JP2013198389A - 電力変換装置の制御装置、制御方法及び制御プログラム - Google Patents

電力変換装置の制御装置、制御方法及び制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】チョッパセルを多段接続した電力変換装置について、出力電圧に干渉せずに、チョッパセルのキャパシタの電圧を制御し、良好な出力電圧波形を得る。
【解決手段】レグ4内のキャパシタ電圧の平均値を一定に制御する電圧指令値を記憶する記憶部500、外部から入力されたキャパシタ電圧に基づいて、上下アーム2a、2b内のキャパシタ電圧の平均値を、上下アーム2a、b毎に演算するアーム内平均値演算部321、外部から入力されたキャパシタ電圧と、アーム内平均値との差分を演算するアーム内差分演算部322、アーム内差分に基づいて、チョッパセル1の出力電圧を、アーム2a、2b毎にバランスさせる操作量を演算するアーム内バランス操作量演算部323、電圧指令値とアーム内バランス操作量とに基づいて、アーム2a、2b内の各チョッパセル1の出力電圧指令値を演算するアーム内バランス指令値演算部324を有する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、交流と直流との間で相互に電力を変換する電力変換装置の制御技術に関するものである。
交流と直流との間で相互に電力の変換を行う電力変換装置は、種々の用途に使用されている。たとえば、直流を交流に変換してモータ駆動に用いるインバータとして、三相2レベルのタイプが使用されてきた。三相2レベルとは、6個のスイッチのオンオフという2レベルでの切り替えを行うことで、直流と三相交流との変換を行う手法である。
オンオフの切り替えであるスイッチングを行うスイッチング素子としては半導体素子が用いられる。一般的なスイッチング素子は、ダイオードやIGBТ(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。
三相2レベルインバータの制御方法は、一般的には、PWM制御である。PWM制御は、パルス幅を制御することにより、出力される交流電圧の大きさを制御する方法である。たとえば、入力される直流電圧をVdcとしたとき、各相毎に、所定のタイミングで+Vdc/2と−Vdc/2の2値の切り替えを行う。これにより、三相2レベルインバータからの出力波形を、擬似的に生成された交流の波形とすることができる。
ところで、近年では、交流送電と比べて、電力の損失の少ない大規模な直流送電の必要性が高まっている。たとえば、海底ケーブルによる送電、50Hz−60Hzの変換、遠隔の大規模な太陽光発電システムから消費地への長距離直流送電などが、注目されている。
大規模な直流送電の場合、オンオフの対象となる直流が、300kVなどの超高電圧となる。一方、スイッチング素子として用いられるIGBТは、定格が6500V程度しかない。これに対処するため、IGBTを多数直列に接続することにより、個々のIGBTにかかる電圧を小さくすることができる。
このような電力変換装置として、たとえば、直流電力を交流電力へ変換するModular Multilevel Converter(以下MMCとする)が提案されている。このMMCは、2つのスイッチング素子に、蓄電要素であるキャパシタを並列に接続したチョッパセルを、複数個備えている。
各チョッパセルにおけるキャパシタは、その電圧を利用して出力電圧を成形する。つまり、チョッパセルは、一方のスイッチング素子がオンのときに、キャパシタ分の電圧が出力され、他方のスイッチング素子がオンのときに、ゼロ電圧となる。
そして、複数のチョッパセルは、各相毎に直列に多段接続されることにより、アームを構成している。アームは、直流の正側と負側に設けられ、互いに接続することによりレグを構成している。正側と負側のアーム間は、可変周波数交流電圧を出力する出力端子となる。
このようなMMCでは、チョッパセルの段数を増やすことによって、全体として高耐圧化を実現しつつ、各チョッパセルが負担する電圧を低く設定できる。このため、スイッチング素子としては、比較的耐圧が低くこれまで適用困難であったIGBT等の自己消弧素子の適用が可能となる。また、従来のスイッチング素子では実現不可能だった高圧用途にも適用可能な電力変換装置が構成できる。
特表2010−512134号公報
上記のように、MMCのチョッパセルに設けられたキャパシタは、出力電圧を成形するために用いられる。このため、キャパシタは、適宜充放電が行われるように、電圧値を一定に保持する必要がある。したがって、MMCの制御装置は、レグに直流電源を還流させる還流電流を常時流すことにより、蓄電させる制御を行う。
以上のことから、MMCの電流の経路には、以下の2つがある。
(1) 直流側から交流側へ出力される電流の経路
(2) 直流の正負間を、レグを介して循環する電流の経路
制御装置は、(2)の制御のために、各チョッパセルのキャパシタ電圧のレグ内での平均値を演算し、その平均値とチョッパセル電圧指令値の差分に応じた直流循環電流を流している。これにより、制御装置は、レグ内のチョッパセルのキャパシタ電圧の平均値を一定値に制御している。なお、以下の説明では、このようなレグ内のキャパシタ電圧の平均値をレグ内平均値と呼ぶ。
また、制御装置は、レグ内平均値と各チョッパセルのキャパシタ電圧の差分に応じて、各チョッパセルの出力電圧を操作する。これにより、制御装置は、レグ内の各チョッパセルのキャパシタ電圧をバランスさせる。このように、制御装置は、平均値制御とバランス制御の併用により、各チョッパセルのキャパシタ電圧を一定に制御している。
しかしながら、このような制御では、キャパシタ電圧のレグ内平均値に対してバランス制御を行うため、レグを構成する各アーム内で、バランス制御の操作量が相殺されない場合がある。この場合、アームとリアクトルの間に位置する出力端子に、電圧が生じてしまう可能性がある。
これは、キャパシタ電圧のアンバランスの状況によっては、出力電圧にバランス制御が干渉することを意味する。多くの場合、各チョッパセルを構成するキャパシタの容量は、個体差等によりそれぞれ異なる。このため、各キャパシタ電圧はアンバランスになりやすい。したがって、このアンバランスを原因として、出力電圧に歪が生じる可能性があり、所望の出力を得ることが困難になる。
本発明の実施形態は、上記のような課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、チョッパセルを多段接続した電力変換装置について、出力電圧に干渉せずに、チョッパセルを構成するキャパシタの電圧を制御し、良好な出力電圧波形を得ることにある。
上記のような課題を解決するため、実施形態の電力変換装置の制御装置は、スイッチング素子及びキャパシタを含むチョッパセルを多段化して構成したアームを正側と負側とで一対含むレグを、少なくとも一つ有する電力変換装置を制御する制御装置であって、以下のような構成を有する。
(1)レグ内のチョッパセルのキャパシタ電圧の平均値を一定に制御するための電圧指令値を記憶する電圧指令値記憶部
(2)外部から入力されたキャパシタ電圧に基づいて、各アーム内のキャパシタ電圧の平均値であるアーム内平均値を、レグ内の正側のアーム及び負側のアーム毎に演算するアーム内平均値演算部
(3)外部から入力された正側のアームの各キャパシタ電圧及び負側のアームの各キャパシタ電圧と、前記アーム内平均値との差分であるアーム内差分を演算するアーム内差分演算部
(4)前記アーム内差分に基づいて、アーム内における各チョッパセルの出力電圧を、正側のアーム及び負側のアーム毎にバランスさせるスイッチング素子の操作量であるアーム内バランス操作量を演算するアーム内バランス操作量演算部
(5)前記電圧指令値と前記アーム内バランス操作量とに基づいて、アーム内の各チョッパセルの出力電圧指令値であるアーム内バランス指令値を演算するアーム内バランス指令値演算部
実施形態の制御対象となる電力変換装置の構成例を示す回路図 第1の実施形態の電力変換装置の制御装置を示すブロック図 第2の実施形態の電力変換装置の制御装置を示すブロック図 第2の実施形態における各部の波形を示す図である。 第2の実施形態における各部の波形を示す図である。 第2の実施形態における各部の波形を示す図である。 第3の実施形態の電力変換装置の制御装置を示すブロック図。 第3の実施形態における各部の波形を示す図である。 第3の実施形態における各部の波形を示す図である。
[A.第1の実施形態]
[1.構成]
[1−1.電力変換装置]
[全体]
図1を参照して、本実施形態の制御対象となる電力変換装置Xの構成例を説明する。電力変換装置Xは、直流系統と三相の交流系統との間に接続され、直流と交流との変換を行う装置である。この電力変換装置Xは、チョッパセル1、チョッパセル1を複数個多段化したアーム2、正側と負側のアーム2をリアクトル3を介して接続したレグ4を有している。
[チョッパセル]
各チョッパセル1は、2個のスイッチング素子11a、11b、ダイオード12a、12b、キャパシタ13を有している。スイッチング素子11a、11bは、互いに直列に接続された自己消弧能力を持つ素子である。このスイッチング素子11a、11bは、たとえば、IGBТである。各スイッチング素子11a、11bには、図示はしないが、オンオフの切り替え用の制御信号を入力するための接続線が接続されている。
ダイオード12a、12bは、各スイッチング素子11a、11bに、逆並列に接続された整流素子である。このダイオード12a、12bは、たとえば、フィードバックダイオードである。
キャパシタ13は、直列に接続されたスイッチング素子11a、11bに、並列に接続された蓄電素子である。各キャパシタ13には、図示はしないが、キャパシタ電圧を検出する電圧検出器が設けられている。
[アーム]
アーム2は、n個のチョッパセル1を直列に接続したものである。なお、n≧2であればよい。以下、直流側から見て正側(P)に接続された正側のアーム2を上アーム2a、負側(N)に接続された負側のアーム2を下アーム2bとする。また、以下の説明で、「上アーム」を「正側のアーム」、「下アーム」を「負側のアーム」と読み替えても同義である。
[レグ]
レグ4は、各相の上アーム2aと下アーム2bとを、直列に接続したものである。三相に対応して3つのレグ4が、直流側の正負(PN)間に並列に接続されている。上アーム2aと下アーム2bと接続点は、出力端子となり、交流側に接続されている。
レグ4内における上アーム2aと接続点との間、下アーム2bと接続点との間には、それぞれリアクトル3が挿入されている。このリアクトル3は、相間に過大な短絡電流が流れることを制限するために接続されている。なお、各レグ4には、図示はしないが、電流値を検出する電流検出器が設けられている。
[1−2.制御装置]
次に、本実施形態の制御装置100を、図2を参照して説明する。この制御装置100は、入力部200、演算部300、記憶部400、出力部500を有している。
[入力部]
入力部200は、上記の電圧検出器、電流検出器、上位のシステム等の外部の装置からの情報を入力する処理部である。つまり、入力部200は、電圧検出器からの各キャパシタ13の電圧値、電流検出器からの循環電流値を入力する。また、入力部200は、上位のシステムからの出力電圧指令値、直流(PN間)電圧を入力する。
[演算部]
演算部300は、レグ内平均値制御部310、アーム内バランス制御部320を有している。
(レグ内平均値制御部)
レグ内平均値制御部310は、レグ4内のキャパシタ電圧の平均値による出力電圧の制御を行う処理部である。レグ内平均値制御部310は、レグ内平均値演算部311、キャパシタ電圧指令値演算部312、レグ内差分演算部313、循環電流指令値演算部314、レグ内平均操作量演算部315、電圧指令値演算部316を有している。
レグ内平均値演算部311は、入力部200から入力された各レグ4内のキャパシタ電圧値に基づいて、各レグ4内のキャパシタ電圧値の平均値であるレグ内平均値を演算する処理部である。キャパシタ電圧指令値演算部312は、外部から入力された出力電圧指令値に基づいて、各チョッパセル1のキャパシタ電圧指令値を演算する処理部である。レグ内差分演算部313は、レグ内平均値と、チョッパセル電圧指令値との差分であるレグ内差分を演算する処理部である。
循環電流指令値演算部314は、レグ内差分に基づいて、循環電流指令値を演算する処理部である。レグ内平均操作量演算部315は、循環電流指令値と、外部から入力された循環電流値との差分に基づいて、レグ4内でキャパシタ電圧をバランスさせる電圧操作量を演算する処理部である。電圧指令値演算部316は、電圧操作量と、キャパシタ電圧指令値に基づいて、レグ内平均のための電圧指令値を演算する処理部である。
(アーム内バランス制御部)
アーム内バランス制御部320は、アーム2内のキャパシタ電圧の平均値による出力電圧の制御を行う処理部である。アーム内バランス制御部320は、アーム内平均値演算部321、アーム内差分演算部322、アーム内バランス操作量演算部323、アーム内バランス指令値演算部324を有している。
アーム内平均値演算部321は、各アーム2内のキャパシタ電圧値の平均値であるアーム内平均値を求める処理部である。このアーム内平均値演算部321は、上アーム内平均値演算部321a、下アーム平均値演算部321bを有する。
上アーム内平均値演算部321aは、外部から入力された各レグ4内の上アーム2aのキャパシタ電圧値に基づいて、上アーム2a毎のアーム内平均値を演算する処理部である。下アーム内平均値演算部321bは、外部から入力された各レグ4内の下アーム2bのキャパシタ電圧値に基づいて、下アーム2b毎のアーム内平均値を演算する処理部である。
アーム内差分演算部322は、各アーム2内のキャパシタ電圧値と、当該アーム内平均値との差分であるアーム内差分を演算する処理部である。このアーム内差分演算部322は、上アーム内差分演算部322a、下アーム内差分演算部322bを有する。
上アーム内差分演算部322aは、上アーム内平均値と、外部から入力された上アーム2a内のキャパシタ電圧値とのアーム内差分を演算する処理部である。下アーム内差分演算部322bは、下アーム内平均値と、外部から入力された下アーム2b内のキャパシタ電圧値とのアーム内差分を演算する処理部である。
アーム内バランス操作量演算部323は、アーム内差分に基づいて、アーム2内でキャパシタ電圧をバランスさせるアーム内バランス操作量を演算する処理部である。このアーム内バランス操作量演算部323は、上アーム内バランス演算部323a、下アームバランス操作量を演算する下アーム内バランス演算部323bを有する。
上アーム内バランス演算部323aは、上アーム2aのアーム内差分に、ゲイン値を乗ずることにより、上アーム内バランス操作量を演算する処理部である。下アーム内バランス演算部323bは、下アーム2bのアーム内差分に、ゲイン値を乗ずることにより、下アーム内バランス操作量を演算する処理部である。
アーム内バランス指令値演算部324は、アーム内バランス操作量を、アーム2内の各チョッパセル出力電圧指令に重畳することにより、アーム2内でキャパシタ電圧をバランスさせる電圧指令値を演算する処理部である。このアーム内バランス指令値演算部324は、上アーム内指令値演算部324a、下アーム内指令値演算部324bを有する。
上アーム内指令値演算部324aは、上アーム内バランス操作量を、上アーム2a内の各チョッパセル出力電圧指令に重畳することにより、上アーム2a内の電圧指令値を演算する処理部である。下アーム内指令値演算部324bは、下アーム内バランス操作量を、下アーム2b内の各チョッパセル出力電圧指令に重畳することにより、下アーム2b内の電圧指令値を演算する処理部である。
[記憶部]
記憶部400は、演算部300の処理に必要な各種の情報を記憶する処理部である。これらの情報には、外部から入力されたキャパシタ電圧値、循環電流値、出力電圧指令値、直流(PN間)電圧等が含まれる。また、チョッパセル1の段数、演算式、パラメータ(ゲイン値を含む)、演算結果等も、記憶部400が記憶する。これらの情報を記憶した領域は、それぞれの情報の記憶部として機能する。たとえば、循環電流指令値演算部314が演算した循環電流指令値を記憶する領域は、循環電流指令値記憶部として捉えることができる。また、電圧指令値演算部316が演算した電圧指令値を記憶する領域は、電圧指令値記憶部として捉えることができる。
したがって、レグ内平均値制御部310が演算した循環電流指令値、出力電圧指令値を、記憶部400が記憶し、この循環電流指令値、出力電圧指令値に基づいて、アーム内バランス制御部320がアーム内バランス制御を行う態様も、実施形態に含まれる。かかる循環電流指令値、出力電圧指令値に基づいて、後述するアーム間バランス制御部330がアーム間バランス制御を行う態様も、実施形態に含まれる。
[出力部]
出力部500は、各スイッチング素子11a、11bに接続され、各スイッチング素子11a、11bへ動作信号を出力する処理部である。つまり、出力部500は、演算部300により演算された電圧指令値に基づく動作信号を、各スイッチング素子11a、11bに出力する。
[2.作用]
以上のような本実施形態の制御処理の一例を説明する。
[2−1.レグ内平均値制御]
まず、レグ内平均値制御部310によるレグ内平均値制御を説明する。上記のように、電力変換装置Xの電流の経路には、図1に示した直流PNから出力側への電流iout、直流PN間を、レグ4を介して循環する直流循環電流icirがある。また、図1では、各キャパシタ13を、CP1〜CPn、CN1〜CNnで示している。レグ4内のチョッパセル1の段数は、2nである。
レグ内平均値制御は、各相のレグ4内におけるチョッパセル1のキャパシタ電圧の平均値であるレグ内平均値を、一定値に制御する処理である。この制御では、レグ内平均値とチョッパセル1のキャパシタ電圧指令値との差分に応じた直流循環電流を流すことで、レグ内平均値をキャパシタ電圧指令値に追従させる。
すなわち、レグ内平均値演算部311は、レグ内平均値Vcell_aveを演算する。これは、式1に示すように、レグ4内の全てのチョッパセル1のキャパシタ電圧の総和を、レグ4内のチョッパセル1の段数で除算することにより求めることができる。
Figure 2013198389
式1において、VCPnは、上アーム2aにおける各チョッパセル1のキャパシタ電圧である。VCNnは、同じレグ4内の下アーム2bにおける各チョッパセル1のキャパシタ電圧である。上アーム2aと下アーム2bのチョッパセル1の段数は等しい。このため、上アーム2a及び下アーム2b内におけるそれぞれのチョッパセル1の段数は、nである。
また、キャパシタ電圧指令値演算部312は、キャパシタ電圧指令値を演算する。これは、外部から入力された出力電圧指令値vout *に基づいて、式2に示すように求めることができる。
Figure 2013198389
式2において、vPn は、上アーム2aにおける各チョッパセル1の電圧指令値である。vNn は、下アーム2bにおける各チョッパセル1の電圧指令値である。vout は、レグ4に出力させたい交流の出力電圧指令値である。VPNは、PN間電圧である。
レグ内差分演算部313は、上記のレグ内平均値と、キャパシタ電圧指令値との差分であるレグ内差分を演算する。そして、循環電流指令値演算部314は、レグ内差分に基づいて、補償器によって、循環電流指令値ipn *を求める。補償器としては、たとえば、P制御による比例補償器、PI制御による比例・積分補償器など、一般的に用いられているものが適用可能である。
そして、レグ内平均操作量演算部315は、循環電流指令値ipn *と、外部から入力された循環電流値との差分に基づいて、補償器によって、電圧操作量を求める。補償器は、上記と同様のものを適用できる。
さらに、電圧指令値演算部316は、電圧操作量を、レグ4内の全チョッパセル1の各電圧指令値に等分して重畳することにより、レグ内平均による電圧指令値を演算する。
上記のように求めたレグ内平均による電圧指令値に基づいて、出力部500が、各スイッチング素子に制御信号を出力する。すると、レグ4内のチョッパセル1全体で電圧操作することで、直流PN間をレグ4を介して循環する循環電流制御によるレグ内平均値制御が可能となる。
[2−2.アーム内バランス制御]
さらに、本実施形態では、上記のレグ内平均値制御に加えて、アーム内バランス制御部320が、上下の各アーム2内のバランス制御を行う。アーム内バランス制御は、各アーム2内の各チョッパセル1のキャパシタ電圧を、各アーム2内におけるキャパシタ電圧の平均値に収束させる制御である。
まず、アーム内平均値演算部321は、アーム2毎のキャパシタ電圧の平均値を求める。この演算式を、式3に示す。
Figure 2013198389
すなわち、上アーム内平均値演算部321aが、上アーム2a内の全チョッパセル1のキャパシタ電圧の平均値である上アーム平均値Vcell_ave_Pを演算する。つまり、上アーム内平均値演算部321aは、上アーム2a内のキャパシタ電圧の総和を、上アーム2a内のチョッパセル1の段数nで除算する。上アーム2a内のキャパシタ電圧は、図1に示すCP1〜CPnに対応するVCP1〜VCPnである。
また、下アーム平均値演算部321bが、下アーム2b内の全チョッパセル1のキャパシタ電圧の平均値である下アーム平均値Vcell_ave_Nを演算する。つまり、下アーム平均値演算部321bは、下アーム2b内のキャパシタ電圧の総和を、下アーム3内のチョッパセル1の段数nで除算する。下アーム2b内のキャパシタ電圧は、図1に示すCN1〜CNnに対応するVCN1〜VCNnである。
次に、アーム内差分演算部322が、アーム内平均値と各アーム2内の各チョッパセル1のキャパシタ電圧との差分を演算する。そして、アーム内バランス操作量演算部323が、アーム内差分演算部322が求めた差分値に、ゲイン値を乗算することにより、アーム内バランス制御の操作量を演算する。このような演算式を、式4に示す。
Figure 2013198389
すなわち、上アーム内差分演算部322aは、上アーム平均値Vcell_ave_Pと、上アーム2a内の各チョッパセル1のキャパシタ電圧VCPnとの差分を演算する。そして、上アーム内バランス演算部323aが、上アーム2aの差分値に、それぞれゲイン値Karm_blcを乗算する。これにより、上アーム2aのアーム内バランス制御の操作量Varm_blc_Pが算出される。
また、下アーム内差分演算部322bは、下アーム平均値Vcell_ave_Nと、下アーム2b内の各チョッパセル1のキャパシタ電圧VCNnとの差分を演算する。そして、下アーム内バランス演算部323bが、下アーム3bの差分値に、それぞれゲインKarm_blcを乗算する。これにより、下アーム2bのアーム内バランス制御の操作量Varm_blc_Nが算出される。
さらに、アーム内バランス指令値演算部324は、各アーム2内のバランス制御の操作量を、上記のレグ内バランス制御で求めた各チョッパセル1の出力電圧指令値に重畳する。つまり、上アーム内指令値演算部324aは、上アーム2a内のバランス制御操作量Varm_blc_Pを、電圧指令値演算部316が求めた上アーム2a内の各チョッパセル1の電圧指令値に重畳する。
また、下アーム内指令値演算部324bは、下アーム2b内のバランス制御操作量Varm_blc_Pを、電圧指令値演算部316が求めた下アーム2b内の各チョッパセル1の電圧指令値に重畳する。
出力部500は、重畳により生成された電圧指令値に基づいて、制御信号をスイッチング素子11a、11bに出力する。この制御信号に基づいて、スイッチング素子11a、11bが動作することにより、アーム内バランス制御を実行する。キャパシタ電圧のアーム内平均値と、各キャパシタ電圧の差分にゲインを乗じた値を操作量としているため、各アーム2内で、キャパシタ電圧のばらつきが相殺される。
[3.効果]
以上のような本実施形態においては、キャパシタ電圧のレグ内平均値に対するバランス制御に加えて、各アーム2内での平均値に対するバランス制御を行う。このため、上下のそれぞれのアーム2a、2b内で、バランス制御操作量が相殺されることになり、上下のアーム2a、2bとリアクトル3の間に位置する出力端子に電圧が生じることを防止できる。
つまり、キャパシタ容量の個体差等により、キャパシタ電圧がアンバランスとなっていても、各アーム2内のキャパシタ電圧のバランスがとれる。このため、出力電圧にバランス制御が干渉することがなく、出力電圧に歪みが生じることが防止され、所望の出力電圧を得ることができる。
[B.第2の実施形態]
[1.構成]
本実施形態の構成を、図3を参照して説明する。本実施形態は、基本的には、上記の第1の実施形態と同様の構成である。ただし、本実施形態は、演算部300が、アーム間バランス制御部330を有している。アーム間バランス制御は、上下のアーム間の平均値に、各キャパシタ電圧を収束させる制御である。このアーム間バランス制御部330は、アーム間差分演算部331、アーム間バランス操作量演算部332、アーム間バランス指令値演算部333を有する。
アーム間差分演算部331は、上アーム2aのアーム内平均値と下アーム2bのアーム内平均値との差分であるアーム間差分を演算する処理部である。アーム間バランス操作量演算部332は、アーム間差分に基づいて、上下のアーム2a、2b間のキャパシタ電圧のバランスをとるスイッチング素子の操作量を演算する処理部である。この操作量を、アーム間バランス操作量とする。
アーム間バランス指令値演算部333は、アーム間バランス操作量に基づいて、アーム間バランス制御の指令値を演算する処理部である。このアーム間バランス指令値演算部333は、アーム間バランス操作量を、アーム内バランス制御による電圧指令値に重畳する電圧指令値重畳部333aを有している。
[2.作用]
以上のような本実施形態による上下アーム間バランス制御について説明する。上下アーム間バランス制御は、アーム内平均値を上アーム2aと下アーム2b間でバランスさせる制御である。
なお、本実施形態による処理は、上記のレグ内バランス制御及びアーム内バランス制御に加えて行われるものである。このため、上記の第1の実施形態と同様の処理については、説明を簡略化若しくは省略する。
まず、上記と同様に、アーム内平均値演算部321が、上アーム内平均値と下アーム内平均値を演算する。そして、アーム間差分演算部331が、上アーム内平均値と下アーム内平均値との差分を演算する。この演算式を、式5に示す。
Figure 2013198389
式5において、Vcell_ave_Pは上アーム内平均値であり、Vcell_ave_Nは下アーム内平均値である。アーム間差分は、Vcell_ave_PNである。
そして、アーム間バランス操作量演算部332は、上下のアーム2a、2b間のバランス制御のための操作量を演算する。この演算式を、式6に示す。
Figure 2013198389
つまり、アーム間バランス操作量演算部332は、アーム間差分Vcell_ave_PNに、ゲイン値KPN_arm_blcを乗じて、外部から入力された出力電圧指令値Vrefと乗算する。
ただし、アーム間バランス操作量演算部332は、sign(i)を乗じることにより、出力電流の有効電流iの極性に応じて、操作量Vope_PN_blcの正負を切り替える。有効電流iは、出力電流から回転座標変換などにより求める。
式6では、Vope_PN_blcが、上下のアーム2a、2b間のバランス制御のための操作量である。
アーム間バランス指令値演算部333は、アーム間バランス操作量に基づいて、指令値を演算する。つまり、電圧指令値重畳部333aが、操作量Vope_PN_blcを、上記のアーム内バランス制御により求めたレグ4内の全てのチョッパセル1の出力電圧指令値に、それぞれ重畳する。
出力部500は、重畳により生成された電圧指令値に基づいて、制御信号をスイッチング素子11a、11bに出力する。この制御信号に基づいて、スイッチング素子11a、11bが動作することにより、上下のアーム間のバランス制御を実行する。
以上のような上下アーム間のバランス制御の原理について、図4〜6の波形図を参照して説明する。図4〜6の各波形を上段から示すと、以下の通りである。
(A)上下のアーム内のキャパシタ電圧平均値(一段目)
(B)上下のアーム内のチョッパセル出力電圧(二段目上)
(C)上下アーム間バランス制御操作量(二段目下)
(D)上下アームのリアクトル電流(三段目)
(E)上下アームのチョッパセルの瞬時電力(四段目)
図4は、(A)に示すように、上アーム2aのアーム内キャパシタ電圧平均値よりも、下アーム2bのアーム内キャパシタ電圧平均値が小さい状態である。このため、アーム間差分Vcell_ave_PNは正となる。すると、式6により求められる上下アーム2a、2b間のバランス制御操作量(C)は、ゲイン値KPN_arm_blcを重畳して正となる。このため、上下アーム2a、2b間のバランス制御操作量(C)は、出力電圧指令Vrefと同相の波形となる。
その操作量が、レグ4内の上下アーム2a、2bにおける全てのチョッパセル出力電圧指令に重畳される。したがって、式2に示した通り、出力電圧指令と同相成分を出力する下アーム2aのチョッパセル1の出力電圧振幅は大きくなる。また、出力電圧指令と逆相成分を出力する上アーム2bのチョッパセル1の出力電圧振幅は小さくなる。
その結果、図4の(E)に示すように、下アーム2bのチョッパセル1では、瞬時電力の正の領域が拡大し、下アーム2bの各チョッパセル1のキャパシタ電圧が上昇する。一方、上アーム2aのチョッパセル1では、瞬時電力の負の領域が拡大し、上アーム2aの各チョッパセル1のキャパシタ電圧が下降する。よって、上下アーム2a、2b間でアーム内キャパシタ電圧平均値がバランスする。
図4の状態とは逆に、図5は、(A)に示すように下アーム2bのアーム内キャパシタ電圧平均値より、上アーム2aのアーム内キャパシタ電圧平均値が小さい状態の各部の波形図である。この状態では、アーム間差分Vcell_ave_PNは負となる。すると、式6により求められる上下アーム間のバランス制御操作量(C)は、ゲイン値KPN_arm_blcを重畳して負となる。このため、上下アーム2a、2b間のバランス制御操作量(C)は、出力電圧指令Vrefと逆相の波形となる。
その操作量が、レグ4内の上下アーム2a、2bにおける全てのチョッパセル出力電圧指令に重畳される。したがって、式2に示した通り、出力電圧指令と同相成分を出力する下アーム2aのチョッパセル1の出力電圧振幅は小さくなる。また、出力電圧指令と逆相成分を出力する上アーム2aのチョッパセル1の出力電圧振幅は大きくなる。
その結果、図5の(E)に示すように、下アーム2bのチョッパセル瞬時電力の負の領域が拡大し、下アーム2bの各チョッパセルキャパシタ電圧が下降する。一方、上アーム2aのチョッパセル1では、瞬時電力の正の領域が拡大し、上アーム2aの各チョッパセル1のキャパシタ電圧が上昇する。よって、図5の状態においても、上下アーム2a、2b間でアーム内キャパシタ電圧平均値がバランスする。以上の処理を経て、上下アーム2a、2b間でアーム内キャパシタ電圧平均値がバランスした状態の波形を、図6に示す。
[3.効果]
以上のような本実施形態においては、上下アーム2a、2b間をバランスさせる操作量として、レグ4内の全てのアーム2に同じ値を重畳する。このため、チョッパセル1のキャパシタ電圧の相違は、上下アーム2a、2b間でも相殺され、出力電圧への影響をより確実に防止できる。
[C.第3の実施形態]
[1.構成]
本実施形態の構成を、図7を参照して説明する。本実施形態は、基本的には、上記の第2の実施形態と同様の構成である。ただし、アーム間バランス指令値演算部333が、循環電流指令値重畳部333bを有する点が異なっている。この循環電流指令値重畳部333bは、アーム間バランス操作量を、レグ4の循環電流指令値に重畳する処理部である。
なお、レグ内平均値制御部310が演算した循環電流指令値を、記憶部400が記憶し、この循環電流指令値に基づいて、アーム間バランス制御部330がアーム間バランス制御を行う態様も、実施形態に含まれる。
[2.作用]
以上のような本実施形態による上下アーム間バランス制御について説明する。なお、本実施形態による処理は、上記のレグ内バランス制御及びアーム内バランス制御に加えて行われるものである。このため、第1の実施形態と同様の処理については、説明を簡略化若しくは省略する。
まず、上記と同様に、アーム内平均値演算部321が、上アーム内平均値Vcell_ave_P、下アーム内平均値Vcell_ave_Nを演算する。この演算式は、上記の式5と同様である。
そして、アーム間バランス操作量演算部332は、上下のアーム2a、2b間のバランス制御のための操作量を演算する。この演算式を、式7に示す。
Figure 2013198389
つまり、アーム間バランス操作量演算部332は、アーム間差分Vcell_ave_PNに、ゲイン値KPN_arm_blcを乗じて、外部から入力された出力電圧指令値Vrefと乗算する。式7では、Iope_PN_blcが、上下のアーム2a、2b間のバランス制御のための操作量である。
アーム間バランス指令値演算部333は、アーム間バランス操作量に基づいて、指令値を演算する。つまり、循環電流指令値重畳部333bが、アーム間バランス操作量を、上記のレグ内平均制御で求めた循環電流制御の循環電流指令値に重畳する。
出力部500は、重畳により生成された循環電流指令値に基づく制御信号を、スイッチング素子11a、11bに出力する。この制御信号に基づいて、スイッチング素子11a、11bが動作することにより、上下のアーム間のバランス制御を実行する。
以上のような上下アーム間のバランス制御の原理について、図8及び図9を参照して説明する。図8及び図9の各波形を上段から示すと、以下の通りである。
(A)上下のアーム内のキャパシタ電圧平均値(一段目)
(B)上下のアーム内のチョッパセル出力電圧(二段目)
(C)上下アーム間バランス制御操作量(三段目上)
(D)上下アームのリアクトル電流(三段目下)
(E)上下アームのチョッパセルの瞬時電力(四段目)
図8は、(A)に示すように、上アーム2aのアーム内キャパシタ電圧平均値よりも、下アーム2bのアーム内キャパシタ電圧平均値が小さい状態である。このため、アーム間差分Vcell_ave_PNは正となる。すると、式7により求められる上下アーム2a、2b間のバランス制御操作量(C)は、ゲイン値KPN_arm_blcを重畳して正となる。このため、上下アーム2a、2b間のバランス制御操作量(C)は、出力電圧指令Vrefと同相の波形となる。
その操作量が、循環電流指令値に重畳されるため、循環電流に出力電圧指令と同相の成分が加算される。したがって、式2に示した通り、出力電圧指令と同相成分を出力する下アーム2bのチョッパセル1の瞬時電力の平均値が増加する。一方、逆相成分を出力する上アーム2aのチョッパセル1の瞬時電力の平均値は減少する。
その結果、下アーム2bの各チョッパセル1のキャパシタ電圧は上昇する。一方、上アーム2aの各チョッパセル1のキャパシタ電圧は下降する。よって、上下アーム2a、2b間でアーム内キャパシタ電圧平均値がバランスする。
図8の状態とは逆に、図9に、(A)に示すように下アーム2bのアーム内キャパシタ電圧平均値より、上アーム2aのアーム内キャパシタ電圧平均値が小さい状態の各部波形を示す。この状態では、アーム間差分Vcell_ave_PNは負となる。すると、式6により求められる上下アーム2a、2b間のバランス制御操作量(C)は、ゲイン値KPN_arm_blcを重畳して負となる。このため、上下アーム2a、2b間のバランス制御操作量(C)は、出力電圧指令Vrefと逆相の波形となる。
その操作量が、循環電流指令値に重畳されるため、循環電流に出力電圧指令と逆相の成分が加算される。したがって、式2に示した通り、出力電圧指令と逆相成分を出力する下アーム2bのチョッパセル1の瞬時電力の平均値が減少する。一方、出力電圧指令と同相成分を出力する上アーム2aのチョッパセル1の瞬時電力の平均値は増加する。
その結果、下アーム2bの各チョッパセル1のキャパシタ電圧は下降する。一方、上アーム2aの各チョッパセル1のキャパシタ電圧は上昇する。よって、図9の状態においても、上下アーム2a、2b間でアーム内キャパシタ電圧平均値がバランスする。
[3.効果]
以上のような本実施形態においては、上下アーム2a、2b間をバランスさせる操作量を、レグ4の循環電流指令値に重畳するため、出力電流には干渉しない。よって、出力電圧への影響をより確実に防止できる。
[D.他の実施形態]
(1)上記の実施形態では、レグ内平均値制御部によるレグ内平均値制御に加えて、アーム内バランス制御、アーム間バランス制御を行う構成であった。しかし、レグ内平均値制御部を省略して、アーム内バランス制御部及びアーム間バランス制御部による制御を行う構成とすることもできる。この場合、アーム内バランス指令値演算部は、外部から入力された出力電圧指令値を、レグ内の全チョッパセルに等分した値に、上下のアーム内バランス操作量を重畳する。
また、アーム間バランス指令値演算部の電圧指令値重畳部は、上下のアーム内バランス指令値に、アーム間バランス操作量を重畳する。若しくは、アーム間バランス指令値演算部の循環電流指令値重畳部は、上位のシステム等の外部から入力された循環電流指令値に、アーム間バランス操作量を重畳する。
これにより、演算量を低減しつつ、上下のアーム内バランス及び上下のアーム間バランス制御を行い、出力電圧にバランス制御が干渉することを防止できる。
(2)制御装置は、コンピュータを所定のプログラムで制御することによって、若しくは専用の電子回路によって実現できる。この場合のプログラムは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで、上記の各部の処理を実現するものである。上記の各部の処理を実行する方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体も、実施形態の一態様である。また、ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかは、特定の態様には限定されない。
(3)記憶部は、典型的には、内蔵された若しくは外部接続された各種メモリ、ハードディスク、光ディスク等により構成できるが、現在又は将来において利用可能なあらゆる記憶媒体を利用可能である。演算に用いるレジスタ、メモリ等も、記憶部として捉えることができる。したがって、上記の各部の演算処理のために一時的に記憶される記憶領域であっても、記憶部として捉えることができる。
(4)本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…チョッパセル
2…アーム
2a…上アーム
2b…下アーム
3…リアクトル
4…レグ
11a、11b…スイッチング素子
12a、12b…ダイオード
13…キャパシタ
100…制御装置
200…入力部
300…演算部
310…レグ内平均値制御部
311…レグ内平均値演算部
312…キャパシタ電圧指令値演算部
313…レグ内差分演算部
314…循環電流指令値演算部
315…レグ内平均操作量演算部
316…電圧指令値演算部
320…アーム内バランス制御部
321…アーム内平均値演算部
321a…上アーム内平均値演算部
321b…下アーム内平均値演算部
322…アーム内差分演算部
322a…上アーム内差分演算部
322b…下アーム内差分演算部
323…アーム内バランス操作量演算部
323a…上アーム内バランス演算部
323b…下アーム内バランス演算部
324…アーム内バランス指令値演算部
324a…上アーム内指令値演算部
324b…下アーム内指令値演算部
330…アーム間バランス制御部
331…アーム間差分演算部
332…アーム間バランス操作量演算部
333…アーム間バランス指令値演算部
333a…電圧指令値重畳部
333b…循環電流指令値重畳部
400…記憶部
500…出力部

Claims (8)

  1. スイッチング素子及びキャパシタを含むチョッパセルを多段化して構成したアームを正側と負側とで一対含むレグを、少なくとも一つ有する電力変換装置を制御する制御装置であって、
    レグ内のチョッパセルのキャパシタ電圧の平均値を一定に制御するための電圧指令値を記憶する電圧指令値記憶部と、
    外部から入力されたキャパシタ電圧に基づいて、各アーム内のキャパシタ電圧の平均値であるアーム内平均値を、レグ内の正側のアーム及び負側のアーム毎に演算するアーム内平均値演算部と、
    外部から入力された正側のアームの各キャパシタ電圧及び負側のアームの各キャパシタ電圧と、前記アーム内平均値との差分であるアーム内差分を演算するアーム内差分演算部と、
    前記アーム内差分に基づいて、アーム内における各チョッパセルの出力電圧を、正側のアーム及び負側のアーム毎にバランスさせるスイッチング素子の操作量であるアーム内バランス操作量を演算するアーム内バランス操作量演算部と、
    前記電圧指令値と前記アーム内バランス操作量とに基づいて、アーム内の各チョッパセルの出力電圧指令値であるアーム内バランス指令値を演算するアーム内バランス指令値演算部と、
    を有する電力変換装置の制御装置。
  2. レグ内における正側のアームのアーム内平均値と、負側のアームのアーム内平均値との差分であるアーム間差分を演算するアーム間差分演算部と、
    外部から入力された電圧指令値と、前記アーム間差分とに基づいて、正側と負側のアーム間の出力電圧をバランスさせる操作量であるアーム間バランス操作量を演算するアーム間バランス操作量演算部と、
    前記アーム間バランス操作量に基づいて、正側と負側のアーム間の出力電圧をバランスさせるアーム間バランス指令値を演算するアーム間バランス指令値演算部と、
    を有する請求項1記載の電力変換装置の制御装置。
  3. 前記アーム間バランス指令値演算部は、前記アーム間バランス操作量を、前記アーム内バランス指令値に重畳する電圧指令値重畳部を有することを特徴とする請求項2記載の電力変換装置の制御装置。
  4. レグ内のチョッパセルのキャパシタ電圧の平均値を一定に制御するための循環電流指令値を記憶する循環電流指令値記憶部を有し、
    前記アーム間バランス指令値演算部は、前記循環電流指令値に、前記アーム間バランス操作量を重畳する循環電流指令値重畳部を有する請求項2記載の電力変換装置の制御装置。
  5. コンピュータ又は電子回路が、スイッチング素子及びキャパシタを含むチョッパセルを多段化して構成したアームを正側と負側とで一対含むレグを、少なくとも一つ有する電力変換装置を制御する制御方法であって、
    前記コンピュータ又は電子回路が、
    レグ内のチョッパセルのキャパシタ電圧の平均値を一定に制御するための電圧指令値を記憶する電圧指令値記憶処理と、
    外部から入力されたキャパシタ電圧に基づいて、各アーム内のキャパシタ電圧の平均値であるアーム内平均値を、レグ内の正側のアーム及び負側のアーム毎に演算するアーム内平均値演算処理と、
    外部から入力された正側のアームの各キャパシタ電圧及び負側のアームの各キャパシタ電圧と、前記アーム内平均値との差分であるアーム内差分を演算するアーム内差分演算処理と、
    前記アーム内差分に基づいて、アーム内における各チョッパセルの出力電圧を、正側のアーム及び負側のアーム毎にバランスさせるスイッチング素子の操作量であるアーム内バランス操作量を演算するアーム内バランス操作量演算処理と、
    前記電圧指令値と前記アーム内バランス操作量とに基づいて、アーム内の各チョッパセルの出力電圧指令値であるアーム内バランス指令値を演算するアーム内バランス指令値演算処理と、
    を実行する電力変換装置の制御方法。
  6. 前記コンピュータ又は電子回路が、
    レグ内における正側のアームのアーム内平均値と、負側のアームのアーム内平均値との差分であるアーム間差分を演算するアーム間差分演算処理と、
    外部から入力された電圧指令値と、前記アーム間差分とに基づいて、正側と負側のアーム間の出力電圧をバランスさせる操作量であるアーム間バランス操作量を演算するアーム間バランス操作量演算処理と、
    前記アーム間バランス操作量に基づいて、正側と負側のアーム間の出力電圧をバランスさせるアーム間バランス指令値を演算するアーム間バランス指令値演算処理と、
    を実行する請求項5記載の電力変換装置の制御方法。
  7. コンピュータに、スイッチング素子及びキャパシタを含むチョッパセルを多段化して構成したアームを正側と負側とで一対含むレグを、少なくとも一つ有する電力変換装置を制御させる制御プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    レグ内のチョッパセルのキャパシタ電圧の平均値を一定に制御するための電圧指令値を記憶する電圧指令値記憶処理と、
    外部から入力されたキャパシタ電圧に基づいて、各アーム内のキャパシタ電圧の平均値であるアーム内平均値を、レグ内の正側のアーム及び負側のアーム毎に演算するアーム内平均値演算処理と、
    外部から入力された正側のアームの各キャパシタ電圧及び負側のアームの各キャパシタ電圧と、前記アーム内平均値との差分であるアーム内差分を演算するアーム内差分演算処理と、
    前記アーム内差分に基づいて、アーム内における各チョッパセルの出力電圧を、正側のアーム及び負側のアーム毎にバランスさせるスイッチング素子の操作量であるアーム内バランス操作量を演算するアーム内バランス操作量演算処理と、
    前記電圧指令値と前記アーム内バランス操作量とに基づいて、アーム内の各チョッパセルの出力電圧指令値であるアーム内バランス指令値を演算するアーム内バランス指令値演算処理と、
    を実行させる電力変換装置の制御プログラム。
  8. 前記コンピュータに、
    レグ内における正側のアームのアーム内平均値と、負側のアームのアーム内平均値との差分であるアーム間差分を演算するアーム間差分演算処理と、
    外部から入力された電圧指令値と、前記アーム間差分とに基づいて、正側と負側のアーム間の出力電圧をバランスさせる操作量であるアーム間バランス操作量を演算するアーム間バランス操作量演算処理と、
    前記アーム間バランス操作量に基づいて、正側と負側のアーム間の出力電圧をバランスさせるアーム間バランス指令値を演算するアーム間バランス指令値演算処理と、
    を実行させる請求項7記載の電力変換装置の制御プログラム。
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JP6933558B2 (ja) 電力変換器および電力変換装置

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