JP2013201040A - 差込みプラグの絶縁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、プラグ本体の内部において炭化やトラッキングが起きることを防止でき、耐トラッキング性に優れた差込みプラグの絶縁構造の提供を目的とする。
【解決手段】電源側のコンセントに差し込まれる複数の栓刃3,3と、該栓刃3,3に対して導線21,21を接続したコード2とを備え、コード2の導線21,21を接続した栓刃3,3の基部と、コード2の導線21,21が露出された先端部とを熱可塑性樹脂で被覆して、プラグ本体1zを一体的に成形した差込みプラグ1Aにおいて、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23を、該接続部23の全体を覆うように適宜数巻き付けたガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bで被覆して、プラグ本体1zの内部において隣り合う接続部23間を絶縁された状態に保っている。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば電気自動車、ハイブリッド自動車の充電用プラグ、あるいは、電子レンジ、トースター、電子機器、電気機器、電気器具等に対して電力を供給する際に用いられる差込みプラグの絶縁構造に関する。
従来、上述の差込みプラグとしては、例えばプラグの前端側に突出する栓刃とコードとの接続部を熱可塑性樹脂(ポリアミド)からなる一次絶縁体で被覆し、その一次絶縁体の周囲を塩化ビニルからなる二次絶縁体で一体的にモールド被覆した特許文献1の二重絶縁電源プラグが提案されている。
しかし、特許文献1の二重絶縁電源プラグは、例えば電源であるコンセントに対する差込み状態が悪く、過電流により栓刃が発熱した際、栓刃に被覆した一次絶縁体と、その周囲に被覆した二次絶縁体とが高温に加熱されるので、その高熱により各絶縁体が炭化することになる。つまり、各絶縁体が炭化することにより、栓刃間に抵抗が小さい導電経路が形成されるので、プラグ内部の栓刃間にトラッキングが起きやすくなる。また、トラッキングが繰り返されることにより、プラグが発熱して、発火するという問題があった。
特開平9−306581号公報
この発明は、差込みプラグの内部においてトラッキングや炭化が起きることを防止でき、耐トラッキング性に優れた差込みプラグの絶縁構造を提供することを目的とする。
この発明は、電源側のコンセントに差し込まれる複数の栓刃と、該各栓刃の基部に対して複数の導線を接続したコードとを備え、コードの導線を接続した栓刃の基部と、コードの導線が露出された先端部とを熱可塑性樹脂で被覆して、プラグ本体を一体的に成形した差込みプラグにおいて、前記コードの先端より露出された複数の導線と、該各導線が接続された前記各栓刃との各接続部を、該接続部の全体を覆うように適宜数巻き付けたテープ状の絶縁体で被覆した差込みプラグの絶縁構造であることを特徴とする。
この発明によれば、差込みプラグの内部においてトラッキングや炭化が起きることを防止できる。
詳述すると、テープ状の絶縁体を、導線と栓刃とが接続された接続部に適宜数巻き付けて、該接続部の全体を覆うように被覆している。つまり、コードの導線が接続された栓刃の基部と、コードの導線が露出された先端部と、テープ状の絶縁体で被覆された接続部とを熱可塑性樹脂で被覆して、プラグ本体を一体的に成形している。
これにより、プラグ本体の内部において、導線と栓刃とが接続された接続部間を、該接続部を覆うように巻き付けたテープ状の絶縁体によって絶縁された状態に保つことができる。
つまり、テープ状の絶縁体によって接続部間を絶縁しているので、接続部間に導電経路が形成されず、接続部間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。さらにまた、接続部間の短絡やトラッキングによる発熱が防止されるため、接続部間や接続部に被覆された熱可塑性樹脂が炭化することを防止できる。
また、テープ状の絶縁体は柔軟性を有しているので、例えば凹凸を有する接続部に対して密着した状態に巻き付けることができる。このため、接続部の内部に、トラッキングの原因となる異物(例えば水分、油分、塵埃、繊維等)が侵入することを防止できる。
例えばコンセントに対する差込みプラグの差込み状態が悪く、過電流による栓刃の発熱によって、栓刃に被覆した熱可塑性樹脂が炭化しても、導線と栓刃とが接続された接続部間をテープ状の絶縁体によって絶縁しているため、接続部間に導電経路が形成されることを防止できる。また、プラグ本体を構成する熱可塑性樹脂に炭化する状況が起きなくても、接続部間が短絡することを防止できる。
この発明の態様として、前記接続部を、前記栓刃の前記導線を圧着接続した圧着部よりも前方側外面から、該導線の芯線を露出した露出側端部よりも後方側外面に至る範囲に設定し、該範囲と対応する前記接続部の全体を前記テープ状の絶縁体で被覆することができる。
この発明によれば、導線の先端より露出された芯線間に短絡やトラッキングが起きることを防止できる。
詳述すると、テープ状の絶縁体を、栓刃の導線を圧着接続した圧着部よりも前方側外面から、該導線の芯線を露出した露出側端部よりも後方側外面に至る範囲の接続部に巻き付けて、導線の先端より露出された芯線をテープ状の絶縁体にて被覆している。
これにより、導線の先端より露出された芯線間を、接続部を覆うように巻き付けたテープ状の絶縁体によって確実に絶縁することができる。
また、導線の先端より露出された芯線間の間隔が、栓刃間の間隔より狭くても、芯線間に導電経路が形成されることがないので、芯線間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。さらにまた、芯線間の短絡やトラッキングによる発熱が防止されるため、芯線間や芯線に被覆された熱可塑性樹脂が炭化することを防止できる。
また、この発明の態様として、前記テープ状の絶縁体を、ガラスクロステープで構成することができる。
この発明によれば、導線と栓刃とが接続された接続部の接続強度を高めて、耐久性の向上を図ることができる。
詳述すると、ガラスクロステープを、導線と栓刃とが接続された接続部に適宜数巻き付けて、該接続部の全体を覆うように被覆している。これにより、隣り合う接続部間を、強度の高いガラスクロステープにより絶縁された状態に保つことができ、接続部間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。
また、ガラスクロステープの特性により接続部の接続強度を高めることができ、例えば屈曲や捻れ、引張り等の負荷(ストレス)が接続部に付加されても、導線と栓刃との接続部や、導線の芯線等に断線が起きることを防止でき、接続部における耐熱性と接続強度の向上を図ることができる。
また、この発明の態様として、前記テープ状の絶縁体を、マイカテープで構成することができる。
この発明によれば、導線と栓刃とが接続された接続部の耐熱性を高めて、接続部間の絶縁性が発熱により低下することを防止できる。
詳述すると、マイカテープを、導線と栓刃とが接続された接続部に適宜数巻き付けて、該接続部の全体を覆うように被覆している。これにより、隣り合う接続部間を、耐熱性の高いマイカテープにより絶縁された状態に保つことができ、接続部間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。
また、マイカテープは、上述のガラスクロステープに比べて耐熱温度が高く、過電流による栓刃の発熱によって、ガラスクロステープの耐熱温度よりも高温に加熱されても、絶縁性が損なわれることがなく、耐熱性の向上を図ることができる。
なお、上述のマイカテープとガラスクロステープとを複合又は組み合わせて巻き付けてもよく、両テープの特性によって、接続強度と耐熱性の両方を向上させることができる。
また、この発明の態様として、記プラグ本体の外皮を、前記接続部を覆うように被覆される内層部と、該内層部を覆うように被覆される外層部とで構成し、前記内層部を、エラストマー又は改良塩化ビニルのいずれか一方の熱可塑性樹脂で構成し、前記外層部を、エラストマー又は塩化ビニルのいずれか一方の熱可塑性樹脂で構成することができる。
この発明によれば、導線と栓刃とが接続された接続部の絶縁性を高めることができる。
詳述すると、上述の接続部を覆うように被覆される内層部を、エラストマー又は改良塩化ビニルのいずれか一方の熱可塑性樹脂で構成することにより、導線と栓刃が接続された接続部間を、エラストマー又は改良塩化ビニルにより絶縁することができる。
これにより、テープ状の絶縁体による絶縁効果に加えて、エラストマー又は改良塩化ビニルによる絶縁効果が相乗して得られる。また、テープ状の絶縁体又は熱可塑性樹脂のいずれかで絶縁するよりも、絶縁性を高めることができる。
上述のエラストマーは、例えばオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性樹脂で構成することができる。
また、改良塩化ビニルは、例えば塩化ビニルに対してエチレン系ポリマーと炭酸カルシウムとを所定量配合してなるコンパウンド等の熱可塑性樹脂で構成することができる。
また、塩化ビニルは、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニルポリマー、塩化ビニルレジン、塩化ビニルホモポリマー等の熱可塑性樹脂で構成することができる。
また、この発明の態様として、前記プラグ本体の外皮を、エラストマー、改良塩化ビニル、塩化ビニルのうちいずれか一つの熱可塑性樹脂で構成することができる。
この発明によれば、外皮を一つの熱可塑性樹脂のみで成形するので、差込みプラグを製造する製造工程を簡素化して、作業効率の向上を図ることができる。
詳述すると、プラグ本体の外皮を、エラストマー、改良塩化ビニル、塩化ビニルのうちいずれか一つの熱可塑性樹脂で構成することにより、コードの導線を接続した栓刃の基部と、コードの導線が露出された先端部と、導線と栓刃とが接続された接続部とを同時に被覆することができる。
これにより、導線と栓刃とが接続された接続部間を絶縁する工程と、プラグ本体を成形する工程とが同時に行え、差込みプラグを製造する製造工程の簡素化及び作業効率の向上を図ることができる。また、プラグ本体の外皮を塩化ビニルで構成すれば、差込みプラグを安価に製造することができる。
また、この発明の態様として、前記改良塩化ビニルを、前記塩化ビニルに対してエチレン系ポリマーと炭酸カルシウムとを所定量配合して構成することができる。
この発明によれば、差込みプラグの成形性及び寸法安定性、耐トラッキング性が向上するとともに、優れた耐断線スパーク特性を有する差込みプラグを寸法通りに高い精度で製造することができる。
上述のエチレン系ポリマーは、三井・デュポンポリケミカル株式会社のエチレン系コポリマーで構成することができる。また、炭酸カルシウムは、例えば重炭酸カルシウム、軽炭酸カルシウム等で構成することができる。
詳述すると、上述のエチレン系ポリマーを塩化ビニルに配合することにより、耐トラッキング性が向上する。また、エチレン系ポリマーは、従来例のエチレン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重合体に比べて、塩化ビニルに対する相溶性に優れているので、分子的に均一に相溶したコンパウンドを得ることができる。
また、エチレン系ポリマーはフィラー充填特性にも優れているので、該エチレン系ポリマーを配合したコンパウンドは、電源コードのプラグやコードなどを寸法通りに高い精度で成形するための材料として用いることができる。
また、塩化ビニルに配合する炭酸カルシウムの重量部を調整すれば、コンパウンドの粘度及び流動性を、プラグやコードなどの成形品に応じて設定することができ、成形品の成形精度が向上する。
この発明によれば、差込みプラグの内部においてトラッキングや炭化が起きることを防止できる。
第1実施形態の差込みプラグの縦断側面図。 第1中子の構成説明図。 第2中子の構成説明図。 テープ状の絶縁体の巻き付け状態を説明する説明図。 第1実施形態の差込みプラグの製造工程を説明する説明図。 第1実施形態の外皮の外層部を射出成形する工程の説明図。 第2実施形態の差込みプラグの製造工程を説明する説明図。 第3実施形態の差込みプラグの製造工程を説明する説明図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は第1実施形態の差込みプラグ1Aの縦断側面図、図2は第1中子51の構成説明図、図3は第2中子52の構成説明図である。
図2は第1中子51の構成説明図であって、図2(a)は第1中子51の正面図、図2(b)は第1中子51の底面図、図2(c)は(a)に示す第1中子51のB−B線矢視断面図である。
図3は第2中子52の構成説明図であって、図3(a)は第2中子52の背面図、図3(b)は第2中子52の平面図、図3(c)は(a)に示す第2中子52のC−C線矢視断面図、図3(d)は(a)に示す第2中子52のD−D線矢視断面図である。
(第1実施形態)
第1実施形態の差込みプラグ1Aは、コード2に対して栓刃3,3及び接地極4を長手方向Aに向けて略真っ直ぐに接続したストレート型のプラグであって、プラグ本体1zの後端側に連設されるコード2と、プラグ本体1zの前端側に突設される一対の栓刃3,3及び接地極4と、栓刃3,3及び接地極4を支持する中子5と、コード2の先端部及び中子5を被覆する外皮6とを備えている。
なお、本実施形態において、栓刃3,3及び接地極4が突設された一方を前端側又は前方側、他方を後端側又は後方側として設定している。
本実施形態では、上述したコード2を、2本の導線21,21(図2では、手前側のみ示す)と、1本のアース線22とで構成している。導線21及びアース線22は、いずれも導電性を有する線条の導体を複数本束ねてなる芯線21a,22aの外周を、絶縁樹脂からなる絶縁材21b,22bで被覆した構成となっており、各先端部では、絶縁材21b,22bが取り除かれて芯線21a,22aが露出している。
導線21は、絶縁材21bの先端より露出した芯線21aの露出側端部を、栓刃3の基部に形成した圧着部3aにそれぞれ圧着接続して、導線21の先端を栓刃3に接続している。
また、アース線22は、絶縁材22bの先端より露出した芯線22aの露出側端部を、接地極4の基部に形成した圧着部4aに圧着接続して、アース線22の先端を接地極4に接続している。
さらに、コード2は、導線21,21及びアース線22を、1つに束ねたまま絶縁性を有する外装部2aにより被覆した構成となっており、先端部では、外装部2aが取り除かれて、該外装部2aの先端より導線21,21及びアース線22を所定長さ露出している。
さらにまた、導線21の芯線21aを、栓刃3の圧着部3aに圧着接続した接続部23には、絶縁性及び耐熱性を備えたテープ状の絶縁体7を適宜数巻き付けて被覆している。
次に、図4を参照して、上述のテープ状の絶縁体7を巻き付ける巻き付け方法について説明する。
図4はテープ状の絶縁体7の巻き付け状態を説明する説明図であって、図4(a)はガラスクロステープ7Aを巻き付けた状態の側面図、図4(b)はマイカテープ7Bを巻き付けた状態の側面図である。
テープ状の絶縁体7は、機械的強度に優れたガラスクロステープ7Aと、ガラスクロステープ7Aに比べて耐熱温度が高いマイカテープ7Bとで構成され、差込みプラグ1Aの種類や用途に応じて用いられる。
ガラスクロステープ7Aとマイカテープ7Bは、図4(a)、(b)に示すように、導線21の芯線21aを圧着接続した栓刃3の圧着部3aよりも前方側外周面から、該導線21の芯線21aを露出した露出側端部よりも後方側外面に至る範囲の接続部23の全体が覆われるように適宜数巻き付けている。
これにより、栓刃3と導線21とが接続された一対の接続部23間を、該接続部23の全体を覆うように巻き付けたガラスクロステープ7Aとマイカテープ7Bによって絶縁された状態に保つことができる。
また、ガラスクロステープ7Aとマイカテープ7Bは柔軟性を有しているので、接続部23の外周面に対して密着した状態に巻き付けることができる。このため、接続部23の内部に、トラッキングの原因となる異物(例えば水分、油分、塵埃、繊維等)が侵入することを防止できる。
また、コード2の外装部2aの露出側端部より後方側外周面には、帯状の結束バンド25を外装部2aの外周面に対して密着した状態に巻き付けている。
結束バンド25は、後述する製造方法においてコード2の先端部が覆われるように外皮6を射出成形する際、外皮6の内部に埋め込まれる。
これにより、例えば屈曲や捻れ、引張り等の負荷(ストレス)がコード2に付加された際、コード2に巻き付けた結束バンド25が外皮6の内部に係止されるので、その負荷が、栓刃3と導線21との接続部分に対して直接抜付加されることを防止できる。
この結果、導線21と栓刃3との接続部分や、導線21の芯線21a等に断線が起きることを防止できる。また、コード2と外皮6との隙間から、例えば水分や塵埃等の異物がプラグ内部に侵入することを防止できる。
また、本実施形態では、図2、図3に示すように、中子5を、異なる素材で形成した第1中子51と第2中子52とで構成している。第1中子51は、第2中子52よりも硬質なポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)で構成している。また、第2中子52は、第1中子51よりも絶縁性の高いメラミン樹脂で構成している。
第1中子51は、図2に示すように、上述の栓刃3,3及び接地極4が突出された方を前端として、凸形状をなす一対の嵌合部51a,51aを、第1中子51の前端側の下部両端に形成している。
また、嵌合部51a,51a間の中間部には、接地極4の形状に対応する多角形(ここでは正六角形状)の第1接地極挿通孔51bを長手方向Aに向けて穿設している。さらに、第1中子51の後端側の上部中央には、嵌合凹部51dを有する被係合部51cを形成している。
第2中子52は、図3に示すように、第1中子51の嵌合部51aと嵌合可能な一対の嵌合孔52a,52aを、第2中子52の中央両側部に穿設している。
また、一対の嵌合孔52a,52aの下方には、栓刃3,3の形状に対応する一対の栓刃挿通孔52b,52bを長手方向Aに向けて穿設している。さらに、嵌合孔52a,52a間の中間部には、接地極4の形状に対応する丸形状の第2接地極挿通孔52cを長手方向Aに向けて穿設している。
上述の中子5は、第2中子52の栓刃挿通孔52b,52bに栓刃3,3を挿通することにより、栓刃3,3の基部が、第2中子52によって被覆される。
つまり、第1中子51の嵌合部51aと第2中子52の嵌合孔52aとの嵌合により、第1中子51と第2中子52との相対位置が位置決めされるようになっている。
また、上述の位置決めによって、第1接地極挿通孔51bと第2接地極挿通孔52cが、図1に示すように連通し、連続した1つの接地極挿通孔53を形成するようになっている。
本実施形態では、上述の接地極挿通孔53に接地極4を挿通することにより、接地極4の基部が第1中子51と第2中子52によって被覆される。そして、接地極4は、一対の嵌合部51a,51a(嵌合孔52a,52a)の中間部に配設されると共に、長手方向Aと直交する方向における第1、第2中子51,52間の相対位置が位置決めされるようになっている。
ここで、第1中子51では、接地極4の基部のみが被覆される一方、第2中子52では、栓刃3,3及び接地極4の基部が被覆されている。
また、接地極4では、多角形状をなす部位が、他よりも厚肉に形成され、この厚肉部と他の部位とにより段差部41が形成されている。これにより、接地極4を接地極挿通孔53に挿通した時には、第1、第2接地極挿通孔51b,52cとの境界部と段差部41とが隙間無く嵌合し、その結果、接地極4の位置決めがなされるようになっている。
ところで、外皮6は、上述のコード2(導線21)と栓刃3とを接続した接続部23と、コード2と接地極4とを接続した接続部24を覆うように被覆される内層部6Aと、該内層部6Aを覆うように被覆される外層部6Bとで構成している。
内層部6Aと外層部6Bは、第1中子51及び第2中子52よりも軟質な素材で、絶縁性を有する改良塩化ビニルと塩化ビニルとでそれぞれ構成している。
改良塩化ビニルで構成される内層部6Aは、後述する射出成形により、図1に示すように、中子5の後端より後方側に露出された、コード2(導線21)と栓刃3とを接続した接続部23と、コード2と接地極4とを接続した接続部24を被覆するように配設している。
また、塩化ビニルで構成される外層部6Bは、内層部6Aの後端より露出されたコード2の先端側外周面と、中子5より露出された内層部6Aを覆うように配置している。
また、外皮6では、第1中子51の被係合部51cに対応する位置において、外皮6に開口部61が形成されている。そして、図1に示すように、被係合部51cが、開口部61から差込みプラグ1Aの外表面に露出した状態となっている。
さらに、第2中子52の前端側中央部には、該第2中子52の露出側前端面の温度を検知するためのサーミスタ18を配置している。
サーミスタ18は、栓刃3,3及び接地極4の略真ん中に配置され、第2中子52の後端側中央部に収容している。また、第2中子52の露出側前端面とサーミスタ18の検知側先端部との間は、露出側前端面の温度がサーミスタ18に対して直接的に熱伝導される肉厚に形成している。
つまり、第2中子52の露出側前端面の温度がサーミスタ18に対して直接的に熱伝導されるので、トラッキングが生じるような高温に達するまえに、図示しないコンセントから負荷装置への電流の供給を後述する電流遮断装置19によって遮断することができる。
サーミスタ18には、コード2の先端より引き出した信号線18a,18aの一端側を接続している。また、信号線18a,18aの他端側は、図示しないコンセントから負荷装置への電流の供給を遮断するための電流遮断装置19に接続している。
信号線18aは、例えば屈曲や捻れ、引張り等の負荷(ストレス)がコード2に付加された際、導線21の芯線21aが断線するよりも先に、サーミスタ18の信号線18aの断線が許容される線径に形成するか、その断線が許容される素材で構成している。
あるいは、信号線18aを長手方向Aに対して緊張した状態に配線し、上述の負荷(ストレス)が付加された際、導線21の芯線21aよりも先に断線するように構成してもよい。
なお、負荷装置は、例えば電気自動車に搭載されたバッテリー、あるいは、電子レンジ、トースター、電気機器等で構成することができる。
電流遮断装置19は、サーミスタ18から出力される検知信号に基づいて、第2中子52の露出側前端面の温度変化に応じて変動するサーミスタ18の抵抗値を算出する。そのサーミスタ18の抵抗値と予め設定した閾値とを比較して、第2中子52の露出側前端面の温度が所定温度以下であるか否かを判定する。
つまり、第2中子52の露出側前端面の温度が上昇すると、サーミスタ18の抵抗値が下がる。また、第2中子52の露出側前端面の温度が降下すると、サーミスタ18の抵抗値が上がるので、第2中子52の露出側前端面の温度変化に応じて変動するサーミスタ18の抵抗値の変化を検出することにより、第2中子52の露出側前端面の温度を正確に判定することができる。
第2中子52の露出側前端面の温度が所定温度以上に上昇し、サーミスタ18の抵抗値が予め設定した閾値よりも低いと判定された場合、電流遮断装置19によってコンセントから負荷装置への電流の供給を遮断する。
これにより、差込みプラグ1Aの前端面が所定温度以上に過熱されず、その過熱による発火等が起きることを防止できる。
また、第2中子52の露出側前端面の温度が所定温度以下に降下し、サーミスタ18の抵抗値が閾値よりも高いと判定された場合、コンセントから負荷装置への電流の供給を継続する。
また、電流遮断装置19は、サーミスタ18の信号線18aが断線して、サーミスタ18の回路がオープン状態(切断状態)となった場合、サーミスタ18から信号が出力されないことを検知するとともに、その検知に基づいて、信号線18aが断線したことを図示しない報知手段にて報知する。
つまり、差込みプラグ1Aをコンセントに差し込んだ状態において、例えば屈曲や捻れ、引張り等の負荷(ストレス)がコード2に付加された際、導線21の芯線21aが断線するよりも先にサーミスタ18の信号線18aが断線する。
サーミスタ18の回路がオープン状態(切断状態)となり、サーミスタ18から信号が出力されないことを検知した際、その検知に基づいて、信号線18aが断線したことを図示しない報知手段にて報知すれば、導線21が断線する恐れがあることを知らせることができる。
これにより、導線21が突然切れては困る機器等において、導線21が突然断線してトラブルが発生するまえに差込みプラグ1Aを交換することができる。この結果、機器に障害が起きることを防止することができる。
次に、図5、図6を参照して、第1実施形態の差込みプラグ1Aを製造する製造方法について説明する。
図5は第1実施形態の差込みプラグ1Aの製造工程を説明する説明図であって、図5(a)はコード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを組み付ける工程の説明図、図5(b)は外皮6の内層部6Aを射出成形する工程の説明図である。また、図6は第1実施形態の外皮6の外層部6Bを射出成形する工程の説明図である。
差込みプラグ1Aの製造では、先ず、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23を、該接続部23の全体を覆うように適宜数巻き付けたガラスクロステープ7Aで被覆して、隣り合う接続部23間を予め絶縁しておく。
次に、図5(a)に示すように、第2中子52の嵌合孔52aに第1中子51の嵌合部51aを嵌合させ、接地極4の挿通方向における第1、第2中子51,52間の相対位置を位置決めする。この時、第1、第2接地極挿通孔51b,52cが連通し、連続した1つの接地極挿通孔53が形成される。
続いて、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23の全体をガラスクロステープ7Aで被覆したまま、コード2の導線21,21が接続された栓刃3,3を、それぞれ対応する第2中子52の栓刃挿通孔52b,52bに挿通し、その基部を第2中子52で支持する。また、アース線22が接続された接地極4を、対応する接地極挿通53に挿通し、その基部を第1、第2中子51,52で支持する。
次に、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを一体的に組み付けたまま、後述する上型8aと下型9aとの間にセットして、外皮6の内層部6Aを射出成形する(図5(b)参照)。
外皮6の内層部6Aを形成するには、図5(b)に示すように、コード2が接続された栓刃3,3及び接地極4と、栓刃3,3及び接地極4が支持された中子5とを組み付けたまま、所定形状のキャビィティを有する上型8aと下型9aとの間に入れる。
この後、改良塩化ビニル(具体的には、塩化ビニルに対してエチレン系ポリマーと炭酸カルシウムとを所定量配合してなるコンパウンド)を、上型8aと下型9aとの間に形成されたキャビティ内に射出する。
つまり、内層部6Aを、中子5の後端より後方側に露出されたコード2の先端側外周面と、コード2の導線21と栓刃3とを接続した接続部23、すなわち、ガラスクロステープ7Aを被覆した接続部23の全体と、コード2の導線22と接地極4とを接続した接続部24の全体を覆うように射出成形した後、上型8aと下型9aを分離して、内層部6Aが射出成形された部品を取り出す。
次に、外皮6の外層部6Bを形成するには、上述の内層部6Aによって、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とが一体化された部品を、図6に示すように、所定形状のキャビィティを有する上型8bと下型9bとの間に入れる。
この後、塩化ビニル(具体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルポリマー、塩化ビニルレジン、塩化ビニルホモポリマー等の熱可塑性樹脂)を、上型8bと下型9bとの間に形成されたキャビティ内に射出する。
つまり、外層部6Bを、第1中子51の被係合部51cを除いて、内層部6Aの後端より露出されたコード2の先端側外周面と、中子5より露出された内層部6Aの露出側外面とを覆うように射出成形する。
上述の射出成形により、被係合部51cを外表面に露出させるための開口部61を有する外皮6が一体的に射出成形される。この後、上型8bと下型9bを分離して、外皮6が射出成形されたプラグ本体1zを取り出せば、図1に示す差込みプラグ1Aの製造が完了する。
また、外皮6を射出成形することで、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを隙間無く一体化することができる。
上述のようにして製造した差込みプラグ1Aは、ガラスクロステープ7Aを、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23に適宜数巻き付けて、該接続部23の全体を覆うように被覆しているので、プラグ本体1zの内部において隣り合う接続部23間を、該接続部23を覆うように巻き付けたガラスクロステープ7Aによって絶縁された状態に保つことができる。
つまり、ガラスクロステープ7Aによって接続部23間を絶縁しているので、接続部23間に導電経路が形成されず、接続部23間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。さらにまた、接続部23間の短絡やトラッキングによる発熱が防止されるため、接続部23間や接続部23に被覆された改良塩化ビニル及び塩化ビニルが炭化することを防止できる。
例えばコンセントに対する差込みプラグ1Aの差込み状態が悪く、過電流による栓刃3の発熱によって、栓刃3に被覆した熱可塑性樹脂が炭化しても、接続部23間に導電経路が形成されることを防止できる。また、外皮6を構成する熱可塑性樹脂に炭化する状況が起きなくても、接続部23間が短絡することを防止できる。
この結果、差込みプラグ1Aの内部においてトラッキングや炭化が起きることを防止できる。
また、ガラスクロステープ7Aの代わり、マイカテープ7Bを、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23に適宜数巻き付けて、該接続部23の全体を覆うように被覆してもよい。
上述の製造方法にて、マイカテープ7Bによって接続部23が被覆された差込みプラグ1Aを製造すれば、プラグ本体1zの内部において隣り合う接続部23間をマイカテープ7Bによって絶縁された状態に保つことができ、接続部23の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。
また、マイカテープ7Bは、上述のガラスクロステープ7Aに比べて耐熱温度が高く、過電流による栓刃の発熱によって、ガラスクロステープ7Aの耐熱温度よりも高温に加熱されても、絶縁性が損なわれることがなく、耐熱性の向上を図ることができる。
この結果、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23の耐熱性を高めて、接続部23間の絶縁性が発熱により低下することを防止できる。
また、ガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bによる絶縁効果に加えて、内層部6Aを構成する改良塩化ビニルによる絶縁効果が相乗して得られるので、ガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bで絶縁するよりも絶縁性が向上する。
(第2実施形態)
次に、図7を参照して、第2実施形態の差込みプラグ1Bを製造する製造方法について説明する。
図7は第2実施形態の差込みプラグ1Bを製造する製造方法の説明図であって、図7(a)はコード2と、栓刃3,3と、接地極4とを予め改良塩化ビニルで成形した中子型の内層部6Aに組み付ける工程の側面図、図7(b)は外皮6の外層部6Bを塩化ビニルで成形する成形工程の縦断側面図である。
なお、第2実施形態において、前記第1実施形態と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
第2実施形態の製造方法では、先ず、図7(a)に示すように、コード2の導線21,22が接続された栓刃3,3及び接地極4を、予め改良塩化ビニルにより成形された中子型を有する内層部6Aに組み付ける。
この後、内層部6Aの前端より前方側に突出された栓刃3,3と接地極4を、第2中子52の栓刃挿通孔52b,52bと接地極挿通53にそれぞれ挿通して、栓刃3,3及び接地極4の基部を第1、第2中子51,52で支持する。
次に、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5と、内層部6Aとを一体的に組み付けたまま、後述する上型8bと下型9bとの間にセットして、外皮6の外層部6Bを射出成形する(図7(b)参照)。
外皮6の外層部6Bを形成するには、上述の内層部6Aによって、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とが一体化された部品を、図7(b)に示すように、所定形状のキャビィティを有する上型8bと下型9bとの間に入れる。
この後、塩化ビニル(具体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルポリマー、塩化ビニルレジン、塩化ビニルホモポリマー等の熱可塑性樹脂)を、上型8bと下型9bとの間に形成されたキャビティ内に射出する。
つまり、外層部6Bを、第1中子51の被係合部51cを除いて、内層部6Aの後端より後方側に露出されたコード2の先端側外周面と、中子5の後端より後方側に露出された内層部6Aの露出側外面とを覆うように射出成形する。
外層部6Bを射出成形した後、上型8bと下型9bを分離して、外皮6が射出成形されたプラグ本体1zを取り出せば、差込みプラグ1Bの製造が完了する。
上述の製造方法にて製造した第2実施形態の差込みプラグ1Bは、差込みプラグ1Bの内部において隣り合う接続部23間を、該接続部23を覆うように巻き付けたガラスクロステープ7Aによって絶縁しているので、前記第1実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
なお、上述した改良塩化ビニルの代わりに、エラストマーにより内層部6Aを射出成形してもよい。また、塩化ビニルの代わりに、エラストマーにより外層部6Bを射出成形してもよい。
(第3実施形態)
次に、図8を参照して、第3実施形態の差込みプラグ1Cを製造する製造方法について説明する。
図8は第3実施形態の差込みプラグ1Cを製造する製造方法の説明図であって、図8(a)はコード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを組み付ける工程の説明図、図8(b)は外皮6をエラストマーのみで成形する成形工程の縦断側面図である。
なお、第3実施形態において、前記第1実施形態と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
第3実施形態の製造方法では、先ず、図8(a)に示すように、第1中子51と第2中子52とを嵌合した後、コード2の導線21,22が接続された栓刃3,3及び接地極4を、第2中子52の栓刃挿通孔52b,52bと接地極挿通53にそれぞれ挿通して、栓刃3,3及び接地極4の基部を第1、第2中子51,52で支持する。
次に、図8(b)に示すように、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを一体的に組み付けたまま、所定形状のキャビィティを有する上型8bと下型9bとの間に入れる。
この後、エラストマー(具体的には、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性樹脂)を、上型8bと下型9bとの間に形成されたキャビティ内に射出する。
外皮6を、第1中子51の被係合部51cを除いて、中子5の後端より後方側に露出されたコード2の先端側外周面と、コード2の導線21と栓刃3とを接続した接続部23、すなわち、ガラスクロステープ7Aを被覆した接続部23の全体と、コード2の導線22と接地極4とを接続した接続部24の全体を覆うように射出成形する。
外皮6を射出成形した後、上型8bと下型9bを分離して、外皮6が射出成形されたプラグ本体1zを取り出せば、差込みプラグ1Cの製造が完了する。
上述の製造方法にて製造した第3実施形態の差込みプラグ1Cは、差込みプラグ1Cの内部において隣り合う接続部23間を、該接続部23を覆うように巻き付けたガラスクロステープ7Aによって絶縁しているので、前記第1実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
また、コード2の導線21と栓刃3とを接続した接続部23間を絶縁する工程と、プラグ本体1zを成形する工程とが同時に行えるので、差込みプラグ1Cを製造する製造作業を簡素化して、作業効率の向上を図ることができる。
なお、上述したエラストマーの代わりに、例えば塩化ビニルに対してエチレン系ポリマーと炭酸カルシウムとを所定量配合してなる改良塩化ビニルを用いて、差込プラグ1Cの外皮6を射出成形してもよい。
これにより、ガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bによる絶縁効果に加えて、エラストマーの特性により、差込みプラグ1Cの成形精度及び寸法安定性、耐トラッキング性をさらに向上させることができる。
また、外皮6を、塩化ビニルのみで射出成形してもよく、ガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bによる絶縁効果が得られるので、第1実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
本発明の絶縁構造は、上述したストレート型の差込みプラグのみに限定されるものではなく、例えばコードに対して栓刃を長手方向と直交する方向に接続したL型の差込みプラグにも適用することができる。
1A,1B,1C…差込みプラグ
2…コード
3…栓刃
4…接地極
3a,4a…圧着部
5…中子
6…外皮
6A…内層部
6B…外層部
7…テープ状の絶縁体
7A…ガラスクロステープ
7B…マイカテープ
18…サーミスタ
21…導線
22…アース線
23,24…接続部
51…第1中子
52…第2中子
この発明は、例えば電気自動車、ハイブリッド自動車の充電用プラグ、あるいは、電子レンジ、トースター、電子機器、電気機器、電気器具等に対して電力を供給する際に用いられる差込みプラグの絶縁構造に関する。
従来、上述の差込みプラグとしては、例えばプラグの前端側に突出する栓刃とコードとの接続部を熱可塑性樹脂(ポリアミド)からなる一次絶縁体で被覆し、その一次絶縁体の周囲を塩化ビニルからなる二次絶縁体で一体的にモールド被覆した特許文献1の二重絶縁電源プラグが提案されている。
しかし、特許文献1の二重絶縁電源プラグは、例えば電源であるコンセントに対する差込み状態が悪く、過電流により栓刃が発熱した際、栓刃に被覆した一次絶縁体と、その周囲に被覆した二次絶縁体とが高温に加熱されるので、その高熱により各絶縁体が炭化することになる。つまり、各絶縁体が炭化することにより、栓刃間に抵抗が小さい導電経路が形成されるので、プラグ内部の栓刃間にトラッキングが起きやすくなる。また、トラッキングが繰り返されることにより、プラグが発熱して、発火するという問題があった。
特開平9−306581号公報
この発明は、差込みプラグの内部においてトラッキングや炭化が起きることを防止でき、耐トラッキング性に優れた差込みプラグの絶縁構造を提供することを目的とする。
この発明は、電源側のコンセントに差し込まれる複数の栓刃と、該各栓刃の基部に対して複数の導線を接続したコードとを備え、コードの導線を接続した栓刃の基部と、コードの導線が露出された先端部とを熱可塑性樹脂で被覆して、プラグ本体を一体的に成形した差込みプラグにおいて、前記コードの先端より露出された複数の導線と、該各導線が接続された前記各栓刃との各接続部を、該接続部の全体を覆うように適宜数巻き付けたテープ状の絶縁体で被覆した差込みプラグの絶縁構造であることを特徴とする。
この発明によれば、差込みプラグの内部においてトラッキングや炭化が起きることを防止できる。
詳述すると、テープ状の絶縁体を、導線と栓刃とが接続された接続部に適宜数巻き付けて、該接続部の全体を覆うように被覆している。つまり、コードの導線が接続された栓刃の基部と、コードの導線が露出された先端部と、テープ状の絶縁体で被覆された接続部とを熱可塑性樹脂で被覆して、プラグ本体を一体的に成形している。
これにより、プラグ本体の内部において、導線と栓刃とが接続された接続部間を、該接続部を覆うように巻き付けたテープ状の絶縁体によって絶縁された状態に保つことができる。
つまり、テープ状の絶縁体によって接続部間を絶縁しているので、接続部間に導電経路が形成されず、接続部間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。さらにまた、接続部間の短絡やトラッキングによる発熱が防止されるため、接続部間や接続部に被覆された熱可塑性樹脂が炭化することを防止できる。
また、テープ状の絶縁体は柔軟性を有しているので、例えば凹凸を有する接続部に対して密着した状態に巻き付けることができる。このため、接続部の内部に、トラッキングの原因となる異物(例えば水分、油分、塵埃、繊維等)が侵入することを防止できる。
例えばコンセントに対する差込みプラグの差込み状態が悪く、過電流による栓刃の発熱によって、栓刃に被覆した熱可塑性樹脂が炭化しても、導線と栓刃とが接続された接続部間をテープ状の絶縁体によって絶縁しているため、接続部間に導電経路が形成されることを防止できる。また、プラグ本体を構成する熱可塑性樹脂に炭化する状況が起きなくても、接続部間が短絡することを防止できる。
この発明の態様として、前記接続部を、前記栓刃の前記導線を圧着接続した圧着部よりも前方側外面から、該導線の芯線を露出した露出側端部よりも後方側外面に至る範囲に設定し、該範囲と対応する前記接続部の全体を前記テープ状の絶縁体で被覆することができる。
この発明によれば、導線の先端より露出された芯線間に短絡やトラッキングが起きることを防止できる。
詳述すると、テープ状の絶縁体を、栓刃の導線を圧着接続した圧着部よりも前方側外面から、該導線の芯線を露出した露出側端部よりも後方側外面に至る範囲の接続部に巻き付けて、導線の先端より露出された芯線をテープ状の絶縁体にて被覆している。
これにより、導線の先端より露出された芯線間を、接続部を覆うように巻き付けたテープ状の絶縁体によって確実に絶縁することができる。
また、導線の先端より露出された芯線間の間隔が、栓刃間の間隔より狭くても、芯線間に導電経路が形成されることがないので、芯線間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。さらにまた、芯線間の短絡やトラッキングによる発熱が防止されるため、芯線間や芯線に被覆された熱可塑性樹脂が炭化することを防止できる。
また、この発明の態様として、前記テープ状の絶縁体を、ガラスクロステープで構成することができる。
この発明によれば、導線と栓刃とが接続された接続部の接続強度を高めて、耐久性の向上を図ることができる。
詳述すると、ガラスクロステープを、導線と栓刃とが接続された接続部に適宜数巻き付けて、該接続部の全体を覆うように被覆している。これにより、隣り合う接続部間を、強度の高いガラスクロステープにより絶縁された状態に保つことができ、接続部間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。
また、ガラスクロステープの特性により接続部の接続強度を高めることができ、例えば屈曲や捻れ、引張り等の負荷(ストレス)が接続部に付加されても、導線と栓刃との接続部や、導線の芯線等に断線が起きることを防止でき、接続部における耐熱性と接続強度の向上を図ることができる。
また、この発明の態様として、前記テープ状の絶縁体を、マイカテープで構成することができる。
この発明によれば、導線と栓刃とが接続された接続部の耐熱性を高めて、接続部間の絶縁性が発熱により低下することを防止できる。
詳述すると、マイカテープを、導線と栓刃とが接続された接続部に適宜数巻き付けて、該接続部の全体を覆うように被覆している。これにより、隣り合う接続部間を、耐熱性の高いマイカテープにより絶縁された状態に保つことができ、接続部間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。
また、マイカテープは、上述のガラスクロステープに比べて耐熱温度が高く、過電流による栓刃の発熱によって、ガラスクロステープの耐熱温度よりも高温に加熱されても、絶縁性が損なわれることがなく、耐熱性の向上を図ることができる。
なお、上述のマイカテープとガラスクロステープとを複合又は組み合わせて巻き付けてもよく、両テープの特性によって、接続強度と耐熱性の両方を向上させることができる。
また、この発明の態様として、記プラグ本体の外皮を、前記接続部を覆うように被覆される内層部と、該内層部を覆うように被覆される外層部とで構成し、前記内層部を、エラストマー又は改良塩化ビニルのいずれか一方の熱可塑性樹脂で構成し、前記外層部を、エラストマー又は塩化ビニルのいずれか一方の熱可塑性樹脂で構成することができる。
この発明によれば、導線と栓刃とが接続された接続部の絶縁性を高めることができる。
詳述すると、上述の接続部を覆うように被覆される内層部を、エラストマー又は改良塩化ビニルのいずれか一方の熱可塑性樹脂で構成することにより、導線と栓刃が接続された接続部間を、エラストマー又は改良塩化ビニルにより絶縁することができる。
これにより、テープ状の絶縁体による絶縁効果に加えて、エラストマー又は改良塩化ビニルによる絶縁効果が相乗して得られる。また、テープ状の絶縁体又は熱可塑性樹脂のいずれかで絶縁するよりも、絶縁性を高めることができる。
上述のエラストマーは、例えばオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性樹脂で構成することができる。
また、改良塩化ビニルは、例えば塩化ビニルに対してエチレン系ポリマーと炭酸カルシウムとを所定量配合してなるコンパウンド等の熱可塑性樹脂で構成することができる。
また、塩化ビニルは、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニルポリマー、塩化ビニルレジン、塩化ビニルホモポリマー等の熱可塑性樹脂で構成することができる。
また、この発明の態様として、前記プラグ本体の外皮を、エラストマー、改良塩化ビニル、塩化ビニルのうちいずれか一つの熱可塑性樹脂で構成することができる。
この発明によれば、外皮を一つの熱可塑性樹脂のみで成形するので、差込みプラグを製造する製造工程を簡素化して、作業効率の向上を図ることができる。
詳述すると、プラグ本体の外皮を、エラストマー、改良塩化ビニル、塩化ビニルのうちいずれか一つの熱可塑性樹脂で構成することにより、コードの導線を接続した栓刃の基部と、コードの導線が露出された先端部と、導線と栓刃とが接続された接続部とを同時に被覆することができる。
これにより、導線と栓刃とが接続された接続部間を絶縁する工程と、プラグ本体を成形する工程とが同時に行え、差込みプラグを製造する製造工程の簡素化及び作業効率の向上を図ることができる。また、プラグ本体の外皮を塩化ビニルで構成すれば、差込みプラグを安価に製造することができる。
また、この発明の態様として、前記改良塩化ビニルを、前記塩化ビニルに対してエチレン系ポリマーと炭酸カルシウムとを所定量配合して構成することができる。
この発明によれば、差込みプラグの成形性及び寸法安定性、耐トラッキング性が向上するとともに、優れた耐断線スパーク特性を有する差込みプラグを寸法通りに高い精度で製造することができる。
上述のエチレン系ポリマーは、三井・デュポンポリケミカル株式会社のエチレン系コポリマーで構成することができる。また、炭酸カルシウムは、例えば重炭酸カルシウム、軽炭酸カルシウム等で構成することができる。
詳述すると、上述のエチレン系ポリマーを塩化ビニルに配合することにより、耐トラッキング性が向上する。また、エチレン系ポリマーは、従来例のエチレン−アクリル酸エステル−極性モノマー共重合体に比べて、塩化ビニルに対する相溶性に優れているので、分子的に均一に相溶したコンパウンドを得ることができる。
また、エチレン系ポリマーはフィラー充填特性にも優れているので、該エチレン系ポリマーを配合したコンパウンドは、電源コードのプラグやコードなどを寸法通りに高い精度で成形するための材料として用いることができる。
また、塩化ビニルに配合する炭酸カルシウムの重量部を調整すれば、コンパウンドの粘度及び流動性を、プラグやコードなどの成形品に応じて設定することができ、成形品の成形精度が向上する。
この発明によれば、差込みプラグの内部においてトラッキングや炭化が起きることを防止できる。
第1実施形態の差込みプラグの縦断側面図。 第1中子の構成説明図。 第2中子の構成説明図。 テープ状の絶縁体の巻き付け状態を説明する説明図。 第1実施形態の差込みプラグの製造工程を説明する説明図。 第1実施形態の外皮の外層部を射出成形する工程の説明図。 第2実施形態の差込みプラグの製造工程を説明する説明図。 第3実施形態の差込みプラグの製造工程を説明する説明図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は第1実施形態の差込みプラグ1Aの縦断側面図、図2は第1中子51の構成説明図、図3は第2中子52の構成説明図である。
図2は第1中子51の構成説明図であって、図2(a)は第1中子51の正面図、図2(b)は第1中子51の底面図、図2(c)は(a)に示す第1中子51のB−B線矢視断面図である。
図3は第2中子52の構成説明図であって、図3(a)は第2中子52の背面図、図3(b)は第2中子52の平面図、図3(c)は(a)に示す第2中子52のC−C線矢視断面図、図3(d)は(a)に示す第2中子52のD−D線矢視断面図である。
(第1実施形態)
第1実施形態の差込みプラグ1Aは、コード2に対して栓刃3,3及び接地極4を長手方向Aに向けて略真っ直ぐに接続したストレート型のプラグであって、プラグ本体1zの後端側に連設されるコード2と、プラグ本体1zの前端側に突設される一対の栓刃3,3及び接地極4と、栓刃3,3及び接地極4を支持する中子5と、コード2の先端部及び中子5を被覆する外皮6とを備えている。
なお、本実施形態において、栓刃3,3及び接地極4が突設された一方を前端側又は前方側、他方を後端側又は後方側として設定している。
本実施形態では、上述したコード2を、2本の導線21,21(図2では、手前側のみ示す)と、1本のアース線22とで構成している。導線21及びアース線22は、いずれも導電性を有する線条の導体を複数本束ねてなる芯線21a,22aの外周を、絶縁樹脂からなる絶縁材21b,22bで被覆した構成となっており、各先端部では、絶縁材21b,22bが取り除かれて芯線21a,22aが露出している。
導線21は、絶縁材21bの先端より露出した芯線21aの露出側端部を、栓刃3の基部に形成した圧着部3aにそれぞれ圧着接続して、導線21の先端を栓刃3に接続している。
また、アース線22は、絶縁材22bの先端より露出した芯線22aの露出側端部を、接地極4の基部に形成した圧着部4aに圧着接続して、アース線22の先端を接地極4に接続している。
さらに、コード2は、導線21,21及びアース線22を、1つに束ねたまま絶縁性を有する外装部2aにより被覆した構成となっており、先端部では、外装部2aが取り除かれて、該外装部2aの先端より導線21,21及びアース線22を所定長さ露出している。
さらにまた、導線21の芯線21aを、栓刃3の圧着部3aに圧着接続した接続部23には、絶縁性及び耐熱性を備えたテープ状の絶縁体7を適宜数巻き付けて被覆している。
次に、図4を参照して、上述のテープ状の絶縁体7を巻き付ける巻き付け方法について説明する。
図4はテープ状の絶縁体7の巻き付け状態を説明する説明図であって、図4(a)はガラスクロステープ7Aを巻き付けた状態の側面図、図4(b)はマイカテープ7Bを巻き付けた状態の側面図である。
テープ状の絶縁体7は、機械的強度に優れたガラスクロステープ7Aと、ガラスクロステープ7Aに比べて耐熱温度が高いマイカテープ7Bとで構成され、差込みプラグ1Aの種類や用途に応じて用いられる。
ガラスクロステープ7Aとマイカテープ7Bは、図4(a)、(b)に示すように、導線21の芯線21aを圧着接続した栓刃3の圧着部3aよりも前方側外周面から、該導線21の芯線21aを露出した露出側端部よりも後方側外面に至る範囲の接続部23の全体が覆われるように適宜数巻き付けている。
これにより、栓刃3と導線21とが接続された一対の接続部23間を、該接続部23の全体を覆うように巻き付けたガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bによって絶縁された状態に保つことができる。
また、ガラスクロステープ7Aとマイカテープ7Bは柔軟性を有しているので、接続部23の外周面に対して密着した状態に巻き付けることができる。このため、接続部23の内部に、トラッキングの原因となる異物(例えば水分、油分、塵埃、繊維等)が侵入することを防止できる。
また、コード2の外装部2aの露出側端部より後方側外周面には、帯状の結束バンド25を外装部2aの外周面に対して密着した状態に巻き付けている。
結束バンド25は、後述する製造方法においてコード2の先端部が覆われるように外皮6を射出成形する際、外皮6の内部に埋め込まれる。
これにより、例えば屈曲や捻れ、引張り等の負荷(ストレス)がコード2に付加された際、コード2に巻き付けた結束バンド25が外皮6の内部に係止されるので、その負荷が、栓刃3と導線21との接続部分に対して直接付加されることを防止できる。
この結果、導線21と栓刃3との接続部分や、導線21の芯線21a等に断線が起きることを防止できる。また、コード2と外皮6との隙間から、例えば水分や塵埃等の異物がプラグ内部に侵入することを防止できる。
また、本実施形態では、図2、図3に示すように、中子5を、異なる素材で形成した第1中子51と第2中子52とで構成している。第1中子51は、第2中子52よりも硬質なポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)で構成している。また、第2中子52は、第1中子51よりも絶縁性の高いメラミン樹脂で構成している。
第1中子51は、図2に示すように、上述の栓刃3,3及び接地極4が突出された方を前端として、凸形状をなす一対の嵌合部51a,51aを、第1中子51の前端側の下部両端に形成している。
また、嵌合部51a,51a間の中間部には、接地極4の形状に対応する多角形(ここでは正六角形状)の第1接地極挿通孔51bを長手方向Aに向けて穿設している。さらに、第1中子51の後端側の上部中央には、嵌合凹部51dを有する被係合部51cを形成している。
第2中子52は、図3に示すように、第1中子51の嵌合部51aと嵌合可能な一対の嵌合孔52a,52aを、第2中子52の中央両側部に穿設している。
また、一対の嵌合孔52a,52aの下方には、栓刃3,3の形状に対応する一対の栓刃挿通孔52b,52bを長手方向Aに向けて穿設している。さらに、嵌合孔52a,52a間の中間部には、接地極4の形状に対応する丸形状の第2接地極挿通孔52cを長手方向Aに向けて穿設している。
上述の中子5は、第2中子52の栓刃挿通孔52b,52bに栓刃3,3を挿通することにより、栓刃3,3の基部が、第2中子52によって被覆される。
つまり、第1中子51の嵌合部51aと第2中子52の嵌合孔52aとの嵌合により、第1中子51と第2中子52との相対位置が位置決めされるようになっている。
また、上述の位置決めによって、第1接地極挿通孔51bと第2接地極挿通孔52cが、図1に示すように連通し、連続した1つの接地極挿通孔53を形成するようになっている。
本実施形態では、上述の接地極挿通孔53に接地極4を挿通することにより、接地極4の基部が第1中子51と第2中子52によって被覆される。そして、接地極4は、一対の嵌合部51a,51a(嵌合孔52a,52a)の中間部に配設されると共に、長手方向Aと直交する方向における第1、第2中子51,52間の相対位置が位置決めされるようになっている。
ここで、第1中子51では、接地極4の基部のみが被覆される一方、第2中子52では、栓刃3,3及び接地極4の基部が被覆されている。
また、接地極4では、多角形状をなす部位が、他よりも厚肉に形成され、この厚肉部と他の部位とにより段差部41が形成されている。これにより、接地極4を接地極挿通孔53に挿通した時には、第1、第2接地極挿通孔51b,52cとの境界部と段差部41とが隙間無く嵌合し、その結果、接地極4の位置決めがなされるようになっている。
ところで、外皮6は、上述のコード2(導線21)と栓刃3とを接続した接続部23と、コード2と接地極4とを接続した接続部24を覆うように被覆される内層部6Aと、該内層部6Aを覆うように被覆される外層部6Bとで構成している。
内層部6Aと外層部6Bは、第1中子51及び第2中子52よりも軟質な素材で、絶縁性を有する改良塩化ビニルと塩化ビニルとでそれぞれ構成している。
改良塩化ビニルで構成される内層部6Aは、後述する射出成形により、図1に示すように、中子5の後端より後方側に露出された、コード2(導線21)と栓刃3とを接続した接続部23と、コード2と接地極4とを接続した接続部24を被覆するように配設している。
また、塩化ビニルで構成される外層部6Bは、内層部6Aの後端より露出されたコード2の先端側外周面と、中子5より露出された内層部6Aを覆うように配置している。
また、外皮6では、第1中子51の被係合部51cに対応する位置において、外皮6に開口部61が形成されている。そして、図1に示すように、被係合部51cが、開口部61から差込みプラグ1Aの外表面に露出した状態となっている。
さらに、第2中子52の前端側中央部には、該第2中子52の露出側前端面の温度を検知するためのサーミスタ18を配置している。
サーミスタ18は、栓刃3,3及び接地極4の略真ん中に配置され、第2中子52の後端側中央部に収容している。また、第2中子52の露出側前端面とサーミスタ18の検知側先端部との間は、露出側前端面の温度がサーミスタ18に対して直接的に熱伝導される肉厚に形成している。
つまり、第2中子52の露出側前端面の温度がサーミスタ18に対して直接的に熱伝導されるので、トラッキングが生じるような高温に達するまえに、図示しないコンセントから負荷装置への電流の供給を後述する電流遮断装置19によって遮断することができる。
サーミスタ18には、コード2の先端より引き出した信号線18a,18aの一端側を接続している。また、信号線18a,18aの他端側は、図示しないコンセントから負荷装置への電流の供給を遮断するための電流遮断装置19に接続している。
信号線18aは、例えば屈曲や捻れ、引張り等の負荷(ストレス)がコード2に付加された際、導線21の芯線21aが断線するよりも先に、サーミスタ18の信号線18aの断線が許容される線径に形成するか、その断線が許容される素材で構成している。
あるいは、信号線18aを長手方向Aに対して緊張した状態に配線し、上述の負荷(ストレス)が付加された際、導線21の芯線21aよりも先に断線するように構成してもよい。
なお、負荷装置は、例えば電気自動車に搭載されたバッテリー、あるいは、電子レンジ、トースター、電気機器等で構成することができる。
電流遮断装置19は、サーミスタ18から出力される検知信号に基づいて、第2中子52の露出側前端面の温度変化に応じて変動するサーミスタ18の抵抗値を算出する。そのサーミスタ18の抵抗値と予め設定した閾値とを比較して、第2中子52の露出側前端面の温度が所定温度以下であるか否かを判定する。
つまり、第2中子52の露出側前端面の温度が上昇すると、サーミスタ18の抵抗値が下がる。また、第2中子52の露出側前端面の温度が降下すると、サーミスタ18の抵抗値が上がるので、第2中子52の露出側前端面の温度変化に応じて変動するサーミスタ18の抵抗値の変化を検出することにより、第2中子52の露出側前端面の温度を正確に判定することができる。
第2中子52の露出側前端面の温度が所定温度以上に上昇し、サーミスタ18の抵抗値が予め設定した閾値よりも低いと判定された場合、電流遮断装置19によってコンセントから負荷装置への電流の供給を遮断する。
これにより、差込みプラグ1Aの前端面が所定温度以上に過熱されず、その過熱による発火等が起きることを防止できる。
また、第2中子52の露出側前端面の温度が所定温度以下に降下し、サーミスタ18の抵抗値が閾値よりも高いと判定された場合、コンセントから負荷装置への電流の供給を継続する。
また、電流遮断装置19は、サーミスタ18の信号線18aが断線して、サーミスタ18の回路がオープン状態(切断状態)となった場合、サーミスタ18から信号が出力されないことを検知するとともに、その検知に基づいて、信号線18aが断線したことを図示しない報知手段にて報知する。
つまり、差込みプラグ1Aをコンセントに差し込んだ状態において、例えば屈曲や捻れ、引張り等の負荷(ストレス)がコード2に付加された際、導線21の芯線21aが断線するよりも先にサーミスタ18の信号線18aが断線する。
サーミスタ18の回路がオープン状態(切断状態)となり、サーミスタ18から信号が出力されないことを検知した際、その検知に基づいて、信号線18aが断線したことを図示しない報知手段にて報知すれば、導線21が断線する恐れがあることを知らせることができる。
これにより、導線21が突然切れては困る機器等において、導線21が突然断線してトラブルが発生するまえに差込みプラグ1Aを交換することができる。この結果、機器に障害が起きることを防止することができる。
次に、図5、図6を参照して、第1実施形態の差込みプラグ1Aを製造する製造方法について説明する。
図5は第1実施形態の差込みプラグ1Aの製造工程を説明する説明図であって、図5(a)はコード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを組み付ける工程の説明図、図5(b)は外皮6の内層部6Aを射出成形する工程の説明図である。また、図6は第1実施形態の外皮6の外層部6Bを射出成形する工程の説明図である。
差込みプラグ1Aの製造では、先ず、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23を、該接続部23の全体を覆うように適宜数巻き付けたガラスクロステープ7Aで被覆して、隣り合う接続部23間を予め絶縁しておく。
次に、図5(a)に示すように、第2中子52の嵌合孔52aに第1中子51の嵌合部51aを嵌合させ、接地極4の挿通方向における第1、第2中子51,52間の相対位置を位置決めする。この時、第1、第2接地極挿通孔51b,52cが連通し、連続した1つの接地極挿通孔53が形成される。
続いて、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23の全体をガラスクロステープ7Aで被覆したまま、コード2の導線21,21が接続された栓刃3,3を、それぞれ対応する第2中子52の栓刃挿通孔52b,52bに挿通し、その基部を第2中子52で支持する。また、アース線22が接続された接地極4を、対応する接地極挿通53に挿通し、その基部を第1、第2中子51,52で支持する。
次に、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを一体的に組み付けたまま、後述する上型8aと下型9aとの間にセットして、外皮6の内層部6Aを射出成形する(図5(b)参照)。
外皮6の内層部6Aを形成するには、図5(b)に示すように、コード2が接続された栓刃3,3及び接地極4と、栓刃3,3及び接地極4が支持された中子5とを組み付けたまま、所定形状のキャビィティを有する上型8aと下型9aとの間に入れる。
この後、改良塩化ビニル(具体的には、塩化ビニルに対してエチレン系ポリマーと炭酸カルシウムとを所定量配合してなるコンパウンド)を、上型8aと下型9aとの間に形成されたキャビティ内に射出する。
つまり、内層部6Aを、中子5の後端より後方側に露出されたコード2の先端側外周面と、コード2の導線21と栓刃3とを接続した接続部23、すなわち、ガラスクロステープ7Aを被覆した接続部23の全体と、コード2のアース線22と接地極4とを接続した接続部24の全体を覆うように射出成形した後、上型8aと下型9aを分離して、内層部6Aが射出成形された部品を取り出す。
次に、外皮6の外層部6Bを形成するには、上述の内層部6Aによって、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とが一体化された部品を、図6に示すように、所定形状のキャビィティを有する上型8bと下型9bとの間に入れる。
この後、塩化ビニル(具体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルポリマー、塩化ビニルレジン、塩化ビニルホモポリマー等の熱可塑性樹脂)を、上型8bと下型9bとの間に形成されたキャビティ内に射出する。
つまり、外層部6Bを、第1中子51の被係合部51cを除いて、内層部6Aの後端より露出されたコード2の先端側外周面と、中子5より露出された内層部6Aの露出側外面とを覆うように射出成形する。
上述の射出成形により、被係合部51cを外表面に露出させるための開口部61を有する外皮6が一体的に射出成形される。この後、上型8bと下型9bを分離して、外皮6が射出成形されたプラグ本体1zを取り出せば、図1に示す差込みプラグ1Aの製造が完了する。
また、外皮6を射出成形することで、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを隙間無く一体化することができる。
上述のようにして製造した差込みプラグ1Aは、ガラスクロステープ7Aを、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23に適宜数巻き付けて、該接続部23の全体を覆うように被覆しているので、プラグ本体1zの内部において隣り合う接続部23間を、該接続部23を覆うように巻き付けたガラスクロステープ7Aによって絶縁された状態に保つことができる。
つまり、ガラスクロステープ7Aによって接続部23間を絶縁しているので、接続部23間に導電経路が形成されず、接続部23間の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。さらにまた、接続部23間の短絡やトラッキングによる発熱が防止されるため、接続部23間や接続部23に被覆された改良塩化ビニル及び塩化ビニルが炭化することを防止できる。
例えばコンセントに対する差込みプラグ1Aの差込み状態が悪く、過電流による栓刃3の発熱によって、栓刃3に被覆した熱可塑性樹脂が炭化しても、接続部23間に導電経路が形成されることを防止できる。また、外皮6を構成する熱可塑性樹脂に炭化する状況が起きなくても、接続部23間が短絡することを防止できる。
この結果、差込みプラグ1Aの内部においてトラッキングや炭化が起きることを防止できる。
また、ガラスクロステープ7Aの代わり、マイカテープ7Bを、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23に適宜数巻き付けて、該接続部23の全体を覆うように被覆してもよい。
上述の製造方法にて、マイカテープ7Bによって接続部23が被覆された差込みプラグ1Aを製造すれば、プラグ本体1zの内部において隣り合う接続部23間をマイカテープ7Bによって絶縁された状態に保つことができ、接続部23の短絡によるトラッキングが起きることを防止できる。
また、マイカテープ7Bは、上述のガラスクロステープ7Aに比べて耐熱温度が高く、過電流による栓刃の発熱によって、ガラスクロステープ7Aの耐熱温度よりも高温に加熱されても、絶縁性が損なわれることがなく、耐熱性の向上を図ることができる。
この結果、コード2の導線21と栓刃3とが接続された接続部23の耐熱性を高めて、接続部23間の絶縁性が発熱により低下することを防止できる。
また、ガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bによる絶縁効果に加えて、内層部6Aを構成する改良塩化ビニルによる絶縁効果が相乗して得られるので、ガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bで絶縁するよりも絶縁性が向上する。
(第2実施形態)
次に、図7を参照して、第2実施形態の差込みプラグ1Bを製造する製造方法について説明する。
図7は第2実施形態の差込みプラグ1Bを製造する製造方法の説明図であって、図7(a)はコード2と、栓刃3,3と、接地極4とを予め改良塩化ビニルで成形した中子型の内層部6Aに組み付ける工程の側面図、図7(b)は外皮6の外層部6Bを塩化ビニルで成形する成形工程の縦断側面図である。
なお、第2実施形態において、前記第1実施形態と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
第2実施形態の製造方法では、先ず、図7(a)に示すように、コード2の導線21とアース線22が接続された栓刃3,3及び接地極4を、予め改良塩化ビニルにより成形された中子型を有する内層部6Aに組み付ける。
この後、内層部6Aの前端より前方側に突出された栓刃3,3と接地極4を、第2中子52の栓刃挿通孔52b,52bと接地極挿通53にそれぞれ挿通して、栓刃3,3及び接地極4の基部を第1、第2中子51,52で支持する。
次に、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5と、内層部6Aとを一体的に組み付けたまま、後述する上型8bと下型9bとの間にセットして、外皮6の外層部6Bを射出成形する(図7(b)参照)。
外皮6の外層部6Bを形成するには、上述の内層部6Aによって、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とが一体化された部品を、図7(b)に示すように、所定形状のキャビィティを有する上型8bと下型9bとの間に入れる。
この後、塩化ビニル(具体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルポリマー、塩化ビニルレジン、塩化ビニルホモポリマー等の熱可塑性樹脂)を、上型8bと下型9bとの間に形成されたキャビティ内に射出する。
つまり、外層部6Bを、第1中子51の被係合部51cを除いて、内層部6Aの後端より後方側に露出されたコード2の先端側外周面と、中子5の後端より後方側に露出された内層部6Aの露出側外面とを覆うように射出成形する。
外層部6Bを射出成形した後、上型8bと下型9bを分離して、外皮6が射出成形されたプラグ本体1zを取り出せば、差込みプラグ1Bの製造が完了する。
上述の製造方法にて製造した第2実施形態の差込みプラグ1Bは、差込みプラグ1Bの内部において隣り合う接続部23間を、該接続部23を覆うように巻き付けたガラスクロステープ7Aによって絶縁しているので、前記第1実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
なお、上述した改良塩化ビニルの代わりに、エラストマーにより内層部6Aを射出成形してもよい。また、塩化ビニルの代わりに、エラストマーにより外層部6Bを射出成形してもよい。
(第3実施形態)
次に、図8を参照して、第3実施形態の差込みプラグ1Cを製造する製造方法について説明する。
図8は第3実施形態の差込みプラグ1Cを製造する製造方法の説明図であって、図8(a)はコード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを組み付ける工程の説明図、図8(b)は外皮6をエラストマーのみで成形する成形工程の縦断側面図である。
なお、第3実施形態において、前記第1実施形態と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
第3実施形態の製造方法では、先ず、図8(a)に示すように、第1中子51と第2中子52とを嵌合した後、コード2の導線21とアース線22が接続された栓刃3,3及び接地極4を、第2中子52の栓刃挿通孔52b,52bと接地極挿通53にそれぞれ挿通して、栓刃3,3及び接地極4の基部を第1、第2中子51,52で支持する。
次に、図8(b)に示すように、コード2と、栓刃3,3と、接地極4と、中子5とを一体的に組み付けたまま、所定形状のキャビィティを有する上型8bと下型9bとの間に入れる。
この後、エラストマー(具体的には、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性樹脂)を、上型8bと下型9bとの間に形成されたキャビティ内に射出する。
外皮6を、第1中子51の被係合部51cを除いて、中子5の後端より後方側に露出されたコード2の先端側外周面と、コード2の導線21と栓刃3とを接続した接続部23、すなわち、ガラスクロステープ7Aを被覆した接続部23の全体と、コード2のアース線22と接地極4とを接続した接続部24の全体を覆うように射出成形する。
外皮6を射出成形した後、上型8bと下型9bを分離して、外皮6が射出成形されたプラグ本体1zを取り出せば、差込みプラグ1Cの製造が完了する。
上述の製造方法にて製造した第3実施形態の差込みプラグ1Cは、差込みプラグ1Cの内部において隣り合う接続部23間を、該接続部23を覆うように巻き付けたガラスクロステープ7Aによって絶縁しているので、前記第1実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
また、コード2の導線21と栓刃3とを接続した接続部23間を絶縁する工程と、プラグ本体1zを成形する工程とが同時に行えるので、差込みプラグ1Cを製造する製造作業を簡素化して、作業効率の向上を図ることができる。
なお、上述したエラストマーの代わりに、例えば塩化ビニルに対してエチレン系ポリマーと炭酸カルシウムとを所定量配合してなる改良塩化ビニルを用いて、差込プラグ1Cの外皮6を射出成形してもよい。
これにより、ガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bによる絶縁効果に加えて、エラストマーの特性により、差込みプラグ1Cの成形精度及び寸法安定性、耐トラッキング性をさらに向上させることができる。
また、外皮6を、塩化ビニルのみで射出成形してもよく、ガラスクロステープ7A又はマイカテープ7Bによる絶縁効果が得られるので、第1実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
本発明の絶縁構造は、上述したストレート型の差込みプラグのみに限定されるものではなく、例えばコードに対して栓刃を長手方向と直交する方向に接続したL型の差込みプラグにも適用することができる。
1A,1B,1C…差込みプラグ
2…コード
3…栓刃
4…接地極
3a,4a…圧着部
5…中子
6…外皮
6A…内層部
6B…外層部
7…テープ状の絶縁体
7A…ガラスクロステープ
7B…マイカテープ
18…サーミスタ
21…導線
22…アース線
23,24…接続部
51…第1中子
52…第2中子

Claims (7)

  1. 電源側のコンセントに差し込まれる複数の栓刃と、該各栓刃の基部に対して複数の導線を接続したコードとを備え、コードの導線を接続した栓刃の基部と、コードの導線が露出された先端部とを熱可塑性樹脂で被覆して、プラグ本体を一体的に成形した差込みプラグにおいて、
    前記コードの先端部より露出された複数の導線と、該各導線が接続された前記各栓刃との各接続部を、該接続部の全体を覆うように適宜数巻き付けたテープ状の絶縁体で被覆した
    差込みプラグの絶縁構造。
  2. 前記接続部を、
    前記栓刃の前記導線を圧着接続した圧着部よりも前方側外面から、該導線の芯線を露出した露出側端部よりも後方側外面に至る範囲に設定し、
    該範囲と対応する前記接続部の全体を前記テープ状の絶縁体で被覆した
    請求項1に記載の差込みプラグの絶縁構造。
  3. 前記テープ状の絶縁体を、ガラスクロステープで構成した
    請求項1又は2に記載の差込みプラグの絶縁構造。
  4. 前記テープ状の絶縁体を、マイカテープで構成した
    請求項1又は2に記載の差込みプラグの絶縁構造。
  5. 前記プラグ本体の外皮を、
    前記接続部を覆うように被覆される内層部と、該内層部を覆うように被覆される外層部とで構成し、
    前記内層部を、
    エラストマー又は改良塩化ビニルのいずれか一方の熱可塑性樹脂で構成し、
    前記外層部を、
    エラストマー又は塩化ビニルのいずれか一方の熱可塑性樹脂で構成した
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の差込みプラグの絶縁構造。
  6. 前記プラグ本体の外皮を、
    エラストマー、改良塩化ビニル、塩化ビニルのうちいずれか一つの熱可塑性樹脂で構成した
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の差込みプラグの絶縁構造。
  7. 前記改良塩化ビニルを、
    前記塩化ビニルに対してエチレン系ポリマーと炭酸カルシウムとを所定量配合して構成した
    請求項5又は6に記載の差込みプラグの絶縁構造。
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