JP2013202196A - 磁気共鳴イメージング装置及び画像再構成方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及び画像再構成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】傾斜磁場分布がなだらかな領域を歪み補正することにより発生する間延びノイズを除去し、間延びノイズのない歪み補正画像を得ることを目的とする。
【解決手段】補正後の画像がどの座標からきたのかを特定し、補正前画素座標マップを作成する。補正前画素座標マップから例えば微分等の方法により傾きを算出し、傾きが閾値以下の領域を間延びノイズ領域とし、領域の画素値を所定の値にすることにより、歪み補正により発生する間延びノイズを除去した磁気共鳴画像を得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置と称する)における取得画像の間延びノイズ除去技術に関する。特に、傾斜磁場強度の分布(以下、傾斜磁場分布と称する)の非線形性を要因とする間延びノイズの除去技術に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生する核磁気共鳴(NMR)信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、NMR信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたNMR信号は、2次元又は3次元フーリエ変換され画像に再構成される。
正しい再構成画像を得るためには、NMR信号に位相エンコードを付与する傾斜磁場分布が線形でなければならない。しかし、現在のMRI装置では、磁石のボアを短くしたり傾斜磁場の速度を改善したりするため、傾斜磁場分布の線形性は犠牲にされている。このような傾斜磁場分布の非線形性は、再構成画像に歪みを生じさせる。従って、正しい画像を得ることができない。このため、傾斜磁場分布の歪みから、傾斜磁場分布の非線形性による再構成画像の歪み量を推定し、画像の歪みを補正する手法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、この提案手法では傾斜磁場強度が折り返すことにより、同一の傾斜磁場強度を持つ点が複数存在する。傾斜磁場強度が同じ点が複数存在すると、傾斜磁場分布の歪みから歪み量を推定するときに正しい歪み量を計算することができずアーティファクトが発生する。この発生するアーティファクトを除去する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−226199号公報 国際公開2006/057395号パンフレット
Andrew Janke, Huawei Zhao, Gary J. Cowin, Graham J. Galloway and David M. Doddrell "Use of Spherical Harmonic Deconvolution Methods to Compensate for Nonlinear Gradient Effects on MRI Images" Magnetic Resonance in Medicine 52:115−122(2004)
しかしながら、上述したような従来の技術では、図1で示すような非線形の傾斜磁場分布において傾斜磁場が折り返す点(以下、極値点と称する)の近辺で発生する傾斜磁場分布がなだらかになるような領域の再構成画像を補正することによって発生する間延びノイズを除去することができない。この間延びノイズは、傾斜磁場分布がなだらかになることから計測画素が再構成画像上で圧縮されて再構成され、その圧縮の際に構造の情報が消えているものを補正することに起因して発生する。
また、歪みの強さを閾値で除去する手法も考えられるが、間延びノイズが発生する要件はFOV(Field of View)や分解能なども影響し、歪みが強ければ発生するとは限らない。このため、FOVが小さく分解能が高い画像では補正できる領域まで除去されることになる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、傾斜磁場の非線形が強く傾斜磁場分布がなだらかになる領域で画像が圧縮され、画像上から構造の情報が消えている点を補正することによって発生する間延びノイズを除去し、間延びノイズのない歪み補正画像を得ることを目的とする。
本発明は、画像の歪み分布量から補正後の画像が補正前の画像のどの点から来たのかを計算し、マップ化した後、傾きを求めることにより、再構成画像が圧縮され、画像情報が消えている点を特定し、当該点の画像の画素値を所定の値にすること、もしくは当該点の磁場中心より外側の領域を所定の値にすることにより歪み補正により発生する間延びノイズを除去することを特徴とする。
具体的には、被検体が置かれる空間に静磁場を発生する静磁場発生部と、被検体に高周波磁場パルスを照射する照射部と、高周波磁場パルスの照射により被検体から生じる核磁気共鳴信号を受信する受信部と、核磁気共鳴信号に位置情報を付加するための傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生部と、照射部、受信部及び傾斜磁場発生部を所定のパルスシーケンスに従って動作させる制御部と、核磁気共鳴信号から画像を再構成し再構成画像を得る画像再構成部と、を備える磁気共鳴イメージング装置であって、傾斜磁場の強度分布の歪に起因して生じた再構成画像の歪みを補正する画像歪み補正部と、画像歪み補正部により歪みを補正した再構成画像から、該歪み補正に起因して生じた画像の間延びを除去する間延びノイズ除去部と、を備え、傾斜磁場の強度分布が、位置情報から得られる位置と該位置に対応する磁場強度との関係が線形からずれてなだらかになる領域を含む非線形分布の場合にあって、間延びノイズ除去部は、傾斜磁場の強度分布がなだらかになる領域に対応する歪み補正後の再構成画像の画素値を予め設定された値に置換することにより、間延びノイズを除去することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置を提供する。
本発明によれば、傾斜磁場の非線形が強い傾斜磁場分布がなだらかな領域で画像が圧縮され、構造の情報が消えてしまった領域を補正したために発生する間延びノイズを除去することができ、間延びノイズのない歪み補正画像を得ることができる。
非線形が強い傾斜磁場の概念図である。 従来ノイズ方法と本発明によるノイズ除去方法による画像の比較を示す図である。 本発明の実施形態のMRI装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の間延びノイズ除去処理のフローチャートである。
以下、本発明を適用した実施形態を図面を用いて説明する。なお、本実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
<装置構成概略>
まず、本実施形態のMRI装置の全体構成について説明する。
図3は、本実施形態のMRI装置100の全体構成を示すブロック図である。本実施形態のMRI装置100は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、シーケンサ4と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7とを備える。
静磁場発生系2は、垂直磁場方式であれば、被検体1の周りの空間にその体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させ、また、水平磁場方式であれば、被検体1の体軸方向に均一な静磁場を発生させる。磁場発生は、被検体1の周りに配置される永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源により実現される。
傾斜磁場発生系3は、MRI装置100の座標系(静止座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とを備える。後述のシ−ケンサ4からの命令に従ってそれぞれの傾斜磁場コイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場GX、GY、GZを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gr)とを印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体1に高周波磁場(RF)パルスを照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル(送信コイル)14aとを備える。高周波発振器11から出力されたRFパルスは後述するシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調され、高周波増幅器13で増幅され、被検体1に近接して配置された送信コイル14aから被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とを備える。送信コイル14aから照射されたRFパルスによって誘起された応答のNMR信号は、被検体1に近接して配置された受信コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅され、後述するシーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、計測データとして信号処理系7に送られる。
シーケンサ4は、所定のパルスシーケンスに従って、RFパルスと傾斜磁場パルスとを繰り返し印加するよう制御するもので、後述する信号処理系7のディジタル信号処理装置8の制御で動作し、被検体1の断層画像を再構成するためのデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、ディジタル信号処理装置8と、ROM、RAM等の記憶装置18と、光ディスク、磁気ディスク等の外部記憶装置19と、表示装置20とを備える。受信系6からの計測データがディジタル信号処理装置(CPU)8に入力されると、ディジタル信号処理装置8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像を表示装置20に表示すると共に、記憶装置18または外部記憶装置19に記録する。
ディジタル信号処理装置8は、画像再構成部に加え、歪み補正部と、間延びノイズ除去部とを備える。
操作部25は、MRI装置100自体の各種制御情報および信号処理系7で行う処理の各種制御情報の入力を受け付けるもので、トラックボール又はマウス23、および、キーボード24を備える。操作部25は表示装置20に近接して配置され、オペレータは、表示装置20を見ながら操作部25を介してインタラクティブにMRI装置100の各種処理に必要な情報を入力する。
なお、図3において、送信側の高周波コイル14aと傾斜磁場コイル9は、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体1に対向して、水平磁場方式であれば被検体1を取り囲むようにして設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体1に対向して、或いは取り囲むように設置されている。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
<傾斜磁場歪みと画像歪み>
上記MRI装置100で得られた画像は、傾斜磁場コイル9に生じる磁場特性の影響を受ける。従って、傾斜磁場コイル9が非線形性の磁場強度分布を示す場合には、その影響を受け歪みが生じる。本実施形態では、再構成後の画像の画素座標から、傾斜磁場分布の歪みを推定し、傾斜磁場分布の歪み起因の歪み補正を行う。さらに、歪み補正後の画像の画素が歪み補正前のどのマトリックスから来たのかをマッピングした画像からマップの傾き(画素座標間の傾き)を計算し、構造の情報が消えてしまう領域を特定する。その領域を特定することにより、間延びノイズを除去する。これを実現するため、本MRI装置は、上述したようなディジタル信号処理装置8を具備し、該装置8には、画像再構成部に加え、歪み補正部と、間延びノイズ除去部とを備える。
図1は、MRI装置の傾斜磁場発生系3で発生する傾斜磁場強度GXを縦軸に、X方向成分を横軸に示す図である。なお、本図では、便宜的にX方向成分を表示したが、同様にGY、およびGZを縦軸に、Y方向およびZ方向成分を横軸に示すことができる。
本図で示す点線は、傾斜磁場強度GXとX方向成分とが線形を示す場合である。しかし、実際には、線形からずれる場合がある。図中の実線は、非線形の一例を示している。実線で示す様にX方向を図の右方に進むに従って、傾斜磁場強度は点線で示す線形関係からずれて非線形を示す場合がある。すなわち、X方向に進むにつれて次第に傾斜磁場強度は増大するが、途中で線形関係からずれ、次第になだらかになる領域が存在し、次に、なだらかになる領域から傾斜磁場強度が減少していく特性を示す。傾斜磁場強度が増大から減少に変化する点(ここでは極値点と称する)が存在する。その極値点を通過すると、傾斜磁場強度が減少する、所謂、二価関数で表わされる特性を示す。
図2(a)は、非線形を示す傾斜磁場強度のもとで、いき値以上の歪み量になる領域を除去した場合の画像を示し、(b)は、今回提案するノイズの除去法で処理した場合の画像を示す。
本図が示すように、(a)では撮像部位の一部が欠けていることが分かる。すなわち、非線形の傾斜磁場分布において傾斜磁場の極値点近辺で発生する傾斜磁場分布がなだらかになるような領域の再構成画像を補正することによって間延びノイズが生じる。この間延びノイズは、傾斜磁場分布がなだらかになることから計測画素が再構成画像上で圧縮されて再構成され、構造の情報が消えているものを補正することに起因して発生する。なお、圧縮されるか否かは、FOVやReconMatrixによって同一座標の画素でも変わる。このため、図2(a)のようにFOVが小さく分解能が高い画像では補正できる領域まで除去されることになる。
<画像歪みの補正>
次に、画像歪みの補正に関して説明する。
本実施形態のディジタル信号処理装置8は、CPUとメモリとを備え、CPU8が、予め記憶装置18等に格納されたプログラムをメモリにロードし、実行することにより、上記各機能を実現する。
Figure 2013202196
各軸に印加した傾斜磁場強度(GX,GY,GZ)で、傾斜磁場(BZ (X),BZ (Y),BZ (Z))を割ると、各軸の位置座標が得られる。それぞれの傾斜磁場が、線形成分GXX,GYY,GZZを含んでいることに注意すると、傾斜磁場の非線形性による画像歪みδX、δY、δZが、次のように得られる。
Figure 2013202196
<間延びノイズ処理>
次に、本実施形態の間延びノイズ除去部による処理の詳細を説明する。間延びノイズ除去部は、上述のように、傾斜磁場の非線形が強い傾斜磁場分布がなだらかな領域で画像が圧縮され、構造の情報が消えてしまった領域を非特許文献1に開示の手法による歪み補正等(以後、単に歪み補正と呼ぶ。)で補正すると発生する間延びノイズを除去する。本実施形態では、傾斜磁場は、上述のように、スライス方向傾斜磁場パルスGs、位相エンコード方向傾斜磁場パルスGp、周波数エンコード方向傾斜磁場パルスGrの3方向に与えられる。ここでは、これらの傾斜磁場パルスによる傾斜磁場強度の分布を合成したものを傾斜磁場分布と呼ぶ。
歪み補正では、傾斜磁場強度より傾斜磁場の位置座標を算出している。従って、傾斜磁場の非線形が強くなると傾斜磁場強度がほぼ変化しないなだらかな領域が発生する(図1参照)。この領域を含んだ計測を行うと再構成された画像はある一定の領域に圧縮されて再構成される。このようななだらかな領域で上述の歪み補正を行うと、位置情報(あるいは構造の情報)が圧縮されて情報が消えてしまう。消えてしまっている画素を正しい座標に補正しようとし、同じ画素値を複数の領域に補正する。結果としてその領域画像は間延びした画像となる。これが間延びノイズである。
本実施形態では、歪み補正後の再構成画像上の間延びノイズが発生している点を探し出し、その点の領域もしくはその点の領域よりも外側の画素値を所定の値(例えば、0等)にし、間延びノイズを除去する。すなわち、本実施形態の間延びノイズ除去部は、画像上の間延びノイズ発生点を探索し、間延びノイズ発生点もしくは外側の領域をノイズ領域として特定し、ノイズ領域の画素値を所定の値とする間延びノイズ除去処理を行う。
なお、図2に示すような再構成画像のFOVが小さく分解能が高い画像では補正できる領域まで除去されてしまうことを防止するために、再構成画像のFOVと分解能を基にして間延びノイズ発生条件を算出し、その算出された間延びノイズ発生条件に基づいて、補正前の再構成画像を構成する複数の画素の各画素座標間の傾きが閾値以下となる画素を傾斜磁場がなだらかなになる領域に対応する画素とし、該画素を除去する。
<間延びノイズ点の探索>
以下、本実施形態の間延びノイズ除去処理の具体的な実現手法について説明する。
まず、画像上の間延びノイズ点の探索手法について説明する。本実施形態では、歪み補正時の変換処理の特性を利用し、画像上の間延びノイズ点を特定する。図1で示すような非線形な傾斜磁場分布環境で得られた計測データから再構成された画像は、歪んだ状態で座標系(x,y,z)に配置される。以後、この座標系を第一の座標系と呼ぶ。また、理想的な傾斜磁場分布環境で得られる計測データが再構成されて配置される座標系(X,Y,Z)を、第二の座標系と呼ぶ。歪み補正では、第一の座標系を第二の座標系に変換することで補正を行う。実際の手法では再構成された画像は縦方向をRow、横方向をColumnとする2次元の座標となる。このため、上述の歪み補正で求めた傾斜磁場の歪み分布(−δX,−δY,−δZ)を再構成画像の座標系に変換し、補正を行う。再構成画像の座標系の歪み量(−δRpixel,−δCpixel)の変換は次の様に求まる。
ここで、(Row,Col)は、再構成画像の座標系における画素座標を示し、(−δR,−δC)は、歪み補正量を示す。
Figure 2013202196
ここで、FOV[mm]は画像の撮像範囲、ReconMatrixは画像のP画素数とする。また、再構成画像の横ベクトルと、縦ベクトルの単位ベクトルをそれぞれ、(r)、(c)と表すことにする。
間延びノイズ除去部では歪みの補正とは別に(−δRpixel,−δCpixel)を用いて、歪み補正後の画素が歪み補正前の歪んだ画像のどの画素から来たのかの補正前画素座標マップを作成する。次に、作成した補正前画素座標マップに微分等を行い画素座標間の傾きを計算する。歪み補正の原理上、当該傾きが小さい点というのは傾斜磁場の非線形が強く、傾斜磁場強度がほぼ変化しないなだらかな領域であり、間延びノイズが発生する領域である。本実施形態はこれを利用して画像上の間延びノイズを特定する。
Figure 2013202196
従って、本実施形態では、上記(式4)で計算される補正前画素座標(Rowbefore,Colbefore)を微分等を行い、それを画像上の傾きとする。間延びノイズ除去では求めた傾きの値が一定値以下の場合、間延びノイズとして除去する。
また、間延びノイズの除去手法は、一定値以下の座標のみ除去するだけではなく、一定値以下の座標の磁場中心(ここでは、再構成FOVの中心に対応する)からの半径を計算し、この半径以上の領域(上記磁場中心から遠い領域)を除去する手法でもよい。
<間延び除去処理フロー>
以下、本実施形態の間延び除去部による間延び除去処理全体について、その流れを説明する。
図4は、本実施形態の間延び除去部による間延び除去処理の処理フローである。
ここでは、n×m(n、mは共に自然数)のPixelからなる2次元画像について処理を行うものとする。また、横方向および縦方向の再構成画像の座標を、それぞれ(row、col)と表記し、row=1、2、・・・n、col=1、2、・・・・mとする。
以下の処理は、上述したように歪み補正部と間延びノイズ除去部とを備えるディジタル信号処理装置8で実行される。
また、間延びノイズが発生する領域の画素値を0とする場合を例にあげて説明する。
ステップ401:row、colをそれぞれ初期化する。ここでは、1とする。
ステップ402:次に、座標(row、col)の歪み量を計算する(この歪み量は予め計算しておいたものをメモリに保存しておいて使用することもできる)。
ステップ403:歪み量から座標(row、col)の補正前画素座標を計算する。
ステップ404:次に、画像上の全座標の処理が終了したか否かを判別する。ここでは、i=nであるか否かを判別し、i<nであれば、iを1インクリメントし、補正前画素座標計算に戻る。
ステップ405:一方、i=nであれば、j=mであるか否かを判別する。j<mであれば、jを1インクリメントし、補正前画素座標を計算に戻る。j=mであれば、全座標の処理が終了しているとし、傾き計算処理に移る。
ステップ406:傾き計算処理においてもrow、colをそれぞれ初期化する。ここでも、1とする。
ステップ407:座標(row、col)の傾きを計算する。
ステップ408:傾きが閾値以下か判定する。
ステップ409:傾きが閾値(例えば0.5)以下だった場合画素値を0とする。
ステップ410:最後に、画像上の全座標の処理が終了したか否かを判別する。ここでは、i=nであるか否かを判別し、i<nであれば、iを1インクリメントし、補正前Pixcel座標計算に戻る。
ステップ411:一方、i=nであれば、j=mであるか否かを判別する。j<mであれば、jを1インクリメントし、補正前Pixcel座標を計算に戻る。j=mであれば、全座標の処理が終了しているとし、間延びノイズ除去処理を終了する。
以上の手順で間延びノイズ除去処理を行うことにより、本実施形態の間延びノイズ除去部は、歪み補正により発生した虚像を除去することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、傾斜磁場の非線形が強い領域で画像が圧縮され、構造の情報が消えてしまった領域を効果的に除去することができる。従って、撮影領域内の非線形が強く、画像の情報が圧縮されて消えている場合であっても、間延びノイズが除去されたひずみ補正画像を得ることができる。
例えば、特許文献2に開示されているような、被検体の配置スペースを大きくとるとともにオープン性を高めるために傾斜磁場コイル9を静磁場発生系2内の磁石の窪み内に配置するMRI装置の場合、傾斜磁場分布の線形性を保つことができる範囲が狭くなっている。また、間延びノイズが発生する傾斜磁場特性はZ軸に垂直な断面の撮像で広く発生する。通常の水平磁場のMRIではZ軸な垂直な断面はAxial断面であり、間延びノイズが発生する領域に人体が来ることは少ない。しかしながら、オープン型のMRIの場合、Z軸に垂直な断面はCoronalであり、間延びノイズが人体に発生する可能性が高い。このため、このような構成のMRI装置には、特に有効である。
また、本実施形態では、歪み補正、画像再構成、間延びノイズ除去の各処理を、MRI装置100内のディジタル信号処理装置8で行うよう構成しているが、本構成に限られない。例えば、MRI装置100とデータ送受信可能な独立した情報処理装置を備え、当該情報処理装置でこれらの処理を行うよう構成してもよい。
1:被検体、2:静磁場発生系、3:傾斜磁場発生系、4:シーケンサ、5:送信系、6:受信系、7:信号処理系、8:ディジタル信号処理装置(CPU)、9:傾斜磁場コイル、10:傾斜磁場電源、11:高周波発信器、12:変調器、13:高周波増幅器、14a:高周波コイル(送信コイル)、14b:高周波コイル(受信コイル)、15:信号増幅器、16:直交位相検波器、17:A/D変換器、18:記憶装置、19:外部記憶装置、20:表示装置、23:トラックボール又はマウス、24:キーボード、25:操作部、100:MRI装置。

Claims (6)

  1. 被検体が置かれる空間に静磁場を発生する静磁場発生部と、
    前記被検体に高周波磁場パルスを照射する照射部と、
    前記高周波磁場パルスの照射により前記被検体から生じる核磁気共鳴信号を受信する受信部と、
    前記核磁気共鳴信号に位置情報を付加するための傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生部と、
    前記照射部、前記受信部及び前記傾斜磁場発生部を所定のパルスシーケンスに従って動作させる制御部と、
    前記核磁気共鳴信号から画像を再構成し再構成画像を得る画像再構成部と、を備える磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記傾斜磁場の強度分布の歪に起因して生じた再構成画像の歪みを補正する画像歪み補正部と、
    前記画像歪み補正部により歪みを補正した前記再構成画像から、該歪み補正に起因して生じた画像の間延びを除去する間延びノイズ除去部と、を備え、
    前記傾斜磁場の強度分布が、前記位置情報から得られる位置と該位置に対応する磁場強度との関係が線形からずれてなだらかになる領域を含む非線形分布の場合にあって、
    前記間延びノイズ除去部は、前記傾斜磁場の強度分布が前記なだらかになる領域に対応する前記歪み補正後の再構成画像の画素値を予め設定された値に置換することにより、前記間延びノイズを除去することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記間延びノイズ除去部は、前記画像歪み補正前の再構成画像を構成する複数の画素の各画素座標間の傾きを算出し、該座標傾きが予め設定された閾値以下となる画素を前記傾斜磁場の強度分布がなだらかになる領域に対応する画素とすることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記間延びノイズ除去部は、前記画像歪み補正前の再構成画像を構成する複数の画素の各画素座標間の傾きが閾値以下となる画素を抽出し、該抽出された画素の前記傾斜磁場中心からの半径を算出し、該半径および前記傾斜磁場中心に対して該半径より遠い半径を有する画素を前記傾斜磁場がなだらかなになる領域に対応する画素とすることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記間延びノイズ除去部は、前記補正前の再構成画像を構成する複数の画素の各画素座標間の傾きが閾値以下となる画素を、前記傾斜磁場がなだらかなになる領域に対応する画素とし、前記再構成画像のFOVと分解能によって算出された間延びノイズ発生条件に基づいて該画素を除去することにより補正可能な領域まで除去されることを防ぐことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 被検体が置かれる空間に静磁場を発生する静磁場発生部と、
    前記被検体に高周波磁場パルスを照射する照射部と、
    前記高周波磁場パルスの照射により前記被検体から生じる核磁気共鳴信号を受信する受信部と、
    前記核磁気共鳴信号に位置情報を付加するための傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生部と、
    前記照射部、前記受信部及び前記傾斜磁場発生部を所定のパルスシーケンスに従って動作させる制御部と、
    前記核磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成する画像再構成部とを備える磁気共鳴イメージング装置における画像再構成方法であって、
    前記画像再構成部において前記核磁気共鳴信号に基づいて画像を再構成する画像再構成ステップと、
    前記画像再構成ステップにより再構成された再構成画像に対して、前記傾斜磁場の強度分布の歪みに起因して生じた再構成画像の歪みを補正する画像歪み補正ステップと、
    前記画像歪み補正ステップにより歪みを補正した再構成画像から、該歪み補正に起因して生じた画像の間延びノイズを除去する間延びノイズ除去ステップと、を備え、
    前記傾斜磁場の強度分布が、前記位置情報から得られる位置と該位置に対応する磁場強度との関係が線形からずれてなだらかになる領域を含む非線形分布の場合にあって、
    前記間延びノイズ除去ステップは、前記傾斜磁場の強度分布がなだらかになる領域に対応する前記歪み補正後の再構成画像の画素値を予め設定された値に置換することにより、前記間延びノイズを除去することを特徴とする画像再構成方法。
  6. 前記間延びノイズ除去部は、補正前の再構成画像を構成する複数の画素の各画素座標間の傾きを算出し、該座標傾きが予め設定された閾値以下となる画素を前記傾斜磁場の強度分布がなだらかになる領域に対応する画素とすることを特徴とする請求項5記載の画像再構成方法。
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