JP2013198419A - 核酸検出用デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】核酸増幅反応の阻害を低減させる核酸検出用デバイスを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、核酸検出デバイスは、基板と、センサ部と、配線と、保護部とを備える。前記センサ部は、前記基板上に形成された核酸検出用である。前記配線は、前記基板上に形成され、前記センサと接続されている。前記保護膜は、前記基板上に形成されている。前記核酸検出デバイスは、前記センサ部と核酸サンプルが反応するためのチャンバ内で核酸増幅反応を行った後に、前記センサ部によって核酸増幅産物の検出を行う。前記保護膜は、前記基板上における前記核酸サンプルの接液領域において、前記基板の一部を含む下層部を露出させる1以上の開口を備える。
【選択図】図4
Description
図1は、第1の実施形態に係る核酸検出用デバイス(DNAチップ)100の1例となる作成手順を示す図である。核酸検出用デバイス100は、図1の(a)〜(e)の順で各構成要素を積層することで構成される。図2は、第1の実施形態に係る核酸検出用デバイス100の1例となる概略構成を示す積層方向の断面図である。図3は、第1の実施形態に係る核酸検出用デバイス100の1例となる概略構成を示す図である。
配線13は、図2(d)に示すように、基板10の表面上に形成されている。配線13は、導電性部材で構成されている。配線13は、センサ部11とパッド部12とを接続する。配線13はスルーホールなどを利用した多層構造により立体配線となっている場合もある。配線13は、各センサ部11による検出信号を取り出し、パッド部12に送るためのものである。保護膜14は、図2(e)に示すように、基板10の表面上に形成されている。
センサ領域20は、センサ部11が形成されている領域である。配線領域21は、配線13が形成されている領域である。パッド領域22は、パッド部12が形成されている領域である。反応領域23は、核酸増幅反応、核酸ハイブリダイゼーション反応などが行なわれる領域である。
反応部規定用部材200は、図6に示すように、流路型反応部201を備える。流路型反応部201は、核酸検出用デバイス100の表面と接する面に設けられた溝(流路)である。流路型反応部201は、核酸増幅反応から核酸検出までを同一反応容器内で行なうための各種溶液がサンプル注入口201aから注入され、サンプル出口201bから排出される。流路型反応部201は、蛇行した流路形状で設けられているが、これに限定されない。流路型反応部201は、直線状で設けられていても、円形状で設けられていても、角型状で設けられていても良い。反応部規定用部材200は、平板型であってもチューブ型であっても良い。
第2の実施形態について図面を参照し、詳細に説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成と同一の構成については、同符号を付して説明を省略する。図7は、第2の実施形態に係る核酸検出用デバイス100における反応領域23近傍の拡大図である。第2の実施形態は、反応領域23における保護膜14の形状が第1の実施形態と異なる。
上述のように、第2の実施形態に係る保護膜14は、反応領域23において、基板10の一部を含む下層部(基板10またはセンサ部11)を露出させる1以上の開口を備える。
第3の実施形態について図面を参照し、詳細に説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成と同一の構成については、同符号を付して説明を省略する。図8は、第3の実施形態に係る核酸検出用デバイス100における反応領域23近傍の拡大図である。第3の実施形態は、反応領域23における保護膜14の形状が第1の実施形態と異なる。
上述のように、第3の実施形態に係る保護膜14は、反応領域23において、基板10の一部を含む下層部(基板10またはセンサ部11)を露出させる1以上の開口を備える。
第4の実施形態について図面を参照し、詳細に説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成と同一の構成については、同符号を付して説明を省略する。図9は、第4の実施形態に係る核酸検出用デバイス100における反応領域23近傍の拡大図である。第4の実施形態は、各センサ部11間の境界領域における保護膜14の形状が第3の実施形態と異なる。
上述のように、第4の実施形態に係る保護膜14は、反応領域23において、基板10の一部を含む下層部(基板10またはセンサ部11)を露出させる1以上の開口を備える。
実施例1では、上記説明した第3の実施形態に係る核酸検出用デバイス100を実際に用いた核酸増幅反応について説明する。図11は、第3の実施形態に係る核酸検出用デバイス100を用いた核酸増幅反応の結果と、比較例の核酸検出用デバイスを用いた核酸増幅反応の結果を比較して示す。なお、比較例の核酸検出用デバイスは、反応領域において、センサ11以外の部分(配線のみならず基板も含む)が有機系の保護膜で覆われた構成である。図11は、横軸に増幅時間、縦軸に増幅核酸量を示している。実施例1では、第3の実施形態に係る核酸検出用デバイス100と比較例の核酸検出用デバイスのそれぞれの反応領域に増幅反応試薬を注入し、注入後40分、60分の増幅を行った時点での増幅核酸量を定量した。比較例の核酸検出用デバイスでは、40分では増幅量が低く、60分でもまだ十分ではない。これに対して、第3の実施形態に係る核酸検出用デバイス100では、40分の時点で十分量の増幅が得られている。この時点で増幅が飽和しているため、60分での増幅核酸量は増加していない。
実施例2では、上記説明した第3の実施形態に係る核酸検出用デバイス内蔵カセット1を実際に用いた核酸検出の使用例を具体的に説明する。図11は、第3の実施形態に係る核酸検出用デバイス100における反応領域23近傍の拡大図である。なお、実施例2では図11に示す通り、センサ部11は2個1組のセンサで構成される。核酸検出用デバイス100は、センサ部11毎(2個1組のセンサ毎)に異なる核酸を検出する。反応領域23内の保護膜14は、第3の実施形態で説明したように、配線13を覆う部分と、各センサ部11間の境界領域にのみ形成されている。反応領域23内のその他の部分は、基板10(実施例2ではガラスを使用)が露出している。
1−1.核酸検出用デバイス100の準備
核酸検出用デバイス100上の各電極(以降、各センサ部11を構成するセンサに対応する)に、以下の表1に示す5種類の核酸プローブ(配列A〜E)を固定化した。各核酸プローブを含む溶液を各電極組に滴下し、その後余分な核酸プローブを洗浄除去することによって固定化を行った。なお、下記1、2番電極組、3、4番電極組、5、6番電極組、7、8番電極組、9、10番電極組は、それぞれ別のセンサ部11を構成している。
2)遺伝子-A検出用・・・3、4番電極
3)遺伝子-B検出用・・・5、6番電極
4)遺伝子-C検出用・・・7、8番電極
5)遺伝子-D検出用・・・9、10番電極
前記核酸検出用デバイス100のセンサ部11上に、反応領域23を形成できる反応部規定用部材200を取り付けた。反応部規定用部材200にはサンプル注入口が形成されており、反応液が漏れ出さないよう核酸検出用デバイス100に固定されている。反応部規定用部材200内には、予め以下の表2に示すようなプライマセットを乾燥された状態で保持させた。増幅用プライマーは、LAMP法による増幅用に設計されたものである。
2−1にて準備した鋳型溶液を、反応領域に50μL添加した。
以下に示す条件にて、反応領域を加熱或いは冷却し、各種反応を行った。
ハイブリダイゼーション反応:50℃、10分
洗浄反応:30℃、5分
電流検出用試薬(ヘキスト33258)反応:25℃、3分
2−4.核酸の検出
各プローブ核酸固定化作用極に電位を掃引し、プローブDNAとLAMP産物により形成された二本鎖に特異的に結合したヘキスト33258分子の酸化電流を計測した。上記一連の反応は、SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration, Vol. 1, No. 3, pp. 266-270, 2008に記載のDNA自動検査装置にて実施した。
図12は、各電極から得られた結果を示すグラフである。鋳型を添加した遺伝子A、B、Dに対応するプローブA、B、Dを固定化した電極3、4、5、6、9、10において、ネガティブコントロールよりも大きな電流値が得られた。一方、鋳型が添加されていない遺伝子Cに対応するプローブCを固定化した電極7、8は、ネガティブコントロールと同程度の電流値となった。図12に示す結果から、第3の実施形態に係る核酸検出用デバイス100を用いることで、鋳型を添加した遺伝子を確実に検出できたことが明らかとなった。
実施例3では、上記説明した第4の実施形態に係る核酸検出用デバイス内蔵カセット1を実際に用いた核酸検出の使用例を具体的に説明する。図13は、第4の実施形態に係る核酸検出用デバイス100における反応領域23近傍の拡大図である。なお、実施例4では図13に示す通り、センサ部11は2個1組のセンサで構成される。核酸検出用デバイス100は、センサ部11毎(2個1組のセンサ毎)に異なる核酸を検出する。反応領域23内の保護膜14は、第4実施形態で説明したように、配線13を覆う部分と、各センサ部11間の境界領域と、各センサ部11を構成する2個のセンサの外周部分にのみ形成されている。反応領域23内のその他の部分は、基板10(実施例2ではガラスを使用)が露出している。なお、核酸検出用デバイス100を除く、検出に用いた材料および検出条件は、実施例2と同様である。なお、下記1、2番電極組、3、4番電極組、5、6番電極組、7、8番電極組、9、10番電極組は、それぞれ別のセンサ部11を構成している。
図14は、各電極から得られた結果を示すグラフである。鋳型を添加した遺伝子A、B、Dに対応するプローブA、B、Dを固定化した電極3、4、5、6、9、10において、ネガティブコントロールよりも大きな電流値が得られた。一方、鋳型が添加されていない遺伝子Cに対応するプローブCを固定化した電極7、8は、ネガティブコントロールと同程度の電流値となった。図14に示す結果から、第4の実施形態に係る核酸検出用デバイス100を用いることで、鋳型を添加した遺伝子を確実に検出できたことが明らかとなった。
Claims (6)
- 基板と、
前記基板上に形成された核酸検出用のセンサ部と、
前記基板上に形成され、前記センサと接続された配線と、
前記基板上に形成された保護膜と、
を備え、
前記センサ部と核酸サンプルが反応するためのチャンバ内で核酸増幅反応を行った後に、前記センサ部によって核酸増幅産物の検出を行う核酸検出デバイスにおいて、
前記保護膜は、前記基板上における前記核酸サンプルの接液領域において、前記基板の一部を含む下層部を露出させる1以上の開口を備える、
核酸検出用デバイス。 - 前記センサ部は電極である、請求項1記載の核酸検出用デバイス。
- 前記保護膜は、前記接液領域において、前記配線を覆う、請求項1記載の核酸検出用デバイス。
- 前記保護膜は、前記センサ部の外周部分を覆う、請求項3記載の核酸検出用デバイス。
- 前記保護膜は、前記接液領域において、前記センサ部近傍に設けられた開口と、前記センサ部と隣接する別のセンサ部近傍に設けられた開口とを区切るように前記基板を覆う、請求項1記載の核酸検出用デバイス。
- 前記センサ部は、1以上のセンサで構成されている、請求項1記載の核酸検出用デバイス。
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