JP2013199846A - 内接歯車ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】
静音性を向上することができる内接歯車ポンプを提供すること。
【解決手段】
外歯を有し駆動軸(シャフト30)により回転駆動されるインナロータ2aと、ハウジング4(第1ハウジング4a)に形成されたポンプ収容孔400内に遊嵌状態で設置され、内歯を有しインナロータ2aに噛合するアウタロータ2bと、を備え、インナロータ2aの歯面の歯先側の周方向所定範囲(歯先21)は、インナロータ2aの軸方向中央から軸方向端面に向かうにつれて徐々にインナロータ2aの軸(軸心O)からの距離が短くなる曲面状に設けられている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内接歯車ポンプに関する。
従来、インナロータとアウタロータの噛み合いによりポンプ室を形成した内接歯車ポンプが知られている(例えば特許文献1)。
特開2011−52632号公報
しかし、特許文献1に記載のポンプでは、インナロータの歯先がインナロータの端面に対して略垂直の形状となっているため、インナロータの軸が傾くとインナロータの歯先がアウタロータの歯面に干渉し、両歯の衝突による異音(歯打ち音)が発生するおそれがあった。本発明の目的とするところは、静音性を向上することができる内接歯車ポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の内接歯車ポンプは、好ましくは、インナロータの歯先形状を、インナロータの軸方向端面に向かうにつれて徐々にインナロータの軸からの距離が短くなる曲面状とした。
よって、インナロータとアウタロータの歯同士の干渉を低減し、静音性を向上することができる。
実施例1のトランスミッションケースに設置されたポンプの軸方向断面図である。 実施例1の第1ハウジングに設置されたポンプ部の軸方向正面図である。 実施例1のインナロータの模式的な側面図である。 実施例1の吐出領域の終端側と吸入領域の始端側との間に位置するインナロータとアウタロータの噛合い部の拡大図(a)と、インナロータの歯先頂点を通る部分断面図(b)である。 実施例1のアウタロータに傾いて収容されたインナロータの側面図(a)と、その部分拡大図(b)である。 従来例のアウタロータに傾いて収容されたインナロータの側面図(a)と、その部分拡大図(b)である。
以下、本発明の内接歯車ポンプを実現する形態を、図面に基づき説明する。
[実施例1]
実施例1のポンプ1は、電動モータにより駆動される電動オイルポンプであり、車両の油圧機器に適用される。具体的には、ポンプ1は、車両(自動車)に搭載される自動変速機(CVT)用の補助電動ポンプであり、自動変速機(CVT)の冷却用のオイル(CVTF)を吸入・吐出する。図1は、トランスミッションケース100に設置されたポンプ1を、その軸心を通る平面で切った断面図である。ポンプ1へ吸入され、ポンプ1から吐出されるオイルの流れを矢印で示す。説明のため、ポンプ1の軸心(シャフト30)が延びる方向にx軸を設け、モータ部3に対しポンプ部2の側を正方向とする。
トランスミッションケース100は、自動変速機のハウジングであり、ポンプ1が嵌合設置される有底円筒状の凹部101が形成されている。凹部101にはポンプ1の図示しない吸入油路が開口すると共に、凹部101の底部にはポンプ1の吐出油路102が開口する。ポンプ1は、オイルを吸入・吐出するポンプ部2と、ポンプ部2を回転駆動するモータ部3と、ポンプ部2及びモータ部3が収容設置されるハウジング4とを有している。
ハウジング4は、第1ハウジング4aと第2ハウジング4bを有している。第1ハウジング4aは、内周側に有底円筒状のポンプ収容孔400を備えるポンプ収容部40と、ポンプ収容部40と一体に設けられてポンプ収容孔400の底部からポンプ収容孔400の軸方向反対側(x軸負方向側)に突出し、内周側にシャフト収容孔410を備える軸受部41と、軸受部41の外周面に対して径方向隙間を介して対向するようにポンプ収容部40の底部と一体に設けられ、内周側にステータ収容孔420を備えるモータ収容部42と、モータ収容部42の軸方向端部(x軸負方向端部)と一体に外径方向に広がるように設けられたフランジ部43と、を有している。ポンプ収容部40には、ポンプ収容孔400の底部に、吸入ポート401と吐出ポート402が凹溝状に設けられている。第2ハウジング4bは、吸入油路440が貫通形成された吸入部44と、吐出油路450が貫通形成された吐出部45とを有している。第2ハウジング4bにおける第1ハウジング4aとの接合面には、有底凹部460が形成されている。
ポンプ部2は、ギヤポンプ、具体的には静音性が比較的高い内接型ギヤポンプ(内接歯車ポンプ)であり、ポンプを構成する部材(ロータ)として、インナロータ2aとアウタロータ2bを有する。インナロータ2aはn枚(実施例では6個)の歯数を有する外歯歯車であり、その内周側にシャフト設置孔20が設けられている。シャフト設置孔20にはポンプ部2(インナロータ2a)の駆動軸としてのシャフト30の一端部(x軸正方向端部)が嵌合して設置され、インナロータ2aに固定される。インナロータ2aの歯形はトロコイド歯形である。アウタロータ2bはn+1枚(実施例では7個)の歯数を有する内歯歯車である。アウタロータ2bは、第1ハウジング4aに形成されたポンプ収容部40(ポンプ収容孔400)内に遊嵌状態で回転自在に収容設置される。アウタロータ2bの外周面はアウタロータ2bの中心軸(x軸)と略平行に設けられており、シャフト収容孔410の軸(x軸)と略平行に設けられたポンプ収容孔400の内周面に対して、径方向の僅かな隙間を介して対向する。アウタロータ2bの歯形はトロコイド歯形である。ポンプ収容孔400が開口する第1ハウジング4aのx軸正方向端面を覆うように第2ハウジング4bが設置され、第1ハウジング4aに対してボルト締結される。第2ハウジング4bの吸入油路440はポンプ部2の吸入領域と連通し、吐出油路450はポンプ部2の吐出領域と連通するように配置される。
モータ部3は、ロータ部3aとステータ部3bにより構成されるブラシレスDCモータである。ロータ部3aは、シャフト30と、マグネット31と、これらを連結するヨークとしてのロータコア32とを有する。マグネット31は円筒状の永久磁石(リング磁石)であり、周方向に複数の磁極を有する界磁石である。ロータコア32は磁性体であり、鉄系金属材料で形成されている。ロータコア32は、内周側に凹部320が設けられた有底円筒状であり、その底部にはシャフト設置孔321が貫通形成されている。ロータコア32の外周側にはマグネット設置部322が形成されている。マグネット設置部322にマグネット31が設置されることで、マグネット31がロータコア32に固定される。ステータ部3bは、界磁機構としてのステータ33及びコイル34を有する。ステータ33は、ステータコアと絶縁体(インシュレータ)331を有する。ステータコアの各ティース330には、絶縁体331を介して巻線コイル34が巻回されている。コイル34に通電されることでステータ33が磁界を発生し、ロータ部3aを回転駆動する。
シャフト30は、軸受部41のシャフト収容孔410内に回転自在に収容設置される。軸受部41(シャフト収容孔410)は滑り軸受であり、吐出ポート402から切り欠き413を介して送られるオイルにより潤滑される。軸受部41(シャフト収容孔410)のロータ部3a側(x軸負方向側)の端部にはシール部材としてのオイルシール411が設置されている。オイルシール411がシャフト30の外周面に摺接することで、軸受部41(シャフト収容孔410)に供給されるオイルのモータ部3側への流出が遮断される。なお、軸受部41には、吸入ポート401とオイルシール411とを連通する連通路412が形成されており、軸受部41(シャフト収容孔410)に供給されたオイルは、連通路412を介して吸入ポート401へ戻される。シャフト30は、そのモータ部3側(x軸負方向側)の部分が軸受部41に回転可能に軸支されることでハウジング4に片持ち支持される。このように片持ち支持されることで、シャフト30の長さが短縮され、ポンプ1の軸方向寸法が抑制される。シャフト30のポンプ部2側(x軸正方向側)の一端部はインナロータ2aよりも若干x軸正方向側に突出し、第2ハウジング4bの有底凹部460内に収容される。軸受部41からポンプ部2と反対側(x軸負方向側)のモータ収容部42内に突出するシャフト30の他端部は、ロータコア32のシャフト設置孔321に設置され、ロータコア32に固定される。ロータコア32は軸受部41に帽子のように被さって設置される。ロータコア32の凹部320内に軸受部41の一部が収容されることで、シャフト30の長さが短縮され、ポンプ1の軸方向寸法が抑制される。ステータ33は、その外周面がステータ収容孔420の内周面に接するようにモータ収容部42に設置され、その内周面がロータ部3a(マグネット31)の外周面に対して僅かな径方向隙間を介して対向するように配置される。
以上のようにポンプ部2とモータ部3を収容したハウジング4は、トランスミッションケース100の凹部101に嵌合設置される。第2ハウジング4bの吐出部45はトランスミッションケース100の吐出油路102に嵌合設置される。ハウジング4のフランジ部43は凹部101を囲むようにトランスミッションケース100にボルト締結される。なお、カバー4cがフランジ部43にボルト締結され、ハウジング4のモータ収容部42の開口を塞ぐことで、モータ収容部42内の気密性が保たれる。ハウジング4の外周面とトランスミッションケース100(凹部101)の内周面との間の隙間(オイルが充填される吸入部)103は、凹部101の開口部に設置されたシール部材104により、自動変速機の外部との連通が遮断される。また、上記隙間(オイルが充填される吸入部)103は、吐出部45の外周面と吐出油路102の内周面との間に設置されたシール部材105により、吐出油路102との連通が遮断される。
図2は、第2ハウジング4bを取り除いた状態でポンプ部2を軸方向一方側(x軸正方向側)から見た正面図である。説明のため、インナロータ2a(シャフト30)の軸心Oを通るy軸とこれに直交するz軸を設ける。インナロータ2a及びアウタロータ2bの回転方向を矢印で示す。インナロータ2aは、アウタロータ2bの内周側にアウタロータ2bと噛み合うように設置される。アウタロータ2bは、インナロータ2aの回転により、インナロータ2aとの噛合い位置で回転駆動される。互いに噛み合うインナロータ2aの歯の内周面とアウタロータ2bの歯の内周面とで囲まれる領域にはポンプ室rが形成され、インナロータ2aの歯数と同数(計6個)のポンプ室r1〜r6が設けられている。インナロータ2aが図2の矢印の方向に回転すると、z軸よりもy軸正方向側のポンプ室r1〜r3の容積は拡大し、z軸よりもy軸負方向側のポンプ室r4〜r6の容積は縮小する。z軸よりもy軸正方向側の領域は吸入領域である。第1ハウジング4aの吸入ポート401は、吸入領域に存在するポンプ室r1〜r3と連通するよう、x軸方向から見て三日月状に設けられている。また、吸入領域には第2ハウジング4bの吸入油路440が連通する。z軸よりもy軸負方向側の領域は吐出領域である。第1ハウジング4aの吐出ポート402は、吐出領域に存在するポンプ室r4〜r6と連通するよう、x軸方向から見て三日月状に設けられている。また、吐出領域には第2ハウジング4bの吐出油路450が連通する。
図3は、インナロータ2aをその軸心O(x軸)に垂直な方向(以下、軸直方向)から見た模式的な側面図である。以下、インナロータ2aの歯面のうち歯先側の周方向所定範囲を単に歯先21という。インナロータ2aの歯先21の形状は、軸直方向から見て、外径側(軸心Oから離れる側)に向かって凸の曲線状であり、単に軸心O(x軸)に対して平行(インナロータ2aのx軸方向端面に対して垂直)な直線状ではない。歯先21は、インナロータ2aのx軸方向中央を挟んで略対称な曲面状に設けられており、いわば樽形である。具体的には、軸心Oから歯先21までの距離(歯先円の半径)は、インナロータ2aのx軸方向中央では、インナロータの軸方向端面に対しインナロータの歯先が略垂直の形状に設けられた従来の内接歯車ポンプと同様の大きさであり、インナロータ2aのx軸方向中央からインナロータ2aの軸方向端面に向かうにつれて徐々に小さくなる。この歯先21の(ロータ2aの軸方向すなわちx軸方向における)曲率χは所定値に設けられている。インナロータ2aの歯先21以外の歯面は、軸心O(x軸)に略平行、言換えるとインナロータ2aの軸方向端面に対して略垂直に設けられている。
図4は、曲面状に設けられるインナロータ2aの歯先21の、軸心Oの周り方向における範囲を説明するための図である。図2のz軸負方向側、具体的には吐出ポート402の終端402b(吐出領域の終端側)と吸入ポート401の始端401a(吸入領域の始端側)との間に位置するインナロータ2aとアウタロータ2bの噛合い部を(a)で示し、インナロータ2aの歯先21の頂点を通る部分断面を模式的に(b)で示す。図4(a)で、インナロータ2aとアウタロータ2bの噛合い点(接触点)をαで示す。φAは、(インナロータの歯先が樽形の曲面形状でない)従来の内接歯車ポンプにおけるインナロータの歯先円の直径であり、φBは、接触点αを通り軸心Oを中心とする円の直径である。実施例1のポンプ部2で、軸心Oの周り方向(周方向)において、インナロータ2aの歯先21が樽形の曲面を設けられる範囲は、図4(a)のβの範囲、すなわち歯先21の頂点から接触点α(に相当する位置)までの範囲である。言い換えると、インナロータ2aは、従来の内接歯車ポンプのインナロータに比べ、図4(b)の斜線部分だけ歯先を省いた(いわば削り取った)構成となっている。
[実施例1の作用]
次に、ポンプ1の作用を説明する。図5及び図6は、(a)アウタロータ2bの中に収容されたインナロータ2aの側面図と、(b)その部分拡大図である。図5は実施例1のポンプ部2を示し、図6は従来の内接歯車ポンプを示す。図6に示すように、従来の内接歯車ポンプでは、インナロータ及びアウタロータの歯先は、加工上の誤差を除き、各ロータの端面に対して略垂直の形状となっている。この構造では、インナロータの軸心OがサイドクリアランスSC(インナロータの端面とサイドプレートとの間の隙間)の許容範囲内で傾斜した際(O→O*)、両ロータの歯間最小距離(チップクリアランスCL)がインナロータの軸方向で変化し、両ロータの歯同士が干渉する。具体的には、図6の丸印で囲んだ部分に示すように、インナロータの軸方向でチップクリアランスCLが最小となる部位において、インナロータの歯先がアウタロータ2bの歯面に干渉する。このため、両歯の衝突による異音(歯打ち音)が増大し、ポンプの静音性が低下するおそれがある。また、コンタミが増大してポンプの耐久性が低下する等のおそれがある。なお、上記「歯間最小距離」とは、図2のように両ロータを軸方向から見たときに、両ロータの歯面間の距離が最小となる部位(ポンプ室を画成する接触部)の隙間の大きさを意味する。
これに対し、図5に示すように、実施例のポンプ1では、インナロータ2aの歯先形状を外側に凸の曲面状(樽形)とした。よって、インナロータ2aの軸心Oが理想軸心(アウタロータ2bの軸心)に対して傾斜した場合(O→O*)でも(例えば傾いた状態で組み付けられた場合でも)、チップクリアランスCLがインナロータ2aの軸方向で変化することが抑制される。具体的には、図5の丸印で囲んだ部分に示すように、インナロータ2aの軸方向(x軸方向)でチップクリアランスCLが最小となる部位において、チップクリアランスCLの大きさは軸心Oの傾斜の前とほとんど変わらず略一定に保たれ、インナロータ2aの歯先21がアウタロータ2bの歯面に干渉することがない。よって、歯打ち音を抑制してポンプ1(ポンプ部2)の静音性を向上することができる。また、コンタミの増大を抑制してポンプ部2の耐久性を向上することができる。さらに、両ロータ2a、2bの接触面積が全体として低減されることとなるため、ポンプ部2の耐久性を向上できるだけでなく、両ロータ2a、2b間での摺動損失を小さくして駆動トルクを低減することができる。また、従来の内接歯車ポンプに比べてインナロータ2a(シャフト30)の傾きをより大きく許容することができる。また、これによってより大きなサイドクリアランスSCを許容することができる。このため、ポンプ部2の設計の自由度を向上することができる。なお、歯先21の曲率χは、インナロータ2aの傾斜に関わらず、インナロータ2aの軸方向におけるチップクリアランスCLの最小値が略一定となる(最小値の変化量が所定範囲内に収まる)ように設定することが好ましい。このように設定することで、上記作用効果をより確実に得ることができる。
インナロータ2aの歯先21以外の歯面は、従来の内接歯車ポンプと同様、同ロータ2aの端面に対して略垂直(軸心Oに平行)に設けられている。よって、このインナロータ2aの歯面がアウタロータ2bの歯面と接してポンプ室rを形成する際、インナロータ2aの軸心Oが傾斜した場合でもしない場合でも、両ロータ2a、2bの歯面同士が線接触(ロータの軸方向で途切れることなく接触)して、ポンプ室rの液密性を確保できる。このため、ポンプ室rからのリークを抑制してポンプ効率の低下を抑制することができる。具体的には、各歯先21が曲面状に設けられる軸心周り方向の範囲は、実施例1では、ある歯先21が吸入ポート401の始端401aと吐出ポート402の終端402bとの間に位置したときのアウタロータ2bとの噛合い点αよりも外径側(歯先頂点側)に設けられている。ここで、トロコイド歯形を採用した内接歯車ポンプでは、両ロータ2a、2bの噛合い点は、軸心Oから略一定の距離を保った曲線上を移動する。よって、少なくとも吸入ポート401の始端401a側(吸入工程の前半)及び吐出ポート402の終端402b側(吐出工程の後半)では、すなわち図2のz軸負方向側の領域では、アウタロータ2bの歯面に対して、インナロータ2aの(曲面状の歯先21ではなく)直線状の歯面が接触する割合が高い。すなわち、両ロータ2a、2bの歯面同士が線接触してポンプ室rを構成するため、ポンプ室rからのリークを抑制してポンプ効率の低下を抑制することができる。
一方、トロコイド歯形を採用した内接歯車ポンプ(ポンプ部2)でも、インナロータ2aとアウタロータ2bとの接触点は、吸入ポート401の終端401b側(吸入工程の後半)及び吐出ポート402の始端402a側(吐出工程の前半)では、すなわち図2のz軸正方向側の領域では、上記噛合い点αよりも外径側(歯先頂点側)となる。すなわち、アウタロータ2bの歯面に対して、インナロータ2aの(直線状の歯面ではなく)曲面状の歯先21が接触する割合が高い。よって、両ロータ2a、2bの歯面同士が点接触(ロータの軸方向で一部だけが接触)してポンプ室rを構成するため、(図4(b)の斜線部分に相当する量だけ、)ポンプ室rからのリーク量が従来の内接歯車ポンプよりも増大するおそれがある。ただし、実施例1のポンプ1では、インナロータ2aの歯面を曲面状とする範囲を噛合い点αよりも外径側(歯先頂点側)に限らずこれよりも広い範囲とした場合(例えばインナロータ2aの歯面全てを曲面状とした場合)に比べ、上記のように少なくとも半数のポンプ室rのリークを抑制することが可能に設けられていることから、ポンプ効率の過度の低下を抑制することができる。
また、ポンプ室rが吐出ポート402に開口したときのポンプ室rの圧力の急激な変化に起因して、吐出脈動が生じたりキャビテーション特性が悪化したりするおそれがあるのに対し、実施例1のポンプ部2では、図2のz軸正方向側の領域においてポンプ室rからのリークが増える構造であるため、これを利用し、上記問題の解消を図ることができる。すなわち、吸入ポート401の終端401bと吐出ポート402の始端402aとの間の領域は、ポンプ室rがここに位置したとき吸入ポート401にも吐出ポート402にも連通しなくなる閉じ込み部を構成する。この閉じ込み部に位置するポンプ室rの吐出ポート402側における両ロータ2a、2bの接触部(これをγとする)が、ロータ2a、2bの回転に伴って吐出ポート402の始端402aを超えると、上記ポンプ室rは吐出ポート402に連通(開口)するようになる。ここで、接触部γにおいては、アウタロータ2bの歯面に対して、インナロータ2aの(直線状の歯面ではなく)曲面状の歯先21が点接触する。このため、吸入ポート401から切り離されたポンプ室rには、吐出ポート402の圧力が事前に積極的に導入されることとなる。これにより、ポンプ室rが吐出ポート402に開口したときの急激な内圧変化が緩和されるため、吐出脈動を抑制したりキャビテーション特性を改善したりすることができる。なお、この作用効果は、インナロータ2aの軸心Oが傾斜した場合もしない場合も得ることができる。また、上記作用効果を得るためには、歯先21を曲面状とするだけでよく、圧力導入用のノッチを吐出ポート402に設けたり、上記接触部γにおけるチップクリアランスの大きさを設計変更したりする必要がないため、コストを低減することが可能である。
なお、インナロータ2aの歯面を曲面状とする(軸心周り方向での)範囲は、上記吐出脈動等を低減しつつ、歯先21の干渉(歯打ち音等)とポンプ効率の低下(リークの増大)とを最適に抑制できる範囲に設定することが好ましい。例えば、実施例1では、曲面状の歯面とする範囲を、歯先21の頂点から噛合い点α(に相当する位置)まで(図4(a)のβの範囲)としたが、これより狭い範囲としてもよい。例えば、始端402aよりも若干吐出ポート402内に位置するインナロータ2aとアウタロータ2bの接触点をδとしたとき、歯先21の頂点から上記接触点δ(に相当する位置)までの範囲としてもよい。この場合、閉じ込み部に位置するポンプ室rを画成する両ロータ2a、2bの接触部は点接触となって上記吐出脈動抑制等の効果が得られるとともに、他の領域に位置するポンプ室rを画成する両ロータ2a、2bの接触部は線接触となって上記リーク抑制の効果を向上できる。これに対し、実施例1では、より広い周方向範囲を曲面状としたため、歯先21の干渉(歯打ち音等)をより確実に抑制することができる。
ポンプ部2は、従来の内接歯車ポンプに対して、インナロータ2aの全体の形状(外径や内径、厚さ等)は変更せず、歯先形状のみを変更する簡素な構造であるため、コストを低減しつつ上記各作用効果を得ることができる。なお、実施例では、インナロータ2aとアウタロータ2bの歯数差を1として両歯車が多点で連続的に接触し(チップクリアランスを保ち)ながら回転するものとしたが、これに限らず、歯数差が2以上であってもよい。実施例では、歯数差を1としたため、両ロータ2a、2bの歯同士の干渉による騒音や耐久性低下の抑制効果を顕著に得ることができる。また、実施例1の曲面状の歯面を、インボリュートその他の歯形を有する内接歯車ポンプに適用してもよい。実施例1では、両ロータ2a,2bの歯形はトロコイド歯形である。よって、加工が容易であり、作りやすい。また、実施例1の内接歯車ポンプ(ポンプ部2)を、内燃機関等により駆動することとしてもよい。実施例1のポンプ1は、ポンプ部2が電動モータ(モータ部3)により駆動される電動ポンプである。よって、ポンプ1の静音性を高めることで、その品質や商品性を向上できる。さらに、実施例1の電動ポンプ1は、車両に搭載される油圧機器(自動変速機)に適用される。よって、上記車両がアイドリングストップを行う車両や電気自動車等である場合には、ポンプ1の静音性を高めることで、車両の品質や商品性を向上できる。例えば、アイドリングストップ車において、自動変速機に適用される電動ポンプは、エンジン停止中等の静音環境で使用されることが多く、静音性の向上が課題となる。これに対し、実施例1のポンプ1は、ロータの歯当たりによる騒音を低減することで、静音性を向上できる。
[実施例1の効果]
以下、実施例1のポンプ部2ないしポンプ1が奏する効果を列挙する。
(1)外歯を有し駆動軸(シャフト30)により回転駆動されるインナロータ2aと、ハウジング(第1ハウジング4a)に形成されたポンプ収容孔400内に遊嵌状態で設置され、内歯を有しインナロータ2aに噛合するアウタロータ2bと、を備え、インナロータ2aの歯面の歯先側の周方向所定範囲(歯先21)は、インナロータ2aの軸方向中央から軸方向端面に向かうにつれて徐々にインナロータ2aの軸(軸心O)からの距離が短くなる曲面状に設けられている。
よって、歯打ち音を抑制して静音性を向上することができる。
(2)アウタロータ2bの軸に対するインナロータ2aの軸の傾斜に関わらず両ロータ2a、2bの歯間最小距離(チップクリアランスCL)の最小値が一定となるように、曲面状に設けられたインナロータ2aの歯面(歯先21)の軸方向における曲率χが設定されている。
よって、上記効果をより確実に得ることができる。
(3)インナロータ2aの上記曲面状に設けられた部位(歯先21)以外の歯面は、インナロータ2aの軸に平行である。
よって、ポンプ効率の低下を抑制することができる。
(4)上記周方向所定範囲は、インナロータ2aの歯先頂点から、吐出領域の終端側と吸入領域の始端側との間に位置する両ロータ2a、2bの接触点αまでの範囲(図4(a)のβの範囲)である。
よって、ポンプ効率の過度の低下を抑制しつつ、吐出脈動を抑制することができる。
(5)インナロータ2aは、電動モータ(モータ部3)により回転駆動される。
よって、ポンプ1の静音性を効果的に高めることができる。
(6)車両に搭載される油圧機器(自動変速機)用のオイルを吸入・吐出する。
よって、車両の静音性を高めることができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実現するための形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、実施例では、軸直方向から見て、インナロータの歯先を外径側(軸心Oから離れる側)に凸の曲面状としたが、これに代えて、又はこれと共に、アウタロータの歯先を内径側(軸心に近づく側)に凸の曲面状としてもよい。実施例では外歯歯車であるインナロータの歯先形状を変更することとしたため、加工が比較的容易である。
1 電動ポンプ
2 ポンプ部
2a インナロータ
21 歯先
2b アウタロータ
3 モータ部(電動モータ)
30 シャフト(駆動軸)
4 ハウジング
4a 第1ハウジング
400 ポンプ収容孔

Claims (6)

  1. 外歯を有し駆動軸により回転駆動されるインナロータと、
    ハウジングに形成されたポンプ収容孔内に遊嵌状態で設置され、内歯を有し前記インナロータに噛合するアウタロータと、を備え、
    前記インナロータの歯面の歯先側の周方向所定範囲は、前記インナロータの軸方向中央から軸方向端面に向かうにつれて徐々に前記インナロータの軸からの距離が短くなる曲面状に設けられている
    ことを特徴とする内接歯車ポンプ。
  2. 請求項1に記載の内接歯車ポンプにおいて、
    前記アウタロータの軸に対する前記インナロータの軸の傾斜に関わらず前記両ロータの歯間最小距離の最小値が一定となるように、前記曲面状に設けられた前記インナロータの歯面の軸方向における曲率が設定されていることを特徴とする内接歯車ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載の内接歯車ポンプにおいて、
    前記インナロータの前記曲面状に設けられた部位以外の歯面は、前記インナロータの軸に平行であることを特徴とする内接歯車ポンプ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の内接歯車ポンプにおいて、
    前記周方向所定範囲は、前記インナロータの歯先頂点から、吐出領域の終端側と吸入領域の始端側との間に位置する前記両ロータの接触点までの範囲であることを特徴とする内接歯車ポンプ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の内接歯車ポンプにおいて、
    前記インナロータは、電動モータにより回転駆動されることを特徴とする内接歯車ポンプ。
  6. 請求項5に記載の内接歯車ポンプにおいて、
    車両に搭載される油圧機器用のオイルを吸入・吐出することを特徴とする内接歯車ポンプ。
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