JP2013197856A - 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計 - Google Patents

圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ光を用いて重り金属膜を除去する際、この重り金属膜の飛散を規制して生産歩留まりを向上させることができる圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供する。
【解決手段】幅方向に並んで配置された一対の振動腕部10,11と、これら一対の振動腕部10,11に形成された重り金属膜21と、一対の振動腕部10,11における延在方向の基端側が接続された基部12とを備え、重り金属膜21にレーザ光を照射し、重り金属膜21を部分的に除去することにより周波数の調整を行う圧電振動片4において、一対の振動腕部10,11の一面には、それぞれ重り金属膜21のレーザ光が照射される箇所に対応する部位に、重り金属膜21の飛散方向を規制する規制溝81が形成されている。
【選択図】図5

Description

この発明は、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計に関するものである。
例えば、携帯電話や携帯情報端末には、時刻源や制御信号などのタイミング源、リファレンス信号源などとして水晶等を利用した圧電振動子を用いる場合が多い。この種の圧電振動子として、キャビティ(密閉室)が形成されたパッケージ内に音叉型水晶振動片を真空封止したものがある。パッケージは、一対のガラス基板のうちの一方に凹部を形成した状態で互いに重ね合わせ、両者を直接接合することにより、凹部をキャビティとして機能させる構造になっている。
ここで、音叉型水晶振動子等の圧電振動子を製造する場合の周波数調整方法として、予め圧電振動子の腕先端にCr、Au、Ag等の重り金属膜(重り部)を形成し、この重り金属膜部にレーザ光を照射し、重り金属膜を部分的に蒸発させて除去(トリミング)する方法がある。
より具体的には、パッケージ内に音叉型水晶振動片を真空封止する前に、重り金属膜にレーザ光を照射して除去し、周波数を粗く調整する粗調工程と、パッケージ内に音叉型水晶振動子を真空封止し、パッケージの外側から重り金属膜にレーザ光を照射して除去し、目標周波数となるように調整する微調工程とがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−133879号公報
ところで、上述の従来技術にあっては、重り金属膜にレーザ光を照射して除去する際、一部の重り金属膜が蒸発しきれずに溶融状態で周囲に飛散し、この飛散した重り金属膜が再度圧電振動子に付着する虞がある。このような場合、この圧電振動子上に形成されている異極の電極パターン間に重り金属膜が跨るように付着して短絡を引き起こす等、生産歩留まりを低下させる虞があるという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、レーザ光を用いて重り金属膜を除去する際、この重り金属膜の飛散を規制して生産歩留まりを向上させることができる圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る圧電振動片は、幅方向に並んで配置された一対の振動腕部と、これら一対の振動腕部に形成された重り金属膜と、前記一対の振動腕部における延在方向の基端側が接続された基部とを備え、前記重り金属膜にレーザ光を照射し、前記重り金属膜を部分的に除去することにより周波数の調整を行う圧電振動片において、前記一対の振動腕部の一面には、それぞれ前記重り金属膜の前記レーザ光が照射される箇所に対応する部位に、前記重り金属膜の飛散方向を規制する規制凹部が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、主に規制凹部の壁面によってレーザ光を照射した際の重り金属膜の飛散方向を規制できるので、飛散した重り金属膜が再度圧電振動片に付着するのを防止できる。このため、圧電振動片の生産歩留まりを向上させることができる。
本発明に係る圧電振動片は、前記規制凹部は、各振動腕部の幅方向全体に亘って形成された溝であり、この溝が各振動腕部の長手方向に沿って複数配置されていることを特徴とする。
このように構成することで、より高精度に周波数の調整を行うことが可能になる。
本発明に係る圧電振動片は、前記規制凹部は、底面と、この底面の周縁から立ち上がる側面とを有するように形成されており、前記規制凹部の最深部の深さをHとし、前記底面における前記振動腕部の長手方向の幅をWとし、前記レーザ光のレーザ径をKとしたとき、前記規制凹部の最深部の深さH、及び幅Wは、
2K≦W≦3K
H≧1.5W
を満たすように設定されていることを特徴とする。
このように構成することで、レーザ光を照射した際の重り金属膜の飛散を確実に防止できるので、確実に圧電振動片の生産歩留まりを向上させることができる。
本発明に係る圧電振動片は、前記規制凹部は底面を有し、この底面は、各振動腕部の先端側に向かって傾斜していることを特徴とする。
このように構成することで、レーザ光を照射した際の重り金属膜の飛散方向を、振動腕部の先端方向に設定することができる。このように、重り金属膜の飛散方向を規制できるので、確実に圧電振動片の生産歩留まりを向上させることができる。
本発明に係る圧電振動片は、幅方向に並んで配置された一対の振動腕部と、これら一対の振動腕部の先端に形成された重り金属膜と、前記一対の振動腕部における延在方向の基端側が接続された基部とを備え、前記重り金属膜にレーザ光を照射し、前記重り金属膜を部分的に除去することにより周波数の調整を行う圧電振動片において、前記一対の振動腕部の先端には、前記レーザ光が照射される一面側に先端に向かうに従って先細りとなるように切除面が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、レーザ光を照射した際の重り金属膜の飛散方向を、振動腕部の先端方向に設定することができる。このように、重り金属膜の飛散方向を規制できるので、飛散した重り金属膜が再度圧電振動片に付着するのを防止できる。このため、圧電振動片の生産歩留まりを向上させることができる。
本発明に係る圧電振動片は、前記切除面は、斜めに形成された傾斜面であることを特徴とする。
このように構成することで、簡単な加工で切除面を形成することができるので、圧電振動片の製造コストを低減することが可能になる。
本発明に係る圧電振動子は、圧電振動片が、パッケージに気密封止されてなることを特徴とする。
このように構成することで、レーザ光を用いて重り金属膜を除去する際、この重り金属膜の飛散を規制して生産歩留まりを向上させることが可能な圧電振動子を提供できる。
本発明に係る発振器は、圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
このように構成することで、レーザ光を用いて重り金属膜を除去する際、この重り金属膜の飛散を規制して生産歩留まりを向上させることが可能な発振器を提供できる。
本発明に係る電子機器は、圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
このように構成することで、レーザ光を用いて重り金属膜を除去する際、この重り金属膜の飛散を規制して生産歩留まりを向上させることが可能な電子機器を提供できる。
本発明に係る電波時計は、圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
このように構成することで、レーザ光を用いて重り金属膜を除去する際、この重り金属膜の飛散を規制して生産歩留まりを向上させることが可能な電波時計を提供できる。
本発明によれば、主に規制凹部の壁面によってレーザ光を照射した際の重り金属膜の飛散方向を規制できるので、飛散した重り金属膜が再度圧電振動片に付着するのを防止できる。このため、圧電振動片の生産歩留まりを向上させることができる。
本発明の実施形態における圧電振動子の外観斜視図である。 本発明の実施形態における圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態を示す。 図2のA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における圧電振動子の分解斜視図である。 本発明の実施形態における圧電振動片の平面図である。 本発明の実施形態における圧電振動片の側面図である。 図5のB−B線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における圧電振動子の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における圧電振動片作製工程を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるウエハ接合体の分解斜視図である。 図6のC部拡大図であって、本発明の実施形態における粗調工程の説明図である。 本発明の実施形態の第1変形例における圧電振動片の先端を示す平面図である。 本発明の実施形態の第2変形例における圧電振動片の先端を示す平面図である。 本発明の実施形態の第3変形例における圧電振動片の先端を示す平面図である。 本発明の実施形態の第4変形例における圧電振動片の先端を示す平面図である。 本発明の実施形態の第5変形例における圧電振動片の先端を示す平面図である。 本発明の実施形態における発振器の概略構成図である。 本発明の実施形態における携帯情報機器の概略構成図である。 本発明の実施形態における電波時計の概略構成図である。
(圧電振動子)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施形態における圧電振動子1の外観斜視図、図2は、圧電振動子1の内部構成図であって、リッド基板3を取り外した状態を示す。また、図3は、図2のA−A線に沿う断面図、図4は、圧電振動子1の分解斜視図である。
図1〜4に示すように、圧電振動子1は、ベース基板2とリッド基板3とで2層に積層された箱状のパッケージ5を有し、このパッケージ5の内部のキャビティC内に圧電振動片4が封止された表面実装型の圧電振動子である。尚、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17、及び重り金属膜21の図示を省略している。
図5は、圧電振動子1を構成する圧電振動片4の平面図、図6は、圧電振動片4の側面図、図7は、図5のB−B線に沿う断面図である。
図5〜7に示すように、圧電振動片4は、所定の電圧が印加されたときに振動するものであって、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の圧電板24を備えている。
この圧電板24は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12とを有している。また、これら一対の振動腕部10,11の外表面上には、一対の振動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15と、第1の励振電極13、及び第2の励振電極14に電気的に接続されたマウント電極16,17とが設けられている。
また、圧電板24には、一対の振動腕部10,11の両主面上に、振動腕部10,11の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部18が形成されている。この溝部18は、振動腕部10,11の基端側から略中間付近に至る間に形成されている。
第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15は、一対の振動腕部10,11を互いに接近又は離間する方向に所定の周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
具体的には、一方の振動腕部10の溝部18上と、他方の振動腕部11の両側面上とに、第1の励振電極13が主に形成されている。また、一方の振動腕部10の両側面上と、他方の振動腕部11の溝部18上とに、第2の励振電極14が主に形成されている。
さらに、第1の励振電極13、及び第2の励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19,20を介してマウント電極16,17に電気的に接続されている。圧電振動片4は、このマウント電極16,17を介して電圧が印加されるようになっている。
尚、上述した励振電極15、マウント電極16,17、及び引き出し電極19,20は、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成されている。
また、一対の振動腕部10,11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように周波数調整用の重り金属膜21が被覆されている。
ここで、この重り金属膜21は、例えば銀(Ag)や金(Au)により形成されたものであって、周波数を粗く調整する際に使用される粗微調膜21aと、微小調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗微調膜21a、及び微調膜21bの重量を利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの目標周波数の範囲内に収めることができる(詳細は後述する)。
さらに、一対の振動腕部10,11の先端には、一面側(上面側)にそれぞれ幅方向に沿うように、且つ幅方向全体に亘って規制溝81が形成されている。規制溝81は、断面略コの字状に形成されており、底面81aと、この底面81aの短手方向両側、つまり、底面81aにおける振動腕部10,11の長手方向両側から立ち上がる一対の側面81b,81bとを有している。
また、各振動腕部10,11にそれぞれ規制溝81が3つずつ形成されており、各々振動腕部10,11の長手方向に沿って等間隔に配置されている。そして、各規制溝81は、一対の振動腕部10,11の重り金属膜21が被覆された箇所に形成されている。すなわち、一対の振動腕部10,11の一面側において、この一面側の表面10a,11aと底面81aとに重り金属膜21が被覆される。
このように構成された圧電振動片4は、図3,4に示すように、金等のバンプBを利用して、ベース基板2の上面にバンプ接合されている。より具体的には、ベース基板2の上面にパターニングされた後述する引き回し電極36,37上に形成された2つのバンプB上に、一対のマウント電極16,17がそれぞれ接触した状態でバンプ接合されている。
これにより、圧電振動片4は、ベース基板2の上面から浮いた状態で支持されるとともに、マウント電極16,17と引き回し電極36,37とがそれぞれ電気的に接続された状態となっている。
図1、図3、図4に示すように、リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板であって、板状に形成されている。ベース基板2が接合される接合面側には、圧電振動片4が収まる矩形状の凹部3aが形成されている。この凹部3aは、両基板2,3が重ね合わされたときに、圧電振動片4を収容するキャビティCとなるキャビティ用の凹部である。そして、リッド基板3は、この凹部3aをベース基板2側に対向させた状態でベース基板2に対して陽極接合されている。
図1〜4に示すように、ベース基板2は、リッド基板3と同様にガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板であって、リッド基板3に対して重ね合わせ可能な大きさで板状に形成されている。このベース基板2には、ベース基板2を貫通する一対のスルーホール30,31が形成されている。この際、一対のスルーホール30,31は、キャビティC内に収まるように形成されている。
より詳しく説明すると、スルーホール30,31のうち、一方のスルーホール30は、マウントされた圧電振動片4の基部12側に対応した位置に形成されている。また、他方のスルーホール31は、振動腕部10,11の先端側に対応した位置に形成されている。また、これらスルーホール30,31は、ベース基板2の下面から上面に向かって漸次径が縮径した断面テーパ状に形成されている。
尚、本実施形態では、各スルーホール30,31が断面テーパ状に形成されている場合について説明したが、これに限られるものではなく、ベース基板2を真っ直ぐに貫通するスルーホールでもよい。いずれにしても、ベース基板2を貫通していればよい。
そして、これら一対のスルーホール30,31には、各スルーホール30,31を埋めるように形成された一対の貫通電極32,33が形成されている。
図3に示すように、これら貫通電極32,33は、焼成によってスルーホール30,31に対して一体的に固定された筒体6、及び芯材部7によって形成されたものである。
各貫通電極32,33は、スルーホール30,31を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持しているとともに、後述する外部電極38,39と引き回し電極36,37とを導通させる役割を担っている。
筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6は、両端が平坦で、且つベース基板2と略同じ厚みの円筒状に形成されている。そして、筒体6の中心には、芯材部7が筒体6を貫通するように配されている。また、本実施形態ではスルーホール30,31の形状に合わせて、筒体6の外形が円錐状(断面テーパ状)となるように形成されている。そして、この筒体6は、スルーホール30,31内に埋め込まれた状態で焼成されており、これらスルーホール30,31に対して強固に固着されている。
芯材部7は、金属材料により円柱状に形成された導電性の芯材であり、筒体6と同様に両端が平坦で、且つベース基板2の厚みと略同じ厚さとなるように形成されている。
尚、図3に示すように、貫通電極32,33が完成品として形成された場合には、芯材部7は、ベース基板2の厚みと略同じ厚さとなるように形成される。しかしながら、製造過程においては、芯材部7の長さは、製造過程の当初のベース基板2の厚さよりも0.02mmだけ短い長さに設定されたものを採用している。そして、この芯材部7は、筒体6の中心孔6cに位置しており、筒体6の焼成によって筒体6に対して強固に固着される。
また、貫通電極32,33は、導電性の芯材部7を通して電気導通性が確保されている。
図1〜4に示すように、ベース基板2の上面側(リッド基板3が接合される接合面側)には、導電性材料(例えば、アルミニウム)により、陽極接合用のAlからなる接合材35と、一対の引き回し電極36,37とがパターニングされている。このうち接合材35は、リッド基板3に形成された凹部3aの周囲を囲むようにベース基板2の周縁に沿って形成されている。
また、一対の引き回し電極36,37は、一対の貫通電極32,33のうち、一方の貫通電極32と圧電振動片4の一方のマウント電極16とを電気的に接続すると共に、他方の貫通電極33と圧電振動片4の他方のマウント電極17とを電気的に接続するようにパターニングされている。
より詳しく説明すると、一方の引き回し電極36は、圧電振動片4の基部12の真下に位置するように一方の貫通電極32の真上に形成されている。また、他方の引き回し電極37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置から、振動腕部10,11に沿ってこれら振動腕部10,11の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電極33の真上に位置するように形成されている。
そして、これら一対の引き回し電極36,37上にそれぞれバンプBが形成されており、このバンプBを利用して圧電振動片4がマウントされている。これにより、一方の貫通電極32に、圧電振動片4の一方のマウント電極16が一方の引き回し電極36を介して導通される。また、他方の貫通電極33に、他方のマウント電極17が他方の引き回し電極37を介して導通される。
図1、図3、図4に示すように、ベース基板2の下面には、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続される外部電極38,39が形成されている。つまり、一方の外部電極38は、一方の貫通電極32、及び一方の引き回し電極36を介して圧電振動片4の第1の励振電極13に電気的に接続されている。
また、他方の外部電極39は、他方の貫通電極33、及び他方の引き回し電極37を介して、圧電振動片4の第2の励振電極14に電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13、及び第2の励振電極14からなる励振電極15に電流を流すことができ、一対の振動腕部10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、図8〜図11に基づいて、圧電振動子1の製造方法について説明する。図8は、圧電振動子の製造方法を示すフローチャート、図9は、圧電振動片作製工程を示すフローチャート、図10は、ウエハ接合体60の分解斜視図である。
ここで、図8、図10に示すように、この圧電振動子1の製造方法においては、複数のベース基板2が連なるベース基板用ウエハ40と、複数のリッド基板3が連なるリッド基板用ウエハ50との間に、複数の圧電振動片4を封入してウエハ接合体60を形成し、ウエハ接合体60を切断することにより複数の圧電振動子1を同時に製造する方法について説明する。尚、図10に示す破線Mは、切断工程で切断する切断線を図示したものである。
本実施形態における圧電振動子1の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程(S10)と、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程(S40以下)とを有している。これらのうち、圧電振動片作製工程(S10)、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)、及びベース基板用ウエハ作製工程(S30)は、並行して実施することが可能である。
(圧電振動片作製工程)
まず、図8、図9に示すように、圧電振動片作製工程(S10)を行って圧電振動片4(図5、図6参照)を作製する。具体的には、水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハ(不図示)とする。続いて、ウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面加工を行なって、所定の厚みとする(S110)。
次に、ウエハから複数の圧電板24の外形形状をパターニングするための外形パターン(不図示)を形成する(外形パターン形成工程、S120)。外形パターンは、ポリッシングが終了したウエハの両面に一対の振動腕部10,11、及び基部12の外形形状に倣って金属膜をパターニングすることにより行われる。この際、ウエハに形成する複数の圧電振動片4の数だけ、一括してパターニングを行う。
次いで、パターニングされた外形パターンをマスクとして、ウエハの両面からそれぞれエッチング加工を行う(S130)。これにより、外形パターンでマスクされていない領域が選択的に除去される。この結果、外形パターンによってパターニングされたウエハが圧電板24の外形形状に形成される。
続いて、一対の振動腕部10,11(図5、図6参照)の両主面上に溝部18を形成する溝部形成工程を行う(S140)。溝部18は、振動腕部10,11にエッチング加工を施すことにより形成することができる。
次いで、複数の圧電板24の外表面上に電極膜をパターニングして、励振電極13,14、引き出し電極19,20、マウント電極16,17をそれぞれ形成する電極形成工程を行う(S150)。具体的には、溝部18が形成された圧電板24の外表面に、蒸着法やスパッタリング法等により電極膜を成膜し、この後、電極膜にエッチング加工を施すことにより形成する。
電極形成工程(S150)が終了した後、一対の振動腕部10,11の先端に周波数調整用の粗微調膜21a、及び微調膜21bからなる重り金属膜21を形成する(重り金属膜形成工程、S160)。より具体的には、一対の振動腕部10,11の先端において、表面10a,11aと、規制溝81の底面81aとにそれぞれ重り金属膜21が形成される。重り金属膜21は、まず微調膜21bを形成したあと、この上から粗微調膜21aを形成するように積層構造になっている。尚、微調膜21bは、この膜厚が例えば約1500Å程度に設定されている一方、粗微調膜21aは、この膜厚が例えば約3μm程度に設定されている。
(粗調工程)
続いて、不図示のトリミング装置を用いてウエハに形成された全ての振動腕部10,11に対して、周波数を粗く調整する粗調工程を行う(S170)。
図11は、図6のC部拡大図であって、粗調工程の説明図である。尚、図11では、各部を認識可能な大きさとするため、各部の縮尺を適宜変更している。
ここで、トリミング装置は、振動腕部10,11の周波数を測定する周波数測定器と、この周波数測定器の測定結果に基づいて、トリミング量を計算するトリミング量計算機と、トリミング量計算機の計算結果に基づいて振動腕部10,11の重り金属膜21にレーザ光Lを照射するレーザコントロール装置とを有している(何れも不図示)。
より具体的に、図9、図11に基づいて粗調工程(S170)について説明する。まず、周波数測定器を用いて全ての振動腕部10,11の周波数をまとめて測定する(周波数測定工程、S171)。
この後、トリミング量計算機によって、測定された周波数と予め定められた目標周波数との差に応じて、トリミング量を計算する(トリミング量計算工程、S172)。この粗調工程において、測定された周波数と予め定められた目標周波数とのずれ量は、例えば、800ppm〜450ppmに設定されている。この場合、トリミング量は、ずれ量を800ppm〜450ppmに収めることが可能なトリミング量を計算する。
この後、トリミング量の計算結果に基づいて、レーザコントロール装置により、重り金属膜21の粗微調膜21aにレーザ光Lを照射して粗微調膜21aを除去(トリミング)し、例えばライン状の除去部71を形成する(トリミング工程、S173)。
そして、周波数測定工程(S171)からトリミング工程(S173)までを繰り返し行い、測定された周波数と予め定められた目標周波数とのずれ量が所望の値に達すると粗調工程(S170)が終了する。
ここで、レーザ光Lによって粗微調膜21aを除去する際、規制溝81の底面81aに沿ってレーザ光Lが照射され、底面81aにライン状の除去部71が形成されるようになっている。
このとき、粗微調膜21aにレーザ光Lが照射されると、照射された部分の粗微調膜21aの殆どが蒸発して除去され、除去部71が形成されるが、粗微調膜21aの一部は蒸発しきれずに飛散する。レーザ光Lが照射される粗微調膜21aは、規制溝81の底面81aに被覆されているので、飛散した粗微調膜21aの液滴は、各振動腕部10,11の表面10a,11aに飛散せずに、規制溝81の側面81bに付着する。すなわち、規制溝81は、レーザ光Lが照射された粗微調膜21aが、各振動腕部10,11の表面10a,11aに飛散しないように、粗微調膜21aの飛散方向を規制する役割を有している。
また、規制溝81は、この底面81aの短手方向(振動片の長手方向)の幅をW1とし、最深部の溝深さをH1とし、レーザ光Lのレーザ径をKとしたとき、規制溝81の幅W1、及び溝深さH1は、
2K≦W1≦3K・・・(1)
H1≧1.5W1・・・(2)
を満たすように設定されている。
即ち、式(1)によれば、規制溝81の幅をレーザ径の2倍以上に確保することで、レーザ照射の位置ずれが生じた場合も、レーザ1ショット分の粗微調膜21aを取り除くことができる(幅が狭すぎるとレーザ照射がずれた場合にレーザ光が底面81aに届かない虞がある)。また、規制溝81の幅を広げすぎると、底面81aから飛散した重り金属膜が規制溝81の側面81bの上方を飛散し(側面81bを飛び越し)、側面81bに重り金属膜を付着させることが難しくなる。この課題に鑑みて、本発明者らは規制溝81の幅とレーザ径との関連を考察したところ、規制溝81の幅はレーザ径の3倍以下に収めるとよいことがわかった。3倍以上の場合は、規制溝81の側面81bを重り金属膜が飛び越えてしまう現象が見られ、3倍以下であると、飛散した重り金属膜の多くが規制溝81の側面81bに付着することがわかった。
また、式(2)によれば、規制溝81の最深部の深さH1を、幅W1の1.5倍以上にすればよいことがわかる。即ち、規制溝81が浅いと、飛散した重り金属膜が側面81bを飛び越すことがわかったので、本発明者らの鋭意検討によると、規制溝81の深さと幅との関係を考察した結果、少なくとも最深部の深さH1が幅W1の1.5倍以上あればよいことがわかった。1.5倍未満の場合は、飛散した重り金属膜が規制溝81から外部に飛散することが多いことがわかった。なお、ここでH1を規制溝81の「最深部」の深さとしたのは、後述するように本発明は、規制溝81の底面を斜面にする形態も含むからである。その場合に、規制溝81の深さがどの深さを指すのかを明確にするべく、「最深部」の深さとしている。
以上より、規制溝81の寸法を上式(1)、(2)のようにすれば、規制溝81によって、底面81aに被覆されている粗微調膜21aの飛散を確実に規制できる。
図9に戻り、粗調工程(S170)が終了した後、最後にウエハと圧電板24とを連結していた連結部を切断して、複数の圧電板24をウエハから切り離して個片化する切断工程を行う(S180)。これにより、1枚のウエハから、音叉型の圧電振動片4を一度に複数製造することができる。
この時点で、圧電振動片4の製造工程が終了し、図5に示す圧電振動片4を得ることができる。
(リッド基板用ウエハ作成工程)
次に、図8、図10に示すように、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するリッド基板用ウエハ作製工程を行う(S20)。
具体的には、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成する(S21)。
次いで、リッド基板用ウエハ50の裏面50a(図6における下面)に、エッチング等により行列方向にキャビティC用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程を行う(S22)。
続いて、後述するベース基板用ウエハ40との間の気密性を確保するために、ベース基板用ウエハ40との接合面となるリッド基板用ウエハ50の裏面50a側を少なくとも研磨する研磨工程(S23)を行い、裏面50aを鏡面加工する。以上により、リッド基板用ウエハ作成工程(S20)が終了する。
(ベース基板用ウエハ作成工程)
次に、上述した工程と同時、又は前後のタイミングで、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するベース基板用ウエハ作製工程を行う(S30)。
まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。
次いで、例えばプレス加工等により、ベース基板用ウエハに一対の貫通電極32,33を配置するためのスルーホール30,32を複数形成するスルーホール形成工程を行う(S32)。
具体的には、プレス加工等によりベース基板用ウエハ40の裏面40bから凹部を形成した後、少なくともベース基板用ウエハ40の表面40a側から研磨することで、凹部を貫通させ、スルーホール30,31を形成することができる。
続いて、スルーホール形成工程(S32)で形成されたスルーホール30,31内に貫通電極32,33を形成する貫通電極形成工程(S33)を行う。
これにより、スルーホール30,31内において、芯材部7がベース基板用ウエハ40の両面40a,40b(図6における上下面)に対して面一な状態で保持される。以上により、貫通電極32,33を形成することができる。
次に、ベース基板用ウエハ40の表面40aに導電性材料をパターニングして、接合材35を形成する接合材形成工程を行う(S34)とともに、引き回し電極形成工程を行う(S35)。
尚、接合材35はベース基板用ウエハ40におけるキャビティCの形成領域以外の領域、すなわちリッド基板用ウエハ50の裏面50aとの接合領域の全域に亘って形成する。このようにして、ベース基板用ウエハ製作工程(S30)が終了する。
続いて、ベース基板用ウエハ作成工程(S30)で作成されたベース基板用ウエハ40の各引き回し電極36,37上に、圧電振動片作成工程(S10)で作成された圧電振動片4を、それぞれ金等のバンプBを介してマウントする(マウント工程、S40)。
そして、上述した各ウエハ40,50の作成工程で作成されたベース基板用ウエハ40、及びリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる、重ね合わせ工程を行う(重ね合わせ工程、S50)。
具体的には、図示しない基準マーク等を指標としながら、両ウエハ40,50を正しい位置にアライメントする。これにより、マウントされた圧電振動片4が、リッド基板用ウエハ50に形成された凹部3aとベース基板用ウエハ40とで囲まれるキャビティC内に収納された状態となる。
重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウエハ40,50を図示しない陽極接合装置に入れ、図示しない保持機構によりウエハの外周部分をクランプした状態で、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する接合工程を行う(S60)。
具体的には、接合材35とリッド基板用ウエハ50との間に所定の電圧を印加する。すると、接合材35とリッド基板用ウエハ50との界面に電気化学的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極接合される。これにより、圧電振動片4をキャビティC内に封止することができ、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合されたウエハ接合体60を得ることができる。
そして、本実施形態のように両ウエハ40,50同士を陽極接合することで、接着剤等で両ウエハ40,50を接合した場合に比べて、経時劣化や衝撃等によるずれ、ウエハ接合体60の反り等を防ぎ、両ウエハ40,50をより強固に接合することができる。
この場合、本実施形態では接合材35に抵抗値が比較的低いAlを用いているため、接合材35の全面に対して均一に電圧を印加することができ、両ウエハ40,50の接合面同士が強固に陽極接合されたウエハ接合体60を簡単に形成することができる。また、陽極接合を比較的低電圧で行うことができるため、エネルギー消費量の低減を図り、製造コストを低減させることができる。
続いて、図8、図11に示すように、パッケージ5内に封止された個々の圧電振動片4の周波数を微調整して目標周波数の範囲内に収める微調工程を不図示のトリミング装置を用いて行う(S80)。
尚、この微調工程に用いられるトリミング装置も、粗調工程(図9におけるS170)で用いられるトリミング装置と同様、又は同様の構成を有する装置であるので、トリミング装置についての説明を省略する。
微調工程について詳述すると、まず、外部電極38,39に電圧を印加し、全ての振動腕部10,11の周波数を周波数測定器を用いてまとめて測定する(周波数測定工程、S81)。
この後、トリミング量計算機によって、測定された周波数と予め定められた目標周波数との差に応じて、トリミング量を計算する(トリミング量計算工程、S82)。
この微調工程において、測定された周波数と予め定められた目標周波数とのずれ量は、例えば、約50ppm程度に収めるように設定されている。この場合、トリミング量は、
ずれ量を50ppm程度に収めることが可能なトリミング量を計算する。
この後、トリミング量の計算結果に基づいて、レーザコントロール装置により、重り金属膜21の粗微調膜21a、及び微調膜21bにレーザ光Lを照射して粗微調膜21a、及び微調膜21bを除去(トリミング)する(トリミング工程、S83)。そして、全ての振動腕部10,11の周波数を目標周波数に収めて微調工程(S80)が終了する。
ここで、微調工程においては、粗調工程(図9におけるS170)と同様に、一対の振動腕部10,11に形成されている規制溝81の底面81aに沿ってレーザ光Lを照射し、底面81aに除去部71を形成する(図11参照)。この際、レーザ光Lが照射さることにより飛散する粗微調膜21a、及び微調膜21bの液滴は、各振動腕部10,11の表面10a,11aに飛散せずに、規制溝81の側面81bに付着する。
微調工程(S80)が終了した後、接合されたウエハ接合体60を切断して個片化する個片化工程を行う(S90)。
個片化工程(S90)では、不図示のマガジンでウエハ接合体60を保持し、リッド基板用ウエハ50における表面50bの表層部分に対して、切断線Mに沿ってレーザ光を照射し、ウエハ接合体60にスクライブラインを形成する。
そして、スクライブラインが形成されたウエハ接合体60に対してブレーキングを行い、ウエハ接合体60に割断応力を加える。すると、ウエハ接合体60に、厚さ方向に沿ってクラックが発生し、ウエハ接合体60がリッド基板用ウエハ50上に形成されたスクライブラインに沿って折れるように切断される。そして、スクライブライン毎に不図示の切断刃を押し当てることで、ウエハ接合体60が切断線M毎のパッケージ5(圧電振動子1)に一括して分離される。
続いて、個片化された圧電振動子1の内部の電気特性検査を行う(S100)。
電気特性検査(S100)では、圧電振動片4の周波数、抵抗値、ドライブレベル特性(周波数、及び抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、圧電振動子1の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。これをもって圧電振動子1の製造が終了する。
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、一対の振動腕部10,11の重り金属膜21が被覆された箇所にそれぞれ規制溝81を形成し、これら規制溝81に被覆されている重り金属膜21をレーザ光Lで除去することにより、粗調工程(図9におけるS170)、及び微調工程(図8におけるS80)を行うように構成されているので、レーザ光Lが照射さることにより飛散する粗微調膜21a、及び微調膜21bの液滴が、各振動腕部10,11の表面10a,11aに飛散してしまうことを防止できる。このため、圧電振動片4の生産歩留まりを向上させることができる。
また、一対の振動腕部10,11にそれぞれ3つずつ規制溝81を形成しているので、粗調工程、及び微調工程において、それぞれ別々の規制溝81にレーザ光Lを照射させることができる。このため、より高精度に周波数の調整を行うことが可能になる。
さらに、各規制溝81は、これら底面81aの短手方向の幅をW1とし、溝深さをH1とし、レーザ光Lのレーザ径をKとしたとき(図11参照)、規制溝81の幅W1、及び溝深さH1は、式(1)、及び式(2)を満たすように設定されている。このため、規制溝81によって、底面81aに被覆されている粗微調膜21a、及び微調膜21bの飛散を確実に規制できる。
尚、上述の実施形態では、一対の振動腕部10,11にそれぞれ3つずつ規制溝81を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、規制溝81の形成個数は任意に設定することができる。
また、上述の実施形態では、一対の振動腕部10,11の先端には、一面側(上面側)にそれぞれ幅方向に沿うように、且つ幅方向全体に亘って規制溝81が形成されている場合について説明した。しかしながら、この規制溝81の形状に限らず、粗微調膜21a、及び微調膜21bの飛散を防止できる形状であればよい。以下、具体的に説明する。
(実施形態の第1変形例)
図12は、本実施形態の第1変形例における圧電振動片4の先端を示す平面図である。尚、以下の変形例において、前述の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
同図に示すように、一対の振動腕部10,11の先端には、一面側(上面側)に規制溝81に代わって複数の規制凹部82が形成されている。各規制凹部82は、平面視略長方形状に形成されており、その長手方向が一対の振動腕部10,11の長手方向に沿うように形成されている。また、各規制凹部82は、多行多列(例えば、この第1変形例では4行3列)に配置されている。
さらに、各規制凹部82の開口面積は、レーザ光Lのレーザ径K(図11参照)よりも大きくなるように設定されている。このような構成のもと、粗調工程(図9におけるS170)、及び微調工程(図8におけるS80)にあっては、各規制凹部82に向かってレーザ光Lを照射させることにより、重り金属膜21(粗微調膜21a、及び微調膜21b)を除去する。
したがって、上述の第1変形例によれば、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
尚、上述の第1変形例では、一対の振動腕部10,11に複数の規制凹部82が例えば、4行3列に配置されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、規制凹部82の個数は任意に設定することが可能であり、規制凹部82を多行多列に配置しなくてもよい。
(実施形態の第2変形例)
次に、図13に基づいて、本実施形態の第2変形例について説明する。
図13は、第2変形例における圧電振動片4の先端を示す平面図である。
同図に示すように、この第2変形例と前述の第1変形例との相違点は、第1変形例の規制凹部82と、第2変形例の規制凹部83との形状が異なる点にある。
すなわち、第2変形例の規制凹部83は、平面視略円形状に形成されている。そして、規制凹部83の開口面積は、レーザ光Lのレーザ径Kよりも大きくなるように設定されている。
このように形成した場合であっても、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
(実施形態の第3変形例)
次に、図14に基づいて、本実施形態の第3変形例について説明する。
図14は、第3変形例における圧電振動片4の先端を示す平面図である。
同図に示すように、この第3変形例と前述の第2変形例との相違点は、第2変形例の規制凹部83の開口面積が全て略同一に設定されているのに対し、第3変形例の規制凹部84の開口面積は、2つの大きさに設定されている点にある。
すなわち、一対の振動腕部10,11の先端に形成された規制凹部84は、先端側に配置された粗微調用凹部84aと、この粗微調用凹部84aよりも基部12側(図14における左側)に配置された微調用凹部84bとにより構成されている。つまり、粗微調用凹部84aは、振動腕部10,11に被膜されている重り金属膜21のうち、粗微調膜21aに対応する箇所に、多行多列(例えば、この第3変形例では3行3列)に配置されている。一方、微調用凹部84bは、振動腕部10,11に被膜されている重り金属膜21のうち、微調膜21bに対応する箇所に、多行多列(例えば、この第3変形例では2行3列)に配置されている。
また、粗微調用凹部84aの開口面積は、微調用凹部84bの開口面積よりも大きく設定されている。
したがって、上述の第3変形例によれば、前述の第2変形例と同様の効果に加え、粗調工程(図9におけるS170)において、測定された周波数と目標周波数とのずれ量の値を、より速やかに所望の値に調整することが可能になる。
尚、この第3変形例では、粗微調膜21aに対応する箇所に、粗微調用凹部84aが例えば、3行3列に配置されている一方、微調用凹部84bが例えば、2行3列に配置されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、粗微調用凹部84a、及び微調用凹部84bの個数は任意に設定することが可能であり、粗微調用凹部84a、及び微調用凹部84bを多行多列に配置しなくてもよい。
(実施形態の第4変形例)
次に、図15に基づいて、本実施形態の第4変形例について説明する。
図15は、第4変形例における圧電振動片4の要部側面図であって、図11に対応している。
同図に示すように、この第4変形例と、前述の実施形態との相違点は、前述の実施形態の規制溝81と第4変形例の規制溝85との形状が異なる点にある。すなわち、前述の実施形態の規制溝81は、断面略コの字状に形成されており、底面81aと、この底面81aの短手方向両側から立ち上がる一対の側面81b,81bとを有しているのに対し、第4変形例の規制溝85は断面略L字状に形成されており、この底面85aが傾斜している点にある。
底面85aは、先端側(図15における右側)に向かって規制溝85の溝深さが深くなるように傾斜している。換言すれば、底面85aは、各振動腕部10,11の先端側に向かって傾斜している。そして、底面85aの先端側には、側面85bが立ち上がり形成されている。
このような構成のもと、重り金属膜21を除去する際、規制溝85の底面85aに沿ってレーザ光Lを照射し、底面85aに除去部71を形成する。このとき、重り金属膜21の一部が蒸発しきれずに飛散する場合があるが、底面85aが各振動腕部10,11の先端側に向かって傾斜しているので、飛散した重り金属膜21の液滴が先端に向かって飛散し、側面85bに付着する。
したがって、上述の第4変形例によれば、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
(実施形態の第5変形例)
次に、図16に基づいて、本実施形態の第5変形例について説明する。
図16は、第5変形例における圧電振動片4の要部側面図であって、図11に対応している。
同図に示すように、この第5変形例と、前述の実施形態との相違点は、前述の実施形態では、一対の振動腕部10,11の先端の一面側(上面側)にそれぞれ幅方向に沿うように、且つ幅方向全体に亘って規制溝81が形成されているのに対し、第5変形例の一対の振動腕部10,11には、規制溝81が形成されておらず、先端が先細りに形成されている点にある。
より具体的には、一対の振動腕部10,11の一面側における先端には、つまり、重り金属膜21が被覆されている箇所には、先端に向かうに従って先細りとなるように、傾斜面86が形成されている。
このような構成のもと、重り金属膜21を除去する際、傾斜面86に向かってレーザ光Lを照射し、傾斜面86に除去部71を形成する。このとき、重り金属膜21の一部が蒸発しきれずに飛散する場合があるが、傾斜面86により飛散した重り金属膜21の液滴が先端に向かって飛散する。
このため、この液滴が各振動腕部10,11の表面10a,11aに飛散してしまうことを防止できる。すなわち、傾斜面86は、重り金属膜21にレーザ光Lを照射した際の重り金属膜21の液滴の飛散方向を規制する役割を有している。
したがって、上述の第5変形例によれば、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
尚、この第5変形例では、一対の振動腕部10,11の一面側における先端に、この先端が先細りとなるように傾斜面86を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、レーザ光Lを照射した際、重り金属膜21の液滴が先端に向かって飛散するように、一対の振動腕部10,11の一面側における先端が切除されていればよい。つまり、一対の振動腕部10,11の一面側における先端に、この先端が先細りとなるように、湾曲面を形成してもよい。
(発振器)
次に、図17に基づいて、この発明の発振器の一実施形態について説明する。
図17は、発振器100の概略構成図である。
同図に示すように、発振器100は、集積回路101に圧電振動子1を電気的に接続した発振子として構成したものである。発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1が実装されている。
これら電子部品102、集積回路101、及び圧電振動子1は、不図示の配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、不図示の樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片4が振動する。この振動は、圧電振動片4が有する圧電特性により電気信号に変換され、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
したがって、本実施形態の発振器100によれば、キャビティC内の気密が確保された圧電振動子1を備えているため、特性、及び信頼性に優れた高品質な発振器100を提供できる。さらにこれに加え、長期に亘って安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
(電子機器)
次に、図18に基づいて、この発明の電子機器の一実施形態について説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。
図18は、携帯情報機器110の概略構成図である。
ここで、携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ、及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化、軽量化されている。
図18に示すように、携帯情報機器110は、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信、及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路、及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片4が振動し、振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換され、発振回路に電気信号として入力される。
発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123、及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化、及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー、及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。
電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119、及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしてもよい。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
したがって、本実施形態の携帯情報機器110によれば、キャビティC内の気密が確保された圧電振動子1を備えているため、特性や信頼性に優れた高品質な携帯情報機器110を提供できる。さらにこれに加え、長期に亘って安定した高精度な時計情報を表示することができる。
(電波時計)
次に、図19に基づいて、この発明の電波時計の一実施形態について説明する。
図19は、電波時計130の概略構成図である。
ここで、電波時計130は、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
図19に示すように、電波時計130のアンテナ132は、40kHz、又は60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上記搬送周波数と同一の40kHz、及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。
続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
したがって、本実施形態の電波時計130によれば、キャビティC内の気密が確保された圧電振動子1を備えているため、特性や信頼性に優れた高品質な電波時計130を提供できる。さらにこれに加え、長期に亘って安定した高精度に時刻をカウントすることができる。
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、音叉型の圧電振動片を例に挙げて本発明を説明したが、これに限らず、例えばATカット型の圧電振動片(厚み滑り振動片)等に、本発明を適用しても構わない。
また、上述の実施形態では、表面実装型の圧電振動子1を例にして説明したが、これに限らずシリンダーパッケージタイプの圧電振動子に適用することもできる。
さらに、上述の実施形態では、リッド基板3、及びベース基板2は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板である場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、リッド基板3、及びベース基板2を、ガラス材料に代わってセラミックにより形成してもよい。この場合、ベース基板2の上面に圧電振動片4をバンプ接合する際に用いられるバンプBの材料として、導電性接着剤を用いることが可能になる。
1 圧電振動子
4 圧電振動片
5 パッケージ
10,11 振動腕部
12 基部
21 重り金属膜
21a 粗微調膜
21b 微調膜
81,85 規制溝(溝)
81a,85a 底面
81b,85b 側面
82,83,84 規制凹部
84a 粗微調用凹部
84b 微調用凹部
86 傾斜面
100 発振器
101 集積回路
110 携帯情報機器(電子機器)
113 計時部
130 電波時計
131 フィルタ部

Claims (10)

  1. 幅方向に並んで配置された一対の振動腕部と、
    これら一対の振動腕部に形成された重り金属膜と、
    前記一対の振動腕部における延在方向の基端側が接続された基部とを備え、
    前記重り金属膜にレーザ光を照射し、前記重り金属膜を部分的に除去することにより周波数の調整を行う圧電振動片において、
    前記一対の振動腕部の一面には、それぞれ前記重り金属膜の前記レーザ光が照射される箇所に対応する部位に、前記重り金属膜の飛散方向を規制する規制凹部が形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  2. 前記規制凹部は、各振動腕部の幅方向全体に亘って形成された溝であり、この溝が各振動腕部の長手方向に沿って複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
  3. 前記規制凹部は、底面と、この底面の周縁から立ち上がる側面とを有するように形成されており、
    前記規制凹部の最深部の深さをHとし、前記底面における前記振動腕部の長手方向の幅をWとし、前記レーザ光のレーザ径をKとしたとき、
    前記規制凹部の最深部の深さH、及び幅Wは、
    2K≦W≦3K
    H≧1.5W
    を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電振動片。
  4. 前記規制凹部は底面を有し、この底面は、各振動腕部の先端側に向かって傾斜していることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の圧電振動片。
  5. 幅方向に並んで配置された一対の振動腕部と、
    これら一対の振動腕部の先端に形成された重り金属膜と、
    前記一対の振動腕部における延在方向の基端側が接続された基部とを備え、
    前記重り金属膜にレーザ光を照射し、前記重り金属膜を部分的に除去することにより周波数の調整を行う圧電振動片において、
    前記一対の振動腕部の先端には、前記レーザ光が照射される一面側に先端に向かうに従って先細りとなるように切除面が形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  6. 前記切除面は、斜めに形成された傾斜面であることを特徴とする請求項5に記載の圧電振動片。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の圧電振動片が、パッケージに気密封止されてなることを特徴とする圧電振動子。
  8. 請求項7に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  9. 請求項7に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項7に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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