JP2013200016A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 油圧緩衝器において、簡易な構成により、大きく圧縮ストロークした位置で空気ばね反力の過大化を防止すること。
【解決手段】 油圧緩衝器10において、アウタチューブ11の外部に、該アウタチューブ11の内部のリザーバ22の上部空気室22Bと連通する給排気装置90を設けてなり、上記給排気装置90は、圧縮行程で、上部空気室22Bの一定の正圧力で開弁して該上部空気室22Bの空気を外部に排気する排気弁93Aと、伸長行程で、上部空気室22Bの一定の負圧力で開弁して外部の空気を該上部空気室22Bに給気する給気弁94Aとを有してなるもの。
【選択図】 図6

Description

本発明は自動二輪車用フロントフォーク等に用いて好適な油圧緩衝器に関する。
油圧緩衝器は、アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブの内部の下部に作動油室を区画するとともに、前記アウタチューブの内部の上部に該作動油室と連通するリザーバを区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドの先端部に固定したピストンを、前記作動油室に配置している。
このような油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、油圧緩衝器本体とは別体のサブタンクの空気室を油圧緩衝器の内部のリザーバの上部空気室に連通し、サブタンクの空気室を密封区画するフリーピストンをスプリングにて付勢し、このスプリングのセット荷重を油圧緩衝器の上部空気室が圧縮されて一定の圧力に達したときに撓むように設定するとともに、フリーピストンの背面の室を大気に開放してなるものがある。
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、大きく圧縮ストロークした位置で、スプリングを撓ませてフリーピストンを移動させることにより、油圧緩衝器の上部空気室の高圧化による空気ばね反力の過大化を防止し、車両が路面から受ける衝撃吸収性の向上を図ることができる。
特開2000-145864
特許文献1に記載の油圧緩衝器にあっては、油圧緩衝器本体と別体のサブタンクを用いている。大きく圧縮ストロークした位置で、空気ばね反力を低下させるには、大容量のサブタンクが必要になり、重量が増えるとともに、車体取付けに大きなスペースが必要になる。
また、サブタンク内のフリーピストンがOリングを介してサブタンクの内周を移動するようになっており、このOリングのフリクションがフリーピストンのスムースな移動を妨げる。従って、大きく圧縮ストロークした位置でのフリーピストンのスムースな移動、ひいては空気ばね反力のスムースな低下作用を損なう。
本発明の課題は、油圧緩衝器において、簡易な構成により、大きく圧縮ストロークした位置で空気ばね反力の過大化を防止することにある。
請求項1に係る発明は、アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブの内部の下部に作動油室を区画するとともに、前記アウタチューブの内部の上部に該作動油室と連通するリザーバを区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドの先端部に固定したピストンを、前記作動油室に配置してなる油圧緩衝器において、前記アウタチューブの外部に、該アウタチューブの内部の前記リザーバの上部空気室と連通する給排気装置を設けてなり、上記給排気装置は、圧縮行程で、上部空気室の一定の正圧力で開弁して該上部空気室の空気を外部に排気する排気弁と、伸長行程で、上部空気室の一定の負圧力で開弁して外部の空気を該上部空気室に給気する給気弁とを有してなるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記インナチューブの上部内周に隔壁部を設け、隔壁部の下部に前記作動油室を区画するとともに、上部に前記リザーバを区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを上記隔壁部に貫通して前記作動油室内に挿入し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドの先端部に固定したピストンを、前記インナチューブの内周に摺接させて前記作動油室に配置してなるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記給排気装置が、前記リザーバの上部空気室に接続される内部側流路と、外部空間に開口する外部側流路とを、2本の互いに並列をなす排気用流路と給気用流路のそれぞれにより接続してなり、上記排気用流路に排気弁を設け、上記給気用流路に給気弁を設けてなるようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明において更に、前記給排気装置が、排気弁の開弁圧力を調整するアジャスタを備えてなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)油圧緩衝器において、アウタチューブの外部に、該アウタチューブの内部のリザーバの上部空気室と連通する給排気装置を設けた。そして、給排気装置は、圧縮行程で、上部空気室の一定の正圧力で開弁して該上部空気室の空気を外部に排気する排気弁と、伸長行程で、上部空気室の一定の負圧力で開弁して外部の空気を該上部空気室に給気する給気弁とを有してなるものとした。
給排気装置の構成は簡易であり、大容量のタンク等を必要とせず、省スペース、軽量化を実現できる。
(b)大きく圧縮ストロークした位置で、上部空気室が一定の正圧力に達すると排気弁がスムースに開弁し、上部空気室の高圧化による空気ばね反力の過大化が防止される。これにより、車両が路面から受ける衝撃吸収性を向上できる。
(c)大きく圧縮ストロークした位置で、上部空気室が一定の正圧力に達すると排気弁がスムースに開弁し、上部空気室の高圧化が回避される結果、上部空気室の高圧化による作動油室のオイル加圧も回避され、ひいては減衰力発生装置における圧側減衰力の立上がりを鈍化させる。これにより、圧縮行程での乗車フィーリングの硬さ感を緩和できる。
(請求項2)
(d)油圧緩衝器が、前記インナチューブの上部内周に隔壁部を設け、隔壁部の下部に前記作動油室を区画するとともに、上部に前記リザーバを区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを上記隔壁部に貫通して前記作動油室内に挿入し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドの先端部に固定したピストンを、前記インナチューブの内周に摺接させて前記作動油室に配置してなるものにした。この油圧緩衝器では、ピストンがインナチューブの内周に摺接するものになり、ピストンのオイル受圧面積が大きいから、上部空気室の高圧化による作動油室のオイル加圧の影響が顕著になる。従って、本発明による上部空気室の高圧化の回避、更には作動油室のオイル加圧の回避により、減衰力発生装置で圧側減衰力の立上りを鈍化させ、圧縮行程での乗車フィーリングの硬さ感を緩和し得る技術的意義は極めて大きい。
(請求項3)
(e)前記給排気装置が、前記リザーバの上部空気室に接続される内部側流路と、外部空間に開口する外部側流路とを、2本の互いに並列をなす排気用流路と給気用流路のそれぞれにより接続してなり、上記排気用流路に排気弁を設け、上記給気用流路に給気弁を設けてなるものにした。これにより、給排気装置の流路構成を単純化できる。
(請求項4)
(f)前記給排気装置が、排気弁の開弁圧力を調整するアジャスタを備える。これにより、排気弁の開弁圧力を容易に調整できる。
図1は油圧緩衝器の全体を示す断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3はばね荷重調整装置を示す断面図である。 図4は減衰力発生装置を示す断面図である。 図5はインナチューブに設けた隔壁構造を示す断面図である。 図6は減衰力調整装置を示す断面図である。 図7は給排気装置を示す断面図である。 図8は給排気装置の排気動作と給気動作を示す模式図である。 図9は給排気装置の変形例を示す断面図である。
フロントフォーク(油圧緩衝器)10は、アウタチューブ11を車体側に、インナチューブ12を車輪側に配置する倒立型フロントフォークであり、図1〜図6に示す如く、アウタチューブ11の下端開口部と中間部の内周に固定したガイドブッシュ11A、11Bと、インナチューブ12の上端側内周に設けた後述する隔壁ケース19の外周に固定したシール材12Aを介して、アウタチューブ11の内部にインナチューブ12を摺動自在に挿入する。11Cはオイルシール、11Dはダストシールである。アウタチューブ11の上端開口部にはキャップ13が液密に螺着されて封着され、アウタチューブ11の外周には車体側取付部材が設けられる。インナチューブ12の下端開口部には車軸ブラケット15が液密に挿着されて螺着されてインナチューブ12の底部を構成し、車軸ブラケット15には車軸取付孔が設けられる。
フロントフォーク10は、アウタチューブ11の内周と、インナチューブ12の外周と、前記ガイドブッシュ11Bとシール材12Aにて区画される環状油室17を区画する。
フロントフォーク10は、図5に示す如く、インナチューブ12の上端側内周に筒状の隔壁ケース19を設け、隔壁ケース19の底部に設けた隔壁部19Aより下部に作動油室21を区画するとともに、上部にリザーバ22を区画する。リザーバ22の中でその下側領域は油溜室22A、上側領域は空気室22Bである。
フロントフォーク10は、アウタチューブ11に取付けたピストンロッド23を隔壁ケース19の隔壁部19Aに摺動自在に挿入する。具体的には、図6に示す如く、キャップ13の中心部の下端部に螺着した取付カラー24に中空ピストンロッド23を螺着し、これをロックナット24Aで固定する。
フロントフォーク10は、図4に示す如く、隔壁ケース19の隔壁部19Aからインナチューブ12に挿入したピストンロッド23の先端部に螺着したピストンボルト25に、インナチューブ12の内部を摺動するピストン26を挿着し、このピストン26をピストンナット27により固定している。
ここで、フロントフォーク10は、図1〜図4に示す如く、インナチューブ12の内側における少なくともピストン26の摺動範囲に、該ピストン26が摺動し得るスリーブ28を挿入して固定している。本実施例において、スリーブ28はインナチューブ12の内周に隙間なく挿入される。そして、スリーブ28はインナチューブ12の底部に設けられる後述のばね受ピース36の上に立設され、後述する懸架スプリング33によりそのばね受ピース36の上に押圧されて保持される。スリーブ28は長尺円筒状をなし、その下端内周から半径方向内側に張り出る内周フランジ28Aを備え、この内周フランジ28Aの上面を懸架スプリング33のための下ばね受32とされるものである(図3)。
フロントフォーク10は、インナチューブ12の内側に設けた上述のスリーブ28の内周に摺接するピストン26により、前記油室21をピストンロッド23が収容されるピストンロッド側油室21Aと、ピストンロッド23が収容されないピストン側油室21Bに区画する。
フロントフォーク10は、前記環状油室17を、インナチューブ12に設けた油孔17Aを介して、ピストンロッド側油室21Aに常時連通する。
フロントフォーク10は、ピストン26のピストン側油室21Bに臨む下端面から突き出ているピストンボルト25の下端部に上ばね受31を取着し、車軸ブラケット15が形成するインナチューブ12の底部の側に下ばね受32を配置し、上ばね受31と下ばね受32の間にメイン懸架スプリング33を介装している。メイン懸架スプリング33の全体がピストン側油室21Bに浸漬される。フロントフォーク10は、車両走行時に路面から受ける衝撃力を懸架スプリング33の伸縮振動により吸収する。このとき、ばね荷重調整装置34が下ばね受32を昇降し、懸架スプリング33のばね荷重を調整可能にする。
ばね荷重調整装置34は、図2、図3に示す如く、車軸ブラケット15におけるインナチューブ12の下端部が螺着される大径開口孔に続く小径閉塞孔に内蔵される。ばね荷重調整装置34は、車軸ブラケット15の車軸取付孔を外れる位置で外部に臨むアジャストボルト35を、車軸ブラケット15の外方から小径閉塞孔に挿入し、小径閉塞孔の底面(スライド面)(ばね受32の下端部を臨むことになる面)に設けたスライダ35Aをアジャストボルト35の回転力によりインナチューブ12の中心軸に交差する方向(アジャストボルト35の軸方向)に直線移動可能にする。ばね受ピース36が載置されるばね受ベース36Aの下部斜面A1をスライダ35Aの上部斜面A2に載せ、ばね受32をアジャストボルト35、スライダ35A、ばね受ベース36A、ばね受ピース36を介して車軸ブラケット15に支持する。アジャストボルト35の回転によりばね受32を昇降させて懸架スプリング33のばね荷重を調整する。
フロントフォーク10は、キャップ13の下端側に設けた前述の取付カラー24のためのロックナット24Aの下端面を上ばね受37とし、前述の隔壁ケース19の底部に設けた隔壁部19Aの上に下ばね受38を配置し、上ばね受37と下ばね受38の間にサブ懸架スプリング39を介装している。サブ懸架スプリング39の全体がリザーバ22に配置される。
フロントフォーク10は、ピストン26に減衰力発生装置40を備える(図4)。
減衰力発生装置40は、圧側流路41と伸側流路42を備える。圧側流路41は、バルブストッパ41Bにバックアップされる圧側ディスクバルブ41A(圧側減衰バルブ)により開閉される。伸側流路42は、バルブストッパ42Bにバックアップされる伸側ディスクバルブ42A(伸側減衰バルブ)により開閉される。尚、バルブストッパ41B、バルブ41A、ピストン26、バルブ42A、バルブストッパ42Bは、ピストンボルト25に挿着されるバルブ組立体を構成し、ピストンボルト25に螺着されるピストンナット27に挟まれて固定される。
減衰力発生装置40は、キャップ13の中心部に減衰力調整装置40Aを設け、減衰力調整装置40Aのニードル弁44をピストンロッド23の中空部に挿入し、ピストンロッド23に設けたバイパス路45の開度をニードル弁44の上下動により調整する。バイパス路45は、ピストン26をバイパスし、ピストンロッド側油室21Aとピストン側油室21Bを連絡する。
減衰力発生装置40は、圧側行程では、低速域で、ニードル弁44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により圧側減衰力を発生し、中高速域で、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。また、伸側行程では、低速域で、ニードル弁44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により伸側減衰力を発生し、中高速域で、伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。この圧側減衰力と伸側減衰力により、前述した懸架スプリング33、39の伸縮振動を制振する。
フロントフォーク10は、キャップ13の下端面に、インナチューブ12に設けた隔壁ケース19の上端部が最圧縮ストロークで衝合するストッパラバー13A、ストッパ板13Bを設けており、このストッパラバー13Aによって最圧縮ストロークを規制する。
フロントフォーク10は、インナチューブ12の上端側の隔壁ケース19の底部に設けた隔壁部19Aのピストンロッド側油室21Aに臨む下端面に固定したスプリングシート46と、ピストンロッド23に設けたストッパリングに係止させたスプリングシート47との間にリバウンドスプリング48を介装してある。フロントフォーク10の最伸長時に、隔壁ケース19の側のスプリングシート46がリバウンドスプリング48をスプリングシート47との間で加圧することにより、最伸長ストロークを規制する。
しかるに、フロントフォーク10にあっては、アウタチューブ11とインナチューブ12の環状隙間からなる前記環状油室17の断面積S1を、ピストンロッド23の断面積(外径に囲まれる面積)S2より大きく形成している(S1>S2)。
また、隔壁ケース19の隔壁部19Aに、図5に示す如く、圧側行程ではリザーバ22の油溜室22Aからピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容し、伸側行程ではピストンロッド側油室21Aからリザーバ22の油溜室22Aへの油の流れを阻止するチェック弁50を設けている。
また、隔壁ケース19の隔壁部19Aに、図5に示す如く、ピストンロッド側油室21Aとリザーバ22を連通するオリフィス51を穿設している。
フロントフォーク10の動作は以下の如くになる。
(圧側行程)
圧側行程でインナチューブ12に進入するピストンロッド23の進入容積分の作動油がインナチューブ12の内周のピストンロッド側油室21Aからインナチューブ12の油孔17Aを介して環状油室17に移送される。このとき、環状油室17の容積増加分ΔS1(補給量)がピストンロッド23の容積増加分ΔS2より大きいから、環状油室17への油の必要補給量のうち、(ΔS1−ΔS2)の不足分がリザーバ22の油溜室22Aからチェック弁50を介して補給される。
この圧側行程では、前述した通り、低速域で、ニードル弁44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により圧側減衰力を発生し、中高速域で、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。
(伸側行程)
伸側行程でインナチューブ12から退出するピストンロッド23の退出容積分の作動油が環状油室17からインナチューブ12の油孔17Aを介してインナチューブ12の内周のピストンロッド側油室21Aに移送される。このとき、環状油室17の容積減少分ΔS1(排出量)がピストンロッド23の容積減少分ΔS2より大きいから、環状油室17からの油の排出量のうち、(ΔS1−ΔS2)の余剰分がオリフィス51を介してリザーバ22の油溜室22Aへ排出される。
この伸側行程では、前述した通り、低速域で、ニードル弁44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により伸側減衰力を発生し、中高速域で、伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。また、上述の微小流路51の通路抵抗による伸側減衰力も発生する。
以下、減衰力調整装置40Aについて説明する。
減衰力調整装置40Aは、図4〜図6に示す如く、同心状に挿通した2本のプッシュロッド61、62をピストンロッド23の中空部に挿通し(ピストンロッド23の中空部にプッシュロッド62を、プッシュロッド62の中空部にプッシュロッド61を挿通する)、プッシュロッド61を軸方向に移動させる第1調整部70と、プッシュロッド62を軸方向に移動させる第2調整部80を、フロントフォーク10の上部であるキャップ13に設ける。
第1調整部70の第1アジャストボルト71が、プッシュロッド61を軸方向に上下動させると、プッシュロッド61と軸方向に衝合しているニードル弁44がピストンボルト25に対して上下動し、ピストンボルト25に設けてあるバイパス路45の縦孔上端部の弁シートに対して進退し、バイパス路45の開度を調整し、ひいてはバイパス路45の通路抵抗による圧側と伸側の減衰力を調整可能にする。
第2調整部80のアジャストボルト81が、プッシュロッド62を軸方向に移動させると、プッシュロッド62の下端面が衝接している押動片82がばね受83を上下に移動してバルブ押えスプリング84を伸縮し、スプリング84のセット荷重を調整する。これにより、スプリング84のセット荷重がバルブ押え85を介して圧側ディスクバルブ41Aを閉じる方向に付勢し、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形による圧側減衰力を調整可能にする。
以下、フロントフォーク10において、大きく圧縮ストロークした位置で、リザーバ22の上部空気室22Bによる空気ばね反力の過大化を防止する給排気装置90について説明する。
給排気装置90は、図1、図6に示す如く、アウタチューブ11の外部に、アウタチューブ11の内部のリザーバ22の上部空気室22Bと連通するように設けられる。本実施例では、キャップ13に螺着して固定したホースコネクタ200の一端を上部空気室22Bに連通し、ホースコネクタ200の他端にホースを介して給排気装置90を接続した。
給排気装置90は、図7に示す如く、ハウジング90Aの内部で、リザーバ22の上部空気室22Bに接続される内部側流路91と、外部空間に開口する外部側流路92とを、2本の互いに並列をなす排気用流路93と給気用流路94のそれぞれにより接続してある。そして、排気用流路93に排気弁93Aを設け、給気用流路94に給気弁94Aを設けてある。
排気弁93Aは、ボール弁からなり、ハウジング90AにOリングaを介して螺着したプラグボルト93B(開弁圧力調整用シム93D)に加圧支持されている排気スプリング93Cによりバックアップ支持される。これにより、排気弁93Aは、圧縮行程で、図8(A)に示す如く、上部空気室22Bの一定の正圧力で開弁し、上部空気室22Bの空気を内部側流路91、排気用流路93、排気弁93A経由で外部側流路92から外部に排気する。排気弁93Aの上述の開弁圧力は、排気スプリング93Cのばね力により設定される。図8(A)の実線矢印は圧縮行程における排気の流れを示す。
給気弁94Aはボール弁からなり、ハウジング90AにOリングbを介して螺着したプラグボルト94Bに加圧支持されている給気スプリング94Cによりバックアップ支持される。これにより、給気弁94Aは、伸長行程で、図8(B)に示す如く、上部空気室22Bの一定の負圧力で開弁し、外部の空気を外部側流路92、給気用流路94、給気弁94A経由で内部側流路91から上部空気室22Bに給気する。給気弁94Aの上述の開弁圧力は、給気スプリング94Cのばね力により設定される。図8(B)の鎖線矢印は伸長行程における給気の流れを示す。
従って、本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)フロントフォーク10において、アウタチューブ11の外部に、該アウタチューブ11の内部のリザーバ22の上部空気室22Bと連通する給排気装置90を設けた。そして、給排気装置90は、圧縮行程で、上部空気室22Bの一定の正圧力で開弁して該上部空気室22Bの空気を外部に排気する排気弁93Aと、伸長行程で、上部空気室22Bの一定の負圧力で開弁して外部の空気を該上部空気室22Bに給気する給気弁94Aとを有してなるものとした。
給排気装置90の構成は簡易であり、大容量のタンク等を必要とせず、省スペース、軽量化を実現できる。
(b)大きく圧縮ストロークした位置で、上部空気室22Bが一定の正圧力に達すると排気弁93Aがスムースに開弁し、上部空気室22Bの高圧化による空気ばね反力の過大化が防止される。これにより、車両が路面から受ける衝撃吸収性を向上できる。
(c)大きく圧縮ストロークした位置で、上部空気室22Bが一定の正圧力に達すると排気弁93Aがスムースに開弁し、上部空気室22Bの高圧化が回避される結果、上部空気室22Bの高圧化による作動油室21のオイル加圧も回避され、ひいては減衰力発生装置40における圧側減衰力の立上がりを鈍化させる。これにより、圧縮行程での乗車フィーリングの硬さ感を緩和できる。
(d)フロントフォーク10が、前記インナチューブ12の上部内周に隔壁部19Aを設け、隔壁部19Aの下部に前記作動油室21を区画するとともに、上部に前記リザーバ22を区画し、前記アウタチューブ11に取付けたピストンロッド23を上記隔壁部19Aに貫通して前記作動油室21内に挿入し、前記アウタチューブ11に取付けたピストンロッド23の先端部に固定したピストン26を、前記インナチューブ12の内周に摺接させて前記作動油室21に配置してなるものにした。このフロントフォーク10では、ピストン26がインナチューブ12の内周に摺接するものになり、ピストン26のオイル受圧面積が大きいから、上部空気室22Bの高圧化による作動油室21のオイル加圧の影響が顕著になる。従って、本発明による上部空気室22Bの高圧化の回避、更には作動油室21のオイル加圧の回避により、減衰力発生装置40で圧側減衰力の立上がりを鈍化させ、圧縮行程での乗車フィーリングの硬さ感を緩和し得る技術的意義は極めて大きい。
(e)前記給排気装置90が、前記リザーバ22の上部空気室22Bに接続される内部側流路91と、外部空間に開口する外部側流路92とを、2本の互いに並列をなす排気用流路93と給気用流路94のそれぞれにより接続してなり、上記排気用流路93に排気弁93Aを設け、上記給気用流路94に給気弁94Aを設けてなるものにした。これにより、給排気装置90の流路構成を単純化できる。
図9に示した給排気装置100が、図7、図8に示した給排気装置90と異なる点は、排気弁93Aの開弁圧力を調整するアジャスタ110を備えたことにある。アジャスタ110は、プラグボルト93Bに代わるプラグボルト111をOリングaを介してハウジング90Aに螺着し、このプラグボルト111の中心軸上に設けた枢支孔にOリングcを介して挿着したアジャスタボルト112をハウジング90Aの内部に螺着してある。アジャスタボルト112は操作部112Aを外部に臨ませ、ねじ受部112Bに開弁圧力調整用シム113を介して排気スプリング114を加圧し、この排気スプリング114により排気弁93Aをバックアップ支持している。
アジャスタ110は、アジャスタボルト112を操作部112Aにより螺動操作することで排気スプリング114のばね力を調整し、排気弁93Aの開弁圧力を調整する。これにより、排気弁93Aの開弁圧力を容易に調整できる。図9の実線矢印は圧縮行程における排気の流れを示し、鎖線矢印は伸長行程における給気の流れを示す。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明は、アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブの内部の下部に作動油室を区画するとともに、前記アウタチューブの内部の上部に該作動油室と連通するリザーバを区画し、前記アウタチューブに取付けたピストンロッドの先端部に固定したピストンを、前記作動油室に配置してなる油圧緩衝器において、前記アウタチューブの外部に、該アウタチューブの内部の前記リザーバの上部空気室と連通する給排気装置を設けてなり、上記給排気装置は、圧縮行程で、上部空気室の一定の正圧力で開弁して該上部空気室の空気を外部に排気する排気弁と、伸長行程で、上部空気室の一定の負圧力で開弁して外部の空気を該上部空気室に給気する給気弁とを有するものにした。これにより、油圧緩衝器において、簡易な構成により、大きく圧縮ストロークした位置で空気ばね反力の過大化を防止することができる。
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
19A 隔壁部
21 作動油室
22 リザーバ
23 ピストンロッド
26 ピストン
90 給排気装置
91 内部側流路
92 外部側流路
93 排気用流路
93A 排気弁
94 給気用流路
94A 給気弁
100 給排気装置
110 アジャスタ

Claims (4)

  1. アウタチューブ内にインナチューブを摺動自在に挿入し、
    前記インナチューブの内部の下部に作動油室を区画するとともに、前記アウタチューブの内部の上部に該作動油室と連通するリザーバを区画し、
    前記アウタチューブに取付けたピストンロッドの先端部に固定したピストンを、前記作動油室に配置してなる油圧緩衝器において、
    前記アウタチューブの外部に、該アウタチューブの内部の前記リザーバの上部空気室と連通する給排気装置を設けてなり、
    上記給排気装置は、
    圧縮行程で、上部空気室の一定の正圧力で開弁して該上部空気室の空気を外部に排気する排気弁と、
    伸長行程で、上部空気室の一定の負圧力で開弁して外部の空気を該上部空気室に給気する給気弁とを有してなることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記インナチューブの上部内周に隔壁部を設け、隔壁部の下部に前記作動油室を区画するとともに、上部に前記リザーバを区画し、
    前記アウタチューブに取付けたピストンロッドを上記隔壁部に貫通して前記作動油室内に挿入し、
    前記アウタチューブに取付けたピストンロッドの先端部に固定したピストンを、前記インナチューブの内周に摺接させて前記作動油室に配置してなる請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記給排気装置が、
    前記リザーバの上部空気室に接続される内部側流路と、外部空間に開口する外部側流路とを、2本の互いに並列をなす排気用流路と給気用流路のそれぞれにより接続してなり、
    上記排気用流路に排気弁を設け、上記給気用流路に給気弁を設けてなる請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記給排気装置が、排気弁の開弁圧力を調整するアジャスタを備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
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