JP2013202085A - 配膳車 - Google Patents

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典 福島
Katsuhiro Yagi
克洋 八木
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【課題】高い保温性や保冷性を有する配膳車を、簡単な作業によって提供する。
【解決手段】複数の外郭パネル8を用いて形成される温冷蔵庫6と、温冷蔵庫6の内部空間Sをさらに保温室16と保冷室18に仕切る仕切パネル14とを備えた配膳車において、外郭パネル8と仕切パネル14のうち少なくとも仕切パネル14は、ステンレス製の中空パネルの内部を真空引きして形成した真空断熱パネルからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、食事提供にあたり、トレー上の食事を所定温度に保持しながら搬送することのできる配膳車に関する。
病院などにおいて食事を提供する際に、特許文献1等に記載の配膳車が用いられる。この配膳車は、その内部空間に保温室や保冷室を有し、保温室で食事を保温することや、保冷室で食事を保冷することが可能となっている。
特開2008−289816号公報
上記した従来の配膳車では、保温性や保冷性を保つため、空間を仕切るパネルに断熱材を充填させている。しかし、パネル内に断熱材を充填させる作業は、困難性が伴うものである。
本発明は前記問題点に鑑みて発明したものであって、高い保温性や保冷性を有する配膳車を、簡単な作業によって提供することを、課題とする。
前記課題を解決するために本発明を、複数の外郭パネルを用いて形成される温冷蔵庫と、前記温冷蔵庫の内部空間をさらに保温室と保冷室に仕切る仕切パネルとを備え、前記外郭パネルと前記仕切パネルのうち少なくとも前記仕切パネルは、ステンレス製の中空パネルの内部を真空引きして形成した真空断熱パネルからなることを特徴とした配膳車とする。
前記中空パネルは、補強用のビーディング形状を有することが好ましい。
前記温冷蔵庫は、前記外郭パネルとガラス窓とで外部空間から仕切られ、前記ガラス窓は、断熱用の複層ガラスパネルからなることが好ましい。
さらに、前記保温室と前記保冷室の室内空間を加圧する加圧機構を備え、前記加圧機構により、前記室内空間を大気圧よりも高圧となるように加圧することも好ましい。
また、前記仕切パネルの位置を変更自在に設けることも好ましく、さらに、前記仕切パネルの位置を変更自在とするレール機構を備えることも好ましい。
本発明は、高い保温性や保冷性を有する配膳車を、簡単な作業によって提供することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態の配膳車の分解斜視図である。 同上の仕切パネルの正面図である。 図2のA−A線断面である。 同上の配膳車が備えるガラス窓の要部断面図である。 同上の配膳車の第一変形例の要部概略図である。 同上の配膳車の第二変形例の要部概略図である。
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態の配膳車を示している。
この配膳車は、車輪2を備えて走行自在とされた台車4上に、食事を収納するボックス状の温冷蔵庫6を設けたものである。温冷蔵庫6は、複数の外郭パネル8とガラス窓10によって外部空間から仕切られ、その内部空間Sが保温又は保冷されるように設けている。
ここでの外郭パネル8は、内部空間Sとその側方の外部空間との間を仕切る側部パネル8aと、内部空間Sとその上方の外部空間との間を仕切る上部パネル8bと、内部空間Sとその下方の外部空間との間を仕切る下部パネル8cとを含む。これら各パネル8a,8b,8cが結合された状態において、側方にむけて開口する開口面12が形成され、この開口面12を塞ぐようにガラス窓10が装着される。
図1では、ガラス窓10を一つだけ示しているが、実際には同様のガラス窓10が都合4つ装着され、4つのガラス窓で開口面12全体を塞ぐようになっている。各ガラス窓10は開閉自在であり、保温及び保冷時にガラス窓10を閉じ、食事の出し入れ等を行う際にガラス窓10を開く。
温冷蔵庫6内は、上下に列設される複数の仕切パネル14によって、保温室16と保冷室18に仕切られる。保温室16には図示略の温風口が形成され、この温風口から適宜温度に制御された温風が吹き出すことで室内の保温が行われる。保冷室18には図示略の冷風口が形成され、この冷風口から適宜温度に制御された冷風が吹き出すことで室内の保冷が行われる。
温冷蔵庫6の上部パネル8bには、コンプレッサー装置36等が搭載される。また図示のように、温冷蔵庫6にはさらに樹脂製の化粧パネル等が装着される。
そして、この配膳車では、仕切パネル14を図2、図3に示す構造の真空断熱パネルとしている。この真空断熱パネルは、ステンレス製の中空パネル20の内部を真空引きすることで、高い断熱性を有するものとして形成される。
図3に示すように、真空断熱パネルを形成する中空パネル20は、厚さ2.3mm程度のステンレス板を用いて成型した一対のパネル部材22同士を溶接することで、内部空間を密閉して成形される。この中空パネル20の内部空間を真空引きすることで、断熱性の仕切パネル14が得られる。
仕切パネル14には、真空引きに耐える強度を付与するため、パネル部材22の内面側に補強リブ24が形成されている。また、同じく補強のため、パネル部材22には予めビード加工を施している。このビード加工は、パネル部材22のステンレス板の一部をビード状に絞ることで、外側に膨らんだ高強度のビーディング形状26を設けるものである。
この配膳車では、外郭パネル8である側部パネル8a、上部パネル8b及び下部パネル8cについても、仕切パネル14と同様の真空断熱パネルにより形成している。なお、仕切パネル14のみを真空断熱パネルとすることも可能である。
温冷蔵庫6の開口面12を塞ぐガラス窓10は、図4に断面で示すような断熱用の複層ガラスパネル28を用いて形成される。複層ガラスパネル28は、一対のガラス板30を、両者間にエア層34が形成されるようにスペーサ32を介して重ねたものであり、密閉されるエア層34が断熱効果を発揮する。エア層34に乾燥空気や他の気体を充填させてもよいし、このエア層34を真空引きしてもよい。
この配膳車では、保温室16と保冷室18がいずれも、高い断熱性を有するパネル8,14,28によって全体を囲まれた構造となる。そのため、保温室16及び保冷室18が適温に保たれやすい。特に、互いの温度が大きく相違する保温室16と保冷室18との間に介在される仕切パネル14が、真空引きによる断熱構造を有することで、保温室16と保冷室18が互いに適温に保持されやすい構造となっている。
また、この配膳車では、コンプレッサー装置36を用いた加圧機構38によって温冷蔵庫6内に温風または冷風を高圧で吹き込み、ガラス窓10を閉じた状態において、温冷蔵庫6内が大気圧よりも高圧に保たれるように設けている。これにより、ガラス窓10を開いたときには、高圧である温冷蔵庫6内から外部空間へと空気が流出し、外部空間のゴミや菌が温冷蔵庫6内に侵入することが抑制される。
次に、本実施形態の配膳車の変形例について述べる。なお、以下の変形例では、上述の構成と相違する内容についてのみ述べる。
図5には、第一変形例の要部を概略的に示している。第一変形例の配膳車では、仕切パネル14の位置を、前後方向a(仕切パネル14の厚み方向)に変更自在に設けている。仕切パネル14は、上述のように温冷蔵庫6の内部空間Sを保温室16と保冷室18に区分けするものであるから、その前後位置を変更することで、保温室16と保冷室18の領域が変更自在となる。
この例では、仕切パネル14が装着される装着構造40を、前後に三箇所設けている。複数の装着構造40に対して択一的に仕切パネル14を装着することにより、保温室16の領域と保冷室18の領域が、複数パターンのうちから択一的に選択される。
図ではトレー42上に複数種の食事44が載置されており、そのうち保温が求められる食事44が保温室16側に位置し、保冷が求められる食事44が保冷室18側に位置するように設定している。これら食事44のうち、保温が求められるものと保冷が求められるものとの比率や量に対応して、装着構造40のいずれに仕切パネル14を装着するかを選択すればよい。
図6には、第二変形例の要部を概略的に示している。第二変形例の配膳車では、仕切パネル14の位置を前後方向aに変更自在とするためのレール機構46を備えている。
仕切パネル14には車輪48が設けられ、この車輪48がレール50に沿って転動することで、仕切パネル14の前後移動が自在となっている。この例では、仕切パネル14の位置を無段階で選択することができる。そのため、トレー42上の食事44のうち、保温が求められるものと保冷が求められるものとの比率や量に対応して、保温室16と保冷室18の領域を設定することができる。更に、任意の位置で仕切パネル14を固定するストッパ(図示略)を設けることが好適である。
第一及び第二変形例は、従来の配膳車では仕切パネル14の位置が一定であるため、保温室16と保冷室18の領域を変更することができないという問題を更に解決するものである。
図示はしないが、更に他の変形例として、仕切パネル14のトレーとの接触部分にゴムシートを固定しておくことや、貫通孔を有するトレーが所定箇所にセットされたときに該貫通孔に突起物が弾性的に差し込まれるように設けてもよい。滑り抵抗の大きなゴムシートの当接や突起物の差し込みにより、トレーが不意に移動することが防止される。
このように、本実施形態の配膳車は、複数の外郭パネル8を用いて形成される温冷蔵庫6と、温冷蔵庫6の内部空間Sをさらに保温室16と保冷室18に仕切る仕切パネル14とを備える。そして、外郭パネル8と仕切パネル14のうち少なくとも仕切パネル14は、ステンレス製の中空パネル20の内部を真空引きして形成した真空断熱パネルからなる。
そのため、本実施形態の配膳車では、互いの適温が大きく相違する保温室16と保冷室18を、共に精度よく温度制御することが可能となる。この真空断熱パネルは、ステンレス製の中空パネル20の内部を真空引きすることで形成できるので、断熱材をパネル内に充填させる従来の作業のように面倒ではなく、簡単な作業で十分な断熱性を与えることが可能となる。
また、ここで用いる中空パネル20は、補強用のビーディング形状26を有している。このビーディング形状26によって、真空引きに耐える強度をパネルに与えやすくなり、結果として高い断熱性を付与することが可能となる。
また、温冷蔵庫6は、外郭パネル8とガラス窓10とで外部空間から仕切られ、ガラス窓10は、断熱用の複層ガラスパネル28からなる。そのため、ガラス窓10も高い断熱性を有するものとなり、このガラス窓10と仕切パネル14等が有する断熱性によって、保温室16や保冷室18が適温に保持しやすいものとなっている。
また、本実施形態の配膳車では、保温室16と保冷室18の室内空間を加圧する加圧機構38を備え、加圧機構38により、この室内空間を大気圧よりも高圧となるように加圧する。これにより、保温室16や保冷室18の内部に外部空間のゴミ、菌等が侵入することが抑制される。
また、第一及び第二変形例の配膳車では、仕切パネル14の位置を変更自在に設けている。これにより、食事内容に応じて仕切パネル14の位置を変更し、保温室16と保冷室18の領域を自在に変更することができる。
さらに、第二変形例の配膳車では、仕切パネル14の位置を変更自在とするレール機構46を備えている。これにより、保温室16と保冷室18の領域を、より高い自由度で変更可能となっている。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記各例の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、各例において適宜の設計変更を行うことや、各例の構成を適宜組み合わせて適用することが可能である。
6 温冷蔵庫
8 外郭パネル
10 ガラス窓
14 仕切パネル
16 保温室
18 保冷室
20 中空パネル
24 仕切パネル
26 ビーディング形状
28 複層ガラスパネル
38 加圧機構
46 レール機構
S 内部空間

Claims (6)

  1. 複数の外郭パネルを用いて形成される温冷蔵庫と、
    前記温冷蔵庫の内部空間をさらに保温室と保冷室に仕切る仕切パネルと、を備え、
    前記外郭パネルと前記仕切パネルのうち少なくとも前記仕切パネルは、ステンレス製の中空パネルの内部を真空引きして形成した真空断熱パネルからなることを特徴とする配膳車。
  2. 前記中空パネルは、補強用のビーディング形状を有することを特徴とする請求項1に記載の配膳車。
  3. 前記温冷蔵庫は、前記外郭パネルとガラス窓とで外部空間から仕切られ、
    前記ガラス窓は、断熱用の複層ガラスパネルからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の配膳車。
  4. 前記保温室と前記保冷室の室内空間を加圧する加圧機構を備え、
    前記加圧機構により、前記室内空間を大気圧よりも高圧となるように加圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の配膳車。
  5. 前記仕切パネルの位置を変更自在に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の配膳車。
  6. 前記仕切パネルの位置を変更自在とするレール機構を備えたことを特徴とする請求項5に記載の配膳車。
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