、3つの波形切れ刃列L1、L2、L3が形成されている。そして、これら3つの波形切れ刃列L1、L2、L3同士は、互いに波形の位相が1/3波長分ずつずらされている。
これら波形切れ刃列L1、L2、L3のうち、図11と図12に示される波形切れ刃列L1、L2においては、エンドミル本体2の先端部に先端インサート3Aが配置されるとともに、その後端側に向けて複数の外周インサート3Cが配列されており、波形切れ刃列L3においては、エンドミル本体2の先端部に先端インサート3Bが配置されるとともに、その後端側に向けて複数の外周インサート3Cが配列されている。各波形切れ刃列L1、L2、L3において、外周インサート3Cは、軸線O方向の先端部以外の部位の波形切れ刃16を構成しており、先端インサート3A、3Bは、軸線O方向の先端部の波形切れ刃16を構成している。
ここで、1つの切屑排出溝4に着目すると、該切屑排出溝4の先端部に配置される先端インサート3A又は3Bの波形切れ刃16は、その工具回転方向T後方側に隣り合う外周インサート3Cの波形切れ刃16に対して、回転軌跡の一部を軸線O方向にオーバーラップさせつつ、該回転軌跡の波形の位相を連続させている。また、この外周インサート3の波形切れ刃16は、その工具回転方向T後方側に隣り合う他の外周インサート3Cの波形切れ刃16に対して、回転軌跡の一部を軸線O方向にオーバーラップさせつつ、該回転軌跡の波形の位相を連続させている。
すなわち、1つ(同一)の波形切れ刃列を構成するとともに、軸線O回りの回転軌跡で軸線O方向に隣接する先端インサート3A又は3Bと、外周インサート3Cとは、互いの波形切れ刃16の谷部同士を連続させるようにエンドミル本体2に配設されている。また同様に、前記回転軌跡で軸線O方向に隣接する外周インサート3C同士も、互いに波形切れ刃16の谷部同士を連続させるように配設されている。
また、図15に示されるように、各波形切れ刃列L1、L2、L3がなす波形の先端形状は、底刃17に対して外周刃が波形の頂部(山部)から連なるように形成されている。すなわち、波形の先端形状は、底刃17から径方向外側に向けて突出するように形成された先端コーナ刃18を起点として、その後端側の波形切れ刃16へと連なっている。尚、底刃17は、先端コーナ刃18から径方向内側へ向かうに従い漸次軸線O方向の後端側に向かって傾斜している。
そして、図14及び図15に示されるように、互いに波形の位相が異なる2つの波形切れ刃列L1、L2にそれぞれ配置された先端インサート3A同士は、前述のように互いに同一形状とされている一方で、エンドミル本体2の工具回転方向Tから見て(図15に示されるように、工具回転方向Tの前方から後方側へ向かって上面8を正面に見て)、軸線Oに垂直な仮想平面VSに対する波形切れ刃16の傾斜が互いに異なるようにエンドミル本体2に装着されている。尚、ここで言う「傾斜」とは、仮想平面VSと波形切れ刃16との間に形成される角度を表しており、直角をも含む概念である。
具体的に、波形切れ刃列L1、L2の先端インサート3Aを、上面8を正面に見たときに、波形切れ刃列L1を構成する先端インサート3Aの波形切れ刃16は、軸線Oにほぼ平行となるように延びている(軸線O方向は図15においては上下方向であり、波形切れ刃列L1の先端インサート3Aの波形切れ刃16は、この上下方向にほぼ沿うように延びている)。一方、波形切れ刃列L2を構成する先端インサート3Aの波形切れ刃16は、軸線O方向の先端から後端側(図15における上側)に向かうに従い漸次径方向内側(図15における左側)に向かって傾斜するように延びている。つまり、これら2つの波形切れ刃列L1、L2の先端インサート3A同士のうち、一方の先端インサート3Aは他方の先端インサート3Aに対して、取付孔12の中心線回りに回転させられるように傾けられている。
ここで、図15及び図16に符号θ1で示されるものは、波形切れ刃列L1の先端インサート3Aにおいてエンドミル本体2の径方向外側に向けられた波形切れ刃16の直線状部分(該波形切れ刃16において先端コーナ刃18に隣接して直線状に延びる部分)が、軸線Oに垂直な仮想平面VSに対して傾斜する角度であり、符号θ2で示されるものは、波形切れ刃列L2の先端インサート3Aにおいてエンドミル本体2の径方向外側に向けられた波形切れ刃16の直線状部分が、仮想平面VSに対して傾斜する角度である。そして、これら角度θ1と角度θ2とは互いに異なっているとともに、波形切れ刃列L1、L2の先端インサート3A同士は、仮想平面VSに対する波形切れ刃16の傾斜が互いに異なるようにエンドミル本体2に装着されている。
また、波形切れ刃列L1、L2の各先端インサート3Aの後端側にそれぞれ連なる外周インサート3C同士は、各先端インサート3Aの波形切れ刃16に対して自身の波形切れ刃16の波形の位相を合わせるように、かつ、波形の振幅も合わせるように、軸線O方向に互いに位相が1/3波長分ずらされて配置されている。
また、波形切れ刃列L3に配置された先端インサート3Bは、前述した2つの先端インサート3Aに対して、波形切れ刃16の波形の位相が軸線O方向にそれぞれ1/3波長分ずつずらされている。またこれにより、この先端インサート3Bの後端側に連なる外周インサート3Cも、2つの先端インサート3Aの後端側にそれぞれ連なる各外周インサート3Cに対して、波形切れ刃16の位相が軸線O方向にそれぞれ1/3波長分ずつずらされている。
尚、図15に示される先端インサート3Bの状態は、その波形切れ刃16の波形の位相が、波形切れ刃列L1の波形の位相に対して1/2波長分ずらされたものとなっているが、前述した波形切れ刃列L2の先端インサート3A同様に、波形切れ刃16の延在する向きを傾けるとともにその後端側に連なる外周インサート3Cの軸線O方向の配置を変えることにより、波形切れ刃列L1に対して2/3波長分(1/3波長分とも言える)ずらされたものとなる。
また、この刃先交換式エンドミル1では、エンドミル本体2の複数のインサート取付座5に所定の切削インサート3(3A、3B、3C)をそれぞれ装着することで、特に切削インサート3の装着姿勢を調整することなく、前述した波形切れ刃列L1、L2、L3が形成されるようになっている。
具体的に、図2(a)(b)、図3(a)(b)及び図16(a)(b)において、波形切れ刃列L1、L2の軸線O方向の先端部の波形切れ刃16を構成する各先端インサート3Aは、前記複数のインサート取付座5のうち、波形切れ刃列L1、L2の各切屑排出溝4に対応して軸線O方向の先端部に位置する先端インサート取付座5Aにそれぞれ装着されている。ここで、波形切れ刃列L1、L2の各先端インサート取付座5Aにおいて、工具先端側(図16(a)(b)における下側)を向く壁面21と、工具径方向外側(図16(a)(b)における右側)を向く壁面22には、先端インサート3Aの逃げ面10がそれぞれ当接され、また各先端インサート取付座5Aにおいて、工具回転方向Tを向く取付面23には、先端インサート3Aの着座面9が当接される(図2(a)及び図3(a)を参照)。
また、図4(a)(b)において、波形切れ刃列L3の軸線O方向の先端部の波形切れ刃16を構成する先端インサート3Bは、前記複数のインサート取付座5のうち、波形切れ刃列L3の切屑排出溝4に対応して軸線O方向の先端部に位置する先端インサート取付座5Bに装着されている。ここで、波形切れ刃列L3の先端インサート取付座5Bにおいて、工具先端側を向く壁面21と、工具径方向外側を向く壁面22には、先端インサート3Bの逃げ面10がそれぞれ当接され、また先端インサート取付座5Bにおいて、工具回転方向Tを向く取付面23には、先端インサート3Bの着座面9が当接される。
尚、先端インサート取付座5A、5Bに対する先端インサート3A、3Bの装着姿勢は、取付面23に対して着座面9が当接されるとともに、壁面21、22の少なくともいずれかに対して逃げ面10が当接された状態で、該先端インサート3A、3Bの取付孔12にクランプネジ6を挿通しねじ込むことによって決まることから、例えば、これら壁面21、22のうち壁面21が設けられていなくても構わない。また、特に図示しないが、着座面9と取付面23に凹部と凸部が形成され、これら凹部及び凸部が互いに係合することで先端インサート取付座5A、5Bに対する先端インサート3A、3Bの装着姿勢が決まる(先端インサート取付座5A、5Bに対して、先端インサート3A、3Bの取付孔12回りの回転移動等が規制される)ように構成してもよく、この場合は、逃げ面10が壁面21、22の両方に当接されなくても構わない。
また、図2(a)(b)、図3(a)(b)及び図4(a)(b)において、外周インサート3Cは、前記複数のインサート取付座5のうち、軸線O方向の先端部以外に位置する外周インサート取付座5Cに装着されている。ここで、外周インサート取付座5Cにおいて、工具後端側を向く壁面24と、工具径方向外側を向く壁面25には、外周インサート3Cの逃げ面10がそれぞれ当接され、また外周インサート取付座5Cにおいて、工具回転方向Tを向く取付面26には、外周インサート3Cの着座面9が当接される。
尚、外周インサート取付座5Cに対する外周インサート3Cの装着姿勢は、取付面26に対して着座面9が当接されるとともに、壁面24、25の少なくともいずれかに対して逃げ面10が当接された状態で、該外周インサート3Cの取付孔12にクランプネジ6を挿通しねじ込むことによって決まることから、例えば、これら壁面24、25のうち壁面24が設けられていなくても構わない。また、特に図示しないが、着座面9と取付面26に凹部と凸部が形成され、これら凹部及び凸部が互いに係合することで外周インサート取付座5Cに対する外周インサート3Cの装着姿勢が決まる(外周インサート取付座5Cに対して、外周インサート3Cの取付孔12回りの回転移動等が規制される)ように構成してもよく、この場合は、逃げ面10が壁面24、25の両方に当接されなくても構わない。
このように、各インサート取付座5の壁面21、22、24、25及び取付面23、26に、各切削インサート3の逃げ面10及び着座面9が当接されることで、それぞれのインサート取付座5に対して切削インサート3が位置決めされた状態とされて、クランプネジ6により固定されている。
そして、図16(a)(b)に示されるように、エンドミル本体2は、これらインサート取付座5のうち、互いに同一形状である複数の先端インサート3Aをそれぞれ装着する複数の先端インサート取付座5A同士が、互いの先端インサート3Aの装着姿勢を異ならせるように形成されていることで、これら先端インサート取付座5Aの先端インサート3A同士が、前記仮想平面VSに対する波形切れ刃16の傾斜が互いに異なるように配置される。
以上説明した本実施形態の刃先交換式エンドミル1によれば、エンドミル本体2の径方向外側に向けられた切削インサート3の切れ刃11(つまり外周刃)が、軸線O方向に向かうに従い凹凸する波形切れ刃16とされているので、該波形切れ刃16が被削材に食い付く際、その切れ刃全長が一度に食い付くことなく、波形の各山部から徐々に被削材に食い付くことになるとともに、切屑も細かくなって分断されやすいため、衝撃緩和や切削負荷の低減、切屑処理性の向上などの効果が得られる。
また、エンドミル本体2に軸線O方向にずらされて複数の切削インサート3が装着されるとともに、これら切削インサート3の波形切れ刃16が、軸線O回りの回転軌跡で互いの波形の位相を連続させるように配置されることにより波形切れ刃列L1〜L3を形成しているので、切削インサート3の切れ刃11(波形切れ刃16)に部分的に過大な切削負荷がかかるようなことが防止されて、工具寿命が延長されるとともに、振動の発生なども防止され、切削加工が円滑に行われて、加工面の品位が高められる。
具体的に、例えば本実施形態とは異なり、波形切れ刃列が形成されることなく、波形が部分的に分断されたり位相が不連続である場合、これら分断箇所や不連続箇所に配置された切削インサートの切れ刃部分は、他の切れ刃部分に比べて切削量が多くなり、過大な切削負荷がかかることとなって、工具寿命が短縮されるおそれがある。またこの場合、エンドミル本体の回転に合わせて周期的に切削負荷の高い部位が出現して振動が生じるなど、被削材の加工面品位への影響も考えられる。
一方、本実施形態によれば、波形の位相が連続する波形切れ刃列L1〜L3が形成されているので、特に先端刃付近(先端インサート3A、3B)の工具寿命が延長されるとともに、高品位な切削加工が安定して維持される。
また、このような波形切れ刃列L1〜L3が、互いに波形の位相がずらされて複数列形成されているので、加工面品位がより高められる。
具体的に、例えば本実施形態とは異なり、波形切れ刃列が1列のみ形成されている場合には、該波形切れ刃列の軸線O回りの回転軌跡から被削材の加工面に投影(転写)された波形の凹凸が、目立ちやすくなる。
一方、本実施形態によれば、波形切れ刃列が複数列形成されて、波形切れ刃列L1〜L3とされているとともに、これら波形切れ刃列L1〜L3同士の位相が互いにずらされている。よって、これら波形切れ刃列L1〜L3のうち、一の波形切れ刃列の回転軌跡から加工面に投影された凹凸(具体的にはその凸部)が、他の波形切れ刃列によってそれぞれ切削されてより平滑な加工面となり、加工品位が高められる。
そして、互いに波形の位相が異なる2つの波形切れ刃列L1、L2にそれぞれ配置され、かつ、互いに同一形状とされた先端インサート3A同士が、エンドミル本体2の工具回転方向Tから見て、軸線Oに垂直な仮想平面VSに対する波形切れ刃16の傾斜が互いに異なるようにエンドミル本体2に装着されているので、下記の顕著な効果を奏する。
すなわち、互いに同一形状とされつつもこのように前記仮想平面VSに対する波形切れ刃16の傾斜が異なって(例えば、互いの波形切れ刃16の同一部分(本実施形態においては前記直線状部分)における仮想平面VSに対する傾斜が異なって)エンドミル本体2に装着される先端インサート3A同士(具体的には、図15及び図16(a)(b)に示されるように、共通品である一対の先端インサート3A同士において、一方の先端インサート3Aが、他方の先端インサート3Aに対して傾斜させられてエンドミル本体2に装着されている状態)においては、それぞれの波形切れ刃16の谷部同士の深さを合わせるように(互いの波形の振幅を合わせるように)、かつ、各波形が後端側に向けて連続するように、それぞれの後端側に外周インサート3Cを配置すると、これら外周インサート3C同士の軸線O方向の位置が、互いにずらされることになる。
つまり、共通品である同一形状の先端インサート3Aを用いつつも、これら先端インサート3Aの後端側にそれぞれ続く外周インサート3Cの配置を互いに軸線O方向にずらすことができる。すなわち、同一の先端インサート3Aを用いて、個々には波形が連続して形成されつつも、互いには波形の位相が異なる複数の波形切れ刃列L1、L2を、容易に構成できるのである。
このように、複数の波形切れ刃列L1〜L3を形成しつつも、先端インサート3A、3Bの種類としては、これら波形切れ刃列L1〜L3の数よりも少ない数とすることができ、よって先端インサートの種類を削減できる。
尚、波形切れ刃列L1〜L3において軸線O方向の先端部以外の部位の波形を構成する外周インサート3Cについては、本実施形態で説明したように1種類で足りる。
従って、本実施形態によれば、切削インサート3の種類を増大させることなく、ひいては切削インサートの管理や取り扱いを煩雑にすることなく、被削材食い付き時の衝撃緩和や切削負荷の低減、切屑処理性の向上などを図ることができ、加工面の品位を十分に高めることができるのである。
また、本実施形態では、波形切れ刃列L1〜L3が、3列形成されているので、3つの波形切れ刃列L1〜L3の波形の位相を、互いに1/3波長分ずつずらすことで、一の波形切れ刃列の回転軌跡から加工面に投影された凹凸が、他の2つの波形切れ刃列によってそれぞれ略均等に切削されてさらに平滑な加工面となり、前述した効果がより顕著となる。
また、波形切れ刃列が2列形成されている場合(つまり2つの波形切れ刃列に対して、1種類の先端インサートを用いることにより両方の波形を成立させる場合)に比べて、先端インサート3A、3Bの形状を容易に設定しやすい。
具体的に、例えば波形切れ刃列が2列形成されている場合においては、加工面精度を確保するためにこれら波形切れ刃列同士を互いに逆位相とする(1/2波長分ずらす)ことが考えられる。しかしながら、この場合、1種類の先端インサートの波形切れ刃16を傾斜させることで互いに逆位相となるように、2つの波形切れ刃列を形成することとなり、先端インサートの形状の設定が難しくなる可能性がある。
一方、波形切れ刃列が3列の場合には、先端インサートが3種類未満(2種類以下)であれば本発明の効果が得られるから、本実施形態のように先端インサートを2種類とした上で、これら先端インサート3A、3Bのうち1種類(本実施形態では先端インサート3A)における波形切れ刃16を傾斜させることで、互いに波形の位相が異なる3つの波形切れ刃列L1〜L3を容易に形成することができる。
尚、波形切れ刃列の数は本実施形態で説明した3列に限定されるものではないが、3列以上とすることで、前述した効果が確実に得られやすくなることから、好ましい。つまり、波形切れ刃列が3列以上であることによって、前述の効果を奏しつつ、先端インサートの形状の制約も低減されることになる。
尚、波形切れ刃列を2列とした場合においては、これら波形切れ刃列同士を1/2波長分ずらすように設定しなくても構わない(つまり逆位相にしなくてもよい)。具体的に、2つの波形切れ刃列同士を、例えば1/3波長分ずらすこととしてもよい。この場合には、波形切れ刃列が2列であっても、1種類の先端インサートの形状の設定が容易である。ただし、本実施形態で説明したように、複数の波形切れ刃列の波形の位相が互いに等しくずらされている(互いに波形の凹凸を補完し合うように軸線O方向に等間隔にずらされている)ことで、加工面品位をより向上できることから、好ましい。
また、前述した波形切れ刃列L2のように、先端インサート3Aを傾斜させて、その波形切れ刃16を後端側の外周インサート3Cの波形切れ刃16に連続させた場合においては、波形の形状が若干いびつになることが考えられる。そこで、本実施形態で説明したように、軸線O回りの回転軌跡で軸線O方向に隣接する先端インサート3Aと外周インサート3Cとが、波形切れ刃16の谷部同士を連続させていることによって、下記の効果を奏する。
すなわち、波形切れ刃16が被削材から受ける切削負荷の大きさは、該波形切れ刃16における山部に比べて谷部の方が小さくなることから、前述のように波形の形状が若干いびつとなった場合であっても、切削負荷の小さな谷部同士を連続させて波形切れ刃列L2を形成することで、先端インサート3Aと外周インサート3Cとの波形の繋ぎ部分における切れ刃11のチッピング等が抑制されて、これら切削インサート3A、3Cの工具寿命が延長される。
尚、本実施形態においては、軸線O回りの回転軌跡で軸線O方向に隣接する先端インサート3Bと外周インサート3Cについても、互いの波形切れ刃16の谷部同士を連続させており、また、前記回転軌跡で軸線O方向に隣接する外周インサート3C同士も、互いの波形切れ刃16の谷部同士を連続させているので、これら谷部同士の繋ぎ部分においても切削負荷が低減されて、チッピング等が抑制されている。
また、先端インサート3A、3Bの波形切れ刃16は、波形の1波長分未満の長さであるので、前述した効果が得られつつも、先端インサート3A、3Bの波形切れ刃16を小さく形成できるとともに、該先端インサート3A、3Bの外形を小さくでき、製造コストが削減され、先端インサート3A、3Bの管理や取り扱いも容易である。
また、本実施形態のエンドミル本体2によれば、同一形状(共通品)とされた先端インサート3Aをそれぞれ装着する複数の先端インサート取付座5A同士が、互いの先端インサート3Aの姿勢を異ならせるように形成されており、このような先端インサート取付座5Aに先端インサート3Aを装着するだけの簡単な作業によって、該先端インサート3A同士を前記仮想平面VSに対して波形切れ刃16が所望の傾斜となるように配置することが可能であり、これにより前述した効果を確実に得ることができる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、刃先交換式エンドミル1は深切込み用エンドミルであり、波形切れ刃列L1〜L3には、複数の外周インサート3Cがそれぞれ配列されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、波形切れ刃列L1〜L3に配置される外周インサート3Cは、それぞれ1つずつであっても構わない。
また、前述の実施形態では、互いに波形の位相が異なる2つの波形切れ刃列L1、L2にそれぞれ配置された先端インサート3A同士が共通品(同一形状)とされており、エンドミル本体2の工具回転方向Tから見て、これら先端インサート3Aが、軸線Oに垂直な仮想平面VSに対する波形切れ刃16の傾斜が互いに異なるようにエンドミル本体2に装着されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、互いに波形の位相が異なる少なくとも2つの波形切れ刃列にそれぞれ配置された先端インサート同士が共通品とされて、これら先端インサートが、前記仮想平面VSに対して互いに波形切れ刃16の傾斜が異なるように配設されていればよいことから、前述した3つの波形切れ刃列L1〜L3すべてに、共通品の先端インサート3Aがそれぞれ配設されて、前記仮想平面VSに対する波形切れ刃16の傾斜が互いに異なっていても構わない。尚、前述した実施形態では、波形切れ刃16の直線状部分と仮想平面VSとの間に形成される角度θ1と角度θ2とが異なっている例について説明したが、これに限定されるものではなく、先端インサート3A同士は、波形切れ刃16の前記直線状部分以外の部位において、互いの傾斜が異なっていてもよい。
また、先端インサート3Aを共通品として用いる代わりに、先端インサート3Bを共通品として用いることとしても構わない。
また、前述の実施形態では、切屑排出溝4が3条形成された3フルートのエンドミル本体2を用いて説明したが、例えば、切屑排出溝4が2条形成された2フルートのエンドミル本体2や、切屑排出溝4が4条以上形成された4フルート以上のエンドミル本体2であっても構わない。尚、4フルートのエンドミル本体2においては、例えば4つの波形切れ刃列のうち、2つの波形切れ刃列に先端インサート3Aを用いるとともにこれらを互いに傾斜させた姿勢で装着し、残り2つの波形切れ刃列に先端インサート3Bを用いるとともにこれらを互いに傾斜させた姿勢で装着することとしてもよく、或いは、4つの波形切れ刃列のうち、3つの波形切れ刃列に先端インサート3A(又は3B)を用い、残り1つの波形切れ刃列に先端インサート3B(又は3A)を用いることとしてもよい。
つまり本発明は、前述の実施形態で説明したように波形切れ刃列の数に対して先端インサートの種類を削減できれば効果が得られていると言えるから、波形切れ刃列と先端インサートとの組み合わせは種々に設定可能であって、特に説明していない5フルート以上のものについても同様である。尚、例えば3フルート以上など、フルート数が多くなるに従いその効果が顕著に得られやすくなる。
また、各切屑排出溝4のインサート列ごとに、波形切れ刃列L1〜L3が形成されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、各切屑排出溝4のインサート列ごとに波形切れ刃列が形成されていなくてもよく、従って、例えば4つの切屑排出溝4に対して、波形切れ刃列が2つ形成されていてもよい。
また、3つの波形切れ刃列L1〜L3同士は、互いに波形の位相が1/3波長分ずつずらされているとしたが、これら波形の位相は均等にずらされていなくてもよい。
また、切削インサート3が、エンドミル本体2のインサート取付座5にクランプネジ6によって取り付けられることとしたが、それ以外のクサビ部材等によって着脱可能に装着される構成であってもよい。
ここで、図17〜図22に示される刃先交換式エンドミル30は、本実施形態の参考例である。この参考例では、エンドミル本体2に切屑排出溝4が2条形成されているとともに、波形切れ刃列は、互いに波形の位相がずらされて2列形成されており、先端インサートとしても2種類(前述の先端インサート3A、3B)が用いられている。
図22に示されるように、2つの波形切れ刃列L1、L4は、互いに波形の位相が1/2波長分ずらされて、逆位相となっている。これら2つの波形切れ刃列L1、L4のうち、波形切れ刃列L1については、前述の実施形態で説明したものと同一であるので、その説明を省略する。波形切れ刃列L4については、先端部に先端インサート3Bが配置され、その後端側に複数の外周インサート3Cが配列されている点においては前述した波形切れ刃列L3と同様であるが、先端インサート3Bの前記仮想平面VSに対する波形切れ刃16の傾斜において、これら波形切れ刃列L3、L4同士は互いに異なっている。すなわち、波形切れ刃列L3に配設される先端インサート3Bのエンドミル本体2への装着姿勢に対して、波形切れ刃列L4に配設される先端インサート3Bは傾けられている。
この参考例で説明した2フルートのエンドミル本体2と、前述の実施形態で説明した3フルートのエンドミル本体2とは、各切削インサート3A、3B、3Cを共用できるようになっている。そして、これらエンドミル本体2に形成された波形切れ刃列L1〜L4(計4種類)に対して、先端インサート3A、3B(計2種類)で対応可能であり、このようにシリーズ品とされた刃先交換式エンドミル1、30に本発明を適用することによって、さらなる効果が得られることになる。
1 刃先交換式エンドミル
2 エンドミル本体
3 切削インサート
3A 先端インサート
3C 外周インサート
5 インサート取付座
5A 先端インサート取付座
11 切れ刃
16 波形切れ刃
L1、L2、L3 波形切れ刃列
O 軸線
T 工具回転方向
VS 軸線Oに垂直な仮想平面

Claims (5)

  1. 円柱状をなし、その軸線回りに回転されるエンドミル本体と、
    前記エンドミル本体の外周に着脱可能に装着される複数の切削インサートと、を備えた刃先交換式エンドミルであって、
    前記エンドミル本体の径方向外側に向けられた前記切削インサートの切れ刃が、前記軸線方向に向かうに従い凹凸する波形切れ刃とされており、
    前記エンドミル本体に前記軸線方向にずらされて複数の前記切削インサートが装着されるとともに、前記軸線回りの回転軌跡で、これら切削インサートは互いの前記波形切れ刃の波形の位相を連続させるように配置されて、波形切れ刃列を形成し、
    前記波形切れ刃列は、互いに波形の位相がずらされて複数列形成されており、
    前記切削インサートは、
    前記波形切れ刃列における前記軸線方向の先端部以外の部位の波形切れ刃を構成する外周インサートと、
    前記波形切れ刃列における前記軸線方向の先端部の波形切れ刃を構成する先端インサートと、を備え、
    互いに波形の位相が異なる少なくとも2つの前記波形切れ刃列にそれぞれ配置された前記先端インサート同士が、同一形状とされているとともに、前記エンドミル本体の工具回転方向から見て、前記軸線に垂直な仮想平面に対する前記波形切れ刃の傾斜が互いに異なるように前記エンドミル本体に装着されることを特徴とする刃先交換式エンドミル。
  2. 請求項1に記載の刃先交換式エンドミルであって、
    前記波形切れ刃列は、3列以上形成されていることを特徴とする刃先交換式エンドミル。
  3. 請求項1又は2に記載の刃先交換式エンドミルであって、
    1つの前記波形切れ刃列を構成するとともに、前記軸線方向に隣接する前記先端インサートと前記外周インサートとは、前記波形切れ刃の谷部同士を連続させるように前記エンドミル本体に配設されていることを特徴とする刃先交換式エンドミル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の刃先交換式エンドミルであって、
    前記先端インサートの波形切れ刃は、波形の1波長分未満の長さであることを特徴とする刃先交換式エンドミル。
  5. 前記エンドミル本体には、前記切削インサートを装着するインサート取付座が複数形成されており、
    これらインサート取付座のうち、互いに同一形状である複数の前記先端インサートをそれぞれ装着する複数の先端インサート取付座同士が、互いの前記先端インサートの装着姿勢を異ならせるように形成されていることで、これら先端インサート取付座の前記先端インサート同士が、前記仮想平面に対する前記波形切れ刃の傾斜が互いに異なるように配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の刃先交換式エンドミルに用いるエンドミル本体。
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