JP2013199957A - 車両用自動変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1〜第4遊星歯車組2〜5のそれぞれの3つの回転要素を、共通速度線図上で遊星歯車組の歯数比に対応する間隔で並べ、この並び順に第1〜第12要素とする。入力軸1を第6要素31および第11要素54要素に、出力軸12を第10要素52に、第2要素22を第4要素32に、第8要素44を第10要素52にそれぞれ常時連結する。第1要素22を第1クラッチ7により、第5要素34を第3クラッチ10により第9要素41に、第9要素41を第4クラッチ11により第12要素51に、それぞれ連結可能にする。第2遊星歯車組3を第2クラッチ9の締結により一体化可能とする。第3要素21を静止部13に常時固定し、第5要素34を第1ブレーキ8により、第7要素42を第2ブレーキ6により静止部13に固定可能とする。
【選択図】図1
Description
すなわち、特許文献1に記載のものは、4組の遊星歯車組と、2個のブレーキおよび3個のクラッチとを備え、前進8速、後退1速を得るようにしている。
また、前進1速の変速比(ギヤ比)が4.700であるのに対し、後退のギヤ比が3.280と、これらギヤ比間での差が大きくなる結果、同じアクセル・ペダルの踏込量に対する駆動力差が大きくなるので、ドライバーが運転操作に違和感を持つといった問題がある。
入力軸と、
出力軸と、
サン・ギヤ、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤの3つの回転要素を備える第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組と、
第1ブレーキ、第2ブレーキ、第1クラッチ〜第4クラッチの6個の摩擦締結要素と、
を備え、
第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
第2遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第4要素、第5要素、第6要素とし、
第3遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第3遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第7要素、第8要素、第9要素とし、
第4遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第4遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第10要素、第11要素、第12要素とし、
入力軸を第6要素および第11要素に常時連結し、
出力軸を第10要素に常時連結し、
第2要素を第4要素に常時連結し、
第3要素を静止部に常時固定し、
第8要素を第10要素に常時連結し、
第1要素を第1クラッチの締結により第9要素と連結可能とし、
第2遊星歯車組を第2クラッチの締結により一体化可能とし、
第5要素を第1ブレーキの締結により静止部に固定可能とするとともに、第3クラッチの締結により第9要素に締結可能とし、
第7要素を第2ブレーキの締結により静止部に固定可能とし、
第9要素を第4クラッチの締結により第12要素に連結可能とした、
ことを特徴とする。
この実施例1の車両用自動変速機は、入力軸1と、4組の遊星歯車組2〜5と、6つの摩擦締結要素(ブレーキやクラッチからなる)6〜11と、出力軸12と、を備えている。
一方、出力軸12は、入力軸1と同心軸上に配置され、図示しない終減速機、差動歯車組を介して左右の駆動輪に連結されている。
入力軸1は、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31および第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54に常時連結されている。
入力軸1と同心線上に配置された出力軸12は、第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52およびこのギヤを介して第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に常時連結されている。
第1遊星歯車組2のサン・ギヤ21は、自動変速機ケース13に常時連結・固定されている。
第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32は本発明の第4要素に、そのピニオン・キャリヤ34は本発明の第5要素に、またそのサン・ギヤ31は本発明の第6要素に、それぞれ相当する。
第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42は本発明の第7要素に、そのピニオン・キャリヤ44は本発明の第8要素に、またそのサン・ギヤ41は本発明の第9要素に、それぞれ相当する。
第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52は本発明の第10要素に、そのピニオン・キャリヤ54は本発明の第11要素に、またそのサン・ギヤ51は本発明の第12要素に、それぞれ相当する。
すなわち、ロー・アンド・リバース・ブレーキ6およびハイ・アンド・リバース・クラッチ8には、油圧作動式の多板ブレーキを、またオッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7〜インターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の4個のクラッチには、油圧作動式の多板クラッチを用いる。ここで、ハイ・アンド・リバース・クラッチ8は、第1遊星歯車組2のサン・ギヤ21側の部材が自動変速機ケース13に常時固定されたサン・ギヤ21に接続されて常時固定の状態にあるので、ハイ・アンド・リバース・クラッチ8はブレーキとして機能する。
なお、これらの摩擦締結要素は、図示しないコントローラにより電子制御される図示しないコントロール・バルブからの圧油の供給、抜きにより、それらの締結、解放が制御される。これらのコントローラやコントロール・バルブの構成および作用はよく知られているので、ここではそれらの説明は省略する。
図2中、横方向に各変速段を、また縦方向に摩擦締結要素、ギヤ比、レシオ・カバーレッジ(全変速比幅であり、前進1速のギヤ比を最高変速段のギヤ比で割った値)R/C、前進1速のギヤ比に対する後退のギヤ比の割合(Rev/1st)が、それぞれ記載してある。なお、同図中、○印は、この○印に相当する摩擦締結要素が締結状態にあることを、また空白はその摩擦締結要素が解放状態にあることを意味する。
ここで、共通速度線図とは、縦軸に各回転要素の回転速度を取り、横軸にこれら回転要素を遊星歯車組2〜5の歯数比α1〜α4の大きさに応じて割り振った線図である。
すなわち、横軸上に、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の場合には、リング・ギヤ、ピニオン・キャリヤ、サン・ギヤ3つの回転要素の回転速度軸を、この順に(左右いずれの方向でもよい)、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤ間の大きさをこの遊星歯車組の歯数比αとした場合、ピニオン・キャリヤおよびサン・ギヤ間の大きさが1となる割合でそれぞれ離して配置したものである。
この場合、縦軸には、回転速度ゼロより上方にエンジンと同じ回転方向の回転速度をとり、回転速度ゼロより下方にエンジンと逆回転方向の回転速度をとるようにする。
共通速度線図にあっては、リング・ギヤ、ピニオン、サン・ギヤのそれぞれの噛み合い関係は歯と歯とが1対1で噛み合うリニアな関係となるので、各回転要素の回転速度を結ぶと直線関係となる。
なお、共通速度線図は、図中左側から右側へ向けて順に第1遊星歯車組2〜第4遊星歯車組5にそれぞれ対応し、各遊星歯車組ではリング・ギヤの回転速度軸、ピニオン・キャリヤの回転速度軸、サン・ギヤの回転軸の順に回転速度軸を配置している。
また、共通速度線図間で同じ速度となる回転要素同士間については、点線で結んである。また、共通速度線図にあっては、それらのリング・ギヤにはRを、またピニオン・キャリヤにはCを、またサン・ギヤにはSを付け、これらの記号に第1遊星歯車組2〜第4遊星歯車組5に応じてそれぞれ1〜4の添え字を付けてある。
また、第1遊星歯車組2のサン・ギヤ21は自動変速機ケース13に固定されている。
出力軸12は、第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52が常時連結されているので、これらは常時同じ回転速度で回転する。
第1速を得るには、ロー・アンド・リバース・ブレーキ6、ロー・アンド・ハイ・クラッチ10、およびオッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7を締結する。
このとき、図3に示すように、第1遊星歯車組2では、リング・ギヤ22がオッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7の締結により第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に連結され、これと同じ回転速度で回転する。ピニオン・キャリヤ24は、第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。また、サン・ギヤ21は、自動変速機ケース13に固定されて回転速度0である。
また第2遊星歯車組3では、サン・ギヤ31が入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34がオッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7およびロー・アンド・ハイ・クラッチ10の締結により第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に連結され、またロー・アンド・ハイ・クラッチ10の締結により第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に連結される。その結果、リング・ギヤ22、ピニオン・キャリヤ34およびサン・ギヤ41は同じ減速回転速度で回転するとともに、ピニオン・キャリヤ24とリング・ギヤ32とは、さらに遅い同じ減速速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42がロー・アンド・リバース・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0であり、サン・ギヤ41がオッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7の締結により第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22と同じ減速速度で回転するので、これらを結ぶ直線がピニオン・キャリヤ44の回転速度軸C3と交わる点、すなわち一番遅い減速速度でピニオン・キャリヤ44が回転する。
ピニオン・キャリヤ44は第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52およびこれに接続されている出力軸12をピニオン・キャリヤ44と同じ一番遅い回転速度となる第1速(ギヤ比4.877)で回転駆動する。
なお、第4遊星歯車組5では、ピニオン・キャリヤ54が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ52が上記一番遅い回転速度で回転するので、サン・ギヤ51は、それらを結ぶ直線がサン・ギヤ51の回転速度軸と交わる点での増速回転速度で回転する。
そうすると、図4に示すように、第2遊星歯車組3では、サン・ギヤ31が入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34がインターメディエット・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する結果、第2遊星歯車組3はすべての回転要素が一体となって回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42がロー・アンド・リバース・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0であり、サン・ギヤ41がロー・アンド・ハイ・クラッチ10の締結により第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されるので入力軸1と同じ回転速度で回転する。ピニオン・キャリヤ44は、リング・ギヤ52の回転速度0とサン・ギヤ41の回転速度(入力軸1と同じ回転速度)とを結ぶ直線がピニオン・キャリヤ44の回転速度軸C3と交わる点、すなわち第1速より早い減速回転速度となる。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52が第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結しているので、リング・ギヤ52およびこれに接続されている出力軸12は、第1速より早い減速回転速度である第2速(ギヤ比3.044)で回転駆動される。
なお、このとき、ピニオン・キャリヤ54が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ52が第2速の減速回転速度で回転しているので、そのサン・ギヤ51は、増速回転速度で回転する。
一方、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ22は増速回転速度で回転する。
そうすると、図5に示すように、第2遊星歯車組3では、第2速と同様に、サン・ギヤ21が入力軸1と同じ回転速度で回転し、インターメディエット・クラッチ9の締結によりピニオン・キャリヤ34が入力軸1に連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転する結果、第2遊星歯車組3はすべての回転要素が一体となって回転する。
第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ22は、増速回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42がロー・アンド・リバース・ブレーキ6で自動変速機ケース13に固定されて回転速度0であり、サン・ギヤ41がオッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7の締結により第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に連結して増速回転速度で回転する。したがって、そのピニオン・キャリヤ44は第2速より早い減速回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52が第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に常時連結されているので、リング・ギヤ52およびこれに接続されている出力軸12は第2速より早い減速回転速度となる第3速(ギヤ比2.151)で回転する。
なお、ピニオン・キャリヤ54が入力軸1と同じ回転速度で回転しているので、第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51は、増速回転速度で回転する。
そうすると、図6に示すように、第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42がロー・アンド・リバース・ブレーキ6で自動変速機ケース13に固定されて回転速度0であり、サン・ギヤ41がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51と連結されて同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44が第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52と常時連結されて同じ回転速度で回転する。
一方、第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54は入力軸1と同じ回転速度で回転する。
したがって、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44、第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52およびこれに接続された出力軸12は、第3速より早い減速回転速度となる第4速(ギヤ比1.653)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41および第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51は、同じ増速回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3では、第3速と同様に、サン・ギヤ31が入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34がインターメディエット・クラッチ9の締結により入力軸1と同じ回転速度で回転するので、第2遊星歯車組3は、すべての回転要素が一体となって回転する。
また、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32と常時連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ22は増速回転速度で回転する。
そうすると、図7に示すように、第2速〜第4速と同様に、第2遊星歯車組3では、サン・ギヤ31が入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34がインターメディエット・クラッチ9の締結により入力軸1と同じ回転速度で回転するので、第2遊星歯車組3は、すべての回転要素が一体となって回転する。
第1遊星歯車組2では、第4速と同様に、サン・ギヤ21が自動変速機ケース13に固定され回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組32のリング・ギヤ32に連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ22は、増速回転速度で回転する。
このリング・ギヤ22は、オッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7およびインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41および第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51を第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22と同じ増速回転速度で回転する。
したがって、第4遊星歯車組5では、サン・ギヤ51が増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ54が入力軸1と同じ回転速度で回転しているので、そのリング・ギヤ52およびこれに接続されている出力軸12は、第4速より早い減速回転速度である第5速(ギヤ比1.242)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が上述のように増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44が第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結されて第5速の減速回転速度で回転しているので、そのリング・ギヤ42は、第5速よりさらに遅い減速回転速度で回転する。
そうすると、図8に示すように、第2遊星歯車組3はインターメディエット・クラッチ9の締結により第2速〜第5速の場合と同様に、第2遊星歯車組3はすべての回転要素が一体となって回転する。
第4遊星歯車組5では、サン・ギヤ51がインターメディエット・クラッチ9およびロー・アンド・ハイ・クラッチ10の締結により第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34と同じ回転速度、すなわち入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ54も入力軸1と同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ52およびこれに接続された出力軸12は、入力軸1と同じ回転速度で回転する第6速(ギヤ比1.000)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41がロー・アンド・ハイ・クラッチ10の締結により第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44が第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ42も入力軸1と同じ回転速度で回転する。
第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21が自動変速機ケース13に連結されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32と連結されて入力軸1と同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ22は、増速回転する。
そうすると、図9に示すように、ロー・アンド・ハイ・クラッチ10、インターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11、およびオッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7の締結により第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34、第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41、および第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51が同じ回転速度となる。
また、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21が自動変速機ケース13に固定されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32と同じ回転速度で回転し、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31および第4遊星歯車組5のピニオン・キャリヤ54が入力軸1と同じ回転速度で回転し、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44が第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52と同じ回転速度で回転する。
したがって、ピニオン・キャリヤ24およびリング・ギヤ32は減速回転速度で回転し、リング・ギヤ22、ピニオン・キャリヤ34、サン・ギヤ41、およびサン・ギヤ51は、ピニオン・キャリヤ24およびリング・ギヤ32より早い減速回転速度で回転する。
この結果、第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52およびこれに接続された出力軸12は、増速回転速度となる第7速(ギヤ比0.850)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44も、出力軸12と同じ増速回転速度で回転する。
そうすると、図10に示すように、第2遊星歯車組3では、サン・ギヤ31が入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34がハイ・アンド・リバース・クラッチ8の締結により第1遊星歯車組2のサン・ギヤ21(自動変速機ケース13に固定されて回転速度0)に締結されて回転速度0となるので、そのリング・ギヤ32はエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転する。
この第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34には、ロー・アンド・ハイ・クラッチ10の締結により第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41が連結されて回転速度0となり、このサン・ギヤ41にはインター・メディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51が締結されてこれも回転速度0となる。
したがって、第4遊星歯車組5では、サン・ギヤ51が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ54が入力軸1と同じ回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ52およびこれに接続された出力軸12は、第7速より早い増速回転速度となる第8速(ギヤ比0.680)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ44が第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結されてこれと同じ8速の増速回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ42は、さらに早い増速回転速度で回転する。
また、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に連結されてエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ21は、エンジン駆動方向とは逆方向でさらに早い減速回転速度で回転する。
そうすると、図11に示すように、第2遊星歯車組3では、第8速と同様に、サン・ギヤ31が入力軸1と同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34がハイ・アンド・リバース・クラッチ8の締結により第1遊星歯車組2のサン・ギヤ21に連結されて回転速度0となるので、そのリング・ギヤ32はエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転する。
第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に連結されてこれと同じ回転速度、すなわちエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ22は、それより早いエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、ピニオン・キャリヤ54が入力軸1と同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ51がオッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7およびインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22と同じ回転速度、すなわちエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ52およびこれに接続された出力軸12は、第8速より早い増速回転速度となる第9速(ギヤ比0.558)で回転駆動される。
なお、第3遊星歯車組4では、サン・ギヤ41がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ11の締結により第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51に連結されてエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44が第4遊星歯車組5のリング・ギヤ52に連結されて増速回転速度で回転するので、そのリング・ギヤ42は、ピニオン・キャリヤ44よりさらに早い増速回転速度で回転する。
そうすると、図12に示すように、第1遊星歯車組2および第2遊星歯車組3の各要素は第9速と同じ回転方向、回転速度となる。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42がロー・アンド・リバース・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0であり、サン・ギヤ41がオッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ7の締結により第1遊星歯車組2のリング・ギヤ22に連結されてこれと同じ回転速度、すなわちエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転するので、そのピニオン・キャリヤ44は、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24より遅い減速回転速度で回転する。
第4遊星歯車組5では、リング・ギヤ52およびこれに接続された出力軸12が、第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結されてこれと同じ回転速度、すなわちエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度となる後退速(ギヤ比-4.416、ただし−はエンジン駆動方向とは逆方向を表す)で回転駆動される。
なお、第4遊星歯車組5のサン・ギヤ51は、ピニオン・キャリヤ54が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ52がエンジン駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転するので、エンジン駆動方向の増速回転速度で回転する。
また、リバース比/1速比は、実施例1の自動変速機では、0.905となり、従来の自動変速機での同比(引用文献1では0.70)より大きくなって1に近づく。
実施例1の自動変速機4組の遊星歯車組2〜5と、2個のブレーキ6、8および4個のクラッチ7、9〜11からなる摩擦締結要素とを、図1のような連結関係とし、かつ図2の作動表に基づいて、摩擦締結要素を制御するようにしたので、各段に最適なギヤ比、および段間比を得ることが可能となる。
すなわち、前進9速を得ることができるので、車両の走行条件に適したギヤ比を選択するのが容易となる。
この場合、第1速を4.877などの大きなギヤ比に設定できるので、発進時など低速時における駆動力を確保でき、また、第9速を0.558などの小さなギヤ比に設定できるので、高速走行時はエンジンの回転速度を小さくして騒音の抑制や消費燃費の低減が可能となる。
2 第1遊星歯車装置
21 サン・ギヤ
22 リング・ギヤ
23 ピニオン
24 ピニオン・キャリヤ
3 第2遊星歯車装置
31 サン・ギヤ
32 リング・ギヤ
33 ピニオン
34 ピニオン・キャリヤ
4 第3遊星歯車装置
41 サン・ギヤ
42 リング・ギヤ
43 ピニオン
44 ピニオン・キャリヤ
5 第4遊星歯車装置
51 サン・ギヤ
52 リング・ギヤ
53 ピニオン
54 ピニオン・キャリヤ
6 ロー・アンド・リバース・ブレーキ(第2ブレーキ)
7 オッド・ナンバー・アンド・リバース・クラッチ(第1クラッチ)
8 ハイ・アンド・リバース・クラッチ(第1ブレーキ)
9 インターメディエット・クラッチ(第2クラッチ)
10 ロー・アンド・ハイ・クラッチ(第3クラッチ)
11 インターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ(第4クラッチ)
12 出力軸
13 自動変速機ケース(静止部)
Claims (4)
- 入力軸と、
出力軸と、
サン・ギヤ、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤの3つの回転要素を備える第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組と、
第1ブレーキ、第2ブレーキ、第1クラッチ〜第4クラッチの6個の摩擦締結要素と、
を備え、
前記第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
前記第2遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第4要素、第5要素、第6要素とし、
前記第3遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第3遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第7要素、第8要素、第9要素とし、
前記第4遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第4遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第10要素、第11要素、第12要素とし、
前記入力軸を前記第6要素および前記第11要素に常時連結し、
前記出力軸を前記第10要素に常時連結し、
前記第2要素を前記第4要素に常時連結し、
前記第3要素を静止部に常時固定し、
前記第8要素を前記第10要素に常時連結し、
前記第1要素を第1クラッチの締結により前記第9要素と連結可能とし、
前記第2遊星歯車組を第2クラッチの締結により一体化可能とし、
前記第5要素を第3クラッチの締結により前記第9要素に締結可能とするとともに、第1ブレーキの締結により静止部に固定可能とし、
前記第7要素を第2ブレーキの締結により前記静止部に固定可能とし、
前記第9要素を第4クラッチの締結により前記第12要素に連結可能とした、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1に記載の車両用自動変速機において、
前記第1ブレーキは、第8速、第9速、および後退で締結し、
前記第2ブレーキは、第1速〜第6速、および後退で締結し、
前記第1クラッチは、第1速、第3速、第5速、第7速、第9速および後退で締結し、
前記第2クラッチは、第2速〜第6速で締結し、
前記第3クラッチは、第1速、第2速、および第6速〜第8速で締結し、
前記第5クラッチは、第4速〜第9速で締結する、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両用自動変速機において、
前記第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組は、それぞれの3つの回転要素がサン・ギヤ、リング・ギヤ、前記サン・ギヤおよび前記リング・ギヤの両方に噛み合う複数のピニオンを回転自在に支持するピニオン・キャリヤを有する・シングル・ピニオン・タイプである、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用自動変速機において、
前記第1要素、前記第4要素、前記第7要素および前記第10要素は、それぞれリング・ギヤであり、
前記第2要素、前記第5要素、前記第8要素および前記第11要素は、それぞれピニオン・キャリヤであり、
前記第3要素、前記第6要素、前記第10要素および前記第12要素は、それぞれサン・ギヤである、
ことを特徴とする車両用自動変速機。
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